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審決分類 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06K
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G06K
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06K
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06K
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G06K
管理番号 1347166
審判番号 不服2017-12228  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-17 
確定日 2018-12-18 
事件の表示 特願2014-555685「無線周波数認識(RFID)タグと接続デバイスの間の通信のためのプロトコル並びに関連システム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月 8日国際公開,WO2013/116417,平成27年 5月 7日国内公表,特表2015-513334〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成25年(2013年)1月31日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2012年2月1日(以下,左の日を「優先権主張日」という。),米国)を国際出願日とする国際出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 8月25日付け 拒絶理由通知書
平成28年11月30日 意見書,手続補正書の提出
平成29年 4月12日付け 拒絶査定(以下,「原査定」という。)
平成29年 8月17日 審判請求書,手続補正書の提出
平成29年10月12日 上申書の提出
平成30年 1月 9日 上申書の提出

第2 平成29年8月17日になされた手続補正(以下,「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年8月17日になされた手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正により,特許請求の範囲の請求項12の記載は,次のとおり補正された。(下線部は補正箇所である。)。
「請求項1から11のいずれか1項に記載の方法において、前記少なくとも1つのRFIDタグが前記デバイスに配置されることを特徴とする方法。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の,平成28年11月30日の手続補正による特許請求の範囲の請求項12の記載は次のとおりである。
「前記少なくとも1つのRFIDタグが前記デバイスに配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。」
(3)本件補正は,補正前の請求項12に記載された発明を特定するために必要な事項である,「請求項1から11のいずれか1項に記載の方法」について,その記載の位置を「前記少なくとも1つのRFIDタグが前記デバイスに配置されることを特徴とする」の記載の後ろから,記載の前に移動したものであって,それに伴い,「請求項1から11のいずれか1項に記載の方法」の後に,「において」との記載を加えたものであるから,特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでもない。
(4)以上のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するのものであり,同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

なお,仮に,本件補正が特許法第17条の2第5項各号のいずれかを目的とするものであったとしても,下記「第3」で検討する請求項1に係る発明は,本件補正前後で変わりないので,審決の結論には影響しない。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成29年8月17日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成28年11月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に記載された事項により特定される発明(以下,「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「無線周波数識別(RFID)タグとデバイスとの間で通信する方法において、
少なくとも1つのRFIDタグ及びデバイスを提供するステップ、
前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間の直接の物理的な接続を検出するステップ、及び
前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間の直接の物理的な接続を検出した後に、前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間で情報を直接に交換するステップを含み、
前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間の前記直接の物理的な接続が、前記少なくとも1つのRFIDタグの第1の電気リード線と前記デバイスの第2のリード線との間の直接の接触を含み、
前記情報を直接に交換する前記ステップが、前記少なくとも1つのRFIDタグから前記デバイスに直接にタグ識別情報を含む第1のメッセージを送るステップをさらに含む、ことを特徴とする方法。」

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,
(1)この出願の請求項1ないし7及び10ないし13に係る発明は,本願の優先権主張日前に日本国内又は外国おいて,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
(2)この出願の請求項1ないし13に係る発明は,本願の優先権主張日前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて,その出願日前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
というものである。

引用文献1:米国特許出願公開第2010/0245057号明細書
引用文献2:特表2012-501577号公報
引用文献3:米国特許出願公開第2008/0100456号明細書

3 引用文献
(1)引用文献1
ア 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1には,図面とともに以下の事項が記載されている。
「[0001]1. Field of the Disclosure
[0002]The field of the disclosure relates to a sensor included in a component for sensing information relating to or surrounding the component location. The component can be attached to an article of manufacture and configured to be mated with a mating component. The component may include radio-frequency (RF) communication capability for communicating information, including the sensed information.」
(当審訳:[0001]1.発明の属する分野
[0002]本開示の分野は,構成要素の位置に関する情報を感知するための構成要素に含まれるセンサに関する。この構成要素は,製造物品に取り付けられ,かつ,相手方の構成要素と嵌合するように構成され得る。構成要素は,感知された情報を含む情報を通信するための無線周波数(RF)通信能力を含むことができる。)

「[0033]FIG. 1 illustrates a first exemplary embodiment of a component mating system 10 ( 1 ) where sensor data from a sensor associated with a component can be associated with the location of a component to provide location-specific sensor data. In this regard as illustrated in FIG. 1 , two components 12 ( 1 ), 12 ( 2 ) are mated to each other. In this example, the component 12 ( 1 ) is a removable component that is mated with a mating component 12 ( 2 ). The mating component 12 ( 2 ) is a fixed component in this embodiment, meaning that the mating component 12 ( 2 ) is attached to an article of manufacture 14 . The article of manufacture 14 may be equipment, including but not limited to electrical or fiber optic-based equipment. The component 12 ( 1 ) may be attached to a cable or cord that is plugged into the fixed, mating component 12 ( 2 ). Note that although this embodiment is discussed in terms of the component 12 ( 1 ) mating with the mating component 12 ( 2 ), these terms are used for convenience only. The mating component 12 ( 2 ) could be considered to be the component and the component 12 ( 1 ) considered to be the mating component. The term "mating component" is simply any component that can be connected, mated to or receive another component, or vice versa.」
(当審訳:[0033]図1は,構成要素に関連付けられたセンサからのセンサデータを位置特定センサデータを提供するための構成要素の位置と関連付けることができる構成要素合致システム10(1)の第1の実施形態を示す。この点に関しては,図1で示すように,2つの構成要素12(1),12(2)が互いに嵌合する。この例では,構成要素12(1)は,相手方の構成要素12(2)と嵌合する取り外し可能な構成要素である。相手方の構成要素12(2)は,この実施形態では固定構成要素であり,相手方の構成要素12(2)が製品14に取り付けられることを意味する。製品14は,限定されないが,電気または光ファイバー装置である。構成要素12(1)は固定された相手方構成要素12(2)に差し込まれたケーブルまたはコードに取り付けられてもよい。この実施形態は相手方構成要素12(2)と嵌合する構成要素12(1)に関して論じられているが,これらの用語は便宜上のみ使用されることに留意されたい。相手方の構成要素12(2)は,構成要素であると考えられ,構成要素12(1)は,相手方の構成要素であると考えられる。「相手方の構成要素」という用語は,単に,他の構成要素と結合,交配または結合することができる他の構成要素,またはその逆である。)

「[0034]As further illustrated in FIG. 1 , the component 12 ( 1 ) includes an integrated sensor 28 configured to detect environmental and/or physical information relating to the component 12 ( 1 ) and/or the surrounding area of the component 12 ( 1 ) (referred to as "sensor data"). The sensor 28 can include any type of sensor that can sense environment and/or physical information or conditions surrounding the sensor 28 . Examples will be discussed below. As will be discussed throughout this description, the sensor data can be used to detect information relating to the component 12 ( 1 ). The sensor data can be communicated to other components or systems, including a mating component 12 ( 2 ) and/or to an RFID reader 20 . The sensor data can be used to troubleshoot or diagnose environmental and/or physical conditions that can affect performance, security, or other features of the component 12 ( 1 ). The component 12 ( 1 ) may be an electrical component, fiber optic component, or other type of component used to provide an interconnection between an article of manufacture 14 . The article of manufacture 14 may be any type of equipment, including electrical and fiber optic equipment and used for any type of application.」
(当審訳:図1に更に示すように,構成要素12(1)は,構成要素12(1)および/または構成要素12(1)の周辺領域に関する環境および/または物理的情報(「センサデータ」と呼ばれる)を検出するように構成された統合センサ28とを備えている。センサ28は,センサ28を取り囲む環境および/または物理的情報または状態を感知することができる任意のタイプのセンサを含むことができる。例を以下に説明する。本明細書全体にわたって論じられるように,センサデータは,構成要素12(1)に関する情報を検出するために使用され得る。センサデータは,相手方の構成要素12(2)および/またはRFIDリーダ20を含む他の構成要素またはシステムに通信することができる。センサデータを使用して,性能に影響を及ぼす可能性がある環境および/または物理的状態をトラブルシューティングまたは診断し,セキュリティ,または構成要素12(1)の他の機能を使用することができる。構成要素12(1)は,電気部品,光ファイバー構成要素,または製品14間の相互接続を提供するために使用される他のタイプの構成要素であってもよい。製品14は任意のタイプの機器,例えば,電気および光ファイバー装置を含む,あらゆるタイプのアプリケーションに使用できる。)

「[0035]Both the component 12 ( 1 ) and mating component 12 ( 2 ) are contained in respective component housings 30 ( 1 ), 30 ( 2 ). The component housings 30 ( 1 ), 30 ( 2 ) may be attached to or comprise articles of manufacture, equipment, or other components. The component housing 30 ( 1 ) of the component 12 ( 1 ) includes the sensor 28 and an integrated circuit (IC) in the form of an IC chip 32 ( 1 ). The mating component 12 ( 2 ) also contains an IC chip 32 ( 2 ) in the component housing 30 ( 2 ). The IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ) provide circuitry for enabling certain functionality and communication with each other as well as other systems or devices. In this embodiment, the IC chip 32 ( 1 ) in the component 12 ( 1 ) is also coupled to the sensor 28 to receive sensor data regarding the component 12 ( 1 ) and/or the surrounding area. The IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ) may be entirely or partially located in the components 12 ( 1 ), 12 ( 2 ).」
(当審訳:[0035]構成要素12(1)と相手方構成要素12(2)の両方は,それぞれの構成要素ハウジング30(1),30(2)に収容されている。構成要素ハウジング30(1),30(2)は,製品,装置,または他の構成要素に取り付けられ得るか,またはこれらの構成要素を含み得る。構成要素12(1)の構成要素ハウジング30(1)は,センサ28とICチップ32(1)の形の集積回路(IC)とを含む。相手方の構成要素12(2)はまた,構成要素ハウジング30(2)内にICチップ32(2)を含む。ICチップ32(1),32(2)は,他のシステムまたはデバイスと同様に,ある機能および通信を可能にするための回路を提供する。この実施形態では,構成要素12(1)内のICチップ32(1)も,構成要素12(1)および/またはその周辺領域に関するセンサデータを受信するためにセンサ28に結合される。ICチップ32(1),32(2)は,構成要素12(1),12(2)内に全体的または部分的に配置されてもよい。)

「[0036] The IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ) may or may not be RFID-enabled. In this embodiment, the IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ) are RFID-enabled and may be referred to generally as IC chips or as an "RFID chip," "RFID-enabled chip," or "RFID-enabled IC chip." The RFID-enabled IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ) include respective associated RFID transponder circuitry which is coupled to respective antennas 34 ( 1 ), 34 ( 2 ) to provide RFID transponders 18 ( 1 ), 18 ( 2 ). As used herein, the term "RFID transponder" includes at least an RFID-enabled IC and an antenna. The RFID transponders 18 ( 1 ), 18 ( 2 ) allow for RF communications including to the RFID reader 20 . The RFID transponders 18 ( 1 ), 18 ( 2 ) may employ passive, semi-passive, or active RFID-enabled IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ), and may be designed to respond and/or communicate at the frequency desired via respective antennas 34 ( 1 ), 34 ( 2 ). In this embodiment, the RFID transponders 18 ( 1 ), 18 ( 2 ) are passive devices. Passive RFID devices do not require their own power source. Power can be harvested from an interrogation signal 24 transmitted by the RFID reader 20 in the RFID reader system 22 and received by the antennas 34 ( 1 ), 34 ( 2 ). Thus, passive RFID devices may be desired when providing a power supply is not desired or otherwise impractical due to cost or size limitations. The antennas 34 ( 1 ), 34 ( 2 ) may be any type of antenna that is tuned to the desired reception and/or transmission frequency(s), including but not limited to a dipole and monopole antenna. The antennas 34 ( 1 ), 34 ( 2 ) can be external to or integrated in the IC chips 32 ( 1 ), 32 ( 2 ). In this embodiment, the sensor 28 can also be external to or integrated in the IC chip 32 ( 1 ) or the component 12 ( 1 ).」
(当審訳:[0036]ICチップ32(1),32(2)は,RFID対応であってもなくてもよい。この実施形態では,ICチップ32(1),32(2)はRFID対応であり,一般にICチップまたは「RFIDチップ」,「RFID対応チップ」または「RFID対応IC」と呼ばれてよい。RFID対応ICチップ32(1),32(2)は,RFIDトランスポンダ18(1),18(2)を提供する為に,それぞれのアンテナ34(1),34(2)に接続されたそれぞれの関連するRFIDトランスポンダ回路を含む。本明細書で使用する「RFIDトランスポンダ」という用語は,少なくともRFID対応ICとアンテナとを含む。RFIDトランスポンダ18(1),18(2)は,受動的,半受動的,または能動的なRFID対応ICチップを使用することができるそれぞれのアンテナ34(1),34(2)を介して所望の周波数で応答および/または通信するように設計することができる。この実施形態では,RFIDトランスポンダ18(1),18(2)は受動的な装置である。パッシブRFIDデバイスは,独自の電源を必要としない。電力は,RFIDリーダシステム22内のRFIDリーダ20によって送信され,アンテナ34(1),34(2)によって受信される質問信号24から取得することができる。したがって,パッシブRFID装置は,電源が望ましくないか,またはコストまたはサイズの制約のため非実用的でない場合に望ましいことがある。アンテナ34(1),34(2)は,ダイポールアンテナおよびモノポールアンテナを含むがこれに限定されない所望の受信および/または送信周波数に同調される任意のタイプのアンテナであり得る。アンテナ34(1),34(2)は,ICチップ32(1),32(2)の外部に設けられてもよいし,集積化されていてもよい。この実施形態では,センサ28は,ICチップ32(1)または構成要素12(1)の外部にあっても一体化されていてもよい。)

「[0037] Also in this embodiment, both the component 12(1) and mating component 12(2) contain one or more electrical leads each coupled to their respective IC chips 32(1), 32(2). When the electrical leads 36(1), 36(2) come into electrical contact with each other as a result of a connection, a connection event occurs. In response, the IC chips 32(1), 32(2) of the components 12(1), 12(2), respectively, initiate communications with each other over the electrical leads 36(1), 36(2). Identity information regarding the identity of the component 12(1) and mating component 12(2) stored in memory 38(1), 38(2) provided in the IC chips 32(1), 32(2) of the RFID transponders 18(1), 18(2) can be exchanged and stored to signify the connection of the component 12(1) with the mating component 12(2). Either or both the component 12(1) and the mating component 12(2) can also communicate their own identity information as well as exchanged identity information with the other component 12(2), 12(1), respectively, to the RFID reader 20. The components 12(1), 12(2) may communicate other information stored in memory, such as serial number, type of connector, cable type, manufacturer, manufacturing date, installation date, location, lot number, performance parameters (such as attenuation measured during installation), identification of what is at other end of the cable, etc. Such information could be preloaded on the memory 38(1), 38(2) of the RFID transponders 18(1), 18(2) at manufacture or upon installation via the RFID reader 20.」
(当審訳:[0037]また,この実施形態では,構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)はそれぞれ,それぞれのICチップ32(1),32(2)にそれぞれ結合された一つ以上の電気リード線を含む。接続の結果,電気リード線36(1),36(2)が互いに電気的に接触すると,接触イベントが発生する。それに応答して,構成要素12(1),12(2)のICチップ32(1),32(2)は,それぞれ,電気リード線36(1),36(2)を介して互いに通信を開始する。RFIDトランスポンダ18(1),18(2)のICチップ32(1),32(2)内に設けられたメモリ38(1),38(2)に格納された構成要素12(1)の識別情報および相手方の構成要素12(2)に関する識別情報を交換して格納させ,構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)との接続を示すことができる。構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)の一方又は両方はまた,それぞれの識別情報ならびに交換された識別情報を他方の構成要素12(2),12(1)とそれぞれRFIDリーダー20に通信することができる。構成要素12(1),12(2)は,メモリに格納された他の情報,シリアル番号,コネクタのタイプ,ケーブルの種類,製造者,製造日,設置日,場所,ロット番号,性能パラメータ(設置中に測定された減衰など),ケーブルの他端,等,を通信することができる。そのような情報は,RFIDトランスポンダ18(1),18(2)のメモリ38(1),38(2)に,製造時または設置時にRFIDリーダ20を介して予めロードすることができる。)

イ 上記「ア」より,引用文献1には,以下の発明が記載されている。(以下,「引用発明」という。)

「構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)との間で通信する方法であって,
構成要素12(1)は,RFIDトランスポンダ18(1)を構成するRFID対応ICチップ32(1)を含み,
相手方の構成要素12(2)は,RFIDトランスポンダ18(2)を構成するRFID対応ICチップ32(2)を含み,
相手方の構成要素12(2)は,製品14に取り付けられており,
RFID対応ICチップ32(1),32(2)は,それぞれ電気リード線36(1),36(2)に結合され,
電気リード線36(1),36(2)が互いに電気的に接触すると,接触イベントが発生し,ICチップ32(1),32(2)は,それぞれ,電気リード線36(1),36(2)を介して互いに通信を開始し,
ICチップ32(1),32(2)内に設けられたメモリ38(1),38(2)に格納された構成要素12(1)の識別情報および相手方の構成要素12(2)に関する識別情報を交換して格納する,
構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)との間で通信する方法。」

4 対比
本願発明と引用発明を対比すると,以下のとおりとなる。
(1)引用発明の「構成要素12(1)」は,「RFIDトランスポンダ18(1)」を含んでいるから,引用発明の「構成要素12(1)」と本願発明の「無線周波数識別(RFID)タグ」は,RFIDに関する装置である点で共通する。
(2)引用発明の「相手方の構成要素12(2)」と本願発明の「デバイス」は,「構成」である点で共通する。
(3)上記(1),(2)から,引用発明の「構成要素12(1)と相手方の構成要素12(2)との間で通信する方法」と本願発明の「無線周波数識別(RFID)タグとデバイスとの間で通信する方法」は,「RFIDに関する装置と構成との間で通信する方法」である点で共通する。
(4)引用発明は,本願発明の「RFIDタグ」に対応する構成である「構成要素12(1)」と,本願発明の「デバイス」に対応する構成である「相手方の構成要素12(2)」を提供していると言えるから,このことと,本願発明の「少なくとも1つのRFIDタグ及びデバイスを提供するステップ」は,「少なくとも1つのRFIDに関する装置及び構成を提供するステップ」を有する点で共通する。
(5)引用発明の「電気リード線36(1)」及び「電気リード線36(2)」は,それぞれ本願発明の「第1の電気リード線」及び「第2のリード線」に相当する。
(6)引用発明は「RFID対応ICチップ32(1),32(2)は,それぞれ電気リード線36(1),36(2)に結合され,電気リード線36(1),36(2)が互いに電気的に接触すると,接触イベントが発生し」ているから,引用発明は「電気リード線36(1),36(2)が互いに電気的に接触する」のを検出していると認められる。そして,引用発明の「電気リード線36(1),36(2)」は,「RFID対応ICチップ32(1),32(2)」にそれぞれ結合された電気リード線であることから,前記「電気リード線36(1),36(2)が互いに電気的に接触する」のを検出することは,「RFID対応ICチップ32(1),32(2)」の直接の物理的な接続を検出することであると認められる。さらに引用発明の「RFID対応ICチップ32(1),32(2)」は,それぞれ「構成要素12(1)」及び「相手方の構成要素12(2)」に含まれているから,「RFID対応ICチップ32(1),32(2)」の直接の物理的な接続を検出することは,「構成要素12(1)」と「相手方の構成要素12(2)」の直接の物理的な接続を検出することであると言える。
そうすると,引用発明は,本願発明の「前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間の直接の物理的な接続を検出するステップ」と,「前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間の直接の物理的な接続を検出するステップ」を有する点で共通する。
また,引用発明は,本願発明の「前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間の前記直接の物理的な接続が、前記少なくとも1つのRFIDタグの第1の電気リード線と前記デバイスの第2のリード線との間の直接の接触を含」むことと,「前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成の物理的な接続が,前記少なくとも1つのRFIDに関する装置の第1の電気リード線と前記構成の第2のリード線との間の直接の接触を含」む点で共通する。
(7)引用発明では,「ICチップ32(1),32(2)は,それぞれ,電気リード線36(1),36(2)を介して互いに通信を開始」することで,「構成要素12(1)の識別情報および相手方の構成要素12(2)に関する識別情報を交換」していることから,引用発明の「ICチップ32(1),32(2)は,それぞれ,電気リード線36(1),36(2)を介して互いに通信を開始」することと,本願発明の「前記少なくとも1つのRFIDタグと前記デバイスとの間で情報を直接に交換するステップ」とは,「前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間で情報を直接に交換するステップ」を有する点で共通する。
(8)引用発明の「構成要素12(1)の識別情報」と本願発明の「タグ識別情報」は,RFIDに関する装置の識別情報である点で共通する。
そうすると,引用発明の「ICチップ32(1),32(2)内に設けられたメモリ38(1),38(2)に格納された構成要素12(1)の識別情報および相手方の構成要素12(2)に関する識別情報を交換」することと,本願発明の「前記少なくとも1つのRFIDタグから前記デバイスに直接にタグ識別情報を含む第1のメッセージを送るステップ」は,「前記少なくとも1つのRFIDに関する装置から前記構成に直接にRFIDに関する装置の識別情報を含む第1のメッセージを送るステップ」を有する点で共通する。
(9)上記(1)ないし(8)で検討したように,本願発明と引用発明は,以下の点で一致し,また相違する。
[一致点]
「RFIDに関する装置と構成との間で通信する方法において、
少なくとも1つのRFIDに関する装置及び構成を提供するステップ、
前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間の直接の物理的な接続を検出するステップ、及び
前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間の直接の物理的な接続を検出した後に、前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間で情報を直接に交換するステップを含み、
前記少なくとも1つのRFIDに関する装置と前記構成との間の前記直接の物理的な接続が、前記少なくとも1つのRFIDに関する装置の第1の電気リード線と前記構成の第2のリード線との間の直接の接触を含み、
前記情報を直接に交換する前記ステップが、前記少なくとも1つのRFIDに関する装置から前記構成に直接にRFIDに関する装置の識別情報を含む第1のメッセージを送るステップをさらに含む、ことを特徴とする方法。」
[相違点1]
通信の対象である「RFIDに関する装置」と「構成」について,本願発明は「無線周波数識別(RFID)タグ」と「デバイス」であるのに対し,引用発明は,「構成要素12(1)」と「相手方の構成要素12(2)」である点。
[相違点2]
「RFIDに関する装置」から「構成」に送られる「RFIDに関する装置の識別情報」について,本願発明は「タグ識別情報」であるのに対し,引用発明は「構成要素12(1)の識別情報」である点。

5 判断
上記[相違点1]及び「相違点2」について判断する。
引用発明の「相手方の構成要素12(2)」は「製品14」に取り付けられているところ,上記「3(1)ア」に記載されているように,「製品14」は「電気又は光ファイバ装置」であるから,ある種の「デバイス」であるということができる。
また,引用発明の「構成要素12(1)」は「RFIDトランスポンダ18(1)」を含んでいるところ,「RFIDトランスポンダ」は「RFIDタグ」と言い得るものであるから(なお,本願明細書【0017】にも「本明細書に開示されるように、RFIDタグはRFIDトランスポンダーとしても知られ、そのような語は互換で用いられ得る。」と記載されており,本願においても同様の意味で用いられていると認められる。),引用発明において「構成要素12(1)」から「相手方の構成要素12(2)」(デバイス)に送られる「RFIDに関する装置の識別情報」は,「RFIDタグ」から「デバイス」に送られるということができる。
そして,引用発明の「構成要素12(1)の識別情報」は,「RFIDトランスポンダ18(1)」を構成する「RFID対応ICチップ32(1)」内に設けられた「メモリ38(1)」に格納された識別情報であるから,「RFIDトランスポンダ18(1)」の識別情報であるといえる。
そうすると,上述のとおり「RFIDトランスポンダ」は,「RFIDタグ」と言い得るものであるから,結局,引用発明の「構成要素12(1)の識別情報」は,「RFIDの識別情報」,すなわち「タグ識別情報」といえる。
したがって,[相違点1]及び[相違点2]は実質的な相違点とはいえない。

第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用文献1に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
したがって,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-07-13 
結審通知日 2018-07-23 
審決日 2018-08-03 
出願番号 特願2014-555685(P2014-555685)
審決分類 P 1 8・ 571- Z (G06K)
P 1 8・ 572- Z (G06K)
P 1 8・ 574- Z (G06K)
P 1 8・ 573- Z (G06K)
P 1 8・ 113- Z (G06K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 正悟  
特許庁審判長 飯田 清司
特許庁審判官 小田 浩
梶尾 誠哉
発明の名称 無線周波数認識(RFID)タグと接続デバイスの間の通信のためのプロトコル並びに関連システム及び方法  
代理人 村山 靖彦  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
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