• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 B41J
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B41J
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B41J
管理番号 1347343
審判番号 不服2016-8556  
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-08 
確定日 2019-01-21 
事件の表示 特願2011-284461「画像形成装置およびその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月 8日出願公開、特開2013-132825、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年12月26日を出願日とする特許出願であって、平成27年11月13日に手続補正がされ、平成28年3月2日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、同年6月8日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がされ、当審で平成29年12月28日付けで拒絶理由が通知され、平成30年3月9日に手続補正がされ、同年3月29日付けで拒絶理由が通知され、同年6月1日に手続補正がされ、同年7月27日付けで拒絶理由が通知され、同年8月10日に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定に係る拒絶理由の概要は、次のとおりである。
原査定時の請求項1、2、5に係る各発明は、下記の引用文献1、2(下記「第3 <引用文献等一覧>」参照。)に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第3 当審で通知した拒絶理由の概要
当審で通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。

1.平成29年12月28日付けの拒絶理由
拒絶理由通知時の請求項1、2、5に係る各発明は、下記の引用文献1、2、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
拒絶理由通知時の請求項3に係る発明は、下記の引用文献1、2、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
拒絶理由通知時の請求項4に係る発明は、下記の引用文献1、2、3、4、5に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.平成30年3月29日付けの拒絶理由
拒絶理由通知時の請求項1、2、5に係る各発明は、下記の引用文献1、2、3、6に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
拒絶理由通知時の請求項3に係る発明は、下記の引用文献1、2、3、4、6に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
拒絶理由通知時の請求項4に係る発明は、下記の引用文献1、2、3、4、5、6に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.平成30年7月27日付けの拒絶理由
理由1:この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
理由2:この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由3:平成30年6月1日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

(1)理由:1、3
請求項:1、5
備考:請求項1、5の発明特定事項である「前記記憶媒体を搬送中か否かに応じて前記画像形成装置を正常停止或いはジャム停止させ」は、「記憶媒体を搬送中か否か」のみによって「正常停止或いはジャム停止させ」ることを判断することを含んでいると解されるが、明細書には「【0075】ここで、ジョブが実行中であるため、CPU171は、装置内に紙搬送しているか否かを判断する(S609)。この異常状態が発生したタイミングで紙搬送がされている場合(S609にてYES)、CPU171は、紙が装置外へ正常排紙できる場合には正常に排紙し、正常排紙できない場合には一旦ジャムとして取り扱い、装置を停止させる。なお、ジョブ実行時に故障検知された場合に、もし、紙が正常排紙できて正常に停止できるのであれば、ジャムとして停止させる必要はない。ここでは、一旦ジャムとして停止するため、CPU171は、図17(B)の画面1702に示すように、操作部172上にジャム発生情報を報知する(S611)。その後、ユーザーにジャム紙を除去してもらうことになる。」と記載されており、「記憶媒体を搬送中か否か」のみを判断材料とするものを含む請求項1、5に係る手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、また請求項1、5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでもない。

(2)理由:2
請求項:1、5
備考:請求項1、5の「画像形成装置の異常状態」の「異常状態」と、他の箇所の「異常状態」との関連が不明である。

(3)理由:1
請求項:1、5
備考:本願明細書の「なお、異常状態の種類によって、例えば、定着器の異常状態を検知した場合には、異常状態検知後に即座に故障と判断し、その故障情報を報知して、動作を停止するように制御する場合がある。定着器関連の異常状態以外にも異常状態の発生頻度の判断せずに即座に故障と判断するいくつかの異常状態検知の種類がある。これら以外の異常状態検知については、異常状態の発生頻度の判断を実行し、その異常状態の発生頻度を考慮した上で故障・破損状態を的確に判断する。」(段落【0061】)との記載及び図6の「S602」の「NO」から「S610」の処理に示されているように明細書及び図面には、異常状態の発生頻度の判断をせずに「即座に故障と判断する」場合を含むもののみが記載されている一方、当該事項は、本願請求項1、5には特定されておらず、発明の詳細な説明に記載したものではない。

(4)理由:2
請求項:1、3、4、5
備考:請求項1、4、5の「記憶媒体」はどのようなものか不明であり、及び請求項3の「シート」との関連も不明である。(前記「記憶媒体」は「記録媒体」の誤記ではないか。)

(5)理由:2
請求項:1、5
備考:請求項1、5の「記録媒体を搬送中か否かに応じて」における「搬送中」、及び「否」(搬送中でない場合)と、「正常停止或いはジャム停止させ」における「正常停止」、及び「ジャム停止させ」の関連が不明であり、「正常停止」と「ジャム停止」の定義も不明である。

(6)理由:2
請求項:1、5
備考:請求項1、5の「異常状態の種類を表すコードが前記記録媒体のジャム」と「異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合」との関連が不明である。

(7)理由:2
請求項:1、5
備考:「像形成枚数」と、他の箇所の「画像形成」との関連が不明である。

<引用文献等一覧>

1.特開2005-219247号公報
2.特開2011-1315356号公報
3.特開平05-333625号公報
4.特開2008-216446号公報
5.特開2002-248840号公報
6.特開2011-197044号公報

第4 本願の発明
本願の請求項1ないし5に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、平成30年8月10日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし5は次のとおりのものである。

「【請求項1】
自装置の異常状態を検知し、検知した異常を報知する画像形成装置であって、
記録媒体に画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像形成された累積の画像形成枚数をカウントするカウント手段と、
前記画像形成装置の異常状態を検知する検知手段と、
前記検知手段により異常状態を検知した場合に、該異常状態の種類を表すコードおよび該異常状態が検知された時の前記カウント手段の値を記憶する記憶手段と、
前記異常状態に関する報知を行う報知手段と、
前記検知手段により異常が検知されると前記画像形成装置の動作を停止させる制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が以前に検知されていない、或いは、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分が所定値より大きければ、前記記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合は、前記画像形成装置をジャム停止させ、前記記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合は、前記画像形成装置を正常停止させ、ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記正常停止或いはジャム停止させた状態を解消するための情報を前記報知手段により報知させ、一方、前記差分が前記所定値より大きくなければ、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させ、
前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合には、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態と同じ異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分に拘わらず、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体に形成されたトナー像を定着する定着手段を更に有し、
前記所定の異常状態には、前記定着手段の異常状態が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像形成装置を前記ジャム停止させた場合、記録媒体を取り除くことを促す画面を前記報知手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記画像形成装置を前記正常停止させた場合、前記画像形成装置の動作を継続するための指示を受け付ける画面を前記報知手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
自装置の異常状態を検知し、検知した異常をユーザーに報知する画像形成装置の制御方法であって、
記録媒体に画像形成する画像形成工程と、
前記画像形成工程により画像形成された累積の画像形成枚数をカウントするカウント工程と、
前記画像形成装置の異常状態を検知する検知工程と、
前記検知工程により異常状態を検知した場合に、該異常状態の種類を表すコードおよび該異常状態が検知された時の前記カウント工程における値を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記検知工程にて異常が検知されると前記画像形成装置の動作を停止させる制御工程と、
を有し、
前記制御工程において、
前記検知工程にて検知された異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が以前に検知されていない、或いは、該異常状態が検知されたときの前記カウント工程におけるカウント値と該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント工程におけるカウント値との差分が所定値より大きければ、前記記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合は、前記画像形成装置をジャム停止させ、前記記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合は、前記画像形成装置を正常停止させ、ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記正常停止或いはジャム停止させた状態を解消するための情報を報知させ、一方、前記差分が前記所定値より大きくなければ、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを報知させ、前記画像形成装置を故障停止させ、
前記検知工程にて検知された異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合には、該異常状態が検知されたときの前記カウント工程におけるカウント値と該異常状態と同じ異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント工程におけるカウント値との差分に拘わらず、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを報知させ、前記画像形成装置を故障停止させることを特徴とする制御方法。」

第5 引用文献、引用発明

1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前の平成17年8月18日に頒布された刊行物である引用文献1(特開2005-219247号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。(以下の下線は、いずれも審決で付した。引用文献2以下についても同様である。)

(1)「【0004】
タイプA・・緊急性を要し、サービスマンによる修理が必要な故障
タイプB・・特定のユニットの故障で、基本機能に影響のない故障
タイプC・・ログ機能の故障
タイプD・・電源のオフ(OFF)/オン(ON)により復旧可能なその他の故障
なお、上記のタイプ分けは便宜的なものであって、必ずしも故障の重大性の序列を意味しているものではない。」

(2)「【0032】
図1において、画像形成装置1は、ソフトウェア群2と、画像形成装置起動部3と、ハードウェア資源4とを含むように構成される。
【0033】
画像形成装置起動部3は画像形成装置1の電源投入時に最初に実行され、アプリケーション層5およびプラットホーム層6を起動する。例えば画像形成装置起動部3は、アプリケーション層5およびプラットホーム層6のプログラムを、ハードディスク装置(以下、HDDという)などから読み出し、読み出した各プログラムをメモリ領域に転送して起動する。ハードウェア資源4は、スキャナ25と、プロッタ26と、ADF(Auto Document Feeder)などのハードウェアリソース24とを含む。
【0034】
また、ソフトウェア群2は、UNIX(登録商標)などのオペレーティングシステム(以下、OSという)上に起動されているアプリケーション層5とプラットホーム層6とを含む。アプリケーション層5は、プリンタ、コピー、ファックスおよびスキャナなどの画像形成にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うプログラムを含む。
【0035】
アプリケーション層5は、プリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ9と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ10と、ファックス用アプリケーションであるファックスアプリ11と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ12とを含む。
【0036】
また、プラットホーム層6は、アプリケーション層5からの処理要求を解釈してハードウェア資源4の獲得要求を発生するコントロールサービス層7と、1つ以上のハードウェア資源4の管理を行ってコントロールサービス層7からの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(以下、SRMという)21と、SRM21からの獲得要求に応じてハードウェア資源4の管理を行うハンドラ層8とを含む。
【0037】
コントロールサービス層7は、ネットワークコントロールサービス(以下、NCSという)13、デリバリーコントロールサービス(以下、DCSという)14、オペレーションパネルコントロールサービス(以下、OCSという)15、ファックスコントロールサービス(以下、FCSという)16、エンジンコントロールサービス(以下、ECSという)17、メモリコントロールサービス(以下、MCSという)18、ユーザインフォメーションコントロールサービス(以下、UCSという)19、システムコントロールサービス(以下、SCSという)20など、一つ以上のサービスモジュールを含むように構成されている。」

(3)「【0048】
図2は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成図である。
【0049】
図2において、画像形成装置1は、コントローラボード30と、オペレーションパネル43と、FCU44と、エンジン47とを含む。また、FCU44は、G3規格対応ユニット45と、G4規格対応ユニット46とを有する。
【0050】
また、コントローラボード30は、CPU31と、ASIC40と、HDD42と、システムメモリ(MEM-P)32と、ローカルメモリ(MEM-C)41と、ノースブリッジ(以下、NBと記す)33と、サウスブリッジ(以下、SBと記す)34と、NIC35(Network Interface Card)と、USBデバイス36と、IEEE1394デバイス37と、セントロニクスデバイス38とを含む。
【0051】
オペレーションパネル43は、コントローラボード30のASIC40に接続されている。また、SB34と、NIC35と、USBデバイス36と、IEEE1394デバイス37と、セントロニクスデバイス38とは、NB33にPCIバスで接続されている。
【0052】
また、FCU44と、エンジン47は、コントローラボード30のASIC40にPCIバスで接続されている。
【0053】
なお、コントローラボード30は、ASIC40にMEM-C41、HDD42などが接続されると共に、CPU31とASIC40とがCPUチップセットのNB33を介して接続されている。このように、NB33を介してCPU31とASIC40とを接続すれば、CPU31のインタフェースが公開されていない場合に対応できる。
【0054】
また、ASIC40とNB33とはPCIバスを介して接続されているのでなく、AGP(Accelerated Graphics Port)39を介して接続されている。このように、図1のアプリケーション層5やプラットホーム層6を形成する一つ以上のプロセスを実行制御するため、ASIC40とNB33とを低速のPCIバスでなくAGP39を介して接続し、パフォーマンスの低下を防いでいる。
【0055】
CPU31は、画像形成装置1の全体制御を行うものである。CPU31は、図1のNCS13、DCS14、OCS15、FCS16、ECS17、MCS18、UCS19、SCS20、SRM21、FCUH22、IMH23をOS上にそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション層5を形成するプリンタアプリ9、コピーアプリ10、ファックスアプリ11、スキャナアプリ12を起動して実行させる。
【0056】
NB33は、CPU31、MEM-P32、SB34およびASIC40を接続するためのブリッジである。MEM-P32は、画像形成装置1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB34は、NB33とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。また、MEM-C41はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。
【0057】
ASIC40は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD42は、画像の蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積などを行うためのストレージである。また、オペレーションパネル43は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
【0058】
図3は本発明の故障対応のために図1のSCS20内に設けられた機能部の構成例を示すブロック図である。なお、故障対応に関する部分のみを示している。
【0059】
図3において、SCS20には、前述したタイプAおよびタイプDの故障を検出する故障検出部20aと、発生した故障をログに書き込むログ書込部20bと、電源のOFF/ONによって復旧する可能性の高いタイプDの故障のうちリブート対象となる故障(例えば印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障)を検出するリブート対象故障検出部20cとを含んでいる。
【0060】
また、SCS20には、故障発生時に自動通報および自動リブートに関する画面を表示する画面表示制御部20dと、タイプAの故障もしくはタイプDの故障が所定の頻度で発生した場合(例えば印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)に前述したCSSあるいはネットワークを利用した診断サービスであるNRS(New Remote Service)を使用してサービスセンタに自動通報を行う自動通報制御部20eとを含んでいる。
【0061】
更に、SCS20には、リブート対象となる故障を検出した直後に、リブートに先立って、画像形成装置1のハードウェア資源4であるエンジンやプログラム(ソフトウェア群2)に対して動作抑制(新たな動作の抑制、プロセス間通信の抑制、HDDへのアクセスの抑制等を含む)を行う動作抑制制御部20fと、画像形成装置1のエンジンやプログラムに対して一連のリブート(リセット)処理を行うリブート実行制御部20gとを含んでいる。なお、省エネ移行検出部20hは画像形成装置1が省エネ状態に入っていることを検出する部分である。
【0062】
図4は故障発生時における画像形成装置の動作を示す操作フロー図である。
【0063】
図4において、タイプAもしくはタイプDの故障が発生すると(ステップS101)、タイプAの故障の場合もしくはタイプDの故障であってリブート対象とならない場合(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)には、画像形成装置1にCSSもしくはNRSによる自動通報機能があってその機能が有効である場合は、故障時自動通報画面を表示してサービスセンタに自動通報を行う(ステップS102)。そして、通報が成功した場合はサービスマンによる修理を待つ旨が表示され(ステップS103)、あるいは別パターンとして営業時間外であるため対応が次営業日になる旨が表示され(ステップS105)、電源のOFF/ONを待つ状態になる(ステップS104、S106)。また、通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され(ステップS107)、電源のOFF/ONを待つ状態になる(ステップS108)。」

(4)「【0072】
図5において、リブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生し、SCS20がこれを検出すると(ステップS201)、自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示し(ステップS202)、ほぼ同時に、xCS104、アプリ101、102、エンジン103に対して動作抑制の通知を行う(ステップS203?S206)。動作抑制の通知を受けた各部は、後処理として、仕掛かり中の処理を区切りのよい、リブートが安全に行える状態で動作停止し、インタフェースの抑制を行うことで新たな動作を抑制し、SCS20に対して応答を通知する(ステップS207?S210)。SCS20は応答の受付を例えば3分間でタイムアウトする。
【0073】
次いで、SCS20は例えば30秒間の待機を行い(ステップS211)、リブートの実行に入る。ここで、OCS15に対して操作部ドライバの通信停止要求を行うが、関数内でブロックされるため応答はない(ステップS212)。続いて、SCS20はエンジン103に対してリセット要求を行い(ステップS213)、エンジン103から応答を受け取る(ステップS214)。そして、HDDのアクセス停止処理(ステップS215)、エンジン電源のOFF(ステップS216)、エンジン電源のON(ステップS217)、アプリ101、102のリブート実行(ステップS218)を順次に行い、エンジン103に対してコントローラ起動を行い(ステップS219)、エンジン103からエンジンコンフィグを受け取る(ステップS220)。そして、自動リブートを実行したことをユーザに伝えて確認を求める画面を表示する(ステップS221)。
【0074】
このように、各モジュールの動作抑制を行い、動作中の処理の後始末とインタフェースの抑制を行うことで、残紙やHDD故障やデータのゴミ等を生ずることなく、速やかにリブートを行うことができる。」

上記の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認定できる。

「画像形成装置1は、ソフトウェア群2と、画像形成装置起動部3と、ハードウェア資源4とを含むように構成され、ソフトウェア群2は、アプリケーション層5とプラットホーム層6とを含み、プラットホーム層6は、コントロールサービス層7と、ハンドラ層8とを含み、コントロールサービス層7は、NCS13、DCS14、OCS15、FCS16、ECS17、MCS18、UCS19、SCS20を含み、画像形成装置のハードウェア構成は、コントローラボード30と、オペレーションパネル43と、FCU44と、エンジン47とを含み、コントローラボード30は、CPU31と、ASIC40と、HDD42と、MEM-P32と、MEM-C41と、NB33と、SB34と、NIC35と、USBデバイス36と、IEEE1394デバイス37と、セントロニクスデバイス38とを含み、CPU31は、画像形成装置1の全体制御を行うものであり、CPU31は、NCS13、DCS14、OCS15、FCS16、ECS17、MCS18、UCS19、SCS20、SRM21、FCUH22、IMH23をOS上にそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション層5を形成するプリンタアプリ9、コピーアプリ10、ファックスアプリ11、スキャナアプリ12を起動して実行させ、SCS20は、タイプAおよびタイプDの故障を検出する故障検出部20aと、タイプAの故障は、緊急性を要し、サービスマンによる修理が必要な故障であり、タイプDの故障は電源のオフ(OFF)/オン(ON)により復旧可能なその他の故障であり、電源のOFF/ONによって復旧する可能性の高いタイプDの故障のうちリブート対象となる故障(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障)を検出するリブート対象故障検出部20cとを含み、タイプAの故障の場合もしくはタイプDの故障であってリブート対象とならない場合(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)には、故障時自動通報画面を表示してサービスセンタに自動通報を行い、通報が成功した場合はサービスマンによる修理を待つ旨が表示され、通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され、電源のOFF/ONを待つ状態になり、リブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生し、SCS20がこれを検出すると、自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示し、xCS104、アプリ101、102、エンジン103に対して動作抑制の通知を行い、動作抑制の通知を受けた各部は、後処理として、仕掛かり中の処理を区切りのよい、リブートが安全に行える状態で動作停止し、インタフェースの抑制を行うことで新たな動作を抑制し、SCS20に対して応答を通知し、次いで、SCS20は、リブートの実行に入り、SCS20はエンジン103に対してリセット要求を行い、HDDのアクセス停止処理、エンジン電源のOFF、エンジン電源のON、アプリ101、102のリブート実行を順次に行い、エンジン103に対してコントローラ起動を行い、エンジン103からエンジンコンフィグを受け取り、自動リブートを実行したことをユーザに伝えて確認を求める画面を表示する画像形成装置。」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前の平成23年7月7日に頒布された刊行物である引用文献2(特開2011-131536号公報)には図面と共に次の事項が記載されている。

(1)「【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置の一般的な構成は、原稿表面の画像を読み取る画像読取部や、原稿を画像読取部に向けて送り出す原稿搬送装置、印刷前の用紙を積載して収容する給紙カセット、トナー像を形成する画像形成部、トナー像を用紙に転写する転写部、未定着トナー像を用紙に定着させる定着部などからなる。」

(2)「【0036】
また、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU22やその他の図示しない電子部品で構成された制御部21を備えている。制御部21は中央演算処理装置であるCPU22と画像処理部23とを利用し、記憶部24に記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部9、画像形成部12、中間転写ベルト13、定着部16などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作を実現する。また、制御部21はその内部(外部でも良い)に時間を計時する計時部25を備え、故障発生日時などの各種時間を把握できる。
【0037】
そして、画像形成装置1はその装置各部に温度センサ16aや用紙検知スイッチ26などといった各種センサを備えている。各種センサは装置内の各部における温度や湿度、用紙等の障害物の有無などを電気信号として出力する。制御部21は各種センサの出力信号に基づいて故障を検知する。また、制御部21はポリゴンモータ11a、ドラムモータ12a、ベルトモータ13aといったモータなどの機能部材の動作電流、電圧等や、記憶部24に記憶されたデータの異常等に基づいて故障を検知することもある。
【0038】
制御部21が検知する故障は種類別にランク付けがなされている。例えば、定着部16に係る故障が最も重度の故障である設定され、続いて記憶部24に記憶されたデータの異常、露光部11や画像形成部12等のモータなど駆動系のトラブル、各種スイッチ異常、搬送系のトラブルといった順に各種故障が種類別にランク付けされている。制御部21はこれらの故障を種類別に故障コードを割り当てるとともに、故障の検知/不検知に係る情報、故障発生日時、故障発生回数等を記憶部24に記憶させている。なお、故障の検知/不検知に係る情報は故障フラグが立っている、或いは立っていないというデータにして故障の種類別に記憶されている。」

(3)「【0062】
また、記憶部24は故障の発生頻度を計る目安としての時間を予め定められた所定時間として故障の種類別に記憶している。この所定時間としては例えば故障の程度が4段階にランク付けされた最も重度の故障から順に10時間、20時間、30時間、40時間などが設定され、記憶部24に記憶されている。制御部21は故障フラグが立っているか否かと、その故障に係る上記所定時間とを確認することで故障の発生頻度を識別することができる。また、記憶部24はこの所定時間に関連して、故障を検知した後、所定時間内に同じ故障を検知しなかった回数を予め定められた所定回数として故障の種類別に記憶している。この所定回数としては例えば故障の程度が4段階にランク付けされた最も重度の故障から順に3回、4回、6回、8回などが設定され、記憶部24に記憶されている。」

(4)「【0067】
ステップ#103において同じ種類の故障フラグが立っていない、すなわち所定時間内に同じ種類の故障が再発していない場合(ステップ#103のNo)、制御部21は故障を検知した後、所定時間内に同じ故障を検知しなかった状態が所定回数を超えたか否かを判定する(ステップ#104)。所定回数を超えていない場合(ステップ#104のNo)、制御部21は画像形成装置1のリセット動作を実行する(ステップ#105)。そして、制御部21は故障フラグを立てて記憶部24に記憶し、故障の発生頻度を計測すべくタイマをスタートさせる(ステップ#106)。引き続き制御部21は故障が発生していないかどうかを判別する(ステップ#101)。
【0068】
画像形成装置1において故障が発生していない場合(ステップ#101のNo)、制御部21は故障の種類別に予め定められた所定時間を経過したか否かを判定する(ステップ#107)。ステップ#106でスタートさせたタイマについて所定時間が経過していない場合(ステップ#107のNo)、制御部21はそのまま再び故障が発生していないかどうかを判別する(ステップ#101)。所定時間が経過した場合(ステップ#107のYes)、制御部21はステップ#106で立てた故障フラグをクリアし、故障フラグが立っていない状態にする。
【0069】
すなわち、制御部21は故障を検知した後、所定期間内に同じ故障を検知しなかったとき記憶部24に記憶した当該故障の検知に係る情報を不検知の情報に変更する。これにより、画像形成装置1は故障を検知した後、所定期間内に同じ故障を検知しなかったとき、その故障に係る直近の発生履歴を消去する。
【0070】
一方、ステップ#103において同じ種類の故障フラグが立っていない、すなわち所定時間内に同じ種類の故障が再発した場合(ステップ#103のYes)、或いは故障を検知した後、所定時間内に同じ故障を検知しなかった状態が所定回数を超えた場合(ステップ#104のYes)、制御部21は故障についての情報、すなわち故障コードやサービスセンターの連絡先などを操作パネル10で報知させ、画像形成装置1を停止させる(ステップ#109)。そして、故障検知に係る動作フローが終了する(図3のエンド)。
【0071】
すなわち、画像形成装置1は故障を検知した後、所定期間内に同じ故障を検知したとき、故障についての情報をユーザに報知するとともに自動的に停止する。また、画像形成装置1は所定期間内に同じ故障を二度検知するという条件に代わる条件に基づき、故障についての情報をユーザに報知するとともに自動的に停止する。これにより、同じ故障を複数回検知しているにもかかわらず自動的にリセット動作が繰り返される状態が延々と続くのを防止することが可能である。」

上記の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認定できる。

「画像形成装置の構成は、画像読取部や、原稿搬送装置、給紙カセット、画像形成部、転写部、定着部などからなり、また、画像形成装置1本体2内にCPU22や制御部21を備え、画像読取部9、画像形成部12、中間転写ベルト13、定着部16などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作を実現し、画像形成装置1はその装置各部に温度センサ16aや用紙検知スイッチ26などといった各種センサを備え、制御部21は各種センサの出力信号に基づいて故障を検知し、制御部21が検知する故障は種類別にランク付けがなされ、制御部21はこれらの故障を種類別に故障コードを割り当てるとともに、故障の検知/不検知に係る情報、故障発生日時、故障発生回数等を記憶部24に記憶させ、記憶部24は故障の発生頻度を計る目安としての時間を予め定められた所定時間として故障の種類別に記憶し、同じ種類の故障フラグが立っていない、すなわち所定時間内に同じ種類の故障が再発していない場合、制御部21は故障を検知した後、所定時間内に同じ故障を検知しなかった状態が所定回数を超えたか否かを判定し。所定回数を超えていない場合、制御部21は画像形成装置1のリセット動作を実行し、制御部21は故障フラグを立てて記憶部24に記憶し、故障の発生頻度を計測すべくタイマをスタートさせ、画像形成装置1において故障が発生していない場合、制御部21は故障の種類別に予め定められた所定時間を経過したか否かを判定し、スタートさせたタイマについて所定時間が経過していない場合、制御部21はそのまま再び故障が発生していないかどうかを判別、所定時間が経過した場合、制御部21は故障フラグをクリアし、故障フラグが立っていない状態にし、一方、同じ種類の故障フラグが立っていない、すなわち所定時間内に同じ種類の故障が再発した場合、或いは故障を検知した後、所定時間内に同じ故障を検知しなかった状態が所定回数を超えた場合、制御部21は故障についての情報、すなわち故障コードやサービスセンターの連絡先などを操作パネル10で報知させ、画像形成装置1を停止させる画像形成装置。」

3.引用文献3について
また、当審で通知した拒絶理由(「第3 1」、「第3 2」参照。)に引用された、本願の出願前の平成5年12月17日に頒布された刊行物である引用文献3(特開平05-333625号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

「【0091】図15本発明に係る画像形成装置における第2の紙詰まり履歴情報転送手順の一例を示すフローチャートである。なお、(1)?(6)は各ステップを示す。
【0092】先ず、本体100による画像形成時に、紙詰まりが発生したことを検出したかどうかを判定し(1)、NOならば処理を終了し、YESならば送信データ保持部に当該紙詰まりに対応した紙詰まりコード,発生時刻,その時の画像形成トータル枚数等の紙詰まり情報を送信して、例えばRAM903内に保持する(2)。そして、転送条件判断部において、同一紙詰まりコードの紙詰まりが以前に発生しているかどうかを判定し(3)、NOならば処理を終了し、YESならば今回発生した時の画像形成トータル枚数と前回同一コードの紙詰まりが発生した際の画像形成トータル枚数との差を求め、その値があらかじめ定められた枚数以下であるかどうかを判定し(4)、NOならば処理を終了し、YESならば通信制御手段900がモデム905,NCU906を介して外部のホストコンピュータ999に当該紙詰まり情報を転送する(5)。そして、転送終了後、RAM903内に保持されていた当該紙詰まり情報のうち、今回の転送条件に適合した紙詰まりコードを持つ紙詰まり情報のうち、最新の情報以外をクリアし(6)、処理を終了する。」

上記の記載事項を総合すると、引用文献3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認定できる。

「本体100による画像形成時に、紙詰まりが発生したことを検出したかどうかを判定し、NOならば処理を終了し、YESならば送信データ保持部に当該紙詰まりに対応した紙詰まりコード,発生時刻,その時の画像形成トータル枚数等の紙詰まり情報を送信して、RAM903内に保持し、転送条件判断部において、同一紙詰まりコードの紙詰まりが以前に発生しているかどうかを判定し、NOならば処理を終了し、YESならば今回発生した時の画像形成トータル枚数と前回同一コードの紙詰まりが発生した際の画像形成トータル枚数との差を求め、その値があらかじめ定められた枚数以下であるかどうかを判定し、NOならば処理を終了し、YESならば通信制御手段900が、外部のホストコンピュータ999に当該紙詰まり情報を転送し、転送終了後、RAM903内に保持されていた当該紙詰まり情報のうち、今回の転送条件に適合した紙詰まりコードを持つ紙詰まり情報のうち、最新の情報以外をクリアし、処理を終了する画像形成装置。」

4.引用文献4について
また、当審で通知した拒絶理由(「第3 1」、「第3 2」参照。)に引用された、本願の出願前の平成20年9月18日に頒布された刊行物である引用文献4(特開2008-216446号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(1)「【0012】
中間転写体を有する画像形成装置において、印字中に何らかの要因で中間転写体上に現像剤が残った状態で印字を中断する場合、機内に残留している搬送可能な紙を有効活用し、残留紙排出処理と並行して未二次転写現像剤のクリーニングを行うことができる。このため、クリーニング実施のために紙を新規給送することなく、未二次転写現像剤回収手段の寿命低下を軽減するとともに、復帰時間を短縮することができる。」

(2)「【0017】
各感光ドラム3a、3b、3c、3dはそれぞれ接触する帯電ローラ4a、4b、4c、4dにより負極性に帯電される。そして、色分解したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の光像を露光装置5a、5b、5c、5dにより露光して、感光ドラム3a、3b、3c、3d上(像担持体上)にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの潜像を形成する。この潜像は外部から送出されてくる画像情報に応じて形成される。このように形成されたそれぞれの潜像を現像器6a、6b、6c、6d(現像手段)により反転現像により現像して、感光ドラム3a、3b、3c、3dにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を順次形成する。感光ドラム3a、3b、3c、3dの下方に位置して中間転写体(無端状像担持体)としての中間転写ベルト(以下、ITBと記す)2が配置される。ITB2は、ITB2を駆動するローラ(ITB駆動ローラ)21、及び一次転写ローラ22a、22b、22c、22d、ITBローラ23、24の周りに張設され、感光ドラム3a、3b、3c、3dと略同速で矢印方向に回転駆動される。上記感光ドラム3a、3b、3c、3d上に形成担持されたトナー像が、一次転写部における一次転写ローラ22a、22b、22c、22dに印加される一次転写バイアス(正極性の電圧)によって、ITB2の外周面に静電的に一次転写される。そして、それによってITB2上(無端状像担持体上)には複数色のトナー像が形成される。」

(3)「【0035】
本発明の第二の実施例は、印字中に何らかの要因で未二次転写トナー像が残っている状態で印字を中断する際の未二次転写トナー像のクリーニングに係るものである。すなわち、搬送可能残留紙が機内にある場合、印字復帰処理時(画像形成中断後)に印字中断前(画像形成中断前)の印字ページ順に搬送可能残留紙を搬送し、搬送可能残留紙でITB2上に残っている未二次転写トナー像のクリーニングを行うものである。」

(4)前記段落【0035】記載の「ITB2」について、前記段落【0017】には「中間転写ベルト(以下、ITBと記す)2が配置される。」と記載されているので、前記「ITB2」は「中間転写ベルト」と読み替える。

上記の記載事項を総合すると、引用文献4には、次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認定できる。

「印字中に何らかの要因で未二次転写トナー像が残っている状態で印字を中断する際、搬送可能残留紙が機内にある場合、印字復帰処理時に印字中断前の印字ページ順に搬送可能残留紙を搬送し、搬送可能残留紙で中間転写ベルト上に残っている未二次転写トナー像のクリーニングを行う画像形成装置。」

5.引用文献5について
また、当審で通知した拒絶理由(「第3 1」、「第3 2」参照。)に引用された、本願の出願前の平成14年9月3日に頒布された刊行物である引用文献5(特開2002-248840号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(1)「【0042】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実施形態を示す印刷制御装置を適用可能な印刷装置の構成を説明するブロック図である。」

(2)「【0082】図7は、本発明に係る印刷制御装置における第5のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図2に示したジョブ制御機構表示制御部202の処理、すなわち、ユーザにジョブの状態を表示し、ユーザから指示を受け取る側のジョブ制御機構表示制御部202の処理手順に対応する。なお、S81?S90は各ステップを示す。
【0083】先ず、ジョブが開始されると、ジョブ制御機構表示制御部202はパネルディスプレイ203上にジョブ中であることを表示する(S81)。そして、エラー検知したかどうか調べて判断し(S82)、エラー検知していないと判断した場合、例えば最初の状態ではエラーは存在しないので(S83)、ステップS84に進み、ジョブが終了かどうかを判断し、ジョブ終了と判断された場合には、処理を終了する。
【0084】一方、ステップS84で、ジョブ終了でないと判断された場合、例えば最初はジョブを終了していないので、ステップS81へ戻り、処理を繰り返す。
【0085】一方、ジョブ処理中にステップS83でエラーを検知していると判断した場合は、そのエラーが重度かどうか調べて判断し(S85)、重度のエラーであると判断した場合は、エラーによる自動キャンセルをパネルディスプレイ203に表示し(S86)、処理を終了する。
【0086】一方、ステップS85で、エラーの程度が軽度であると判断された場合は、軽度なエラーがあったことをパネルディスプレイ203上に表示し(S87)、パネルキー204からのユーザ指示入力を待って(S88)、ユーザからのパネル指示が来たら、その指示が印刷中止指示であるかどうかを判断して(S89)、印刷中止指示であると判断した場合は、ユーザの指示によるキャンセルであることをパネルディスプレイ203に表示し(S90)、処理を終了する。
【0087】一方、ステップS89で、ユーザの指示が継続であると判断した場合は、ステップS81に戻り、再度パネルディスプレイ203にジョブ中であることを表示し、以下処理を繰り返す。このような処理を行なうことにより、軽度のエラーが発生した場合には、ユーザに対してエラー表示して指示入力を促し、また印字機構の印字動作を停止するため、見た目の処理は完全に停止しているように見えるが、実際には解釈処理および展開処理は停止せず、それぞれの処理は終了まで継続される。」

上記の記載事項を総合すると、引用文献5には、次の発明(以下、「引用発明5」という。)が記載されていると認定できる。

「エラーの程度が軽度であると判断された場合は、軽度なエラーがあったことをパネルディスプレイ203上に表示し、パネルキー204からのユーザ指示入力を待って、ユーザからのパネル指示が来たら、その指示が印刷中止指示であるかどうかを判断して、印刷中止指示であると判断した場合は、ユーザの指示によるキャンセルであることをパネルディスプレイ203に表示し、処理を終了するデータ処理手順をおこなう印刷制御装置を適用可能な印刷装置。」

6.引用文献6について
また、当審で通知した拒絶理由(「第3 2」参照。)に引用された、本願の出願前の平成23年10月6日に頒布された刊行物である引用文献6(特開2011-197044号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(1)「【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
搬送路を介して搬送されるシートに画像形成部で画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送路を介して搬送されるシートを検知する検知手段と、前記検知手段が検知するシートの検知状態を監視して、ジャムが解除されたことを検知するジャム検知手段と、前記ジャム検知手段により搬送路上で発生したジャムが解除されたことを検知した後、搬送路上に残されたシートが、画像形成可能な搬送路に存在するか、画像形成可能でない搬送路に存在するかを判別する判別手段と、前記判別手段が画像形成可能な搬送路に存在すると判別したシートについては前記画像形成部に搬送して特定画像を形成して排紙させ、前記判別手段が画像形成可能でない搬送路に存在すると判別したシートについては、ユーザからの排紙指示を待って排紙させる排紙制御手段と、を備えることを特徴とする。」

(2)「【0017】
図2は、図1に示した画像形成装置のコントローラ部15の構成を示すブロック図である。
図2に示すコントローラ部15において、1はCPUで、ROM3又はハードディスク400に記憶されるプログラム、システムバス2に接続される各デバイスを総括的に制御する。なお、CPU1は、ROM3に記憶される各制御プログラムを実行することで、ジャム発生状態やジャム解除状態を判別することが可能に構成されている。さらに、CPU1は、後述するセンサの出力を検知して、ジャムが発生したことを検知すると、搬送路上のシートの搬送を止め、ジャムの状態がひどくなることを防ぐ。また、CPU1は、ジャム発生時にいずれかの搬送路上に停止しているシートを検知することが可能に構成されている。」

(3)「【0038】
続いて、図9を用いて、CPU1が実行するROM3上の残紙排紙部340と残紙画像形成部350によって、残紙に対して画像形成が不可能なパターンについて説明する。
図9は、図1に示した画像形成装置の搬送経路上のシートの搬送状態を説明する模式図である。なお、図1に示したものと同一のものには同一の符号を付している。
まず、片面印字中にジャムが発生した場合を例に説明する。
図9の(A)のように、排紙トレイ230の直前の搬送路にシートS1301、定着器直後の搬送ベルト211にシートS1302が存在する。
シートS1301、S1302ともに表面の画像形成が終わり、あとは機外排出するだけの状態となっている。
ここで、シートS1301がジャムとなった場合を説明する。
CPU1はROM3上のジャム検知部320を実行することによって、排紙トレイ230の直前の搬送路上のシートS1301はジャムと判断し、CPU1は記録紙搬送部310を実行してシートの搬送を停止する。その後、ユーザによって、カバーをオープンしてジャムの原因となったシートS1301のみ搬送路上から取り除き、カバーをクローズする。
【0039】
このようにしてシートS1301が搬送路上から取り除かれたことをCPU1がジャム検知部320を実行して検知すると、CPU1は、残紙排紙部340と残紙画像形成部350とを実行する。
CPU1は残紙画像形成部350を実行すると、シート1302が定着後の搬送路に存在することがわかるため、画像形成が不可能と判断でき、図9の(B)のように画像形成は行わない。そして、CPU1は、ジャムが取り除かれた後、前ドアがクローズされたことに応じて自動的に残紙の排紙を行うのではなく、ユーザからの排紙指示を待ってから排紙トレイ230上のシート1302の機外排出を行う。それによって、ユーザが、正常に印刷されたシートを取り除いてから、残紙を排出するといった処置をとることができ、正常に印刷されたシートと残紙とを正常に区別することができる。
つまり、CPU1は、画像形成部よりも下流に、残紙が存在すると判定した場合には、残紙に対して、特定画像を形成できないと判別し、ユーザからの排紙指示を待ってから、残紙の排紙を行う。ただし、画像形成部よりも下流であっても、実行中のジョブに対して両面印刷するように設定されており、搬送路上の全ての残紙が、シートを逆に搬送せずとも両面用の搬送路を介して画像形成部に搬送可能な場合には、特定画像を形成可能であると判別する。
【0040】
続いて、図10を用いて、画像形成装置の制御動作を説明する。
図10は、本実施形態を示す画像形成装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、図2に示したROM3に記憶される制御プログラムをCPU1が実行することで実現される。なお、S7001?S7013は各ステップを示す。以下、各センサの出力からジャムが発生したことおよびジャムが解除したことを検知して、搬送路上に滞留するシートを排紙する排紙制御について説明する。なお、ジャムが検知して画像処理が停止した場合、CPU1は、センサ254?257からの情報に基づいて、操作部650に、ユーザが解除すべきジャムシートの位置を特定できるような表示を行う。その際、ジャムシート以外は、機外に取り除かなくてよい旨を表示する。しがって、ユーザは、ジャムシートを取り除いた後、カバーを閉じる。それによって、CPU1はジャムシートが取り除かれていることをセンサの出力によって検知し、本処理を開始する。
【0041】
S7001において、CPU1はROM3上のプログラム、ジャム解消部330を実行して、ジャムの原因となったシートが搬送路上から取り除かれたことを検知したら、S7002に進む。
次に、S7002で、CPU1はROM3上のプログラム、残紙排紙部340を実行することによって、搬送路上に、シートが残っているかを判断する。もしシートが存在しないとCPU1が判断した場合には、S7007に進み、シートが存在すると判断した場合には、S7003に進む。
【0042】
次に、S7003で、CPU1は、搬送路上のシートを順次チェックし、S7004に進む。そして、S7004で、CPU1は残紙画像形成部350を実行して、搬送路上のシートに対して、残紙画像形成が可能なシートであるかをチェックする。ここで、残紙画像形成が可能なシートであるとCPU1が判断した場合には、S7005に進み、残紙画像形成が不可能なシートであると判断した場合には、S7009に進む。
【0043】
そして、S7005で、CPU1は、搬送路上の各センサの情報に基づいて、搬送路上にあるシートを全てチェックしたかを判断する。ここで、すべてのシートをチェックしたと判断した場合には、S7006に、まだ未チェックの紙が存在すると判断した場合には、S7003に戻る。
【0044】
そして、S7006で、CPU1は、ROM3上の残紙排紙部340、残紙画像形成部350を実行して、搬送路上のシートに対して、残紙(ジャムシート)であることを示す画像を感光ドラム202に形成する。さらに、CPU1は、感光ドラム202に形成された残紙(ジャムシート)であることを示す画像をシートに転写して定着した後、自動的に残紙を機外に排紙し、S7007に進む。これにより、図11に示すようにジャムしたシートを示す画像が形成されて機外に排紙される。なお、図11に示す画像例は、一例であって、残紙に形成される画像は、文字以外の画像、文字と文字以外のオブジェクト(図形、イメージ)とを組み合わせた画像であってもよい。
【0045】
次に、S7007で、CPU1はROM3上のジョブ再開部360を実行して、S7008に進み、ジョブが再開されるのを待つ。(S7004によって搬送路上の残紙に対して、一つでも画像形成が行えないと判断した場合)
一方、S7009では、CPU1は、ユーザインタフェースを用いて、図12の(A)に示す第一の指示画面4001をLCDタッチパネル600上に表示し、S7010に進む。なお、メッセージ例は、本例に限定されるものではなく、排紙されるシートがジャムの解消後に排紙される残紙であることをユーザに明確に通知できるものであればよく、音声出力による報知処理を組み合わせてもよい。このメッセージによって、既に排紙先に排紙されている、正常に印刷されたシートと残シートとが混在した状態で区別しづらくなってしまうことを防ぐことができる。
【0046】
次に、S7010で、CPU1は、LCDタッチパネル600に表示した第一の指示画面4001に表示されたOKボタン4002をユーザが押下したか否かを判断する。ここで、CPU1が排紙指示としてOKボタン4002が押下されていないと判断した場合には、S7009に戻り、押下されたと判断した場合には、S7011に進む。
【0047】
次に、S7011で、CPU1はROM3上の残紙排紙部340を実行して、搬送路上のシートに対して、残紙(ジャムシート)であることを画像形成せずに、残紙を機外排出し、S7012に進む。
次に、S7012で、CPU1は、図12の(B)に示す第二のユーザ指示画面5001をLCDタッチパネル(600)上に表示し、S7013に進む。
そして、S7013で、CPU1は、LCDタッチパネル600に表示した第二のユーザ指示画面5001上に表示されるOKボタン5002がユーザにより押下(ジャム解除を確認する確認指示として押下される)されたかを判断する。
ここで、ユーザがOKボタン5002を押下していないとCPU1が判断した場合には、S7012に戻り、押下されたと判断した場合には、S7007に処理を進める。そして、S7007で、CPU1はジャム再開制御のためにROM3上のジョブ再開部360を実行して、ジョブを再開する(S7008)。
S7007で、CPU1は、ジャムが発生するまでに、正常に排紙されたシートの枚数をカウントしておき、正常に排紙されていない残りのシートから再度画像形成する。あるいは、CPU1は、ジャムが発生した際に実行されていたジョブを先頭のシートから再度画像形成するようにしてもよい。また、正常に排紙されていない残りのシートから再度画像形成するか、先頭のシートから再度画像形成するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
このように本実施形態では、排紙されたシートについて、ユーザからの確認指示を待って画像形成部の画像形成処理を再開させる。これにより、もはや画像形成部に搬送できない位置に対応する搬送路上で滞留するシートについては、ユーザの指示で排紙させ、残紙を確実に取り除いてもらうことが可能となる。」

(4)図12の(B)は次のものである。

(5)図12の(B)には、第二のユーザ指示画面5001には「ジャムシートを取り除いて下さい」と表示されていることが看取できるので、前記(3)の「【0047】・・・CPU1は、図12の(B)に示す第二のユーザ指示画面5001をLCDタッチパネル(600)上に表示し、S7013に進む。・・・」は、「CPU1は、『ジャムシートを取り除いて下さい』と表示する第二のユーザ指示画面5001をLCDタッチパネル(600)上に表示し、S7013に進む。・・・」のことである。

上記の記載事項を総合すると、引用文献6には、次の発明(以下、「引用発明6」という。)が記載されていると認定できる。

「画像形成装置のコントローラ部15において、1はCPUで、ROM3又はハードディスク400に記憶されるプログラム、システムバス2に接続される各デバイスを総括的に制御し、なお、CPU1は、ROM3に記憶される各制御プログラムを実行することで、ジャム発生状態やジャム解除状態を判別することが可能に構成されており、さらに、CPU1は、後述するセンサの出力を検知して、ジャムが発生したことを検知すると、搬送路上のシートの搬送を止め、ジャムの状態がひどくなることを防ぎ、また、CPU1は、ジャム発生時にいずれかの搬送路上に停止しているシートを検知することが可能に構成され、CPU1はROM3上のジャム検知部320を実行することによって、排紙トレイ230の直前の搬送路上のシートS1301はジャムと判断し、CPU1は記録紙搬送部310を実行してシートの搬送を停止し、その後、ユーザによって、カバーをオープンしてジャムの原因となったシートS1301のみ搬送路上から取り除き、シートS1301が搬送路上から取り除かれたことをCPU1がジャム検知部320を実行して検知すると、CPU1は、残紙排紙部340と残紙画像形成部350とを実行し、ジャムが検知して画像処理が停止した場合、CPU1は、センサ254?257からの情報に基づいて、操作部650に、ユーザが解除すべきジャムシートの位置を特定できるような表示を行い、CPU1はジャムシートが取り除かれていることをセンサの出力によって検知し、搬送路上に、シートが残っているかを判断し、シートが存在すると判断した場合には、CPU1は、搬送路上のシートを順次チェックし、CPU1は残紙画像形成部350を実行して、搬送路上のシートに対して、残紙画像形成が可能なシートであるかをチェックし、残紙画像形成が不可能なシートであると判断した場合には、CPU1は、ユーザインタフェースを用いて、第一の指示画面4001をLCDタッチパネル600上に表示し、CPU1は、LCDタッチパネル600に表示した第一の指示画面4001に表示されたOKボタン4002をユーザが押下したか否かを判断し、CPU1が排紙指示としてOKボタン4002が、押下されたと判断した場合には、CPU1はROM3上の残紙排紙部340を実行して、搬送路上のシートに対して、残紙(ジャムシート)であることを画像形成せずに、残紙を機外排出し、『ジャムシートを取り除いて下さい』と表示する第二のユーザ指示画面5001をLCDタッチパネル上に表示し、CPU1は、LCDタッチパネル600に表示した第二のユーザ指示画面5001上に表示されるOKボタン5002がユーザにより押下(ジャム解除を確認する確認指示として押下される)されたかを判断する画像形成装置。」

第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「画像形成装置」は、本願発明1の「画像形成装置」に相当し、以下同様に、「印刷枚数」は「画像形成枚数」に、「トータルカウンタ」は「カウント手段」に、「エンジン47」は「記録媒体に画像形成する画像形成手段」にそれぞれ相当する。

ア 引用発明1において、「タイプAおよびタイプDの故障を検出する故障検出部20aと、電源のOFF/ONによって復旧する可能性の高いタイプDの故障のうちリブート対象となる故障(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障)を検出するリブート対象故障検出部20c」を備え、「タイプAの故障の場合もしくはタイプDの故障であってリブート対象とならない場合(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)には、故障時自動通報画面を表示し」、「ブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生し、SCS20がこれを検出すると、自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示」するから、引用発明1は、「自装置の異常状態を検知し、検知した異常を報知する画像形成装置」であり、本願発明1の「異常状態に関する報知を行う報知手段」を備えているといえる。

イ 本願発明1の発明特定事項である「画像形成装置の異常状態を検知する検知手段」について検討すると、本願明細書には「本実施例に係る異常状態検知では、例えば、図2のセンサ類210等で検出される信号、又は、各種の部品情報信号入力部211からの信号において、各状況に応じて正常値として定義された検出信号が検出されない場合に、異常状態として検出する。また、装置内において所定の部品間で通信制御中にその通信処理で何らかの通信不良が発生する場合にも、その通信処理を制御しているCPU201が「異常状態」と判断して検出する。」(段落【0027】)と記載されているので、前記「検知手段」は、「CPU」のことである。
引用発明1において、「CPU31は、画像形成装置1の全体制御を行うものであり、CPU31は、・・・SCS20、・・・をOS上にそれぞれプロセスとして起動して実行させる」ものであり、「SCS20は、タイプAおよびタイプDの故障を検出する故障検出部20aと、電源のOFF/ONによって復旧する可能性の高いタイプDの故障のうちリブート対象となる故障(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障)を検出するリブート対象故障検出部20cとを含」むから、引用発明1において故障検知をしているのは「CPU31」である。
よって、引用発明1は、「自装置の異常状態を検知し、検知した異常を報知する画像形成装置」であり、「画像形成装置の異常状態を検知する検知手段」を備えているといえる。

ウ 引用発明1において、「リブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生し、SCS20がこれを検出すると、自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示し、xCS104、アプリ101、102、エンジン103に対して動作抑制の通知を行い、動作抑制の通知を受けた各部は、後処理として、仕掛かり中の処理を区切りのよい、リブートが安全に行える状態で動作停止」するから、引用発明1は、「前記検知手段により異常が検知されると前記画像形成装置の動作を停止させる制御手段」を備えているといえる。

エ 引用発明1において、「タイプAの故障の場合もしくはタイプDの故障であってリブート対象とならない場合(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)には、故障時自動通報画面を表示してサービスセンタに自動通報を行い、通報が成功した場合はサービスマンによる修理を待つ旨が表示され、通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され、電源のOFF/ONを待つ状態」、「リブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生し、SCS20がこれを検出すると、自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示し、xCS104、アプリ101、102、エンジン103に対して動作抑制の通知を行い、動作抑制の通知を受けた各部は、後処理として、仕掛かり中の処理を区切りのよい、リブートが安全に行える状態で動作停止し、インタフェースの抑制を行うことで新たな動作を抑制し、SCS20に対して応答を通知し、次いで、SCS20は、リブートの実行に入り、SCS20はエンジン103に対してリセット要求を行い、HDDのアクセス停止処理、エンジン電源のOFF、エンジン電源のON、アプリ101、102のリブート実行を順次に行い、エンジン103に対してコントローラ起動を行い、エンジン103からエンジンコンフィグを受け取り、自動リブートを実行」することについて検討すると、前記「電源のOFF/ONを待つ状態」中、「自動リブートを実行」後は、技術常識的にみて画像形成装置の動作は停止していると解されるから、引用発明1は本願発明1の「前記検知手段により異常が検知されると前記画像形成装置の動作を停止させる制御手段」を備えていると解される。

オ 引用発明1では、「タイプDの故障」について、「印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合」か、「印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障」であるかの判断をしているから、引用発明1の「タイプDの故障」は、本願発明1の「異常状態の種類が発生頻度に基づいて故障判断する対象」に相当する。

カ 引用発明1は、「タイプDの故障であってリブート対象とならない場合(印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合)には、」「ユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示」し、「リブート対象となる故障(タイプDの故障であって1回目の発生の場合)が発生」すると「自動リブートの実行開始を知らせる画面を表示」し「自動リブートを実行したことをユーザに伝えて確認を求める画面を表示」するものであり、本願発明1は「検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合」(引用発明1の「タイプDの故障」に相当。)「該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が以前に検知されていない、或いは、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分が所定値より大きければ」、「ユーザーに」「報知手段により報知させ」、「前記差分が前記所定値より大きくなければ、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ」るものであるので、本願発明1と引用発明1は「異常状態の種類が発生頻度に基づいて故障判断する対象」(タイプDの故障)の場合には、何らかの情報を「報知手段により」「報知」することで共通する。

キ 引用発明1において、「タイプAの故障は、緊急性を要し、サービスマンによる修理が必要な故障であり、タイプDの故障は電源のオフ(OFF)/オン(ON)により復旧可能なその他の故障であ」るから、タイプAの故障」は前記「タイプDの故障」と異なるものであり、「タイプAの故障の場合」は「故障時自動通報画面を表示してサービスセンタに自動通報を行い、通報が成功した場合はサービスマンによる修理を待つ旨が表示され、通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され、電源のOFF/ONを待つ状態にな」るから、前記「タイプAの故障の場合」は「トータルカウンタ」と関係なく、処理されるといえるから、引用発明1の「タイプAの故障」は本願発明1の「異常状態の種類が前記対象でない所定の異常状態」に相当し、また、引用発明1において、「タイプAの故障の場合・・・には、・・・通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され」るから、引用発明1は、本願発明1の「検知手段により検知された異常状態の種類が前記対象でない所定の異常状態である場合には、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知」する点を備えている。

ク 前記「オ」、「キ」で検討したように、引用発明1の「タイプDの故障」、「タイプAの故障」は、それぞれ本願発明1の「異常状態の種類が発生頻度に基づいて故障判断する対象」、「異常状態の種類が前記対象でない所定の異常状態」に相当し、前記「エ」で検討したように、「タイプAの故障」、「タイプDの故障」どちらの場合も画像形成装置の動作は停止するから、引用発明1は、本願発明1の「前記検知手段により検知された異常状態の種類」「が発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、」「画像形成装置を」「停止させ」、「検知手段により検知された異常状態の種類」「が前記対象でない所定の異常状態である場合には、」「画像形成装置を」「停止させ」る点を備えている。

ケ 本願発明1は「タイプAの故障の場合」「には、故障時自動通報画面を表示してサービスセンタに自動通報を行い、通報が成功した場合はサービスマンによる修理を待つ旨が表示され、通報が失敗した場合はユーザにサービスセンタへ連絡すべき旨が表示され、電源のOFF/ONを待つ状態にな」るものであるのに対して、引用発明1の「前記検知手段により検知された異常状態の種類」「が前記対象でない所定の異常状態である場合には、」「前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させる」ものであり、前記「エ」で検討したとおり、「電源のOFF/ONを待つ状態にな」ることは、画像形成装置が停止していることであり、本願発明1と引用発明1は双方とも「サービスセンタに」「通報」(通知)するから、引用発明1の前記「「電源のOFF/ONを待つ状態にな」ることは、本願発明1の「故障停止」に相当する。

したがって、両者は、

「自装置の異常状態を検知し、検知した異常を報知する画像形成装置であって、
記録媒体に画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像形成された画像形成枚数をカウントするカウント手段と、
前記画像形成装置の異常状態を検知する検知手段と、
前記異常状態に関する報知を行う報知手段と、
前記検知手段により異常が検知されると前記画像形成装置の動作を停止させる制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記検知手段により検知された異常状態の種類が発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、報知手段により報知させ、前記画像形成装置を停止させ、
前記検知手段により検知された異常状態の種類が前記対象でない所定の異常状態である場合には、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させる画像形成装置。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1] 本願発明1の「カウント手段」が「画像形成された累積の画像形成枚数をカウントする」のに対し、引用発明1の「トータルカウンタ」がカウントする「印刷枚数」は、前記「画像形成された累積の」ものであるのか定かではない点。

[相違点2] 本願発明1の「異常状態の種類を表すコード」との発明特定事項に対して、引用発明1は「タイプAおよびタイプDの故障」と故障の種類を分類しているものの、該故障の分類をコード化しているのか否か不明であり、同様の理由で、本願発明1の前記「コード」が関連する「該異常状態の種類を表すコード」「を記憶する記憶手段」が引用発明1に備えられているのか不明であり、本願発明1の「異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が以前に検知されていない、或いは、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分が所定値より大きければ」、「前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合」の各発明特定事項において「コード」に基づいた判断が引用発明1に備えられているのか不明である点。

[相違点3] 本願発明1が、「前記記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合は、前記画像形成装置をジャム停止させ、前記記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合は、前記画像形成装置を正常停止させ」るものであるのに対して、引用発明1は「記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合」か、記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合」かに基づいて、「ジャム停止させ」るか「正常停止させ」るかの判断をするものではない点。

[相違点4] 本願発明1が「正常停止或いはジャム停止」させた後は「ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記正常停止或いはジャム停止させた状態を解消するための情報を前記報知手段により報知させ」るのに対して、引用発明1は「動作抑制の通知を受けた各部は、後処理として、仕掛かり中の処理を区切りのよい、リブートが安全に行える状態で動作停止し」た後は、「リブートの実行に入り、SCS20はエンジン103に対してリセット要求を行い、HDDのアクセス停止処理、エンジン電源のOFF、エンジン電源のON、アプリ101、102のリブート実行を順次に行い、エンジン103に対してコントローラ起動を行い、エンジン103からエンジンコンフィグを受け取り、自動リブートを実行したことをユーザに伝えて確認を求める画面を表示する」点。

[相違点5] 本願発明1の「異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分が所定値より大きければ」、「一方、前記差分が前記所定値より大きくなければ」に基づいて判断をしているのに対して、引用発明1は、「印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回発生した場合」、「印刷枚数をカウントするトータルカウンタが10カウントアップする間にタイプDの故障が2回に達しない範囲で発生する場合、すなわち1回目のタイプDの故障」に基づいて、判断をしている点。

(2)判断
まず、上記相違点3について以下検討する。
引用文献2ないし6にも、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項は開示されていないし、これを示唆するものもない。
また、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。
したがって、本願発明1は、前記相違点1、2、4、5を検討するまでもなく、引用発明1ないし6に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2ないし5について
本願発明2ないし4は、本願発明1を引用する発明であるから、本願発明1の上記相違点3に係る発明特定事項を備えるものである。また、本願発明5は、本願発明1が物の発明であるのに対して、方法の発明であるほかは、実質的に異なるものでなく、上記「(1)」を踏まえると、前記相違点1ないし5と実質的に同じ各相違点(以下、それぞれ「相違点1’ないし5’」という。)において相違し、その余の点で一致する。
そこで、相違点3’について検討すると、前記「1(2)」を踏まえると、引用文献2ないし6にも、上記相違点3’に係る本願発明5の発明特定事項は開示されていないし、これを示唆するものもない。
また、上記相違点3’に係る本願発明5の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。
したがって、本願発明5は、前記相違点1’、2’、4’、5’を検討するまでもなく、引用発明1ないし6に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.原査定についての判断
前記「1」、「2」で検討したとおり、平成30年8月10日付けの補正により、補正後の請求項1ないし4は、前記相違点3に係る発明特定事項を有し、また、補正後の請求項5は前記相違点3’に係る発明特定事項を有するものとなった。
当該相違点3に係る発明特定事項又は前記相違点3’に係る発明特定事項は、原査定における引用文献1、2には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし5は、当業者であっても、原査定における引用文献1、2に基づいて容易に発明できたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。

4.平成30年7月27日付けの拒絶理由(前記「第3 3」)について

(1)平成30年8月10日付けの手続補正(以下「補正」という。)により、本願請求項1、5は「検知された異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合には、該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が以前に検知されていない、或いは、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態を表すコードと同じコードである異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分が所定値より大きければ、前記記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合は、前記画像形成装置をジャム停止させ、前記記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合は、前記画像形成装置を正常停止させ、ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記正常停止或いはジャム停止させた状態を解消するための情報を前記報知手段により報知させ、一方、前記差分が前記所定値より大きくなければ、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させ」るとの発明特定事項を備えるものとなったので、補正前の本願請求項1、5の「前記記憶媒体を搬送中か否かに応じて前記画像形成装置を正常停止或いはジャム停止させ」との発明特定事項が、「記憶媒体を搬送中か否か」のみによって「正常停止或いはジャム停止させ」ることを判断することを含んでいると解されるので、請求項1、5係る手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、また請求項1、5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでもないとの拒絶理由(前記「第3 3(1)」)は解消された。

(2)補正前の請求項1、5の「ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記異常状態を解消するための情報を前記報知手段により報知させ」るとの発明特定事項は、明細書段落【0075】、図6の「S609」において「紙搬送している」場合に「S611」で「ユーザへジャム紙除去依頼」をする場合のことであって、「S601」で検知される「異常状態」とは異なるものであるにもかかわらず、両者の関係が明確でなかったが「異常状態」の補正により、前記発明特定事項は「ユーザーに前記画像形成装置を復帰させるように前記正常停止或いはジャム停止させた状態を解消するための情報を前記報知手段により報知させ」となったので、請求項1、5の「画像形成装置の異常状態」の「異常状態」と、他の箇所の「異常状態」との関連が不明であるとの拒絶理由(前記「第3 3(2)」)は解消された。

(3)補正により、本願請求項1、5は「前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合には、該異常状態が検知されたときの前記カウント手段のカウント値と該異常状態と同じ異常状態が1回前に検知されたときの前記カウント手段のカウント値との差分に拘わらず、前記画像形成装置の故障によりサービスマンへの通知が必要であることを前記報知手段により報知させ、前記画像形成装置を故障停止させる」との発明特定事項を備えるものとなったので、本願明細書の「なお、異常状態の種類によって、例えば、定着器の異常状態を検知した場合には、異常状態検知後に即座に故障と判断し、その故障情報を報知して、動作を停止するように制御する場合がある。定着器関連の異常状態以外にも異常状態の発生頻度の判断せずに即座に故障と判断するいくつかの異常状態検知の種類がある。これら以外の異常状態検知については、異常状態の発生頻度の判断を実行し、その異常状態の発生頻度を考慮した上で故障・破損状態を的確に判断する。」(段落【0061】)との記載及び図6の「S602」の「NO」から「S610」の処理に示されているように明細書及び図面には、異常状態の発生頻度の判断をせずに「即座に故障と判断する」場合を含むもののみが記載されている一方、当該事項は、本願請求項1、5には特定されておらず、発明の詳細な説明に記載したものではないとの拒絶理由(前記「第3 3(3)」)は解消された。

(4)補正により、請求項1、4、5の「記憶媒体」及び請求項3の「シート」は、「記録媒体」となったので、請求項1、4、5の「記憶媒体」はどのようなものか不明であり、及び請求項3の「シート」との関連も不明であるとの拒絶理由(前記「第3 3(4)」)は解消された。

(5)補正により、請求項1、5は「前記記録媒体が搬送中であり正常排紙できない場合は、前記画像形成装置をジャム停止させ、前記記録媒体が搬送中でない場合、或いは、前記記録媒体が搬送中であり正常に排出できる場合は、前記画像形成装置を正常停止させ」との発明特定事項を備えるものとなったので、請求項1、5の「記録媒体を搬送中か否かに応じて」における「搬送中」、及び「否」(搬送中でない場合)と、「正常停止或いはジャム停止させ」における「正常停止」、及び「ジャム停止させ」の関連が不明であり、「正常停止」と「ジャム停止」の定義も不明であるとの拒絶理由(前記「第3 3(5)」)は解消された。

(6)補正前の請求項1、5の「前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが前記記憶媒体のジャムとは異なり、発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合」及び「異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合」との発明特定事項は、補正により、「前記検知手段により検知された異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合」及び「異常状態の種類を表すコードが発生頻度に基づいて故障判断する対象である場合」となったので、請求項1、5の「異常状態の種類を表すコードが前記記録媒体のジャム」と「異常状態の種類を表すコードが前記対象でない所定の異常状態である場合」との関連が不明であるとの拒絶理由(前記「第3 3(6)」)は解消された。

(7)補正前の請求項1、5の「前記画像形成手段により画像形成された累積の像形成枚数をカウントするカウント手段」との発明特定事項は、補正により「前記画像形成手段により画像形成された累積の画像形成枚数をカウントするカウント手段」となったので、「像形成枚数」と、他の箇所の「画像形成」との関連が不明であるとの拒絶理由(前記「第3 3(7)」)は解消された。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-01-07 
出願番号 特願2011-284461(P2011-284461)
審決分類 P 1 8・ 55- WY (B41J)
P 1 8・ 537- WY (B41J)
P 1 8・ 121- WY (B41J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金田 理香  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 畑井 順一
森次 顕
発明の名称 画像形成装置およびその制御方法  
代理人 大塚 康徳  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康弘  
代理人 下山 治  
代理人 永川 行光  
代理人 高柳 司郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ