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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1348361
審判番号 不服2018-3973  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-20 
確定日 2019-01-24 
事件の表示 特願2014-165501「写真撮影遊戯装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月31日出願公開、特開2016- 42641〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月15日の出願であって、その手続の概要は、以下のとおりである。

平成29年 8月 4日:手続補正書
平成29年 9月26日:拒絶理由通知
平成29年12月 1日:意見書、手続補正書
平成29年12月 8日:拒絶査定
平成30年 3月20日:拒絶査定不服審判請求
平成30年 3月20日:手続補正書
平成30年 5月 9日:拒絶理由通知(当審)
平成30年 7月17日:意見書、手続補正書
平成30年 8月 9日:拒絶理由通知(当審)(最後)
平成30年10月22日:意見書、手続補正書

第2 平成30年10月22日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成30年10月22日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
平成30年10月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成30年7月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6を、本件補正による特許請求の範囲の請求項1ないし6に補正するものであるところ、本件補正は、請求項1に係る次の補正事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)。

(補正前の請求項1)
【請求項1】
撮影画像を静止画として表示する表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップと、
前記顔が複数検出された場合、第1の顔の選択を受け付けるステップと、
前記顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップと、
前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる第2の顔の選択を受け付けるまでは、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記第1の顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップと、
を実行するように構成されており、
前記制御部は、検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されており、
前記表示部は、前記被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示しており、
前記開始手段により、前記制御部は、前記撮影画像全体に対する編集の受付から、前記第1の顔及び第2の顔に対する補正の受付へ切り替えるように構成されている、画像処理装置。

(補正後の請求項1)
【請求項1】
撮影画像を静止画として表示する表示部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップと、
前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップと、
前記顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップと、
前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記第1の顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップと、
を実行するように構成されており、
前記制御部は、検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されており、
前記表示部は、前記被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示しており、
前記開始手段により、前記制御部は、前記撮影画像全体に対する編集の受付から、前記第1の顔及び第2の顔に対する補正の受付へ切り替えるように構成されている、画像処理装置。

2 補正の適合性
(1)補正事項
本件補正は、請求項1に係る次の補正事項1及び2を含むものである。

(補正事項1)
補正前の請求項1の「前記顔が複数検出された場合、第1の顔の選択を受け付けるステップ」という記載を、「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップ」とする補正。

(補正事項2)
補正前の請求項1の「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる第2の顔の選択を受け付けるまでは、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記第1の顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップ」という記載を、「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記第1の顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップ」とする補正。

(2)補正の目的について
補正事項1は、補正前の請求項1の「前記顔が複数検出された場合」を「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合」と限定するとともに、補正前の請求項1のその後に記載される「第1の顔」を「前記第1の顔」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正といえる。

また、補正事項2は、補正前の請求項1の補正事項1に係る構成より後に記載される「第2の顔」を「前記第2の顔」とするとともに、補正前の請求項1の「複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に」を、「選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正といえる。

そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は変わるものではなく、同一であるといえるから、請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第5項第2号の規定に該当するものである。

(3)補正の範囲及び単一性について
補正事項1及び補正事項2は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の段落0087?0089、図16の記載に基づくものである。
よって、請求項1に係る補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。

また、上記(2)のとおり、補正事項1及び補正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるから、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載された発明は、発明の単一性の要件を満たすものといえ、請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
以上のように、請求項1に係る補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるから、本件補正後の請求項1に記載された発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(4-1)本願補正発明
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)は、次のとおりのものである。
なお、本願補正発明の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成A?構成Cと称する。

(本願補正発明)
(A)撮影画像を静止画として表示する表示部と、
(B)制御部と、
を備え、
(B)前記制御部は、
(B1)前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップと、
(B2)前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップと、
(B3)前記顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップと、
(B4)前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記第1の顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップと、
を実行するように構成されており、
(B5)前記制御部は、検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されており、
(A1)前記表示部は、前記被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示しており、
(B6)前記開始手段により、前記制御部は、前記撮影画像全体に対する編集の受付から、前記第1の顔及び第2の顔に対する補正の受付へ切り替えるように構成されている、
(C)画像処理装置。

(4-2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
平成30年8月9日付けの拒絶理由通知書で引用された引用文献1である特開2014-131160号公報には、「写真シール作成装置および方法」(発明の名称)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本技術は、写真シール作成装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すための編集機能を提供することができるようにする写真シール作成装置および方法、並びにプログラムに関する。」

(イ)「【0015】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すような画像処理を行うための編集機能を提供することができるようにするものである。」

(ウ)「【0063】
カメラ91は、レンズやCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により構成され、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)として保存される。」

(エ)「【0083】
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図8は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0084】
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209、および事後接客部210の各構成も接続される。
(中略)
【0089】
撮影部208は、撮影空間A1における撮影処理を行う構成である硬貨処理部221、背景制御部222、照明装置223、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ224から構成される。
(中略)
【0095】
編集部209Aは、編集空間A2-1における編集処理を行う構成として編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bも編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2-2における編集処理を行う。
【0096】
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。」

(オ)「【0099】
次に、制御部201について説明する。図9は、制御部201がROM206などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
【0100】
制御部201は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理や利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部301、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部302、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部303、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部304を有する。
【0101】
つまり、制御部201は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。」

(カ)「【0119】
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2-1と編集空間A2-2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御し、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、編集対象画像として選択された撮影画像に合成する合成用画像を利用者に選択させ、選択された合成用画像を撮影画像に合成させ、得られた合成画像に対して、利用者による編集操作に従って編集を行う。」

(キ)「【0125】
上述したステップS4で実行される編集処理では、タブレット内蔵モニタ131に表示された編集画面が表示され、編集画面のGUIに基づいて、利用者が、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いて操作入力を行うことにより、編集対象画像に対する編集処理が施される。
【0126】
このとき、例えば、図12に示されるようなGUIがタブレット内蔵モニタ131に、編集画面の一部として表示される。図12に示されるGUI401は、例えば、変身パレットと称される。
【0127】
この変身パレット(GUI)401とともに、編集対象画像である利用者の画像が表示される。
【0128】
変身パレット401の中の領域421は、ヘアカラー選択アイコンが表示される領域とされる。この例では、領域421に、髪の色がそれぞれ異なるモデルの画像が6枚表示されており、これら6枚の画像のそれぞれがヘアカラー選択アイコンとされる。なお、ここでは、髪の色がそれぞれ異なるモデルの画像が表示される例について説明したが、髪の色がそれぞれ異なる利用者の画像が表示されるようにしてもよい。」

(ク)「【0168】
あるいはまた、上述したステップS4で実行される編集処理において、図12の変身パレット401に代えて、図13に示される変身パレット405が表示されるようにしてもよい。なお、図13に示される変身パレット405は、図中上側の複数のタブの中で「Make up」というタブが選択され、さらに、「リップ」というタブが選択されることにより表示される。
【0169】
同図に示される変身パレット405は、所定のタブがクリックされることにより、唇の部分の化粧に係るGUI部品のみが表示されるようになされている。
【0170】
変身パレット405の中の領域451は、細部にわたる化粧処理をするためのボタンが表示される領域とされる。例えば、唇の部分においてつやを強調すること、唇の部分をキラキラさせることなどが特殊効果を得る処理などが細部にわたる化粧処理とされる。領域451には、ボタン451-1乃至ボタン451-3が表示されている。
【0171】
ボタン451-1は、利用者の画像の中の唇の部分においてつやを強調する処理を施すためのボタンとされる。なお、唇の部分のつやを強調させる方式については後述する。
【0172】
ボタン451-2は、利用者の画像の中の唇の部分をキラキラさせる処理を施すためのボタンとされる。なお、唇の部分をキラキラさせる方式については後述する。
【0173】
ボタン451-3は、唇の部分のつやを強調させる効果、唇の部分をキラキラさせる効果を解除する処理を施すためのボタンとされる。
【0174】
変身パレット405の中の領域452は、口紅の色を選択するアイコンが表示される領域とされる。この例では、領域452に、アイコン452-1乃至アイコン452-6が表示されている。
【0175】
アイコン452-1乃至アイコン452-6は、それぞれ色の異なる口紅が塗られた唇の画像とされている。利用者は、例えば、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6のいずれかにタップすることによって、口紅の色を選択することができる。
【0176】
なお、上述した口紅の色の選択、つやの強調やキラキラに係る処理は、唇画像生成部323により制御される。」

(ケ)「【0185】
例えば、利用者がタッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6、または、領域453の画像をタップすることで、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更されるようにしてもよいし、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分をタップすることで、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更されるようにしてもよい。」

(コ)「【0189】
図12および図13を参照して上述した唇の部分の変更に係る処理は、編集対象画像の中の全ての利用者の唇の部分に対して一律に施されるようにしてもよいし、利用者毎に別々に施されるようにしてもよい。例えば、同じ編集対象画像の中で、利用者Aの口紅の色と利用者Bの口紅の色が異なったり、つや、キラキラが異なったりするようにしてもよい。」

(サ)「【図12】



(シ)「【図13】



イ 引用文献2
平成30年8月9日付けの拒絶理由通知書で引用された引用文献2である特開2005-277772号公報には、「写真シール販売機および写真シール作成方法、並びにプログラム」(発明の名称)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、写真シール販売機および写真シール作成方法、並びにプログラムに関し、特にユーザの好みに合わせた撮影を効率よく行うことができるようにした写真シール販売機および写真シール作成方法、並びにプログラムに関する。」

(イ)「【0037】
写真シール販売機1の制御部101には、カメラ21、画像表示部22、照明装置24aおよび24b、硬貨処理部102、カーテン部103、操作入力部104、スピーカ105、通信部106、補正処理部107、プリンタユニット131、記憶部181、ROM(Read Only Memory)182、およびRAM(Random Access Memory)183が接続されており、各部は、制御部101により制御される。」

(ウ)「【0125】
顔画像認識部351は、カメラ21により撮像された結果得られるライブビュー画像において、ユーザ(被写体)の顔の位置を認識する。また、顔画像認識部351は、ライブビュー画像におけるユーザの顔の位置だけでなく、目の位置、眉毛の位置、鼻の位置、および頬の位置などの、ユーザの特定部位の位置を認識する。さらに、顔画像認識部351は、ライブビュー画像から被写体の人数を認識する。すなわち、顔画像認識部351は、顔の認識とともに、撮像された1人または複数人のユーザ(被写体)の画像に基づいて、ユーザの人数を認識する。顔画像認識部351は、ライブビュー画像からユーザの顔の位置を認識することにより、被写体の人数を容易に認識することができる。」

(エ)「【0131】
図20のライブビュー表示用画面には、ライブビュー画像領域220、ライブビュー画像221、直前の処理を元に戻すためのボタン227、および撮影を行うためのボタン241の他に、頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382が表示されている。」

(オ)「【0142】
なお、図19と図20の例では撮影されるユーザが1人である場合を例として記載したが、顔画像認識部351がユーザの人数を複数人認識した場合には、それぞれのユーザについて、順次、補正が行われるようにしてもよい。例えば、ステップS145の処理で顔画像認識部351によりユーザの人数が2人と認識された場合、画像表示部22には、図27に示されるようなライブビュー表示用画面が表示される。
【0143】
図27においては、ライブビュー画像領域220に楕円形の選択サークル391,392が表示されている。この選択サークル391,392は、顔画像認識部351により認識されたユーザの顔画像である。また図27の例の場合、選択サークル391は実線で表示されており、選択サークル392は破線で表示されている(以下、実線の選択サークル391を、ハイライトされているものとして扱い、破線の選択サークル392を、ハイライトされていないものとして扱う)。この例の場合、ハイライトされている選択サークル391が、選択されているサークルである。また、図27にはハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385が表示されている。
【0144】
制御部101は、ステップS145の処理で顔画像認識部351により複数人のユーザの顔画像が認識された場合、補正するユーザの選択を受け付けるとともに、選択されたユーザの補正項目の指令を受け付ける。すなわち、ステップS144の処理を再び実行する。具体的には、最初に選択サークル391がハイライトされている場合、左側のユーザの補正項目の指令として、例えば、頬を痩せさせるためのボタン381が受け付けられる。次に、ハイライトされる選択サークルがボタン385の選択によって選択サークル392に切り替えられ、右側のユーザの補正項目の指令が受け付けられる。その後、ステップS146乃至ステップS148の処理により、それぞれのユーザの画像についてそれぞれ指令された補正項目に対する補正が施され、ライブビュー補正画像が表示される。
【0145】
なお、図27の例では、顔画像認識部351により2人のユーザが認識された場合について説明したが、3人のユーザが認識された場合には、3人のユーザの顔を選択カーソルで表示し、ハイライトされる選択サークルが、補正対象のサークルとすればよい。このことは、3人以上の複数のユーザの場合についても同様である。」

(カ)「【図20】



(キ)「【図27】



(4-3)引用文献に記載された発明及び技術
ア 引用文献1に記載された発明
引用文献1に記載された発明を以下に認定する。

(ア)写真シール作成装置について
上記(4-2)ア(ア)によれば、「多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すための編集機能を提供することができるようにする写真シール作成装置」と記載されている。
また、上記(4-2)ア(イ)によれば、「本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すような画像処理を行うための編集機能を提供することができるようにするものである」と記載されている。
以上によれば、引用文献1には、『多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すような画像処理を行うための編集機能を提供することができるようにする写真シール作成装置』の発明が記載されている。

(イ)タブレット内蔵モニタ及び制御部について
上記(4-2)ア(エ)によれば、「写真シール作成装置」の内部構成として「制御部」、「撮影部」及び「編集部」が記載されており、「撮影部」は「カメラ」から構成され、「編集部」は、「タブレット内蔵モニタ」から構成されることが記載されている。
また、上記(4-2)ア(エ)によれば、「タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる」と記載されている。
また、上記(4-2)ア(キ)によれば、「タブレット内蔵モニタ」に、「編集対象画像である利用者の画像が表示される」ことが記載されている。
また、上記(4-2)ア(ウ)によれば、「カメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)」であることが記載されている。
以上によれば、引用文献1には、「写真シール作成装置」が、『制御部による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出するタブレット内蔵モニタであって、カメラにより取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)であり、利用者の操作の内容を表す信号は制御部に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われ、編集対象画像である利用者の画像が表示されるタブレット内蔵モニタ』と、『制御部』を備えることが記載されている。

(ウ)編集処理について
上記(4-2)ア(オ)によれば、「制御部」は、「編集処理部」を有することが記載されている。
また、(4-2)ア(カ)によれば、「編集処理部」は、「編集処理を行う」ことが記載されている。

上記(4-2)ア(キ)によれば、「編集処理では、タブレット内蔵モニタ131に表示された編集画面が表示」され、「図12に示されるようなGUIがタブレット内蔵モニタ131に、編集画面の一部として表示」され、「図12に示されるGUI401は、例えば、変身パレットと称され」、「この変身パレット(GUI)401とともに、編集対象画像である利用者の画像が表示される」ことが記載されている。
また、上記(4-2)ア(ク)によれば、「編集処理」において、「図13に示される変身パレット405が表示されるようにしてもよい」と記載されている。
よって、引用文献1には、図12に示されるようなGUIにおいて、「変身パレット(GUI)401」に代えて、図13に示される「変身パレット405」が表示されることが記載されているといえ、「タブレット内蔵モニタ131」に、図13に示される「変身パレット405」とともに、「編集対象画像である利用者の画像」が表示されることが記載されているといえる。

上記(4-2)ア(ク)によれば、「図13に示される変身パレット405は、図中上側の複数のタブの中で「Make up」というタブが選択され、さらに、「リップ」というタブが選択されることにより表示される」と記載されている。
また、上記(4-2)ア(ク)によれば、「同図に示される変身パレット405は、所定のタブがクリックされることにより、唇の部分の化粧に係るGUI部品のみが表示されるようになされている」と記載されている。
上記(4-2)ア(サ)、(シ)によれば、複数のタブとして、「Make up」というタブと同じ行に、「ペン」や「スタンプ」というタブが記載されている。

上記(4-2)ア(ク)によれば、「変身パレット405の中の領域452は、口紅の色を選択するアイコンが表示される領域とされる。この例では、領域452に、アイコン452-1乃至アイコン452-6が表示されている」と記載されている。
上記(4-2)ア(ク)によれば、「利用者は、例えば、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6のいずれかにタップすることによって、口紅の色を選択することができる」と記載されている。

上記(4-2)ア(ケ)によれば、「例えば、利用者がタッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6、または、領域453の画像をタップすることで、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更される」と記載されている。

上記(4-2)ア(コ)によれば、「図12および図13を参照して上述した唇の部分の変更に係る処理」は、「利用者毎に別々に施される」と記載されている。

以上によれば、引用文献1には、「制御部」により、『編集処理において、タブレット内蔵モニタに変身パレットとともに、編集対象画像である利用者の画像が表示され、
変身パレットは、複数のタブの中で「Make up」というタブが選択され、さらに、「リップ」というタブが選択されることにより表示され、変身パレットは、所定のタブがクリックされることにより、唇の部分の化粧に係るGUI部品のみが表示されるようになされており、
複数のタブとして、「Make up」というタブと同じ行に、「ペン」や「スタンプ」というタブがあり、
変身パレットの中の領域452は、口紅の色を選択するアイコンが表示される領域とされ、領域452に、アイコン452-1乃至アイコン452-6が表示され、利用者は、例えば、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6のいずれかにタップすることによって、口紅の色を選択することができ、
利用者がタッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6をタップすることで、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更され、
唇の部分の変更に係る処理は、利用者毎に別々に施される』ことが記載されている。

(エ)まとめ
以上によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。引用発明の各構成については、以下、構成a?構成cと称する。

(引用発明)
(a)制御部による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出するタブレット内蔵モニタであって、カメラにより取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)であり、利用者の操作の内容を表す信号は制御部に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われ、編集対象画像である利用者の画像が表示されるタブレット内蔵モニタと、
(b)制御部と、
を備え、
前記制御部により、
(b1)編集処理において、タブレット内蔵モニタに変身パレットとともに、編集対象画像である利用者の画像が表示され、
(b2)変身パレットは、複数のタブの中で「Make up」というタブが選択され、さらに、「リップ」というタブが選択されることにより表示され、変身パレットは、所定のタブがクリックされることにより、唇の部分の化粧に係るGUI部品のみが表示されるようになされており、
(b3)複数のタブとして、「Make up」というタブと同じ行に、「ペン」や「スタンプ」というタブがあり、
(b4)変身パレットの中の領域452は、口紅の色を選択するアイコンが表示される領域とされ、領域452に、アイコン452-1乃至アイコン452-6が表示され、利用者は、例えば、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6のいずれかにタップすることによって、口紅の色を選択することができ、
(b5)利用者がタッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6をタップすることで、編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更され、
(b6)唇の部分の変更に係る処理は、利用者毎に別々に施される
(c)多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すような画像処理を行うための編集機能を提供することができるようにする写真シール作成装置。

イ 引用文献2に記載された技術
上記(4-2)イ(ア)?(キ)によれば、引用文献2には、以下の技術(以下、「文献2技術」という。)が記載されていると認められる。

(文献2技術)
「画像表示部と、制御部とを備える写真シール販売機(段落0001、0037)において、
ライブビュー表示用画面に、ライブビュー画像領域の他に、頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382が表示され(段落0131)、
ライブビュー画像から被写体の人数を認識する顔画像認識部がユーザの人数を複数人認識した場合には、それぞれのユーザについて、順次、補正が行われ(段落0142)、
顔画像認識部によりユーザの人数が2人と認識された場合(段落0142)、
ライブビュー画像領域に楕円形の選択サークル391,392が表示され、この選択サークル391,392は、顔画像認識部により認識されたユーザの顔画像であり、実線の選択サークル391を、ハイライトされているものとして扱い、破線の選択サークル392を、ハイライトされていないものとして扱い(段落0143)、
ライブビュー表示用画面には、ハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385が表示され(段落0143)、
最初に選択サークル391がハイライトされている場合、左側のユーザの補正項目の指令として、例えば、頬を痩せさせるためのボタン381が受け付けられ、次に、ハイライトされる選択サークルがボタン385の選択によって選択サークル392に切り替えられ、右側のユーザの補正項目の指令が受け付けられ(段落0144)、
それぞれのユーザの画像についてそれぞれ指令された補正項目に対する補正が施され、ライブビュー補正画像が表示される(段落0144)技術。」

(4-4)対比
次に、本願補正発明と引用発明を対比する。

ア 構成Cについて
構成cの「多様化する利用者のニーズに応えるような化粧を施すような画像処理を行うための編集機能を提供することができるようにする写真シール作成装置」は、「画像処理」を行う「装置」であるから、構成Cの「画像処理装置」に相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明は、「画像処理装置」である点で一致する。

イ 構成Aについて
構成aの「タブレット内蔵モニタ」は、「表示部」といえる。
また、構成aの「タブレット内蔵モニタ」に表示される「編集対象画像である利用者の画像」は、「編集対象の撮影画像」であり、「カメラ」により取り込まれた「撮影画像(静止画像)」であるから、「静止画」であるといえる。
よって、構成aの「編集対象の撮影画像の編集が行われ、編集対象画像である利用者の画像が表示されるタブレット内蔵モニタ」は、構成Aの「撮影画像を静止画として表示する表示部」に相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明は、「撮影画像を静止画として表示する表示部」を備える点で一致する。

ウ 構成Bについて
構成bの「制御部」は、構成Bの「制御部」に相当する。
したがって、本願補正発明と引用発明は、「制御部」を備える点で一致する。

エ 構成B1について
引用発明は、「前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップ」は実行していない。
したがって、「前記制御部」が、本願補正発明では、「前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップ」を実行するように構成されているのに対し、引用発明では、当該ステップを実行するように構成されていない点で、両発明は相違する。

オ 構成B2について
引用発明は、「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップ」は実行していない。
したがって、「前記制御部」が、本願補正発明では、「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップ」を実行するように構成されているのに対し、引用発明では、当該ステップを実行するように構成されていない点で、両発明は相違する。

カ 構成B3について
構成b4の「口紅の色を選択するアイコン」は、「編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分」を「変更」するために用いられるものである。
そして、「唇」とは「顔」の一部であり、「口紅の色」は、「顔」の一部である「唇」に対する補正の内容を表すものといえるから、構成b4の「アイコン452-1乃至アイコン452-6」それぞれが示す「口紅の色」は、「顔に対する複数の補正内容」といえる。
そして、構成b4の「利用者」が「タッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6のいずれかにタップすることによって、口紅の色を選択する」ことは、構成bの「制御部」が、「顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付ける」ことといえる。
よって、構成bの「制御部」は、構成B3の「顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップ」に相当する処理を実行するように構成されているといえる。
したがって、本願補正発明と引用発明の「前記制御部」は、「顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップ」を実行するように構成されている点で一致する。

キ 構成B4について
構成b5の「利用者がタッチペン132Aまたはタッチペン132Bにより、アイコン452-1乃至アイコン452-6をタップする」ことは、「顔」に対し、「複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける」ことといえる。
また、構成b5の「編集対象画像の利用者の画像」は、構成aの「タブレット内蔵モニタ」に表示されている「撮影画像」であるから、構成b5の「編集対象画像の利用者の画像の中の唇の部分が変更」されることは、構成bの「制御部」が、「表示部に表示されている撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示する」ことといえる。
よって、構成bの「制御部」は、「顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップ」に相当する処理を実行するように構成されているといえる。

したがって、本願補正発明と引用発明の「前記制御部」は、「顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップ」を実行するように構成されている点で共通する。
ただし、「顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度」が、本願補正発明では、「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度」であるのに対し、引用発明では、第1の顔及び第2の顔を選択していない点で、両発明は相違する。
また、表示部に表示される補正処理がなされた「前記顔」が、本願補正発明では、「前記第1の顔」であるのに対し、引用発明では、「前記第1の顔」ではない点で、両発明は相違する。

ク 構成B5について
構成b4の「口紅の色を選択するアイコンが表示される領域」である「変身パレットの中の領域452」は、「補正内容を示す補正内容領域」であり、「前記補正内容の選択を受け付け可能」であるといえる。
また、構成b4の「口紅の色を選択するアイコンが表示される領域」は「変身パレット」の中にあり、「変身パレット」は、構成aの「タブレット内蔵モニタ」に表示されるものである。
よって、構成bの「制御部」は、「補正内容を示す補正内容領域、を表示部に表示した上で、前記補正内容の選択を受け付け可能」に構成されているといえる。

したがって、本願補正発明と引用発明の「前記制御部」は、「前記補正内容を示す補正内容領域、を前記表示部に表示した上で、前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されている」点で共通する。
ただし、「前記制御部」が、本願補正発明では、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されている」のに対し、引用発明では、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示」を「前記補正内容を示す補正内容領域」と「同時に」表示部に表示しておらず、「同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能」に構成されていない点で、両発明は相違する。

ケ 構成A1について
構成b2の「変身パレット」とは、「利用者」の「顔」の一部である「唇」の補正を行うためのものであるから、「変身パレット」を表示することは、「被写体の顔の補正を開始する」ことであるといえる。
そして、構成b2の「変身パレット」は、「複数のタブの中で「Make up」というタブが選択され、さらに、「リップ」というタブが選択」されることにより表示されるものであるから、構成b2の「複数のタブ」の中の「「Make up」というタブ」及び「「リップ」というタブ」は、「被写体の顔の補正を開始するための開始手段」であるといえる。
よって、構成aの「タブレット内蔵モニタ」は、「被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示している」といえる。
したがって、本願補正発明と引用発明の「前記表示部」は、「被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示している」点で一致する。

コ 構成B6について
「写真シール作成装置」の技術分野において、「「ペン」や「スタンプ」というタブ」が選択されている時に、「撮影画像全体に対する編集の受付」が行われることは技術常識であるから、引用発明において、構成b3の「「ペン」や「スタンプ」というタブ」が選択されている時には、「撮影画像全体に対する編集の受付」が行われるといえる。
そして、引用発明において、構成b3の「「ペン」や「スタンプ」というタブ」が選択されている時に、構成b2の「「Make up」というタブ」及び「「リップ」というタブ」が選択されると、「顔に対する補正の受付へ切り替える」といえる。
したがって、本願補正発明と引用発明は、「前記開始手段により、前記制御部は、前記撮影画像全体に対する編集の受付から、前記顔に対する補正の受付へ切り替えるように構成されている」点で共通する。
ただし、「補正の受付」の対象が、本願補正発明では、「前記第1の顔及び第2の顔」であるのに対し、引用発明では、「前記第1の顔及び第2の顔」でない点で、両発明は相違する。

サ まとめ
以上によると、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

[一致点]
(A)撮影画像を静止画として表示する表示部と、
(B)制御部と、
を備え、
(B)前記制御部は、
(B3)顔に対する複数の補正内容から、いずれかの補正内容の選択を受け付けるステップと、
(B4’)顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度に、前記表示部に表示されている前記撮影画像を、前記選択された補正内容に対応する補正処理がなされた前記顔を含む前記撮影画像に切り替えて前記表示部に表示するステップと、
を実行するように構成されており、
(B5’)前記制御部は、前記補正内容を示す補正内容領域、を前記表示部に表示した上で、前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されており、
(A1)前記表示部は、被写体の顔の補正を開始するための開始手段を表示しており、
(B6’)前記開始手段により、前記制御部は、前記撮影画像全体に対する編集の受付から、前記顔に対する補正の受付へ切り替えるように構成されている、
(C)画像処理装置。

[相違点]
(相違点1)「前記制御部」が、本願補正発明では、「前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップ」(構成B1)を実行するように構成されているのに対し、引用発明では、当該ステップを実行するように構成されていない点。

(相違点2)「前記制御部」が、本願補正発明では、「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップ」(構成B2)を実行するように構成されているのに対し、引用発明では、当該ステップを実行するように構成されていない点。

(相違点3)「顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度」が、本願補正発明では、「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける度」(構成B4)であるのに対し、引用発明では、第1の顔及び第2の顔を選択していない点。

(相違点4)表示部に表示される補正処理がなされた「前記顔」が、本願補正発明では、「前記第1の顔」(構成B4)であるのに対し、引用発明では、「前記第1の顔」ではない点。

(相違点5)「前記制御部」が、本願補正発明では、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されている」(構成B5)のに対し、引用発明では、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示」を「前記補正内容を示す補正内容領域」と「同時に」表示部に表示しておらず、「同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能」に構成されていない点。

(相違点6)「補正の受付」の対象が、本願補正発明では、「前記第1の顔及び第2の顔」(構成B6)であるのに対し、引用発明では、「前記第1の顔及び第2の顔」でない点。

(4-5)判断
以下、相違点1?6について検討する。

ア 相違点1及び2について
(ア)上記(4-3)イで述べたとおり、引用文献2には、以下の文献2技術が記載されている。

(文献2技術)
「画像表示部と、制御部とを備える写真シール販売機において、
ライブビュー表示用画面に、ライブビュー画像領域の他に、頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382が表示され、
ライブビュー画像から被写体の人数を認識する顔画像認識部がユーザの人数を複数人認識した場合には、それぞれのユーザについて、順次、補正が行われ、
顔画像認識部によりユーザの人数が2人と認識された場合、
ライブビュー画像領域に楕円形の選択サークル391,392が表示され、この選択サークル391,392は、顔画像認識部により認識されたユーザの顔画像であり、実線の選択サークル391を、ハイライトされているものとして扱い、破線の選択サークル392を、ハイライトされていないものとして扱い、
ライブビュー表示用画面には、ハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385が表示され、
最初に選択サークル391がハイライトされている場合、左側のユーザの補正項目の指令として、例えば、頬を痩せさせるためのボタン381が受け付けられ、次に、ハイライトされる選択サークルがボタン385の選択によって選択サークル392に切り替えられ、右側のユーザの補正項目の指令が受け付けられ、
それぞれのユーザの画像についてそれぞれ指令された補正項目に対する補正が施され、ライブビュー補正画像が表示される技術。」

(イ)文献2技術では、「ライブビュー画像から被写体の人数を認識する顔画像認識部」により、「ユーザの人数が2人と認識」され、「選択サークル391,392は、顔画像認識部により認識されたユーザの顔画像」であり、「ハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385」により、ハイライトされた選択サークルを移動できるから、文献2技術は、「撮影画像に含まれる被写体の顔を検出し、前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付ける」ものである。

(ウ)引用発明は、「写真シール作成装置」において、「顔」の一部である「唇」に対する編集について、「唇の部分の変更に係る処理は、利用者毎に別々に施される」(構成b6)構成を有するものである。
また、文献2技術は、「写真シール販売機」において、「頬(ほほ)を細くする」、「顔を小さくする」、「目を大きくする」などの、「顔」に対する補正について、「それぞれのユーザについて、順次、補正が行われるよう」にする構成を有するものである。
よって、引用発明と、文献2技術は、いずれも、写真シールを作成する装置において、顔に対する補正を、複数の利用者毎に別々に施す点で共通するものである。
また、引用発明において、顔に対する補正を、複数の利用者毎に別々に施すために、補正対象の顔を選択する必要があることは当業者にとって明らかである。
よって、引用発明において、補正対象の顔を選択するために、上記(イ)に示した文献2技術を適用することにより、「前記制御部」が、「前記撮影画像に含まれる被写体の顔を検出するステップ」(相違点1)と、「前記撮影画像において第1の顔及び第2の顔が複数検出された場合、前記第1の顔の選択を受け付けるステップ」(相違点2)を実行するようすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点3について
文献2技術では、ライブビュー表示用画面に左側のユーザと右側のユーザが表示されている状態において、「最初に選択サークル391がハイライトされている場合」には、「ハイライトされる選択サークルがボタン385の選択によって選択サークル392に切り替えられる」までは、「選択サークル391」に対応するユーザに対して、「頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382」が受け付けられると解されるから、文献2技術は、「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択を受け付ける」ものである。

ここで、文献2技術は、ライブビュー画像からユーザを認識し、ユーザの顔を選択し、補正項目の指令を受け付けるものであるが、「ハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385」により、ユーザの顔を選択し、「頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382」により、補正項目の指令を受け付けるという技術は、写真シール販売機において、ライブビュー画像でなければ適用することができないという性質の技術ではなく、撮影後の編集時の静止画に対しても適用することができる技術である。

よって、引用発明において、顔に対する補正を、複数の利用者毎に別々に施すために、文献2技術を適用することにより、「前記第1の顔の選択後に当該第1の顔とは異なる前記第2の顔の選択を受け付けるまでは、選択中の前記第1の顔に対し、複数の補正内容の中からいずれかの補正内容の選択」を受け付けるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 相違点4について
上記イのように、補正の対象を「第1の顔及び第2の顔」のうちの「前記第1の顔」としたことに伴って、表示部に表示される補正処理がなされた顔を「前記第1の顔」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

エ 相違点5について
文献2技術では、「ハイライトされる選択サークルを左に移動するためのボタン384と、ハイライトされる選択サークルを右に移動するためのボタン385」と、「頬(ほほ)を細くするためのボタン381、顔を小さくするためのボタン382、および目を大きくするためのボタン382」が画面に表示され、これらのボタンによる選択は全て同時期に受け付け可能と解されるから、文献2技術は、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能に構成されている」ものである。

そして、引用発明において、顔に対する補正を、複数の利用者毎に別々に施すために、文献2技術を適用することにより、「検出された前記被写体の顔を選択するための表示と、前記補正内容を示す補正内容領域と、を前記表示部に同時に表示した上で、同時期に前記顔の選択及び前記補正内容の選択を受け付け可能」に構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。

オ 相違点6について
上記アのように、補正の対象を「第1の顔及び第2の顔」としたことに伴って、補正の受付の対象を「前記第1の顔及び第2の顔」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(4-6)請求人の主張について
請求人は、平成30年10月22日付けの意見書において、文献2技術は、ライブビュー画像に対する補正を行うものであって、単に顔の検出をしているに過ぎず、一旦検出した顔を識別して補正を行い続けることはできず、また、直接人物を個々に特定して選択することができない旨を主張している。

しかしながら、ライブビュー画像のような動画において顔を検出して追尾すること、及び、検出した顔を追尾して補正を行うことは、周知の技術で実現できることであり、上記(4-5)イで述べたように、そのような技術を静止画に対して適用できることも明らかなことである。

よって、請求人の主張は採用することができない。

(4-7)効果等について
本願補正発明の構成は、上記のように当業者が容易に想到できたものであるところ、本願補正発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものではない。

(4-8)まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年10月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年7月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1に示した(補正前の請求項1)に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 当審における拒絶の理由
平成30年8月9日付けの拒絶理由通知書で当審が通知した拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。

この出願の請求項1?6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1?3、5、6
・引用文献等 1、2

・請求項 4
・引用文献等 1?4


1.特開2014-131160号公報
2.特開2005-277772号公報
3.特開2008-3724号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2007-257165号公報(周知技術を示す文献)

3 引用発明
当審の拒絶の理由に引用された引用文献1、並びに、その記載事項は、上記第2の2(4-2)アに示したとおりであり、引用文献1に記載された発明(引用発明)は、上記第2の2(4-3)アに認定したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、上記第2の1の「本件補正の内容」で摘示した本願補正発明に追加された限定事項を省いたものである。

そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が上記第2の2(4)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-11-20 
結審通知日 2018-11-27 
審決日 2018-12-10 
出願番号 特願2014-165501(P2014-165501)
審決分類 P 1 8・ 575- WZ (H04N)
P 1 8・ 121- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 冨田 高史後藤 嘉宏鈴木 順三  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 小池 正彦
坂東 大五郎
発明の名称 写真撮影遊戯装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム  
代理人 立花 顕治  
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