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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01C
管理番号 1348499
審判番号 不服2018-2847  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-28 
確定日 2019-02-20 
事件の表示 特願2016- 80735「マイクロ慣性測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月18日出願公開、特開2016-148677、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2010年12月6日(パリ条約による優先権主張 2010年8月9日 中国)を国際出願日とする出願である特願2013-523464号の一部を、平成28年4月14日に新たな特許出願としたものであって、平成29年2月15日付けで拒絶理由が通知され、平成29年5月17日付けで手続補正がなされたが、平成29年10月27日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という)がなされ(謄本送達日 平成29年11月7日)、これに対し、平成30年2月28日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次の通りである。

2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
4.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由2(特許法第36条第6項第1号)について

・請求項 1-20
段落【0026】に記載された「フレキシブル計測制御回路基板の形状は・・・センサ支持部の展開平面と一致する必要がある」事項は、請求項1-20に係る発明に反映されていない。

●理由3(特許法第29条第2項)について(注:「理由4」の誤記である。)
・請求項 1-20
・引用文献等 1-7(注:「引用文献等 1-10」の誤記である。)

<引用文献等一覧>
1.米国特許出願公開第2009/0308157号明細書
2.特開平7-306047号公報
3.J Barton, A Gonzalez, J Buckley, B O’Flynn, S C O’Mathuna, Design,Fabrication and Testing of Miniaturised Wireless Inertial Measurement Unit(IMU),Electronic Components and Technology Conference, 2,米国,IEEE,2007年,pp.1143-1148
4.特開昭63-217787号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2002-299545号公報(周知技術を示す文献)
6.米国特許第5038613号明細書(周知技術を示す文献)
7.米国特許出願公開第2005/0039529号明細書(周知技術を示す文献)
8.中国特許出願公開第101349564号明細書(周知技術を示す文献)
9.実願平4-9638号(実開平5-70001号)のCD-ROM(周知技術を示す文献)
10.特開2002-195834号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願の請求項1-18に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明18」という。)は、平成30年2月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-18に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりのものである。

「【請求項1】
マイクロ慣性測定装置であって、
センサ支持部と、フレキシブル計測制御回路基板とを含むセンサモジュールを含み、
前記センサ支持部は、6つの平面を含み、少なくとも1つの平面は凹部を含み、
前記フレキシブル計測制御回路基板は、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、前記センサ支持部の6つの平面を覆い、
前記フレキシブル計測制御回路基板の回路部品の少なくとも一部は、前記センサ支持部の前記少なくとも1つの平面の前記凹部内にはめ込まれていることを特徴とする装置。」

本願発明2-18は、本願発明1を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(米国特許出願公開第2009/0308157号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。
「[0031] Referring to FIG. 1, inertial measurement unit 10 includes a box-like housing 12 removably connected to a rectangular motherboard or support circuit board 14. A base structure 16 is mounted on support circuit board 14. Base structure 16 may be constructed from any insulating material on which electrical traces and contact pads can be deposited, such as a plastic material or a ceramic material. Ceramic material is preferred for its ability to withstand high inertial loads as well as high shock loads.
[0032] While a cube is an effective and sufficient shape for the base structure, in the preferred embodiment shown in FIG. 1, base structure 16 is the shape of a triangular cupola. A triangular cupola is defined as a polyhedron having nine vertices, eight surfaces, and fifteen edges. The triangular cupola shape of base structure 16 has four triangular surfaces, including three triangular sidewalls 18a, 18b, 18c and a triangular top surface 19; three rectangular surfaces 20a, 20b, 20c; and one hexagonal bottom surface 22 (shown in FIG. 4).
[0033] A triangular cupola shape is formed by truncating each of the four vertices of a regular tetrahedron, which can be thought of as the vertex of a cube, and thus has three mutually orthogonal surfaces. In the embodiment shown in FIG. 1, rectangular surfaces 20 are orthogonal to each other. That is, each surface 20 is oriented at a 90° angle with respect to each of the other surfaces 20. For example, surface 20a is oriented at approximately a 90° angle with respect to both surface 20b and to surface 20c. Consequently, the triangular cupola shape of base structure 16 provides the same functionality as a cube-shaped structure in a smaller volume.」
(当審訳:[0031] 図1では、慣性測定装置10は、長方形のマザーボードまたは支持回路基板14に取り外し可能に接続された箱状ハウジング12を含む。ベース構造16は、支持回路基板14に取り付けられる。ベース構造16は、プラスチック材料やセラミック材料などの電気トレースおよびコンタクトパッドをその上に堆積可能な任意の絶縁材料から形成してもよい。セラミック材料は、高慣性負荷および高衝撃負荷に耐性があるためにより望ましい。
[0032] 立方体は、ベース構造には効果的で十分な形態であるが、図1に示す望ましい実施形態では、ベース構造16は三角キュポラ形状である。三角キュポラは、9頂点、8表面、および15縁部を有する多面体である。ベース構造16の三角キュポラ形状は、3つの三角形側壁18a、18b、18cおよび三角形帳面19、3つの長方形表面20a、20b、20c、および1つの六角形底面22(図4に示す)を含む4つの三角形表面を有する。
[0033] 三角キュポラ形状は、立方体の頂点と考えられしたがって3つの互いに直交する表面を持つ正四面体の4つの頂部をそれぞれ切り取ることで形成される。図1に示す実施形態では、長方形表面20は互いに直交している。すなわち、各表面20は、各他の表面20に対して90度に向けられる。例えば、表面20aは、両表面20b、20cに対して約90度に向けられる。したがって、ベース構造16の三角キュポラ形状は、体積がより小さい立方体形状構造と同じ機能性を提供する。)

「[0036] In the embodiment shown in FIG. 1, a circuit card assembly 24 is mounted to each orthogonal surface 20. Each circuit card assembly 24 includes an inertial module 26 mounted to the assembly. Each inertial module 26 includes one or more microelectromechanical systems (MEMS) devices. In the embodiment shown in FIGS. 1 and 2, each inertial module 26 includes a MEMS gyroscopic rotational rate sensor 28 and a MEMS accelerometer 30. The embodiment shown thus includes three equal inertial modules, each module including a gyroscopic rotational rate sensor 28, a linear accelerometer 30, and the electronics associated with each of these devices. Each module is oriented to provide inertial measurements along a distinct axis, with each axis being orthogonal to the other two axes. Inertial measurement unit 10 is thus configured to provide inertial measurements along three orthogonal axes.」
(当審訳:[0036] 図1に示す実施形態では、回路カードアセンブリ24は各直交表面20に取り付けられる。各回路カードアセンブリ24は、アセンブリに取り付けられた慣性モジュール26を含む。各慣性モジュール26は、1つまたは複数の微小電気機械システム(MEMS)装置を含む。図1および図2に示す実施形態では、各慣性モジュール26は、MEMSジャイロスコープ回転率センサ28およびMEMS加速度計30を含む。図示の実施形態はしたがって、3つの等しい慣性モジュールを含み、各モジュールは、ジャイロスコープ回転率センサ28、直線加速度計30、および各これらの装置に関連する電子部品を含む。各モジュールは、個別の軸に沿った慣性測定値を提供するように向けられ、各軸は、他の2つの軸と直交する。慣性測定装置10はしたがって、3つの直交軸に沿った慣性測定値を提供するように構成されている。)

「[0044] As shown in FIG. 2, MEMS devices such as gyroscopic rotational rate sensor 28 and accelerometer 30 of inertial module 26 are flip-chip mounted to a first side of circuit card assembly 24, and application specific integrated circuits (ASIC) 32 are flip-chip mounted to a second side of circuit card assembly 24. Base structure 16 may be formed by a conventional pressing and sintering process. Preferably, base structure 16 is formed by injection molding, which allows a recessed portion 34 to be molded into each of the orthogonal surfaces 20 to accommodate the components mounted on the second side of circuit card assembly 24. Injection molding allows for the production of base structure 16 in near net shape, including fine details and features, without the need for secondary operations.」
(当審訳:[0044] 図2に示すように、慣性モジュール26のジャイロスコープ回転率センサ28および加速度計30などのMEMS装置は、回路カードアセンブリ24の第一側にフリップチップにより取付けられ、特定用途向け集積回路(ASIC)32は、回路カードアセンブリ24の第二側にフリップチップにより取付けられる。ベース構造16は、従来の圧延および焼結工程で形成してもよい。好ましくは、ベース構造16は、射出成形で形成されるが、これにより、凹部34が各直交表面20に成形され、回路カードアセンブリ24の第二側に取付けられた部品を収容する。射出成形により、二次的作業の必要なく微細な詳細および特徴を含むほぼ正味形状でベース構造16が生産可能となる。)

「[0049] The triangular cupola shape of base structure 16 allows for construction of an inertial measurement unit with a significantly reduced size when compared to similar systems. Form factor reduction, that is reduction in the size and shape of the support circuit board 14, is also gained by constructing circuit card assemblies 24 using chip on board techniques that reduce or eliminate wirebond connections. The shape of base structure 16 and the configuration of the components mounted on the base structure reduce the planar area required on support circuit board 14 to mount the entire inertial measurement unit 10.」
(当審訳:[0049] ベース構造16の三角キュポラ形状は、類似システムと比較して相当サイズが削減された慣性測定装置の形成を可能にする。形状因子の削減は、支持回路基板14のサイズおよび形状の削減であるが、ワイヤボンド接続を削減またはなくすチップオンボード技術を用いて回路カードアセンブリ24を形成することで同様に得られる。ベース構造16の形状と、ベース構造に取付けられる部品の構成により、慣性測定装置10全体を支持回路基板14に取り付けるのに必要となる平面面積が削減される。)


図2及び段落[0036]の記載から、各回路カードアセンブリ24が、各直交表面20に取り付けられていることが読み取れる。

したがって、上記記載より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所を示す。以下同様。)。
「慣性測定装置10であって、
ベース構造16が、支持回路基板14に取り付けられ([0031])、
ベース構造16は、8表面を有する三角キュポラ形状であり、3つの長方形表面20は互いに直交しており([0032]、[0033])、
各回路カードアセンブリ24が、各直交表面20に取り付けられ([0036]、図2)、
慣性モジュール26のジャイロスコープ回転率センサ28および加速度計30などのMEMS装置は、回路カードアセンブリ24の第一側に取付けられ、特定用途向け集積回路(ASIC)32は、回路カードアセンブリ24の第二側に取付けられ、
凹部34が各直交表面20に成形され、回路カードアセンブリ24の第二側に取付けられた部品を収容する([0044])装置。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2(特開平7-306047号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0010】
【実施例】以下、本発明による多軸検出型振動ジャイロの一実施例を図面を用いて説明する。図1において、1は正三角柱状のエリンバなどの恒弾性金属材、或いは、石英、ガラス、水晶等からなる振動体であり、その側面には圧電セラミックの両面に電極を形成した圧電素子2a,2b,2cが例えば接着剤等により固着されている。3は振動体1を支持する金属などの線材からなる支持部材、4は支持部材3により振動体1を取り付ける略正方形の支持基板であり、支持部材3は一対の脚部5と脚部5間を連絡する連絡部6からなる断面コ字状に形成され、連絡部6が振動体1のノード点付近の稜線部分に、脚部5,5が支持基板4にそれぞれ取り付けられる。7は振動体1と同様に支持基板4に搭載される信号処理回路であり、振動体1の圧電素子2a,2bと圧電素子2cとの間に接続されて、振動体1の軸方向を中心とした回転角速度の検出を行うもので、これらの振動体1、支持部材3、支持基板4、信号処理回路7により振動ジャイロ8,9,10がそれぞれ構成される。
【0011】次に上記のように構成された3つの振動ジャイロ8,9,10を、それぞれの支持基板4が展開平面状態で略L字状になるように配置する。そして、それぞれの支持基板4を、電気線路を内蔵した折曲可能なフレキシブル基板11を介して連結し、それにより、振動ジャイロ8,9,10を連結する。そして、振動ジャイロ9を構成する支持基板4のうち、振動ジャイロ8,10と連結されていない一辺4aに設けられた外部端子部分12と各々の振動ジャイロ8,9,10を電気的に接続する。さらに、フレキシブル基板11を折曲することにより、振動ジャイロ8,10を振動ジャイロ9に対して垂直に起立させ、外部端子部分12を外部に突出した状態でケース13に収納し、全体として角柱状の多軸検出型振動ジャイロ14を構成する。」


したがって、上記記載より、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。
「多軸検出型振動ジャイロ14であって、
3つの振動ジャイロ8,9,10のそれぞれの支持基板4を、フレキシブル基板11を介して連結し、
フレキシブル基板11を折曲することにより、振動ジャイロ8,10を振動ジャイロ9に対して垂直に起立させ、ケース13に収納し、全体として角柱状を構成する多軸検出型振動ジャイロ14(【0011】)。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3(J Barton, A Gonzalez, J Buckley, B O’Flynn, S C O’Mathuna, Design,Fabrication and Testing of Miniaturised Wireless Inertial Measurement Unit(IMU),Electronic Components and Technology Conference, 2,米国,IEEE,2007年,pp.1143-1148)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
a 「Abstract
This paper will describe the design, fabrication, operation, and test results of a miniature Wireless Inertial Measurement Unit (WIMU) with a form factor of 10mm. Many types of Inertial Measurement Units(IMU) have been designed and manufactured by prominent companies such as Crossbow, Xsens, O NAVI and Honeywell, among many others. American GNC Corporation currently claims to have the world’s smallest IMU[1]. Most of these IMUs are aimed at aerospace and other types of navigation, which is why miniaturisation has not been a priority. However, with the onset and development of MEMS technology, novel applications have been found for those MEMS sensors employed in an IMU. Head mounted displays, Segways and mobile phones are among the new products taking advantage of miniaturised MEMS inertial sensors.
The current WIMU development is a step along the roadmap of the AES team at Tyndall National Institute towards miniaturisation and works from the current standard, the 25mm platform [2]. A 25mm stacked SMT IMU has been successfully developed and tested [3,4]. The goal now is to develop an even smaller version of this IMU by using advanced technology such as flexible substrates and flip-chip technique. These miniaturised IMU’s are required for wearable and medical applications where size and weight are priorities. Our WIMU uses bare-die versions of off-the-shelf MEMS sensors. The Inertial Measurement Unit itself is designed to give full six degrees of freedom with 3-axis for each of the sensors-accelerometers, gyroscopes and magnetometers」(第1143頁「Abstract」欄)
(当審訳:概要
本稿は、形状因子10mmの小型無線慣性計測装置(WIMU)の設計、製造、運転および試験結果に関するものである。特にCrossbow、Xsens、O NAVI、Honeywell等の有名企業が慣性計測装置(IMU)を多種設計、製造している。American GNC Corporationは、現在世界最小のIMUを所有していると主張している[1]。これらのIMUのほとんどは航空宇宙産業および他の航法技術用であり、そのため小型化は優先課題ではない。しかしMEMS技術の出現と発展により、IMUで用いるMEMSセンサに新たな用途が見出されている。小型MEMS慣性センサを利用する新たな製品には、頭部装着型ディスプレイ、セグウェイ、携帯電話がある。
現在のWIMU開発は、小型化へのTyndall National InstituteのAESチームによるロードマップに沿ったプロセスであり、25mmのプラットフォームという現在の標準を用いて行われている[2]。25mmの積層型SMT UMTの開発および試験に成功している[3、4]。現在の目標は、フレキシブル基板やフリップチップ技術などの最新技術を用いることで、このIMUのいっそう小型なバージョンを開発することである。これらの小型化IMUは、サイズと重量が優先視される着用用途および医学用途で必要となる。我々のWIMUは、既製MEMSセンサのベアダイバージョンを用いる。慣性測定装置自体は、センサ加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のそれぞれに対して3軸で完全6自由度をもたらすように設計される。」

b 「10mm IMU
For miniaturization of the IMU we investigated flexibl esubstrates with both SMD and capped bare die sensors. When the project was initiated, there were only single axis MEMS gyroscopes and bi-axial accelerometers freely available in prototype quantities, though packaged tri-axial accelerometers did become available during the project. This focused the design of the IMU as the modularity had to be sacrificed because suitable connectors could not be located. To ensure the orthogonality of the sensors we decided to design the IMU on a flexible substrate in a cruciform shape and fold it into a cube form factor. We investigated 2 different IMU configurations; wireless IMU with SMD components but no magnetometers and full IMU with magnetometers but no wireless. This second configuration had bare die components and was capable of being connected to the 25mm Tyndall node. The SMD design can be seen in Figure 2. The next section will give some details about the flexible substrate manufacture while the following sections will detail the 2 different configurations as well as different interconnect mechanisms attempted in connecting the bare die sensors to the flexible substrates.」(第1144頁「10mm IMU」欄)
(当審訳:10mm IMU
IMUの小型のために我々は、SMDとキャップ付きベアダイセンサを有するフレキシブル基板を検討した。パッケージされた3軸加速度計が本プロジェクト中に入手可能になったものの、本プロジェクトを始めた際には、試作品で自由に入手可能であったのは単軸MEMSジャイロスコープと2軸加速度計のみであった。そのため適切なコネクタがなくモジュラー性は犠牲にせざるを得なかったために、IMUの設計に焦点が当てられた。センサの直交性を確保するために、我々は、十字形のフレキシブル基板上にIMUを設計して、立方体形状因子に折りたたむことにした。SMD部品を持つが磁力計は持たない無線IMUと、磁力計を持つが無線型ではない完全なIMUという2つの異なるIMU構成を検討した。この2番目の構成はベアダイ部品を持ち、25mmTyndallノードに接続可能であった。SMDの設計図は図2で見られる。次章では、フレキシブル基板製造について詳細に論じ、その後の章では、前記2つの異なる構成と、ベアダイセンサをフレキシブル基板に接続する際に試した異なる相互接続機構について詳細に論じる。)

c 「10mm IMU-SMD Version
This wireless IMU contains the following components:
1 x ATMega 128L microcontroller
1 x Nordic nrf2401 transceiver
1 x Kionix KXM52; a 3 Axis accelerometer in a 5mm x 5mm package
3 x Analog Devices ADXLRS150; a 1 Axis gyroscope in a 32-pin BGA package
This was realized in a 12mm x 12mm x 12mm cube when folded and can be seen, planar and folded in Figure 3.」(第1145頁「10mm IMU-SMD Version」欄)
(当審訳:10mm IMU-SMDバージョン
この無線IMUは、以下の部品を含む。
1×ATMega 128Lマイクロコントローラ
1×Nordic nrf2401トランシーバ
1×Kionix KXM52;5mm×5mmパッケージの3軸加速度計
3×Analog Devices ADXLRS150;32ピンBGAパッケージの1軸ジャイロスコープ
12mm×12mm×12mmの立方体を折り畳んでこれは実現し、図3に平面状に折り畳んだ形で見られる。)


図3:10mm SMD IMU(a)平面状、(b)立方体

図3から、十字形のフレキシブル基板は、一体化され、且つ、形状が立方体の6つの平面の展開平面と一致し、これを90°曲げて折り畳んで、立方体を形成したことが見て取れる。

したがって、上記記載より、引用文献3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されている。
「小型無線慣性計測装置(WIMU)であって(上記a)、
十字形のフレキシブル基板上にSMD部品を持つ無線IMUを設計して、立方体形状因子に折りたたんだものであり(上記b)、
十字形のフレキシブル基板は、一体化され、且つ、形状が立方体の6つの平面の展開平面と一致し、これを90°曲げて折り畳んで立方体を形成した(図3)
小型無線慣性計測装置(WIMU)。」

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献4(特開昭63-217787号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「4はフレキシブルプリント基板であり、固体撮像素子1の端子1bを挿入してハンダ付する取付部4aと、円形であって色信号処理回路のチップ部品を搭載する回路構成部4c,4e,4g,4i,と折り曲げ部4d,4f,4h,4jとから形成されている。」(第2頁左上欄第19行-右上欄第5頁)

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献5(特開2002-299545号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0019】図1は本発明の第1の実施の形態の半導体装置を示す断面端面を含む斜視図である。外形が正六角形の中空パイプ状基体11にテープ配線基板12が巻き付けられている。
【0020】巻き付けられたテープ配線基板(図で太線で示す)12の内側には、フリップチップ型半導体素子15やワイヤ型半導体素子16が搭載されており、これらの素子の上面が中空パイプ状基体11の6個の各外壁に押しつけられており、その間に接着樹脂17がモールドされている。このテープ配線基板12は、ポリィミドフィルム等の可とう性フィルムによるテープである。」

6 引用文献6について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献6(米国特許第5038613号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「FIG. 8 shows an internal structure of the angular rate detecting device, with the case 12 removed. As shown in FIG. 8, the angular rate sensors 11x, 11y, 11z are force-fitted in a damper block 13 that is made of a vibration/ shock absorbing material such as polyurethane, silicone, or the like. The damper block 13 is fixedly mounted on a circuit substrate 14. Leads 15 extending from the lead terminals of the angular rate sensors 11x, 11y, 11z are connected to a conductive pattern on the circuit substrate 14. The circuit board 16 also supports various electronic components 16 making up drive and detection circuits, and is fixed to a baseboard 17 of aluminum by screws or adhesive. Therefore, the angular rate sensors 11x, 11y, 11z are supported by the damper block 13 and shielded from the exterior by the case 12 and the baseboard 17. The damper block 13 is effective to protect the angular rate sensors 11x, 11y, 11z from wobbling or being displaced due to accelerative motions imparted from the exterior, and also to suppress crosstalk interferences, i.e., driving vibration, between the angular rate sensors 11x, 11y, 11z . The angular rate sensors 11x, 116, 11z are shielded from external noise by the case 12 and the baseboard 17.」(第5欄第49行-第6欄第3行)
(当審訳:図8は、角速度検出装置の内部構成を示す図で、ケース12は取り外されている。図8に示すように、角速度センサ11x、11y、11zは、ポリウレタンやシリコーンなどの振動/衝撃吸収材料で形成されているダンパーブロック13に圧力嵌めされている。ダンパブロック13は、回路基板14上に固定されている。角速度センサ11x、11y、11zのリード端子から延出するリード線15は、回路基板14上の導電パターンに接続される。回路基板16は、駆動及び検出回路を構成する各種電子部品16も支持し、ねじまたは接着剤によってアルミニウムのベースボード17に固定される。このため、角速度センサ11x、11y、11zは、ダンパーブロック13によって支持され、ケース12及びベース基板17により外部から遮蔽されている。ダンパブロック13は、角速度センサ11x、11y、11zを保護するため蛇行したり、外部から与えられる加速運動により変位し、角速度センサ11x、11y、11zとの間、すなわち、駆動振動は、クロストーク干渉を抑制するのに有効である角速度センサ11x、116、11zはケース12と基板17によって外部雑音から遮蔽される。)

7 引用文献7について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献7(米国特許出願公開第2005/0039529号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「[0022] According to the invention, the body 10 is made of a material having a coefficient of thermal expansion close to that of the electrode-carrier stand 3, e.g. silica or invar. Each electrode-carrier stand 3 is hermetically secured by adhesive directly onto a plane annular surface 13 surrounding an opening 11 (see FIG. 1). 」
(当審訳:[0022] 本発明によれば、本体10は、電極キャリア3の熱膨張係数に近い熱膨張係数、例えばシリカまたはインバーを有する材料から形成されている。各電極支持台3は、開口部11(図1参照)を包囲する平面環状表面13上に接着剤で直接固定される。)

8 引用文献8について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献8(中国特許出願公開第101349564号明細書)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
なお、原文は中国語であるが、当審訳のみ記載する。
(当審訳:図7は本発明の第一実施形態の組立図の分解図であり,加速度計モジュールは3個の加速度計31、32、33を含み,加速度計31は取付面201に取り付けられ,加速度計32は取付面202に取り付けられ,加速度計33は取付面205に取り付けられる;ジャイロスコープモジュールは3個の光ファイバジャイロスコープ21、22、23を含み,光ファイバジャイロスコープ21は取付面101に取り付けられ,光ファイバジャイロスコープ22は取付面102に取り付けられ,光ファイバジャイロスコープ23は取付面105に取り付けられる;回路は信号変換回路8及び信号取得・処理回路9を含み,信号変換回路8はねじ及びゴムワッシャでX軸ジャイロスコープ負方向取付面103に取り付けられ,信号取得・処理回路9はねじ及びゴムワッシャでY軸ジャイロスコープ負方向取付面104に取り付けられ,従来技術に基づき,信号変換回路8はI/F変換回路、V/F変換回路又はA/D変換回路を採用し,慣性モジュールのアナログ出力信号をデジタル信号に変換し,信号取得・処理回路9はDSPとFPGAを組み合わせた手段を採用し,FPGAによって慣性モジュールの信号の同期的なパラレル通信による取得を実現し,DSPによって前処理を行う。)(第8頁下から第4行-第9頁第5行)

9 引用文献9について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献9(実願平4-9638号(実開平5-70001号)のCD-ROM)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「 【0009】
【実施例】
以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
図1は本考案の一実施例を示す分解斜視図、図3は一実施例の側面断面図である。図において、11は金属匡体で、略直方体形状の外形を有し、その前端部には導波管よりなる一次放射器110 を備え、一次放射器110 の開口端の周囲には固定用のフランジ11aが形成されている。また、金属匡体11の上面にはその長手方向に所定深さの3つの凹部120,130,140 が形成され、下面前部には凹部150 が、また下面後部には凹部160 がそれぞれ形成されている。
【0010】
12,13は回路基板で、回路基板12は金属匡体11の上面に対応した面積を有し、その長手方向に順に高周波増幅回路12a、ミキサ回路12b、局部発振回路12c、中間増幅回路12dが形成されている。また、高周波増幅回路12aは凹部120 に対応した位置に形成され、ミキサ回路12b及び局部発振回路12cは凹部130 に対応した位置に、また中間増幅回路12dは凹部140 に対応した位置にそれぞれ形成されている。さらに、回路基板12の非部品実装面の全面に接地導体12eが設けられている。このように形成された回路基板12は、その部品面を下方とし、各回路を構成する部分が対応する凹部120,130,140 の内部に挿入された状態で、各凹部120,130,140 を塞ぐように金属匡体11にネジ等によって固定されている。」

10 引用文献10について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献10(特開2002-195834号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0019】図1に於いて、物理量検出部20は、物理量検出センサ21と、この物理量検出センサ21を実装した回路基板4から構成される。物理量検出部20は、保持部5に固定されたゴム等の弾性体からなる防振部材23,24により、図面の横方向(X軸方向)及び図面の縦方向(Y軸方向)から支持されている。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用発明1を主たる引用発明とした場合
ア 対比
本願発明1と引用発明1を対比すると、次のことがいえる。
(ア)引用発明1の「慣性測定装置10」、「ベース構造16」は、それぞれ、本願発明1の「マイクロ慣性測定装置」、「センサ支持部」に相当する。

(イ)引用発明1の「回路カードアセンブリ24」と、本願発明1の「フレキシブル計測制御回路基板」とは、「計測制御回路基板」である点で共通するので、
引用発明1の「ベース構造16」と、「各回路カードアセンブリ24が、各直交表面20に取り付けられ」た「ベース構造16」とは、本願発明1の「センサ支持部と、フレキシブル計測制御回路基板とを含むセンサモジュール」と、「前記センサ支持部と、計測制御回路基板とを含むセンサモジュール」である点で共通する。

(ウ)引用発明1の「ベース構造16は、8表面を有する持つ三角キュポラ形状であり、3つの長方形表面20は互いに直交しており、」「凹部34が各直交表面20に成形され」と、本願発明1の「前記センサ支持部は、6つの平面を含み、少なくとも1つの平面は凹部を含み」とは、「前記センサ支持部は、複数の平面を含み、少なくとも1つの平面は凹部を含」む点で共通する。

(エ)引用発明1の「凹部34が各直交表面20に成形され、回路カードアセンブリ24の第二側に取付けられた部品を収容する」ことと、本願発明1の「前記フレキシブル計測制御回路基板の回路部品の少なくとも一部は、前記センサ支持部の前記少なくとも1つの平面の前記凹部内にはめ込まれていること」とは、「前記計測制御回路基板の回路部品の少なくとも一部は、前記センサ支持部の前記少なくとも1つの平面の前記凹部内にはめ込まれていること」である点で共通する。

すると、本願発明1と引用発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「マイクロ慣性測定装置であって、
センサ支持部と、計測制御回路基板とを含むセンサモジュールを含み、
前記センサ支持部は、複数の平面を含み、少なくとも1つの平面は凹部を含み、
前記計測制御回路基板の回路部品の少なくとも一部は、前記センサ支持部の前記少なくとも1つの平面の前記凹部内にはめ込まれている装置。」
(相違点1)
計測制御回路基板が、本願発明1は、「フレキシブル計測制御回路基板」であるのに対して、引用発明1は、「回路カードアセンブリ24」であり、フレキシブルであることの特定がない点。
(相違点2)
センサ支持部の平面が、本願発明1は、「6つ」であるのに対して、引用発明1は、「8表面」である点。
(相違点3)
計測制御回路基板が、本願発明1は、「一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、前記センサ支持部の6つの平面を覆」うのに対して、引用発明1は、計測制御回路基板である「各回路カードアセンブリ24」が、「三角キュポラ形状」である「ベース構造16」の「各直交表面20に取り付けられ」ているが、そのような特定がない点。

イ 判断
事案に鑑み、まず、上記相違点2、3についてまとめて検討する。
引用文献1に「三角キュポラ形状は、立方体の頂点と考えられしたがって3つの互いに直交する表面を持つ正四面体の4つの頂部をそれぞれ切り取ることで形成される。」([0033])及び「ベース構造16の三角キュポラ形状は、類似システムと比較して相当サイズが削減された慣性測定装置の形成を可能にする。」([0049])と記載されているので、引用発明1において、「ベース構造16」を、6つの平面を含むものとし、「回路カードアセンブリ24」を一体化して、形状を、「ベース構造16」の6つの平面の展開平面と一致させ、それぞれ「ベース構造16」の縁に沿うように90°曲げられて、「ベース構造16」の6つの平面を覆うようにすることには、これによって、サイズが増大することになるから、当業者に動機付けられないことである。

また、引用文献2-10には、フレキシブル計測制御回路基板が、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状がセンサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、センサ支持部の6つの平面を覆うものは記載されていない。

したがって、引用発明1、引用文献2-10に記載された技術に基づいて、上記相違点2、3に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、上記相違点1について検討するまでもなく、引用発明1、引用文献2-10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)引用発明2を主たる引用発明とした場合
ア 対比
本願発明1と引用発明2を対比すると、少なくとも、上記相違点3と同様な次の相違点を有する。

(相違点4)
本願発明1は、「前記フレキシブル計測制御回路基板は、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、前記センサ支持部の6つの平面を覆」うのに対して、引用発明2は、「振動ジャイロ8,10を振動ジャイロ9に対して垂直に起立させ、ケース13に収納し」たものである点。

イ 判断
上記相違点4について検討する。
引用発明2は、振動ジャイロ8,10を振動ジャイロ9に対して垂直に起立させ、ケース13に収納して、角柱状の形状を保持しているのであるから、引用発明2において、形状を保持するために、別途センサ支持部を設ける理由はなく、上記相違点4は、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

また、引用文献1、3-10には、フレキシブル計測制御回路基板が、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状がセンサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、センサ支持部の6つの平面を覆うものは記載されていない。

したがって、引用発明2、引用文献1、3-10に記載された技術に基づいて、上記相違点4に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、引用発明2、引用文献1、3-10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)引用発明3を主たる引用発明とした場合
ア 対比
本願発明1と引用発明3を対比すると、少なくとも、上記相違点3と同様な次の相違点を有する。

(相違点5)
本願発明1は、「前記フレキシブル計測制御回路基板は、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、前記センサ支持部の6つの平面を覆」うのに対して、引用発明3は、「十字形のフレキシブル基板」は、「形状が立方体の6つの平面の展開平面と一致」するものであるが、センサ支持部を有しておらず、形状がセンサ支持部の6つの平面の展開平面と一致するものでない点。

イ 判断
上記相違点5について検討する。
引用発明3は、十字形のフレキシブル基板そのものを、折り畳んで立方体を形成したものであるので、形状を保持するために、別途センサ支持部を設ける理由はなく、上記相違点5は、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

また、引用文献1、2,4-10には、フレキシブル計測制御回路基板が、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状がセンサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、センサ支持部の6つの平面を覆うものは記載されていない。

したがって、引用発明3、引用文献1、2、4-10に記載された技術に基づいて、上記相違点5に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、引用発明3、引用文献1、2、4-10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2-18について
本願発明1を直接又は間接的に引用する本願発明2-18は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1、引用発明2、引用発明3、引用文献1-10に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第6 原査定について
1 理由2(特許法第36条第6項第1号)について
審判請求時の補正により、請求項1の発明を特定する事項である「フレキシブル計測制御回路基板」について、「且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し」と補正されており、原査定の理由2は解消している。

2 理由4(特許法第29条第2項)について
本願発明1-18は「前記フレキシブル計測制御回路基板は、一体構造を形成するために一体化され、且つ、形状が前記センサ支持部の6つの平面の展開平面と一致し、それぞれセンサ支持部の縁に沿うように90°曲げられて、前記センサ支持部の6つの平面を覆い」という構成を備えるものとなっており、上記「第5」で述べたとおり、拒絶査定において引用された引用文献1-10に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定の理由4を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-02-05 
出願番号 特願2016-80735(P2016-80735)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01C)
P 1 8・ 537- WY (G01C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 須原 宏光
中村 説志
発明の名称 マイクロ慣性測定装置  
代理人 TRY国際特許業務法人  

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