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審決分類 審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A45D
審判 全部無効 2項進歩性  A45D
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A45D
管理番号 1349055
審判番号 無効2017-800074  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-05-30 
確定日 2019-02-22 
事件の表示 上記当事者間の特許第5847904号発明「美容器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許5847904号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成23年11月16日に出願した特願2011-250915号の一部を平成26年9月26日に新たな特許出願としたものであって、平成27年12月4日にその請求項1ないし2にかかる発明について特許の設定登録がなされた。
その後、請求人(株式会社ファイブスター)より平成29年5月30日付けで請求項1ないし2に係る発明についての特許を無効とする審決を求める無効審判の請求がなされ、被請求人(株式会社MTG)より平成29年8月18日付け審判事件答弁書が提出され、請求人より平成30年1月12日付け口頭審理陳述要領書が提出され、被請求人より同日付け口頭審理陳述要領書が提出され、請求人より平成30年1月26日付け口頭審理陳述要領書が提出され、被請求人より同日付け口頭審理陳述要領書が提出され、平成30年1月26日に口頭審理が行われた。


第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし2に係る発明(以下、「本件特許発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
基端においてハンドルに抜け止め固定された支持軸と、
前記支持軸の先端側に回転可能に支持された回転体とを備え、その回転体により身体に対して美容的作用を付与するようにした美容器において、
前記回転体は基端側にのみ穴を有し、回転体は、その内部に前記支持軸の先端が位置する非貫通状態で前記支持軸に軸受け部材を介して支持されており、
軸受け部材は、前記回転体の穴とは反対側となる先端で支持軸に抜け止めされ、
前記軸受け部材からは弾性変形可能な係止爪が突き出るとともに、軸受け部材は係止爪の前記基端側に鍔部を有しており、同係止爪は前記先端側に向かうほど軸受け部材における回転体の回転中心との距離が短くなる斜面を有し、
前記回転体は内周に前記係止爪に係合可能な段差部を有し、前記段差部は前記係止爪の前記基端側に係止されるとともに前記係止爪と前記鍔部との間に位置することを特徴とする美容器。
【請求項2】
前記軸受け部材は合成樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の美容器。」



第3 請求人の主張の概要
請求人が主張する無効理由の概要及び提出した証拠方法は、以下のとおりである。

1 請求人の主張
(1)無効理由1
本件特許の願書に添付された明細書の発明の詳細な説明は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載の発明について、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものがその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないため、特許法第36条第4項1号の規定に違反するものであり、その特許は同法第123条第1項第4号に該当し、無効とされるべきものである。
(2)無効理由2
特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではないため、特許法第36条第6項1号の規定に違反するものであるから、その特許は同法第123条第1項第4号に該当し、無効とされるべきものである。
(3)無効理由3
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された発明、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材、及び、甲第19号証の1又は甲第20号証の1に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(4)無効理由4
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された発明、甲第4号証に記載された発明、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材、及び、甲第19号証の1又は甲第20号証の1に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。


2 請求人が提出した証拠方法
請求人が提出した証拠方法は、以下のとおりである。

甲第1号証:特開2010-131090号公報の写し(以下、「写し」である旨の表記は省略する。)
甲第2号証:登録実用新案第3166202号公報
甲第3号証の1:中国実用新案明細書第201814806号
甲第3号証の2:中国実用新案明細書第201814806号の翻訳文
甲第3号証の3:翻訳物に関するコメント
甲第4号証:登録実用新案第3159255号公報
甲第5号証:特開2002-340001号公報
甲第6号証:実公平8-9455号公報
甲第7号証:実開昭49-16632号公報
甲第8号証:実願昭57-98165号(実開昭59-4819号)のマイクロフィルム
甲第9号証:実願昭59-169176号(実開昭61-86135号)のマイクロフィルム
甲第10号証:実願昭59-200825号(実開昭61-112120号)のマイクロフィルム
甲第11号証:特開昭61-244923号公報
甲第12号証:実願昭60-81762号(実開昭61-194823号)のマイクロフィルム
甲第13号証:実公昭62-34013号公報
甲第14号証:実公平2-38101号公報
甲第15号証:特公平6-43842号公報
甲第16号証:特開平8-109930号公報
甲第17号証:特開平8-135654号公報
甲第18号証:特開2011-137511号公報
甲第19号証の1:欧州特許出願公開第0674894号
甲第19号証の2:欧州特許出願公開第0674894号の翻訳文
甲第19号証の3:翻訳にあたってのコメント
甲第20号証の1:米国特許出願公開第2010/191161号
甲第20号証の2:米国特許出願公開第2010/191161号の翻訳文
甲第20号証の3:コメント
甲第21号証:初学者のための機械の要素第3版,表紙,40?41頁,56?69頁,奥付
甲第22号証:要説機械工学第4版 表紙,68?73頁,奥付
甲第23号証:パテントマップガイダンス
甲第24号証:Refa CARAT 分解写真
甲第25号証:日本接着学会誌Vol.43 No.4,P149-157,「綜説 組立/分解性を考慮したスナップフィット設計およびバーチャルリアリティ環境における製品評価」,表紙,目次,奥付
甲第26号証:特開2008-119181号公報


第4 被請求人の主張の概要
被請求人の主張の概要は以下のとおりである。

1 被請求人の主張
(1)無効理由1に対する反論
本件特許の願書に添付された明細書の発明の詳細な説明は、本件特許の請求項1及び請求項2に係る発明について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるため、特許法第36条第4項1号の要件を満たすものである。(審判事件答弁書第6頁3ないし5行)
(2)無効理由2に対する反論
特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであるため、特許法第36条第6項1号の要件を満たすものである。(審判事件答弁書第6頁6ないし7行)
(3)無効理由3及び4に対する反論
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された発明、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材、及び、甲第19号証の1又は甲第20号証の1に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明することができたものではない。また、甲第4号証を証拠方法に含めたとしても同様である。(審判事件答弁書第6頁8ないし12行)



第5 当審の判断
A 無効理由1について
1 請求人の主張
請求人は、無効理由1に関し、審判請求書にて、“係止爪25aが、段差部を乗り越える際に支持軸側に押し込まれるように変形し、段差部を乗り越えると、元通りに突出するように戻り、係止爪25aと鍔部との間に段差部が位置する具体的な構成が、本件特許発明の明細書及び図面には開示されていない”旨主張している。(審判請求書第2頁9行ないし15行)

そして、上記主張の根拠として、以下の点を挙げている。

(1)係止爪25aが弾性変形するために必要な、軸受け部材25の係止爪25aとその他の部分との間のクリアランスが、本件明細書及び図面には示されてない。
(2)支持軸が挿入された状態で、係止爪25aが弾性変形するために必要な、係止爪25aと支持軸20との間のクリアランスが、本件明細書及び図面には示されていない。


2 当審の判断
(1)実施可能要件について
本件特許発明1及び2は、上記”第2”にて認定したとおりのものであるところ、その発明については、本件明細書の段落【0010】ないし【0015】にて明確に説明されており、当該発明の使用については、本件明細書の段落【0017】にて説明されている。また、当該発明の製造については、当該発明の特定事項において、製造が格別困難なものを見いだすことはできず、当業者であれば、本件明細書の発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて、製造することができるものである。
よって、本件特許発明1及び2は、本件明細書の発明の詳細な説明の記載に基づき実施することができるものである。


(2)請求人の主張について
本件明細書の発明の詳細な説明には、係止片25aが弾性変形可能であることが記載されており(【0015】参照)、かつ、本件明細書には、支持軸を挿入することによって、係止片25aの弾性変形が妨げられることに関する記載も示唆も無い。
そして、係止片を弾性変形させるためには、所定のクリアランスが必要なことは、技術常識であることを考慮するに、本件明細書及び図面に触れた当業者であれば、請求人が主張するクリアランスについての明示がなくとも、係止片25aを弾性変形できるものとするために、周囲に適切なクリアランスを設ける程度のこととは、当然に行いうる程度のものにすぎない。
よって、当該クリアランスが本件明細書及び図面に明示されていないとしても、それをもってして、当業者が本件特許の請求項1及び2に係る発明を実施することができないとは認められない。


3 小括
よって、無効理由1によっては、本件特許を無効とすることはできない。





B 無効理由2について
1 請求人の主張
請求人は、無効理由2に関し、“特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された発明は、軸受け部材が回転体に挿入される際に、係止爪が弾性変形して、段差部を乗り越えることで、係止爪と鍔部との間に段差部が位置することで、軸受け部材が回転体から抜けないように構成されていると推認できる。”とした上で、“しかし、明細書並びに図4及び同図8には、支持軸と軸受け部材25との間、又は、支持軸と係止爪25aとの間にクリアランスが設けられておらず、段差部を乗り越える際に、係止爪25aが支持軸側に押し込まれることが、支持軸の存在によって阻害されることになるから、軸受け部材が回転体に挿入される際に、係止爪が弾性変形して、段差部を乗り越えて、係止爪と鍔部との間に段差部が位置することで、軸受け部材が回転体から抜けないようにする構成については、発明の詳細な説明に記載されていない。”と主張している。(審判請求書第2頁16ないし27行)


2 当審の判断
(1)サポート要件について
ア 明細書のサポート要件
特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に係る規定(いわゆる「明細書のサポート要件」)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知財高裁特別部平成17年(行ケ)第10042号参照)。
これを踏まえ、本願の特許請求の範囲の記載が、上記規定に適合するか否かについて検討する。

イ 特許請求の範囲の記載について
本件の特許請求の範囲の記載は、上記”第2”に示したとおりである。

ウ 本件明細書の発明の詳細な説明の記載について
本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。

(ア)発明が解決しようとする課題として、以下の記載がある。
「【0004】
前記特許文献1においては、回転体を支持するための軸等の支持構造は開示されていない。
この発明の目的は、回転体を支持軸に対して回転可能に支持することができる美容器を提供することにある。」

(イ)課題を解決するための手段として、以下の記載がある。
「【0005】
上記の目的を達成するために、この発明は、基端において抜け止め固定された支持軸と、前記支持軸の先端側に回転可能に支持された回転体とを備え、その回転体により身体に対して美容的作用を付与するようにした美容器である。
【0006】
また、前記回転体は基端側にのみ穴を有し、回転体は、その内部に前記支持軸の先端が位置する非貫通状態で前記支持軸に軸受け部材を介して支持されており、軸受け部材は、前記回転体の穴とは反対側となる先端で支持軸に抜け止めされ、前記軸受け部材からは弾性変形可能な係止爪が突き出るとともに、軸受け部材は係止爪の前記基端側に鍔部を有しており、同係止爪は前記先端側に向かうほど軸受け部材における回転体の回転中心との距離が短くなる斜面を有し、前記回転体は内周に前記係止爪に係合可能な段差部を有し、前記段差部は前記係止爪の前記基端側に係止されるとともに前記係止爪と前記鍔部との間に位置する。」

エ 検討
(ア)課題
本件特許発明の課題は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載のとおり「回転体を支持軸に対して回転可能に支持することができる美容器を提供すること」と認められる(上記ウ(ア)参照)。

(イ)課題解決手段について
本件特許発明の課題を解決する手段として、上記ウ(イ)が記載されており、当該記載に係る手段は、本件特許発明1にて特定されているものである。
また、技術的な観点からみても、本件特許発明1の特定事項を有していれば、上記(ア)の課題を解決することができることは明らかである。

(ウ)小括
よって、本件特許発明1により、本件特許発明の課題が解決されることは、当業者であれば本件明細書の記載から認識することができるものである。
本件特許発明1の構成をすべて有する本件特許発明2についても同様である。

オ 小括
上記のとおりであるから、本件特許発明1及び2は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。



(2)請求人の主張について
請求人の主張に関わらず、上記(1)のとおり、本件特許発明1及び2は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。
また、上記“A 2”において判断したとおり、“係止片を弾性変形させるためには、所定のクリアランスが必要なこと”は、技術常識であるから、請求人が主張するクリアランスに関する事項が本件特許の発明の詳細な説明に記載されていなくとも、それをもって、本件の請求項1,2に係る発明が本件特許の発明の詳細な説明に記載されていないと言うことはできない。


3 小括
よって、無効理由2によっては、本件特許を無効とすることはできない。






C 無効理由3ないし4について
1 引用刊行物の記載内容
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証に記載された事項
(ア)「【請求項1】
ローラー部と、把手部と、ローラー部と把手部とを連結する連結軸部とよりなる美顔用マッサージ器であって、ローラー部はチタニウム製円筒形ローラーでローラーの先端を閉塞し、ローラーの円周を4等分した外周面の軸線方向に円弧溝を刻設してローラーの外周面に4個の凸面を形成し、凸面に小穴を凹設し、前記小穴に表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラーの先端面にも表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラー外周面のゲルマニウム粒子と相隣る凸面のゲルマニウム粒子とを軸線方向で同位置にならないようにずらして配置した美顔用マッサージ器。」

(イ)「【0001】
本発明は、ゲルマニウムの半導体を、肌アレルギーを起こし難いチタニウム製ローラーに突設し、このローラーを顔面に接触させ回転させて美顔にする美顔用マッサージ器に関するものである。」(下線部は当審で付したものである。以下同様。)

(ウ)「【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、ローラーと顔面との間に隙間を作らず、顔面に接触する部分がより多くなるようにすべく、ローラー部と、把手部と、ローラー部と把手部とを連結する連結軸部とよりなる美顔用マッサージ器であって、ローラー部はチタニウム製円筒形ローラーでローラーの先端を閉塞し、ローラーの円周を4等分した外周面の軸線方向に円弧溝を刻設してローラーの外周面に4個の凸面を形成し、凸面に小穴を凹設し、前記小穴に表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラーの先端面にも表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラー外周面のゲルマニウム粒子と相隣る凸面のゲルマニウム粒子とを軸線方向で同位置にならないようにずらして配置した美顔用マッサージ器とした。
【0005】
また、本発明は、ローラーと顔面との間に隙間を作らず、顔面に接触する部分をより多くすることができ、また、ローラー部と連結軸部の構成は至極単純であっても連結するという目的が達成できるようにすべく、連結軸部の連結軸は把手部の把手先端から突出させ、連結軸の先端部にベアリングを圧入し、連結軸の基端にはL型ベアリングを回転自在に嵌着し、円周溝に座金を嵌めてL型ベアリングを連結軸に固着し、前記連結軸部をローラーの中空部に、ベアリングを回転自在で、L型ベアリングを圧入して挿入するようにした美顔用マッサージ器とした。」

(エ)「【0010】
本発明は、ローラー部と、把手部と、ローラー部と把手部とを連結する連結軸部とよりなる美顔用マッサージ器であって、ローラー部はチタニウム製円筒形ローラーでローラーの先端を閉塞し、ローラーの円周を4等分した外周面の軸線方向に円弧溝を刻設してローラーの外周面に4個の凸面を形成し、凸面に小穴を凹設し、前記小穴に表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラーの先端面にも表面を研磨したゲルマニウム粒子を突設し、ローラー外周面のゲルマニウム粒子と相隣る凸面のゲルマニウム粒子とを軸線方向で同位置にならないようにずらして配置した美顔用マッサージ器である。
【0011】
本発明の美顔用マッサージ器は、ローラー部1と、把手部2と、ローラー部1と把手部2とを連結する連結軸部3とよりなる。
【0012】
美顔用マッサージ器では、ローラーと顔面との間に隙間を作らず、顔面に接触する部分を出来るだけ多くすることが美顔効果上必要である。」

(オ)「【0015】
ローラー4は円筒形で先端を閉塞している。
【0016】
把手5の中空部10には把手5の先端中央から突出させた連結軸部3の連結軸11を突出させ、連結軸11の先端部にベアリング12を圧入し、連結軸11の基端にはL型ベアリング13を回転自在に嵌着し、円周溝14に座金15を嵌めてL型ベアリング13を連結軸11に固着し、この連結軸部3をローラー4の中空部10に、ベアリング12を回転自在で、L型ベアリング13を圧入して挿入する。ローラー部1と連結軸部3の構成は至極単純であるが、連結するという目的が達成できる。」

イ 引用発明1
(カ)上記記載事項(オ)には、「把手5の中空部10には把手5の先端中央から突出させた連結軸部3の連結軸11を突出させ、連結軸11の先端部にベアリング12を圧入し、連結軸11の基端にはL型ベアリング13を回転自在に嵌着し、円周溝14に座金15を嵌めてL型ベアリング13を連結軸11に固着し、この連結軸部3をローラー4の中空部10に、ベアリング12を回転自在で、L型ベアリング13を圧入して挿入する。ローラー部1と連結軸部3の構成は至極単純であるが、連結するという目的が達成できる。」なる記載があり、“ローラー4が、連結軸部3の先端部に回転可能に支持された”ものであること、及び、“ローラー部1が、連結軸11にL型ベアリング13及びベアリング12を介して支持されていること”は明らかである。

(キ)上記記載事項(エ)には、「ローラー部はチタニウム製円筒形ローラーでローラーの先端を閉塞し」なる記載があり、“ローラー4が基端側にのみ穴を有し”ていることは明らかである。

(ク)上記認定事項(カ)及び(キ)、及び、【図6】を考慮するに、“ローラー4が、その内部に連結軸11の先端が位置する非貫通状態で連結軸11に支持されていること”は明らかである。

(ケ)上記記載事項(オ)には、「円周溝14に座金15を嵌めてL型ベアリング13を連結軸11に固着し」なる記載があり、L型ベアリング13は、連結軸11に座金15で抜け止めされていると認められる。また、【図6】には、座金15は、L型ベアリング13のローラ4の穴とは反対側に設けられていることが記載されている。
よって、甲第1号証には、“L型ベアリング13が、ローラー4の穴とは反対側で連結軸11に抜け止めされ”ていることが記載されていると認められる。

(コ)【図6】には、「L型ベアリング13」の基端側に、鍔状に突出する部分があることが見て取れる。
よって、甲第1号証には、“L型ベアリング13が、基端側に鍔部を有する”ことが記載されていると認められる。


上記記載事項(ア)ないし(オ)及び上記認定事項(カ)ないし(コ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、甲第1号証には、以下の引用発明1が記載されていると認める。

「把手5から突出した連結軸11と、連結軸11に回転可能に支持されたローラー4とを備え、ローラー4を顔面に接触させて美顔にする美顔用マッサージ器であって、
ローラー4は基端側にのみ穴を有し、ローラー4は、その内部に連結軸11の先端が位置する非貫通状態で連結軸11にベアリング12及びL型ベアリング13を介して支持されており、
L型ベアリング13は、ローラー4の穴とは反対側で連結軸11に抜け止めされ、
L型ベアリング13は、基端側に鍔部を有する、
美顔用マッサージ器。」



(2)甲第2号証
ア 甲第2号証に記載された事項
(ア)「【0002】
中国医学では既に人体に分布し、各器官を反映するツボの存在を証明している。手や道具を使って人体にあるツボを押す、或いは人体の器官が痛みを感じる部分に対応するツボを押すことで、強く健康的な体を作り、美容や保健の目的に達するため、頻繁にツボマッサージをするのは、血液循環を促進し、新陳代謝を速め、元気を回復し、疲れを取り、ストレスを軽くする、ダイエットできるなど、素晴らしい効果をもたらす。」

(イ)「【0007】
最良実施例として、各ローラーは接続部品、内柱、二つのベアリング、軸受及び、外カバーを具有し、各ローラー3の接続部品31は球状ヘッド22を通じて互いに嵌合して固定する。また、接続部品31はハンドル2の軸を中心とするある角度に開いて、該二つのベアリング33をそれぞれ軸受34の両端に設置し、且つ二つのベアリング33と軸受34を同時に接続部品31の外側に套設する。該内柱32をしっかりと二つのベアリング33及び軸受34の外側に套設し、外カバー35の中に、しっかりと内柱32を嵌合することで、二つのベアリング33、外カバー35及び内柱32が回転可能の構造となる。該ローラーの外カバーの表面に若干の磁石を嵌め込む。」


(3)甲第3号証の1
甲第3号証の1には、次の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳に準じたものである。

ア 甲第3号証の1に記載された事項
(ア)「


((57)要約
本考案は、折り畳み式Y字形構造のマッサージ棒に関する。半導体鉱物質を含むマッサージ具を使えば、皮膚の正負イオンを正常化に導き、皮膚に欠乏している負イオンを補い、しみ、しわ、くすみ、二重あご、首のしわ等の問題を解決することができる。本考案はハンドル、マッサージヘッド、および回転リンクからなり、ハンドルはリンクを介してマッサージヘッドと連結され、ハンドル下端に回転連結式調節ハンドルを内蔵し、ハンドル上端に凹状係止溝が開設されており、回転リンクの一端がハンドル上端の凹状係止溝内に係合しており、他端はマッサージヘッドの屈曲リンクと連結し、マッサージヘッドは、屈曲リンクおよび2組の軸受、軸スリーブ、マッサージローラ、および固定ねじを備え、軸受と軸スリーブが屈曲リンクの両端に固定設置され、その外部にマッサージローラを嵌接し、マッサージヘッドと、固定されたマッサージヘッドリンクとがY字形状をなす。健康、美容、マッサージ機能を一体化しており、便利に素早く操作・使用することができ、折り畳んで角度を切り替えてマッサージを行い、携帯するのに便利である。)

(イ)「


(【請求項1】
折り畳み式Y字形構造のマッサージ棒において、ハンドル(1)と、マッサージヘッド(2)と、回転リンク(3)とからなり、ハンドル(1)は折り畳み式回転リンク(3)を介してマッサージヘッド(2)と連結され、ハンドル(1)下端に回転連結式調節ハンドル(4)を内蔵し、ハンドル(1)上端に凹状係止溝が開設されており、回転リンク(3)の一端はねじA(5)とキャップA(6)およびキャップB(7)によりハンドル(1)上端の凹状係止溝内に係合され、他端はねじB(8)とキャップC(9)とを介してマッサージヘッドの屈曲リンク(10)と連結され、マッサージヘッド(2)は、屈曲リンク(10)および2組の軸受(11)、軸スリーブ(12)、マッサージローラ(13)、および固定ねじ(14)を備え、軸受(11)と軸スリーブ(12)は屈曲リンク(10)の両端に固定設置され、その外部にマッサージローラ(13)を嵌接し、マッサージヘッド(2)と、固定されたマッサージヘッドリンク(3)とがY字形状をなすことを特徴とする折り畳み式Y字形構造のマッサージ棒。)

(ウ)「


(【0004】
本考案はハンドル、マッサージヘッド、および回転リンクからなる。ハンドルは折り畳み式回転リンクを介してマッサージヘッドと連結され、ハンドル下端に回転連結式調節ハンドルを内蔵し、ハンドル上端に凹状係止溝が開設されており、回転リンクの一端はねじAとキャップAおよびキャップBによりハンドル上端の凹状係止溝内に係合し、他端はねじBとキャップCとを介してマッサージヘッドの屈曲リンクと連結され、マッサージヘッドは、屈曲リンクおよび2組の軸受、軸スリーブ、マッサージローラ、および固定ねじを備え、軸受と軸スリーブが屈曲リンクの両端に固定設置され、その外部にマッサージローラを嵌接し、マッサージヘッドと、固定されたマッサージヘッドリンクとがY字形状をなす。)


(4)甲第4号証
ア 甲第4号証に記載された事項
(ア)「【0010】
以上のことから、本考案に係るマグネット美容ローラは、柄本体部と、柄本体部に回転自在に保持されるローラ部とによって構成され、前記柄本体部が、使用者によって保持される所定の長さの把持部と、該把持部から該把持部の長さ方向に対して第1の角度で傾斜し且つお互いが第2の角度で開くように前記把持部の一端から延出する一対のローラ保持部とによって構成され、且つ前記ローラ部が、磁石によって形成されると共に前記ローラ保持部のそれぞれに回転自在に保持されることを特徴とするものである。」

(イ)「【0014】
さらに、前記ローラ部には、前記ローラ保持部が挿着される挿着孔が形成され、前記ローラ保持部との間にベアリングが設けられて、前記ローラ部が回転自在となるものである。このベアリングとしては、玉軸受、コロ軸受等の転がり軸受、又は、プラスチック軸受、球面滑り軸受、焼結含油軸受等の滑り軸受が望ましい。」


イ 技術事項4
上記記載事項(ア)及び(イ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、甲第4号証には、以下の技術事項4が記載されていると認める。

「ローラ部を回転自在に保持するために滑り軸受を用いた美容ローラ」


(5)甲第5号証
ア 甲第5号証に記載された事項
(ア)「【0017】
この一実施の形態の樹脂製のフランジ付き滑り軸受11は、ファクシミリ装置の紙送り機構の支持板12に貫通形成された円形の軸受挿通孔12aに嵌合する円筒状の筒部11aと、該筒部11aの基端部外周から半径方向外方に向かって張り出して設けられて前記支持板12への当接によって前記筒部11aの軸方向の位置決めを果たすフランジ11bと、筒部11aの外周に突出する弾性係止片11cとを、合成樹脂により一体成形したもので、筒部11aに挿通された軸を回転自在に支承する。支持板12は、JIS規格に準じた市販の鋼鈑材料のプレス成形によって形成されたものである。」


(6)甲第6号証
ア 甲第6号証に記載された事項
(ア)「1は合成樹脂製の軸受であり、該軸受1は円筒部10と該円筒部10の一方の端部外周面に径方向外方に延設された鍔部11と該円筒部10の外周面に該外周面から鍔部11側に斜方向に延設された1つの舌片部12と該舌片部12の端部に該鍔部11側に向けて延設された係合片部13と該係合片部13に該鍔部11裏面との隙間t1、t2、t3を漸次縮小するように形成された複数個の段部14(本実施例においては3個)とを備えている。
上述した固定構造において、該軸受1は係止片部13が取付部材2の円孔20に連なって形成された切欠き溝22に係合することによりその円周方向の回転が阻止されて回り止め手段を形成し、また鍔部11裏面と係止片部13の段部14との隙間に該取付部材2を挟持することによりその軸方向の移動が阻止されて該軸受の抜け止め手段を形成する。」(第2頁第4欄35行ないし第3頁第5欄32行)

(イ)「第6図及び第7図は、本考案の第2の実施例を示すものである。
この実施例は、取付部材2に円孔20と該円孔20に連なる切欠き溝22が相対向して2つ形成されており、軸受1の円筒部10の外周面には端部に係止片部13を備えた舌片部12が相対向して2つ形成されているものである。」(第3頁第5欄33ないし38行)


(7)甲第7号証
ア 甲第7号証に記載された事項
(ア)「実用新案登録請求の範囲
ツバ付軸受において、ツバの反対面11に同心状に設けられた溝12と、径方向に設けられた数ヶ所の切り欠き13と、かつツバの反対面11に隣接して軸受取付部の外径より大である凸部14とを設けて成ることを特徴とする軸受。」(第1頁右欄1ないし6行)

(イ)「図面の簡単な説明
第1図は従来の軸受取付方法を示す断面図、第2‐a図、第2‐b図は本考案によるツバの反対面11に同心円状に溝12を、径方向に数ヶ所の切り欠き13を、かつツバの反対面11に隣接して凸部14を持つ軸受を示す断面図及び側面図。」(第1頁右欄7ないし12行)


(8)甲第8号証
ア 甲第8号証に記載された事項
(ア)「本考案は軸受、特にその取付が容易な軸受に関するものである。
軸受を低コストにて固定物に取付けるためには、板材や鋳物部等に最も加工の仕易い円筒形状の穴を穿け、そこに軸受を圧入し、接着し、又はカシメ或いはネジ等の締結手段を用いスラスト及び円周方向に固定する方法が一般的である。」(明細書第1頁13行ないし第2頁1行)

(イ)「本考案において第6図(a)、(b)に示すように回転軸用筒状軸受本体1の軸方向の一端部に均一肉厚のフランジ3を一体に形成し、フランジ3を除く筒状軸受本体1部分に円筒形スペース2の軸に平行に延びる水平の切り込み溝4を2ヶ所以上、円周方向に均等に配分して形成し、上記筒状軸受本体1の外周には上記フランジ3と反対側に前記溝4の位置に対応して軸方向に延びる断面山形の爪5を設ける。」(明細書第4頁11ないし19行)


(9)甲第9号証
ア 甲第9号証に記載された事項
(ア)「1.考案の名称 電気ミキサー」(明細書第1頁2行)

(イ)「2.実用新案登録請求の範囲
容器内底部で回転自在にカッターを軸支するころがり軸受と、該軸受を固定保持する容器基台とを備え、前記容器基台と軸受との間に、下端外周に突起を有し側壁にスリットを有する筒状の耐熱可撓性樹脂からなる軸受保持部材を配したことを特徴とする電気ミキサー。」(明細書第1頁3ないし9行)

(ウ)「容器基台20の中央には円形状の開口部26を有しており、この円形状の開口部26には耐熱性で可撓性の円筒状の軸受保持部材28が嵌着されている。この軸受保持部材28は第2図に示すように、側壁にスリット30を有し下端外周に突起32を有しており、軸受保持部材28の上部にはフランジ34を有している。この軸受保持部材28は側壁にスリット30を形成しているので、突起32を形成した側壁下端部が内壁に弾力的に変形することができる。従って、この軸受保持部材28を容器基台20の開口部26の上方から押し込めばフランジ34が開口部26の上縁に当接し、突起32が開口部26の下縁に掛止されて開口部26内に嵌合固定される。フランジ34と容器基台20との間にはパッキング36を配してシールする。」(明細書第4頁5ないし19行)

(エ)「この軸受保持部材28を容器基台20の中央開口部26に嵌合した後、カッター軸38を軸受保持部材28内に挿入し、オイルシール40ところがり軸受であるオイルレスベアリング42とを圧入する。」(明細書第4頁20行ないし第5頁3行)


(10)甲第10号証
ア 甲第10号証に記載された事項
(ア)「2.実用新案登録請求の範囲
フレームに設けられた穴に嵌合して取付けられるモールドベアリングにおいて、該モールドベアリングのフレームとの嵌合部分の一部に、前記穴の縁により押された時、モールドベアリング内部に埋没し、モールドベアリングの嵌合完了により飛び出してモールドベアリングがフレームから脱落しないように押さえる突起部分を設けたことを特徴とするモールドベアリング。」(明細書第1頁4ないし12行)

(イ)「フレーム1にモールドベアリング4が矢印Bの方向に挿入される。モールドベアリング4の嵌合部分には5で示す爪が設けられており、モールドベアリング4が挿入される時、フレーム1の穴の縁で押されてモールドベアリング4の本体内に引っ込められるが、モールドベアリング4がフレーム1に押し付けられた時点で、爪5のバネ性により飛び出す。」(明細書第4頁8ないし15行)


(11)甲第11号証
ア 甲第11号証に記載された事項
(ア)「次に本発明の実施例を図面について説明する。第1図、第2図は本発明の一実施例の斜視図と、これをフレームに固定した時の断面図、第3図はその要部の断面図、第4図はこれに用いるロッカーの斜視図を示す。図において1は軸受本体、2は軸の貫通孔、3はフレームに固定するため軸受本体1の外周に設けられたフック部、4は該フック部3と軸の貫通孔2との間に設けられたロッカー5を挿入するための間隙である。
このような軸受をフレーム6に固定するには、フレーム6の取付穴に本軸受をフック部3の方向から挿入すれば、フック部3の傾斜部7と間隙4のためフック部3はたわみ簡単にフレーム6の穴に挿入でき、その後間隙4に第4図に示すロッカー5を挿入すれば軸受は固定される。この時、間隙4に第3図に示すよう傾斜をつけて置けばロッカーは外れることはない。」(第1頁右欄12行ないし第2頁左欄8行)


(12)甲第12号証
ア 甲第12号証に記載された事項
(ア)「第1図において、軸受(1)は合成樹脂からなり、内部に挿通部(3)を有する本体(2)の一端部に鍔部(4)を設け、この鍔部(4)の一部に本体(2)の側方に位置する一対の係止片(5)を設けたものである。
係止片(5)の先端には係止部(6)が設けてあり、鍔部(4)と係止部(6)との対向する面の間隔は、この軸受(1)を取り付ける側板の板厚と同一としてある。
一方、前記軸受(1)を取り付ける側板(7)には、第2図に示すように、軸受(1)の本体(2)と同形の孔(8)と、該孔(8)の一部を切り欠き、係止片(5)が嵌合可能な一対の係合部(9)とが形成してある。」(明細書第5頁9行ないし第6頁2行)


(13)甲第13号証
ア 甲第13号証に記載された事項
(ア)「しかして、9は本考案に係る支持部材で、円板状の基板10を有している。該基板10は該側板2の内面に位置するとともに中央部に軸6を挿通する貫通孔11が穿設されている。該基板10の一側面の該貫通孔11の周縁部には環状壁12が設けられ、該環状壁12の上面には弾性嵌着部13が互いに適宜間隔をおいて突設されている。14は該弾性嵌着部13の先端外面に形成されたテーパ部である。」(第1頁第2欄12ないし20行)

(イ)「次いで、弾性嵌着部13を軸孔3に押し込めば、第5図に示したごとく、テーパ部14が軸孔3面と接触して弾性嵌着部13は内方に押圧されて変位するが、軸6の端部に幅広環状溝20を設けて軸6の外周面の高さを下げるとともにテーパ部14の高さは最大変位においても軸6の外周面と衝突しないように形成されているため、弾性嵌着部13は軸孔3内を通過してテーパ部14は側板2の外面に達する。そうすると、テーパ部14は弾性によつて外方に戻り変位して元の形状となるが、この状態では、第6図に示したごとく、嵌着溝15は側板2の軸孔3に面する縁部2aに嵌着する。」(第2頁第3欄9ないし21行)


(14)甲第14号証
ア 甲第14号証に記載された事項
(ア)「軸受体42の外端にはフランジ66が一体的に形成されており、軸受体42を板状支持部材46に装着する際のストツパーとなつている。また、胴部68には、板状支持部材46への軸受体42の装着および胴部68への環体44の装着が容易に行えるように、軸方向に複数個の割り溝72が設けられていて、胴部68を複数の分割片74に分けている。この軸受体42の胴部68には、外周面に周方向の溝を刻設した環体44が嵌着されており、前記分割片74の一部には端部に突起部70が設けられている。この突起部70は、嵌着した環体44が胴部68より脱落することを防止し、しかもその軸方向の位置決めを行うためのものである。なお、図中74Aを突起部70を有する分割片、74Bを突起部70を有しない分割片とする。
胴部68へ環体44を嵌挿した状態においては、フランジ66および環体44によつて板状支持部材46を挟み、軸受装置全体の軸線方向の位置決めがなされている。」(第2頁第4欄23ないし42行)



(15)甲第15号証
ア 甲第15号証に記載された事項
(ア)「ここに示す保持具11は適度の弾性と剛性を有した熱可塑性の合成樹脂、例えばナイロン樹脂を素材に成形されるもので、板状の鍔12と、この鍔の下面から垂設される脚13からなる。
鍔12は外縁を円形状にしてその一部を小円形状に張出させて膨出部を12aを設け、この膨出部の下面に錨形の係止片14を有した係止脚15を垂設している。」(第2頁第4欄21ないし27行)

(イ)「図中18は上記形成された脚13の周面に突設し鍔12の下面に対向するように設けた係止爪である。
係止爪18はここでは脚の周面を門形に切取ることによって脚端側に基端をおいた揺動可能な片として設けてあり、その自由端は周面から外方に突き出すようにすると共に鍔12の下面に対向させてある。」(第2頁第4欄43ないし48行)

(ウ)「本発明保持具は上述の如く構成されるもので、使用に当ってはパネルBに脚13を通せる孔bを開設し、更に図示の実施例ではこの孔bに隣接して係止脚15のための小孔b′を開設しておく。
保持具は上記孔bに装着する前にロッドAの装着部aを前述した如く切割17を通して押開きながら挿通孔16に嵌付け、組付けておき、次にこのロッドの端部をパネルの孔aに通し、併せて脚13を孔に挿通して装着することになる。
このとき、脚13は脚端側から押込むと、周面に設けた係止爪18が内方に撓みながら潜入し、鍔12の下面がパネルAの一面に当接するのと合せてパネルの裏側で復元拡張し自由端を縁に係合させ装着される。」(第3頁第5欄9ないし22行)


(16)甲第16号証
ア 甲第16号証に記載された事項
(ア)「【0012】図3および図4に示すように、ベアリング18は、装着孔20に嵌合される装着部23と、回転軸10または16が挿入される挿入孔24とを備えている。装着部23は、装着孔20と同様の形状である。すなわち上下の二つの円弧状外周面25と、左右の二つの平坦外周面26とを有する対称形になされている。このように装着孔20および装着部23が円形になされていないのは、ベアリング18が装着孔20内で回転するのを防止するためである。」

(イ)「【0014】装着部23の一端には、上下に二つの係合部28が突出すように形成されている。係合部28の両脇には切欠29が形成されており、これにより係合部28は半径方向に力が与えられると撓むようになっている。この切欠29は、ベアリングの軸線方向に沿って3ないし4mm程度の長さに形成されている。またベアリング18全体は、弾性を有する樹脂により形成されており、これによって係合部28の可撓性が大きくなされている。なお、図4に示すように、装着部23において切欠29の間の部分、すなわち係合部28が突出す部分は、他の部分に比べて薄肉になされており、その厚さは1mm程度である。このように薄肉になされていることにより、係合部28の可撓性がさらに高められている。
【0015】係合部28の外周には、装着部23の軸線に対して傾いた斜面30が設けられている。そして、装着部23と反対側の係合部28の斜面30の端部31同士の間隔cが、装着孔内径aよりも1ないし3mm小さく、装着部23側の係合部28の端部32同士の間隔dが、装着孔内径aよりも1ないし2mm大きくなっている。さらに、装着部23の係合部28とは反対側には、フランジ33および小径部34が連なるようにして形成されている。装着部23の長さ、すなわちフランジ33と係合部32との間隔eは、ハウジング8の側板19の肉厚fよりも僅かに大きくなされており、これによってフランジ33と係合部32との間に、側板19が収まるようになっている。この場合、ベアリング18が軸線方向にずれないように、間隔eと肉厚fとの差は2mm以内がよい。」

(ウ)「【0020】B.実施例の動作
次に、ベアリング18により回転軸10の紙面手前側の端部を側板19に装着する動作について説明する。なお、ベアリング38により回転軸10および16の図1の紙面奥側の端部を、図1の紙面奥側の側板19に装着する動作も、これと同様である。まず、回転軸10をベアリング18の挿入孔24に挿入する。次に、装着部23と反対側の係合部28の斜面30の端部31を、側板19に形成された装着孔20に挿入する。そして、係合部28の斜面30を装着孔20に対して滑らせながら、ベアリング18全体を装着孔20の内部に向けて推し進める。この場合、装着部23と反対側の係合部28の斜面30の端部31同士の間隔cが、装着孔内径aよりも小さいので、これらの端部31を装着孔20に容易に挿入することができる。
【0021】また、装着部23側の係合部28の斜面30の端部32同士の間隔dは、装着孔内径aよりも大きいが、係合部28は可撓性を有するので、ベアリング18を装着孔20に向けて推し進める間、係合部28が撓んで、装着部23側の斜面30が装着孔20を通過することができるようになっている。これによって、係合部28が装着孔20を通過した後は、ベアリング18が装着孔20から離れる方向への移動が係合部28により規制されて、ベアリング18が側板19に固定されると共に、回転軸10または18が側板19に装着されることになる。」


(17)甲第17号証
ア 甲第17号証に記載された事項
(ア)「【0007】
【実施例】以下、本発明の構成を図に示した実施例に基ずき説明する。図1ないし図4において符号(A)は本発明にかかる軸受けを示すものであって、中心に軸挿入孔(2)を有するフランジ板(1)と、仮想円周面に沿って配置され且つ前記フランジ板(1)の軸挿入孔内縁から一体的に突出された3本の軸受け片(3)、(3)、(3a)と、該軸受け片の外側で仮想円周面に沿って配置され且つ前記フランジ板(1)から軸受け片と同方向に突出された3本の爪片(4)…とからなる。これら各部は合成樹脂材、この好ましくば高分子合成樹脂材によって一体的に成形されている。本実施例では、前記3本の軸受け片並びに3本の爪片が夫々等間隔で配置されており、これにより各片に受ける荷重の均等化が図られている。」

(イ)「【0009】また、前記爪片(4)…の先端外面には傾斜面を先端に向けた指向性のある係合突起(4a)が設けられている。この爪片(4)…も適度な弾性が付与されている。
【0010】上記の如く構成された軸受け(A)を使用するにあたって、図3並びに図4に示すように先ずベース(5)のボス(6)に、軸受け(A)の爪片(4)…を挿通することができる孔(7)を設けておく。この孔(7)の内径は前記爪片(4)…の外面を結ぶ円形の直径と略等しく形成する。またボス(6)の巾は爪片(4)の基端部から突起(4a)の係合段部(4b)までの長さと等しく形成しておく。
【0011】而して前記孔(7)に水平軸(B)を挿通したあと、水平軸(B)と孔(7)との隙間に爪片(4)…並びに軸受け片(3)、(3)、(3a)を嵌入して軸受け(A)を取り付ける。尚、軸受け(A)を先に孔(7)にセットしておいて水平軸(B)を挿通させてもよい。このようにして装着された軸受け(A)は爪片(4)の係合突起(4a)が(7)の開口縁に係合して孔から抜け出ることが阻止されると共に、軸受け片(3)、(3)、(3a)の平坦な内面が夫々点又は線接触で水平軸(B)の外周面に接触して軸芯方向に圧接するので軸受け(A)と水平軸(B)とのクリアランスをゼロに保持でき、且つ温度変化により軸受け片が伸縮しても前記クリアランスを常にゼロに保持することができて移動の際の微妙なガタツキをなくすることができると共に、軸受け片と水平軸(B)とが弾性的に接触しているから両者の相対的な移動が阻害されずベース(5)をスムースに移動させることができるものである。」


(18)甲第18号証
ア 甲第18号証に記載された事項
(ア)「【0025】
図示実施の形態は、車両用シートのアームレストを樹脂製のブシュによる軸受け構造で組み立てるに適用されている。具体的には、図1で示すように両軸端を側方に突出する支持軸1を左右の相対するアームレストフレーム2a,2bの間に掛渡し固定し、後述するブシュの受け穴(符号なし)をシートバックの片側部に位置するバックサイドフレーム3a,3bのブラケットプレート4a,4bに設け、アームレストをシートバックの側部に立付け収納し乃至はシートバックの側部より前方に倒出し可能に備え付けるに適用されている。
【0026】
そのアームレストは、支持軸1を中心とする円弧状のガイド穴5a,5bをブラケットプレート4a,4bの板面に設け、アームレストの回転領域を規制するストッパ軸6を支持軸1と離れたアームレストフレーム2a,2bの板面より側方に突出させてガイド穴5a,5bの穴内に挿通することにより、シートバックの側部に立付け収納位置乃至はシートバックの側部より前方に倒出し位置に配置可能に構成されている。
【0027】
上述した構成中、図1と共に、図2で示す(片側のみ図示)ようにブシュの受け穴7をブラケットプレート4a,4bの板面に設け、第1の実施の形態に係る樹脂製のブシュ10a,10bを受け穴7の穴内に嵌込み装着することにより、樹脂製のブシュによる支持軸1の軸受け構造が組み立てられている。ブシュ10a,10bとしては、ポリアセタール,ナイロン,ポリプロピレン等から樹脂成形したものが組み付けられる。
【0028】
第1の実施の形態に係る樹脂製のブッシュ10a,10b(以下、符号「10a」に基づいて説明する。)は、図3a,図3bで示すように受け穴7(図2参照)の穴内に嵌り合う円筒胴11と、円筒胴11の片端部に位置する張出し鍔12と、円筒胴11の他端部に位置する掛止め縁13と、張出し鍔12から円筒胴11,掛止め縁13の中央に至る円形の通し穴14とを備えて形成されている。このうち、張出し鍔部12は円板状に、掛止め縁13は断面略直角三角形を呈するよう形成されている。」

(イ)「【0032】
ブシュ10aは、図5,図6で示すように円筒胴11を受け穴7の穴内に嵌め合わせ、張出し鍔12を受け穴7の片穴縁回りでブラケットプレート4aの板面にあてがい、掛止め縁13を受け穴7の他穴縁回りでブラケットプレート4aの板面に係止し、支持軸1を通し穴14に挿通することにより、受け穴7より抜け外れないようブラケットプレート4aに組み付けられる。このブシュ10aの組付けにあたり、ブシュ全体を切割り部15で小さく窄めることから、掛止め縁13より受け穴7の穴内に容易に嵌め込むようにできる。また、切り割部15が突起部7aに相対していることから、ブシュ10aを受け穴7の穴内に嵌め込む際の位置決めとなって組付け方向を決められる。」


(19)甲第19号証の1
甲第19号証の1には、次の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳に準じたものである。

ア 甲第19号証の1に記載された事項
(ア)「

」(第2欄4行ないし14行)
(本発明の有利な発展形態により軸上に鞘が回動可能に軸支され、この鞘の上に鞘に対して回動不能にマッサージローラが保持されるとき、構造的に特に簡単にマッサージ器が形成される。これによって鞘用に、回動時に発生する軸上の滑動摩擦に最適な材料を選ぶことができ、マッサージローラ用にはマッサージ効果に最適な材料を使用する。)

(イ)「

」(第2欄29行ないし37行)
(鞘がその外装面に周囲を巡る隆起を、それに対応して、マッサージローラがその内装面に周囲を巡る凹部を備えるとき、マッサージローラの鞘上での軸方向保持は非常に簡単にスナップ結合によって行われる。この実施形態は摩滅した際、または清掃のために、マッサージローラを容易に交換することを可能とする。)

(ウ)「

」(第2欄51行ないし第3欄3行)
(図1で全体として示されるマッサージ器はグリップ1に共軸に軸2を有し、それに回動可能に鞘3が軸支される。この鞘3上に中空筒によって形成されたマッサージローラ4が着座する。本発明にとって重要なのは、マッサージローラ4が軸2の自由端を超えて突出すること、及び弾性材料から成ることである。軸2がその自由端に、鞘3をグリップ1の端部とそれ自体の間で軸方向に固定するヘッド5を有することが、付加的に図1で見ることができる。)

(エ)「

」(第3欄4行ないし17行)
(図2は図1に対して、マッサージローラ4がその外装面上に、転動の際に肌の上にマッサージ効果を与える先の尖った突起6を有することを拡大図で示す。図2の右領域では、マッサージローラ4の内径が一領域の一端部で他の領域に対して直径拡大部7で大きくなっていることが見てとれる。この直径拡大部7内に図1で示された軸2のヘッド5が着座する。直径拡大部7に向き合う端部の近くの、マッサージローラ4の内装面に周囲を巡る凹部8がある。)

(オ)「

」(第3欄25行ないし30行)
(図4では、鞘3がその長さの大部分に渡り、それを完全に貫通する縦溝9を有することが見てとれる。さらに図4には、マッサージローラ4を押し開けると凹部8に達する周囲を巡る隆起10が示される。)

イ 技術事項19
(カ)上記記載事項(ア)には、「軸上に鞘が回動可能に軸支され、この鞘の上に鞘に対して回動不能にマッサージローラが保持される」なる記載があり、このことより、“マッサージローラ4は、軸2に鞘3を介して軸支されている”と認められる。

(キ)上記記載事項(オ)には、「さらに図4には、マッサージローラ4を押し開けると凹部8に達する周囲を巡る隆起10が示される。」なる記載があり、また、Fig.4を考慮するに、“鞘3からは隆起10が突き出”ているものと認められる。

(ク)Fig.1及びFig.4によれば、鞘3は隆起10の基端側に鍔状の膨径部を有していることが認められ、すなわち、“鞘3は隆起10の基端側に鍔部を有して”いるものと認められる。

(ケ)Fig.1によれば、隆起10と鍔部との間にマッサージローラ4の段差状となっている内周側の一部が配置されていることが認められ、すなわち、“マッサージローラ4が内周に段差部を有する”こと、及び、“隆起10と鍔部との間に段差部が配置される”ものと認められる。

(コ)上記記載事項(オ)には、「さらに図4には、マッサージローラ4を押し開けると凹部8に達する周囲を巡る隆起10が示される。」との記載があり、また、Fig.1によれば、隆起10と凹部8とがはめ合っていることが示されている。
そして、当該はめ合いの結果、上記(ケ)の段差部は、隆起10と係合可能であり、隆起10の基端側に係止されるものとなっていることは明らかである。

上記記載事項(ア)ないし(オ)及び上記認定事項(カ)ないし(コ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、甲第19号証の1には、以下の技術事項19が記載されていると認める。

「鍔部及び周囲をめぐる隆起10とを有する鞘3介して、軸2に回動可能に軸支されたマッサージローラ4であって、
鞘3が、マッサージローラー4にスナップ結合することができ、
マッサージローラー4は、その内周に、隆起10と鍔部との間に位置し、鞘3の周囲をめぐる隆起10と係合する段差部を有する、マッサージローラー4。」



(20)甲第20号証の1
甲第20号証の1には、次の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳に準じたものである。

ア 甲第20号証の1に記載された事項
(ア)「


(【0018】
本発明によるエクササイズ器具は、任意の好適なタイプのエクササイズ器具として構成することができる。例えば、器具は、例えばマッサージ器具等の筋骨格処置器具として構成することができ、それによって、器具のモジュールのうちの1つ又は複数が、自身の身体の1つ又は複数の特定の筋肉又はトリガポイントに圧力を加え、マッサージすることが可能である。器具はしたがって、人が、例えば頭痛、関節炎、背中/首/肩の痛み、足底筋膜の症状、テニス肘及び一般的な筋肉痛等の種々の筋骨格の状態の継続的な管理のために他者に自身が依存することを低減すること、並びに、自身の足、膝、脚、肩、鼠径部等を全体的に処置することを可能にする。)

(イ)「


(【0020】
エクササイズ器具が構成される器具の特定のタイプに関係なく、器具は、それらの特定の必要性及び要件に合うようにユーザによって構成することができる。例えば、エクササイズ器具がマッサージ器具として構成される場合、マッサージ器具は、様々な人々に合うように、又は、人の身体の特定の部分をマッサージするために使用することができるように、複数の様々な方法で構成することができる。)

(ウ)「


(【0068】
【図12】自身の上部胸椎並びに自身の上部僧帽筋及び肩甲挙筋を同時にマッサージするように、本発明の第1の好ましい実施形態によるエクササイズ器具を使用する人を示す図である。)

(エ)「


(【0116】
図17を参照すると、本発明の第2の好ましい実施形態によるエクササイズ器具のロッドモジュール100が実質的に円筒形の形状である。)

(オ)「


(【0119】
複数の等間隔に離間した平行な円形開口106が、ロッドモジュール100を通って横方向に延びる。開口106は、モジュール100を通って延びる開口105に対して垂直である。また、開口106は開口105に交差する。

(カ)「


(【0128】
本発明の第2の好ましい実施形態による多機能エクササイズ器具の小さい球状のボールモジュール130が、図19及び図20に示されている。
【0129】
小さいボールモジュール130は、およそ65mmの直径を有し、およそゴルフボールのサイズである。)

(キ)「


(【0130】
モジュール130は、モジュール130の中心を通るようにモジュール130を貫通する円形開口131を含む。加えて、モジュール130は、開口131に対して垂直であり、開口131に交差するまでモジュール130内のみに延びる円形開口132を含む。)

(ク)「


(【0131】
開口131及び132は、それらの長さとは別に、互いに同一である。各開口131、132は、より幅広の部分134の下に凹んだより幅狭の部分133を含む。より幅狭の部分133は、より幅広の部分134からより幅狭の部分133内に延びる4つの平行な周方向に離間した溝135を含む。)

(ケ)「


(【0151】
図29は、モジュール100、120、130、140のうちの2つを任意の組み合わせで一緒に固定するために使用することができるプラグ200を示している。プラグ200は、プラスチックから製造され、2つの円筒部分202間に位置付けられる円形のフランジ201を含む。それぞれのより幅狭の円筒部分203が、円筒部分202のそれぞれから延びる。より幅狭の部分203のそれぞれは、1対の直径方向に対向する弾性的なラッチアーム204を含む。各ラッチアーム204は、アーム204の端に位置付けられ、プラグ200から外方に延びる突起205を含む。円形開口206が、プラグ200の一端からプラグ200の他端まで延びる。)

(コ)「


(【0152】
2つのモジュール100、120、130、140を、プラグ200の各端を各モジュールのそれぞれの開口に挿入することによって、プラグ200と一緒に着脱可能に固定することができる。プラグ200が開口に挿入されると、プラグ200のより幅狭の部分203は、開口のより幅狭の部分によって受け入れられ、プラグ200のより幅広の部分202は、開口のより幅広の部分によって受け入れられる。)

(サ)「


(【0153】
プラグ200が開口に挿入されると、開口のより幅狭の部分が各ラッチアーム204の突起205に対して押圧されることで、弾性的なラッチアーム204が互いに向かって移動する。プラグ200が開口に完全に挿入されると、突起205は、ラッチアーム204がそれらの元の位置に跳ねてラッチ凹部と噛み合うように開口のラッチ凹部によって受け入れられる。ラッチアーム204及びラッチ凹部はしたがって、プラグ200がモジュールの開口から意図せず引き出されることを阻止することが可能である。)

(シ)「


(【0155】
ラッチアーム204及びラッチ凹部は、プラグ200が開口から意図せず引き出されることを阻止することが可能であるが、プラグ200は、それにもかかわらず、ラッチアーム204及びラッチ凹部が互いに噛み合う場合であっても開口に対して依然として回転することが可能である。そのような回転を防止するために、図30に示されている変更されたプラグ210を、プラグ200の代わりに使用することができる。)

(ス)「


(【0160】
図31は、プラグ200と同様のプラグ220を示している。便宜上、プラグ200、220の同様の特徴は、同様の参照符号を用いて言及されている。
【0161】
プラグ220は、そのより幅狭の円筒部分203がプラグ200のより幅狭の円筒部分よりも長いという点でプラグ200とは異なる。また、プラグ220の円筒部分203は複数の溝204をそれぞれ含む。)

(セ)「


(【0162】
プラグ200の円筒部分203とは異なり、プラグ220の円筒部分203は、モジュール100、120、130、140のうちの1つの開口に挿入されるときに、その開口に交差するモジュールの他の開口を塞ぐことが可能であるように十分に長い。さらに、プラグ220の付加的な長さは、プラグ200と比較して、一部を形成する器具を補強することがより良く可能であることを意味する。)

(ソ)「


(【0165】
図33を参照すると、本発明の第2の好ましい実施形態による多機能エクササイズ器具のロックピン240が、細長い円筒シャフト241を含む。シャフト241は、第1の部分242、第2の部分243及び第3の部分244を含む。実質的に平坦なプラスチックヘッド245が、シャフト241の第3の部分244とオーバーモールドされる。
【0166】
ロックピン240のシャフト241の第1の部分242の直径は、モジュール100、120、130、140及びプラグ154、200、210、220及び230を通って延びる開口の直径よりも僅かに小さいため、シャフト241は、それらの開口を通して挿入されることが可能である。)

(タ)「


(【0168】
ロックピン240のシャフト241が、モジュール100、120、130、140のうちの1つの開口にそれ自体が挿入されたプラグ154、200、210、220又は230に挿入されると、シャフト241は、プラグのラッチアームがモジュールの開口のラッチ凹部と離脱することを防止することが可能である。ロックピン240は、ラッチアームがラッチ凹部と離脱することを防止することによって、プラグが開口から意図せず取り外されることを防止するか又は少なくとも更に阻止することが可能である。ロックピンはしたがって、プラグがモジュールの開口から意図せず引き出されることにつながり得るラッチ凹部からのラッチアームの意図しない離脱のリスクを高める可能性がある比較的高い捩り荷重に器具が晒される使用に特に好適である。
【0169】
図34は、ロックピン240のシャフト241が、開口141の一端を通して中間のボールモジュール140に、及び、モジュール140に対して固定されるようにそれ自体が開口141の他端に挿入されているプラグ200の開口206に挿入されているときのロックピン240を示している。)

(チ)「


(【0170】
開口141によって受け入れられるプラグ200のラッチアーム204の突起205は、開口141内に位置付けられるラッチ凹部250によってそれぞれ受け入れられるため、プラグ200はそれによって、開口141から引き出されることが阻止される。ロックピン240のシャフト241は、ラッチアーム204が互いに向かって押されて突起205をラッチ凹部250から取り外すことを防止する。ラッチアーム204は、ロックピン240がプラグ200から取り外されると、上述したように専ら移動することができる。)


イ 技術事項20
(ツ)上記記載事項(ケ)に、「図29は、モジュール100、120、130、140のうちの2つを任意の組み合わせで一緒に固定するために使用することができるプラグ200を示している。」なる記載があり、かつ、上記記載事項(サ)に、「プラグ200が開口に挿入されると、開口のより幅狭の部分が各ラッチアーム204の突起205に対して押圧されることで、弾性的なラッチアーム204が互いに向かって移動する。プラグ200が開口に完全に挿入されると、突起205は、ラッチアーム204がそれらの元の位置に跳ねてラッチ凹部と噛み合うように開口のラッチ凹部によって受け入れられる。」なる記載が、上記記載事項(シ)に、「ラッチアーム204及びラッチ凹部が互いに噛み合う場合であっても開口に対して依然として回転することが可能である」なる記載があることより、“モジュール130,140がプラグ200に回転可能に支持される”と認められる。

(テ)上記記載事項(ケ)には、「図29は、・・・プラグ200を示している。プラグ200は、・・・円形のフランジ201を含む」なる記載があり、また、図29を考慮するに、“フランジ201が、ラッチアーム204の基端側にある”ことは明らかである。

(ト)上記記載事項(ケ)には、「図29は、・・・プラグ200を示している。プラグ200は、・・・2つの円筒部分202間に位置付けられる円形のフランジ201を含む。それぞれのより幅狭の円筒部分203が、円筒部分202のそれぞれから延びる。より幅狭の部分203のそれぞれは、1対の直径方向に対向する弾性的なラッチアーム204を含む。各ラッチアーム204は、アーム204の端に位置付けられ、プラグ200から外方に延びる突起205を含む。」なる記載があり、また、図29を考慮するに、ラッチアーム204の突起205は、先端側に向かうほどプラグ200におけるモジュール130,140の回転中心との距離が短くなる斜面を有していることは明らかである。
よって、甲第20号証の1には、“ラッチアーム204の突起205は先端側に向かうほどプラグ200におけるモジュール130,140の回転中心との距離が短くなる斜面を有”することが記載されていると認められる。

(ナ)上記記載事項(タ)に、「図34は、ロックピン240のシャフト241が、開口141の一端を通して中間のボールモジュール140に、及び、モジュール140に対して固定されるようにそれ自体が開口141の他端に挿入されているプラグ200の開口206に挿入されているときのロックピン240を示している。」なる記載が、上記記載事項(チ)に、「開口141によって受け入れられるプラグ200のラッチアーム204の突起205は、開口141内に位置付けられるラッチ凹部250によってそれぞれ受け入れられる」なる記載があり、また、図34を考慮するに、“モジュール140が、内周に、ラッチアーム204の突起205を受け入れるラッチ凹部250を有すること”が記載されていると認められる。

(ニ)上記記載事項(サ)に、「プラグ200が開口に完全に挿入されると、突起205は、ラッチアーム204がそれらの元の位置に跳ねてラッチ凹部と噛み合うように開口のラッチ凹部によって受け入れられる。ラッチアーム204及びラッチ凹部はしたがって、プラグ200がモジュールの開口から意図せず引き出されることを阻止することが可能である。」とあり、“ラッチアーム204の突起205と、ラッチ凹部250とが、噛み合うこと”が記載されている。

(ヌ)図34によれば、モジュール140の内周側において、ラッチ凹部250の基端側が段差状となっており、その段差状部分が、ラッチアーム204の突起部205とフランジ201との間に、配置されていることが見て取れる。よって、図34より、“モジュール140が、内周に段差部を有すること”、及び、“突起部205とフランジ201との間に段差部が配置されること”が認められる。

(ネ)上記認定事項(ニ)のとおり、ラッチアーム204の突起205とラッチ凹部250とは噛み合うものであり、かつ、上記認定事項(ヌ)のとおり、ラッチ凹部250の基端側に段差部があることより、当該段差部は、突起部205と係合可能であり、突起部の基端側に係止されるものとなっていることは明らかである。

上記記載事項(ア)ないし(チ)及び上記認定事項(ツ)ないし(ネ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、甲第20号証の1には、以下の技術事項20が記載されていると認める。

「プラグ200を介して、モジュール140を回転可能に支持するマッサージ器であって、
プラグ200は、外方に延びる突出部205を含む弾性的なラッチアーム204を含むと共に、ラッチアーム204の基端側にフランジ201を有しており、突出部205は、先端側に向かうほどプラグ200におけるモジュール140の回転中心との距離が短くなる斜面を有し、
モジュール140は、内周に、ラッチアーム204の突出部205の基端側に係止される段差部を有する、マッサージ器。」



2 本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「美顔用マッサージ器」が本件特許発明1の「美容器」に相当し、以下同様に、「把手5」が「ハンドル」に、「連結軸11」が「支持軸」に、「ローラー4」が「回転体」に、「ローラー4を顔面に接触させて美顔にする」が「その回転体により身体に対して美容的作用を付与するようにした」に、「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」が「軸受け部材」に、各々相当する。

したがって、本件特許発明1と引用発明1とは、以下の点で一致しているということができる。

(一致点)
「支持軸と、
前記支持軸に回転可能に支持された回転体とを備え、その回転体により身体に対して美容的作用を付与するようにした美容器において、
前記回転体は基端側にのみ穴を有し、回転体は、その内部に前記支持軸の先端が位置する非貫通状態で前記支持軸に軸受け部材を介して支持されており、
前記軸受け部材は基端側に鍔部を有している、美容器。」


そして、本件特許発明1と引用発明1とは、以下の点で相違している。

(相違点1)
本件特許発明1においては、支持軸が、基端においてハンドルに抜け止め固定されているのに対して、引用発明1においては、連結軸11が、把手5から突出しているものの、基端において把手5に抜け止め固定されているかが不明である点。
(相違点2)
本件特許発明1においては、回転体が支持軸の先端側に回転可能に支持されているのに対して、引用発明1では、ローラー4が回転可能に支持されている箇所が、連結軸11の先端側であるか否かが不明である点
(相違点3)
軸受け部材と回転体との結合構造に関して、本件特許発明1においては、軸受け部材からは弾性変形可能な係止爪が突き出ており、同係止爪は、前記先端側に向かうほど軸受け部材における回転体の回転中心との距離が短くなる斜面を有しており、軸受け部材は前記係止爪の基端側に鍔部を有しており、前記回転体は内周に前記係止爪に係合可能な段差部を有し、前記段差部は前記係止爪の前記基端部に係止されるとともに、前記係止爪と前記鍔部との間に位置するのに対して、引用発明1においては、ベアリング12とL型ベアリング13からなる軸受け部材のうちL型ベアリング13が基端側に「鍔部」を有しているものの、「係止爪」及び「段差部」に対応する構成を有してない点
(相違点4)
軸受け部材の支持軸への抜け止め構造に関して、本件特許発明1においては、”軸受け部材が、回転体の穴とは反対側となる先端で支持軸に抜け止めされ”ているのに対して、引用発明1では、L型ベアリング13がローラー4の穴とは反対側で連結軸11に抜け止めされているものの、それが先端でされておらず、また、ベアリング12は抜け止めされていない点


(2)相違点について判断
上記相違点について検討するに、事案に鑑み、先に相違点3及び4について検討する。

ア 相違点3について
相違点3に関して、請求人は、「係止部」に係る事項は、”甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材”が有するものであり、また、「段差部」に係る事項は、甲第19号証の1又は甲第20号証の1に記載されている旨、主張している。
よって、最初に、甲第5号証ないし甲第18号証の各々について検討し、その後、甲第19号証の1及び甲第20号証の1について検討することとする。

(ア)甲第5号証ないし甲第18号証について
(ア-1)甲第5号証
a 甲第5号証の記載について
甲第5号証には、「この一実施の形態の樹脂製のフランジ付き滑り軸受11は、ファクシミリ装置の紙送り機構の支持板12に貫通形成された円形の軸受挿通孔12aに嵌合する円筒状の筒部11aと、該筒部11aの基端部外周から半径方向外方に向かって張り出して設けられて前記支持板12への当接によって前記筒部11aの軸方向の位置決めを果たすフランジ11bと、筒部11aの外周に突出する弾性係止片11cとを、合成樹脂により一体成形したもので、筒部11aに挿通された軸を回転自在に支承する。」と記載されている(上記1(5)ア参照)。
また、【図1】及び【図2】によると、“弾性係止片11cは先端側に向かうほど軸の回転中心との距離が短くなる斜面を有している”と認められる。
そして、当該記載における「弾性係止爪11c」、「フランジ11b」、「滑り軸受11」を、本件特許発明1の用語で表現すれば、各々「弾性変形可能な係止爪」、「鍔部」、「軸受け部材」と表現できる。

よって、甲第5号証には、以下の事項が記載されていると認められる。

「支持板の軸受挿入孔に軸を回転自在に支承する、滑り軸受けである軸受け部材において、弾性変形可能な係止爪が外周に突出しており、基端側に鍔部を有しており、同係止爪は先端側に向かうほど軸受け部材における軸の回転中心との距離が短くなる斜面を有している軸受け部材。」


b 相違点3についての判断について
引用発明1と、甲第5号証に記載された事項は、共に、「軸受け部材」に関するものであるという点において共通する。
しかしながら、以下に列挙する理由により、引用発明1における「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」からなる軸受け構造を、甲第5号証に記載された軸受け部材に置き換えることに、動機付けは存在しないと認められる。

(a)引用発明1は、「ベアリング12」と「L型ベアリング13」の2つの部材を介して、ローラー4を連結軸11に軸支するものであるのに対して、甲第5号証に記載の軸受け部材は、一つの軸受け部材で、回転軸を支持板に軸支するものである。
よって、両者においては、軸受けの構成要素の数など、前提となる軸受けの様態が異なるものであるため、引用発明1における「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」からなる軸受け構造を、甲第5号証に記載された軸受け部材に置き換えることに、動機付けは存在しない。

(b)甲第5号証に記載の軸受け部材は、固定された板状体の穴に軸を回転自在に支承するための構成であるのに対して、引用発明1のL型ベアリング13は、固定された軸に、マッサージローラー4を回転自在に軸支するためのものであり、回転する部材と支持する部材との関係が逆になっているから、この点においても、前提とする構成が異なるものであり、引用発明1においてL型ベアリング13に代えて、甲第5号証に記載の軸受け部材を適用することは、当業者が容易に想到することができるとは言えない。

(c)そもそも、甲第5号証に記載の軸受け部材は、軸受け部材の係止爪と鍔部あるいはそれに付随する部材により、軸受け部材の外部にある部材を挟むことより、当該部材に対し固定されるものであるが、この構成は、軸受け部材の外部にある部材が、板状体であり、当該板状体の穴に軸受け部材を固定するものであることが前提となっている。一方、引用発明1においては、軸受け部材の外部にある部材は、マッサージローラー4であり、板状体ではない。このことからも、引用発明1においてL型ベアリング13に代えて、甲第5号証に記載の軸受け部材を適用することには、動機付けがなく、当業者が容易に想到することができるものではないと言わざるを得ない。


c 請求人の主張について
請求人は、審判請求書にて、引用発明1について、「なお、甲1号発明にはベアリング12が設けられているが、ベアリング12は連結軸部3の先端側を支持している部材であり、本件特許発明2の明細書及び図面においても、キャップ部材29として、支持軸の先端側を支持している部材が存在するが、キャップ部材29については、特許請求の範囲に明記されていないため、甲1号発明におけるベアリング12の存在は、実質的な相違点とはならない。」とした(審判請求書第58頁20ないし25行)上で、引用発明1の「L型ベアリング13」のみが本件特許発明1の「軸受け部材」に相当するとして、当該「L型ベアリング13」を、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材に置き換えることが容易である旨、主張している(審判請求書第61頁4ないし27行)。
しかしながら、甲第1号証の「連結軸11の先端部にベアリング12を圧入し、連結軸11の基端にはL型ベアリング13を回転自在に嵌着し、・・・この連結軸部3をローラー4の中空部10に、ベアリング12を回転自在で、L型ベアリング13を圧入して挿入する。」なる記載(上記1(1)アの記載事項(オ))より、引用発明1において、ローラー4は、ベアリング12とL型ベアリング13の両者を介して、支持軸11に軸受けされていることは明らかであり、その両者のうち、L型ベアリング13のみが本件特許発明1の軸受け部材に対応するとすることはできない。
また、仮に、引用発明1の「L型ベアリング13」のみが本件特許発明1の「軸受け部材」に対応するとしても、上記bにおける(b)、(c)のとおり、依然として、引用発明1における「L型ベアリング13」を、甲第5号証に記載された軸受け部材に置き換えることに、動機付けは存在しないと認められる。
よって、請求人の主張は採用できない。


d 小括
よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1及び甲第5号証に記載の事項から当業者が容易に想到することができるものではない。



(ア-2)甲第6号証、甲第7号証、甲第10号証ないし甲第18号証
甲第6号証、甲第7号証、及び、甲第10号証ないし甲第18号証には、甲第5号証と同様の事項が記載されている。
そして、それらについての判断も、上記(ア-1)のb、cにおけるものと同様である。

よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1及び甲第6号証、甲第7号証、甲第10号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項から当業者が容易に想到することができるものではない。


(ア-3)甲第8号証
a 甲第8号証の記載について
甲第8号証には、甲第5号証ないし甲第7号証、及び、甲第10号証ないし甲第18号証に記載された事項と同様の事項が記載されているのに加え、「軸受を低コストにて固定物に取付けるためには、板材や鋳物部等に最も加工の仕易い円筒形状の穴を穿け、・・・スラスト及び円周方向に固定する方法が一般的である」ことが記載されている(上記1(8)アの記載事項(ア)参照)。
当該記載における「鋳物部」がどの様なものかは甲第8号証に明確に示されていないが、甲第8号証には、実施例としては、板6に軸受本体1を固定する構成が示されているのみであり、板形状の部材以外のものに軸受けを固定する構成は示されていない以上、「軸受けを・・・鋳物部等に・・・固定する」とは、例えば、鋳物部の壁といった板状の部分に軸受けを固定することを意味しているものと認めざるを得ない。
よって、甲第8号証には、以下の事項が記載されている。

「板状の部分に穿った穴に軸を回転自在に支承する、滑り軸受けである回転軸用筒状軸受本体1おいて、弾性変形可能な係止爪が外周に突出しており、基端側に鍔部を有しており、同係止爪は先端側に向かうほど軸受本体1における軸の回転中心との距離が短くなる斜面を有している軸受本体1。」


b 相違点3についての判断について
甲第8号証に記載の上記事項は、甲第5号証と同様のものであり、それについての判断も、上記(ア-1)のb、cにおけるものと同様である。

c 小括
よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1及び甲第8号証に記載の事項から当業者が容易に想到することができるものではない。



(ア-4)甲第9号証
a 甲第9号証の記載について
甲第9号証には、「容器基台20の中央には円形状の開口部26を有しており、この円形状の開口部26には耐熱性で可撓性の円筒上の軸受保持部材28が嵌着されている。この軸受保持部材28は第2図に示すように、側壁にスリット30を有し下端外周に突起32を有しており、軸受保持部材28の上部にはフランジ34を有している。」と記載され(上記1(9)アの記載事項(ウ))、かつ、「この軸受保持部材28を容器基台20の中央開口部26に嵌合した後、カッター軸38を軸受保持部材28内に挿入し、オイルシール40ところがり軸受であるオイルレスベアリング42とを圧入する。」と記載されている(上記1(9)アの記載事項(エ))。
よって、甲第9号証には、以下の事項が記載されている。

「容器基台20の開口部26にカッター38を回転自在に支承する、ころがり軸受けであるオイルレスベアリング42において、オイルレスベアリング42が圧入された軸受保持部材28は、弾性変形可能な突起32が外周に突出しており、基端側にフランジ34を有しており、同突起32は先端側に向かうほど軸受け部材における軸の回転中心との距離が短くなる斜面を有しているものである、オイルレスベアリング42。」


b 相違点3についての判断について
引用発明1と、甲第9号証に記載された事項は、共に、「軸受け部材」に関するものであるという点において共通する。
しかしながら、以下に列挙する理由により、引用発明1における「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」からなる軸受け構造を、甲第9号証に記載されたオイルレスベアリング42に置き換えることに、動機付けは存在しないと認められる。

(a)引用発明1は、「ベアリング12」と「L型ベアリング13」の2つの部材を介して、ローラー4を連結軸11に軸支するものであるのに対して、甲第9号証に記載のオイルレスベアリング42は、一つの軸受け部材で、回転軸を基台に軸支するものである。
よって、両者においては、軸受けの構成要素の数など、前提となる軸受けの様態が異なるものであるため、引用発明1における「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」からなる軸受け構造を、甲第9号証に記載されたオイルレスベアリング42に置き換えることに、動機付けは存在しない。

(b)甲第9号証に記載のオイルレスベアリング42は、固定された容器基台の穴に軸を回転自在に支承するための構成であるのに対して、引用発明1のL型ベアリング13は、固定された軸に、マッサージローラー4を回転自在に軸支するためのものであり、回転する部材と支持する部材との関係が逆になっているから、この点においても、前提とする構成が異なるものであり、引用発明1においてL型ベアリング13に代えて、甲第9号証に記載のオイルレスベアリング42を適用することは、当業者が容易に想到することができるとは言えない。

(c)甲第9号証に記載のオイルレスベアリング42は、それ自体が突起32及びフランジ34を有するものではなく、オイルレスベアリング42が圧入される軸受保持部材28が、突起32及びフランジ34を有するものである。よって、引用発明1においてL型ベアリング13に代えて、甲第9号証に記載のオイルレスベアリング42を適用しても、甲第9号証に記載の突起32及びフランジ34が適用されるものとはならない。


c 請求人の主張について
請求人は、上記(ア-1)のcにおいて検討した主張の他、以下の点も主張している。

「オイルレスベアリング42と軸受保持部材28と1つの軸受け部材とみれば、オイルレスベアリング42と軸受保持部材28が、本件特許発明の「軸受け部材」に相当し、「係止爪」及び「鍔部」が有することとなる。」(請求人提出の平成30年1月12日付け口頭審理陳述要領書の第20頁2ないし5行参照)
しかしながら、甲第9号証において、軸受けとしての機能を有しているのは、「オイルレスベアリング42」であり、これと「軸受保持部材28」とを1つの軸受け部材に相当すると認める理由が無い。

また、仮に、引用発明1の「オイルレスベアリング42」と「軸受保持部材28」が、本件特許発明の「軸受け部材」に相当としても、上記bにおける(a)、(b)のとおり、依然として、引用発明1における「L型ベアリング13」を、甲第9号証に記載された軸受け部材に置き換えることに、動機付けは存在しないと認められる。
よって、請求人の主張は採用できない。

d 小括
よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1及び甲第9号証に記載の事項から当業者が容易に想到することができるものではない。



(ア-5)甲第5号証ないし甲第18号証に周知軸受け部材が開示されているとする請求人の主張について
a 請求人の主張の概要
請求人は審判請求書にて、「甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材」を以下のとおり認定して主張を行っている。

「支持軸が挿入されている状態で弾性変形可能な係止爪を突き出しており、基端側に鍔部を有しており、同係止爪は先端側に向かうほど軸受け部材における回転体の回転中心との距離が短くなる斜面を有している軸受け部材」(以下、「請求人軸受け部材」と言う)。


b 請求人軸受け部材について
上記請求人軸受け部材が、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに基づき周知であると認定できるかについて検討する。

上記のうち、甲第5号証ないし甲第8号証、及び、甲第10号証ないし甲第18号証には、固定された板状体の穴に軸を回転自在に支承する、滑り軸受けである軸受け部材が記載されているのみである。よって、これらから認定できる周知の軸受け部材は、以下のものにとどまる。

「固定された板状体の穴に軸を回転自在に支承する、滑り軸受けである軸受け部材において、弾性変形可能な係止爪が外周に突出しており、基端側に鍔部を有しており、同係止爪は先端側に向かうほど軸受け部材における軸の回転中心との距離が短くなる斜面を有している軸受け部材。」(以下、「周知軸受け部材」という。)

なお、甲第9号証については、“オイルレスベアリング42が滑り軸受けでなくころがり軸受けであること”、“オイルレスベアリング42ではなく軸受保持部材28に、突起32及びフランジ34が設けられていること”等の点において上記周知技術とは異なり、甲第9号証を加えた甲5号証ないし甲第18号証からは、周知技術といえる技術事項を見出すことはできない(なお、甲第9号証に記載の事項を公知の事項とした場合の検討は、上記(ア-4)にて行ったとおりである)。


よって、甲第5号証ないし甲第18号証からは、上記請求人軸受け部材が周知であるとは認められず、上記周知軸受け部材が周知であると認定できるにとどまるものである。


この点に関して、請求人は以下の点を挙げて、周知軸受け部材が、板状物での支持軸の支持だけに用いられるものではないと主張している(審判請求書第37頁13ないし14行)。

(a)「甲第8号証では、板材だけでなく、鋳物部等にも、甲第8号証に記載の軸受け部材を使用することが前提として記載されており、使用方法が板材に限定されていない」(審判請求書第28頁21行ないし第29頁2行)
(b)「甲第9号証では、電気ミキサーのカッター軸を回転可能にするために、軸受け部材が用いられており、板材に使用するというような前提を有しているのではない」(審判請求書第30頁9ないし11行)

しかしながら、上記(a)の点に関しては、上記(ア-3)のaにて検討したとおりであり、「軸受けを・・・鋳物部等に・・・固定する」とは、例えば、鋳物部の壁といった板状の部分に軸受けを固定することを意味しているものと認めざるを得ない。
また、上記(b)の点に関しては、上記にて検討したとおり、甲第9号証を加えた甲5号証ないし甲第18号証からは、周知技術といえる技術事項を見出すことができず、また、甲第9号証には、電気ミキサーの支持基台における支持軸の支持を行うことが開示されているのみであり、これをもってして、板状体に限らず一般的な部材における軸の支持において、周知軸受け部材の軸受け構造を用いることが、周知であるとは言えない。
よって、甲第8号証及び甲第9号証の記載をもってして、板状体に限らず一般的な部材における軸の支持において、周知軸受け部材の軸受け構造を用いることが、周知であるとまでは認めることができない。
よって、請求人の主張は採用できない。


c 相違点3についての判断について
上記周知軸受け部材は、甲第5号証に記載の軸受け部材と同様のものであり、それについての判断も、上記(ア-1)のb、cにおけるものと同様である。

また、仮に、上記請求人軸受け部材が周知のものであると認定されるとしても、上記(ア-1)のb(a)のとおり、依然として、引用発明1における「ベアリング12」及び「L型ベアリング13」からなる軸受け構造を、当該請求人軸受け部材に置き換えることに、動機付けは存在しない。
また、引用発明1に記載の様な、ローラーを支持軸に軸支する構成において、請求人軸受け部材の軸受け構造を用いることは、甲第5号証ないし甲第18号証には記載されていないから、当該請求人軸受け部材を、引用発明1に適用する動機付けが存在しないことに変わりはない。
よって、請求人の主張は採用できない。

なお、上記(ア-1)cのとおり、請求人はさらに、引用発明1の「L型ベアリング12」のみが本件特許発明1の「軸受け部材」に相当するとして、当該「L型ベアリング12」を、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材に置き換えることが容易である旨の主張も行っている(審判請求書第61頁4ないし27行)。しかしながら、同じく上記(ア-1)cにて検討したとおり、当該主張は採用することができないものであり、また、仮に、引用発明1の「L型ベアリング13」のみが本件特許発明1の「軸受け部材」に対応するとしても、本件特許発明1は、相違点4の点において、容易に想到しえないものである。


d 小括
よって、上記請求人の主張を採用することはできず、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1、及び、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の周知軸受け部材から当業者が容易に想到することができるものではない。



(ア-5)甲第4号証について
甲第4号証に関して、技術事項4は、「ローラ部を回転自在に保持するために滑り軸受を用いた美容ローラ」というものであるが、当該技術事項を考慮しても、上記(ア-1)ないし(ア-4)における判断に何ら変わりはない。


(イ)甲第19号証の1、甲第20号証の1について
甲第19号証の1には、技術事項19が記載されており、当該事項は、上記1(19)イのとおり、「鍔部及び周囲をめぐる隆起10とを有する鞘3介して、軸2に回動可能に軸支されたマッサージローラ4であって、鞘3が、マッサージローラー4にスナップ結合することができ、マッサージローラー4は、その内周に、隆起10と鍔部との間に位置し、鞘3の周囲をめぐる隆起10と係合する段差部を有する、マッサージローラー4。」に関するものである。
甲第20号証の1には技術事項20が記載されており、当該事項は、上記1(20)イのとおり、「プラグ200を介して、モジュール140を回転可能に支持するマッサージ器であって、プラグ200は、外方に延びる突出部205を含む弾性的なラッチアーム204を含むと共に、ラッチアーム204の基端側にフランジ201を有しており、突出部205は、先端側に向かうほどプラグ200におけるモジュール140の回転中心との距離が短くなる斜面を有し、モジュール140は、内周に、ラッチアーム204の突出部205の基端側に係止される段差部を有する、マッサージ器。」に関するものである。

引用発明1と技術事項19、20とは、共に、“身体をマッサージするための回転体を、鍔部を有する軸受け部材を介して、軸に回転可能に支持する”ことに関するものである点で共通する。しかしながら、例えば、技術事項19におけるマッサージローラー4の段差部は、鞘3の隆起10と係合するものであり、その点において、段差部の存在は、鞘3の隆起10の存在が前提となっていることは明らかである。技術事項20におけるモジュール140の段差部についても、同じく、プラグ200の突出部205の存在が前提となっていることが明らかである。
しかしながら、上記(ア)ないし(カ)にて検討した通り、当該前提となる構成に対応する、「係止部」を有する甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項または周知軸受け部材を、引用発明1に適用することには、動機付けが存在しない。
そして、当該適用に動機付けがない以上、当該適用に係る構成を前提とする技術事項19又は20を適用する動機付けもまた、存在しないと言わざるを得ない。

よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、引用発明1、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項または周知軸受け部材、及び、技術事項19または20から、当業者が容易に想到することができたものではない。


(ウ)小括
よって、本件特許発明1の相違点3に係る事項は、甲第4号証の有無にかかわらず、引用発明1、及び、甲第5号証ないし甲第20号証の1に記載の事項から、当業者が容易に想到することができるものではない。
また、当該相違点3に係る事項は、甲第2号証及び甲第3号証の1にも記載されていない。


イ 相違点4について
(ア)相違点4についての判断
甲第2号証ないし甲第20号証の1のいずれにも、相違点4に係る事項である”軸受け部材が先端で抜け止めされること”に関する記載はない。
よって、本件特許発明1の相違点4に係る事項は、請求人が主張する理由によっては、当業者が容易に想到することができるものではない。

(イ)請求人の主張について
請求人は、審判請求書にて、甲第1号証に記載された発明について、「なお、甲1号発明にはベアリング12が設けられているが、ベアリング12は連結軸部3の先端側を支持している部材であり、本件特許発明2の明細書及び図面においても、キャップ部材29として、支持軸の先端側を支持している部材が存在するが、キャップ部材29については、特許請求の範囲に明記されていないため、甲1号発明におけるベアリング12の存在は、実質的な相違点とはならない。」とした(審判請求書第58頁20ないし25行)上で、「甲1号発明のL型ベアリング13は、ローラー4の穴とは反対側となる先端で支持軸に座金15で抜け止めされており、L型ベアリング13が軸受け部材に対応しているため、甲1号発明も、本件特許発明1と同様、「軸受け部材は、前記回転体の穴とは反対側となる先端で支持軸に抜け止めされ」との構造を有する点で一致する。」(審判請求書第58頁26行ないし第59頁1行)と主張している。
しかしながら、甲第1号証の「連結軸11の先端部にベアリング12を圧入し、連結軸11の基端にはL型ベアリング13を回転自在に嵌着し、・・・この連結軸部3をローラー4の中空部10に、ベアリング12を回転自在で、L型ベアリング13を圧入して挿入する。」なる記載(上記1(1)アの記載事項(オ))より、引用発明1において、ローラー4は、ベアリング12とL型ベアリング13の両者を介して、支持軸11に軸受けされていることは明らかであり、その両者のうち、L型ベアリング13のみが本件特許発明1の軸受け部材に対応するとすることはできない。
また、仮に、引用発明1の「L型ベアリング13」のみが本件特許発明1の「軸受け部材」に対応するとしても、引用発明1において、L型ベアリング13を連結軸11に抜け止めする座金15が、連結軸11の先端に存在するものでないことは、図面から見ても明らかであり(甲第1号証の【図6】参照)、L型ベアリング13は、先端において抜け止めされているものではない(なお、この点に関して、本件明細書には「図4に示すように、前記各支持軸20の突出端部には、合成樹脂よりなる円筒状の軸受け部材25が嵌合されて、ストップリング26により抜け止め固定されている。」と記載されており(段落【0015】参照)、本件特許発明1における「先端」とは、当該記載における「突出端部」、即ち支持軸の先端を意味すると解される。)。
よって、請求人の主張は採用できない。

(ウ)小括
よって、本件特許発明1の相違点4に係る事項は、引用発明1、及び、甲第2号証ないし甲第20号証の1に記載の事項から、当業者が容易に想到することができるものではない。


ウ 小括
(ア)無効理由3について
以上のことより、本件特許発明1は、引用発明1、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された事項、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項、及び、技術事項19又は技術事項20に基づいて、原出願前に当業者が容易に発明することができたものとは言えない。

(イ)無効理由4について
以上のことより、本件特許発明1は、引用発明1、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された事項、甲第4号証に記載された事項、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項、及び、技術事項19又は技術事項20に基づいて、原出願前に当業者が容易に発明することができたものとは言えない。


3 本件特許発明2について
(ア)無効理由3について
上記2(2)ウ(ア)のとおり、本件特許発明1が、引用発明1、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された事項、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項、及び、技術事項19又は技術事項20に基づいて、原出願前に当業者が容易に発明することができたものではない以上、本件特許発明1の特定事項を全て有しつつ更に限定したものである本件特許発
明2についても、同じく、当業者が容易に発明することができたものではない。
(イ)無効理由4について
上記2(2)ウ(イ)のとおり、本件特許発明1が、引用発明1、甲第2号証又は甲第3号証の1に記載された事項、甲第4号証に記載された事項、甲第5号証ないし甲第18号証のいずれかに記載の事項、及び、技術事項19又は技術事項20に基づいて、原出願前に当業者が容易に発明することができたものではない以上、本件特許発明1の特定事項を全て有しつつ更に限定したものである本件特許発明2についても、同じく、当業者が容易に発明することができたものではない。



4 小括
よって、無効理由3又は4によっては、本件特許発明1ないし2に係る特許を無効とすることはできない。




第6 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する無効理由1ないし4及び提出した証拠方法によっては、本件特許発明1ないし2についての特許を無効にすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-03-15 
結審通知日 2018-03-19 
審決日 2018-03-29 
出願番号 特願2014-197056(P2014-197056)
審決分類 P 1 113・ 536- Y (A45D)
P 1 113・ 121- Y (A45D)
P 1 113・ 537- Y (A45D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大瀬 円  
特許庁審判長 高木 彰
特許庁審判官 五閑 統一郎
平瀬 知明
登録日 2015-12-04 
登録番号 特許第5847904号(P5847904)
発明の名称 美容器  
代理人 ▲高▼山 嘉成  
代理人 小林 徳夫  
代理人 冨宅 恵  

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