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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01S
管理番号 1349542
審判番号 不服2018-1309  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-31 
確定日 2019-03-26 
事件の表示 特願2016-544314「モバイル装置の位置を推定する装置、システム、及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月30日国際公開、WO2015/060883、平成28年12月 8日国内公表、特表2016-538568、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)12月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年10月21日(以下「優先日」という。)、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 5月 2日 :手続補正書の提出
平成29年 2月10日付け:拒絶理由通知書
平成29年 5月16日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年10月11日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。送達日:
同年同月17日)
平成30年 1月31日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年10月 9日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由」とい
う。発送日:同年同月16日)
平成31年 1月16日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1-22
・引用文献1-2

<引用文献等一覧>
1.特開2011-247738号公報
2.POLK,J. 外3名,“Dynamic Host Configuration Protocol Options Coordinate-Based Location Configuration Information”, RFC [online][ISSN:2070-1721], RFC6225, インターネット

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本件出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1?22
・引用文献等 1?2

<引用文献等一覧>
1.国際公開第2012/047767号
2.Emily Qi, et al.、“RRM Security Requirement Assessment”、「IEEE 802.11-04/0482r1」、2005年3月、page 1-page 7、<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/04/11-04-0482-01-000k-rrm-security-requirement.doc>

第4 本願発明
本願の請求項1-21に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明21」という。)は、平成31年1月16日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、8、13は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
回路を含む装置であって、前記回路は第1の局に、
第2の局へLCI(Location Configuration Information)要求を送信させ、前記LCI要求は前記第2の局に対応する位置情報の位置要求の指示を有し、
前記第2の局からLCI報告を受信させ、前記LCI報告は、原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応し、
前記位置誤差に少なくとも部分的に基づき前記第1の局の位置を推定させる、
装置。」

「【請求項8】
プロセッサにより実行されると、前記プロセッサは第1の局に、
第2の局へLCI(Location Configuration Information)要求を送信させ、前記LCI要求は前記第2の局に対応する位置情報の位置要求の指示を有し、
前記第2の局からLCI報告を受信させ、前記LCI報告は、原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応し、
前記位置誤差に少なくとも部分的に基づき前記第1の局の位置を推定させる、
コンピュータプログラム。」

「【請求項13】
アクセスポイント(AP)において実行される方法であって、前記方法は、
モバイル装置からLCI(Location Configuration Information)要求を受信するステップであって、前記LCI要求は前記APに対応する位置情報の位置要求の指示を有する、ステップと、
前記LCI要求に応答して、前記モバイル装置へLCI報告を送信するステップであって、前記LCI報告は、原点に対する前記APの位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記APと異なる局に対応する、ステップと、
を有する方法。」

なお、本願発明2-7は、本願発明1を減縮した発明であり、
本願発明9-12、20は、本願発明8を減縮した発明であり、
本願発明14-19、21は、本願発明13を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献Aについて
(1)当審拒絶理由において引用された国際公開第2012/047767号(以下「引用文献A」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。原文の引用の後に日本語訳を記載する。日本語訳は引用文献Aのパテントファミリーである公表特許公報(特表2013-545080号公報)による。(下線は当審による。以下同様。)

「[0005] ・・・ Such measurements and the computation of a location estimate, in the case that these are obtained by the device, may be enabled or assisted by transferring location related information, sometimes referred to as assistance data, from a network (e.g. from a location server attached to or within a network) to the device. Assistance data transferred to a mobile device can include various types of data including data related to a serving network and map data related to the geographic area the mobile device is located within. For example, a mobile device may receive information indicating locations of a set of nearby base stations in the serving network and may estimate a location of the mobile device by measuring signals from some of the base stations. As another example, a mobile device may include an application that enables a user to navigate based on map data and based on an estimated location of the mobile device. However, different types of location related information (e.g. base station locations, Wi-Fi access point locations), as well as different types of map data, may be provided by different information providers using different proprietary layouts and data structures. For example, a first type of data may identify positions of base stations using longitude and latitude data while a second type of data may identify positions of Wi-Fi access points using civic location data, such as street address, building floor, and room number or using positions marked on a map with no directly defined geographic or civic location. As a result, a mobile device may be unable to relate the positions of the base stations with the positions of the Wi-Fi access points or may be unable to relate the positions of bases stations or Wi-Fi access points to physical objects and structures (e.g. buildings, walls, floors) that may influence how signals will be detected and measured. 」
(【0005】 ・・・このような測定およびロケーション推定の計算は、それらがデバイスにより取得されるケースでは、時に、支援データと呼ばれる、ネットワークから(例えば、ネットワークにアタッチされているロケーションサーバまたはネットワーク内のサーバから)のロケーション関連情報をデバイスに転送することによって、可能にしてもまたは支援されてもよい。移動体デバイスに転送される支援データは、担当ネットワークに関連するデータ、および、移動体デバイスが位置付けられている地理的なエリアに関連するマップデータを含む、さまざまなタイプのデータを含めることができる。例えば、移動体デバイスは、担当ネットワーク中の近くの基地局のセットのロケーションを示す情報を受信してもよく、基地局のうちのいくつかからの信号を測定することにより、移動体デバイスのロケーションを推定してもよい。別の例として、移動体デバイスは、ユーザが、マップデータに基づいて、および、移動体デバイスの推定されたロケーションに基づいて、ナビゲートすることを可能にするアプリケーションを含んでもよい。しかしながら、異なるタイプのロケーション関連情報(例えば、基地局のロケーション、Wi-Fiアクセスポイントのロケーション)とともに、異なるタイプのマップデータは、異なる情報プロバイダにより、異なる独占的レイアウトおよびデータ構造を使用して提供されてもよい。例えば、第1のタイプのデータが、経度および緯度データを使用して、基地局のポジションを識別してもよい一方で、第2のタイプのデータは、通りの住所、建物のフロア、部屋番号のような、都市ロケーションデータを使用して、あるいは、直接的に規定された地理的なロケーションまたは都市ロケーションを持たないマップ上にマークされたポジションを使用して、Wi-Fiアクセスポイントのポジションを識別してもよい。結果として、移動体デバイスは、基地局のポジションをWi-Fiアクセスポイントのポジションと関係付けることができないかもしれず、または、基地局またはWi-Fiアクセスポイントのポジションを、信号がどのように検出または測定されるかに影響を与えるかもしれない物理的なオブジェクトまたは構造(例えば、建物、壁、フロア)と関連付けることができないかもしれない。)

「[0007] In a particular embodiment, a method includes receiving a first set of location data and a second set of location data at a mobile device. The method includes locating a common reference point identifier that is included in the first and second sets of location data. The common reference point identifier identifies a common reference point. The method includes identifying first information in the first set of location data that is associated with the common reference point. The method also includes identifying second information in the second set of location data that is associated with the common reference point and spatially aligning the first set of location data with the second set of location data based on the common reference point to associate the first information with the second information. 」
(【0007】 特定の実施形態では、方法は、移動体デバイスにおいて、ロケーションデータの第1のセットおよびロケーションデータの第2のセットを受信することを含む。方法は、ロケーションデータの第1および第2のセット中に含まれている共通基準点識別子を位置付けることを含む。共通基準点識別子は共通基準点を識別する。方法は、共通基準点に関係付けられている、ロケーションデータの第1のセット中の第1の情報を識別することを含む。方法はまた、共通基準点に関係付けられている、ロケーションデータの第2のセット中の第2の情報を識別することと、共通基準点に基づいて、ロケーションデータの第1のセットをロケーションデータの第2のセットと空間的に調整して、第1の情報を第2の情報と関係付けることとを含む。)

「[0039] Referring to FIG. 1, a system illustrating use of reference points for location information is depicted and generally designated 100. The system 100 includes a mobile device 102 in communication with a location server 130 via a network 120 and in proximity to a point of interest (POI) 160. The system 100 includes multiple base stations, such as a first representative base station 122, a second representative base station 124, and a third representative base station 126. Each of the base stations 122, 124, 126 is coupled to the network 120. ・・・」
(【0030】 図1を参照すると、ロケーション情報のための基準点の使用を図示するシステムが図示され、一般的に100と指定されている。システム100は、ネットワーク120を介してロケーションサーバ130と通信し、関心のポイント(POI)160の近くにある移動体デバイス102を備える。システム100は、第1の代表基地局122、第2の代表基地局124および第3の代表基地局126のような、複数の基地局を備える。基地局122、124、126のそれぞれは、ネットワーク120に結合されている。・・・)

「[0040] ・・・ The system 100 includes multiple wireless local area network (WLAN) access points, such as a first WLAN access point 140 and a second WLAN access point 142. Each of the WLAN access points may be coupled to a network 120 or may be coupled to other networks not shown in FIG. 1. ・・・and a fourth reference point "D" 156 is co-located with the first WLAN access point 140. 」
(【0031】・・・システム100は、第1のWLANアクセスポイント140および第2のWLANアクセスポイント142のような、複数のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントを含む。WLANアクセスポイントのそれぞれは、ネットワーク120に結合されてもよく、または、図1中に示されていない他のネットワークに結合されてもよい。・・・第4の基準点“D”156は、第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられている。(当審注:公表特許公報の「第3の基準点“D”156」は「第4の基準点“D”156」の誤記と判断した。))

「[0041] The mobile device 102 may be configured to receive information, such as geographic data and/or assistance data 134, via a location session 132 with the location server 130. ・・・」
(【0032】 移動体デバイス102は、ロケーションサーバ130とのロケーションセッション132を介して、地理的なデータおよび/または支援データ134のような、情報を受信するように構成されていてもよい。・・・)

「[0044] ・・・ The mobile device 102 may further be configured to determine its relative location 170 relative to the reference point A 150 using combined data including locations and transmission characteristics of base stations and locations and transmission characteristics of access points to generate an accurate estimate of a location of the mobile device 102. For example, the mobile device 102 may measure signal strengths and/or timing of signals from one or more of the base stations 122, 124, 126 and from one or more of the access points 140 and 142 to generate a location estimate. 」
(【0035】 ・・・移動体デバイス102はさらに、基地局のロケーションおよび送信特性と、アクセスポイントのロケーションおよび送信特性とを含む組み合わせられたデータを使用して、基準点A150に対するその相対ロケーション170を決定して、移動体デバイス102のロケーションの正確な推定を発生させるように構成されていてもよい。例えば、移動体デバイス102は、基地局122、124、126のうちの1つ以上から、および、アクセスポイント140および142のうちの1つ以上から、信号強度および/または信号のタイミングを測定して、ロケーション推定を発生させてもよい。)

「[0047] ・・・ To illustrate, locations of the base stations 122, 124, 126 may be provided relative to reference point B 152, while locations of the access points 140 and 142 may be provided relative to reference point D 156. ・・・」
(【0038】 ・・・図示するために、基準点B152に対して、基地局122、124,126のロケーションが提供されてもよい一方で、基準点D156に対して、アクセスポイント140および142のロケーションが提供されてもよい。・・・)

「[0050] ・・・ A definition of a reference point may include a globally unique name or identity, location coordinates (e.g. latitude, longitude, altitude) of the reference point, any uncertainty (e.g. possible error) in this location, a civic location description of the reference point (e.g. based on street address including town, state and country or some other well known geographic designation such as airport or train station name), references to one or more maps in which the reference point appears (e.g. as a defined point on the map together with the reference point name or identifier), references to one or more servers from which maps may be obtained that include the reference point, associated points of interest (e.g. points of interest coincident with or nearby to the location of the reference point), or any combination thereof.」
(【0041】 ・・・基準点の定義は、グローバルに一意的な名称および識別、基準点のロケーション座標(例えば、緯度、経度、高度)、このロケーションにおける何らかの不確実性(例えば、可能性ある誤差)、(例えば、町、州および国、あるいは、空港名または鉄道の駅名のような、他のいくつかのよく知られている地理的な指定に基づく)基準点の都市ロケーションの記述、(例えば、基準点の名称または識別子と一緒に、マップ上に規定されたポイントとしての)基準点が現れる1つ以上のマップに対する参照、基準点を含むマップが取得されてもよい1つ以上のサーバに対する参照、関心の関係するポイント(例えば、基準点のロケーションに一致する、または、基準点のロケーションの近くの関心のポイント)、あるいは、これらの任意の組み合わせを含んでもよい。)

「[0068] ・・・ The location server 130 of FIG. 1 may send an LPP/LPPe request capabilities message 302 to the mobile device 102 of FIG. 1 (also referred to as user equipment (UE)). ・・・ For example, the provide capabilities message 304 may include one or more information elements (IEs) in accordance with the OMA LPPe specification. ・・・」
(【0059】・・・図1のロケーションサーバ130は、LPP/LPPe要求能力メッセージ302を図1の移動体デバイス102(ユーザ機器(UE)とも呼ばれる)に送ってもよい。・・・例えば、提供能力メッセージ304は、OMA LPPe仕様にしたがった1つ以上の情報エレメント(IE)を含んでもよい。・・・)

「[0069] Referring to FIG. 4, a diagram of LPP/LPPe messaging including assistance data with reference point information is depicted. The UE 102 may send an LPP/LPPe request assistance data message 402 to the location server 130. In response to the request assistance data message 402, the location server 130 may send an LPP/LPPe provide assistance data message 404. ・・・」
(【0060】 図4を参照すると、基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPeメッセージングのダイヤグラムが描写されている。UE102は、LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送ってもよい。要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130は、LPP/LPPe提供支援データメッセージ404を送ってもよい。・・・)

(

)

「[0074] As a specific example of providing assistance data including reference point information, the location server 130 may provide access point (AP) assistance data, such as for the WLAN access points 140 and 142 of FIG. 1. For example, WLAN AP assistance data may be provided in an LPPe Provide Assistance Data message 404 via a data set containing one or more IEs in accordance with an OMA LPPe specification, such as those shown in Table 7.

・・・

・・・
TABLE 7 - Possible IEs for LPPe WLAN assistance data」
(【0069】 基準点情報を含む支援データを提供する特有な例として、ロケーションサーバ130は、図1のWLANアクセスポイント140および142に対してのように、アクセスポイント(AP)支援データを提供してもよい。例えば、WLAN AP支援データは、表7中に示されているもののような、OMA LPPe仕様にしたがった1つ以上のIEを含むデータセットを介して、LPPe提供支援データメッセージ404中で提供されてもよい。
【表7】

・・・
【0070】・・・

・・・
【0072】・・・
表7-LPPe WLAN支援データに対する可能性あるIE)

「[0076] In Table 7, the "relative-location" IE may provide the location and optional uncertainty in location of a WLAN AP relative to a reference point - e.g. the reference point defined by the "reference-point" IE in Table 7. ・・・」
(【0074】 表7中では、“relative-location”IEは、基準点、例えば、表7の“reference-point”IEにより規定されている基準点に対するWLAN APのロケーションと、基準点に対するWLAN APのロケーションにおけるオプションの不確実性とを提供してもよい。・・・)

「[0089] ・・・ and the reference point D 156 may provide a reference point for the relative locations of the access points 140 and 142. ・・・」
(【0088】・・・基準点D156は、アクセスポイント140および142の相対ロケーションに対する基準点を提供してもよい。・・・)

「[0090] Referring to FIG. 7, a particular embodiment of a method of combining access point assistance data and map data is depicted. WLAN access point assistance data indicating WLAN access point locations relative to a first reference point is received, at 702. For example, the mobile device 102 of FIG. 1 may receive the geographic data and/or assistance data 134 including information regarding the access points 140 andl42 relative to a first reference point, such as the reference point D 156. The WLAN access point assistance data received at 702 may be as described in Table 7.」
(【0089】 図7を参照すると、アクセスポイント支援データおよびマップデータを組み合わせる方法の特定の実施形態が描写されている。702において、第1の基準点に対するWLANアクセスポイントロケーションを示すWLANアクセスポイント支援データが受信される。例えば、図1の移動体デバイス102は、基準点D156のような第1の基準点に対するアクセスポイント140および142に関する情報を含む、地理的なデータおよび/または支援データ134を受信してもよい。702において受信されたWLANアクセスポイント支援データは、表7中に記述したようなものであってもよい。)

「[0096] FIG. 8 illustrates a block diagram of a particular illustrative embodiment of an electronic device 800 including a location data aligner 884 that uses reference points. The device 800 includes a processor 810 coupled to a memory 832. The processor 810 may be a hardware processor that includes the location data aligner 884, a reference point locator 888, a location data identifier 886, and an LPP/LPPe engine 880. In a particular example, the electronic device 800 corresponds to the mobile device 102 of FIG. 1 or corresponds to the UE 102 of any one or more of FIGs. 3-5.
[0097] The reference point locator 888 may include hardware or dedicated circuitry configured to locate reference point identifier fields in received sets of location data. For example, the reference point locator 888 may be configured to receive a first set of location data (e.g. the map data 202 of FIG. 2) and a second set of location data (e.g. the assistance data 204 of FIG. 2) and to locate a first reference point identifier field that is included in the first set of location data (e.g. indicating the reference point 240) and a second reference point identifier field that is included in a second set of location data (e.g. indicating the reference point 240). ・・・」
(【0095】 図8は、基準点を使用するロケーションデータアライナ884を備える、電子デバイス800の特定の例示的な実施形態のブロックダイヤグラムを図示している。デバイス800は、メモリ832に結合されているプロセッサ810を備える。プロセッサ810は、ロケーションデータアライナ884、基準点ロケータ888、ロケーションデータ識別子886およびLPP/LPPeエンジン880を備えるハードウェアプロセッサであってもよい。特定の例では、電子デバイス800は、図1の移動体デバイス102と対応し、または、図3?5のうちのいずれか1つ以上のUE102に対応する。
【0096】 基準点ロケータ888は、受信されたロケーションデータのセット中に基準点識別子フィールドを位置付けるように構成されている、ハードウェアまたは専用回路を備えてもよい。例として、基準点ロケータ888は、ロケーションデータの第1のセット(例えば、図2のマップデータ202)と、ロケーションデータの第2のセット(例えば、図2の支援データ204)とを受信し、ロケーションデータの第1のセット中に含まれている(例えば、基準点240を示す)第1の基準点識別子フィールドと、ロケーションデータの第2のセット中に含まれている(例えば、基準点240を示す)第2の基準点識別子フィールドとを位置付けるように構成されていてもよい。・・・)

「[00100] The LPP/LPPe engine 880 may include hardware or dedicated circuitry configured to enable communication with a remote location server via an LPP/LPPe communication protocol, such as according to a 3GPP LPP specification and an OMA LPPe specification. For example, the LPP/LPPe engine 880 may be configured to generate the provide capabilities message 304 of FIG. 3, the request assistance data message 402 of FIG. 4, the provide location information message 504 of FIG. 5, or any combination thereof, to be sent by the device 800 to a location server, such as the location server 130. As another example, the LPP/LPPe engine 880 may be configured to process the request capabilities message 302 of FIG. 3, the provide assistance data message 404 of FIG. 4, the request location information message 502 of FIG. 5, or any combination thereof, that may be received by the device 800 from a location server, such as the location server 130. ・・・」
(【0099】 LPP/LPPeエンジン880は、3GPP LPP仕様およびOMA LPPe仕様にしたがうような、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成されているハードウェアまたは専用回路を備えてもよい。例えば、LPP/LPPeエンジン880は、デバイス800により、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバに送るための、図3の提供能力メッセージ304、図4の要求支援データメッセージ402、図5の提供ロケーション情報メッセージ504、または、これらの任意の組み合わせを発生させるように構成されていてもよい。別の例として、LPP/LPPeエンジン880は、デバイス800により、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバから受信されてもよい、図3の要求能力メッセージ302、図4の提供支援データメッセージ404、図5の要求ロケーション情報メッセージ502、または、これらの任意の組み合わせを処理するように構成されていてもよい。・・・)

(2)したがって、引用文献Aには次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「プロセッサ810を備えた電子デバイス800であって、電子デバイス800は、移動体デバイス102、UE102に対応し([0096]より。公表特許公報では【0095】が対応。以下「[0096](【0095】)」と示す。)、移動体デバイスはUEとも呼ばれ([0068](【0059】))、
プロセッサ810は、基準点ロケータ888、LPP/LPPeエンジン880を備えるハードウェアプロセッサであり([0096](【0095】))、基準点ロケータ888は、支援データ204を受信し([0097](【0096】))、LPP/LPPeエンジン880は、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成されているハードウェアまたは専用回路を備え、デバイス800により、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバに送るための要求支援データメッセージ402を発生させ、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバから受信される提供支援データメッセージ404を処理するように構成され([00100] (【0099】))、
システム100は、ネットワーク120を介してロケーションサーバ130と通信する移動体デバイス102を備え([0039](【0030】))、システム100は、第1のWLANアクセスポイント140および第2のWLANアクセスポイント142のような、複数のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントを含み、WLANアクセスポイントのそれぞれは、ネットワーク120に結合され([0040](【0031】))、
UE102は、LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送り([0069] (【0060】))、
要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130は、基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404を送り(「[0069](【0060】)、FIG.4)、アクセスポイント(AP)支援データを提供し([0074](【0069】))、
WLAN AP支援データは、情報エレメント(IE)として、基準点に対するWLAN APのロケーションと、基準点に対するWLAN APのロケーションの不確実性とを提供する“relative-location”IE、を含むデータセットを介して、LPPe提供支援データメッセージ404中で提供され([0068](【0059】)、[0074](【0069】)、[0076](【0074】))、
移動体デバイス102は、基準点D156のような第1の基準点に対するアクセスポイント140および142に関する情報を含む、支援データ134を受信し([0090](【0089】))、第4の基準点“D”156は、第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられており([0040](【0031】))、
移動体デバイス102はアクセスポイントのロケーションおよび送信特性を含む組み合わせられたデータを使用して、基準点A150に対するその相対ロケーション170を決定する([0044](【0035】))、
電子デバイス800([0096](【0095】))。」

2.引用文献Bについて
当審拒絶理由において周知技術を示す文献として引用された、Emily Qi, et al.、“RRM Security Requirement Assessment”、「IEEE 802.11-04/0482r1」、2005年3月、page 1-page 7、<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/04/11-04-0482-01-000k-rrm-security-requirement.doc>(以下「引用文献B」という。)の「2.8 Location Configuration Information (LCI)」には、要求局から報告局に「Remote LCI」要求を送信すると、その要求を受信した報告局が、報告局の位置を示すLCI報告を要求局に応答する周知技術が記載されていると認められる。

3.引用文献Cについて
(1)原査定の拒絶の理由において引用された特開2011-247738号公報(以下「引用文献C」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0019】
図1は、本測位装置100が適用されるシステムを示す。
【0020】
該システムには、アクセスポイント(Access Point)200_(m)(mは、m>0の整数)が含まれる。アクセスポイントは、「親機」、「基地局」、「ステーション」等と呼ばれてもよい。本測位装置100は、発見できたアクセスポイント200_(m)との間の距離に基づいて、測位を行う。・・・」

「【0025】
・・・A-GPSでは、ネットワーク(図示無し)から測位装置100が測位を行うために必要とされるデータが配信される。該データは、アシスト情報とよばれてもよい。該データには、例えば、基地局のエリア情報やGPS衛星300nの軌道情報などが含まれる。該基地局のエリア情報には、測位装置100の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報などが含まれる。・・・」

「【0046】
本測位装置100は、測位制御部1062を有する。・・・また、測位制御部1062は、GPS測位装置112がA-GPS方式により測位を行う場合には、該A-GPS方式による測位の際に利用されるべきアシスト情報を取得する。測位制御部1062は、該アシスト情報を信頼性判定部1068に入力する。」

「【0048】
本測位装置100は、WLAN測位演算部1064を有する。該WLAN測位演算部1064は、測位制御部1062と接続される。該WLAN測位演算部1064は、測位制御部1062により入力されたアクセスポイントの識別子と、該アクセスポイントの受信信号強度とに基づいて、当該測位装置100の位置を特定する。・・・WLAN測位演算部1064は、信頼性判定部1068に、WLAN測位結果を入力する。」

「【0050】
本測位装置100は、信頼性判定部1068を有する。該信頼性判定部1068は、測位制御部1062、及びWLAN測位演算部1064と接続される。信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたアシスト情報及び/又はGPS測位装置112による測位結果に基づいて、WLAN測位演算部1064により入力されたWLAN測位結果の信頼性を判定する。
【0051】
<信頼性判定方法(その1)>
信頼性判定部1068は、測位制御部1062により入力されたアシスト情報に含まれる基地局のエリア情報に基づいて、WLAN測位結果を判定する。・・・
【0052】
信頼性判定部1068は、基地局のエリア情報に基づいて、当該測位装置100が位置すると想定される領域を求める。例えば、基地局のエリア情報に含まれる基地局の位置を取得し、該基地局の位置を測位装置100の位置(以下、「概略位置」と呼ぶ)とみなし(置き換え)、該概略位置を中心とする円を描く。該概略位置は、経度、緯度により示されてもよい。該円の半径(以下、「誤差半径」と呼ぶ)は、該基地局の位置の誤差に関する情報に基づいて設定されてもよい。例えば、該基地局の位置を測位装置100の位置とみなすことにより予想される誤差の範囲としてもよい。また、該基地局の位置の誤差に関する情報に誤差半径の情報が含まれてもよい。例えば、誤差半径を基地局のエリアの半径としてもよい。
【0053】
信頼性判定部1068は、WLAN測位結果と、概略位置とを比較することによりWLAN測位結果の信頼性を判定する。例えば、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径以下である場合には、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定する。一方、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径を超える場合には、WLAN測位結果の信頼性が低いと判定する。」

「【0055】
・・・WLAN測位結果の信頼性が高い場合、該WLAN測位結果を採用する。」

「【0086】
本測位装置100が搭載された携帯端末装置は、複数のCPUを有するようにしてもよい。例えば、図3に示される機能のうち、測位制御部1062、WLAN測位演算部1064、信頼性判定部1068、測位結果通知制御部1070、及び状態判定部1072は、アプリケーションCPU(A-CPU: Application CPU)により実行されるようにしてもよい。A-CPUは、アプリケーション系制御用のCPUであり、例えば各種アプリケーション機能やユーザインタフェースの制御を行う。また、在圏基地局情報取得部1074の処理は、コミュニケーションCPU(C-CPU)により実行されるようにしてもよい。C-CPUは、伝送系制御用のCPUであり、例えば、基地局、交換機との間の接続、切断などの通信動作の制御を行う。」

「【0087】
・・・図8には、本測位装置100が携帯端末装置に搭載される例が示される。」

「【0091】
携帯端末装置は、ネットワークに、アシストデータ(アシスト情報)を要求する(ステップS808)。例えば、測位制御部1062は、C-CPUに対してアシストデータを要求する。C-CPUは、測位制御部1062による要求に応じて、基地局を介してアシストデータを要求する。・・・
【0092】
ネットワークは、携帯端末装置に、アシストデータを通知する(ステップS810)。・・・」

(2)したがって、引用文献Cには次の技術的事項(以下「引用文献Cに記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「携帯端末装置に搭載される本測位装置100(【0087】)において、
本測位装置100が適用されるシステム(【0019】)には、アクセスポイントが含まれ、アクセスポイントは基地局と呼ばれてもよく(【0020】)、
本測位装置100は、測位制御部1062、WLAN測位演算部1064、信頼性判定部1068を有し(【0046】、【0048】、【0050】)
測位制御部1062、WLAN測位演算部1064、信頼性判定部1068は、A-CPUにより実行され(【0086】)、
測位制御部1062は、C-CPUに対してアシストデータを要求し、C-CPUは、基地局を介して、ネットワークに、アシストデータ(アシスト情報)を要求し(【0091】)、
ネットワークは、携帯端末装置に、アシストデータを通知し(【0092】)、
ネットワークから配信される、測位装置100が測位を行うために必要とされるデータは、アシスト情報とよばれ、該データには、基地局のエリア情報が含まれ、該基地局のエリア情報には、測位装置100の概略位置情報、該概略位置の誤差に関する情報が含まれ(【0025】)、
信頼性判定部1068は、入力されたアシスト情報に含まれる基地局のエリア情報に基づいて(【0051】)、基地局のエリア情報に含まれる基地局の位置を概略位置とみなし、該基地局の位置の誤差に関する情報に基づいて誤差半径を設定し(【0052】)、概略位置とWLAN測位結果との間の距離が誤差半径以下である場合には、WLAN測位結果の信頼性が高いと判定し(【0053】)、
WLAN測位結果の信頼性が高い場合、該WLAN測位結果を採用する(【0055】)、
本測位装置100(【0087】)。」

4.引用文献Dについて
原査定の拒絶の理由において周知技術を示す文献として引用されたPOLK,J. 外3名,“Dynamic Host Configuration Protocol Options Coordinate-Based Location Configuration Information”, RFC [online][ISSN:2070-1721], RFC6225, インターネット (以下「引用文献D」という。)の、「Abstract」、「1.2. Resolution and Uncertainty」には、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)オプションにおいて、Location Configuration Information (LCI)に、緯度、経度、高度の位置情報とともに、誤差の量である不確かさを含める周知技術が記載され、また、「3. Security Considerations」には、DHCPクライアントが要求したときのみ、DHCPサーバーからLCIが返信される周知技術が記載されていると認められる。

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「プロセッサ810」、「電子デバイス800」は、それぞれ、本願発明1の「回路」、「装置」に相当し、引用発明の「プロセッサ810を備えた電子デバイス800」は、本願発明1の「回路を含む装置」に相当する。
また、引用発明の「移動体デバイス102」は、本願発明1の「第1の局」に相当する。なお、引用発明では「移動体デバイスはUEとも呼ばれ」るから、引用発明の「UE102」も、本願発明1の「第1の局」に相当する。

イ 引用発明の「第2のWLANアクセスポイント142」は、本願発明1の「第2の局」に相当する。

ウ 引用発明では、「UE102は、LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送」るが、引用発明では「電子デバイス800は、移動体デバイス102、UE102に対応」し、また、「プロセッサ810を備えた電子デバイス800」において、「プロセッサ810は」「LPP/LPPeエンジン880を備え」、「LPP/LPPeエンジン880は、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成され」、「デバイス800により、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバに送るための要求支援データメッセージ402を発生させ」るように構成されているものである。
そうすると、引用発明は、「UE102に対応」する「電子デバイス800」が備える「プロセッサ810」が、「LPP/LPPeエンジン880を備え」、「LPP/LPPeエンジン880は、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成され」、「デバイス800により、ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバに送るための要求支援データメッセージ402を発生させ」るように構成されていることにより、「UE102は、LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送」るものであるといえ、このことは、上記アを踏まえると、本願発明1の「前記回路は第1の局に、第2の局へLCI(Location Configuration Information)要求を送信させ」ることと、「前記回路は第1の局に、要求を送信させ」る点で共通する。
ここで、引用発明における「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402」が、本願発明1の「LCI(Location Configuration Information)要求」と、「要求」である点で共通する。

エ 引用発明は、「UE102は、LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送り、要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130は」、「アクセスポイント(AP)支援データを提供」するものであり、その「WLAN AP支援データ」は「WLAN APのロケーション」を含むものである。
そうすると、引用発明は、「UE102」が「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402をロケーションサーバ130に送り」、その応答として「WLAN APのロケーション」を得るものであるから、「UE102」が「ロケーションサーバ130に送」る「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402」は、「WLAN APのロケーション」を要求するものであるといえる。
ここで、引用発明では、「ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント」には「第1のWLANアクセスポイント140および第2のWLANアクセスポイント142」が含まれるから、「WLAN APのロケーション」には、「第2のWLANアクセスポイント142」のロケーションが含まれる。そして、「第2のWLANアクセスポイント142」のロケーションは、「第2のWLANアクセスポイント142」の位置情報に他ならない。
よって、引用発明における、「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402」が、「第2のWLANアクセスポイント142」のロケーションを要求するものであることは、上記イ及びウを踏まえると、本願発明1の「前記LCI要求は前記第2の局に対応する位置情報の位置要求の指示を有」することと、「前記要求は前記第2の局に対応する位置情報の位置要求の指示を有」する点で共通する。

オ 引用発明では、「要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130は、基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404を送り、アクセスポイント(AP)支援データを提供し」、「移動体デバイス102は」「支援データ134を受信」するが、引用発明では「電子デバイス800は、移動体デバイス102、UE102に対応」し、また、「プロセッサ810を備えた電子デバイス800」において、「プロセッサ810は、基準点ロケータ888、LPP/LPPeエンジン880を備え」、「LPP/LPPeエンジン880は、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成され」、「デバイス800により」、「ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバから受信される提供支援データメッセージ404を処理するように構成され」、「基準点ロケータ888は、支援データ204を受信」するものである。
そうすると、引用発明は、「移動体デバイス102」「に対応」する「電子デバイス800」が備える「プロセッサ810」が、「基準点ロケータ888、LPP/LPPeエンジン880を備え」、「LPP/LPPeエンジン880は、LPP/LPPe通信プロトコルを介して、遠隔ロケーションサーバとの通信を可能にするように構成され」、「デバイス800により」、「ロケーションサーバ130のようなロケーションサーバから受信される提供支援データメッセージ404を処理するように構成され」、「基準点ロケータ888は、支援データ204を受信」することにより、「移動体デバイス102」が、「要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130」から「送」られる、「支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404」「を受信」するものであるといえ、このことは、上記アを踏まえると、本願発明1の「前記回路は第1の局に」、「前記第2の局からLCI報告を受信させ」ることと、「前記回路は第1の局に、報告を受信させ」る点で共通する。
ここで、引用発明における、「要求支援データメッセージ402に応答して、ロケーションサーバ130」から「送」られる、「支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404」が、本願発明1の「LCI報告」と、「報告」である点で共通する。

カ 引用発明では、「基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404」は、「基準点に対するWLAN APのロケーションの不確実性」「を提供する“relative-location”IE、を含」んでいる。
ここで、引用発明では、「支援データ134」は「基準点D156のような第1の基準点に対するアクセスポイント140および142に関する情報を含む」から、上記「基準点」には「基準点D156」が含まれており、その「第4の基準点“D”156は、第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いるものである。また、上記「WLAN AP」には「アクセスポイント」「142」が含まれる。
そして、引用文献Aの「[0050] ・・・any uncertainty (e.g. possible error) in this location ・・・」(【0041】・・・このロケーションにおける何らかの不確実性(例えば、可能性ある誤差)・・・)という記載からすると、引用発明におけるロケーションの「不確実性」とは、例えばロケーションの「誤差」のことを意味していると解される。
そうすると、引用発明において、「基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404」に含まれる、「基準点に対するWLAN APのロケーションの不確実性」「を提供する“relative-location”IE」は、「第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いる「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差「を提供する“relative-location”IE」であるといえる。この点について、引き続きキで検討する。

キ 引用発明の「第1のWLANアクセスポイント140」は、「第2のWLANアクセスポイント142」と異なるWLANアクセスポイントであって、上記イを踏まえると、本願発明1の「前記第2の局と異なる第3の局」に相当する。
そして、引用発明における、「第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いる「基準点D156」は、本願発明1における、「前記第2の局と異なる第3の局に対応」する「原点」に相当する。
また、引用発明における、その「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差は、上記イを踏まえると、本願発明1における「原点に対する前記第2の局の位置誤差」に相当する。
そして、引用発明における、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差「を提供する“relative-location”IE」は、本願発明1における「原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素」に相当する。
よって、引用発明における、「基準点情報を持つ支援データを含むLPP/LPPe提供支援データメッセージ404」に含まれる、「第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いる「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差「を提供する“relative-location”IE」は、上記オを踏まえると、本願発明1の「前記LCI報告は、原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応」することと、「前記報告は、原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応」する点で共通する。

ク 引用発明では、「移動体デバイス102はアクセスポイントのロケーションおよび送信特性を含む組み合わせられたデータを使用して」、「移動体デバイス102」の「相対ロケーション」を決定しているところ、「アクセスポイントのロケーションおよび送信特性を含む組み合わせられたデータ」には、上記カに記載した、「第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いる「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差、が含まれる。
また、引用発明の「移動体デバイス102」は、「移動体デバイス102」「に対応」する「電子デバイス800」が備える「プロセッサ810」により各種の動作を行っているから、「移動体デバイス102」が「移動体デバイス102」の「相対ロケーション」を決定することも、「移動体デバイス102」「に対応」する「電子デバイス800」が備える「プロセッサ810」が行っていることは明らかである。
そうすると、引用発明における、「移動体デバイス102」が、「移動体デバイス102」「に対応」する「電子デバイス800」が備える「プロセッサ810」により、「第1のWLANアクセスポイント140と同じ場所に位置付けられて」いる「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差、が含まれる「アクセスポイントのロケーションおよび送信特性を含む組み合わせられたデータを使用して」、「移動体デバイス102」の「相対ロケーション」を決定することは、上記ア及びキを踏まえると、本願発明1における、「前記回路は第1の局に」、「前記位置誤差に少なくとも部分的に基づき前記第1の局の位置を推定させる」ことに相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「回路を含む装置であって、前記回路は第1の局に、
要求を送信させ、前記要求は前記第2の局に対応する位置情報の位置要求の指示を有し、
報告を受信させ、前記報告は、原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応し、
前記位置誤差に少なくとも部分的に基づき前記第1の局の位置を推定させる、
装置。」

(相違点)
(相違点1)
「第1の局」が、「原点に対する前記第2の局の位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記第2の局と異なる第3の局に対応」する「報告を受信」するために、「要求を送信」するにあたって、
本願発明1では、第1の局は、「第2の局へ」要求を送信し、「前記第2の局から」報告を受信するのに対して、
引用発明では、UE102(移動体デバイス102)は、「ロケーションサーバ130に」LPP/LPPe要求支援データメッセージ402を送り、「ロケーションサーバ130」からLPP/LPPe提供支援データメッセージ404を受信する点。
(相違点2)
本願発明1では、要求が「LCI(Location Configuration Information)要求」で、報告が「LCI報告」であるのに対して、
引用発明では、要求が「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402」で、報告が「LPP/LPPe提供支援データメッセージ404」である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
ア 引用発明について
引用発明は、引用文献Aの[0005](【0005】)に記載されるように、「異なるタイプのロケーション関連情報(例えば、基地局のロケーション、Wi-Fiアクセスポイントのロケーション)とともに、異なるタイプのマップデータは、異なる情報プロバイダにより、異なる独占的レイアウトおよびデータ構造を使用して提供され」るような場合に、「移動体デバイスは、基地局のポジションをWi-Fiアクセスポイントのポジションと関係付けることができない」、「基地局またはWi-Fiアクセスポイントのポジションを、信号がどのように検出または測定されるかに影響を与えるかもしれない物理的なオブジェクトまたは構造(例えば、建物、壁、フロア)と関連付けることができない」ことを課題にするものであって、「共通基準点に基づいて、ロケーションデータの第1のセットをロケーションデータの第2のセットと空間的に調整して、第1の情報を第2の情報と関係付ける」([0007](【0007】))ためのものである。
したがって、引用発明において、「移動体デバイス102は、ロケーションサーバ130とのロケーションセッション132を介して、地理的なデータおよび/または支援データ134のような、情報を受信するように構成されて」([0041](【0032】))いるのは、共通基準点のような情報をロケーションサーバ130において集中的に管理する必要があるからと解されるところ、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差の情報を取得するために要求する、「LPP/LPPe要求支援データメッセージ402」を、「ロケーションサーバ130」に対してではなく、「アクセスポイント」「142」自身に対して送信して、「アクセスポイント」「142」自身から、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差の情報を取得する構成に変更することに、動機づけを見出すことができない。

イ 引用文献Bについて
引用文献Bに記載された周知技術は、要求局(本願発明1の「第1の局」に相当)から報告局(「第2の局」に相当)に「Remote LCI」要求(「LCI要求」に相当)を送信すると、その要求を受信した報告局(第2の局)が、報告局(第2の局)の位置を示すLCI報告を要求局(第1の局)に応答するものであるが、報告局(第2の局)の位置とは、引用発明でいうところの「基準点D156に対する」報告局の位置ではなく、また、その位置の誤差を報告するものでもない。
そして、第2の局の位置を示すLCI報告をするのを、第1の局が第2の局に要求するのが周知技術であったとしても、第2の局と異なる第3の局に対応する原点に対する第2の局の位置誤差を示すLCI報告をするのも、同様に第1の局が第2の局に要求するようにすることに、動機づけを見出すことはできない。
したがって、引用文献Bに記載された周知技術は、引用発明において、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差の情報を取得するのに、「アクセスポイント」「142」自身に対して要求することを動機づけるものではない。

ウ 引用文献Cについて
引用文献Cに記載された技術的事項における「基地局のエリア情報」は、「基地局の位置」と「基地局の位置の誤差に関する情報」であるが、「基地局の位置」は、引用発明でいうところの「基準点D156に対する」位置のようなものではない。また、「基地局のエリア情報」は、ネットワークに要求してネットワークから取得するものであって、取得したい「基地局のエリア情報」の対象の基地局を特定した上で、その基地局自身に対して要求して取得するものではない。
したがって、引用文献Cに記載された技術的事項は、引用発明において、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差の情報を取得するのに、「アクセスポイント」「142」自身に対して要求することを動機づけるものではない。

エ 引用文献Dについて
引用文献Dに記載された周知技術は、LCIに、緯度、経度、高度の位置情報とともに、誤差の量である不確かさを含め、また、DHCPクライアントが要求したときのみ、DHCPサーバーからLCIが返信されるものであるが、引用文献Dでの位置情報は、DHCPクライアントの位置情報であって、引用発明でいうところの「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションではなく、また、LCIの要求先も、引用文献DではDHCPサーバーであって、引用発明でいうところの「アクセスポイント」「142」ではない。
したがって、引用文献Dに記載された周知技術は、引用発明において、「基準点D156」に対する「アクセスポイント」「142」のロケーションの誤差の情報を取得するのに、「アクセスポイント」「142」自身に対して要求することを動機づけるものではない。

オ よって、相違点1に係る本願発明1の構成は、引用文献A-Dに基づいて当業者が容易に想到できた構成であるとはいえず、また、本願優先日前において周知技術であるともいえない。

(3)したがって、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-7について
本願発明2-7は、本願発明1を減縮した発明であり、相違点1に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明8について
本願発明8は、本願発明1に対応するコンピュータプログラムの発明であり、本願発明1の上記相違点1に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4.本願発明9-12、20について
本願発明9-12、20は、本願発明8を減縮した発明であり、本願発明8の、本願発明1の上記相違点1に係る構成に対応する構成、と同一の構成を備えるものであるから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5.本願発明13について
本願発明13は、アクセスポイント(AP)において実行される方法の発明であり、本願発明1の上記相違点1に係る構成に対応する、「モバイル装置から」「要求を受信するステップ」及び「前記」「要求に応答して、前記モバイル装置へ」「報告を送信するステップと、を有する方法」が「アクセスポイント(AP)において実行され」、「前記」「報告は、原点に対する前記APの位置誤差を示すよう構成される相対位置誤差部分要素を含み、前記原点は前記APと異なる局に対応する」、という構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。

6.本願発明14-19、21について
本願発明14-19、21は、本願発明13を減縮した発明であり、本願発明13の、本願発明1の上記相違点1に係る構成に対応する上記「5.」に記載した構成、と同一の構成を備えるものであるから、本願発明13と同じ理由により、当業者であっても、引用文献A-Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
以上のとおりであって、本願発明1-21は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献C、Dに基づいて容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由についての判断
以上のとおりであって、本願発明1-21は、当業者であっても、当審拒絶理由において引用された引用文献A、Bに基づいて容易に発明できたものとはいえない。したがって、当審拒絶理由を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由、当審拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-03-11 
出願番号 特願2016-544314(P2016-544314)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲高▼場 正光  
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 中村 説志
小林 紀史
発明の名称 モバイル装置の位置を推定する装置、システム、及び方法  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠彦  
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