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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01M
管理番号 1349561
審判番号 不服2018-5041  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-12 
確定日 2019-03-26 
事件の表示 特願2013-233350「リチウムイオン二次電池」拒絶査定不服審判事件〔平成27年5月18日出願公開、特開2015-95330、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年11月11日の出願であって、平成29年6月23日付けで拒絶の理由が通知され、これに対し、同年8月22日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものの、平成30年1月9日付けで拒絶査定がなされた。
本件は、これを不服として、同年4月12日に請求された拒絶査定不服審判である。

第2 本願発明
本願の請求項1?3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明3」という。)は、平成29年8月22日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、
電解液を含む電解質層と、
集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、
が順次積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含む発電要素がラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造を有するリチウムイオン二次電池において、
前記正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含み、
前記炭酸水素リチウムの含有量は、前記電解液の総質量に対し、3?14質量%である、リチウムイオン二次電池。
【請求項2】
前記炭酸水素リチウムの含有量は、前記電解液の総質量に対し、4?13質量%である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項3】
前記炭酸水素リチウムは、前記正極活物質の表面の少なくとも一部に存在する、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。」

第3 原査定の概要について
原査定は、請求項1?3に係る発明について、次の引用文献1?5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

<引用文献>
1 特開2005-259708号公報
2 特開2009-87655号公報
3 国際公開第12/090368号
4 特開平11-233143号公報
5 特開2007-157678号公報

第4 引用文献の記載事項及び引用発明
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2005-259708号公報)には、次の事項が記載されている(当審注:下線は、当審が付したもの。以下、同様)。
「【0005】
すなわち、本発明は下記の(1)?(12)の特徴を有する非水二次電池である。
(1)リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池であって、該正極および/または負極を構成する合剤中の空隙率が10%以上、45%以下であり、該非水電解質として、合計15体積%以上90体積%未満のジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル類および10体積%以上55体積%未満のエチレンカーボネートを少なくとも含有する混合溶媒に、濃度が0.6M以上1.5M以下となるようにLiPF_(6)及びLiBF_(4)を溶解した非水電解質を用いることを特徴とする非水二次電池。
(2)・・・(略)・・・
(3)該負極を構成する活物質が、周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素及びハロゲン元素の少なくとも1種を含む複合酸化物及び/又は複合カルコゲナイドを主体とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の非水二次電池。」
「【0013】
本発明の非水二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設して作ることが出来る。正・負極は、正極活物質あるいは負極材料を含む合剤層の他に、集電体と合剤層の密着や導電性の改良等の目的で導入する下塗り層層や、合剤層の機械的保護や化学的保護の目的で導入する保護層などを有してもよい。」
「【0020】
本発明で用いられる負極材料としては、軽金属イオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。特に、軽金属、軽金属合金、炭素質化合物、無機酸化物、無機カルコゲナイド、金属錯体、有機高分子化合物が好ましく、周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素の少なくとも1種を含む複合酸化物、複合カルコゲナイドを主体とすることが好ましい。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。例えば、軽金属と炭素質化合物、軽金属と無機酸化物、軽金属と炭素質化合物と無機酸化物の組み合わせなどが挙げられる。これらの負極材料は、高容量、高放電電位、高安全性、高サイクル性の効果を与えるので好ましい。」
「【0045】
電池の形状はコイン、ボタン、シート、シリンダー、偏平、角などいずれにも適用できる。
電池の形状がコインやボタンのときは、正極活物質や負極材料の合剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。そのペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められる。また、電池の形状がシート、シリンダー、角のとき、正極活物質や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。塗布方法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができる。そのなかでもブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、0.1?100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。また、塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1?2000μmが好ましい。10?500μmがより好ましく、特に20?250μmが好ましい。
【0046】
ペレットやシートの乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができる。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は80?350℃の範囲が好ましく、特に100?250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイクル性の点で好ましい。
ペレットやシートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2?3t/cm^(2 )が好ましい。合剤内に一定の空間を確保することにより、充放電に伴う活物質の膨張、収縮による合剤の膨張、収縮を防止することができる。このとき合剤膨張によるセパレーター破壊によって生じる内部短絡の発生を防止することができるので安全性、生産性の上で好ましい。従ってプレスによる合剤の圧縮は過度にならないことが好ましい。一方で合剤の圧縮が極度に不足すると、集電体・合剤間、あるいは合剤中の活物質間の導通がもはや不可能となるので好ましくない。好ましい合剤中の好ましい空隙率は構成する物質により異なるが、通常10%以上45%以下であり、18%以上35%以下がより好ましい。合剤の空隙率は水銀圧入法にて測定することができ、例えばポアサイザー9310型(島津製作所製商品名)を使用して測定することができる。
カレンダープレス法のプレス速度は、0.1?50m/分が好ましい。プレス温度は、室温?200℃が好ましい。正極シートに対する負極シートとの幅の比率は、0.9?1.1が好ましい。特に、0.95?1.0が好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定できる。
【0047】
該合剤シートとセパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させてもよい。また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは保護層の中あるいは電解質の中に含ませることができる。内圧を上げる化合物としては、Li_(2)CO_(3)、LiHCO_(3)、Na_(2)CO_(3)、NaHCO_(3)、CaCO_(3)、MgCO_(3)などの炭酸塩などがあげられる。
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。」

(2)引用文献1に記載された発明
ア 上記(1)には、「リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池」について記載されている。
イ 上記(1)の【0045】に、「電池の形状がシート・・・(略)・・・のとき、正極活物質や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる」と記載されていることから勘案すると、上記(1)の【0047】の冒頭に記載された「該合剤シート」は、上記(1)の【0046】の「正極シート」及び「負極シート」を意味すると解される。
ウ 一方、上記(1)の【0045】には、「電池の形状はコイン、ボタン、シート、シリンダー、偏平、角などいずれにも適用できる」と記載されており、この記載によれば、「電池の形状」が「シート」であるものも含まれている。
エ また、上記(1)の【0047】には、「該合剤シートとセパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。・・・(略)・・・安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。・・・(略)・・・また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは保護層の中あるいは電解質の中に含ませることができる。内圧を上げる化合物としては、・・・(略)・・・LiHCO_(3)・・・(略)・・・などの炭酸塩などがあげられる」と記載されている。
オ ここで、上記ウの記載は「電池の形状」として、「シート」が含まれており、「電池の形状」が「シート」であることは、技術常識に照らし、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造を意味するとも解される。
しかしながら、上記エのとおり、「電池缶を形成」したことが明記されており、しかも、上記エに記載の「電池内圧の上昇により電流を遮断する方式」を、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造に適用すると、内圧を上げようとしても、ラミネートフィルムが膨れるので内圧は上がりにくく電流が遮断しにくいと考えられることから、上記エに記載の「電池内圧の上昇により電流を遮断する方式」は、「電池缶」の形態であるものに適用される記載であって、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造であるものに適用される記載ではないと解するのが相当である。
カ 上記イ、エ、オより、「非水二次電池」は、「正極シート」、及び、「負極シート」と、「セパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて」形成した電池缶の形態で形成されたものであって、過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3)を電解液の中に含ませたものであるといえる。
キ 上記(1)の【0005】には、「負極を構成する活物質が、周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素及びハロゲン元素の少なくとも1種を含む複合酸化物及び/又は複合カルコゲナイドを主体とする」ことが記載されており、上記(1)の【0020】には、「本発明で用いられる負極材料としては、・・・(略)・・・周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素の少なくとも1種を含む複合酸化物、複合カルコゲナイドを主体とすることが好ましい」と記載されているから、これらの記載からすると、引用文献1に記載された「負極材料」には、「負極を構成する活物質」が含まれているといえる。
ク 上記(1)の【0045】には、「電池の形状がコインやボタンのときは、正極活物質や負極材料の合剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。・・・(略)・・・また、電池の形状がシート、シリンダー、角のとき、正極活物質や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる」と記載されており、上記(1)の【0046】には、「ペレットやシートの乾燥又は脱水方法としては、・・・(略)・・・ペレットやシートのプレス法は、・・・(略)・・・」と記載されているから、この記載の「シート」とは、「正極活物質や負極材料の合剤」が、「集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮され」たものであると解される。
ケ そして、この「シート」は、上記(1)の【0046】の「正極シート」及び「負極シート」を意味すると解されるから、上記イ及びウより、「正極シート」は、「正極活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられ、負極シートは、負極を構成する活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられるもの」である。
コ 以上、上記ア、カ、ケより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池であって、
正極シート、及び、負極シートを、セパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて形成した電池缶の形態で形成されたものであり、
過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3)を電解液の中に含ませたものであり、
正極シートは、正極活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられ、
負極シートは、負極を構成する活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられる、
非水二次電池。」

(3)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開平11-233143号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0037】本発明に用いられる負極材料は酸化物、および/またはカルコゲナイドである。
【0038】特に非晶質酸化物、および/またはカルコゲナイドが好ましい。ここで言う非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であり、さらに好ましくは5倍以下であり、特に好ましくは、結晶性の回折線を有さないことである。
【0039】本発明では中でも半金属元素の非晶質酸化物、および/またはカルコゲナイドが好ましく、周期律表第13(IIIB)族?15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、カルコゲナイドが選ばれる。
【0040】例えば、Ga_(2) O_(3) 、SiO、GeO、SnO、SnO_(2) 、PbO、PbO_(2)、Pb_(2) O_(3) 、Pb_(2) O_(4) 、Pb_(3 )O_(4 )、Sb_(2) O_(3) 、Sb_(2) O_(4) 、Sb_(2 )O_(5)、Bi_(2) O_(3) 、Bi_(2 )O_(4) 、SnSiO_(3) 、GeS、SnS、SnS_(2) 、PbS、PbS_(2) 、Sb_(2) S_(3) 、Sb_(2) S_(5) 、SnSiS_(3) などが好ましい。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、Li_(2) SnO_(2 )であってもよい。
【0041】本発明の負極材料においてはSn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物がさらに好ましく、中でも一般式(4)
SnM^(1) _(d) M^(2) _(e) O_(f)
(式中、M^(1) は、Al、B、P、Geから選ばれる少なくとも一種以上の元素、M^(2 )は周期律表第1(IA)族元素、第2(IIA)族元素、第3(IIIA)族元素、ハロゲン元素から選ばれる少なくとも一種以上の元素を表し、dは0.2以上2以下の数字、eは0.01以上1以下の数字で0.2<d+e<2、fは1以上6以下の数字を表す)で示される非晶質酸化物であることが好ましい。」
「【0048】本発明のSn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極材料に併せて用いることができる負極材料としては、リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が挙げられる。」
「【0052】リチウム金属やリチウム合金を併用する主要目的は、本発明で用いるSn、Si、Geを中心とした非晶質複合酸化物負極材料に電池内でリチウムを挿入させるためである。
【0053】本発明で用いられる正極活物質は可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物でも良いが、特にリチウム含有遷移金属酸化物が好ましい。」
「【0073】電池の形状はシート、角、シリンダーなどいずれにも適用できる。正極活物質や負極材料の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
【0074】塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができる。その中でもブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、0.1?100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。
【0075】また、塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1?2000μmが好ましい。
【0076】電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法は、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80?350℃の範囲が好ましく、特に100?250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることが好ましい。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2?3t/cm^(2)が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は0.1?50m/分が好ましく、プレス温度は室温?200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比は、0.9?1.1が好ましく、0.95?1.0が特に好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なる。
【0077】正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて角形電池を形成する。また、正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせ巻いた後シリンダー状缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いてシリンダー電池を形成する。この時、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。
【0078】また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは独立に接続させてもよい。
【0079】また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含ませることができる。内圧を上げる為に用いられる化合物の例としては、Li_(2) CO_(3) 、LiHCO_(3) 、Na_(2) CO_(3) 、NaHCO_(3) 、CaCO_(3) 、MgCO_(3) などの炭酸塩などを挙げることが出来る。
【0080】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。」

(4)引用文献2に記載された発明
ア 上記(3)の【0048】には、「本発明のSn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極材料に併せて用いることができる負極材料としては、リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が挙げられる」と、上記(3)の【0052】には、「リチウム金属やリチウム合金を併用する主要目的は、本発明で用いるSn、Si、Geを中心とした非晶質複合酸化物負極材料に電池内でリチウムを挿入させるためである」と、上記(3)の【0053】には、「本発明で用いられる正極活物質は可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物でも良いが、特にリチウム含有遷移金属酸化物が好ましい」と記載されているから、引用文献2に記載された「非水二次電池」は、リチウムイオン非水二次電池であるといえる。
イ 上記(3)の【0073】には、「電池の形状は・・・(略)・・・にも適用できる」と記載されており、この記載によれば、「電池の形状」が「シート」であるものも含まれている。
ウ また、上記(3)の【0077】には、「正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて角形電池を形成する」と、上記(3)の【0078】には、「安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる」と、上記(3)の【0079】には、「過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含ませることができる。内圧を上げる為に用いられる化合物の例としては、・・・(略)・・・LiHCO_(3) ・・・(略)・・などの炭酸塩などを挙げることが出来る」とそれぞれ記載されている。
エ ここで、上記イの記載は「電池の形状」として、「シート」が含まれており、「電池の形状」が「シート」であることは、技術常識に照らし、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造を意味するとも解される。
しかしながら、上記ウのとおり、「電池缶を形成」したことが明記されており、しかも、上記ウに記載の「電池内圧の上昇により電流を遮断する方式」を、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造に適用すると、内圧を上げようとしても、ラミネートフィルムが膨れるので内圧は上がりにくく電流が遮断しにくいと考えられることから、上記ウに記載の「電池内圧の上昇により電流を遮断する方式」は、「電池缶」の形態であるものに適用される記載であって、ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造であるものに適用される記載ではないと解するのが相当である。
オ 上記ウ、エより、「非水二次電池」は、「正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて」「形成」した「角形電池」であって、過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3) を電解液の中に含ませたものであるといえる。
カ 上記(3)の【0077】に記載された「正・負の電極シート」は、技術常識に照らせば、上記(3)の【0073】に記載された「正極活物質や負極材料の合剤」が、「集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮され」たものである。
キ 上記ア、オ、カより、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて形成した角形電池であって、
過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3) を電解液の中に含ませ、
正・負の電極シートは、正極活物質や負極材料の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されたものである、
リチウムイオン非水二次電池。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用発明1を主引用発明とする場合について
本願発明1と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池」は、本願発明1の「リチウムイオン二次電池」に相当する。
イ 引用発明1の「正極活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられ」る「正極シート」は、本願発明1の「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極」に相当する。
ウ 引用発明1の「負極を構成する活物質の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて用いられる」「負極シート」は、本願発明1の「集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極」に相当する。
エ 上記イ及びウに照らせば、引用発明1の「正極シート、及び、負極シートを、セパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて形成した電池缶の形態で形成されたものであ」る事項は、本願発明1の「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、電解液を含む電解質層と、集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、が順次積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含む発電要素」を有する事項に相当する。
オ 引用発明1の「LiHCO_(3) を電解液の中に含ませ」る事項は、本願発明1の「正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含」む事項に相当する。
カ 上記ア?オより、本願発明1と引用発明1とは、
「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、
電解液を含む電解質層と、
集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、
が順次積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池において、
前記正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含む、
リチウムイオン二次電池。」である点で一致し、下記a、bの相違点で相違する。

(相違点)
a 少なくとも1つの単電池層を含む発電要素が、本願発明1は、「ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造」であるのに対し、引用発明1は、「正極シート、及び、負極シートを、セパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて形成した電池缶の形態で形成されたものであ」って、ラミネートフィルムからなる外装体を有さない点。
b 「炭酸水素リチウムの含有量」が、本願発明1は、「電解液の総質量に対し、3?14質量%である」のに対し、引用発明1は、LiHCO_(3)の含有量が不明である点。

キ 事案に鑑みて、まず、上記bの相違点について検討する。
ク 引用発明1は、「過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3)を電解液の中に含ませたものであ」るのに対し、本願明細書の記載によれば、本願発明1は、「電池が高温になった場合に、炭酸水素リチウムが熱分解して水(H_(2)O)を発生させ」、「当該水が電解液中の支持塩を加水分解することにより、電解液中の支持塩濃度が低下し、電池の温度上昇を抑制する」(【0011】)ために、「正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含」ませるものであって、両者は、炭酸水素リチウムを含ませる目的が異なるものである。
ケ そして、本願明細書の記載によれば、本願発明1は、「炭酸水素リチウムの含有量は、電解液の総質量に対し、3?14質量%であり」、「当該炭酸水素リチウムの含有量が3質量%以上であると、電池温度の上昇を効果的に抑制することができ、14質量%以下であると、電池抵抗の上昇を抑制することができる」(【0079】)ものである。
コ そうすると、「過充電の際に内圧を上げて電流を遮断する」という目的のために、「LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」る引用発明1において、どの程度の量の「LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」ればよいのか示唆する記載が引用文献1には存在しないし、また、上記目的を差し置いて、電池温度の上昇を効果的に抑制することができ、かつ、電池抵抗の上昇を抑制するという別の目的のために炭酸水素リチウムの含有量を設定することはしないといえるから、引用発明1において、LiHCO_(3)の含有量を電解液の総質量に対し、3?14質量%とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
サ したがって、引用発明1において、上記bの相違点に係る本願発明1の発明特定事項を想到することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
シ よって、上記aの相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)引用発明2を主引用発明とする場合について
本願発明1と引用発明2とを対比する。
ア 引用発明2の「リチウムイオン非水二次電池」は、本願発明1の「リチウムイオン二次電池」に相当する。
イ 引用発明2の「負極材料」は、引用文献2の記載によれば、「SiO」、「SnO_(2) 」(【0040】)を含むものであって、これらの材料は、本願明細書の「好ましい負極活物質としては、・・・(略)・・・SiO、SnO_(2)などの金属酸化物・・・(略)・・・などが挙げられる」(【0036】)との記載によれば、本願発明の「負極活物質」と同一の物質であるから、引用発明2の「負極材料」は本願発明1の「負極活物質」に相当する。
ウ そうすると、引用発明2の「正極活物質や負極材料の合剤が集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されたものである」「正・負の電極シート」は、本願発明1の「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極」及び「集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極」に相当する。
エ 上記ウに照らせば、引用発明2の「正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて形成した角形電池であ」る事項は、本願発明1の「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、電解液を含む電解質層と、集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、が順次積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含む発電要素」を有する事項に相当する。
オ 引用発明2の「LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」る事項は、本願発明1の「正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含」む事項に相当する。
カ 上記ア?オより、本願発明1と引用発明2とは、
「集電体の表面に、正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、
電解液を含む電解質層と、
集電体の表面に、負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、
が順次積層されてなる少なくとも1つの単電池層を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池において、
前記正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含む、
リチウムイオン二次電池。」である点で一致し、下記c、dの相違点で相違する。

(相違点)
c 少なくとも1つの単電池層を含む発電要素が、本願発明1は、「ラミネートフィルムからなる電池外装体の内部に封止された構造」であるのに対し、引用発明2は、「正・負の電極シートをセパレーターを介して重ね合わせた後、そのままシート状電池に加工したり、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入し、封口板を用いて形成した角形電池であ」って、ラミネートフィルムからなる外装体を有さない点。
d 「炭酸水素リチウムの含有量」が、本願発明1は、「電解液の総質量に対し、3?14質量%である」のに対し、引用発明2は、LiHCO_(3)の含有量が不明である点。

キ 事案に鑑みて、まず、上記dの相違点について検討する。
ク 引用発明2は、「過充電の際に内圧を上げて電流を遮断するために、LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」たものであるのに対し、本願明細書の記載によれば、本願発明1は、「電池が高温になった場合に、炭酸水素リチウムが熱分解して水(H_(2)O)を発生させ」、「当該水が電解液中の支持塩を加水分解することにより、電解液中の支持塩濃度が低下し、電池の温度上昇を抑制する」(【0011】)ために、「正極活物質層、前記負極活物質層、または前記電解質層は炭酸水素リチウムを含」ませるものであって、両者は、炭酸水素リチウムを含ませる目的が異なるものである。
ケ そして、本願明細書の記載によれば、本願発明1は、「炭酸水素リチウムの含有量は、電解液の総質量に対し、3?14質量%であり」「当該炭酸水素リチウムの含有量が3質量%以上であると、電池温度の上昇を効果的に抑制することができ、14質量%以下であると、電池抵抗の上昇を抑制することができる」(【0079】)ものである。
コ そうすると、「過充電の際に内圧を上げて電流を遮断する」という目的のために、「LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」る引用発明2において、どの程度の量の「LiHCO_(3)を電解液の中に含ませ」ればよいのか示唆する記載が引用文献2には存在しないし、また、上記目的を差し置いて、電池温度の上昇を効果的に抑制することができ、かつ、電池抵抗の上昇を抑制するという別の目的のために炭酸水素リチウムの含有量を設定することはしないといえるから、引用発明2において、LiHCO_(3)の含有量を電解液の総質量に対し、3?14質量%とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
サ したがって、引用発明2において、上記dの相違点に係る本願発明1の発明特定事項を想到することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。
シ よって、上記cの相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2、3について
本願発明2、3は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものであって、本願発明2、3と引用発明1、2とは、少なくとも上記a及びb又は上記c及びdの相違点で相違するものであるから、上記1の(1)のキ?シ及び(2)のキ?シで検討した理由と同様の理由により、本願発明2、3は、引用発明1または2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願請求項1?3に係る発明は、当業者が引用文献1に記載された発明または引用文献2に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-03-11 
出願番号 特願2013-233350(P2013-233350)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 赤樫 祐樹  
特許庁審判長 池渕 立
特許庁審判官 土屋 知久
▲辻▼ 弘輔
発明の名称 リチウムイオン二次電池  
代理人 八田国際特許業務法人  

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