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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E06B
管理番号 1349998
審判番号 不服2018-2836  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-28 
確定日 2019-03-14 
事件の表示 特願2014-154604「横型ブラインド」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月 7日出願公開、特開2016- 30985〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 7月13日:拒絶理由通知書(起案日)
平成28年11月11日:意見書
平成29年 4月 5日:拒絶理由通知書(起案日)
平成29年 6月 9日:意見書
平成29年11月22日:拒絶査定(起案日)
(謄本送達日:平成29年12月5日)
平成30年 2月28日:審判請求書
平成30年 3月23日:手続補正書(方式、審判請求書)


第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、「本願発明1」などという。)。

「【請求項1】
下端部をボトムレールに接続させた状態でヘッドボックス内のドラムから垂下された第1及び第2の縦糸と当該第1及び第2の縦糸間に接続された第1及び第2の横糸により各段のスラットを支持するラダーコードと、
上記第1の縦糸に近接させ且つ下端部を上記ボトムレールに接続させた状態で上記ヘッドボックス内から垂下された昇降コードと、
上記スラットを水平に保持して昇降可能な水平昇降機構と
を備える横型ブラインドであって、
上記昇降コード側に開口する切り欠き部を、上記スラットの幅方向の縁部であって且つスラットの水平時に上記昇降コードを収納可能な部位に設け、
水平昇降機構を、上記各段のスラットが水平になる角度に上記ラダーコードのドラムを回転させることができる第1の機構部と、上記昇降コードをヘッドボックスから引き出し又は引き戻して上記ボトムレールを昇降させることができる第2の機構部と、これら第1及び第2の機構のいずれか一方を駆動させることができる第3の機構部とで構成した、
ことを特徴とする横型ブラインド。

【請求項2】
請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、
ラダーコードの第1及び第2の横糸を交差させ、上記切り欠き部を当該第1及び第2の横糸の交差部側に向けた状態で、各段のスラットを第1及び第2の横糸間に挿入し、
上記昇降コードを上記第1及び第2の横糸の交差部と第1の縦糸との間隙に挿通させた、
ことを特徴とする横型ブラインド。」


第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1ないし5に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1 特開昭48-50546号公報
引用文献2 特開2013-227841号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3 国際公開第2013/187369号(周知技術を示す文献)
引用文献4 特開2012-107507号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5 特開2011-252265号公報(周知技術を示す文献)


第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開昭48-50546号公報)には、次の事項が記載されている(下線は審決で付与した。以下同様。)。

(1) 「2.特許請求の範囲
本文に詳記するように、ブラインドの上函体の作動軸を操作函内に横架してこれに外径及び歯巾の大きい歯車を中間にしてその両側方に外径及び歯巾の小さい歯車を固着し、作動軸と平行して操作函内に駆動軸、螺軸及び副軸を横架し、駆動軸を左回又は右回することによりこれに楔合した歯車をもつて螺軸に螺合して進退する歯車を回転し、この螺合歯車が螺軸に沿つて進行しつゝ副軸上の歯車を介し作動軸上の歯巾の小さい歯車を回転して作動軸を90度回動し、さらに螺合歯車が作動軸上の歯巾の大きい歯車と直接噛合して作動軸を前記と反対方向に180度回動させて上函体の作動軸に装置したドラムの梯子状吊テープに掛架するブラインドの翼板を左方又は右方に転向すると共に水平位置とした状態で昇降コードを作動するようにしたブラインドの翼板の水平昇降装置。」(1頁左欄3行から最下行)

(2) 「3.発明の詳細な説明
本発明は横型ブラインドの各翼板を左方及び右方の両方向に転向できるようにすると共に昇降の際には各翼板を確実に水平方向に位置したのちに昇降するようにした翼板の水平昇降装置に関するものである。従来の横型ブラインドは翼板を傾斜状態に転向したまゝ昇降する形式のものが多く、各翼板の通孔を貫通する昇降コードは翼板が傾斜していることによつて摩擦抵抗を受けて軽快に昇降することができない欠点があつたが、本発明は翼板の昇降を行うときには必ず各翼板は水平方向に転向しており昇降コードは各翼板の通孔に対して殆んど接触せず抵抗を受けることなく円滑に昇降することができ、さらに従来は昇降コードに強度を与える必要上鋼板バンドを使用していたが、本発明の装置では繊維糸条編紐を使用することが可能であつて、ブラインドの使用中に昇降コードが目障りとならず室内装備品としての体裁を佳良にすることができる等の特長を有するものである。
図面に示す実施例について、横型ブラインドを装備する窓枠の上側に取着けた上函体1の一端に操作函2を連設し、上函体1内に横架した翼板転向用の作動軸3を延長して操作函2内に横貫して軸支し、操作函2内の作動軸3に外径及び歯巾を大きく形成した歯車4を固着すると共にその両側方に若干の間隔をもつて外径及び歯巾の小さい歯車5,6を固着する。
操作函2に作動軸3と平行して駆動軸7、螺軸8及び副軸9を横架軸支し、駆動軸7は一端を操作函2外に突出してチエーンホイール10を固着し、チエーンホイール10に懸架したポールチエーン11を操作して駆動軸7を左回又は右回する。
駆動軸7は角軸であつてこれに楔合する角孔を形成した軸承体12に両側面に円鍔13を有する歯車14を装着すると共に歯車14に噛合する歯車15を螺軸8に螺合する。歯車15は歯車14の両側面の円鍔13間に挾入されており、駆動軸7の左回又は右回により歯車14と噛合する歯車15が右回又は左回し、歯車15が螺軸8と螺合して前進又は後退すると共に歯車14は円鍔13により駆動軸7に沿つて前進又は後退して両歯車14,15は常に噛合状態を保持する。いま歯車15が第3図に示す位置から左方に進行し始め副軸9に固着した歯車16と噛合を開始すると歯車16を回転すると共に歯車16に噛合する作動軸3の一方の外径及び歯巾の小さい歯車5を例えば矢方向に回動し、歯車15の進行により歯車16との噛合を終える間に歯車5と共に作動軸3を矢方向に90度回動するように螺軸8のピツチと対応して、歯車16及び歯車5の歯数と歯巾を決定する。次いで歯車15がさらに螺軸8に沿つて進行して作動軸3に固着した外径及び歯巾の広い歯車4と直接噛合を開始すると歯車4は歯車5と反対の矢方向に回動し、歯車15,4の噛合を終える間に歯車4と共に作動軸3を矢方向に180度回動するように前記と同様に歯車4の歯数と歯巾を決定する。次いで歯車15が副軸9の歯車16aを介して作動軸3の他方の外径及び歯巾の小さい歯車6を歯車5と同方向の矢方向に回動し、歯車15,16aの噛合を終える間に歯車6と共に作動軸3を矢方向に90度回動するように歯車16a及び歯車6の歯数、歯巾を決定する。
歯車15が歯車16aとの噛合を終えてなお螺軸8に沿つて進行したときに歯車15は螺軸8の端末の円軸8aに緩るく軸嵌したクラツチ歯車17と接触し、両歯車15,17は一体的の回転を行つて歯車17に噛合する作動軸3に緩るく軸嵌した歯車18を回転し、歯車18の軸筒の他端に装着した傘歯車19及び傘歯車19に噛合する傘歯車20に回転を伝動して公知形式の機構をもつて昇降コード21を昇降する。
なおブラインドの各翼板22の通孔に昇降コード21を挿通して下函25に連結し、各翼板22は転向用の梯子状吊テープ23に掛架し、吊テープ23の両側端末を作動軸3に装着したドラム24に巻回して止着する。
本発明は以上のように構成し、歯車15が第3図に示す始動位置にあるときブラインドの各翼板22が第5図に示すように水平位置を保つて下降しおり、チエーンホイール10に懸架したポールチエーン11の一方を引張つて駆動軸7を回転し、駆動軸7に楔合する歯車14に噛合つて回転する歯車15を螺軸8に対し螺入する方向に進行すれば、歯車15は副軸9の歯車16を経て作動軸3の歯車5を例えば左回し、作動軸3を90度左回してドラム24に止着した梯子状吊テープ23を傾動してブラインドの各翼板22は第6図に示すように左方へ転向して遮光状態となる。
次にポールチエーン11の引張りを続行すれば、歯車15は歯車4と直接噛合して作動軸3を180度右回する。従つてブラインドの翼板22は第6図に示す遮光位置から90度転向して一旦第5図に示す水平位置に戻り、さらに90度右回して第7図に示すように第6図と反対方向に転向した遮光状態となる。さらにポールチエーン11の引張りを続行し歯車15,16aを通じ歯車6を左回し作動軸3を90度左回することによりブラインドの翼板22は第8図に示す水平位置となり、この状態のまゝ歯車15がクラツチ歯車17と接触一体化して傘歯車19,20の連動により昇降コード21を引上げる。従つて本発明はブラインドの各翼板22が水平位置となつた状態で引上げられると共にポールチエーン11を同一方向に引張ることによつて翼板22を左方向にも右方向にも傾斜転向することができるものである。
昇降コード21は各翼板22の通孔を貫通して下端の函体35に止結されており、昇降コード21の引上げにより函体25が引上げられて各翼板22が順次に畳重するものであつて、各翼板22が水平位置となつているために昇降コード21は翼板22の通孔に殆んど接触せずに緩るく貫通し、昇降コード21の引上げに対し接触抵抗がなく軽快に作動する特長を有するものである。
次にポールチエーン11の他方を引張つて駆動軸7を逆回転すると歯車14と噛合する歯車15と共に歯車17,18を逆回転し、傘歯車19と噛合する傘歯車20の逆回転により昇降コード21を施め、歯車17,15のクラツチ分離により歯車17は円軸8aに対し自由回転する状態となり、歯車18、傘歯車19も自由回転しブラインドはその自重により昇降コード21を巻解いて下降するものであつて、このブラインドが下降する際にも各翼板22は水平状態を保つており、これを遮光状態にするには、ポールチエーン11の引張りを続行して螺軸8に螺合する歯車15によつて作動軸3の歯車6を90度回転し或は歯車4を180度回転すればよい。なお歯車5、6の外径を大きくして歯車8と直接噛合させ、歯車4の外径を小さくして歯車8と副軸上の歯車を介して連動させることも可能である。
本発明の水平昇降装置は以上のようにブラインドの翼板が水平位置を保つて昇降するため昇降コードの翼板の通孔に対する摩擦抵抗が殆んどなく極めて軽快に昇降することができ、昇降コードにナイロン等の繊維糸を編組した細紐を使用することができ、この細紐は翼板転向用の梯子状吊テープによつて隠されてブラインドの外観体裁を佳良にすることができる効果を有するものである。」(1頁右欄1行から3頁左下欄1行)

(3) 「4.図面の簡単な説明
図面は本発明の実施例を示し、第1図はブラインドの上函体の一部を操作函を縦断して示す側面図、第2図は第1図A-A断面図、第3図は上函体及び操作函の横断平面図、第4図は操作函の背面側を示す一部縦断面図、第5図は各翼板が水平位置となつているブラインドの概要図、第6図は各翼板を一方向に傾斜して遮光状態となつた概要図、第7図は各翼板を他方向に傾斜して遮光状態となつた概要図、第8図は各翼板が水平昇降する位置となつた概要図である。」(3頁左下欄2から12行)

(4) 第1図は次のものである。


(5) 第2図は次のものである。


(6) 第3図は次のものである。


(7) 第4図は次のものである。


(8) 第5図ないし第8図は次のものである。


(9) 上記(2)を参照して、上記(8)の第5図ないし第8図から、梯子状吊テープ23は、その下端が函体25に接続されていることが看取できる。
また上記(2)を参照して、上記(4)ないし(6)の第1図ないし第3図から、梯子状吊テープ23は、その上端の両側端末が上函体1内のドラム24に巻回されていることが看取できる。
また上記(2)を参照して、上記(5)及び(8)の第2図及び第5図ないし第8図から、梯子状吊テープ23は、各翼板22の両側に垂下されていることが看取できる。

(10) 上記(2)を参照して、上記(4)及び(5)の第1図及び第2図から、昇降コード21は、上函体1内から垂下されていることが看取できる。

(11) 以上(1)ないし(10)より、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「横型ブラインドの各翼板22を左方及び右方の両方向に転向できるようにすると共に昇降の際には各翼板22を確実に水平方向に位置したのちに昇降するようにした翼板22の水平昇降装置を有する横型ブラインドであって、

前記水平昇降装置は、
上函体1の一端に操作函2を連設し、上函体1内に横架した翼板転向用の作動軸3を延長して操作函2内に横貫して軸支し、操作函2内の作動軸3に外径及び歯巾を大きく形成した歯車4を固着すると共にその両側方に若干の間隔をもつて外径及び歯巾の小さい歯車5,6を固着し、
操作函2に作動軸3と平行して駆動軸7、螺軸8及び副軸9を横架軸支し、ポールチエーン11を操作して駆動軸7を回し、
駆動軸7は歯車14を装着すると共に歯車14に噛合する歯車15を螺軸8に螺合し、駆動軸7が回ることにより歯車14と噛合する歯車15が回り、歯車15が螺軸8と螺合して前進又は後退すると共に歯車14は駆動軸7に沿つて前進又は後退して両歯車14,15は常に噛合状態を保持し、
歯車15が進行し始め副軸9に固着した歯車16と噛合を開始すると歯車16を回転すると共に歯車16に噛合する作動軸3の一方の外径及び歯巾の小さい歯車5を回動し、歯車15の進行により歯車16との噛合を終える間に歯車5と共に作動軸3を90度回動し、
次いで歯車15がさらに螺軸8に沿つて進行して作動軸3に固着した外径及び歯巾の広い歯車4と直接噛合を開始すると歯車4は歯車5と反対方向に回動し、歯車15,4の噛合を終える間に歯車4と共に作動軸3を180度回動し、
次いで歯車15が副軸9の歯車16aを介して作動軸3の他方の外径及び歯巾の小さい歯車6を歯車5と同方向に回動し、歯車15,16aの噛合を終える間に歯車6と共に作動軸3を90度回動し、
歯車15が歯車16aとの噛合を終えてなお螺軸8に沿つて進行したときに歯車15は螺軸8の端末の円軸8aに緩るく軸嵌したクラツチ歯車17と接触し、両歯車15,17は一体的の回転を行つて歯車17に噛合する作動軸3に緩るく軸嵌した歯車18を回転し、歯車18の軸筒の他端に装着した傘歯車19及び傘歯車19に噛合する傘歯車20に回転を伝動して昇降コード21を昇降するもので、
また、ブラインドの各翼板22の通孔に、上函体1内から垂下される昇降コード21を挿通して下函25に連結し、各翼板22は転向用の梯子状吊テープ23に掛架し、
梯子状吊テープ23は、各翼板22の両側に垂下されており、その上端の両側端末が上函体1内の作動軸3に装着したドラム24に巻回して止着され、下端が函体25に接続される、
というものであって、

各翼板22は、歯車15が始動位置にあるとき、水平位置を保つて下降しており、
ポールチエーン11の一方を引張つて駆動軸7を回転し、駆動軸7に楔合する歯車14に噛合つて回転する歯車15を螺軸8に対し進行すれば、歯車15は副軸9の歯車16を経て作動軸3の歯車5を回し、作動軸3を90度回してドラム24に止着した梯子状吊テープ23を傾動させるため、各翼板22は水平位置から転向して遮光状態となり、
次にポールチエーン11の引張りを続行すれば、歯車15は歯車4と直接噛合して作動軸3を180度回すため、各翼板22は遮光位置から90度転向して水平位置を経てさらに90度回って反対方向に転向した遮光状態となり、
さらにポールチエーン11の引張りを続行し歯車15,16aを通じ歯車6を回し作動軸3を90度回すことにより、各翼板22は水平位置となり、この状態のまゝ歯車15がクラツチ歯車17と接触一体化して傘歯車19,20の連動により昇降コード21を引上げるので、各翼板22が水平位置となつた状態で引上げられ、
次にポールチエーン11の他方を引張つて駆動軸7を逆回転すると歯車14と噛合する歯車15と共に歯車17,18を逆回転し、傘歯車19と噛合する傘歯車20の逆回転により昇降コード21を施め、歯車17,15のクラツチ分離により歯車17は円軸8aに対し自由回転する状態となり、歯車18、傘歯車19も自由回転しブラインドはその自重により昇降コード21を巻解いて下降するものであつて、このブラインドが下降する際にも各翼板22は水平状態を保つ、

水平昇降装置を有する横型ブラインド。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2013-227841号公報)には、次の事項が記載されている。

(1) 「【請求項1】ヘッドボックスから吊下支持される複数本のラダーコードにスラットをそれぞれのラダーコードの各段で縦糸間に設けた横糸にて支持し、操作装置の操作により前記ラダーコードを介して前記スラットを回動可能とするとともに、昇降コードを昇降して前記スラットを昇降操作可能とした横型ブラインドであって、
前記ラダーコードの各段の縦糸間に、閉空間を形成し該閉空間に前記昇降コードを挿通することを特徴とする横型ブラインド。
【請求項2】請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、
前記各段に設けた横糸は、前記2本の縦糸間に連結された2本からなる横糸であって、2本の横糸を互いに交差する状態で前記2本の縦糸間に連結されて交差部を形成するものであり、
前記昇降コードを挿通する閉空間は、前記交差部、前記一方の縦糸及び前記2本の横糸とで形成された空間に、上から見て2本の横糸が交差する状態で昇降コードを挿入したときにできる閉空間であることを特徴する横型ブラインド。」

(2) 「【0004】このような横型ブラインドの一種類として、複数本の昇降コードをスラットに挿通することなく、スラットの前方及び後方に吊下支持して、ボトムレールを昇降可能としたものがある。
【0005】このような構成とすることにより、各スラットに昇降コード挿通孔を設ける必要がないので、その挿通孔からの光漏れが生じることはない。」

(3) 図1は次のものである。


3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(国際公開第2013/187369号)には、次の事項が記載されている。

(1) 「[0004]このような横型ブラインドの一種類として、複数本の昇降コードをスラットに挿通することなく、スラットの前方及び後方に吊下支持して、ボトムレールを昇降可能としたものがある。
[0005]このような構成とすることにより、各スラットに昇降コード挿通孔を設ける必要がないので、その挿通孔からの光漏れが生じることはない。また、各スラットに昇降コードが挿通されないので、スラットの全閉操作時に各スラットをほぼ垂直方向まで回動させることができるので、遮光性を向上させることができる。」

(2) 「[0035]図3に示すように、前記ラダーコード2は、一対の縦糸15a,15bと、縦糸15a,15b間に複数の段を形成する横糸とを有する。各段の横糸は、前記スラット3を支持するための2本ずつの横糸16a,16b(一組の横糸)からなる。」

(3) 図6は次のものである。


4 引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2012-107507号公報)には、次の事項が記載されている。

(1) 「【0002】多数の整列状態に保持されたスラットを有する横型ブラインドにおいては、スラットを昇降させるための昇降コードが、スラットの前後方向中心部に形成された昇降コード挿通孔を挿通して、各スラットを通過した昇降コードの一端がスラットの下方に設けられたボトムレールに連結されており、ボトムレールを昇降コードで昇降させることで、スラットを昇降するものが一般的である。
【0003】これに対して、スラットの前後方向中心部からオフセットされた位置に昇降コードを配設したものとしては、特許文献1及び特許文献2に示される横型ブラインドが知られている。
【0004】特許文献1に示される横型ブラインドは、スラット夫々に、ラダーコードの両側上下方向コードが係合する側縁切欠きを形成し、両側上下方向コードと切欠きの係合によりスラット長尺方向の位置決め、ズレ止めをなし、少なくとも1本の昇降用コードを横型ブラインドの前後方向片側に位置させるとともに、他の昇降用コードは横型ブラインドの前後方向反対側に位置させ、更にこれら昇降用コードをラダーコードの上下方向コードに添設させて、上下方向コードから延出されたループにそれぞれ挿通させて、ボトムレールに一端を連結している。また、昇降用コードの他端をヘッドボックス内でガイドローラ等によって長尺方向の一端部に導き、ストッパ装置を介して外部に導出するものであり、ヘッドボックスから導出された昇降用コードを引き下げ操作することにより、ボトムレールが上昇し、このボトムレールによって下から順次スラットを畳み込み、一方、昇降用コードを操作してストッパ装置を解除することにより、ボトムレール及びスラットの自重により、これらが下降するようになっている。
【0005】このように、特許文献1記載のものでは、昇降用コードがスラットの側縁部に位置し、スラットに昇降用コードが挿通する孔が形成されないため、遮蔽時における光漏れを防止することができるとともに、昇降用コードを前後方向に分散配置することによって、ボトムレールが傾くことを防止することができる。」

(2) 「【0033】各昇降ドラム20の配置位置からヘッドボックス10の下方に、ラダーコード16がそれぞれ垂下しており、各ラダーコード16は回転軸12の所定範囲角度の回転に連動して傾動するようになっている。各ラダーコード16は、ヘッドボックス10の前後方向に所定間隔を空けてそれぞれ垂下する前後の垂直コード16a及び16bと、上下方向に所定間隔を空けた位置において前後の垂直コード16a及び16b間に架設される中段コード16cとから成る。各中段コード16cは、さらに、一対の僅かに上下に離れた上下コードから成る。」

(3) 図15は次のものである。


(4) 図16は次のものである。


5 引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開2011-252265号公報)には、次の事項が記載されている。

(1) 「【0002】多数の整列状態に保持されたスラットを有する横型ブラインドにおいては、スラットを昇降させるための昇降コードが、スラットの前後方向中心部に形成された昇降コード挿通孔を挿通して、各スラットを通過した昇降コードの一端がスラットの下方に設けられたボトムレールに連結されており、ボトムレールを昇降コードで昇降させることで、スラットを昇降するものが一般的である。
【0003】これに対して、スラットの前後方向中心部からオフセットされた位置に昇降コードを配設したものとしては、特許文献1及び特許文献2に示される横型ブラインドが知られている。
【0004】特許文献1に示される横型ブラインドは、スラット夫々に、ラダーコードの両側上下方向コードが係合する側縁切欠きを形成し、両側上下方向コードと切欠きの係合によりスラット長尺方向の位置決め、ズレ止めをなし、少なくとも1本の昇降用コードを横型ブラインドの前後方向片側に位置させるとともに、他の昇降用コードは横型ブラインドの前後方向反対側に位置させ、更にこれら昇降用コードをラダーコードの上下方向コードに添設させて、上下方向コードから延出されたループにそれぞれ挿通させて、ボトムレールに一端を連結している。また、昇降用コードの他端をヘッドボックス内でガイドローラ等によって長尺方向の一端部に導き、ストッパ装置を介して外部に導出するものであり、ヘッドボックスから導出された昇降用コードを引き下げ操作することにより、ボトムレールが上昇し、このボトムレールによって下から順次スラットを畳み込み、一方、昇降用コードを操作してストッパ装置を解除することにより、ボトムレール及びスラットの自重により、これらが下降するようになっている。
【0005】このように、特許文献1記載のものでは、昇降用コードがスラットの側縁部に位置し、スラットに昇降用コードが挿通する孔が形成されないため、遮蔽時における光漏れを防止することができるとともに、昇降用コードを前後方向に分散配置することによって、ボトムレールが傾くことを防止することができる。」

(2) 「【0035】各昇降ドラム20の配置位置からヘッドボックス10の下方に、ラダーコード16がそれぞれ垂下しており、各ラダーコード16は回転軸12の所定範囲角度の回転に連動して傾動するようになっている。各ラダーコード16は、ヘッドボックス10の前後方向に所定間隔を空けてそれぞれ垂下する前後の垂直コード16a及び16bと、上下方向に所定間隔を空けた位置において前後の垂直コード16a及び16b間に架設される中段コード16cとから成る。各中段コード16cは、さらに、一対の僅かに上下に離れた上下コードから成る。」

(3) 図15は次のものである。


(4) 図16は次のものである。


第5 対比
本願発明1と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。

(1) 引用発明の「横型ブラインド」とその「翼板」は、本願発明1の「横型ブラインド」とその「スラット」に相当する。
よって、引用発明の「各翼板22を確実に水平方向に位置したのちに昇降するようにした翼板22の水平昇降装置を有する横型ブラインド」は、本願発明1の「上記スラットを水平に保持して昇降可能な水平昇降機構」「を備える横型ブラインド」に相当する。

(2) 引用発明の「函体25」、「上函体1」は、それぞれ本願発明1の「ボトムレール」、「ヘッドボックス」に相当し、引用発明の「上函体1内の作動軸3に装着したドラム24」は、本願発明1の「ヘッドボックス内のドラム」に相当する。
また、引用発明の、各翼板22が掛架される「転向用の梯子状吊テープ23」は、本願発明1の「各段のスラットを支持するラダーコード」に相当し、引用発明で「梯子状吊テープ23」が「各翼板22の両側に垂下されて」いることは、本願発明1で「ラダーコード」が「第1及び第2の縦糸」を有することに相当する。
さらに、引用発明の梯子状吊テープ23はラダー状(「梯子状」)であるから、本願発明1のラダーコードと、第1及び第2の縦糸間に接続された横糸を有する点で共通すると解される。
以上より、引用発明の、各翼板22が掛架され、「各翼板22の両側に垂下されており、その上端の両側端末が上函体1内の作動軸3に装着したドラム24に巻回して止着され、下端が函体25に接続される」梯子状吊テープ23と、
本願発明1の「下端部をボトムレールに接続させた状態でヘッドボックス内のドラムから垂下された第1及び第2の縦糸と当該第1及び第2の縦糸間に接続された第1及び第2の横糸により各段のスラットを支持するラダーコード」とは、
「下端部をボトムレールに接続させた状態でヘッドボックス内のドラムから垂下された第1及び第2の縦糸と当該第1及び第2の縦糸間に接続された横糸により各段のスラットを支持するラダーコード」である点で共通する。

(3) 引用発明における「ブラインドの各翼板22の通孔に、上函体1内から垂下される昇降コード21を挿通して下函25に連結」される昇降コード21と、
本願発明1の「上記第1の縦糸に近接させ且つ下端部を上記ボトムレールに接続させた状態で上記ヘッドボックス内から垂下された昇降コード」とは、
「下端部を上記ボトムレールに接続させた状態で上記ヘッドボックス内から垂下された昇降コード」である点で共通する。

(4) 引用発明における水平昇降装置は、
「上函体1の一端に操作函2を連設し、上函体1内に横架した翼板転向用の作動軸3を延長して操作函2内に横貫して軸支し、操作函2内の作動軸3に外径及び歯巾を大きく形成した歯車4を固着すると共にその両側方に若干の間隔をもつて外径及び歯巾の小さい歯車5,6を固着し、
操作函2に作動軸3と平行して駆動軸7、螺軸8及び副軸9を横架軸支し、ポールチエーン11を操作して駆動軸7を回し、
駆動軸7は歯車14を装着すると共に歯車14に噛合する歯車15を螺軸8に螺合し、駆動軸7が回ることにより歯車14と噛合する歯車15が回り、歯車15が螺軸8と螺合して前進又は後退すると共に歯車14は駆動軸7に沿つて前進又は後退して両歯車14,15は常に噛合状態を保持し、
歯車15が進行し始め副軸9に固着した歯車16と噛合を開始すると歯車16を回転すると共に歯車16に噛合する作動軸3の一方の外径及び歯巾の小さい歯車5を回動し、歯車15の進行により歯車16との噛合を終える間に歯車5と共に作動軸3を90度回動し、
次いで歯車15がさらに螺軸8に沿つて進行して作動軸3に固着した外径及び歯巾の広い歯車4と直接噛合を開始すると歯車4は歯車5と反対方向に回動し、歯車15,4の噛合を終える間に歯車4と共に作動軸3を180度回動し、
次いで歯車15が副軸9の歯車16aを介して作動軸3の他方の外径及び歯巾の小さい歯車6を歯車5と同方向に回動し、歯車15,16aの噛合を終える間に歯車6と共に作動軸3を90度回動し、
歯車15が歯車16aとの噛合を終えてなお螺軸8に沿つて進行したときに歯車15は螺軸8の端末の円軸8aに緩るく軸嵌したクラツチ歯車17と接触し、両歯車15,17は一体的の回転を行つて歯車17に噛合する作動軸3に緩るく軸嵌した歯車18を回転し、歯車18の軸筒の他端に装着した傘歯車19及び傘歯車19に噛合する傘歯車20に回転を伝動して昇降コード21を昇降するもので、
また、ブラインドの各翼板22の通孔に、上函体1内から垂下される昇降コード21を挿通して下函25に連結し、各翼板22は転向用の梯子状吊テープ23に掛架し、
梯子状吊テープ23は、各翼板22の両側に垂下されており、その上端の両側端末が上函体1内の作動軸3に装着したドラム24に巻回して止着され、下端が函体25に接続される」との構成を備え、
「ポールチエーン11の一方を引張つて駆動軸7を回転し、駆動軸7に楔合する歯車14に噛合つて回転する歯車15を螺軸8に対し進行すれば、歯車15は副軸9の歯車16を経て作動軸3の歯車5を回し、作動軸3を90度回してドラム24に止着した梯子状吊テープ23を傾動させるため、各翼板22は水平位置から転向して遮光状態となり、
次にポールチエーン11の引張りを続行すれば、歯車15は歯車4と直接噛合して作動軸3を180度回すため、各翼板22は遮光位置から90度転向して水平位置を経てさらに90度回って反対方向に転向した遮光状態となり、
さらにポールチエーン11の引張りを続行し歯車15,16aを通じ歯車6を回し作動軸3を90度回すことにより、各翼板22は水平位置となり、この状態のまゝ歯車15がクラツチ歯車17と接触一体化して傘歯車19,20の連動により昇降コード21を引上げるので、各翼板22が水平位置となつた状態で引上げられ、
次にポールチエーン11の他方を引張つて駆動軸7を逆回転すると歯車14と噛合する歯車15と共に歯車17,18を逆回転し、傘歯車19と噛合する傘歯車20の逆回転により昇降コード21を施め、歯車17,15のクラツチ分離により歯車17は円軸8aに対し自由回転する状態となり、歯車18、傘歯車19も自由回転しブラインドはその自重により昇降コード21を巻解いて下降するものであつて、このブラインドが下降する際にも各翼板22は水平状態を保つ」ものであるから、
すなわち、ドラム24に止着した梯子状吊テープ23(ラダーコード)を傾動させて各翼板22(スラット)を水平に転向することができ、昇降コード21を上げ下げして下函25(ボトムレール)を昇降でき、各翼板22(スラット)の転向と下函22(ボトムレール)の昇降とを個別にできるものであるので、
本願発明1の「上記各段のスラットが水平になる角度に上記ラダーコードのドラムを回転させることができる第1の機構部と、上記昇降コードをヘッドボックスから引き出し又は引き戻して上記ボトムレールを昇降させることができる第2の機構部と、これら第1及び第2の機構のいずれか一方を駆動させることができる第3の機構部」に相当する構成を備えているといえる。
このことは、引用発明の水平昇降装置が本願発明1の第1ないし第3の機構部を備える水平昇降機構の実施例(本願明細書段落【0016】?【0021】及び図6、7を参照。)と同じであることからもいえる。

(5) 以上(1)ないし(4)から、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「下端部をボトムレールに接続させた状態でヘッドボックス内のドラムから垂下された第1及び第2の縦糸と当該第1及び第2の縦糸間に接続された横糸により各段のスラットを支持するラダーコードと、
下端部を上記ボトムレールに接続させた状態で上記ヘッドボックス内から垂下された昇降コードと、
上記スラットを水平に保持して昇降可能な水平昇降機構と
を備える横型ブラインドであって、
水平昇降機構を、上記各段のスラットが水平になる角度に上記ラダーコードのドラムを回転させることができる第1の機構部と、上記昇降コードをヘッドボックスから引き出し又は引き戻して上記ボトムレールを昇降させることができる第2の機構部と、これら第1及び第2の機構のいずれか一方を駆動させることができる第3の機構部とで構成した、
横型ブラインド。」

[相違点1]
ラダーコードの横糸について、本願発明1では「第1及び第2」の2つの横糸により各段のスラットを支持するのに対し、
引用発明では横糸が2つとは特定されていない点。

[相違点2]
昇降コードとスラットとの配置関係について、本願発明1では、昇降コードをラダーコードの「第1の縦糸に近接させ」、かつ「上記昇降コード側に開口する切り欠き部を、上記スラットの幅方向の縁部であって且つスラットの水平時に上記昇降コードを収納可能な部位に設け」るのに対し、
引用発明では昇降コード21が「各翼板22の通孔を挿通」する点。


第6 判断
1 相違点1について
横型ブラインドのラダーコードについて、2つの横糸で各段のスラットを支持する技術は本願出願前に周知である(引用文献2の【請求項1】、【請求項2】、引用文献3の[0035]、引用文献4の【0033】、または引用文献5【0035】等を参照。)
したがって、上記周知技術を適用して、引用発明の「梯子状吊テープ23」を、2つの横糸(「第1及び第2の横糸」)で各翼板22を支持するものとすることは、当業者が容易に想到できたことである。
以上のとおり、引用発明において、本願発明1の相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

2 相違点2について
(1) 検討
横型ブラインドの、昇降コードとスラットとの配置関係において、
昇降コードがスラット中の通孔を貫通する構成(引用発明、引用文献2の【0004】及び【0005】、引用文献3の[0004]及び[0005]、引用文献4の【0002】、または引用文献5の【0002】等を参照。)も、
昇降コードをラダーコードの縦糸に近接させ、スラットには、昇降コード側に開口する切り欠き部を、上記スラットの幅方向の縁部であって且つスラットの水平時に上記昇降コードを収納可能な部位に設ける構成(引用文献2の図1、引用文献3の図6、引用文献4の図15、図16、または引用文献5の図15、図16等を参照。)も、ともに本願出願前に周知であり、
加えて、昇降コードがスラット中の通孔を貫通する構成とするか、通孔を設けない構成とするかにおいて、前者の構成では該通孔から光漏れが生じ得るが、後者の構成では該通孔が存在しないのでそのような光漏れは生じ得なく、また、前者に比べて昇降構造が複雑であるという、両者のメリット、デメリットを考慮しての選択も周知であった(引用文献2の【0004】及び【0005】、引用文献3の[0004]及び[0005]、引用文献4の【0002】ないし【0005】、または引用文献5の【0002】ないし【0005】等を参照。)。
よって、昇降コードを、スラット中の通孔を貫通させるか、スラットの幅方向の端部に設けた切り欠き部を通すかは、そのメリット、デメリットを踏まえて、当業者が適宜選択し得る事項であるといえる。

(2) 請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」において、概ね、「切り欠きを有する横型ブラインド」(周知技術)と「水平昇降機構」(引用文献1)を組み合わせる動機等がない旨を主張している。
しかしながら、引用文献1に昇降コードがスラット中の通孔を貫通する構成以外の構成についての記載がないとしても、上記(1)で検討したとおり、横型ブラインドにおいて、昇降コードがスラット中の通孔を貫通する構成とするか、通孔を設けない構成とするかの選択があること自体周知であり、光漏れ防止の必要度合い等の両者のメリット、デメリットに応じて適した構成を選択することは、当業者の通常の創作能力の発揮以上のものではない。
よって、請求人の主張は採用できない。

(3) まとめ
以上のとおり、引用発明において、本願発明1の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

3 小括
したがって、本願発明1は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明することができたものである。


第7 むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-01-11 
結審通知日 2019-01-15 
審決日 2019-01-29 
出願番号 特願2014-154604(P2014-154604)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E06B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 家田 政明  
特許庁審判長 小野 忠悦
特許庁審判官 住田 秀弘
前川 慎喜
発明の名称 横型ブラインド  
代理人 奥野 彰彦  
代理人 SK特許業務法人  
代理人 伊藤 寛之  

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