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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1350044
審判番号 不服2017-16233  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-01 
確定日 2019-04-09 
事件の表示 特願2011-212336「ファイルをチャンク単位で分散処理するシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月12日出願公開、特開2012- 74039、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成23年9月28日(パリ条約による優先権主張2010年9月29日(以下,「優先日」という。);韓国)を出願日とする出願であって,平成27年9月25日付けで拒絶理由通知がされ,平成27年12月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ,平成28年5月25日付けで拒絶理由通知がされ,平成28年10月31日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ,平成29年3月9日付けで拒絶理由通知がされ,平成29年6月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ,平成29年6月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成29年11月1日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,平成30年8月23日付けで当審より拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,平成30年11月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。


第2 原査定の概要

原査定(平成29年6月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-11に係る発明は,以下の引用文献1ないし4に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.一圓 真澄,大規模配信向けクラスタストレージへのチャンク分割分散格納手法の実装と評価,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2008年7月29日,第108巻,第180号,pp.37-42
2.中田 秀基,クラウドコンピューティング,情報処理,日本,社団法人情報処理学会,2009年11月15日,第50巻,第11号,pp.1062-1067
3.特開2008-204206号公報
4.特開2003-58408号公報


第3 当審拒絶理由の概要

当審でなされた拒絶理由の概要は次のとおりである。

1.本願出願は,請求項1-3に係る特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.本願請求項1-3に係る発明は,以下の引用文献A及びBに基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2008-204206号公報(原査定時の引用文献3)
B.特開2003-58408号公報(原査定時の引用文献4)


第4 本願発明

本願請求項1-3に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は,平成30年11月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
第1のデータサーバ,第2のデータサーバ及び第3のデータサーバを含む複数のデータサーバを含む分散ファイルシステムにおいて,
前記複数のデータサーバの各々は,
ファイル処理システムから受信したファイルが分割されたチャンクに対する格納リクエストに対応して前記チャンクを含む複数のチャンクの複製がグループ化されたディレクトリの複製を格納するチャンク格納部と,
前記ファイル処理システムから受信したチャンクに対する演算リクエストに対応して前記ディレクトリの複製に含まれる前記チャンクの複製の演算を行うチャンク演算実行部と,
前記チャンクの複製をコピーするチャンクコピー部と,
前記チャンクの複製に対する書き込みロックを行うロック実行部と,
を備え,
前記分散ファイルシステムが前記第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,
前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない前記第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,
前記第3のデータサーバのチャンクコピー部は,前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,
前記第3のデータサーバのチャンク格納部は,再生成された前記チャンクの複製を格納し,
前記第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,前記第2のデータサーバ及び前記他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除し,
前記第3のデータサーバのチャンクコピー部によって前記チャンクの複製のコピーが完了する前に前記チャンクの複製に対して書き込み演算が要求された場合,前記第3のデータサーバは,前記チャンクの複製に対する書き込み演算が成功したものと応答し,前記書き込みロックの解除後,前記第3のデータサーバ,前記第2のデータサーバ及び前記他のデータサーバは,前記同一のチャンクの複製に対する書き込み演算を行い,
前記第1のデータサーバは前記第3のデータサーバとはお互い異なるディレクトリを持つチャンクの複製を格納する,ことを特徴とする分散ファイルシステム。
【請求項2】
第1のデータサーバ,第2のデータサーバ及び第3のデータサーバを含む複数のデータサーバを含む分散ファイルシステムが行う分散ファイル処理方法において,
前記複数のデータサーバの各々は,
ファイル処理システムから受信したファイルが分割されたチャンクに対する格納リクエストに対応して前記チャンクを含む複数のチャンクの複製がグループ化されたディレクトリの複製を格納し,
前記ファイル処理システムから受信した前記ディレクトリの複製に含まれるチャンクに対する演算リクエストに対応して前記チャンクの複製の演算を行い,
前記分散ファイルシステムが前記第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,
前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない前記第3のデータサーバが,前記同一のチャンク複製を格納している前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンク複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,
前記第3のデータサーバが前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,
前記第3のデータサーバが再生成された前記チャンクの複製を格納し,
前記チャンクの複製のコピーが完了すると,前記第3のデータサーバが,前記第2のデータサーバ及び前記他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除し,
前記第3のデータサーバのチャンクコピー部によって前記チャンクの複製のコピーが完了する前に前記チャンクの複製に対して書き込み演算が要求された場合,前記第3のデータサーバは,前記チャンクの複製に対する書き込み演算が成功したものと応答し,前記書き込みロックの解除後,前記第3のデータサーバ,前記第2のデータサーバ及び前記他のデータサーバは,前記同一のチャンクの複製に対する書き込み演算を行い,
前記第1のデータサーバは前記第3のデータサーバとはお互い異なるディレクトリを持つチャンクの複製を格納することを特徴とする分散ファイル処理方法。
【請求項3】
請求項2の方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み出し可能な記録媒体。」


第5 引用文献,引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(一圓 真澄,大規模配信向けクラスタストレージへのチャンク分割分散格納手法の実装と評価,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2008年7月29日,第108巻,第180号,pp.37-42)には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審により付与。以下同様。)

A 「3.チャンク分割分散格納
本章ではUSCで実装しているチャンク分割分散格納とその格納アルゴリズムについて説明する.
大容量映像コンテンツを格納する時は,特定オブジェクトサーバヘの負荷集中の回避,およびコンテンツあたりのスループット向上のために,コンテンツをチャンクに分割してそれをオブジェクトとしてオブジェクトサーバに分散格納する.この構成により特定コンテンツへのアクセス集中が発生しても,読み出し負荷が複数オブジェクトサーバに分散される.また,異なるチャンクへのアクセスであれば,オブジェクトサーバ数に比例してスループットが向上する.チャンクを複数のオブジェクトとして分散格納させることによって,コンテンツの信頼性およびシステムの可用性を向上させることが可能である.さらに冗長オブジェクトの選択方法を工夫することでスループットの向上が期待できる.
チャンク分割分散格納方式ではチャンク分割サイズ,チャンクのオブジェクトサーバヘの割り当て方式等がストレージシステム全体の性能に影響を及ぼす.」(第39頁右欄4?23行)

B 「


図4,5」

以上,上記A及びBの記載から,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「チャンク分割分散格納とその格納アルゴリズムを実装するストレージシステムであって,
コンテンツをチャンクに分割して,それをオブジェクトとしてオブジェクトサーバに分散格納することで,特定コンテンツへのアクセス集中が発生しても,読み出し負荷が複数のオブジェクトサーバに分散される,
ストレージシステム。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(中田 秀基,クラウドコンピューティング,情報処理,日本,社団法人情報処理学会,2009年11月15日,第50巻,第11号,pp.1062-1067)には,「ファイルをチャンクに分割し,チャンクサーバに格納するファイルシステムにおいて,各チャンクの複製を作成し,異なるチャンクサーバに格納し,あるチャンクサーバが停止した場合に,失われていないチャンクの複製から新たな複製を作成し,別のチャンクサーバに格納する」という技術的事項(特に,p.1062?1063 「Google File System」欄)が記載されている。

3.引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用され,当審拒絶理由通知にも引用された引用文献3(特開2008-204206号公報)の,特に【0014】,【0067】?【0072】,【0092】?【0094】,【0106】?【0115】,【0172】?【0179】,【0195】?【0207】の記載から,下記の発明(以下,「引用文献3記載事項」という)が記載されているといえる。

「コンテンツが複数の分割データに分割され,少なくとも1つの分割データに対応する複数の複製データが複数の記憶装置に格納されたデータ分散格納システムにおいて,
ホストと,複数の記憶装置と,チャンク管理部と,障害通知部と,複製処理部と,複製数計画部とを備え,
ホストは,複数の記憶装置に分散格納されたコンテンツにアクセスするデータ処理装置であり,
記憶装置は,各チャンクを格納する記憶装置であって,磁気記憶装置,光磁気記憶装置,不揮発性の半導体記憶装置,およびそれらのアレイ装置,並びにそれらを制御する制御装置を備えたサーバ装置によって実現され,また,それぞれを識別するための記憶装置IDが割り振られているものであり,
チャンク管理部は,コンテンツを構成する各チャンクに対応する複数の複製チャンクの配置先を管理するものであり,コンテンツを複数のチャンクに分割して,各チャンクに対しそれぞれ複数の配置先を決定して,その配置先を管理し,
前記チャンク管理部は,コンテンツ内における複数のチャンクを連結して1つのチャンクとして管理することも可能であり,記憶装置内においてチャンクを連結する方法としては,同じコンテンツを構成するチャンクのうち同じ記憶装置に記憶される複数のチャンクに対し,1つのチャンクアクセスIDを割り当てる方法があり,例えば,コンテンツをチャンクに分割した上で,そのチャンクを記憶装置に記憶させる際に,複製毎に異なるパターンで配置決定した後で同じ記憶装置に入るチャンクをまとめるものであり,
ホストからコンテンツを書き込む動作として,
ホストで書き込みを行う際には,ホストは,チャンク管理部に,コンテンツIDとコンテンツ内の書き込み開始位置を示すオフセットアドレスと書き込みサイズと書き込みであることを指定して,アドレス変換を依頼し,そして,チャンク管理部からの応答を待ち,なお,チャンク管理部が,新規なコンテンツに対するコンテンツIDの割り当てを行ってもよく,そのような場合,ホストは未割り当てを示すコンテンツIDを指定すればよく,なお,同一内容のチャンクは,チャンク管理部によって異なる記憶装置に配置されるべく配置先決定され,
応答が帰ってきたら,ホストは,その応答の先頭のエントリを書き込み対象エントリとし,ここで,書き込み用のアドレス変換要求に対するチャンク管理部からの応答のフォーマットは,書き込み対象のデータを構成するチャンク毎に1つのエントリとして格納されているものとし,また,各エントリは,例えば,そのチャンク内での書き込みサイズと,そのチャンク内での書き込み開始位置と,そのチャンクの複製数に応じた各複製チャンクの格納先を示す情報とで格納され,複製チャンクの格納先を示す情報は,具体的には,その複製チャンクを格納する記憶装置の記憶装置IDと,その記憶装置内でのチャンクアクセスIDでよく,
次に,ホストは,書き込み対象エントリ中に,複製チャンクの書き込み先として先頭に示された記憶装置IDで特定される記憶装置を書き込み対象記憶装置として選び,以下,書き込み対象記憶装置に書き込むチャンクのことを対象複製チャンクといい,
書き込み対象記憶装置を特定すると,ホストは,書き込み対象エントリ中の書き込みサイズと,チャンク内オフセットアドレスと,対象複製チャンクについてのチャンクアクセスIDとを指定し,その対象複製チャンクとして書き込むべきデータとともに,書き込み対象記憶装置に対して書き込みを要求し,記憶装置からの応答を待ち,
ホストは,記憶装置から応答が帰ってきたら,書き込み対象エントリ中に各複製チャンクの格納先として示された全記憶装置に対し書き込みが完了したか否かを判定し,全て完了していたら処理を終了する,ものであり,
このようにして,同じ内容のチャンクを複数の記憶装置に書き込むことができるので,データが冗長化され,データの可用性および保全性が向上し,同一内容のチャンクが異なる記憶装置に格納されるよう配置先決定されるので,その配置先に基づいて各記憶装置にチャンクを書き込むことにより,読み出す際にアクセスする記憶装置を分散させることができ,同時に読み出す際のアクセス性(スループットや応答時間)も向上するものであり,
複製数を維持するための処理として,
チャンク管理部は,まず,チャンク管理DBに記録されている各チャンクの複製管理情報から,そのチャンクの複製数と,実際に記憶装置に割り当てられている複製チャンクの数とが一致しないものを検索し,ここで,チャンクの複製数は,システムで規定した値やその複製管理情報に登録されている値によって認識すればよく,また,実際に記憶装置に割り当てられている複製チャンクの数は,その複製管理情報に,チャンクの配置先として登録されている記憶装置IDの数によって認識すればよく,
一致しないものが見つかった場合には,検索された複製管理情報に基づき,当該チャンクの複製数と実際に記憶装置に割り当てられている複製チャンクの数とを比較し,その差が,複製数のほうが少ない場合には,当該チャンクの複製数と実際に記憶装置に割り当てられている複製チャンクの数との差をチャンクの追加数として,当該チャンクについて複製チャンク追加処理を行い,なお,チャンク管理部はコピー元およびコピー先とする記憶装置を決定するにとどめ,実際の記憶装置間のチャンクのコピー処理は複製処理部に行わせることが好ましく,このようにすることによって,チャンク管理部において,障害回復や再配置のための処理による通常のチャンクアクセスにかかる処理への負担が増大しないようにする,ものであり,
チャンク管理部における上記複製チャンク追加処理として,
チャンク管理部は,まず,追加対象のチャンク(コンテンツ内におけるチャンク)の複製管理情報に基づき,新たな配置先とする記憶装置をコピー先記憶装置として決定し,
次いで,割り当てた記憶装置にデータをコピーする際のコピー元記憶装置を決定し,
次いで,複製処理部に対し,記憶装置間での対象チャンク(コピー元およびコピー先として決定した複製チャンク)のコピー処理を指示し,例えば,コピー先とする記憶装置IDおよびチャンクアクセスIDと,コピー元とする記憶装置IDおよびチャンクアクセスIDとを指定して,対象記憶装置間でのチャンクのコピー処理を指示すればよく,
そして,複製処理部からのコピー完了の通知を待って,複製管理情報の対象チャンクの配置先情報に,追加した複製チャンクの配置先を示す情報(ここでは,記憶装置IDおよびチャンクアクセスID)を追加し,そして,変更した複製管理情報をチャンク管理DBに反映させ,
指定された増加数分,コピー処理が完了した場合には処理を終了する,ものであり,
上記コピーは,複製処理部を介さずに,コピー元記憶装置とコピー先記憶装置間で直接チャンクのコピーを行ってもよく,
チャンクの配置先決定方法として,同一チャンクの重複配置を防止するための配置先決定方法である場合に,
まず,チャンク管理部は,割り当て可能な全記憶装置をリストアップし,割り当て可能な記憶装置は,例えば,チャンク管理DB中に登録されている記憶装置情報の稼働状況に基づいて,現時点で稼働中の記憶装置の記憶装置IDを集合させた割り当て候補リストを作成すればよく,
次いで,対象チャンクの複製管理情報で示される,対象チャンクの複製チャンクに既に割り当てられている記憶装置を,割り当て候補リストから削除し,ここで,割り当て候補リストには,現在稼働中であって対象チャンクの複製チャンクに対しまだ割り当てられていない記憶装置がリストアップされていることとなり,
最後に,割り当て対象リストから,例えば乱数を用いて1の記憶装置を選び,選んだ記憶装置を配置先として決定する,ものであり,
このようにすることで,同じ内容のチャンクが異なる記憶装置に配置され,従って,一つの記憶装置に障害が発生しても他の記憶装置に記憶したチャンクにアクセスすることができるので,データの保全性・可用性が向上し,また,コンテンツ内におけるチャンクと同じ内容のチャンク(同じチャンクコンテンツIDのチャンク)が複数あることで,チャンクへのアクセスのスケーラビリティが向上するものである,
データ分散格納システム。」

4.引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用され,当審拒絶理由通知にも引用された引用文献4(特開2003-58408号公報)の段落【0062】?【0068】には,「データサーバ間でのファイルのコピー処理実行中に,当該ファイルに対する更新を行わせないようにするため,コピー元のファイルに対して更新ロックをかける」,という技術的事項が記載されている。


第6 対比・判断

1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明である「ストレージシステム」は,「コンテンツをチャンクに分割して,それをオブジェクトとしてオブジェクトサーバに分散格納することで,特定コンテンツへのアクセス集中が発生しても,読み出し負荷が複数オブジェクトサーバに分散される」ものであるから,「分散」システムであるとともに,「複数」の「オブジェクトサーバ」を含むものであり,引用発明の当該複数の「オブジェクトサーバ」は,本願発明1の「複数のデータサーバ」に相当する。
そうすると,後記する点で相違するものの,本願発明1である「第1のデータサーバ,第2のデータサーバ及び第3のデータサーバを含む複数のデータサーバを含む分散ファイルシステム」と,引用発明である複数の「オブジェクトサーバ」を含む「チャンク分割分散格納とその格納アルゴリズムを実装するストレージシステム」とは,“複数のデータサーバを含む分散システム”である点で共通する。

イ 引用発明は,「コンテンツをチャンクに分割して,それをオブジェクトとしてオブジェクトサーバに分散格納する」ものであるから,引用発明における複数の「オブジェクトサーバ」それぞれは,「分割」された「チャンク」を格納する構成を有するといえ,引用発明の当該構成は,本願発明1の「チャンク格納部」に相当するといえる。
そうすると,後記する点で相違するものの,本願発明1の「複数のデータサーバの各々」が,「ファイル処理システムから受信したファイルが分割されたチャンクに対する格納リクエストに対応して前記チャンクを含む複数のチャンクの複製がグループ化されたディレクトリの複製を格納するチャンク格納部」を備えることと,引用発明の複数の「オブジェクトサーバ」それぞれが,「分割」された「チャンク」を格納する構成を備えることは,“複数のデータサーバの各々”が,“分割されたチャンクを格納するチャンク格納部”を備える点で共通する。

上記ア及びイの対比によれば,本願発明1と引用発明とは,次の点で一致し,そして相違する。

(一致点)
複数のデータサーバを含む分散システムにおいて,
前記複数のデータサーバの各々は,
分割されたチャンクを格納するチャンク格納部,を備える,
ことを特徴とする分散ファイルシステム。

(相違点1)
分散システムに関し,
本願発明1は,「第1のデータサーバ,第2のデータサーバ及び第3のデータサーバ」を含む複数のデータサーバを含む「分散ファイルシステム」であるのに対して,
引用発明は,そのように特定されていない点。

(相違点2)
チャンク格納部に関し,
本願発明1は,「ファイル処理システムから受信したファイルが」分割されたチャンク「に対する格納リクエストに対応して」前記チャンクを含む「複数のチャンクの複製がグループ化されたディレクトリの複製を」格納するチャンク格納部であるのに対して,
引用発明は,そのように特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1は,複数のデータサーバの各々が,
「ファイル処理システムから受信したチャンクに対する演算リクエストに対応して前記ディレクトリの複製に含まれる前記チャンクの複製の演算を行うチャンク演算実行部と,
チャンクの複製をコピーするチャンクコピー部と,
チャンクの複製に対する書き込みロックを行うロック実行部」を備えるのに対し,
引用発明は,そのように特定されていない点。

(相違点4)
本願発明1は,
「分散ファイルシステムが第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,
第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,
第3のデータサーバのチャンクコピー部は,前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,
第3のデータサーバのチャンク格納部は,再生成された前記チャンクの複製を格納し,
第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,第2のデータサーバ及び他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除」するのに対して,
引用発明は,そのように特定されていない点。

(相違点5)
本願発明1は,
「第3のデータサーバのチャンクコピー部によって前記チャンクの複製のコピーが完了する前に前記チャンクの複製に対して書き込み演算が要求された場合,第3のデータサーバは,前記チャンクの複製に対する書き込み演算が成功したものと応答し,前記書き込みロックの解除後,第3のデータサーバ,第2のデータサーバ及び他のデータサーバは,前記同一のチャンクの複製に対する書き込み演算を行い,
第1のデータサーバは第3のデータサーバとはお互い異なるディレクトリを持つチャンクの複製を格納する」のに対して,
引用発明は,そのように特定されていない点。


(2)相違点についての判断
事案に鑑みて,相違点4について,先に検討する。

上記相違点4に係る本願発明1の構成である,「分散ファイルシステムが第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,第3のデータサーバのチャンクコピー部は,前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,第3のデータサーバのチャンク格納部は,再生成された前記チャンクの複製を格納し,第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,第2のデータサーバ及び他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除」することは,上記引用文献2ないし4のいずれにも記載されておらず,また,本願優先日前において周知技術であるともいえない。
特に,引用文献3(当審拒絶理由通知における引用文献A)には,上記第5の3.に示した引用文献3記載事項が記載されており,障害が発生したデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納しているデータサーバ全てに対して書き込みロックを行い,上記障害が発生したデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成して第3のデータサーバへの格納が終了した後,上記書き込みロックを全て解除することについては,開示されていないことから,相違点4に係る本願発明1の構成について開示しているとはいえない。
そうすると,引用発明に基づいて,相違点4に係る本願発明1の構成とすることは,当業者が容易になし得ることであるとはいえない。

したがって,本願発明1は,相違点1ないし3,及び5を検討するまでもなく,当業者であっても引用発明,引用文献2ないし4に記載された技術的事項,及び,周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-3について
本願発明2,3は,本願発明1とカテゴリーが異なるだけであるから,本願発明1と同様の理由により,引用発明,引用文献2ないし4に記載された技術的事項,及び,周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。


第7 原査定についての判断

(特許法第29条第2項について)

平成30年11月28日付けの手続補正により,補正後の請求項1は,「分散ファイルシステムが第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,第3のデータサーバのチャンクコピー部は,前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,第3のデータサーバのチャンク格納部は,再生成された前記チャンクの複製を格納し,第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,第2のデータサーバ及び他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除」するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は,上記第6の1.(2)でも示したとおり,原査定における引用文献1ないし4には記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1は,当業者であっても,原査定における引用文献1ないし4に基づいて容易に発明できたものではない。本願発明2-3は,本願発明1とカテゴリーが異なるだけであるので,同様に,当業者であっても,原査定における引用文献1ないし4に基づいて容易に発明できたものではない。
したがって,原査定を維持することはできない。


第8 当審拒絶理由について

1.特許法第36条第6項第2号について

(1)当審では,請求項1の「少なくとも1つのデータサーバを含む分散ファイルシステム」との記載に関し,請求項1に係る発明の「分散ファイルシステム」は,「複数のデータサーバ」のうち「第1のデータサーバに障害が発生した場合」に,「第2のデータサーバ」を用いてチャンクの複製を再生成し,「第3のデータサーバ」に格納するものであるとおり,「複数のデータサーバ」を含むことが必須の構成であると解されるのに対し,上記「少なくとも1つのデータサーバを含む分散ファイルシステム」との記載は,分散ファイルシステムに含まれるのが,常に複数のデータサーバであるのか,1つのデータサーバである場合もあるのか,不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,「第1のデータサーバ,第2のデータサーバ及び第3のデータサーバを含む複数のデータサーバを含む分散ファイルシステム」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(2)当審では,請求項1の「前記データサーバは,・・・チャンク格納部と,・・・チャンク演算実行部と,複数のデータサーバのうち第1のデータサーバに障害が発生した場合には,前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同じ複製を格納している第2のデータサーバを用いて前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成するチャンクコピー部と,前記チャンクの複製のコピー進行の過程を考慮して前記第2データサーバが格納するディレクトリの複製に含まれるチャンクの複製に書き込みロックを行う書き込みロック実行部と,を備え,」 との記載は,当該各「データサーバ」は,「チャンクコピー部」及び「ロック実行部」をとおして,「第1のデータサーバ」,「第2のデータサーバ」と所定のやり取りを行うよう規定されていて,記載上,上記各「データサーバ」と,「第1のデータサーバ」及び「第2のデータサーバ」とが,異なる構成であると理解されることとなり,そのため,上記「第1のデータサーバ」,「第2のデータサーバ」とは異なる構成である上記各「データサーバ」とは如何なる構成を指すのか不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,「前記複数のデータサーバの各々は,ファイル処理システムから受信したファイルが分割されたチャンクに対する格納リクエストに対応して前記チャンクを含む複数のチャンクの複製がグループ化されたディレクトリの複製を格納するチャンク格納部と,前記ファイル処理システムから受信したチャンクに対する演算リクエストに対応して前記ディレクトリの複製に含まれる前記チャンクの複製の演算を行うチャンク演算実行部と,前記チャンクの複製をコピーするチャンクコピー部と,前記チャンクの複製に対する書き込みロックを行うロック実行部と,を備え」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(3)当審では,請求項1の「複数のデータサーバのうち第1のデータサーバに障害が発生した場合には,前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同じ複製を格納している第2のデータサーバを用いて前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成するチャンクコピー部と,前記チャンクの複製のコピー進行の過程を考慮して前記第2データサーバが格納するディレクトリの複製に含まれるチャンクの複製に書き込みロックを行う書き込みロック実行部と,を備え,」との記載は,「書き込みロック」がなされる「第2データサーバ」が具体的にどこまでを含むのか明確に規定しておらず,そのため,「書き込みロック」が行なわれる「第2のデータサーバ」が,「第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同じ複製を格納している第2のデータサーバ」全てであるのか,或いは,「第2のデータサーバ」のうちチャンクの複製の再生成に用いられる複製を格納した「第2のデータサーバ」にとどまるのか,不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,「前記チャンクの複製をコピーするチャンクコピー部と,前記チャンクの複製に対する書き込みロックを行うロック実行部と,を備え,前記分散ファイルシステムが前記第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,前記第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない前記第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(4)当審では,請求項1の「前記書き込みロック実行部は,前記第2データサーバからチャンクの複製をコピーする前に書き込みロックを行って,前記チャンクの複製のコピーが完了すると前記チャンクの複製に対する書き込みロックを解除し」との記載は,各「データサーバ」の構成である「書き込みロック実行部」が,「第2のデータサーバ」と所定のやり取りを行うよう規定されていて,記載上,上記各「データサーバ」と,「第2のデータサーバ」とが,異なる構成であると理解されることとなり,構成が不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,「前記第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,前記第2のデータサーバ及び前記他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除し」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(5)当審では,請求項1の「前記第1のデータサーバは前記第2のデータサーバとはお互い異なるディレクトリを持つチャンクの複製を格納し」との記載は,「第1のデータサーバ」と「第2のデータサーバ」とのどのような関係を規定しているのか不明であり,記載が不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,「前記第1のデータサーバは前記第3のデータサーバとはお互い異なるディレクトリを持つチャンクの複製を格納する」と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(6)当審では,請求項1の「前記書き込みロックの解除後,前記第3データサーバは,前記第3データサーバに格納された前記再生成されたチャンクの複製と,前記第2データサーバが格納する前記チャンクの複製とに書き込み演算を行う」との記載は,「第2データサーバが格納する前記チャンクの複製」への「書き込み演算を行う」主体が不明であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,当該記載が削除された結果,この拒絶の理由は解消した。

(7)当審では,請求項2の「前記書き込みロックの解除後,前記第3データサーバは,前記第3データサーバに格納された前記再生成されたチャンクの複製と,前記第2データサーバが格納する前記チャンクの複製とに書き込み演算を行い」との記載における「前記第3データサーバ」について,その記載以前に,該当する「第3データサーバ」 との用語は存在せず,記載として不明りょうであるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,当該記載が削除された結果,この拒絶の理由は解消した。

2.特許法第29条第2項について
当審では,本願発明1-3に係る発明は,引用文献A及びBに基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月28日付けの手続補正において,補正後の請求項1-3は,「分散ファイルシステムが第1のデータサーバに発生した障害を検知すると,第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製と同一のチャンクの複製を格納していない第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記同一のチャンクの複製を格納している第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製及び前記同一のチャンクの複製を格納している他のデータサーバが格納するディレクトリの複製に含まれる前記同一のチャンクの複製に対する書き込みロックを行い,第3のデータサーバのチャンクコピー部は,前記第2のデータサーバの前記同一のチャンクの複製をコピーして第1のデータサーバに格納されたチャンクの複製を再生成し,第3のデータサーバのチャンク格納部は,再生成された前記チャンクの複製を格納し,第3のデータサーバの書き込みロック実行部は,前記チャンクの複製のコピーが完了すると,第2のデータサーバ及び他のデータサーバに書き込みロック解除メッセージを送信して前記書き込みロックを解除し」という技術的事項(以下,「相違点4に係る事項」という。),及び,相違点4に係る事項に対応する事項を有するものとなり,そして,上記「第6 対比・判断」の「1.本願発明1について」「(2)相違点についての判断」で検討のとおり,当該相違点4に係る事項は,当審拒絶理由における引用文献A,B(原査定時の引用文献3,4)には記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1-3は,当業者であっても,引用文献A,Bに基づいて容易に発明できたものとはいえない。よって,この拒絶の理由は解消した。


第9 むすび

以上のとおり,本願発明1-3は,当業者が引用発明,引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明することができたものではない。
したがって,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-03-25 
出願番号 特願2011-212336(P2011-212336)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 漆原 孝治  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 山崎 慎一
仲間 晃
発明の名称 ファイルをチャンク単位で分散処理するシステムおよび方法  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  

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