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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1350081
審判番号 不服2017-18638  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-15 
確定日 2019-04-09 
事件の表示 特願2013-191356「信号処理装置、および信号処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月30日出願公開、特開2015- 60245、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,平成25年9月17日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年 2月24日付け :拒絶理由の通知
平成29年 4月28日 :意見書,手続補正書の提出
平成29年 9月25日付け :拒絶査定(原査定)
平成29年12月15日 :審判請求書,手続補正書の提出
平成30年11月12日付け :拒絶理由の通知(当審)
平成31年 1月15日 :意見書,手続補正書の提出

第2 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は,平成31年1月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
2以上の入力信号を受け付ける入力信号受付部と,
前記入力信号受付部が受け付けた2以上の入力信号のうちの所定の入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する2以上の信号処理部と,
前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生しているか否かを判断するエラー判断部と,
前記2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部と,
前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,前記優先順位管理情報を用いて判断する優先順位判断部と,
前記優先順位判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する制御部と,
前記2以上の各信号処理部が取得した2以上の出力信号を出力する出力部とを具備し,
前記2以上の各信号処理部は,
前記制御部からの指示に応じた動作をも行い,
前記エラー判断部によりエラーが発生していると判断された信号処理部は,前記入れ替えられた入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する信号処理装置。」

なお,本願発明2-6の概要は以下のとおりである。

本願発明2-5は,本願発明1を減縮した発明である。

本願発明6は,本願発明1に対応する「信号処理方法」の発明であり,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第3 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2012-32888号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。以下,同様。)

A 「【0015】
図1は本実施の形態に係る情報処理装置100の構成を示す図である。本実施の形態に係る情報処理装置100は,例えば通信装置であって,アレイアンテナを用いて通信相手装置と通信を行う。情報処理装置100では,アダプティブアレイアンテナ方式を用いてアレイアンテナの指向性を制御することが可能となっている。
【0016】
図1に示されるように,情報処理装置100は,複数のアンテナ10aから成るアレイアンテナ10を有する無線通信部1と,情報処理装置100全体の動作を管理する制御部2とを備えている。
…(中略)…
【0018】
制御部2は,CPU(Central Processing Unit),DSP及びメモリなどで構成されている。制御部2は,無線通信部1から出力される複数のベースバンドの受信信号のそれぞれに対して,アレイアンテナ10の受信の指向性を制御するための受信ウェイトを設定する。そして,制御部2は,受信ウェイトが設定された複数の受信信号を合成し,それによって得られた合成信号に対して復調処理等を行って,当該合成信号に含まれるビットデータを取得する。制御部2は,取得したビットデータに対して誤り訂正復号化処理等を行って,通信相手装置からのビットデータを再生する。」

B 「【0020】
図2は制御部2の構成を示すブロック図である。図2に示されるように,制御部2は,複数のDSP21から成るDSP群20と,制御部2全体の動作を管理する上位処理部22と,アドレスシフト部23とを備えている。
【0021】
DSP群20は,例えば3つのDSP21で構成されている。各DSP21は,図3に示されるように,例えば3つのコア210を備えている。各コア210は,動作プログラムを実行することによって所定の機能を実行する演算部である。したがって,制御部2には,9つの演算部が設けられている。各DSP21では,3つのコア210が半導体の1つのチップ211上に搭載されている。1つのDSP21は,1つのパッケージ内に収納されている。以後,9つのコア210を第1?第9コア210とそれぞれ呼ぶことがある。図3中のA?Iは,第1?第9コア210が実行する機能をそれぞれ示している。ただし,後述するように,第1?第9コア210の少なくとも一つが故障すると,第1?第9コア210の機能が入れ替えられることがある。図3において括弧内に示される数字は,その上のコア210の番号を示している。
【0022】
上位処理部22は,例えばCPU等で構成されており,DSP群20の各コア210にアクセスして各コア210を制御する。各コア210にアクセスするアクセス処理部として機能する上位処理部22は,機能ブロックとして故障検出部30及び機能入れ替え部31を有している。故障検出部30は,DSP群20の各コア210の故障を検出することが可能となっている。機能入れ替え部31は,複数のコア210の間で機能を入れ替えることが可能となっている。
【0023】
複数のコア210のそれぞれには固有のアドレスが割り当てられている。複数のコア210に対するアドレスの割り当て状況は,上位処理部22が記憶するアクセスマップ32に記述されている。図4はアクセスマップ32の一例を示す図である。」

C 「【0025】
上位処理部22は,ある機能を有するコア210にアクセスする際には,アクセスマップ32を参照して,そのコア210のアドレスを特定し,特定したアドレスを出力する。故障検出部30において複数のコア210のすべてに故障が検出されていない場合には,上位処理部22から出力されるアドレスは,アドレスシフト部23を通じてそのまま複数のコア210に入力される。一方で,故障検出部30において実行を優先すべき機能(以後,「実行優先機能」と呼ぶ)を有するコア210の故障が検出された場合には,上位処理部22から出力されるアドレスが,アドレスシフト部23において他のアドレスに変換されて複数のコア210に入力される。故障検出部30において,実行優先機能を有するコア210以外のコア210の故障が検出された場合には,上位処理部22から出力されるアドレスは,アドレスシフト部23を通じてそのまま複数のコア210に入力される。各コア210は,自身に割り当てられているアドレスが入力されると,上位処理部22からのコマンドを受け付けて,そのコマンドに基づいて動作を行う。
【0026】
このように,複数のコア210のすべてが正常動作している場合には,上位処理部22は,出力したアドレスのコア210にアクセスすることができる。一方で,複数のコア210のうち,実行優先機能を有するコア210が故障した場合には,上位処理部22は,出力したアドレスのコア210とは別のコア210に対してアクセスするようになる。なお,アドレスシフト部23でのアドレスの変換方法について後で詳細に説明する。
【0027】
機能入れ替え部31は,故障検出部30において,実行優先機能を有するコア210に故障が検出されると,複数のコア210の間で機能を入れ替える。これにより,複数のコア210に対する複数の機能A?Iの対応付けが変化する。機能入れ替え部31は,機能A?Iに対応した複数の動作プログラムを記憶しており,この複数の動作プログラムを複数のコア210にそれぞれロードすることによって,当該複数のコア210の機能を入れ替える。各コア210は,機能入れ替え部31から動作プログラムが送られてくると,今まで実行していた動作プログラムの代わりに,機能入れ替え部31からの動作プログラムを実行する。これにより,各コア210は,機能入れ替え部31からの動作プログラムに対応する機能を実行するようになる。機能入れ替え部31の動作については後で詳細に説明する。」

D 「【0029】
次に,コア210の故障が検出された場合の情報処理装置100の動作について説明する。図5は当該動作を示すフローチャートである。本実施の形態では,複数のコア210が実行する機能A?Iには,実行優先機能,つまり実行優先度が高い機能が含まれている。情報処理装置100では,実行優先機能を有するコア210が故障し,その機能が実行できない場合には,最低限の性能が発揮できないようになっている。
【0030】
また本実施の形態では,実行優先機能を有するコア210が故障した場合には,機能入れ替え部31が,複数のコア210をアドレス順に並べた際の当該複数のコア210に対する複数の機能A?Iの対応付けが巡回シフトするように複数のコア210の間で機能を入れ替えることによって,故障したコア210が有する実行優先機能を,故障していないコア210の機能としている。そして,アドレスシフト部23が,機能入れ替え部31での巡回シフトと同じように,上位処理部22から出力される各アドレスを巡回シフトする。これにより,上位処理部22は,実行優先機能を有するコア210が故障した場合であっても,アクセスマップ32を変更することなく,正常に動作する,当該実行優先機能を有するコア210にアクセスすることができる。以下に図5を用いてこの情報処理装置100の動作について詳細に説明する。」

したがって,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「情報処理装置100において,無線通信部1から出力される複数の受信信号を合成し,それによって得られた合成信号に対して復調処理等を行う制御部2であって,
前記制御部2は,複数のDSP21から成るDSP群20と,制御部2全体の動作を管理する上位処理部22と,アドレスシフト部23とを備え,
DSP群20は,動作プログラムを実行することによって所定の機能を実行する演算部である複数のコアから構成され,
上位処理部22は,DSP群20の各コア210の故障を検出することが可能な故障検出部30,及び,機能に対応した複数の動作プログラムを記憶し,複数のコア210の間で機能を入れ替えることが可能な機能入れ替え部31を有し,
上位処理部22は,ある機能を有するコア210にアクセスする際には,アクセスマップ32を参照して,そのコア210のアドレスを特定し,特定したアドレスを出力し,
実行優先機能を有するコア210が故障した場合には,機能入れ替え部31が,複数のコア210に対する複数の機能の対応付けが巡回シフトするように複数の動作プログラムを複数のコア210にそれぞれロードして,複数のコア210の間で機能を入れ替えることによって,故障したコア210が有する実行優先機能を,故障していないコア210の機能とし,
アドレスシフト部23が,機能入れ替え部31での巡回シフトと同じように,上位処理部22から出力される各アドレスを巡回シフトする制御部2。」

2 引用文献2について
また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開平5-115079号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

E 「【0012】今,上記のシステムにおいて,希望の出力が得られず,故障が発生したと考えられる場合は,次のような動作が実行される。例えば信号処理部103からの試験が行われる。この場合は,セレクタ111から入出力回路102を介してテスト信号が供給される。このテスト結果は,入出力回路104を介してセレクタ111に導入される。セレクタ111から取り込まれたテスト結果は,CPU112において,期待値との比較が行われ,期待された結果であるかどうかの判定が行われる。この判定結果が期待通りであれば,次の信号処理部105のテストが行われる。このように次々と各信号処理部105のテストが行われ,判定結果が一旦メモリ113のワークエリアに格納される。この判定結果は,例えばユーザが修理センターを電話で呼び出すと,この外部インターフェース114の電話回線を通じて修理センターへ伝送されるようになっている。すると修理センターでは,判定結果に基づいて,故障内容を判断し,ユーザに対して適切な指示を与えることができる。また,修理センターは電話回線を通じて,CPU112へ修理データ取り込みを指定し,自己修復を行わせることもできる。また予め修復プログラムをメモリ113に格納させておくことにより,ユーザが修復開始キーを操作することによりを完全な自己修復機能が実現される。また,修理センターは,ユーザのシステムから取り込んだ判定結果では十分な診断ができない場合,さらに電話回線を通して別のテスト信号を伝送して一旦メモリ113に格納させ,このテスト信号による判定結果を再度伝送してもらい検討を行うことも可能である。また,信号処理回路ブロックとしては,全てを常に使用するのではなく,冗長なブロックを用意しており,ブロックを切り換えることによる修復も可能である。
【0013】図2には上記のシステムの自己テストアルゴリズムの一例を示している。ステップA1?A4は,初段の信号処理ブロックからのテストを行うステップである。テスト結果は,期待値との例えばイクスクルーシブオア論理によりエラービットがあるか否かの判定が行われる(ステップA5)。エラービットが無ければ(ステップA6),全ての信号処理ブロックのテストが終わったかどうかを判定し(ステップA8),終わっていなければ次の信号処理ブロックのテストに移行する(ステップA8´,A3)。エラービットがあった場合は,エラー信号を出力し(ステップA7),その信号処理部のIDを含めた判定信号を一時作業メモリに格納する。全ての信号処理ブロックのテストが終わると,エラー数が冗長数よりも多いか否かを判定し(ステップA10),エラー数が多い場合は,サービスコールを出力する(ステップA12)。エラー数が少ない場合は,自己修復可能であることであるから,冗長ブロックとして用意した信号処理ブロックを機能させるようにし,エラーの生じたブロックを断とする(ステップA11)。」

したがって,上記引用文献2には,「信号処理部にテスト信号を入力し,期待値と比較することにより,エラーの判断を行う」という周知技術が記載されていると認められる。

3 引用文献3について
また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2013-97634号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

F 「【0037】
実際にPUに障害が発生し障害処理が実施される様子を図5に示す。この図では,1システムに4台のPUが存在する例を示している。(a)は起動直後の構成を示している。この図でPU1?PU4は物理PU番号を,IP,APは各PUの属性を,括弧の中の数字は論理PU番号を示し,優先度は各PUが実行する処理の優先度を示す。本実施例では優先度の数字の小さい方が,優先度が高いものとしている。図に示すとおりPU1?PU3はIP,PU4はACに割り当てられている。また,優先度は,PU1が2,PU2が1,PU3が3,PU4が4となっている。
【0038】
この時の構成情報テーブルの内容を図6(a)に示す。図5(a)に示す内容と同等の内容が該テーブルに表現されている。図6ではプロセスサクセション可否を省略しているが,実際には図4に示すようにこの情報も存在する。
【0039】
今,図5(a)の構成で,PU2にPD・Bの固定障害が発生したとする。(a)の構成にはシステムに動作可能なAPが存在するので,ハードウェアおよび制御プログラムは,動的IP交代を行う。これにより,障害が発生するまでは論理PU番号2のIPとして動作していたPU2の内部情報がPU4に引き継がれ,以降PU4が論理PU番号2のIPとして動作する。」

したがって,上記引用文献3には,「優先度の高い処理を実行している処理装置で障害が発生した場合に,優先度の低い処理を実行していた処理装置に処理を引き継ぐために,各処理装置で実行されている処理について優先度をテーブルに記憶しておく」という技術的事項が記載されていると認められる。

4 引用文献4について
また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2010-16764号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

G 「【0036】
図3は,本実施の形態における中継装置1の信号テーブル17に記憶される内容の例を示す説明図である。図3に示すように,信号テーブル17には,調停部15に入力される要求信号を識別する信号名毎に,要求信号のタイプと優先順位とが記憶されている。図3に示す例では,優先順位が高い順に並べられている。信号名は調停部15の入力部への要求信号夫々に対応するピンと対応しており,調停部15がピンと優先順位とを対応付けることができれば,実際に信号名が記憶されていなくともよい。図3に示す例では,信号名「in_X」,「in_A」,「in_B」,「in_C」,…の順に優先順位が「1」,「2」,「3」,「4」,…と対応付けて記憶されている。なお図3に示す例では,信号名「in_X」及び「in_B」の要求信号はパルス信号であり,信号名「in_A」及び「in_C」の要求信号は,対応する処理が完了したことを検知するまで入力され続ける連続信号である。」

したがって,上記引用文献4には,「装置において,信号に優先順位を設定して記憶しておく」という周知技術が記載されていると認められる。

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。
ア 引用発明では,「制御部2」が「無線通信部1から出力される複数の受信信号を合成し,それによって得られた合成信号に対して復調処理等を行う」ところ,「制御部2」は複数の「受信信号」を受け付けて処理するといえるから,引用発明の「受信信号」は本願発明1の「入力信号」に相当し,引用発明の「制御部2」は本願発明1の「信号処理装置」に対応する。
そうすると,引用発明の「制御部2」は複数の「受信信号」を受け付けており,実質的に“入力信号受付部”を備えているといえるから,引用発明と本願発明1とは,“2以上の入力信号を受け付ける入力信号受付部”を具備する“信号処理装置”である点で一致するといえる。

イ 引用発明では,「制御部2」は,「複数のDSP21から成るDSP群20」を具備し,「DSP群20」は,「演算部である複数のコアから構成され」,「複数のコア」はそれぞれ,「動作プログラムを実行することによって所定の機能を実行する」ことから,引用発明の「コア」,「機能」はそれぞれ本願発明1の「信号処理部」,「信号処理」に相当するといえる。
そうすると,引用発明の「コア」は,“入力信号”である「受信信号」に対して“信号処理”を行うといえるから,実質的に“信号処理の結果である出力信号”を取得するといえる。
したがって,引用発明と本願発明1とは,“入力信号受付部が受け付けた2以上の入力信号のうちの所定の入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する2以上の信号処理部”を具備する“信号処理装置”である点で一致するといえる。

ウ 引用発明は,「DSP群20の各コア210の故障を検出することが可能な故障検出部30」を具備するところ,「故障検出部30」は「コア210」のいずれかでエラーが発生しているか否かを判断するといえるから,引用発明の「故障検出部30」は本願発明1の「エラー判断部」に相当する。
そうすると,引用発明と本願発明1とは,“2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生しているか否かを判断するエラー判断部”を具備する“信号処理装置”である点で一致するといえる。

エ 引用発明では,「故障検出部30が実行優先機能を有するコア210の故障を検出」するところ,故障を検出した場合に,「コア210」で実行中の「機能」の“優先度”が高いか否かを判断しているといえるから,「コア210」で実行中の「機能」の“優先度”は“信号処理部に関する優先度”とみることができ,実質的に“優先度判断部”を具備するといえる。
一方,本願発明1では,「優先順位判断部」が,「前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,前記優先順位管理情報を用いて判断する」ところ,「信号処理部に関する識別子の優先順位」は上位概念で“信号処理部に関する優先度”とみることができるから,「優先順位判断部」は“エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いか否かを判断する”といえる。
そうすると,上記ウでの検討を踏まえると,引用発明と本願発明1とは,後記する点で相違するものの,“エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いか否かを判断する優先度判断部”を具備する“信号処理装置”である点で共通するといえる。

オ 引用発明では,「故障検出部30が実行優先機能を有するコア210の故障を検出した場合には,機能入れ替え部31が,複数のコア210に対する複数の機能の対応付けが巡回シフトするように複数の動作プログラムを複数のコア210にそれぞれロードして,複数のコア210の間で機能を入れ替えることによって,故障したコア210が有する実行優先機能を,故障していないコア210の機能と」するところ,「故障検出部30が実行優先機能を有するコア210の故障を検出した場合」は“エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合”であるといえ,「コア210」の「機能」に係る「動作プログラム」は上位概念で“信号処理部の信号処理に係る情報”とみることができるから,「機能入れ替え部31」は“エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替える”といえる。
そうすると,引用発明では,“エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替える”とみることができ,実質的に“入れ替え制御部”を具備するといえる。
一方,本願発明1では,「制御部」が,「前記優先順位判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する」ところ,上記エでの検討より,「信号処理部に関する識別子の優先順位」は上位概念で“信号処理部に関する優先度”とみることができ,また,「信号処理部が信号処理を行う入力信号」は上位概念で“信号処理部の信号処理に係る情報”とみることができるから,「制御部」は“エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合”には,“エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する”といえる。
してみると,上記エでの検討を踏まえると,引用発明と本願発明1とは,後記する点で相違するものの,“優先度判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する入れ替え制御部”を具備する“信号処理装置”である点で共通するといえる。

カ 引用発明は「複数の受信信号を合成し,それによって得られた合成信号に対して復調処理等を行う」ところ,上記イでの検討より,引用発明の「コア」は,「受信信号」に対して“信号処理”を行い,実質的に“信号処理の結果である出力信号”を取得するといえ,引用発明の「コア」は本願発明1の「信号処理部」に相当するといえるから,実質的に“2以上の各信号処理部が取得した2以上の出力信号を出力する出力部”を具備するといえる。
そうすると,引用発明と本願発明1とは,“2以上の各信号処理部が取得した2以上の出力信号を出力する出力部”を具備する“信号処理装置”である点で一致するといえる。

キ 上記オでの検討より,引用発明では,“エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替える”とみることができ,実質的に“入れ替え制御部”を具備するといえるから,“エラーが発生していると判断された信号処理部”で信号処理を行うか不明ではあるが,“2以上の各信号処理部は,前記入れ替え制御部からの指示に応じた動作をも行”うといえる。
そうすると,引用発明と本願発明1とは,後記する点で相違するものの,“2以上の各信号処理部は,前記入れ替え制御部からの指示に応じた動作をも行”う“信号処理装置”である点で共通するといえる。

したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「2以上の入力信号を受け付ける入力信号受付部と,
前記入力信号受付部が受け付けた2以上の入力信号のうちの所定の入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する2以上の信号処理部と,
前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生しているか否かを判断するエラー判断部と,
前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いか否かを判断する優先度判断部と,
前記優先度判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する入れ替え制御部と,
前記2以上の各信号処理部が取得した2以上の出力信号を出力する出力部とを具備し,
前記2以上の各信号処理部は,前記入れ替え制御部からの指示に応じた動作をも行う信号処理装置。」

(相違点)
(相違点1)
信号処理部に関する優先度に関し,本願発明1は,「2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部」を具備するのに対して,
引用発明は,そのような構成を具備していない点。

(相違点2)
エラーが発生した信号処理部に関する優先度の判断に関し,本願発明1は,「優先順位判断部」が「前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,前記優先順位管理情報を用いて判断する」のに対して,
引用発明は,「故障検出部30」が,2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いか否かを判断するものの,「優先順位管理情報」を用いて「信号処理部に関する識別子の優先順位」を判断するものではなく,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する優先度が低いか否かを判断しているか不明である点。

(相違点3)
信号処理部の入れ替え制御に関し,本願発明1は,「制御部」が「前記優先順位判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する」のに対して,
引用発明は,「機能入れ替え部31」が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する優先度が高いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部の信号処理に係る情報と,エラーが発生していないと判断された信号処理部の信号処理に係る情報とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示するものの,「信号処理部が信号処理を行う入力信号」を入れ替えるものではなく,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する優先度が低いか否かを判断した場合に入れ替えるのか不明である点。

(相違点4)
2以上の各信号処理部の動作に関し,本願発明1では,「制御部からの指示に応じた動作をも行い,前記エラー判断部によりエラーが発生していると判断された信号処理部は,前記入れ替えられた入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する」のに対して,
引用発明では,「コア210」が,入れ替え制御部からの指示に応じた動作も行うものの,エラーが発生していると判断された信号処理部は,入れ替えられた入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得するか不明である点。

(2)相違点についての判断
ア 相違点1,2について
事案に鑑みて,上記相違点1,2をまとめて検討すると,引用発明では,複数のコア210の間で機能を入れ替える条件が,「故障検出部30が実行優先機能を有するコア210の故障を検出した場合」であるところ,エラーが発生していると判断された信号処理部が実行する機能の優先度が高いか否かを判断するにとどまり,「信号処理部に関する識別子の優先順位」を考慮するものではなく,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する優先度が低いことを判断するものでもないことから,「優先順位管理情報」を用いて,エラーが発生していると判断された「信号処理部に関する識別子の優先順位」が高いことを判断し,かつ,エラーが発生していないと判断された「信号処理部に関する識別子の優先順位」が低いことを判断する動機付けがあるとはいえない。
加えて,引用発明において,2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部を具備する動機付けもない。
また,2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,優先順位管理情報を用いて判断する旨の技術,さらに,2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部を具備する旨の技術は,上記引用文献2-4には記載されておらず,本願出願前に当該技術分野において周知技術であったとまではいえず,当業者が適宜に選択し得た設計的事項であるとすることもできない。
そうすると,引用発明において,2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部を具備し,2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,優先順位管理情報を用いて判断すること,すなわち,本願発明1の上記相違点1,2に係る構成とすることは,当業者が適宜なし得たものであるとすることはできない。

イ まとめ
したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明,引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-5について
本願発明2-5は,本願発明1を減縮した発明であり,本願発明1の
「2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部」(以下,「相違点1に係る構成」という。)及び,
「前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,前記優先順位管理情報を用いて判断する優先順位判断部」(以下,「相違点2に係る構成」という。)
と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明6について
本願発明6は,本願発明1に対応する「信号処理方法」の発明であり,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であり,本願発明1の「相違点1に係る構成」及び「相違点2に係る構成」に対応する構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は,請求項1-7について上記引用文献1-4に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。
しかしながら,平成31年1月15日付け手続補正により補正された請求項1-6は,それぞれ「相違点1に係る構成」及び「相違点2に係る構成」に対応する構成を有するものとなっており,
上記のとおり,本願発明1-6は,引用発明,引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。
したがって,原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第6項第1号について
(1)当審では,請求項1の「2以上の入力信号を受け付ける入力信号受付部」,「前記入力信号受付部が受け付けた2以上の入力信号のうちの所定の入力信号に対して,所定の信号処理を行い,当該信号処理の結果である出力信号を取得する2以上の信号処理部」,「前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生しているか否かを判断するエラー判断部」,「前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する制御部」を含む請求項1に記載の発明は,発明の詳細な説明に記載された,発明の課題を解決するための手段が反映されていないため,発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになっているから,発明の詳細な説明に記載したものではないとの拒絶の理由を通知しているが,平成31年1月15日付けの手続補正により,
「前記2以上の各信号処理部に関する識別子と,優先順位を示す優先順位情報とが対応付いた情報である2以上の優先順位管理情報が格納される優先順位管理情報格納部と,
前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いか否かを,前記優先順位管理情報を用いて判断する優先順位判断部と,
前記優先順位判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部に関する識別子の優先順位が低いと判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する制御部と,」(以下,「請求項1に係る補正事項」という。)
と補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

(2)また,請求項1を引用する請求項2-3,請求項1とカテゴリ表現が異なるだけの請求項6についても同様に,補正によりこの拒絶の理由は解消した。

2 特許法第36条第6項第2号について
(1)当審では,請求項1,7の「2以上の入力信号」,「2以上の入力信号のうちの所定の入力信号に対」する「所定の信号処理」が特定する事項が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成31年1月15日付けの手続補正により,「請求項1に係る補正事項」のように補正された結果,この拒絶の理由は解消した。
また,請求項1を引用する請求項2-3についても同様に,補正によりこの拒絶の理由は解消した。

(2)当審では,請求項1,7の「前記エラー判断部が,前記2以上の信号処理部のいずれかにおいてエラーが発生していると判断した場合に,エラーが発生していると判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号と,エラーが発生していないと判断された信号処理部が信号処理を行う入力信号とを入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する制御部(制御ステップ)」が特定する事項が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成31年1月15日付けの手続補正により,請求項1,6が「請求項1に係る補正事項」のように補正された結果,この拒絶の理由は解消した。
また,請求項1を引用する請求項2-5についても同様に,補正によりこの拒絶の理由は解消した。

(3)当審では,請求項1を引用する請求項6の「前記制御部は,前記優先順位判断部が,エラーが発生していると判断された信号処理部が行う信号処理の内容の優先順位が高く,かつ,エラーが発生していないと判断された信号処理部が行う信号処理の内容の優先順位が低いと判断した場合に,当該2つの信号処理部が信号処理を行う入力信号を,当該2つの信号処理部が用いる処理内容情報と共に入れ替えることを,前記2以上の信号処理部に指示する請求項4記載の信号処理装置。」が特定する事項が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成31年1月15日付けの手続補正により,請求項1が「請求項1に係る補正事項」のように補正された結果,この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり,本願発明1-6は,当業者が引用発明,引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-03-27 
出願番号 特願2013-191356(P2013-191356)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 漆原 孝治  
特許庁審判長 仲間 晃
特許庁審判官 辻本 泰隆
須田 勝巳
発明の名称 信号処理装置、および信号処理方法  
代理人 谷川 英和  

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