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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05B
管理番号 1351172
審判番号 不服2017-19536  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-28 
確定日 2019-05-21 
事件の表示 特願2015-501882「抵抗ヒーター」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月26日国際公開、WO2013/142594、平成27年 7月 2日国内公表、特表2015-518627、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年3月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年3月20日(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その後の経緯は以下のとおりである。
・平成28年12月21日付けで拒絶理由の通知
・平成29年6月29日に意見書及び手続補正書の提出
・同年8月25日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)
・同年12月28日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出
・平成30年9月14日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の通知
・同年12月18日に意見書及び手続き補正書の提出

第2 本願発明
本願請求項1?15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明15」という。)は、平成30年12月18日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
抵抗ヒーターであって、該抵抗ヒーターは、
平面視において第1の端部及び第2の端部を有する略C字形状の本体を備え、該本体は、
概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面と、
該本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部とを有し、
前記本体の少なくとも一部は、第1の面と第2の面とを有し、
前記本体の少なくとも一部は、略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有し、
前記断面形状は、前記本体の少なくとも一部にわたって延在する、抵抗ヒーター。
【請求項2】
前記断面形状は、前記本体の長さの大部分を含む、前記本体の少なくとも一部にわたって延在する、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項3】
前記凹部は前記第1の端部及び前記第2の端部には形成されない、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項4】
前記第1の端部及び前記第2の端部は端子接続孔を有する、請求項3に記載の抵抗ヒーター。
【請求項5】
前記第1の端部及び前記第2の端部は、該第1の端部及び該第2の端部間に画定される加熱領域と略同一の幅を有し、前記凹部は前記第1の端部及び前記第2の端部には形成されない、請求項4に記載の抵抗ヒーター。
【請求項6】
前記本体は、その長さ方向に沿って略均一な幅を有する、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項7】
前記本体は、グラファイト材及びセラミック材のうちの少なくとも一方から製造される、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項8】
前記本体は、pBN及びSiCのうちの少なくとも一方でコーティングされる、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項9】
前記本体の前記第1の面及び前記第2の面双方の一部に凹部が形成される、請求項1に記載の抵抗ヒーター。
【請求項10】
前記第1の面及び前記第2の面は、それぞれ前記本体の垂直な側壁の面である、請求項9に記載の抵抗ヒーター。
【請求項11】
半導体ウェハーを処理する方法であって、
a)本体を有する抵抗ヒーターを準備するステップであって、該本体は、平面視において第1の端部及び第2の端部を有する略C字形状であり、概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面と、該本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部とを有し、該本体の少なくとも一部は略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有し、該断面形状は該本体の少なくとも一部にわたって延在する、ステップと、
b)前記少なくとも1つの加熱面上に半導体ウェハーを支持するステップと、
c)前記ヒーターに電流を印加するステップと、
d)前記半導体ウェハーを所定の温度に加熱するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記凹部は前記第1の端部及び前記第2の端部には形成されない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の端部及び前記第2の端部は端子接続孔を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の端部及び前記第2の端部は、該第1の端部及び該第2の端部間に画定される加熱領域と略同一の幅を有し、前記凹部は前記第1の端部及び前記第2の端部には形成されない、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記本体は、pBN及びSiCのうちの少なくとも一方でコーティングされる、請求項11に記載の方法。」

第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2008-140647号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【請求項1】
加熱面を平滑面にしながら、加熱面と反対側の面に凹部を形成したことを特徴とするヒータ。
【請求項2】
加熱面と反対側の面において、断面両側部を残して該両側部に挟まれた中央部を凹設することにより前記凹部を形成し、該両側部が長さ方向に連続的に延長するリブを形成することを特徴とする、請求項1記載のヒータ。
【請求項3】
端子接続穴を有する端子部を含めて略同幅に形成され、該端子部を除く部分の加熱面と反対側の面に凹部が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のヒータ。」

イ 「【0001】
本発明は主としてグラファイト、SiCなどのセラミックスで形成されるヒータに関し、特に、CVD(化学的気相蒸着法)等の処理を行う半導体基板処理装置や基板成長装置などにおいて半導体基板を直接または間接的に加熱する目的に使用されるヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなヒータの一例が、下記特許文献1に「ヒータ母体」として示されている。
【特許文献1】特開2005-86117号公報
【0003】
また、従来のヒータは、図3に示すように、端子接続穴3を有するヒータ端子部を幅広にすることで端子部の電気抵抗を下げ、端子部での発熱を防いでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような従来のヒータは、厚みに比べて幅広である方形断面形状のものを輪状や渦巻状に成形している。このため、ヒータは電気抵抗が小さく、低電圧・大電流の電源を使用せざるを得なくなり、電源装置のコストアップを招く。
【0005】
また、特に高温時には温度による強度低下のため、撓みや反りなどの変形を生じて、基板などの被加熱物を均一に加熱できなくなる。
【0006】
さらに、図3に示すようにヒータ端子部を幅広にすることによって端子部の発熱を防ぐようにしたヒータ形状の場合、該幅広のヒータ端子部がヒートパターンに干渉しないようにヒートパターンを設計しなければならず、ヒートパターンの自由度に制約を与えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、電気抵抗を大きくすると共に高温時でも撓みや反りを生じないような強度を有するヒータを提供することを目的とする。さらに、ヒータ端子部を幅広にしなくても端子部での発熱を有効に防止し、ヒートパターンの設計自由度を損なわないようにすることを目的とする。」

ウ 「【0011】
請求項1に係る本発明のヒータによれば、加熱面を平滑面にして被加熱物に対する面積および均一加熱を確保しながら、反対側の面に凹部を形成することにより断面積を小さくし、よって電気抵抗を大きくすることができる。したがって、従来の方形断面形状のヒータに比べて、電源装置の小型化・低コスト化を実現することができる。
【0012】
請求項2記載のヒータによれば、凹部形成面において断面両側部をリブとしてそれらの間に凹部を形成しているので、リブがヒータの長さ方向に連続的に延長し、強度を高めることができる。したがって、高温時であっても強度低下が抑制され、撓みや反りなどの変形を生じにくいものとなる。さらに、ヒータにPBN、SiCなどの保護膜コーティングを施す場合も、成膜処理時の高温によっても撓みや反りなどの変形が少ない。
【0013】
請求項3記載のヒータによれば、端子部を含めて全体が略同幅に形成されるので、ヒートパターンの設計自由度を阻害することがなく、シンプルなヒートパターンを採用することが可能となる。本発明のヒータでは、発熱部と端子部の幅が同じであっても、端子部には発熱部にある裏面側の凹部が存在しないことから断面積が大きく、電気抵抗が低いため、端子部における発熱を有効に防止する効果が得られ、被加熱物の面内温度分布の均一性を向上させることができる。」

エ 「【0014】
本発明の一実施形態によるヒータが図1に示されている。このヒータ1は、グラファイトやSiCなどのセラミックス材料で輪状に形成されたヒータ本体2から成り、その両端に端子接続穴3,3が開口形成されている。この実施形態におけるヒータ本体2は幅寸法が20mm、厚さが6mmであり、内径110mm、外径130mmの輪状に形成されている。
【0015】
図1中A-A断面拡大図である図2から明らかなように、ヒータ本体2は表面が平滑であって、基板などの被加熱物を直接またはサセプタなどを介して間接的に載置して加熱するための加熱面4となるが、裏面側は幅方向中央部が抉られて凹部(ザグリ)5が形成され、幅方向両側には一対のリブ6,6を有している。凹部5およびリブ6,6は輪状をなしているヒータ本体2の長さ方向に延長しており、より詳しくは一方の端子接続穴3の近くから他方の端子接続穴3の近くまでヒータ本体2に沿って延長している。この実施形態ではヒータ本体2の幅20mmに対して、両側に各々幅2mmのリブ6,6を残し、幅16mmの凹部5が形成されている。また、ヒータ本体2の厚さ6mmに対して、表面に2mm厚を残して4mmの深さで凹部5が形成されている。
【0016】
この実施形態のヒータ1の設計抵抗値0.09Ωである。これに対し、凹部5およびリブ6,6を設けずに幅20mm、厚さ6mmの断面方形状のヒータ本体を用いて同様に形成した比較例のヒータについての設計抵抗値は0.04Ωであり、凹部を形成することによって抵抗値が大幅に増大することが確認された。
【0017】
図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において様々な形態を取り得る。たとえば、図示実施形態ではヒータ本体が輪状に形成されているが、多くの場合は被加熱物を均一に加熱するために、前述の特許文献1にも示されるように、渦巻状に形成される。また、方形状にヒートパターンを形成することもできる。これらの形態も本発明の範囲内である。」

オ 「



(2)上記(1)から分かること
ア 上記(1)ア?エ及び図1の記載(特に、【請求項3】、段落【0006】、【0007】、【0013】及び【0015】並びに図1の記載)によれば、ヒータ1は、平面視において第1の端子部及び第2の端子部を有する一部を欠いた輪状のヒータ本体2を備えることが分かる。

イ 上記(1)ア、ウ及びエ並びに図1及び2の記載(特に、【請求項2】、段落【0012】、及び【0015】並びに図1及び2の記載)によれば、ヒータ本体2は、表面が平滑で概ね平坦である加熱面4と、該ヒータ本体2にその裏面側の幅方向中央部が抉られて形成され、該ヒータ本体2の一部を欠いた輪状の弧線方向に延在する凹部5とを有することが分かる。

ウ 上記(1)ア及びエ並びに図1及び2の記載(特に、【請求項1】?【請求項3】、段落【0015】並びに図1及び2の記載)によれば、ヒータ本体2の少なくとも一部は、幅方向両側に第1の側面と第2の側面とを有することが分かる。

エ 上記(1)ア、ウ及びエ並びに図1及び2の記載(特に、【請求項1】?【請求項3】、段落【0011】?【0013】及び【0015】並びに図1及び2の記載)を上記イと合わせてみると、ヒータ本体2の少なくとも一部は、凹部5及び幅方向両側に一対のリブ6を有することが分かる。

オ 半導体基板を処理する方法について
上記(1)イ及びエ並びに図1及び2の記載(特に、段落【0001】及び【0015】並びに図1及び2の記載)によれば、電気抵抗を有するヒータにおいて、電流を印加することと、所定の温度に加熱することは、技術常識からみて明らかであるから、引用文献1には、ヒータ1を準備するステップと、ヒータ1の加熱面4上に半導体基板を直接または間接的に載置するステップと、前記ヒータ1に電流を印加するステップと、前記半導体基板を所定の温度に加熱するステップと、を含む半導体基板を処理する方法が記載されていることが分かる。

(3)引用発明1A
上記(1)及び(2)を総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明1A」という。)が記載されていると認める。
「電気抵抗を有するヒータ1であって、該ヒータ1は、
平面視において第1の端子部及び第2の端子部を有する一部を欠いた輪状のヒータ本体2を備え、該ヒータ本体2は、
表面が平滑で概ね平坦である加熱面4と、
該ヒータ本体2にその裏面側の幅方向中央部が抉られて形成され、該ヒータ本体2の一部を欠いた輪状の弧線方向に延在する凹部5とを有し、
前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、幅方向両側に第1の側面と第2の側面とを有し、
前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、前記凹部5及び幅方向両側に一対のリブ6を有する、ヒータ1。」

(4)引用発明1B
上記(1)及び(2)を総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明1B」という。)が記載されていると認める。
「半導体基板を処理する方法であって、
a)ヒータ本体1を有する電気抵抗を有するヒータ1を準備するステップであって、該本体は、平面視において第1の端子部及び第2の端子部を有する一部を欠いた輪状であり、表面が平滑で概ね平坦である加熱面4と、該ヒータ本体2にその裏面側の幅方向中央部が抉られて形成され、該ヒータ本体2の一部を欠いた輪状の弧線方向に延在する凹部5とを有し、前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、前記凹部5及び幅方向両側に一対のリブ6を有する、ステップと、
b)前記加熱面4上に半導体基板を直接または間接的に載置するステップと、
c)前記ヒータ1に電流を印加するステップと、
d)前記半導体基板を所定の温度に加熱するステップと、
を含む、方法。」

2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許第6285011号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、<>内は当審の仮訳である。
ア 「The present invention relates generally to crystal growing apparatus used in growing monocrystalline ingots, and more particularly to an electrical resistance heater for use in such a crystal growing apparatus.」(1欄4?7行)
<本発明は、一般に、成長する単結晶インゴットに使用した結晶成長装置に関し、特に、このような結晶成長装置用の電気抵抗ヒータに関する。>

イ 「To this end, co-assigned U.S. application Ser. No. 60/090,798, filed Jun. 26, 1998, discloses a second, or upper electrical resistance heater for use in a crystal puller used for growing monocrystalline silicon ingots according to the Czochralski method which is sized and shaped for placement in the housing of the crystal puller generally above the crucible in spaced relationship with the outer surface of the growing ingot. The upper heater radiates heat to the ingot as the ingot is pulled upward in the housing relative to the molten silicon. This upper heater is constructed in a manner similar to conventional crucible heaters in that it comprises vertically oriented heating segments arranged in side-by-side relationship and connected to each other to form an electrical circuit. 」(2欄41?54行)
<この目的のために、…米国特許出願第60/090798号は、成長するインゴットの外部表面と間隔を置いた関係で、一般的に、るつぼの上方の結晶引上装置のハウジング内に配置するような大きさおよび形状とされる、チョクラルスキー法による単結晶シリコンインゴットを成長させるために使用される結晶引き上げ装置中で使用するための、第2の、または上方の電気抵抗ヒータを開示している。インゴットが溶融シリコンに対してハウジング中で上方向に引かれると、上部ヒータは、インゴットに熱を放射する。この上部ヒータは、並んで配置されている垂直に配置された加熱セグメントを含むという点で従来のヒータと同様に構成され、互いに接続された電気的回路を形成する。>

ウ 「Referring now to the drawings and in particular to FIG. 1, an electrical resistance heater constructed according to the principles of the present invention is generally indicated at 21. The heater 21 is preferably for use in a crystal puller, indicated generally at 23, of the type used to grow monocrystalline silicon ingots (e.g., ingot I of FIG. 1) according to the Czochralski method. 」(3欄下から7行?末行)
<ここで図面、特に図1を参照すると、本発明の原理に従って構成された電気抵抗ヒータは、一般に符号21で示されている。ヒータ21は、チョクラルスキー法により単結晶シリコンインゴット(例えば、図1のインゴットI)の成長に使用されるタイプの、全体を符号23で示される結晶引き上げ装置中での使用に好適である。>

エ 「The electrical resistance heater 21 of the present invention comprises a generally tubular heating element 51 mounted in the upper pull chamber 29 of the housing 25 adjacent the dome-shaped upper wall of the lower growth chamber 27. The heating element 51 extends downward into the crystal growth chamber 27, terminating substantially above the crucible 31 containing the molten source material M. A central opening 53 of the heating element 51 allows the growing ingot I to pass centrally through the heating element as it is pulled upward through the housing 25 of the puller 23.
As shown in FIG. 2, the heating element 51 comprises vertically oriented heating segments 55 arranged in side-by-side relationship and connected to each other to form an electrical circuit. More particularly, upper and lower ends, designated 57 and 59, respectively, of adjacent heating segments 55 are alternatingly connected to each other in a continuous serpentine configuration forming a closed geometric shape; in the illustrated embodiment, a cylinder. Opposing mounting brackets 61 are connected to the top of the heating element 51 in electrical connection with the heating segments 55 and extend upward from the heating element for mounting the heater 21 on the wall of the upper pull chamber 29.」(4欄37?60行)
<本発明の電気抵抗ヒータ21は、下部成長チャンバ27のドーム形状の上部壁に隣接したハウジング25の上部引き上げチャンバ29に搭載された略管状の加熱要素51を含む。加熱要素51は、結晶成長チャンバ27内へ下方に延びて、溶けたソース材料Mを収容するるつぼ31の上で実質的に終わる。加熱要素51の中央開口部53は、成長中のインゴットIが、引き上げ装置23のハウジング25を通って上方に引上げられる間、加熱要素の中央を通って通過することができる。
図2に示すように、加熱要素51は、並んだ関係に配置され、電気回路を形成するように相互に接続された、垂直に配向された加熱セグメント55からなる。より具体的には、隣接する加熱セグメント55のそれぞれ57および59で示される上端及び下端は、閉じた幾何学形状を形成する連続した蛇行状の形状であり、図示された実施形態では円柱状に、互いに交互に接続されている。対向する取付ブラケット61は、加熱セグメント55と電気的に接続されるように加熱要素51の頂部に接続されており、上部引き上げチャンバ29の壁にヒータ21を装着するための加熱要素から上方に延びている。>

オ 「FIG. 5 illustrates a cross-section of a heating element 155 of a second embodiment of the electrical resistance heater 21. Construction of this second embodiment heater 21 is substantially similar to the heater described above and shown in FIGS. 1 and 2 in that it comprises a heating element 151 having heating segments 155 arranged in serpentine configuration. In this second embodiment, channels 171, 172 are formed in both outer and inner surfaces 177, 179 of each heating segment 155 of a heating element 151 to define a generally I-shaped cross-section of each segment. The I-shaped cross-section of each heating segment 155 similarly maintains sufficient mechanical bending stiffness of the heating element 151 in the radial direction while reducing the cross-sectional area of the heating segments in comparison to the conventional heater shown in FIG. 4 having heating segments of a rectangular cross-sections.」(6欄54行?7欄3行)
<図5は、電気抵抗ヒーター21の第2の実施形態の加熱要素155の断面を示す。この第2の実施形態のヒータ21の構造は、蛇行構成で配置された加熱セグメント155を有する加熱要素151を備えている点で、上記し且つ図1及び図2に示すヒータとほぼ同様である。
この第2の実施形態では、チャネル171、172は、加熱要素151の各加熱セグメント155の外側と内側の両方の表面177、179に形成されており、各セグメントの全体にI形断面を形成している。各加熱セグメント155のI形断面は、矩形断面の加熱セグメントを有する図4に示した従来のヒータに比較して加熱セグメントの断面積を減少させながら、同様に加熱要素151の半径方向における十分な機械的剛性を維持する。>

(2)引用文献2に記載された技術
上記(1)ア?オ並びに図1、2及び5の記載によれば、引用文献2には、次の事項からなる技術(以下「引用文献2に記載された技術」という。)が記載されていると認める。
「結晶成長装置用の電気抵抗ヒータ21において、隣接する加熱セグメント155は、連続した蛇行状且つ円柱状に互いに接続されており、各加熱セグメント155は、外側の表面177及びインゴットIに熱を放射する内側の表面179にそれぞれチャネル171、172を形成し、各加熱セグメント155の断面がI形断面となるようにした技術。」

3 引用文献3
(1)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2004-228565号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0019】
図1は、本発明を適用した半導体製造装置1を概略的に示す断面図である。本例の装置1においては、チャンバー2内にサセプター5が固定されている。サセプター5は、基体6と、基体6内に埋設された発熱素子7を備えている。基体6の加熱面6aには半導体ウエハーWが載置されている。基体6内には昇降ピン9が挿通されている。基体6の背面6c側には円筒状の支持部材(シャフト)30が接合されており、支持部材30の内部空間11に電力供給部材8が挿入固定されている。
【0020】
本例では、昇降ピンリフター10、ライナー4およびガス供給板3に本発明が適用されている。即ち、半導体ウエハーWに対向する位置にガス供給板3が設置されている。図2(a)は、本例のガス供給板3を概略的に示す断面図であり、図2(b)は、ガス孔3aおよび発熱素子15の平面的パターンを示す図である。図1にはガス供給板3の詳細は図示していない。
【0021】
ガス供給板3には多数のガス孔3aが設けられており、かつガス供給板3の背面3b側には円形の空隙18が設けられている。ガス供給板3の背面3b側から矢印Aのようにガスを供給すると、このガスは、ガス孔3a内を分配され、各ガス孔3aから矢印BのようにウエハーWへと向かって排出される。
【0022】
ここで、本例では、ガス供給板3の基材中に発熱素子15を埋設しており、発熱素子15へと端子14から電力を供給し、発熱させることができる。これによって、発熱素子15からガス供給板基材への接触熱伝導により、ガス供給板3の対向面3cから発熱し、ウエハーWを輻射加熱することができる。
【0023】
なお、本例においては、端子14と発熱素子15との接続部分は、例えば図3(a)、図3(b)のような形態とすることができる。図3(a)の例では、端子14としてリード線を使用しており、リード線14と発熱素子15とがろう材16によってろう付けされている。図3(b)の例では、端子14としてリード線を使用している。そして、リード線14と発熱素子15とが溶接ないしかしめ部分16において接合されている。
【0024】
また、本例では、ライナー4内に発熱素子を設けてある。即ち、図4は、本例のライナー4を示す平面図であり、図5は、ライナー4の横断面図である。ライナー4は、平面的には略リング状をしている。ライナー4の内側には略円形の空隙22が形成されており、空隙22内にサセプターおよびウエハーが収容され、包囲されている。ライナー4の外周面4dとサセプターへの対向面4cとの間には、ガス排出孔4aとウエハー装入孔4bとが設けられている。
【0025】
ここで、本例においては、ライナー4内の特に対向面4c側に発熱素子20が埋設されている。発熱素子20は、対向面4cに沿って伸びる本体部分20aと、ガス排出孔4aに対向する位置に設けられた開口加熱部20cと、ウエハー装入孔4bに対向する位置に設けられた開口加熱部20bとを備えている。20dは接続部分である。20dは、発熱素子として機能してよく、あるいは実質的に発熱しないリード線であってよい。発熱素子20の端部には例えば一対の端子19から電力を供給できる。端子19と発熱素子20の接続部分は、例えば図3(a)、図3(b)に示すような形態とすることが好ましい。本例では、ライナー4の外周面(チャンバー設置面)4d側に開口する空隙21が設けられている。
【0026】
ライナー4からの輻射によって、サセプター5、特にその側面6bを加熱できる。これによって、サセプター5の側面からの熱輻射による加熱面外周部の温度低下を抑制できるので特に好適である。」

(2)引用文献3に記載された技術
上記(1)及び図1?5の記載(特に、段落【0025】並びに図1、4及び5の記載)によれば、引用文献3には、次の事項からなる技術(以下「引用文献3に記載された技術」という。)が記載されていると認める。
「半導体製造装置1において、サセプターへの対向面4c側に発熱素子20が埋設されたライナー4が、外周面4d側2に開口する空隙21を設けるようにした技術。」

4 引用文献4
(1)引用文献4の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2009/0200288号(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、<>内は当審の仮訳である。
ア 「[0002] The present invention relates to a resistance heater made from a material such as graphite, SiC, etc., and more particularly to a heater to be used for directly or indirectly heating a semiconductor wafer in a semiconductor wafer processing device in which , for example, CVD (chemical vapor deposition) or other coating method is carried out.」
<本発明は、黒鉛、SiC等の材料からなる発熱抵抗体に関し、より具体的には、例えば、CVD(化学気相成長)又は他のコーティング方法を行う半導体ウエハ処理装置において、半導体ウエハを直接または間接的に加熱に使用されるヒータに関する。>

イ 「[0006] To achieve these objects, in accordance with an aspect of the present invention, a heater is provided having a smooth heating surface and a recess formed on a second surface opposite to the heating surface.…
[0007] In a preferred embodiment, the recess is formed between opposite side walls on the second surface and extends in a lengthwise direction of the heater. The opposite side walls also extends in a lengthwise direction of heater, which reinforces the heater and prevents the heater from being bent, warped or deformed even when the heater is subjected to a high temperature condition. When the heater is coated with a protective film of pyrolitic boron nitride (pBN), SiC, etc., it can withstand the high temperatures encountered in a wafer coating process, thereby preventing or minimizing deformation.」
<これらの目的を達成するために、本発明の一態様によれば、ヒータは、平坦な加熱面と、加熱面に対向する第2の表面上に形成された凹部を有して提供される。…
好ましい実施形態では、凹部は、第2の表面上の対向する側壁の間に形成されており、ヒータの長手方向に延びている。反対側の壁は、ヒータが高温状態にさらされたときでさえも、ヒータの長手方向において、ヒータを補強すると、ヒーターを曲げ、反りや変形を防止することができる。ヒータは、熱分解窒化ホウ素(pBN)、SiC等の保護膜で被覆されている場合、これは、ウエハ被覆プロセスで遭遇する高温に耐えることができ、変形を防止または最小化することができる。>

ウ 「[0013] A heater embodying the present invention is shown in FIGS. 1 and 2. Heater 1 comprises a C-shaped heater body 2 made from a material such as graphite, ceramics such as SiC, etc.」
<本発明を具体化するヒータは、図1及び図2に示すヒータ1は、グラファイト、SiCなどのセラミックスなどのような材料から形成されたC字状のヒータ本体2を備えている。>

エ 「[0014] As clearly shown in FIG. 2, which is an enlarged cross-section taken along A-A in FIG. 1, the heater body 2 has an upper horizontal wall 8 having a smooth and flat top heating surface 4 onto which an object to be heated, such as a wafer, is mounted directly or indirectly via a susceptor, etc. A center portion of the underside of the heater body 2 is recessed to form an elongated groove or recess 5 between a pair of opposite vertical side walls or ribs 6a, 6b, said side walls having inner surfaces 9a and 9b which at least partially define recess 5. The recess 5 and side walls 6a, 6b extend in an arcuate linear direction of the C-shaped heater body 2 so as to provide an inverted U-shaped cross section along a middle portion 7c of the heater, but not at the end portions of the heater body.」
<図2から明らかなように、図1のA-A線に沿った拡大断面図であり、ヒータ本体2は、滑らかで平坦な上部加熱面4を有する上部水平壁8とを有し、その上にウエハ等の被加熱物がサセプタなどを介して直接的または間接的に取り付けられる。ヒータ本体2の下側の中央部分は、1対の対向する垂直な側壁またはリブ6a,6bの間に細長い溝または凹部5を形成するために凹んでおり、前記側壁は、凹部5を少なくとも部分的に画定する内面9a及び9bを有する。この凹部5と側壁6a,6bは、ヒータの中央部7cに沿って逆U字状の横断面を提供するようにC字形状のヒーター本体2のアーチ状の線状方向に延在するが、ヒータ本体の端部には形成されていない。>

オ 「6. The heater of claim 1 wherein the body is coated with pBN or SiC.」
<6.本体は、pBN又はSiCで被覆されている請求項1に記載のヒータ。>

(2)引用文献4に記載された技術
上記(1)ア?オ並びに図1及び2の記載によれば、引用文献4には、次の事項からなる技術(以下「引用文献4に記載された技術」という。)が記載されていると認める。
「半導体ウエハ処理装置のヒータにおいて、C字形状のヒーター本体2は、滑らかで平坦な上部加熱面4を有する上部水平壁8を有し、端部を除く下側が1対の対向する垂直な側壁またはリブ6a,6bの間に細長い溝または凹部5を形成したものとされるとともに、pBN又はSiCで被覆されるようにした技術。」

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1Aとを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者における「電気抵抗を有するヒータ1」は、前者における「抵抗ヒーター」に相当し、以下同様に、「第1の端子部」は「第1の端部」に、「第2の端子部」は「第2の端部」に、「一部を欠いた輪状」は「略C字形状」に、「表面が平滑で概ね平坦である」態様は「概ね滑らかで概ね平坦である」態様に、「加熱面4」は「少なくとも1つの加熱面」に、「ヒータ本体2の少なくとも一部」は「本体の少なくとも一部」に、それぞれ相当する。

・後者における「前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、幅方向両側に第1の側面と第2の側面とを有し」は、前者における「前記本体の少なくとも一部は、第1の面と第2の面とを有し」に、相当する。

したがって、両者の間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「抵抗ヒーターであって、該抵抗ヒーターは、
平面視において第1の端部及び第2の端部を有する略C字形状の本体を備え、該本体は、
概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面を有し、
前記本体の少なくとも一部は、第1の面と第2の面とを有する、抵抗ヒーター。」

[相違点A]
本願発明1においては、「該本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部」を有し、「前記本体の少なくとも一部は、略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有し、前記断面形状は、前記本体の少なくとも一部にわたって延在する」ものであるのに対して、引用発明1Aにおいては、「該ヒータ本体2にその裏面側の幅方向中央部が抉られて形成され、該ヒータ本体2の一部を欠いた輪状の弧線方向に延在する凹部5」を有し、「前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、前記凹部5及び幅方向両側に一対のリブ6を有する」ものであって、ヒータ本体2の少なくとも一部が略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有するものではない点(以下、「相違点A」という。)。

(2)判断
上記相違点Aについて検討する。
引用発明1Aのヒータ本体2は、加熱対象の方向にみて略逆U字状の断面形状を有し、断面形状は、ヒータ本体2の少なくとも一部にわたって延在するものといえる。
他方、引用文献2に記載された技術は、連続した蛇行状且つ円柱状に配置された加熱セグメント155が、インゴットに熱を放射する内側の表面179とその反対側である外側の表面177にそれぞれ延在する凹部といえるチャネル171、172を形成しており、加熱対象であるインゴットの方向の面に凹部を備える形状となっているから、本願発明1における、本体が、概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面と、該本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部と有し、且つ略水平方向に対称な断面略I字形状のものとは、全体構成及び断面構成のそれぞれが異なる。特に、本願発明1の「I字形状」とは、概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面と、本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部の位置として、単に「I」でなく、略水平方向に対称な「I字」として断面の上下方向に対して左右方向に凹部を設けることを明確に特定するものである。
また、引用文献3及び4に記載された技術は、いずれも引用発明1Aと同様に、ヒーターの本体が、加熱対象の方向にみて略逆U字状の断面形状を有することを示すにとどまる。
そうすると、引用発明1Aにおいて、引用文献2?4に記載された技術を考慮しても、上記相違点Aに係る本願発明1の発明特定事項とすることは、その動機付けはなく、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
したがって、本願発明1は、引用発明1Aであるとはいえず、また、引用発明1A及び引用文献2?4に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

2 本願発明2?10について
本願発明2?10は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明1の検討を踏まえると、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、また、引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

3 本願発明11について
(1)対比
本願発明11と引用発明1Bとを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者における「半導体基板」は、前者における「半導体ウェハー」に相当し、同様に「半導体基板を処理する方法」は「半導体ウェハーを処理する方法」に相当する。

・後者における「ヒータ本体1を有する電気抵抗を有するヒータ1を準備するステップであって、該本体は、平面視において第1の端子部及び第2の端子部を有する一部を欠いた輪状であり、表面が平滑で概ね平坦である加熱面4」を有する「ステップ」は、上記1(1)の検討を踏まえると、前者における「本体を有する抵抗ヒーターを準備するステップであって、該本体は、平面視において第1の端部及び第2の端部を有する略C字形状であり、概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面」を有する、「ステップ」に相当する。

・後者における「前記加熱面4上に半導体基板を直接または間接的に載置するステップは、前者における「前記少なくとも1つの加熱面上に半導体ウェハーを支持するステップ」に相当する。

・後者における「前記ヒータ1に電流を印加するステップ」は、前者における「前記ヒーターに電流を印加するステップ」に相当する。

・後者における「前記半導体基板を所定の温度に加熱するステップ」は、前者における「前記半導体ウェハーを所定の温度に加熱するステップ」に相当する。

したがって、両者の間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「半導体ウェハーを処理する方法であって、
a)本体を有する抵抗ヒーターを準備するステップであって、該本体は、平面視において第1の端部及び第2の端部を有する略C字形状であり、概ね滑らかで概ね平坦である少なくとも1つの加熱面を有する、ステップと、
b)前記少なくとも1つの加熱面上に半導体ウェハーを支持するステップと、
c)前記ヒーターに電流を印加するステップと、
d)前記半導体ウェハーを所定の温度に加熱するステップと、
を含む、方法。」

[相違点B]
本願発明11においては、a)のステップが「該本体に形成され、該本体の略C字形状の弧線方向に延在する凹部」を有し、「該本体の少なくとも一部は略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有し、該断面形状は該本体の少なくとも一部にわたって延在する」ものであるのに対して、引用発明1Bにおいては、「該ヒータ本体2にその裏面側の幅方向中央部が抉られて形成され、該ヒータ本体2の一部を欠いた輪状の弧線方向に延在する凹部5」を有し、「前記ヒータ本体2の少なくとも一部は、前記凹部5及び幅方向両側に一対のリブ6を有する」ものであって、ヒータ本体2の少なくとも一部が略水平方向に対称な略I字形状の断面形状を有するものではない点(以下、「相違点B」という。)。

(2)判断
上記相違点Bは上記1(1)に示した相違点Aと同様の内容であり、上記1の検討を踏まえると、本願発明11は、引用発明1Bであるとはいえず、また、引用発明1B及び引用文献2?4に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

4 本願発明12?15について
本願発明12?15は、本願発明11の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明11の検討を踏まえると、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、また、引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

第5 原査定の拒絶理由の概要及び原査定の拒絶理由についての判断
原査定の拒絶理由の概要は、平成29年6月29日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項2?8、10?16に係る発明について、上記引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、同特許請求の範囲の請求項1?17に係る発明について、上記引用文献1?4に記載された発明ないし技術に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、上記第4のとおり、本願発明1?15については、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、また、引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
当審では、本願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨の当審拒絶理由を通知しているが、平成30年12月18日付け意見書における釈明並びに同日付け手続補正書により、請求項1及び請求項11に記載の「略水平方向に対称な略I字形状の断面形状」が明確に特定できるものとなり、当審拒絶理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願については、原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶するべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-05-08 
出願番号 特願2015-501882(P2015-501882)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H05B)
P 1 8・ 113- WY (H05B)
P 1 8・ 537- WY (H05B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 正志  
特許庁審判長 藤原 直欣
特許庁審判官 槙原 進
井上 哲男
発明の名称 抵抗ヒーター  
代理人 立花 顕治  
代理人 山下 未知子  
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