• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1351354
審判番号 不服2018-3111  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-05 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 特願2012-287675号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年7月10日出願公開、特開2014-128399号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年12月28日の出願であって、平成28年10月3日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月21日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年4月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月30日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月29日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成30年3月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成30年3月5日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年3月5日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、本件補正前の平成29年6月30日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項1が、
「【請求項1】
可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段と、
前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段と
を備え、
前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含み、
前記演出実行手段は、
前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であり、
前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。」
から、本件補正後の請求項1として、
「【請求項1】
A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段と、
C 前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段と
を備え、
E 前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含み、
F 前記演出実行手段は、
前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なるように、かつ、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であり、
G 前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。」
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。また、当審においてA?Gに分説した。)。

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数」に関して、「前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なるように」実行されることを限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面の段落【0252】、図23及び図24等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(1)引用例1
ア 引用例1に記載又は図示された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2003-334326号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の(1-1)?(1-12)の事項が記載又は図示されている。

(1-1)「【0003】特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。」

(1-2)「【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。」

(1-3)「【0033】可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。」

(1-4)「【0093】図10は、始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS114では、変動時間を短縮させるか否かの判定を行うタイマーをセットする。そして、入賞時演出設定処理を実行する(ステップS115)。
【0094】図11は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理において、CPU56は、まず、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグをセットする(ステップS121)。入賞ありフラグは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理(ステップS31)で参照される。次いで、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム1を抽出し(ステップS122)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS123)。大当り判定モジュールにおいてランダム1の値にもとづいて大当りとなると判定された場合には(ステップS124)、確変大当りとなるか否か判定する(ステップS125)。
・・・
【0096】従って、ステップS124では、CPU56は、ランダム3(大当り図柄決定用乱数)を抽出し、抽出した乱数にもとづいて大当り図柄を判定し、判定結果が異数図柄であれば確変大当りとなると判定する。確変大当りとならないと判定した場合には、非特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS126)。確変大当りとなると判定した場合には、特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS127)。
【0097】ステップS124において大当りとしないと判定された場合には、ランダム5(リーチ判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム5を抽出し(ステップS131)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS132)。リーチ判定モジュールにおいてランダム5の値にもとづいてリーチとなると判定された場合には(ステップS133)、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS134)。リーチとならないと判定された場合には、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS135)。」

(1-5)「【0106】次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
・・・
【0110】図17は、2mSタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0111】コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。この実施の形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
・・・
【0113】以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが送信される(ステップS161?S163)。また、始動入賞記憶数が増加したときには、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信される(図10に示されたステップS112,S115、図11、および図17に示されたステップS166,S167参照)。なお、この実施の形態では、大当りではない場合には、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるが、大当りではない場合には常にはずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるようにしてもよい。以下、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定およびはずれ入賞指定の表示制御コマンドを、入賞時判定結果コマンドまたは判定結果コマンドということがある。
【0114】なお、始動入賞が発生した時点で判定される大当りおよびリーチ(ステップS123,S132参照)は、可変表示装置9における可変表示開始を開始させるための条件(実行条件であって開始条件ではない)の成立にもとづいて決定されたものである。可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したときには、あらためて、大当りとするか否か、また、はずれリーチとするか否かが決定される(ステップS56,S65参照)。そして、その決定結果にもとづいて実際の可変表示の表示結果が導出される(ステップS62,S67,S68参照)。ただし、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる乱数値は、可変表示の実行条件が成立したときに抽出され保存領域に保存された値である。従って、可変表示の開始条件が成立したときの確変大当りとするか否かと、非確変大当りとするか否かと、はずれリーチとするか否かの決定結果は、可変表示の実行条件が成立したときの決定結果と同じになる。
・・・
【0116】また、遊技制御手段は、保留記憶数コマンドとしての始動入賞記憶数指定コマンドを判定結果コマンドよりも先に送信する(記憶処理においてステップS162,S163の処理をステップS166,S167の処理よりも先に実行)。よって、表示制御手段は、最新の保留記憶数にもとづいて連続予告(保留予告:始動入賞発生時に実行される大当りとするか否かの抽選の結果にもとづいて、以後の複数回の特別図柄の可変表示において始動入賞記憶数を上限として、すなわち複数回の可変表示にまたがって連続して実行される演出であって、大当りとなること、具体的には大当りとなる可能性があることを遊技機に設けられている演出手段を用いて遊技者に報知するための予告演出)に関する決定を行うことができる。」

(1-6)「【0135】また、図21(C)?(F)に示すような4種類の連続予告演出を行うことが可能である。図21(C)に示す連続予告Aは、可変表示装置9において、背景に現れるキャラクタ等の表示による予告演出である。図21(D)に示す連続予告Bは、可変表示装置9およびスピーカ27を用いた予告演出である。図21(E)に示す連続予告Cは、可変表示装置9およびランプ・LEDを用いた予告演出である。図21(F)に示す連続予告Dは、可変表示装置9、ランプ・LEDおよびスピーカ27を用いた予告演出である。
【0136】なお、図21に示す予告演出の例は一例であって、より多くの種類の予告演出を行うようにしてもよい。例えば、連続予告BやCにおいて、音発生パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよいし、連続予告CやDにおいて、ランプ・LEDの点滅パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。また、連続予告A?Dにおいて、キャラクタの種類を異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。なお、より多くの種類の連続予告演出を行う場合でも、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかは、表示制御手段が、判定結果コマンドと始動入賞記憶数指定の制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定する。
・・・
【0138】次に、表示制御手段の動作を説明する。図22は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2mSタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。図23に示すように、タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の表示制御処理を実行する。」

(1-7)「【0156】連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)には、実行回数および連続予告の種類を示すデータが設定されているので、表示制御手段は、判定結果コマンドと連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)の内容とにもとづいて連続予告態様(実行回数と連続予告の種類)を選定することができる。また、それぞれの連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)の内容は、少なくとも一部(非特定大当り指定の部分と特定大当り指定の部分)が異なっているので、始動入賞記憶数の違いに応じて、可変表示装置9等の演出手段を用いて異なる演出を行うことができる。
・・・
【0160】図29は、ステップS638,S642,S654,S658で実行される連続予告の判定処理例を示すフローチャートである。連続予告の判定処理において、表示制御用CPU101は、まず、連続予告を実行中であるか否か判定する(ステップS661)。実行中であるか否かは、実行中にセットされている内部フラグである連続予告実行中フラグによって判定できる。連続予告の実行中でなければ、連続予告判定テーブル102Bnを選択する(ステップS662)。連続予告判定テーブル102Bnとは、制御データROM102に備えられたデータテーブル102Aにおける複数のテーブル102Bnの内の1のテーブルであって、図27および図28に示された情報が設定されているテーブルである。この実施の形態では、表示制御用CPU101は、連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)のうち、直前に受信した始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す始動入賞記憶数に応じたテーブルを選択する。なお、短縮変動による特別図柄の可変表示が実行される場合には、表示制御手段は、予告演出を行わないようにする。
【0161】そして、表示制御用CPU101は、抽出されている乱数の値と同じ連続予告判定値が連続予告判定テーブル102Bnに設定されているか否か確認し(ステップS663)、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブル102Bnから対応する連続予告の種類と実行回数とを抽出する。実行回数が0でなければ(ステップS664)、連続予告の種類をRAMにおける予告種類バッファに格納するとともに、実行回数をRAMにおける実行回数バッファに格納し(ステップS665)、連続予告抽選済フラグセットする(ステップS666)。
・・・
【0167】図30は、図22に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800?S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0168】変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
【0169】予告選択処理(ステップS801):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。
【0170】全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
・・・
【0178】図33は、図30に示された表示制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、表示制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か確認する(ステップS811)。実行中でなければ、連続予告抽選済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。連続予告抽選済フラグがセットされていれば、すなわち、連続予告を行うことに決定されていれば、連続予告抽選済フラグをリセットし(ステップS813)、実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定する(ステップS814)。そして、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS815)。
【0179】また、決定した予告演出に対応した予告開始時間決定タイマをスタートする(ステップS816)。そして、表示制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS817)。予告開始時間決定タイマは、可変表示装置9において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始するタイミングを決定するためのタイマである。
【0180】ステップS811において連続予告実行中であると確認したら、表示制御用CPU101は、実行回数カウンタを-1し(ステップS821)、実行回数カウンタが0でなければステップS816に移行する(ステップS822)。実行回数カウンタが0になった場合には、決定された実行回数分の連続予告が既に完了していることになる。その場合には、ステップS823に移行する。」

(1-8)「【0209】なお実施の形態において連続予告B1乃至連続予告B4は主題を共通とする連続予告であって表現の一部若しくは細部が異なる演出として準備される一群の演出であって、他の連続予告C、Dにおいても同様である。」

(1-9)「【図面の簡単な説明】
【図33】予告選択処理を示すフローチャートである。
・・・
【図39】 実施の形態4における始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。
【図40】実施の形態4における始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。」

(1-10)「予告選択処理を示すフローチャートである【図33】



(1-11)「実施の形態4における始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である【図39】



(1-12)「実施の形態4における始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である【図40】



イ 認定事項
上記「ア」から、次の(1-a)?(1-g)の事項が認定できる。

(1-a)段落【0003】には「特定遊技状態は、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)」と記載され、段落【0033】には「可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。」と記載され、段落【0019】には「図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図」と記載されているから、引用例1には、特別図柄の可変表示を行って、停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄であると、遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態に移行するパチンコ遊技機が記載されているといえる。

(1-b)【0093】?【0097】には「始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、・・・大当り判定モジュールにおいてランダム1の値にもとづいて大当りとなると判定された場合には(ステップS124)、確変大当りとなるか否か判定する(ステップS125)。・・・確変大当りとならないと判定した場合には、非特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS126)。確変大当りとなると判定した場合には、特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS127)。・・・ステップS124において大当りとしないと判定された場合には、ランダム5(リーチ判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム5を抽出し(ステップS131)、リーチ判定モジュールを実行する。・・・リーチ判定モジュールにおいてランダム5の値にもとづいてリーチとなると判定された場合には(ステップS133)、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS134)。リーチとならないと判定された場合には、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS135)。」と記載され、段落【0094】には「CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム1を抽出し(ステップS122)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS123)。大当り判定モジュールにおいてランダム1の値にもとづいて大当りとなると判定された場合には(ステップS124)、確変大当りとなるか否か判定する(ステップS125)。」と記載され、段落【0106】には「CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。」と記載され、段落【0114】には「始動入賞が発生した時点で判定される大当りおよびリーチ(ステップS123,S132参照)は、可変表示装置9における可変表示開始を開始させるための条件(実行条件であって開始条件ではない)の成立にもとづいて決定されたものである。可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したときには、あらためて、大当りとするか否か、また、はずれリーチとするか否かが決定される(ステップS56,S65参照)。」と記載されているから、引用例1には、始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定し、大当たりとなると判定された場合には、非特定大当り入賞指定コマンド又は特定大当り入賞指定コマンドをセットし、大当りとしないと判定された場合には、リーチ入賞指定コマンド又ははずれ入賞指定コマンドをセットするCPU56を有し、CPU56は始動入賞が発生した時点で大当たりとするか否かの判定を行うステップS123を実行し、可変表示を開始できる条件が成立したときにあらためて大当たりとするか否かを決定するステップS56を実行することが記載されているといえる。

(1-c)段落【0110】には「CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。」と記載され、段落【0111】には「コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。」と記載され、段落【0113】には「始動入賞記憶数が増加したときには、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信される・・・特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定およびはずれ入賞指定の表示制御コマンドを、入賞時判定結果コマンドまたは判定結果コマンドということがある。」と記載されている。
また、段落【0156】には「表示制御手段は、判定結果コマンドと連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)の内容とにもとづいて連続予告態様(実行回数と連続予告の種類)を選定することができる。」と記載され、段落【0116】には「表示制御手段は、最新の保留記憶数にもとづいて連続予告(保留予告:始動入賞発生時に実行される大当りとするか否かの抽選の結果にもとづいて、以後の複数回の特別図柄の可変表示において始動入賞記憶数を上限として、すなわち複数回の可変表示にまたがって連続して実行される演出であって、大当りとなること、具体的には大当りとなる可能性があることを遊技機に設けられている演出手段を用いて遊技者に報知するための予告演出)に関する決定を行うことができる。」と記載されているから、引用例1には、CPU56がコマンドセット処理を実行して始動入賞記憶数が増加したときに特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定又ははずれ入賞指定の表示制御コマンドを送信し、この送信された判定結果コマンドである表示制御コマンドと連続予告判定テーブル102B1?102B4の内容とにもとづいて以後の複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告の実行回数と種類を選定する表示制御手段が記載されているといえる。

(1-d)段落【0160】?【0161】には「表示制御用CPU101は、連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)のうち、直前に受信した始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが示す始動入賞記憶数に応じたテーブルを選択する。・・・表示制御用CPU101は、抽出されている乱数の値と同じ連続予告判定値が連続予告判定テーブル102Bnに設定されているか否か確認し(ステップS663)、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブル102Bnから対応する連続予告の種類と実行回数とを抽出する。」と記載され、段落【0138】には、「図22は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。」と記載され、段落【0167】?【0170】には「図30は、図22に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800?S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。・・・変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):・・・予告選択処理(ステップS801):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。・・・全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。」と記載されている。
また、段落【0178】には「図33は、図30に示された表示制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、表示制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か確認する(ステップS811)。実行中でなければ、連続予告抽選済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。連続予告抽選済フラグがセットされていれば、すなわち、連続予告を行うことに決定されていれば、連続予告抽選済フラグをリセットし(ステップS813)、実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定する(ステップS814)。そして、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS815)。」と記載され、段落【0180】には「表示制御用CPU101は、実行回数カウンタを-1し(ステップS821)、実行回数カウンタが0でなければステップS816に移行する(ステップS822)。実行回数カウンタが0になった場合には、決定された実行回数分の連続予告が既に完了していることになる。その場合には、ステップS823に移行する。」と記載され、図33には、ステップS822で実行回数カウンタが0である場合にステップS823に進んで連続予告実行中フラグをリセットしてステップS825に進み、その後、ステップS814を実行することなくS817に進んでプロセスフラグに全図柄変動開始処理を設定して終了することが図示されているから、引用例1には、連続予告判定テーブル102B1?102B4から連続予告の種類と実行回数を抽出する表示制御用CPU101を有し、表示制御用CPU101はメイン処理における予告演出を行うか否かと予告演出の種類を決定する予告選択処理において、実行回数カウンタが0となって実行回数分の連続予告が既に完了していた場合には、連続予告を行うことが決定されて実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定するS814を実行することなく図柄の変動が開始されるように制御する全図柄変動開始処理に進むことが記載されているといえる。

(1-e)段落【0135】には「4種類の連続予告演出を行うことが可能である。」と記載され、段落【0136】には「例えば、連続予告BやCにおいて、音発生パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよいし、連続予告CやDにおいて、ランプ・LEDの点滅パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。また、連続予告A?Dにおいて、キャラクタの種類を異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。」と記載され、段落【0209】には「なお実施の形態において連続予告B1乃至連続予告B4は主題を共通とする連続予告であって表現の一部若しくは細部が異なる演出として準備される一群の演出であって、他の連続予告C、Dにおいても同様である。」と記載されている。
また、図39及び図40には、始動入賞記憶数=1?4のテーブル102B1?102B4に、連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3を実行するように定義され、図40には、始動入賞記憶数=3のテーブル102B3に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数2回で実行し、判定結果コマンドが非特定大当たり入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数1回で実行するように定義され、始動入賞記憶数=4のテーブル102B4に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行し、判定結果コマンドが非特定大当たり入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回で実行し、特定大当たり入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行するように定義されることが図示されているから、引用例1には、4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告C3を実行することが記載されているといえる。

(1-f)段落【0156】には「表示制御手段は、判定結果コマンドと連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)の内容とにもとづいて連続予告態様(実行回数と連続予告の種類)を選定することができる。」と記載され、段落【0113】には「大当りではない場合には、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信される」と記載され、図39及び図40には、始動入賞記憶数=3のテーブル102B3に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数2回で実行し、判定結果コマンドが非特定大当たり入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数1回で実行し、それ以外の場合には連続予告B3を実行しないように始動入賞記憶数=1?4のテーブル102B1?102B4に定義されることが図示されているから、引用例1には、表示制御手段は、連続予告B3を、大当りではないリーチ入賞指定の場合に実行回数2回で実行する一方、非特定大当たり入賞指定の場合には実行回数1回で実行し、それ以外の場合には実行しないことが記載されているといえる。

(1-g)段落【0113】には「大当りではない場合には、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信される」と記載され、図40には、始動入賞記憶数=4のテーブル102B4に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行するように定義されることが図示され、段落【0019】には「図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図」と記載されているから、引用例1には、大当りではないリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する、パチンコ遊技機が記載されているといえる。

ウ 引用例1に記載又は図示された発明
上記(1-1)?(1-12)に記載又は図示された事項、及び(1-a)?(1-g)の認定事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。
「a 特別図柄の可変表示を行って、停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄であると、遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態に移行するパチンコ遊技機であって、(認定事項1-a)
b 始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定し、大当たりとなると判定された場合には、非特定大当り入賞指定コマンド又は特定大当り入賞指定コマンドをセットし、大当りとしないと判定された場合には、リーチ入賞指定コマンド又ははずれ入賞指定コマンドをセットするCPU56を有し、CPU56は始動入賞が発生した時点で大当たりとするか否かの判定を行うステップS123を実行し、可変表示を開始できる条件が成立したときにあらためて大当たりとするか否かを決定するステップS56を実行し、(認定事項1-b)
c CPU56がコマンドセット処理を実行して始動入賞記憶数が増加したときに特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定又ははずれ入賞指定の表示制御コマンドを送信し、この送信された判定結果コマンドである表示制御コマンドと連続予告判定テーブル102B1?102B4の内容とにもとづいて以後の複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告の実行回数と種類を選定する表示制御手段と、(認定事項1-c)
d 連続予告判定テーブル102B1?102B4から連続予告の種類と実行回数を抽出する表示制御用CPU101を有し、表示制御用CPU101はメイン処理における予告演出を行うか否かと予告演出の種類を決定する予告選択処理において、実行回数カウンタが0となって実行回数分の連続予告が既に完了していた場合には、連続予告を行うことが決定されて実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定するS814を実行することなく図柄の変動が開始されるように制御する全図柄変動開始処理に進み、(認定事項1-d)
e 4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告C3を実行し、(認定事項1-e)
f 表示制御手段は、連続予告B3を、大当りではないリーチ入賞指定の場合に実行回数2回で実行する一方、非特定大当たり入賞指定の場合には実行回数1回で実行し、それ以外の場合には実行せず、(認定事項1-f)
g 大当りではないリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する、パチンコ遊技機。(認定事項1-g)」

(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(下記の(a)?(g)は、引用発明の構成に対応している。)。

(a)引用発明の「特別図柄の可変表示」及び「遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態」は、それぞれ、本願補正発明の「可変表示」及び「有利状態」に相当する。
また、引用発明の「パチンコ遊技機」は遊技機の一種であるから、本願補正発明の「遊技機」に相当する。

よって、引用発明の「特別図柄の可変表示を行って、停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄であると、遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態に移行するパチンコ遊技機」は、本願補正発明の「可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。

(b)引用発明の「CPU56」が「始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定」することは、本願補正発明の「前記有利状態に制御されるか否かを」「判定する」ことに相当する。
そして、引用発明の「CPU56」は「始動入賞が発生した時点で大当たりとするか否かの判定を行うステップS123を実行し、可変表示を開始できる条件が成立したときにあらためて大当たりとするか否かを決定するステップS56を実行する」ものであり、可変表示の開始の前である始動入賞時に大当りとなるか否かを判定しているといえるから、引用発明の「CPU56」は、未だ開始していない可変表示について可変表示が開始される以前に大当りとなるか否かを判定しているといえる。
したがって、引用発明の「CPU56」は、本願補正発明の「事前判定手段」の機能を有するといえる。

よって、引用発明の「始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定し、大当たりとなると判定された場合には、非特定大当り入賞指定コマンド又は特定大当り入賞指定コマンドをセットし、大当りとしないと判定された場合には、リーチ入賞指定コマンド又ははずれ入賞指定コマンドをセットするCPU56を有し、CPU56は始動入賞が発生した時点で大当たりとするか否かの判定を行うステップS123を実行し、可変表示を開始できる条件が成立したときにあらためて大当たりとするか否かを決定するステップS56を実行」することは、本願補正発明の「未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段」を有することに相当する。

(c)引用発明は「始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定し、大当たりとなると判定された場合には、非特定大当り入賞指定コマンド又は特定大当り入賞指定コマンドをセットし、大当りとしないと判定された場合には、リーチ入賞指定コマンド又ははずれ入賞指定コマンドをセットする」ものであるから(構成b)、引用発明の「特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定又ははずれ入賞指定の表示制御コマンド」である「判定結果コマンド」は、始動入賞時の大当りとなるか否かの判定の結果に基づくものであるといえ、本願補正発明と同様に「前記事前判定手段の判定結果に基づ」くものであるといえる。
また、引用発明の「表示制御手段」は、この「判定結果コマンド」に基づいて、「以後の複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告」を実行するものであるから、判定の対象となった可変表示よりも前の可変表示、すなわち、判定の対象となった可変表示が開始される以前に複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告を開始しているといえる。
したがって、引用発明の「表示制御手段」は、本願補正発明の「演出実行手段」の機能を有するといえる。

よって、引用発明の「CPU56がコマンドセット処理を実行して始動入賞記憶数が増加したときに特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定又ははずれ入賞指定の表示制御コマンドを送信し、この送信された判定結果コマンドである表示制御コマンドと連続予告判定テーブル102B1?102B4の内容とにもとづいて以後の複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告の実行回数と種類を選定する表示制御手段」は、本願補正発明の「前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段」に相当する。

(d)引用発明の「連続予告」は、本願補正発明の「前記演出実行手段により」「開始」される「演出」に相当する。
そして、引用発明の「表示制御用CPU101」は、連続予告の実行回数を連続予告判定テーブル102B1?102B4から抽出するとともに、変動開始処理の前の予告選択処理において実行回数分の連続予告が既に完了していた場合には連続予告の設定処理に進むことなく図柄の変動が開始されるように制御することから、引用発明の「表示制御用CPU101」は、複数回の可変表示にまたがって連続して実行される連続予告が連続予告判定テーブル102B1?102B4に定義された実行回数を超えて実行されることを制限しているといえる。
したがって、引用発明の「表示制御用CPU101」は、本願補正発明の「回数制限手段」の機能を有するといえる。

よって、引用発明の「連続予告判定テーブル102B1?102B4から連続予告の種類と実行回数を抽出する表示制御用CPU101を有し、表示制御用CPU101はメイン処理における予告演出を行うか否かと予告演出の種類を決定する予告選択処理において、実行回数カウンタが0となって実行回数分の連続予告が既に完了していた場合には、連続予告を行うことが決定されて実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定するS814を実行することなく図柄の変動が開始されるように制御する全図柄変動開始処理に進」むことは、本願補正発明の「前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段とを備え」ることに相当する。

(e)引用発明は「4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であ」ることから、引用発明は連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告B、C、Dのそれぞれには、表現の一部若しくは細部が異なる連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、連続予告D1?D3が含まれるものであり、連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3は互いに演出態様の少なくとも一部は異なる演出であるといえる。
したがって、引用発明の「連続予告B3」と「連続予告C3」とは、互いに異なる演出態様であるといえ、引用発明の「連続予告B3」及び「連続予告C3」は、それぞれ、本願補正発明の「第1態様で実行される第1演出」及び「前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出」に相当する。

よって、引用発明の「4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告C3を実行」することは、本願補正発明の「前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含」むことに相当する。

(f)引用発明の「連続予告B3」は、「大当りではないリーチ入賞指定の場合に実行回数2回で実行する一方、非特定大当たり入賞指定の場合には実行回数1回で実行し、それ以外の場合には実行しない」ものであるから、「連続予告B3」の実行回数は、始動入賞時にセットされる入賞指定の判定結果コマンドに応じて異なるものであるといえる。
また、引用発明の「連続予告B3」は1回又は2回の実行回数以外では実行しないことから、「連続予告B3」の最大の実行回数は「2回」であり、この最大の実行回数である「2回」は、本願補正発明の「上限回数」に相当する。

よって、引用発明の「表示制御手段は、連続予告B3を、大当りではないリーチ入賞指定の場合に実行回数2回で実行する一方、非特定大当たり入賞指定の場合には実行回数1回で実行し、それ以外の場合には実行」しないことは、本願補正発明の「前記演出実行手段は、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なるように、かつ、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であ」ることに相当する。

(g)引用発明の「大当りではないリーチ入賞指定の場合」は、本願補正発明の「前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合」に相当する。
そして、このような場合に、引用発明は「連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行」しており、連続予告B3の最大の実行回数である「2回」を超えて実行可能であるといえ、引用発明の「連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する」ことは、本願補正発明の「前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である」ことに相当する。

よって、引用発明の「大当りではないリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する、パチンコ遊技機」は、本願補正発明の「前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能であることを特徴とする遊技機」に相当する。

上記(a)?(g)より、本願補正発明と引用発明とは、
「A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段と、
C 前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段と
を備え、
E 前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含み、
F 前記演出実行手段は、
前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なるように、かつ、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であり、
G 前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。」である点で一致する。

よって、本願補正発明は、引用発明である。仮に、本願補正発明と引用発明との間に相違点があるとしても、本願補正発明は引用発明から当業者が容易に発明をすることのできたものである。

(3)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「上述の如く、引用文献1には、複数種類の連続予告が開示されているものの、引用文献1に開示された2種類の連続予告の組み合せとして、本願請求項1に記載の第1演出と第2演出の夫々に対応する連続予告の組み合せは存在しない。
例えば、審査官殿の拒絶査定時の認定に係る、『始動入賞記憶数=3の連続予告D2(実行回数は2回)』は、有利状態に制御される場合(具体的には、判定結果コマンドが特定大当り入賞指定コマンドである場合)には実行されることがあるが、有利状態に制御されない場合(具体的には、判定結果コマンドがはずれ入賞指定コマンドやリーチ入賞指定コマンドである場合)には実行されることはない(図11、図40参照)。つまり、『始動入賞記憶数=3の連続予告D2(実行回数は2回)』は、少なくとも構成Fの要件に合わず、本願請求項1に記載の第1演出に相当し得ない。
また、審査官殿の拒絶査定時の認定に係る、『連続予告A(実行回数は1回または2回)』は、有利状態に制御されない場合(具体的には、判定結果コマンドがリーチ入賞指定コマンドである場合)には実行されることがあるが、有利状態に制御される場合(具体的には、判定結果コマンドが特定大当り入賞指定コマンドや非特定大当り入賞指定コマンドである場合)には実行されることはない。つまり、『連続予告A(実行回数は1回または2回)』は、少なくとも構成Fの要件に合わず、本願請求項1に記載の第1演出に相当し得ない。」と主張しており、引用文献1(引用例1)には、「前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なるよう」な、すなわち、有利状態に制御される場合と有利状態に制御されない場合とで可変表示の連続実行回数が異なるような「第1演出」と「第2演出」との組合せに対応する連続予告の組み合せは存在しない旨主張している(平成30年3月5日付け審判請求書の「(4)本願発明と引用発明との対比」参照。)。
しかしながら、上記「(2)対比(f)」で示したように、引用発明の「連続予告B3」は、大当りではない場合に実行回数2回で実行する一方、大当たりの場合には実行回数1回で実行するものであり、本願補正発明の「実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記事前判定手段の判定結果に基づいて異なる」「第1演出」に相当するものである。
また、引用発明の「連続予告C3」は、はずれの場合に実行回数3回、すなわち、「連続予告B3」の最大の実行回数である2回を超える回数で実行可能なものであり、本願補正発明の「前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超える」「第2演出」に相当するものである(構成g)。
したがって、本願補正発明の「第1演出」及び「第2演出」は、それぞれ、引用発明の「連続予告B3」及び「連続予告C3」に相当するものである。

また、請求人は、「また、引用文献1には、本願の課題『連続実行回数が信頼度に関係するため、演出の連続実行回数が多くなり過ぎると過度に遊技者を煽ってしまう虞があり、一方で、連続実行回数を制限し過ぎると演出の出現頻度が過度に低下してしまう虞がある(段落[0005])』と共通する課題について何らの示唆もない。
また、引用文献1に記載された発明では、本願請求項1に係る発明による効果(第1演出によって過剰に煽ってしまうことを防止しつつ、第2演出によって演出の出現頻度が低下し過ぎることを防止することができるという効果)と同様の効果を得ることはできないと思量する。
・・・
つまり、本願請求項1に記載の遊技機は、引用文献1を参照しても容易に想到し得ない特徴的な構成(特に、構成F、構成G)を備え、当該特徴的な構成によって引用文献1からは奏し得ない格別の効果(上述の効果)を奏するものと思量する。」との主張も行っている。
そして、本願明細書の段落【0007】に「【課題を解決するための手段】【0007】(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様である遊技機は、・・・前記予告演出実行手段は、前記第1予告演出を前記第2予告演出に比較して認識し易い態様で実行し(例えば、図38?図40に示すように、キャラクタ登場演出を背景演出に比べて目立つように表示し)、前記回数制限手段は、前記第1予告演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が所定回数(例えば4回)を超えないように制限する(例えば、図23及び図24に示すように合計保留記憶数が5以上の場合には設定される連続実行回数を3回又は4回以下に制限する。・・・このような構成によれば、第2予告演出に比べてより認識され易い第1予告演出が実行される可変表示の連続実行回数は上限回数(所定回数)以下に制限される一方、第2予告演出が実行される可変表示の連続実行回数は上限回数以下に制限されなくなる。従って、第1予告演出によって過剰に煽ってしまうことを防止しつつ、第2予告演出によって先読演出の出現頻度が低下し過ぎることを防止することができる。よって、興趣が向上する。」と記載されているように、第2予告演出(第2演出)に比べてより認識され易い第1予告演出(第1演出)の連続実行回数が上限回数以下に制限される一方、第2予告演出が実行される可変表示の連続実行回数は上限回数以下に制限されないことにより上記課題を解決することが記載されているといえる。
しかしながら、本願の請求項1には「第1演出」と「第2演出」の態様が異なることは特定されているものの、第1演出と第2演出はどちらが認識されやすく遊技者をより煽る演出であるかは特定されておらず、本願補正発明は請求人が主張する課題や効果に対応する構成を有していない。したがって、本願発明が奏する効果は、当業者が引用発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

よって、請求人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当するか、又は、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年6月30日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】
A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段と、
C 前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段と
を備え、
E 前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含み、
F’前記演出実行手段は、
前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であり、
G 前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。」(当審においてA?Gに分説した。)

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。又は、本願発明は引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

3 引用例
ア 引用例1に記載又は図示された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された引用例1に記載又は図示された事項は、上記第2の3(1)に示したとおりである。

イ 認定事項
上記「ア」から、(1-a)?(1-g)に加えて、(1-e2)、(1-f2)の事項が認定できる。

(1-e2)段落【0135】には「4種類の連続予告演出を行うことが可能である。」と記載され、段落【0136】には「例えば、連続予告BやCにおいて、音発生パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよいし、連続予告CやDにおいて、ランプ・LEDの点滅パターンを異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。また、連続予告A?Dにおいて、キャラクタの種類を異ならせることによって異なる演出態様を実現してもよい。」と記載され、段落【0209】には「なお実施の形態において連続予告B1乃至連続予告B4は主題を共通とする連続予告であって表現の一部若しくは細部が異なる演出として準備される一群の演出であって、他の連続予告C、Dにおいても同様である。」と記載され、図39及び図40には、始動入賞記憶数=1?4のテーブル102B1?102B4に、連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3を実行するように定義され、図40には、始動入賞記憶数=3のテーブル102B3に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数2回で実行し、判定結果コマンドが非特定大当たり入賞指定の場合に連続予告B3を実行回数1回で実行し、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告Aを実行回数1回で実行するように定義され、始動入賞記憶数=4のテーブル102B4に、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告Aを実行回数2回で実行し、判定結果コマンドがリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行し、判定結果コマンドが非特定大当たり入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回で実行し、特定大当たり入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行するように定義されることが図示されているから、引用例1には、4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告A、さらに、連続予告C3を実行することが記載されているといえる。

(1-f2)段落【0156】には「表示制御手段は、判定結果コマンドと連続予告判定テーブル102B1(a),(b),(c),(d)?102B4(a),(b),(c),(d)の内容とにもとづいて連続予告態様(実行回数と連続予告の種類)を選定することができる。」と記載され、図39及び図40には、始動入賞記憶数=1?4のテーブル102B1?102B4に連続予告B3及び連続予告Aの最大の実行回数が2回であるように定義されることが図示されているから、引用例1には、表示制御手段は、最大の実行回数が2回であるように連続予告B3及び連続予告Aを実行することが記載されているといえる。

そして、上記(1-1)?(1-12)に記載又は図示された事項、(1-a)?(1-d)、(1-e2)、(1-f2)、(1-g)の認定事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明2」という。)。
「a 特別図柄の可変表示を行って、停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄であると、遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態に移行するパチンコ遊技機であって、(認定事項1-a)
b 始動入賞が生じたときに始動入賞記憶数を1増やし大当りとなるか否かを判定し、大当たりとなると判定された場合には、非特定大当り入賞指定コマンド又は特定大当り入賞指定コマンドをセットし、大当りとしないと判定された場合には、リーチ入賞指定コマンド又ははずれ入賞指定コマンドをセットするCPU56を有し、CPU56は始動入賞が発生した時点で大当たりとするか否かの判定を行うステップS123を実行し、可変表示を開始できる条件が成立したときにあらためて大当たりとするか否かを決定するステップS56を実行し、(認定事項1-b)
c CPU56がコマンドセット処理を実行して始動入賞記憶数が増加したときに特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定又ははずれ入賞指定の表示制御コマンドを送信し、この送信された判定結果コマンドである表示制御コマンドと連続予告判定テーブル102B1?102B4の内容とにもとづいて以後の複数回の特別図柄の可変表示にまたがって連続して実行される演出である連続予告の実行回数と種類を選定する表示制御手段と、(認定事項1-c)
d 連続予告判定テーブル102B1?102B4から連続予告の種類と実行回数を抽出する表示制御用CPU101を有し、表示制御用CPU101はメイン処理における予告演出を行うか否かと予告演出の種類を決定する予告選択処理において、実行回数カウンタが0となって実行回数分の連続予告が既に完了していた場合には、連続予告を行うことが決定されて実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定するS814を実行することなく図柄の変動が開始されるように制御する全図柄変動開始処理に進み、(認定事項1-d)
e2 4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告A、さらに、連続予告C3を実行し、(認定事項1-e2)
f2 表示制御手段は、最大の実行回数が2回であるように連続予告B3及び連続予告Aを実行し、(認定事項1-f2)
g 大当りではないリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する、パチンコ遊技機。(認定事項1-g)」

4 対比・判断
(1)本願発明の構成A?Dは、本願補正発明と同じものであるので、上記第2の3(2)で対比したとおり、引用発明2の構成a?dは、本願発明の構成A?Dに相当する。

(2)本願発明の構成Eと、引用発明2の構成e2とを対比する。
引用発明2は「4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であ」ることから、引用発明2は連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告B、C、Dのそれぞれには、一部若しくは細部が異なる連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、連続予告D1?D3が含まれるものであり、連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3は互いに演出態様の少なくとも一部は異なる演出であるといえる。
したがって、引用発明2の「連続予告B3」、「連続予告A」及び「連続予告C3」は、それぞれ互いに異なる演出態様であるといえ、引用発明2の「連続予告B3」又は「連続予告A」は、本願発明の「第1態様で実行される第1演出」に相当し、引用発明2の「連続予告C3」は本願発明の「前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出」に相当する。
よって、引用発明2の「4種類の連続予告演出を行うことが可能であり、連続予告A?Dを異なる演出態様で実行し、連続予告には連続予告A、連続予告B1?B4、連続予告C1?C3、及び連続予告D1?D3が含まれ、連続予告B1?B4は表現の一部若しくは細部が異なる演出であり他の連続予告C、Dにおいても同様であり、連続予告として連続予告B3及び連続予告A、さらに、連続予告C3を実行」することは、本願発明の「前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含」むことに相当する。

(3)本願発明の構成F’と、引用発明2の構成f2とを対比する。
引用発明2の「連続予告B3及び連続予告A」の最大の実行回数である「2回」は、本願発明の「上限回数」に相当する。
よって、引用発明2の「表示制御手段は、最大の実行回数が2回であるように連続予告B3及び連続予告Aを実行」することは、本願発明の「前記演出実行手段は、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であ」ることに相当する。

(4)本願発明の構成Gと、引用発明2の構成gとを対比する。
引用発明2の「大当りではないリーチ入賞指定の場合」は、本願発明の「前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合」に相当する。
そして、このような場合に、引用発明2は「連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行」しており、連続予告B3及び連続予告A1の最大の実行回数である「2回」を超えて実行可能であるといえ、引用発明2の「連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する」ことは、本願発明の「前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である」ことに相当する。
よって、引用発明2の「大当りではないリーチ入賞指定の場合に連続予告C3を実行回数2回又は3回で実行する、パチンコ遊技機」は、本願発明の「前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能であることを特徴とする遊技機」に相当する。

上記(1)?(4)より、本願発明と引用発明2とは
「A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始していない可変表示について、前記有利状態に制御されるか否かを可変表示が開始される以前に判定する事前判定手段と、
C 前記事前判定手段の判定結果に基づいて、少なくとも、判定対象となった可変表示が開始される以前に演出を開始する演出実行手段と、
D 前記演出実行手段により演出が開始され、連続的に実行される可変表示の回数である連続実行回数が上限回数を超えないように制限可能な回数制限手段と
を備え、
E 前記演出は、第1態様で実行される第1演出と、前記第1態様とは異なる第2態様で実行される第2演出と、を含み、
F’前記演出実行手段は、
前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記回数制限手段により制限される上限回数を超えないように、前記第1演出を実行可能であり、
G 前記事前判定手段により前記有利状態に制御されないことが事前判定されている場合に前記第2演出が実行される可変表示の前記連続実行回数が、前記第1演出が実行される可変表示の前記連続実行回数について前記回数制限手段により制限される上限回数を超えるように、前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。」である点で一致する。

よって、本願発明は、引用発明2であるので、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
仮に、本願発明と引用発明2との間に相違点があるとしても、本願発明は引用発明2から当業者が容易に発明をすることのできたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号又は第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-02-27 
結審通知日 2019-03-05 
審決日 2019-03-18 
出願番号 特願2012-287675(P2012-287675)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柳 重幸  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 川崎 優
田付 徳雄
発明の名称 遊技機  
代理人 平野 昌邦  
代理人 佐伯 義文  
代理人 松沼 泰史  
代理人 田▲崎▼ 聡  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ