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審決分類 審判 一部申し立て 特174条1項  A63F
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 一部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1351399
異議申立番号 異議2017-700854  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-07 
確定日 2019-03-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6093845号発明「ゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6093845号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-12〕、13、14について訂正することを認める。 特許第6093845号の請求項1ないし4、6、9及び11ないし14に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許6093845号(以下「本件特許」という。)に係る特許出願は、平成27年1月23日に特許出願された特願2015-11777号の一部を同年12月28日に新たな特許出願としたものであって、平成29年2月17日にその特許権の設定登録がされた。
その後、その特許の請求項1ないし4、6、9及び11ないし14について、同年9月7日に特許異議申立人山田宏基(以下「異議申立人」という。)による特許異議の申立てがされ、同年12月20日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年2月20日に特許権者から意見書の提出及び訂正の請求があり、同年5月10日付けで異議申立人から意見書が提出され、同年6月27日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年8月31日に特許権者から意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)があり、同年11月21日付けで当審から異議申立人に対し訂正請求があった旨を通知するとともに相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、異議申立人から意見書の提出はされなかったものである。
なお、平成30年2月20日提出の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。

第2 訂正の適否についての判断

1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更し」
とあるのを、
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし」
に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし4及び6ないし12も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に
「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
とあるのを、
「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし4及び6ないし12も同様に訂正する。)。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(4)訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「請求項1?5の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4の何れか一項」に訂正する。

(5)訂正事項5
訂正前の特許請求の範囲の請求項7に「請求項1?6の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4及び6の何れか一項」に訂正する。

(6)訂正事項6
訂正前の特許請求の範囲の請求項8に「請求項1?7の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4,6及び7の何れか一項」に訂正する。

(7)訂正事項7
訂正前の特許請求の範囲の請求項9に「請求項1?8の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4及び6?8の何れか一項」に訂正する。

(8)訂正事項8
訂正前の特許請求の範囲の請求項10に「請求項1?9の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4及び6?9の何れか一項」に訂正する。

(9)訂正事項9
訂正前の特許請求の範囲の請求項11に「請求項1?10の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4及び6?10の何れか一項」に訂正する。

(10)訂正事項10
訂正前の特許請求の範囲の請求項12に「請求項1?11の何れか一項」とあるのを、「請求項1?4及び6?11の何れか一項」に訂正する。

(11)訂正事項11
訂正前の特許請求の範囲の請求項13に
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更し」
とあるのを、
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし」
に訂正する。

(12)訂正事項12
訂正前の特許請求の範囲の請求項13に
「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
とあるのを、
「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
に訂正する。

(13)訂正事項13
訂正前の特許請求の範囲の請求項14に
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更し」
とあるのを、
「前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし」
に訂正する。

(14)訂正事項14
訂正前の特許請求の範囲の請求項14に
「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
とあるのを、
「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」
に訂正する。

2.訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正の目的について
ア.訂正事項1について
上記訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1の「所定のレア度を有するゲーム媒体」を「所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体」として「所定のレア度を有するゲーム媒体」が「二つ以上」であることを限定するとともに、「前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更」する際の処理について「前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセット」することを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ.訂正事項2について
上記訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項1の「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」処理について、「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」ことに限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

ウ.訂正事項3について
上記訂正事項3に係る訂正は、本件訂正前の請求項5を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

エ.訂正事項4ないし10について
上記訂正事項4ないし10に係る訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6ないし12について、請求項6ないし12が引用する請求項から訂正前の請求項5を削除するものであって、引用請求項数を減少させるものであるとともに、訂正事項3に係る訂正に合わせて引用関係を整理するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

オ.訂正事項11及び13について
上記訂正事項11及び13に係る訂正は、上記訂正事項1と同様の事項に係るものであるから、上記「ア.」と同様の理由で、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

カ.訂正事項12及び14について
上記訂正事項12及び14に係る訂正は、上記訂正事項2と同様の事項に係るものであるから、上記「イ.」と同様の理由で、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の追加について
ア.訂正事項1について
上記訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書の「図3に示すように、ゲームシステム1による抽選ゲームでは、抽選対象のキャラクタカードは、それぞれ二つ以上のキャラクタカードを含む複数のグループ(グループ301、グループ302、グループ303)に分類される。グループ301は、例えばレア度が最高(スーパーレア)のキャラクタカード等の目玉カードのグループであり、グループ301には、それぞれ種類の異なる10枚の目玉カードが含まれる。グループ302は、例えばレア度が中間(レア)のキャラクタカード等の中レア度カードのグループであり、グループ302には、それぞれ種類の異なる10枚の中レア度カードが含まれる。グループ303は、例えばレア度が最低(ノーマル)のキャラクタカード等の低レア度カードのグループであり、グループ303には、それぞれ種類の異なる80枚の低レア度カードが含まれる。」(段落【0039】)、及び、「また、選択部334は、目玉カードの内、特殊カードが選択された場合、各キャラクタカードの当選確率をリセットせず、特殊カード以外の他のカードが選択された場合、各キャラクタカードの当選確率をリセットしてもよい。」(段落【0106】)との記載等に基づくものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

イ.訂正事項2について
上記訂正事項2に係る訂正のうち、「前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力し」との事項については、本件特許明細書の、「なお、次回の抽選における当選確率は、他の当選確率と区別可能に表示されてもよい。その場合、例えば、次回の抽選における当選確率を、他の当選確率より大きく表示したり、他の当選確率と異なる色で表示したり、又は点滅表示させることにより、他の当選確率と区別可能に表示することができる。これにより、各プレイヤは、特に次回の抽選における当選確率を把握し易くなる。」(段落【0060】)との記載等に、また、「前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」との事項については、「図4(c)に示す抽選結果画面420は、抽選ゲーム画面410で抽選ボタン413が押下されて抽選ゲームが実行されたときに表示される。抽選結果画面420には、当選カードの画像421、名前及びグループ422、抽選実行回数423、当選確率424、戻るボタン415等が表示される。」(段落【0054】)、及び、「画像421、名前及びグループ422として、抽選によりプレイヤが取得したキャラクタカードの画像、名前及びそのキャラクタカードが分類された抽選対象のグループが表示される。……当選確率424として、抽選対象のキャラクタカードが分類されたグループ毎に、次回の抽選における当選確率が表示される。」(段落【0055】)との記載並びに図4(c)等にそれぞれ基づくものであり、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

ウ.訂正事項3について
上記訂正事項3に係る訂正は、本件訂正前の請求項5を削除するものであるから、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

エ.訂正事項4ないし10について
上記訂正事項4ないし10に係る訂正は、請求項6ないし12が引用する請求項から本件訂正前の請求項5を削除するものであるから、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

オ.訂正事項11及び13について
上記訂正事項11及び13に係る訂正は、上記訂正事項1と同様の事項に係るものであるから、上記「ア.」と同様の理由で、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

カ.訂正事項12及び14について
上記訂正事項12及び14に係る訂正は、上記訂正事項2と同様の事項に係るものであるから、上記「イ.」と同様の理由で、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものといえる。

(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
ア.訂正事項1ないし3及び11ないし14について
請求項1についての上記訂正事項1及び2に係る訂正、請求項5についての上記訂正事項3に係る訂正、請求項13についての訂正事項11及び12に係る訂正、及び、請求項14についての訂正事項13及び14に係る訂正は、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

イ.訂正事項4ないし10について
請求項6ないし12についての上記訂正事項4ないし10に係る訂正は、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的のひとつとして、請求項6ないし12が引用する請求項から本件訂正前の請求項5を削除するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(4)独立特許要件について
特許異議の申立てがされていない請求項7、8及び10は、上記訂正事項1及び2に係る請求項1の訂正によって訂正されるものであり、訂正事項1及び2に係る訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許法第120条の5第9項の規定によって読み替えて準用する第126条第7項により、訂正後の請求項7、8及び10に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで、訂正後の請求項7、8及び10に係る発明について検討すると、請求項7、8及び10に係る発明は、請求項1の記載を引用するとともに、請求項1に係る発明をさらに限定したものである。
そして、本件特許の請求項1に係る発明は、後述する「第3 4.(1)及び5.(3)」のとおり、特許法第29条第2項に係る取消理由及び異議申立理由によっては、容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件特許の請求項1に係る発明は、後述する「第3 5.(1)及び(2)」のとおり、請求項1の記載についての特許法第17条の2第3項に係る異議申立理由によっては願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないとはいえず、また、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第4号に規定する要件を満たしていないとはいえない。
そうすると、請求項1の記載を引用する請求項7、8及び10に係る発明が、同取消理由及び異議申立理由により、特許出願の際独立して特許を受けることができないとはいえない。
また、他に請求項7、8及び10に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、請求項7、8及び10についての訂正は、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第7項に適合するものである。

(5)一群の請求項について
本件訂正前の請求項2ないし12は請求項1の記載を引用するものであるから、本件訂正前の請求項1ないし12は上記の訂正事項1及び2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正前の請求項1ないし12に対応する訂正後の請求項1ないし12は一群の請求項である。

3.小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合するので、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-12〕、13、14について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて

1.本件訂正特許発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし14に係る発明(以下「本件訂正特許発明1」ないし「本件訂正特許発明14」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
記憶部及び出力部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータにおけるゲーム制御方法であって、前記コンピュータが、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、
前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与することを含み、
前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、
少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記第1の抽選又は前記第2の抽選の何れかにおける前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を表示するための表示データを前記出力部に出力する、請求項1に記載のゲーム制御方法。
【請求項3】
前記所定のレア度は、各ゲーム媒体に関連付けられたレア度の中で最も高いレア度であり、
前記コンピュータは、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体以外のゲーム媒体が当選した場合、
前記当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率が高くなるように前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を変更する、請求項1または2に記載のゲーム制御方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットする、請求項1?3の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項5】(削除)
【請求項6】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が所定数になった場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットする、請求項1?4の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において当選したゲーム媒体と前記所定のレア度を有するゲーム媒体の関係に基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において当選したゲーム媒体と前記所定のレア度を有するゲーム媒体の関係に基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4,6及び7の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるクエスト又はバトルを含むメインゲームを実行し、
前記当選確率の変更において、前記メインゲームでクエスト又はバトルの結果に応じて前記プレイヤに付与されたポイント、又は、前記プレイヤに付与されたポイントに応じて定められる前記メインゲームにおける前記プレイヤのレベルに基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6?8の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項10】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるクエスト又はバトルを含むメインゲームを実行し、
前記当選確率の変更において、前記メインゲームでクエスト又はバトルの結果に応じて前記プレイヤに付与されたポイント、又は、前記プレイヤに付与されたポイントに応じて定められる前記メインゲームにおける前記プレイヤのレベルに基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4及び6?9の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項11】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるメインゲームを実行し、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記プレイヤから、前記メインゲームで前記プレイヤに関連する関連プレイヤへのメッセージの送信を実行し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤが前記関連プレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6?10の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項12】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるメインゲームを実行し、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記プレイヤから、前記メインゲームで前記プレイヤに関連する関連プレイヤへのメッセージの送信を実行し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤが前記関連プレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4及び6?11の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項13】
抽選ゲームを実行するコンピュータであって、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を記憶する記憶部と、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与する選択部と、を備え、
前記選択部は、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項14】
記憶部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータの制御プログラムであって、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、
前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与することを前記コンピュータに実行させ、
前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とする制御プログラム。」

2.取消理由及び特許異議申立理由の概要
(1)平成30年6月27日付け取消理由の概要

本件発明1ないし3、6、13及び14は、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明から、または、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明並びに甲第8号証の1に例示される周知技術1及び甲第5号証に例示される周知技術2から当業者が容易に想到することができたものである。
本件発明4は、甲第1号証、甲第3号証及び甲第6号証に記載された発明から、または、甲第1号証、甲第3号証及び甲第6号証に記載された発明並びに周知技術1及び2から当業者が容易に想到することができたものである。
本件発明9は、甲第1号証、甲第3号証及び甲第7号証に記載された発明から、または、甲第1号証、甲第3号証及び甲第7号証に記載された発明並びに周知技術1及び2から当業者が容易に想到することができたものである。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。

ア.特許法第17条の2第3項
平成28年11月15日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、請求項1、13及び14に「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」との事項を追加するものであるところ、当該補正は願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものとは言えず、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。
よって、本件特許の請求項1ないし4、6、9及び11ないし14に係る発明は、特許法第113条第1号に該当し、取り消されるべきものである。

イ.特許法第36条第6項第1号
請求項1、13及び14の「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」との事項は、本件特許明細書の記載によって十分にサポートされているとは言えず、本件特許発明1、13及び14は、特許法第36条第6項第1号に違反する。

ウ.特許法第29条第2項
本件特許発明1ないし3、13及び14は、甲第1号証ないし甲第5号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件特許発明4及び6は、甲第1号証ないし甲第6号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件特許発明9は、甲第1号証ないし甲第7号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件特許発明1ないし4、6、9、13及び14は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。

(3)引用文献等
平成30年6月27日付け取消理由及び特許異議申立理由で引用された文献等並びに平成30年5月10日付けで異議申立人が提出した意見書で提示された文献等は以下の通りである。

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甲第2号証 the_La_high,”ミリオンチェイン、ステップガチャの話”
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甲第7号証 特開2014-239878号公報
甲第8号証の1 ”高額課金しちゃったYO! グランドユニオンSTE
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7145c37e09fbe>
甲第8号証の2 ”高額課金しちゃったYO! グランドユニオンSTE
Pガチャ引き!(後編)”,[online],掲載日:平成26年12月3日
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甲第9号証の1 甲第9号証のキャプチャ画像,出力日:平成30年4月
24日
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ドラゴンブレイク』、Mobageにて配信開始のお知らせ|CROO
Zのプレスリリース”,[online],掲載日:平成25年9月18日,P
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https://web.archive.org/web/20130920010216/https://prtimes.jp/
main/html/rd/p/000000033.000006324.html>

3.甲各号証について
(1)甲第1号証
本件特許の出願日前に頒布された刊行物である甲第1号証(特許第5633100号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

ア.「【請求項8】
通信ネットワークを介して接続された端末から、仮想空間内に形成された仮想ユーザを操作する操作データを受信するステップと、
前記操作データに基づいて、前記仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求を受け付けるステップと、
前記取得要求を受け付けると、仮想アイテムごとにあらかじめ設定された所定の出現確率に基づいて、前記仮想空間で使用可能な仮想アイテムの中から一の仮想アイテムをランダムに抽出するステップと、
抽出した仮想アイテムの抽出履歴情報に基づいて、仮想くじを生成するか否かを決定するステップと、
前記仮想くじを生成すると決定した場合に、所定数の当たりくじを含む仮想くじを生成するステップと、
生成した仮想くじの数と、前記仮想くじに含まれる前記当たりくじの数を前記端末に表示するステップと、
前記操作データに基づいて、前記仮想ユーザが前記仮想くじを取得するためのくじ取得要求を受け付けるステップと、
前記くじ取得要求を受け付けると、前記仮想くじを前記仮想ユーザに割り当てるステップと、
割り当てた仮想くじが当たりくじである場合に、前記仮想ユーザに景品を付与するステップと、を通信ネットワークに接続されたコンピュータが実行することを特徴とするゲーム制御方法。」

イ.「【0033】
「「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいう。一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、仮想空間において、ユーザに成り代わった、またはユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」という。この「仮想ユーザ」には、例えば、旧来の将棋ゲームや麻雀ゲームのプレイヤのように、その仮想実体はゲーム上視認できないが、「実ユーザ」に成り代わった存在として仮想空間内で操作される駒や牌も含まれる。「仮想ユーザ」には、また、ロールプレイングゲームや対戦ゲームにおいてゲーム上で表示され、移動やアクションを起こす視認可能な特定のキャラクタも含まれる。さらに「仮想ユーザ」には、SNSにおけるアバターとして表示される仮想実体も含まれる。このように、本実施形態における「仮想ユーザ」は、仮想空間における仮想実体を広く表す用語として用い、それがゲーム上で具現化された仮想実体であるか、具現化されない影として機能する仮想実体であるかは問わない。」

ウ.「【0036】
ソーシャルゲームは、複数のゲームパート(以下、単に「パート」ともいう)が有機的に組み合わさることにより、一つのストーリーやキャラクタが完成し、全体として一つのゲームとして成立する。例えば、ソーシャルゲーム20は、図2に示すように、クエストパート21と、バトルパート22と、ガチャパート23と、強化パート24と、を備える。」

エ.「【0046】
(3-2)ゲームサーバの概略構成
端末3と通信可能に接続されるゲームサーバ1は、例えば図3に示すような汎用的なハードウェア構成を有するコンピュータにより実現される。すなわち、ゲームサーバ1は、図3に示すように、インターネット2を介して端末3と通信を行う通信インタフェース部11と、キーボードやマウスなどのユーザからの操作入力を受ける操作入力部12とを備える。また、ゲームサーバ1は、各種演算処理を行うCPUなどの演算処理部13と、演算処理データを一時的に記憶するSRAMやDRAMなどのメインメモリ14と、アプリケーションプログラム及び各種データが記憶されたハードディスクなどの記憶装置15と、演算処理結果を表示するディスプレイ16とを備える。
【0047】
(4)第1実施形態
ゲームサーバ1は、このようなソーシャルゲーム20をユーザに提供するためのプログラムを記憶装置15にインストールすることで、図4に示すような第1の実施形態に係るゲームサーバ1(以下では、他の実施形態と区別するためゲームサーバ1aという。)が実現される。
【0048】
すなわち、ゲームサーバ1aでは、例えば図4に示すような、操作データ受信部11aと、ゲームデータ処理部100と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200とからなる機能が実現される。」

オ.「【0052】
(4-2)ゲームデータ記憶部の構成
まず、ガチャパート処理部130、くじ生成判定処理部150およびくじパート処理部160で用いるデータとして、ゲームデータ記憶部200は、図5に示すように、アイテムデータテーブル211と、出現確率データテーブル212と、仮想ユーザデータ記憶部210と、を有する。
【0053】
(アイテムデータテーブル211:図6)
アイテムデータテーブル211は、図6に示すように、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムについて一覧で管理したものである。」

カ.「【0055】
各仮想アイテムには、「希少度」というアイテムの希少価値を示すパラメータが付されている。」

キ.「【0058】
(出現確率データテーブル212:図7)
出現確率データテーブル212は、図7に示すように、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムがガチャパート処理部130で出現する確率に関するデータを、仮想アイテムごとに記憶している。ガチャパート処理部130で出現する仮想アイテムは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムのうち一部の仮想アイテムであってもよい。」

ク.「【0064】
ガチャ受付番号は、仮想ユーザを操作する端末よりガチャを行う旨の要求を受け付ける毎に付与され、ガチャ実行履歴データテーブル222に記憶される。」

ケ.「【0074】
ガチャパート処理部130は、図5に示すように、ガチャ関連画像出力部131と、アイテム取得要求受付部132と、アイテム抽出部133と、を備える。」

コ.「【0093】
ステップS1302において、アイテム取得要求受付部132は、端末からの操作データに基づいて、対象仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求を受け付けたか否かを判断する。具体的には、実ユーザがガチャ受付アイコンを操作したか否かを判断する。取得要求を受け付けた場合(ステップS1302:YES)には、ステップS1303に進む。一方、取得要求を受け付けていない場合(ステップS1302:NO)には、取得要求を受け付けるまで、ステップS1302の処理を繰り返す。
【0094】
ステップS1303において、アイテム抽出部133は、図7の出現確率データテーブル212を参照して、各仮想アイテムに設定された所定の出現確率に基づいて、一の仮想アイテムを抽出する。
【0095】
ステップS1304において、アイテム抽出部133は、ステップS1301で取得要求を受け付けた対象仮想ユーザの識別情報(ユーザID)とステップS1303で抽出した仮想アイテムの識別情報(アイテムID)とを関連づけて、図9のガチャ実行履歴データテーブル222に保存する。また、アイテム抽出部133は、ステップS1303で抽出した仮想アイテムを対象仮想ユーザの所有アイテムとして、図8の所有アイテムデータテーブル221に保存する。」

サ.上記「ク.」によれば、「ガチャ受付番号は、仮想ユーザを操作する端末よりガチャを行う旨の要求を受け付ける毎に付与され」るから、「ガチャを行う旨の要求は複数回行うことができる」といえる。

上記の記載事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「操作データに基づいて、仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求を受け付けるステップと、
前記取得要求を受け付けると、仮想アイテムごとにあらかじめ設定された所定の出現確率に基づいて、前記仮想空間で使用可能な仮想アイテムの中から一の仮想アイテムをランダムに抽出するステップと、を通信ネットワークに接続されたコンピュータが実行するゲーム制御方法であって、
「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいい、一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、仮想空間において、ユーザに成り代わった、またはユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」といい、
ソーシャルゲームは、クエストパートと、バトルパートと、ガチャパートと、強化パートと、を備え、
コンピュータにより実現されるゲームサーバでは、操作データ受信部と、ゲームデータ処理部と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部とからなる機能が実現され、
ゲームデータ記憶部は、アイテムデータテーブルと、出現確率データテーブルと、仮想ユーザデータ記憶部とを有し、
アイテムデータテーブルは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムについて一覧で管理したものであり、
各仮想アイテムには、「希少度」というアイテムの希少価値を示すパラメータが付されており、
出現確率データテーブルは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムがガチャパート処理部で出現する確率に関するデータを、仮想アイテムごとに記憶しており、
ガチャパート処理部は、ガチャ関連画像出力部を備え、
アイテム取得要求受付部は、対象仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求を受け付けたか否かを判断し、
取得要求を受け付けた場合には、アイテム抽出部は、出現確率データテーブルを参照して、各仮想アイテムに設定された所定の出現確率に基づいて、一の仮想アイテムを抽出し、
アイテム抽出部は、抽出した仮想アイテムを対象仮想ユーザの所有アイテムとして、所有アイテムデータテーブルに保存し、
ガチャを行う旨の要求は複数回行うことができる
ゲーム制御方法。」

(2)甲第2号証
本件特許の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証(「ミリオンチェイン、ステップガチャの話」)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「普通ステップアップガチャってのは、短期間に続けてガチャを引くことで通常確率からどんどん確率が上昇していくものなんですが、ミリオンチェインのステップアップガチャはちょっと様子が違うみたいです。」(第1/8ページ本文第3?6行)

上記の記載事項を総合すると、甲第2号証には、次の事項(以下「甲2記載事項」という。)が記載されているものと認められる。

「ステップアップガチャにおいて、短期間に続けてガチャを引くことで通常確率からどんどん確率が上昇していくこと。」

(3)甲第3号証
本件特許の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第3号証(「『MONSTER CRY-season2-』にレアカードの出現率アップする期間限定ガチャが登場」)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「CJインターネットジャパンは、本日(1月23日)、スマートフォン用カードバトルRPG『MONSTER CRY-season2-』で、1週間限定でレアカードの出現率がアップする「ステップガチャ」を追加したと発表した。」(第2/15ページ本文第1?8行)

イ.「本日より、1週間限定で、ゲーム内に「ステップガチャ」が登場します。「ステップガチャ」は、引くたびに【SSSランク以上のカードの出現率】がアップしていく特別なガチャです。ステップは全部で5つあり、「ステップ5」が完了すると「ステップ1」に戻ります。」(第2ページ、「■1週間限定の「ステップガチャ」登場!レアカードの出現率がどんどんアップ!」の欄第1?3行)

ウ.上記「ア.」の記載を踏まえると、「【各ステップの内容】」の欄の1枚目の図(第3/15ページ)からは、この図が「スマートフォン用カードバトルRPG『MONSTER CRY-season2-』」の画面であって、当該画面の上部に「ステップガチャは、回せば回すほど\(「\」は改行を示す。以下同様。)SSSランク以上のカード出現率が上がるとお得なガチャです」と表示され、左側の枠内に「ステップ1:獲得枚数3枚/消費CP500CP/SSS,Epicの出現率3倍\ステップ2:3枚/800CP/SSS,Epicの出現率5倍\ステップ3:3枚/1000CP/SSS,Epicの出現率7倍\ステップ4:3枚/1200CP/SSS,Epicの出現率8倍\ステップ5:3枚/1500CP/SSS,Epicの出現率10倍\※ステップ5まで回すと、「消費CP」「SSS,Epicの出現率」などはステップ1に戻ります。」と表示され、右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示されることを看取することができる。

エ.上記「ア.」の記載を踏まえると、「【各ステップの内容】」の欄の2枚目の図(第3/15ページ)からは、この図が「スマートフォン用カードバトルRPG『MONSTER CRY-season2-』」の画面であって、当該画面の上部に「CONGRATULATIONS! 以下のカードを獲得しました!」と表示され、左側の3つの枠内にそれぞれ「生命のクランデラ SS\固有スキル\呪いのクランデラ\Lv1.ステータス\体力:410\攻撃力:3050\防衛力:825\攻撃ボーナス:134」、「クラウディア貴姫 ★\固有スキル\プリンセスの指揮\Lv1.ステータス\体力:820\攻撃力:3550\防衛力:1075\攻撃ボーナス:112」、「チュートンサイロ S\固有スキル\凍てつく骨の矢\Lv1.ステータス\体力:360\攻撃力:2800\防衛力:700\攻撃ボーナス:114」と表示され、右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示されることを看取することができる。

オ.上記「ウ.」から、「ステップガチャは、回せば回すほどSSSランク以上のカード出現率が上がるとお得なガチャであり、ステップ1のSSS,Epicの出現率が3倍であり、ステップ2のSSS,Epicの出現率が5倍であり、ステップ3のSSS,Epicの出現率が7倍であり、ステップ4のSSS,Epicの出現率が8倍であり、ステップ5のSSS,Epicの出現率が10倍であり、ステップ5まで回すと、「SSS,Epicの出現率」などはステップ1に戻る」こと、及び、「SSS,Epicの出現率を表示した画面の右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示される」ことが読み取れる。

カ.上記「エ.」から、「カードを獲得したことを示す画面に、左側の枠内に「生命のクランデラ SS\固有スキル\呪いのクランデラ\Lv1.ステータス\体力:410\攻撃力:3050\防衛力:825\攻撃ボーナス:134」等と表示され、右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示される」ことが読み取れる。

上記の記載事項を総合すると、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されているものと認められる。

「ゲーム内に「ステップガチャ」が登場し、
「ステップガチャ」は、引くたびに【SSSランク以上のカードの出現率】がアップしていくガチャで、ステップは全部で5つあり、「ステップ5」が完了すると「ステップ1」に戻り、
ステップガチャは、回せば回すほどSSSランク以上のカード出現率が上がるとお得なガチャであり、ステップ1のSSS,Epicの出現率が3倍であり、ステップ2のSSS,Epicの出現率が5倍であり、ステップ3のSSS,Epicの出現率が7倍であり、ステップ4のSSS,Epicの出現率が8倍であり、ステップ5のSSS,Epicの出現率が10倍であり、ステップ5まで回すと、「SSS,Epicの出現率」などはステップ1に戻り、
SSS,Epicの出現率を表示した画面の右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示され、
カードを獲得したことを示す画面には、左側の枠内に「生命のクランデラ SS\固有スキル\呪いのクランデラ\Lv1.ステータス\体力:410\攻撃力:3050\防衛力:825\攻撃ボーナス:134」等と表示され、右下側の枠内に「ステップ1\獲得カード枚数3枚\SSSランク以上の出現率3倍」及び「ガチャを回す」と表示される
スマートフォン用カードバトルRPG『MONSTER CRY-season2-』。」

(4)甲第4号証
本件特許の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第4号証(「【ミリオンチェイン攻略】課金アイテムのコスモ&ミリチケを活用してゲームを有利に進めよう!パネルアクションRPG『ミリオンチェイン』(第8回)」)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「モバイル・スマートフォン/iPhone
【ミリオンチェイン攻略】課金アイテムのコスモ&ミリチケを活用してゲームを有利に進めよう!パネルアクションRPG『ミリオンチェイン』(第8回)」(第1/9ページタイトル)

イ.第2/9ページ下側の「◆「10連ガチャ」と、キャラ獲得率アップのイベントを狙おう」とのキャプションが付された図における2枚の画面は、上記「ア.」の記載を踏まえるとパネルアクションRPG『ミリオンチェイン』の画面であると認められるところ、左側の画面の上部に「ガチャ」と表示され、その下部が5つの欄に分かれており各欄に「1回目 200 ☆5出現確率 4%」、「2回目 300 ☆5出現確率 5%」、「3回目 400 ☆5出現確率 9%」、「4回目 400 ☆5出現確率 9.5%」、「5回目 400 ☆5出現確率 10%」と表示されることを看取することができる。

ウ.上記「イ.」から、「10連ガチャのキャラ獲得率は、1回目の☆5出現確率が4%、2回目の☆5出現確率が5%、3回目の☆5出現確率が9%、4回目の☆5出現確率が9.5%、5回目の☆5出現確率が10%である」ことが読み取れる。

上記の記載事項を総合すると、甲第4号証には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されているものと認められる。

「10連ガチャのキャラ獲得率は、1回目の☆5出現確率が4%、2回目の☆5出現確率が5%、3回目の☆5出現確率が9%、4回目の☆5出現確率が9.5%、5回目の☆5出現確率が10%であるパネルアクションRPG『ミリオンチェイン』。」

(5)甲第5号証
本件特許の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第5号証(「【鹵獲】ステップアップガチャ」)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「ブラウザ三国志のモチベ上げたくて開始。」(第1/7ページ第1行)

イ.「【鹵獲】ステップアップガチャ」(第1/7ページ「2014/05/27(Tue)19:19」の項第1行)

ウ.第4/7ページ上側の図からは、上部に「ブショーダスステップアップ\カードNo.4175呂氏が当たりました!」と表示され、その下に「引いたステップ ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5」と表示されて、このうちの「ステップ1」は「ステップ2」ないし「ステップ5」と異なる色とされ、その下に「引いたカード」と表示され、その右下の表に「武将名」の欄に「R 呂氏」、「スキル」の欄に「暴姫の命LV3」と表示されること、及び、図の右下の「次のステップ内容」の表示がある枠内に「【カード排出確率】\UR5.64% SR:9.00% R:85.36%\レアリティがUR・SR・Rの武将カードが手に入ります。\R以上確定!\更にUR・SRの確率がステップ1より3倍!!」と表示されることを看取できる。

エ.上記「ア.ないしウ.」から、上記「ウ.」の図は「ブラウザ三国志」におけるステップアップガチャである「ブショーダスステップアップ」の画面であるといえる。

オ.上記「ウ.」によれば「引いたステップ ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5」との表示のうちで、「ステップ1」は「ステップ2」ないし「ステップ5」と異なる色とされ」ているから、「引いたステップ」が「ステップ1」であることは明らかであって、「引いたステップはステップ1であることが表示される」といえる。

カ.上記「ウ.」によれば「「引いたカード」と表示され、その右下の表に「武将名」の欄に「R 呂氏」、「スキル」の欄に「暴姫の命LV3」と表示される」から、「引いたカードは「武将名」が「R 呂氏」で、「スキル」が「暴姫の命LV3」であることが表示される」といえる。

キ.上記「ウ.」によれば「「次のステップ内容」の表示がある枠内には「【カード排出確率】\UR5.64% SR:9.00% R:85.36%」と表示されるから、「次のステップの内容はカード排出確率がUR5.64% SR:9.00% R:85.36%であることが表示される」といえる。

上記の記載事項を総合すると、甲第5号証には、次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されているものと認められる。

「ステップアップガチャである「ブショーダスステップアップ」の画面において、
引いたステップはステップ1であり、
引いたカードは「武将名」が「R 呂氏」で、「スキル」が「暴姫の命LV3」であり、
次のステップの内容はカード排出確率がUR5.64% SR:9.00% R:85.36%であることが表示される
「ブラウザ三国志」。」

(6)甲第6号証
本件特許の出願日前に頒布された刊行物である甲第6号証(特表2012-516749号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「【請求項17】
オンラインゲームを提供するゲームコンテンツ提供サーバーおよび会員情報を提供する会員サーバーと連動するカプセル抽選サーバーが前記オンラインゲーム上で測定される能力数値の高い高級アイテムコンテンツを、抽選を通じて前記抽選に参加した複数のクライアント端末機の中のいずれか一つに提供するオンラインカプセル抽選方法において、
クライアント端末機が前記ゲームコンテンツ提供サーバーにユーザーのログイン情報を提供して前記カプセル抽選サーバーに接続する第一段階と;
前記カプセル抽選サーバーが前記高級アイテムコンテンツを複数のカプセルらの中の少なくとも一つとマッチングしてマッチング情報を生成し、前記カプセルの残余個数における情報をリアルタイムで前記複数のクライアント端末機に伝送する第二段階と;
前記カプセル抽選サーバーが前記クライアント端末機の選択情報を受信して前記カプセルらの中で、ユーザーが必要とする個数のカプセルを抽出するか、指定されたカプセルを抽出する第三段階;および
前記カプセル抽選サーバーが前記マッチング情報を根拠に前記第三段階を通じて抽出されたカプセルの中で、前記高級アイテムコンテンツとマッチングされる当選カプセルが存在するかを判断して、前記クライアント端末機に当選可否情報を提供し、前記当選カプセルが存在する場合、前記会員サーバーの会員情報に前記高級アイテムコンテンツを登録し、前記当選カプセルが存在しない場合、前記抽出されたカプセルを除いて生成された前記カプセルの残余個数における情報を前記複数のクライアント端末機にリアルタイムで提供する第四段階とを含む
オンラインカプセル抽選方法。
(中略)
【請求項28】
前記第四段階以後、前記カプセル抽選サーバーが前記ログイン情報と選択情報を根拠に、前記会員サーバーの会員情報に前記ユーザーのカプセル購買個数を累積して、カプセル購買累積情報を生成し、前記カプセル購買累積情報が増加するほど、前記高級アイテムコンテンツの当選確率を増加させる第六段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載のオンラインカプセル抽選方法。
【請求項29】
前記第六段階は、前記カプセル抽選サーバーが前記第四段階の当選カプセルを通じて、高級アイテムコンテンツが前記ユーザーの会員情報に登録された場合、前記カプセル購買累積情報を初期化して、前記当選確率を低める段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項28に記載のオンラインカプセル抽選方法。」

上記の記載事項を総合すると、甲第6号証には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されているものと認められる。

「オンラインゲームを提供するゲームコンテンツ提供サーバーおよび会員情報を提供する会員サーバーと連動するカプセル抽選サーバーが前記オンラインゲーム上で測定される能力数値の高い高級アイテムコンテンツを、抽選を通じて前記抽選に参加した複数のクライアント端末機の中のいずれか一つに提供するオンラインカプセル抽選方法において、
前記カプセル抽選サーバーが抽出されたカプセルの中で、前記高級アイテムコンテンツとマッチングされる当選カプセルが存在するかを判断して、前記クライアント端末機に当選可否情報を提供し、前記当選カプセルが存在する場合、前記会員サーバーの会員情報に前記高級アイテムコンテンツを登録し、
前記カプセル抽選サーバーがログイン情報と選択情報を根拠に前記、会員サーバーの会員情報にユーザーのカプセル購買個数を累積して、カプセル購買累積情報を生成し、前記カプセル購買累積情報が増加するほど、前記高級アイテムコンテンツの当選確率を増加させ、
前記カプセル抽選サーバーが当選カプセルを通じて、高級アイテムコンテンツが前記ユーザーの会員情報に登録された場合、前記カプセル購買累積情報を初期化して、前記当選確率を低める
オンラインカプセル抽選方法。」

(7)甲第7号証
本件特許の出願日前に頒布された刊行物である甲第7号証(特開2014-239878号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「【請求項1】
プレイヤーがネットワークを介してゲーム空間内のゲーム媒体を用いて行なうゲームを制御するサーバー装置であって、
所定の抽選確率に基づいて前記ゲーム媒体の抽選を行う抽選部と、
前記ゲームを進行させる処理を行ない、所定のパラメーターに基づいて前記プレイヤーによる前記ゲームの進捗度合いを算出する進行処理部と、
或る時点において算出された前記プレイヤーによる前記ゲームの進捗度合い応じて前記或る時点から所定期間経過後における前記ゲーム媒体の抽選確率を変動させる抽選確率変動処理部と、
を備えることを特徴とするサーバー装置。」

イ.「【0043】
試合には、練習試合や大会などがあり、これらの試合の規模や結果、内容(何点差で勝利したか等)に応じて、所定量の経験値を取得することができる。大きな大会で勝つほどより多くの経験値を獲得することができ、経験値を蓄積することで、プレイヤーの「格」が上がる。本実施形態ではプレイヤーの格が高いほど、パラメーターの上限値が高くなる等の有利な効果を得ることができる。また、格が高いほど、ゲームカードを取得する際の抽選確率が高くなる等の効果がある。なお、「格」の決定方法は、或る期間(例えば現実の時間で1週間)毎の経験値取得量に応じて更新されるようにしたり、他のプレイヤーと経験値を比較したりすることによって決定される。さらに、同じ「格」のチーム同士でも取得した経験値の量などに応じてデッキの強さに優劣が生じるようにしてもよい。」

ウ.「【0058】
図8A及び図8Bは、抽選を行なう場合のゲームカードの抽選確率について説明する図である。本実施形態のような野球カードゲームの場合、7種類の属性(ポジション)のゲームカードが設定され(図6参照)、通常、各属性のカードが抽選される確率はそれぞれ14.3%(1/7)である。言い換えると、全ての属性のカードが均等に抽選される。例えば、プレイヤーが投手の属性を有するゲームカードを取得することを期待した場合でも、抽選により投手のゲームカードを取得できる確率は1/7である(図8A)。また、ゲームカードにレアリティが設定されている場合、レアリティ毎に抽選確率が変更される。通常、レアリティの高いゲームカードほど抽選確率が低く設定されている。さらに、本実施形態では、プレイヤーの格が高いほどレアリティの高いゲームカードの抽選確率が高くなるように設定される。例えば、図8Bにおいて、名門?超弱小の8つの格が存在する場合、プレイヤーの格が最も低い超弱小の場合は、最もレアリティの高いSSSRのゲームカードの抽選確率はわずか0.6%であるが、プレイヤーの格が最も高い名門の場合は、SSSRのゲームカードの抽選確率は7.1%であり、レアリティの高いゲームカードを取得しやすくなっている。つまり、プレイヤーは多くの経験値を得て格を上げることにより、よりレアリティの高いゲームカードを取得しやすくなる。」

エ.上記「イ.及びウ.」の「ゲームカード」は、上記「ア.」の「ゲーム媒体」に対応する。

上記の記載事項を総合すると、甲第7号証には、次の発明(以下「甲7発明」という。)が記載されているものと認められる。

「プレイヤーがネットワークを介してゲーム空間内のゲーム媒体を用いて行なうゲームを制御するサーバー装置であって、
所定の抽選確率に基づいて前記ゲーム媒体の抽選を行う抽選部を備え、
経験値を蓄積することで、プレイヤーの「格」が上がり、
プレイヤーの格が高いほどレアリティの高いゲーム媒体の抽選確率が高くなるように設定される
サーバー装置。」

(8)甲第8号証の1
本件特許の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第8号証の1(「高額課金しちゃったYO! グランドユニオンSTEPガチャ引き!」)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア.「初心者のスターギャラクシープレイ日記です。」(第1/13ページ第2行)

イ.「「ひとつのゲームの、ひとつのキャラを手に入れるのに数万円投入するのは馬鹿げている!」と、ゲームをスタートしてから当分の間はそう思い、「高額課金したら負け!」との大方針を掲げていたのですが、日々スタギャラで遊んでいるうちのいつの間にか徐々にハマり、心変わりをしてしまったようです。……そして、「グランドユニオンSTEPガチャ」6回分を回してしまいました。」

ウ.第3/13ページの図からは、左側枠の上部に「11連グランドユニオンSTEPガチャ 現在2回目」と表示されるとともに、下部に「ガチャを回す」と表示される点、及び、右側枠内にさらに6つの枠(以下「小枠」という。)が設けられ、各小枠に
「1回目 4000ゴールド 新SR士官1枚確定」
「2回目 5000ゴールド SR士官1枚確定」
「3回目 6000ゴールド SR以上士官1枚確定」
「4回目 6000ゴールド SR以上士官1枚確定 新SRスキル追加カードおまけ付き!」
「5回目 6000ゴールド 新SR以上士官1枚確定」
「6回目 8000ゴールド 新SR+士官1枚確定 新SR+スキル追加カードおまけ付き!」
と表示され、「2回目 5000ゴールド SR士官1枚確定」の小枠が、他の小枠と異なる色で表示されるとともに、右側枠内下部に「※グランドユニオンSTEPガチャからURカードは排出されません。」と表示される点を看取することができる。

エ.上記「ア.及びイ.」を踏まえると、上記「ウ.」の画面は「スターギャラクシー」(スタギャラ)というゲームの「グランドユニオンSTEPガチャ」6回分を回した際の画面のひとつであるといえる。

オ.上記「ウ.」の「11連グランドユニオンSTEPガチャ 現在2回目」及び「ガチャを回す」との表示から、「ウ.」の画面は「グランドユニオンSTEPガチャ」の2回目のガチャを回す際の画面であるといえる。

カ.上記「ウ.」から、「ウ.」の画面の右側枠内の「1回目」ないし「6回目」はガチャの回数を示し、「SR」、「SR」及び「UR」はレア度を示すといえ、「新SR士官」、「SR士官」、「SR以上士官」、「新SR以上士官」及び「新SR+士官」はそれぞれのレア度のカードであって、「1枚確定」とは「SR士官」、「SR以上士官」、「新SR以上士官」及び「新SR+士官」のカード1枚が排出されることが確定していることを示すといえるから、右側枠内の小枠の表示は、1回目から6回目のガチャで排出されることが確定しているレア度のカードの情報を表示するといえる。

上記の記載事項を総合すると、甲第8号証の1には、次の発明(以下「甲8発明」という。)が記載されているものと認められる。

「「グランドユニオンSTEPガチャ」の6回分を回すうちの2回目のガチャを回す際の画面において、
6つの小枠に1回目から6回目のガチャで排出されることが確定しているレア度のカードの情報をそれぞれ表示し、
2回目のガチャで排出されることが確定しているレア度のカードの情報を表示する小枠が、他の小枠と異なる色で表示される
「スターギャラクシー」のゲーム。」

4.平成30年6月27日付け取消理由について
(1)本件訂正特許発明1について
ア.対比
本件訂正特許発明1と甲1発明とを対比する。

(ア)後者の「仮想アイテム」は、その機能、作用等からみて、前者の「ゲーム媒体」に相当し、同様に、「出現確率」は「当選確率」に、「コンピュータ」は「コンピュータ」に、「ゲームデータ記憶部」は「記憶部」に、「希少度」は「レア度」に、「ガチャ」は「抽選ゲーム」にそれぞれ相当する。
(イ)後者においては、「「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいい、一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、仮想空間において、ユーザに成り代わった、またはユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」とい」うのだから、「仮想ユーザ」は「「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作」が反映されるものであって、後者における「仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求」は実質的に「実ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求」であり、同様に「対象仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求」は「対象実ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求」であり、「対象仮想ユーザの所有アイテム」は「対象実ユーザの所有アイテム」であるといえる。そして、後者の「実ユーザ」は、前者の「プレイヤ」に相当する。
(ウ)後者の「コンピュータ」では、「ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部とからなる機能が実現され」、「ガチャパート処理部は、ガチャ関連画像出力部を備え」、「ガチャを行う」から、後者の「ゲーム制御方法」は前者の「記憶部及び出力部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータにおけるゲーム制御方法」に相当する。
(エ)上記の「仮想ユーザ」についての検討を踏まえると、後者の「ゲームデータ記憶部は、アイテムデータテーブルと、出現確率データテーブルと、仮想ユーザデータ記憶部とを有し、アイテムデータテーブルは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムについて一覧で管理したもので、各仮想アイテムには、「希少度」というアイテムの希少価値を示すパラメータが付されており、出現確率データテーブルは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムがガチャパート処理部で出現する確率に関するデータを、仮想アイテムごとに記憶しており」は、前者の「複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し」に相当する。
(オ)後者の「アイテム取得要求受付部は、対象仮想ユーザが仮想アイテムを取得するための取得要求を受け付けたか否かを判断し、取得要求を受け付けた場合、アイテム抽出部は、出現確率データテーブルを参照して、各仮想アイテムに設定された所定の出現確率に基づいて、一の仮想アイテムを抽出し、アイテム抽出部は、抽出した仮想アイテムを対象仮想ユーザの所有アイテムとして、所有アイテムデータテーブルに保存し」は、前者の「プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し」に相当する。
(カ)後者は「ガチャを行う旨の要求は複数回行うことができる」ものであり、甲第1号証には各回のガチャを行った後に抽出した仮想アイテムを除外することについて何ら記載されていないから、後者は2回目以降の取得要求に対しても、取得した仮想アイテムを除外することなく1回目の取得要求と同様に仮想アイテムを抽出して、所有アイテムデータテーブルに保存しているといえ、後者のこの点は前者の「前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与する」に相当する。

そうすると、両者は、
「記憶部及び出力部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータにおけるゲーム制御方法であって、前記コンピュータが、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、
前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与することを含む
ゲーム制御方法。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
前者が「プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更する」のに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点2]
前者が、「抽選において所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットする」のに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点3]
前者が「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力する」のに対して、後者はそのようなものでない点。

[相違点4]
前者が「抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを出力部に出力する」のに対して、後者はそのようなものでない点。

イ.検討
上記相違点2について検討する。

甲3発明は上記「3.(3)」のとおりであって、「「ステップガチャ」は、引くたびに【SSSランク以上のカードの出現率】がアップしていくガチャで、ステップは全部で5つあり、「ステップ5」が完了すると「ステップ1」に戻」るものであり、甲3発明の「SSSランク以上のカードの出現率」は本件訂正特許発明1の「所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率」に相当する。
しかしながら、甲3発明においては「ステップは全部で5つあり、「ステップ5」が完了すると「ステップ1」に戻」るのだから、当該「出現率」はステップ数に応じてリセットされるものであって、ゲーム媒体の選択結果に応じてリセットされるものではない。
そうすると、甲3発明は相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項を備えるものではない。

また、「次の抽選における当選に関する情報を他の抽選における当選に関する情報と区別可能に表示すること」は、例えば甲8発明に示されるように本件特許に係る特許出願の出願前に周知の技術事項(以下「周知技術1」という。)であり、「抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示すること」は、例えば甲5発明に示されるように本件特許に係る特許出願の出願前に周知の技術事項(以下「周知技術2」という。)であると認められるものの、当該周知技術1及び2はいずれも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項に関するものではないし、甲第8号証及び甲5第号証の全体にも、相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。

さらに、上記相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。

そして、本件訂正特許発明1は、上記相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項を具備することにより、本件特許明細書に記載の「これにより、特殊カードが選択された場合は、目玉カードの当選確率は高いままとなるので、抽選ゲームのゲーム性をさらに向上させることが可能となる。」(段落【0106】。なお、「特殊カード」が本件訂正特許発明1における「第1のゲーム媒体」に対応する。)という作用効果を奏するものである。

したがって、本件訂正特許発明1は、当業者が、甲1発明及び甲3発明に基づいて、又は、甲1発明及び甲3発明並びに周知技術1及び2に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

なお、甲6発明及び甲7発明は上記「3.(6)及び(7)」のとおりであって、甲第6号証及び甲第7号証にも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。
また、異議申立人が平成30年5月10日付け意見書で提示した甲第8号証の2ないし甲第8号証の6、甲第9号証、甲第9号証の1及び甲第9号証の2にも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。

(2)本件訂正特許発明2ないし4、6、9、13及び14について

本件訂正特許発明2ないし4、6及び9は、本件訂正特許発明1をさらに限定したものである。
また、本件訂正特許発明13及び14は、本件訂正特許発明1の「ゲーム制御方法」に対応する「コンピュータ」及び「制御プログラム」の発明であって、本件訂正特許発明1と実質的に同様の発明特定事項を有するものである。

そうすると、本件訂正特許発明1については上記「(1)」のとおりであるから、本件訂正特許発明2、3、6、13及び14は、当業者が、甲1発明及び甲3発明に基づいて、または、甲1発明及び甲3発明並びに周知技術1及び周知技術2に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件訂正特許発明4は、当業者が、甲1発明、甲3発明及び甲6発明に基づいて、または、甲1発明、甲3発明及び甲6発明並びに周知技術1及び2に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件訂正特許発明9は、当業者が、甲1発明、甲3発明及び甲7発明に基づいて、または、甲1発明、甲3発明及び甲7発明並びに周知技術1及び2に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
以上のとおりであるから、平成30年6月27日付け取消理由によっては、本件訂正特許発明1ないし4、6、9、13及び14に係る特許が、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできない。

5.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由等について
(1)特許法第17条の2第3項について

本件特許の当初明細書等には以下の記載がある。

ア.「【0013】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、コンピュータは、出力部をさらに備え、さらに、ゲーム媒体を選択した回数毎の特定のゲーム媒体が選択される確率を表示するための表示データを出力部に出力することが好ましい。」
イ.「【0025】
本実施形態では、予めゲームシステムに登録されたカードをゲーム媒体の例として説明する。バトルに使用されるプレイヤキャラクタ又は敵キャラクタのカードは、バトル用パラメータを有している。(後略)」
ウ.「【0027】
当選確率が変更される特定のキャラクタカードは、抽選ゲームにおいて目玉となる目玉カードであり、ゲームシステムの運営者によって予め定められる。目玉カードは、例えばレア度が最高のキャラクタカード、特定の特殊効果を有するキャラクタカード、特定の時期にしか取得することができないカード(季節又はイベント限定カード)等の抽選対象として設定された複数のキャラクタカードの中で最も価値が高いキャラクタカードである。(後略)」
エ.「【0058】
図4(d)に示す詳細画面430は、抽選ゲーム画面410で詳細ボタン414が押下されたときに表示される。詳細画面430には、抽選対象のキャラクタが分類されたグループ431毎に、各抽選実行回数における各グループの当選確率432が表示されるとともに、戻るボタン433等が表示される。戻るボタン433が押下されると、再度、抽選ゲーム画面410が表示される。
【0059】
当選確率432には、抽選実行回数毎の目玉カードの当選確率が含まれる。これにより、各プレイヤは、抽選を繰り返すことによって目玉カードの当選確率がどのように変化していくのかをより把握し易くなり、抽選ゲームに対する各プレイヤの継続意欲をより向上させることが可能となる。
【0060】
なお、次回の抽選における当選確率は、他の当選確率と区別可能に表示されてもよい。その場合、例えば、次回の抽選における当選確率を、他の当選確率より大きく表示したり、他の当選確率と異なる色で表示したり、又は点滅表示させることにより、他の当選確率と区別可能に表示することができる。これにより、各プレイヤは、特に次回の抽選における当選確率を把握し易くなる。」

上記「エ.」の記載によれば、当初明細書等には「次回の抽選における当選確率」を「他の当選確率と区別可能に表示」することにより、「各プレイヤは、特に次回の抽選における当選確率を把握し易くなる」ことが記載され、また、「各抽選実行回数における各グループの当選確率432が表示される」こと、及び、「当選確率432には、抽選実行回数毎の目玉カードの当選確率が含まれる」ことによって、「各プレイヤは、抽選を繰り返すことによって目玉カードの当選確率がどのように変化していくのかをより把握し易くなり、抽選ゲームに対する各プレイヤの継続意欲をより向上させることが可能となる」ことが記載されている。
そうすると、当初明細書等には「次回の抽選における当選確率」を「他の当選確率と区別可能に表示」する点が記載されており、「次回の抽選における当選確率」と「他の当選確率」のひとつとが表示されれば、「次回の抽選における当選確率」と「他の当選確率」との当選確率の変化を把握でき、「各グループの当選確率432」のうち「目玉カードの当選確率」が表示されれば、目玉カードの当選確率の変化を把握できることは明らかである。
上記「ア.」には「目玉カードは、例えばレア度が最高のキャラクタカード」と記載されており、上記「イ.」の記載を参酌すると「キャラクタカード」が「ゲーム媒体」であることは明らかであるから、上記「ウ.」の記載の「目玉カード」は「所定のレア度を有するゲーム媒体」であるといえる。
上記「ア.」には「ゲーム媒体を選択した回数毎の特定のゲーム媒体が選択される確率を表示するための表示データを出力部に出力する」ことが記載されている。

そうすると、本件補正によって請求項1、13及び14に追加された「次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示するための表示データを前記出力部に出力する」との事項は、当初明細書等に記載されているに等しい事項であって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるとはいえない。

したがって、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

(2)特許法第36条第6項第1号について

上記「(1)ア.ないしエ.」で摘示した事項は本件特許明細書にも記載された事項であって、上記「(1)」での検討を踏まえると、本件訂正後の請求項1、13及び14の「少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示」するとの事項は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲のものであるといえる。

そうすると本件訂正後の請求項1、13及び14の記載は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものではなく、特許法第36条第6項第1号の規定に適合する。

(3)特許法第29条第2項について
ア.本件訂正特許発明1について

本件訂正特許発明1と甲1発明とを対比すると、両者は上記「4.(1)ア.」のとおり、相違点1ないし4で相違し、その余の点で一致する。

上記相違点2について検討する。

上記「4.(1)イ.」のとおり、甲3発明は、相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項を備えるものではない。
また、甲5発明に例示される周知技術2も相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項に関するものではなく、甲第5号証の全体にも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。
また、甲2記載事項及び甲4発明は、上記「3.(2)及び(4)」のとおりであって、いずれも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項を備えるものではない。

さらに、上記相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。

そして、本件訂正特許発明1は、上記相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項を具備することにより、本件特許明細書に記載の「これにより、特殊カードが選択された場合は、目玉カードの当選確率は高いままとなるので、抽選ゲームのゲーム性をさらに向上させることが可能となる。」(段落【0106】)という作用効果を奏するものである。

したがって、本件訂正特許発明1は、当業者が、甲第1号証ないし甲第5号証の記載事項ないし周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。

なお、甲6発明及び甲7発明は上記「3.(6)及び(7)」のとおりであって、甲第6号証及び甲第7号証にも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。
また、異議申立書における甲第4号証の1、並びに、異議申立人が平成30年5月10日付け意見書で提示した甲第8号証の1ないし甲第8号証の6、甲第9号証、甲第9号証の1及び甲第9号証の2にも相違点2に係る本件訂正特許発明1の発明特定事項は記載されていない。

イ.本件訂正特許発明2ないし4、6、9、13及び14について

本件訂正特許発明2ないし4、6及び9は、本件訂正特許発明1をさらに限定したものである。
また、本件訂正特許発明13及び14は、本件訂正特許発明1の「ゲーム制御方法」に対応する「コンピュータ」及び「制御プログラム」の発明であって、本件発明1と実質的に同様の発明特定事項を有するものである。

そうすると、本件訂正特許発明1については上記「ア.」のとおりであるから、本件訂正特許発明2、3、13及び14は、当業者が、甲第1号証ないし甲第5号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件訂正特許発明4及び6は、当業者が、甲第1号証ないし甲第6号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件訂正特許発明9は、当業者が、甲第1号証ないし甲第7号証の記載事項及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

以上のとおりであるから、本件訂正特許発明1ないし4、6、9、13及び14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。

第4 むすび

以上のとおり、請求項1ないし4、6、9及び11ないし14に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし4、6、9及び11ないし14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び出力部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータにおけるゲーム制御方法であって、前記コンピュータが、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、
前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与することを含み、
前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、
少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを前記出力部に出力し、
前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記第1の抽選又は前記第2の抽選の何れかにおける前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を表示するための表示データを前記出力部に出力する、請求項1に記載のゲーム制御方法。
【請求項3】
前記所定のレア度は、各ゲーム媒体に関連付けられたレア度の中で最も高いレア度であり、
前記コンピュータは、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体以外のゲーム媒体が当選した場合、
前記当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率が高くなるように前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を変更する、請求項1または2に記載のゲーム制御方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットする、請求項1?3の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が所定数になった場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットする、請求項1?4の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において当選したゲーム媒体と前記所定のレア度を有するゲーム媒体の関係に基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記当選確率の変更において、前記抽選において当選したゲーム媒体と前記所定のレア度を有するゲーム媒体の関係に基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4,6及び7の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるクエスト又はバトルを含むメインゲームを実行し、
前記当選確率の変更において、前記メインゲームでクエスト又はバトルの結果に応じて前記プレイヤに付与されたポイント、又は、前記プレイヤに付与されたポイントに応じて定められる前記メインゲームにおける前記プレイヤのレベルに基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6?8の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項10】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるクエスト又はバトルを含むメインゲームを実行し、
前記当選確率の変更において、前記メインゲームでクエスト又はバトルの結果に応じて前記プレイヤに付与されたポイント、又は、前記プレイヤに付与されたポイントに応じて定められる前記メインゲームにおける前記プレイヤのレベルに基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4及び6?9の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項11】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるメインゲームを実行し、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記プレイヤから、前記メインゲームで前記プレイヤに関連する関連プレイヤへのメッセージの送信を実行し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤが前記関連プレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、前記当選確率を変更する度合いを変更する、請求項1?4及び6?10の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項12】
前記コンピュータは、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記抽選ゲームと異なるメインゲームを実行し、
さらに、前記プレイヤからの要求に従って、前記プレイヤから、前記メインゲームで前記プレイヤに関連する関連プレイヤへのメッセージの送信を実行し、
前記当選確率の変更において、前記プレイヤが前記関連プレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、前記当選確率の上限値を設定する、請求項1?4及び6?11の何れか一項に記載のゲーム制御方法。
【請求項13】
抽選ゲームを実行するコンピュータであって、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を記憶する記憶部と、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与する選択部と、を備え、
前記選択部は、前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項14】
記憶部を備え、抽選ゲームを実行するコンピュータの制御プログラムであって、
複数のゲーム媒体を各ゲーム媒体のレア度と関連付けて前記記憶部に記憶するとともに、各レア度を有するゲーム媒体の当選確率を前記記憶部に記憶し、
プレイヤからの第1の要求に従って、前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第1の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与し、
前記プレイヤからの第2の要求に従って、前記第1の抽選で当選したゲーム媒体を除外せずに前記複数のゲーム媒体の全てを抽選対象として、前記当選確率に基づいて第2の抽選を実行し、当選したゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて記憶することにより前記プレイヤに付与することを前記コンピュータに実行させ、
前記プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数が多いほど、前記プレイヤからの要求に従った抽選における所定のレア度を有する二つ以上のゲーム媒体の当選確率が高くなり且つ前記所定のレア度以外のレア度を有するゲーム媒体のそれぞれの当選確率が低くなるように、前記複数のゲーム媒体の当選確率を変更するとともに、前記抽選において前記所定のレア度を有するゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットせず、前記第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率をリセットし、
少なくとも次の抽選及び前記次の抽選の所定回数後の抽選における前記所定のレア度を有するゲーム媒体の当選確率を共に表示し、且つ、前記次の抽選における当選確率を他の当選確率と区別可能に表示するための表示データを出力部に出力し、前記抽選が実行された場合、当該抽選によって当選したゲーム媒体に関する情報と次の抽選における当選確率とを共に表示するための表示データを前記出力部に出力する、
ことを特徴とする制御プログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-03-11 
出願番号 特願2015-257074(P2015-257074)
審決分類 P 1 652・ 537- YAA (A63F)
P 1 652・ 121- YAA (A63F)
P 1 652・ 55- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 櫻井 茂樹  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 畑井 順一
森次 顕
登録日 2017-02-17 
登録番号 特許第6093845号(P6093845)
権利者 グリー株式会社
発明の名称 ゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラム  
代理人 青木 篤  
代理人 三橋 真二  
代理人 河野 努  
代理人 中澤 言一  
代理人 三浦 剛  
代理人 三浦 剛  
代理人 河野 努  
代理人 青木 篤  
代理人 南山 知広  
代理人 鶴田 準一  
代理人 鶴田 準一  
代理人 伊坪 公一  
代理人 中澤 言一  
代理人 南山 知広  
代理人 伊坪 公一  
代理人 三橋 真二  

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