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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  F21S
審判 全部申し立て 2項進歩性  F21S
管理番号 1351400
異議申立番号 異議2017-701016  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-25 
確定日 2019-03-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6125935号発明「照明用バルブ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6125935号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?6、8〕、7について訂正することを認める。 特許第6125935号の請求項1、2、4、7、8に係る特許を維持する。 特許第6125935号の請求項3、5、6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第6125935号の請求項1?8に係る特許についての出願は、平成25年7月18日に出願され、平成29年4月14日にその特許権の設定登録がされ、同年5月10に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

平成29年10月25日 :特許異議申立人遠藤義彦(以下「特許異議
申立人」という。)より請求項1?8に係る
特許に対する特許異議の申立て
平成30年 3月14日付け:取消理由通知書
同年 5月16日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年 6月 6日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12
0条の5第5項)
同年 7月12日 :特許異議申立人による意見書の提出
同年 9月25日付け:取消理由通知書(決定の予告)
同年11月27日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年12月21日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12
0条の5第5項)
平成31年 1月25日 :特許異議申立人による意見書の提出

第2.訂正の適否
1.訂正の内容
平成30年11月27日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下、それぞれ「本件明細書」、「本件特許請求の範囲」といい、図面を含めて「本件明細書等」という。)を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。 なお、平成30年5月16日にされた訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。(下線部は訂正個所)
(1)訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に、
「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)」
と記載されているのを、
「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)」
に訂正する。

(2)訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1に、
「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、を備え、」
と記載されているのを、
「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、を備え、」
に訂正する。

(3)訂正事項3
本件特許請求の範囲の請求項1に、
「前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されている」
と記載されているのを、
「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」
に訂正する。

(4)訂正事項4
本件特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(5)訂正事項5
本件特許請求の範囲の請求項4に、
「請求項3に記載の照明用バルブ」
と記載されているのを、
「請求項1に記載の照明用バルブ」
に訂正する。

(6)訂正事項6
本件特許請求の範囲の請求項4に、
「前記固定部には」
と記載されているのを、
「前記固定部本体には」
に訂正する。

(7)訂正事項7
本件特許請求の範囲の請求項4に、
「第1かしめ孔(31a)」
と記載されているのを、
「かしめ孔(31a)」
に訂正する。

(8)訂正事項8
本件特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(9)訂正事項9
本件特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(10)訂正事項10
本件特許請求の範囲の請求項7に、
「請求項1?6のいずれか1項に記載の照明用バルブにおいて、3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置されることを特徴とする照明用バルブ。」
と記載されているのを、
「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、を備え、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されていることを特徴とする照明用バルブ。」
に訂正する。

(11)訂正事項11
本件特許請求の範囲の請求項8に、
「請求項1?7のいずれか1項」
と記載されているのを、
「請求項1,2,4のいずれか1項」
に訂正する。

(12)訂正事項12
本件明細書の段落【0015】に、
「請求項5に記載したように」
と記載されているのを、
「請求項1に記載したように」
に訂正する。

(13)訂正事項13
本件明細書の段落【0019】に、
「請求項3に記載した照明用バルブのように」
と記載されているのを、
「請求項1に記載した照明用バルブのように」
に訂正する。

(14)訂正事項14
本件明細書の段落【0021】に、
「請求項6に記載したように」
と記載されているのを、
「請求項1に記載したように」
に訂正する。

本件訂正請求の訂正事項1?11の本件特許請求の範囲に係る訂正は、訂正前に引用関係を有する一群の請求項〔1?8〕に対して請求されたものである。また、訂正事項12?14に係る明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1?8〕について請求されたものである。 なお、請求項7については、別途訂正単位とする求めが出ている。

2.訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「素子設置部(2)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項3の記載に基づいて「設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ.訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正により発明を特定する事項となった「取付芯部(21)」を備える「素子設置部(2)」を有する「照明用バルブ」に関し、本件特許請求の範囲の請求項6の記載に基づいて「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、」を備えるとの限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ. 訂正事項3は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「爪部(33a?33c)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項3の記載に基づいて「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、」との限定を加えるとともに、上記訂正事項2に係る訂正により発明を特定する事項となった「挿通筒(40)」に関し、本件特許請求の範囲の請求項6の記載に基づいて「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との限定を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ.訂正事項4は、訂正前の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ.訂正事項5は、上記訂正事項4に係る訂正により請求項1又は2を引用する請求項3が削除されたところ、訂正前に請求項3を引用していた請求項4を、訂正後に請求項1を引用する(請求項2を引用しない)ものとするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

カ.訂正事項6は、訂正前の請求項4に「前記固定部」との記載があるが、当該記載の前に「固定部」との記載がなく、「前記固定部」は、当該記載の前に記載されている「前記固定部本体」の誤りであったものと認められるから、誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

キ.訂正事項7は、上記訂正事項3に係る訂正により、訂正後の請求項1に係る発明は、請求項6に記載されている「第2かしめ孔(40a)」ではなく「かしめ孔(40a)」が形成されていることととなったため、これと整合させるために、訂正前の請求項4に係る発明の「第1かしめ孔(31a)」を、訂正後に「かしめ孔(31a)」と訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ク.訂正事項8及び9は、訂正前の請求項5及び請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ケ.訂正事項10は、訂正前において、請求項7が、請求項1から6を引用するものであったところ、訂正後に、訂正前の請求項1を引用する請求項7に係る発明を特定するために必要な事項である「3つの前記発光素子」に関し、本件明細書の段落【0031】の「中央の設置面22(図2(c))は、両側の設置面22(図2(a)(b))に比べ後方側にずれた位置に形成されている。」との記載、【図2】、【図5】及び【図6】に示された「設置面22」の配置、及び【図6】に示された「設置面22」と「LED」の配置関係に基づいて「前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されてい」るとの限定を加えるとともに、請求項1を引用する請求項7について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないことを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

コ.訂正事項11は、訂正前に請求項8が請求項1?7を引用したものであったものを、訂正後に請求項1、2、4を引用するものとし、引用する請求項数を減らすものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

サ.訂正事項12?14は、上記訂正事項1?4、8、9に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

3.小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?6、8〕、7についての訂正を認める。

第3.本件発明
上記「第2.」で述べたとおり本件訂正は認められるから、本件訂正請求により訂正された請求項1、2、4、7、及び8に係る発明(以下、「本件発明1、2、4、7、及び8」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1、2、4、7、及び8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、請求項3、5、及び6は、本件訂正により削除されている。
「【請求項1】
中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、
前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、
を備え、
前記各爪部は、
前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、
前記爪部は、
前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、
前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている
ことを特徴とする照明用バルブ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の照明用バルブにおいて、
前記素子設置部には、
前記中心軸αの軸周りに前記発光素子を設置する設置面(22)が形成され、
前記設置面は、
前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、前方側から後方側に向かうほど前記中心軸αに近づく傾斜面を形成していることを特徴とする照明用バルブ。
【請求項4】
請求項1に記載の照明用バルブにおいて、
前記固定部本体には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(31a)が形成されている
ことを特徴とする照明用バルブ。
【請求項7】
中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、
を備え、
前記爪部は、
前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、
3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、
前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されていることを特徴とする照明用バルブ。
【請求項8】
請求項1,2,4のいずれか1項に記載の照明用バルブにおいて、
前記発光素子は、LEDであることを特徴とする照明用バルブ。」

第4.取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由について
1.取消理由の概要
本件訂正前(平成30年5月16日の訂正請求により訂正された時点)の請求項1、2、5、7、8に係る発明に対して平成30年9月25日付けで特許権者に通知した取消理由通知書(決定の予告)の取消理由の概要は、以下のとおりである。

[取消理由]
本件訂正前の請求項1、2、5、7、8に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。なお、本件訂正により、請求項5は削除されている。



特許出願:特願2013-90503号(特開2013-229331号参照)(以下「先の出願」ということがある。)
上記出願は、申立人が証拠として提出した甲第1号証である。

2.先の出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲、又は図面(以下「当初明細書等」ということがある。)に記載された事項及び先願発明
(1)上記取消理由において引用した先の出願の当初明細書等には以下の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】
・・・
【請求項3】
悪天候などの気象条件で運転者の視認性を確保するために自動車のフォグランプに結合されるLED照明ランプにおいて、
PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、
前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、
前記モジュール装着手段(320)の後方にランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と、
前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)と、
を含んで構成されたことを特徴とする自動車用LED照明ランプ。」

「【0010】
また、本発明は、LED照明ランプの構成要素を着脱構造で作製して、LEDモジュールとその他の電子部品の組み立て及びLED照明ランプの作製を容易にするとともに、前記放熱手段の内部にLED照明ランプの電子部品を収容可能な空間を形成することによって、これによりその他の電子部品を外部に露出させないようにして外観美を向上させることをまた他の目的とする。」

「【0039】
このとき、前記モジュール装着手段(320)の後方には雄ネジ部(323)が形成され、前記放熱手段(340)の前方内側には前記雄ネジ部(323)とネジ結合される雌ネジ部(343)が形成され、前記モジュール装着手段(320)と放熱手段(340)とを互いに結合させることができるようになる。
【0040】
一方、前記モジュール装着手段(320)の上部、下部で両側面には複数の補助放熱フィン(342)が等間隔に突出形成され、前記補助放熱フィン(342)は相対的に冷たい空気と熱平衡への熱交換をすることで、前記LED(311)から発散される熱を前記放熱手段(340)とともに補助的に冷却することができるようになる。
【0041】
そして、前記ランプ固定手段(330)のランプ結合部(331)の外周の一側には固定ボルト(333)を挿入して結合するためのボルト挿入孔(332)が貫通形成され、前記ボルト挿入孔(332)で前記固定ボルト(333)が結合されることによって前記固定ボルト(333)の下端部が前記モジュール装着手段(320)の側面を加圧し、これにより、前記ランプ固定手段(330)からモジュール装着手段(320)が分離されることを防止することとなる。
【0042】
このとき、前記ランプ結合部(331)と放熱手段(340)との間には円板形状に作製される分配板(400)が備えられ、前記分配板(400)に前記放熱手段(340)の側面が面着することにより、前記LED(311)から発散される熱が前記ランプ固定手段(330)を経ると、前記分配板(400)を通じて効率的に放熱手段(340)に熱を分散させることができるようになる。」

図面には以下の【図5】が図示されている。


(2)上記記載事項及び図示内容から次のことが認定できる。
ア.図5より、ランプ固定手段(330)のランプ結合部(331)の外周面上には3つの突部が立設されていること。

イ.【請求項3】及び段落【0039】の記載内容並びに図5の図示内容から、
モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有し、該軸部に、ランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合されること。

(3)以上より、先の出願には以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。

<先願発明>
「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、
前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、
前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、
前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と、
前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)と
を含んで構成される自動車用LED照明ランプ。」

3.当審の判断
(1)本件発明1について
ア.対比
本件発明1と先願発明を対比する。
(ア)先願発明の「自動車用LED照明ランプ」は、その機能、構造からみて、本件発明1の「照明用バルブ(1)」に相当するといえる。

(イ)先願発明の「モジュール装着手段(320)」には、「支持フレーム(321)が形成され」、「前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられ」、かかる「LEDモジュール(310)」は、「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて」いるから、前記「モジュール装着手段(320)」に形成される「支持フレーム(321)」には、「LED(311)」が設置されているといえる。また、【図5】等を参照すると、「モジュール装着手段(320)」には、中心軸が存在し、「支持フレーム(321)」に設置される「LED(311)」は、かかる中心軸の軸周りに設置されているということができる。さらに、先願発明の「モジュール装着手段(320)」には中心軸が存在するところ、図5の図示内容をも踏まえると、「支持フレーム(321)の後方に延設され」た「軸部」は、前記中心軸に沿って延設されているということができる。
そうすると、先願発明の「モジュール装着手段(320)」は、本件発明1の「素子設置部(2)」に相当し、以下同様に「支持フレーム(321)」は「設置部本体(20)」に、「軸部」は「取付芯部(21)」に、「LED(311)」は「発光素子」に相当するといえる。
以上より、先願発明の「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、 前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており」との構成は、本件発明1の「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)」との構成に相当するといえる。

(ウ)上記(イ)によれば、先願発明の「支持フレーム(321)の後方に延設され」た「軸部」は、前記中心軸に沿って延設されており、かかる「軸部」に、「外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され」るものであるから、先願発明の「ランプ結合部(331)」の「外周面上に」「立設されている」「3つの突部」は、「モジュール装着手段(320)」の前記中心軸に沿って「モジュール装着手段(320)」に並べて配置されるものであり、さらに、【図5】等を参照すると、前記中心軸の軸周りに間隔をあけて配置されているものということもできる。
そうすると、先願発明の「ランプ結合部(331)」の「外周面上に」「立設されている」「3つの突部」と、本件発明1の「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)」とは、「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部」との構成の限度で共通するといえる。
また、先願発明の「ランプ結合部(331)」は、本件発明1の「固定部本体(30)」に相当する。
以上より、先願発明の「前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)」を含む構成と、本件発明1の「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と」を備え「前記各爪部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており」との構成は、「前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と」を備え「前記各突部は、前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、前記突部は、前記中心軸αの軸周りに設置されており」との構成の限度で共通する。

(エ)先願発明の「円形フレーム(341)」は、本件発明1の「挿通筒(40)」に相当し、先願発明の「前記円形フレーム(341)の外周面に」「突出形成され」る「複数の放熱フィン(342)」は、本件発明1の「該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)」に相当する。
また、先願発明は「前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され」る構成であるところ、具体的には「円形フレーム(341)がモジュール装着手段(320)」の「軸部」と「ネジ締め方式で結合され」る構成であり、さらに【図5】を参照すれば、先願発明の「円形フレーム(341)」は「軸部」を挿通可能としていることは明らかである。
以上より、先願発明の「前記ランプ固定手段(330)の後方に円形フレーム(341)が前記モジュール装着手段(320)とネジ締め方式で結合され、前記円形フレーム(341)の外周面に複数の放熱フィン(342)が突出形成されて前記LED(311)を通じて発散される熱を前記放熱フィン(342)の熱交換作用を用いて冷却する放熱手段(340)」は、本件発明1の「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部」に相当するといえる。

以上によれば、本件発明1と先願発明とは、次の点で一致するといえる。
<一致点>
「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部と、を備える素子設置部と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、
前記取付芯部を挿通可能な挿通筒と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィンと、を備えるヒートシンク部と、
を備え、
前記各突部は、
前記取付芯部を挿通可能な固定部本体の外周面上に立設されており、
前記突部は、
前記中心軸αの軸周りに設置されている
照明用バルブ。」

そして、次の点で相違するといえる。
<相違点1>
突部が、本件発明1では、「爪部」であるのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。
<相違点2>
本件発明1は、「爪部」が、前記中心軸αの軸周りに「回動可能」に設置されているのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。
<相違点3>
本件発明1は、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔が形成されている」のに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。

イ.判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。
本件発明1の「挿通筒」に相当する先願発明の「円形フレーム(341)」には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔が形成されていない。
また、ヒートシンク部の挿通筒に、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔を形成する構成については、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠はないから、相違点3は、課題解決のための具体化手段における微差(周知、慣用技術の付加、転換等であって、新たな効果を奏するものではないもの)とはいえない。
したがって、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえない。

ウ.小括
以上によれば、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえない。

(2)本件発明2、4、8について
本件発明2、4、8は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに減縮したものである。そして、上記(1)イ.で述べたとおり、本件発明1は、実質的に先願発明と同一であるとはいえないから、本件発明2、4、8も、本件発明1と同様に実質的に先願発明と同一であるとはいえない。

(3)本件発明7について
ア.対比
本件発明7と先願発明を対比する。
(ア)先願発明の「自動車用LED照明ランプ」は、その機能、構造からみて、本件発明7の「照明用バルブ(1)」に相当するといえる。

(イ)上記(1)ア.(イ)及び(ウ)の対比関係と同様に、先願発明の「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)と、前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられるモジュール装着手段(320)と、前記モジュール装着手段(320)は、支持フレーム(321)と、支持フレーム(321)の後方に延設され、雄ネジ部(323)が形成された軸部とを有しており、前記モジュール装着手段(320)の前記軸部に、外周面上に3つの突部が立設されているランプ結合部(331)が単純挿入される方式で結合され、前記ランプ結合部(331)によりLED照明ランプを自動車のフォグランプに固定させるランプ固定手段(330)と」を含む構成と、本件発明7の「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、を備え、前記爪部は、前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており」との構成は、「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、を備え、前記突部は、前記中心軸αの軸周りに設置されており」との構成の限度で共通する。

以上によれば、本件発明7と先願発明とは、次の点で一致するといえる。
<一致点>
「中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の突部と、
を備え、
前記突部は、
前記中心軸αの軸周りに設置されている照明用バルブ。」

そして、次の点で相違するといえる。
<相違点1’>
突部が、本件発明7では、「爪部」であるのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。
<相違点2’>
本件発明7は、「爪部」が、前記中心軸αの軸周りに「回動可能」に設置されているのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。
<相違点3’>
本件発明7は、「3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されている」のに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。

イ.判断
事案に鑑み、相違点3’について検討する。
先願発明は、相違点3’に係る本件発明7に対応する構成として、「PCB基板(312)の上部に複数のLED(311)が取り付けられて光を発散するLEDモジュール(310)」を含み、「前記LEDモジュール(310)が結合されるために支持フレーム(321)が形成され、前記支持フレーム(321)の両側面にLEDモジュール(310)がそれぞれ取り付けられる」構成を備えるものである。
かかる先願発明の構成と【図5】等を参照すれば、先願発明は、2つのLED(311)が、LEDモジュール(310)の軸周りに180°位置を変えて前記LEDモジュール(310)に対して設置されている構成を備えているいうことができる。
ここで、3つの発光素子が、発光素子を装着する部材の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記発光素子を装着する部材に対して設置するように構成することに関しては、照明用バルブの技術分野において、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術(例えば、先の取消理由(決定の予告)で引用した刊行物2(特開2011-181418号公報)の【図6】及び刊行物3(特開2006-210340号公報)の段落【0011】を参照。)といえる。
しかしながら、上記周知ないしは慣用技術の転換を図った先願発明でも、支持フレーム(321)と各PCB基板(312)の位置関係、及び該各PCB基板(312)とLED(311)の配置関係は不明であるから、中央のLEDは、両側の前記LEDに比べ後方側にずれた位置に設置されているとまではいえない。
また、「中央の光源素子は、両側の前記光源素子に比べ後方側にずれた位置に設置する」構成については、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠はないから、相違点3’は、課題解決のための具体化手段における微差(周知、慣用技術の付加、転換等であって、新たな効果を奏するものではないもの)とはいえない。
したがって、本件発明7は、先願発明と同一であるとはいえない。

第5.取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について
1.特許異議申立人が主張する取消理由の概要(特許法第29条第2項)
[申立理由]請求項1?8に係る発明は、甲第2号証に記載されている発明及び甲第3号証?甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

甲第2号証:実用新案登録第3100113号公報
甲第3号証:特開2011-181418号公報
甲第4号証:特開2006-210340号公報
甲第5号証:特開2010-212220号公報

2.当審の判断
(1)本件発明1、2、4、8について
本件発明1は、「前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との事項を有している。
これに対して、甲第2号証に記載された発明は、本件発明1の「取付芯部」に相当する「バルブホルダ2」には、本件発明1の上記「ヒートシンク部」を備えていない。
ここで、照明用バルブの技術分野において、光源素子等から発生する熱を放熱するためにヒートシンク部を備える構成に関しては、本件特許にかかる出願前に周知ないし慣用技術(例えば、甲第3号証の【図6】等に示されたヒートシンク3、及び甲第5号証の【図1】等に示された冷却フィンを参照。)である。
しかしながら、甲第2号証に記載された発明に上記周知ないしは慣用技術を適用した構成であっても、「ヒートシンク部」に「取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との構成にまで至るものではない。
また、上記「ヒートシンク部」に「取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)」を備え、「前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている」との構成については、甲第3号証?甲第5号証において記載も示唆もされておらず、他に、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
本件発明2、4、8は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに新たな事項を付加したものであるから、本件発明1と同様に、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件発明7について
本件発明7は、「3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されている」との事項を有している。
これに対して、甲第2号証に記載された発明は、本件発明1の「発光素子」に対応する「高輝度放電バルブ1」は、「バルブホルダ2」の先端部に取り付けられている。
ここで、照明用バルブの技術分野において、3つの発光素子が、発光素子を装着する部材の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記発光素子を装着する部材に対して設置するように構成することに関しては、本件特許にかかる出願前に周知ないし慣用技術(例えば、先の取消理由(決定の予告)で引用した刊行物2(特開2011-181418号公報)の【図6】及び刊行物3(特開2006-210340号公報)の段落【0011】を参照。)といえる。
しかしながら、甲第2号証に記載された発明に上記周知ないし慣用技術を適用した構成であっても、当該周知ないしは慣用技術には、各光源素子の前後方向における具体的位置までは特定されていないから、本件発明7に係る「中央のLEDは、両側の前記LEDに比べ後方側にずれた位置に設置される」構成には至るものではない。
また、「中央の光源素子は、両側の前記光源素子に比べ後方側にずれた位置に設置する」構成については、甲第3号証?甲第5号証においても記載も示唆もされておらず、他に、本件特許にかかる出願前に周知ないしは慣用技術であると認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件発明7は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第5号証に記載された周知ないし慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

したがって、特許異議申立書人の主張する申立理由で、本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すことができない。

第6.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2、4、7、及び8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項3、5、及び6に係る特許は、上記のとおり、本件訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議申立てについて、請求項3、5、及び6に係る申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
照明用バルブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の照明装置を構成する照明用バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の照明装置は、主に、灯具と、照明用バルブとからなっている。
このうち照明用バルブは、LEDが設置される素子設置部と、複数の冷却フィンが形成されたヒートシンク部とを有しており、また、これら素子設置部とヒートシンク部との間には、灯具への固定に用いられる複数の爪部が設けられている。
【0003】
これら爪部は、素子設置部とヒートシンク部との並び方向を軸方向とした場合、その軸方向の軸周りに所定間隔を置いて配置されている。
一方、灯具は、内側面が鏡面加工されたリフレクタと、このリフレクタの外側面を覆う筐体とを備えている。
【0004】
そして、この灯具には、筐体とリフレクタとを貫通する開口であって、リフレクタの中心部分(凹面の最深部)を通る開口が設けられている。
また、この灯具には、照明用バルブを固定するための複数の取付溝が設けられている。
【0005】
これら取付溝は、筐体に形成された開口の内周面を凹ませた円弧状に形成されている。
また、これら取付溝には、各取付溝の円弧に沿った方向の一端側に、灯具の背面側に向かって開口する切欠部が設けられている。この切欠部は、爪部を通すことができる大きさに形成されている。
【0006】
このように構成された照明用バルブを灯具に取り付ける場合、まず、灯具の背面側から照明用バルブの素子設置部を灯具の開口に通す。
そして、照明用バルブの各爪部を灯具の切欠部に通し、照明用バルブを軸回りに回転させ、各爪部を各取付溝に噛み合わせる。
【0007】
すると、照明用バルブは灯具に固定される。
このように照明用バルブを灯具に取り付けた照明装置を、例えば、車両の前照灯として利用する場合、素子設置部に設置されたLEDを発光させると、LEDから発せられた光がリフレクタで反射され、その反射光により車両の前方が照らされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の照明用バルブは全体が一体成型もしくは、接着、固定されており、また、灯具の取付溝の位置は車種もしくは、車両に設置されている灯具によって異なっている。
【0009】
そのため、ある灯具に照明用バルブを取り付けた場合は、素子設置部が備える各LEDを照明に適した位置に配置することができるが、他の灯具に取り付けた場合は、照明に適さない位置に配置されてしまうという問題があった。
【0010】
具体的には、ある灯具に照明用バルブを取り付けた場合、LEDは、照明に適した方向として例えば左右方向及び「下方向」を向くのに対し、他の灯具に照明用バルブを取り付けた場合、LEDが左右方向及び「上方向」を向いてしまうことがあった。
【0011】
そこで、本発明は、取付溝の位置が異なるどのような灯具に対しても、素子設置部に備えられた各発光素子を照明に適した位置に配置しつつ固定することが可能な照明用バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載された照明用バルブ(1)は、中心軸(α)の軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、前記中心軸に沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸の軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、を備え、前記爪部は、前記中心軸の軸周りに回動可能に設置されていることを特徴とする。
【0013】
この照明用バルブは、爪部が素子設置部に対して中心軸周りに回動するので、発光素子(LED等)が照明に適した方向に向くように、素子設置部を中心軸周りに回転させても、この爪部の位置を中心軸周りに回転して適当に変更することができる。
【0014】
したがって、本発明の照明用バルブは、取付溝の位置が異なるどのような灯具に対しても、素子設置部に備えられた各発光素子を照明に適した位置に配置しつつ固定することができる。
【0015】
尚、請求項1に記載したように、ヒートシンク部をさらに備えていてもよい。
ところで、照明用バルブを灯具に取り付けられて照明を行う場合、通常、発光素子から照射される光をリフレクタに反射させ、その反射光を投光方向に出射する。
【0016】
その際、発光素子から照射される光を投光方向とは反対側に向かって出射し、リフレクタに反射させるとよい。
特に発光素子は指向性を有することが多く、発光素子から出射される光については拡散して投光する必要があるため、発光素子から出射される光については、リフレクタに反射させるとよい。
【0017】
そこで、請求項2に記載した照明用バルブのように、素子設置部に、中心軸の軸周りに発光素子を設置する設置面(22)を形成し、その設置面は、素子設置部及び爪部の並び方向でみて、素子設置部側を前方とし爪部側を後方とした場合、前方側から後方側に向かうほど中心軸に近づく傾斜面を形成しているとよい。
【0018】
このようにすると、発光素子から照射される光を投光方向とは反対側(後方側)に向かって照射することができるので、この照明用バルブを灯具に取り付けると、その照射された光をリフレクタで反射させて投光方向に向かって照射することができる。
【0019】
次に、請求項1に記載した照明用バルブのように、素子設置部は、発光素子が設置される設置部本体(20)から中心軸に沿って延設された取付芯部(21)を備え、各爪部は、取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されているとよい。
【0020】
このようにすると、固定部本体を取付芯部に挿通するだけで、爪部を、中心軸の軸周りに回動可能に設置することができる。
尚、このように照明用バルブを組み立てる場合、請求項4に記載したように、固定部本体には、固定部本体を貫通し、かしめ部材を螺合するための第1かしめ孔(31a)が形成されているとよい。
【0021】
また、請求項1に記載したように、ヒートシンク部が、取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、この挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)とを備える場合、挿通筒には、挿通筒を貫通し、かしめ部材を螺合するための第2かしめ孔(40a)が形成されているとよい。
【0022】
これら各かしめ孔にかしめ部材を螺合させ、そのかしめ部材の先端が取付芯部の表面を凹ませるまで螺合させると、そのかしめ部材を介して挿通筒または固定部本体を取付芯部に固定することができ、ひいては爪部及びヒートシンク部を素子設置部に対して固定することができる。
【0023】
次に、請求項7に記載したように、3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置されるとよい。
このようにすると、例えば、灯具に取り付けられたとき、素子設置部に備えられた各発光素子を照明に適した位置、例えば、左右位置と下位置に設置することができる。
【0024】
尚、請求項8に記載したように、発光素子としては、例えばLEDを用いてもよいが、これに限られるものではない。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態の照明用バルブの平面図で、(a)?(c)の順に組み立てられる様子を示している。
【図2】本実施形態の照明用バルブの説明図で、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図であり、中心軸周りに回転させて各図を示している。
【図3】ヒートシンク部の右側面図である。
【図4】灯具の背面図であって、本実施形態の照明用バルブの爪部が噛み合う位置を透過図(斜線)で示している。
【図5】照明装置の説明図であって、本実施形態の照明用バルブを灯具に取り付けた様子を示す斜視図である。
【図6】照明装置の説明図であって、本実施形態の照明用バルブを灯具に取り付けた様子を示す斜視図である。
【図7】他の実施形態を示す説明図であって、固定部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態の照明用バルブ1は、図1に示すように、素子設置部2と、固定部3と、ヒートシンク部4とを備えている。
【0027】
これらは、所定の中心軸αに沿って、素子設置部2、固定部3、ヒートシンク部4の順に並べて配置される。尚、この並び方向に従い、ヒートシンク部4から素子設置部2を向く並び方向側を先端側と呼び、素子設置部2からヒートシンク部4を向く並び方向側を後端側と以下呼ぶ。
【0028】
素子設置部2は、設置部本体20及び取付芯部21を有している。
このうち設置部本体20は中心軸αに沿って柱状に形成され、取付芯部21は、設置部本体20の後端側の端部から中心軸αに沿って延設されている。照明用バルブ1の中心軸αは、この取付芯部21の中心軸αに一致する。
【0029】
また、素子設置部2の外周面には、図2に示すように、LEDを設置する設置面22であって、中心軸αを中心とする軸周りに、90°ずつ位置を変えて設置された3つの設置面22が形成されている。
【0030】
これら設置面22は、前方側から後方側に向かうほど中心軸αに近づく傾斜面を形成している(図5、6参照)。LED(図示なし)は平面形状に形成されており、各LEDは、傾斜した設置面22に沿って各設置面22に取り付けられる。
【0031】
ただし、中央の設置面22(図2(c))は、両側の設置面22(図2(a)(b))に比べ後方側にずれた位置に形成されている。
取付芯部21は、その外周面のうち、後端側2/3ほどにネジ山が形成されている。
【0032】
また、取付芯部21は円筒形状に形成されているが、これは、LEDに接続された電力線を通すためである。
次に、固定部3は、図1に示すように、固定部本体30と、爪部33a?33cとを有している。
【0033】
固定部本体30は、2つの部位からなり、一方の部位31は、他方の部位32より小径で、中心軸αに沿って長尺な円筒状に形成されており、他方の部位32は、一方の部位31より大径で、中心軸αに沿った方向に薄い円板状に形成されている。
【0034】
この固定部本体30のうち、薄い円板状に形成された部位32の外周面上には、3つの爪部33a?33cが間隔を開けて配置されている。
これら爪部33a?33cは、中心軸α方向に沿った方向の厚みで比較した場合、部位32よりも薄い平板状に形成されており、また、中心軸αに垂直な方向にみた場合、中心軸αを中心とする略円弧状に形成されている。
【0035】
また、固定部本体30には、取付芯部21に挿通可能な挿通孔(図示なし)が形成されている。
この固定部本体30の挿通孔に取付芯部21を通すと、固定部3は、取付芯部21に対し中心軸αの軸周りに回動可能に取り付けられる。
【0036】
また、固定部本体30のうち部位31には、この部位31を貫通し、かしめ部材を螺入することができる第1かしめ孔31aが形成されている。
この第1かしめ孔31aにかしめ部材を螺入し、かしめ部材の先端が取付芯部21の表面に到達して、その表面を凹ませると、固定部3は取付芯部21に対して固定される。
【0037】
次に、ヒートシンク部4は、図3に示すように、取付芯部21を挿通可能な円筒形状の挿通筒40と、この挿通筒40の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン41とを備えている。
【0038】
挿通筒40の内周面にはネジ山(図示せず)が形成されており、取付芯部21を挿通する場合、取付芯部21のネジ山と挿通筒のネジ山とを噛み合わせ、取付芯部21に対しヒートシンク部4を回転させながら挿通する。
【0039】
また、挿通筒40には、図1に示すように、この挿通筒40を貫通し、かしめ部材を螺入することができる第2かしめ孔40aが形成されている。
この第2かしめ孔40aにかしめ部材を螺入し、かしめ部材の先端が取付芯部21の表面に到達して、その表面を凹ませると、ヒートシンク部4は取付芯部21に対して固定される。
【0040】
そして照明用バルブ1は、図1(a)から図1(c)に順に示したように、固定部3及びヒートシンク部4が、この順に取付芯部21に挿入されて組み立てられる。
このとき、ヒートシンク部4は、取付芯部21に螺合され、設置部本体20との間に固定部3を挟んで止められる。
【0041】
以上説明した本実施形態の照明用バルブ1は、固定部3が取付芯部21に回動可能に取り付けられることによって、爪部33a?33cが素子設置部2に対して中心軸α周りに回動する。
【0042】
一方、図4に示すように、爪部33a?33cが取り付けられる灯具の取付溝の位置は車種もしくは、車両に設置されている灯具によって異なっている。具体的には、図4(a)では、取付溝の切欠部の位置が、下方、右斜め上方、左斜め上方にあり、図4(b)では、上方、右斜め下方、左斜め下方にある。
【0043】
本実施形態では、各灯具に照明用バルブ1を取り付けるときは、固定部3を中心軸α周りに回転させて、各取付溝に爪部33a?33cが取り付けられる位置に配置することが可能である。
【0044】
そのため、図5、6に示すように、設置面22に取り付けられたLEDが照明に適した方向(左右方向及び下方向)に向くように、素子設置部2を中心軸α周りに回転させても、図4に示すように、この爪部33a?33cの位置を中心軸α周りに回転して適当に変更することができる。
【0045】
したがって、本実施形態の照明用バルブ1は、取付溝の位置が異なるどのような灯具に対しても、素子設置部2に備えられた各LEDを照明に適した位置に配置しつつ固定することができる。
【0046】
ところで、この照明用バルブ1を灯具9に取り付けて照明を行う場合、通常、LEDから照射される光をリフレクタに反射させ、その反射光を投光方向に出射する。
その際、LEDから照射される光を投光方向とは反対側に向かって出射し、リフレクタに反射させるとよい。
【0047】
特にLEDは指向性を有することが多く、LEDから出射される光については拡散して投光する必要があるため、LEDから出射される光については、リフレクタに反射させるとよい。
【0048】
そのため、本実施形態の照明用バルブ1のように、LEDを設置する設置面22を後方側に向かって傾斜させておくと、照明用バルブ1を灯具9に取り付けたとき、LEDから照射される光を投光方向とは反対側(後方側)に向かって拡散して出射することができる。
【0049】
次に、本実施形態の照明用バルブ1は、素子設置部が備える取付芯部21に、固定部3を挿通し、ヒートシンク部4を螺合させれば、簡単に組み立てることができる。
また、各かしめ孔31a、40aにかしめ部材を螺入させれば、固定部3及びヒートシンク部4を素子設置部2に対して固定することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0050】
(1)上記実施形態で説明した照明用バルブ1はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、発光素子としてLEDを例示したが、これに限定されるものではない。また、爪部33a?33cは、図7に示すように、固定部本体30の部位32ではなく、部位31に設けても良い。
【符号の説明】
【0051】
1…照明用バルブ
2…素子設置部
3…固定部
4…ヒートシンク部
20…設置部本体
21…取付芯部
22…設置面
30…固定部本体
31a…かしめ孔
33a?33c…爪部
40…挿通筒
40a…かしめ孔
41…冷却フィン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸αの軸周りに発光素子が設置される設置部本体(20)と、前記設置部本体から前記中心軸αに沿って延設された取付芯部(21)と、を備える素子設置部(2)と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、
前記取付芯部を挿通可能な挿通筒(40)と、該挿通筒の外周面上に径方向に沿って放射状に立設された複数の冷却フィン(41)と、を備えるヒートシンク部と、
を備え、
前記各爪部は、
前記取付芯部を挿通可能な固定部本体(30)の外周面上に立設されており、
前記爪部は、
前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、
前記挿通筒には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(40a)が形成されている
ことを特徴とする照明用バルブ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の照明用バルブにおいて、
前記素子設置部には、
前記中心軸αの軸周りに前記発光素子を設置する設置面(22)が形成され、
前記設置面は、
前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、前方側から後方側に向かうほど前記中心軸αに近づく傾斜面を形成していることを特徴とする照明用バルブ。
【請求項3】(削除)
【請求項4】
請求項1に記載の照明用バルブにおいて、
前記固定部本体には、かしめ部材を螺合するためのかしめ孔(31a)が形成されている
ことを特徴とする照明用バルブ。
【請求項5】(削除)
【請求項6】(削除)
【請求項7】
中心軸αの軸周りに発光素子が設置される素子設置部(2)と、
前記中心軸αに沿って前記素子設置部に並べて配置され、前記中心軸αの軸周りに間隔をあけて配置された複数の爪部(33a?33c)と、
を備え、
前記爪部は、
前記中心軸αの軸周りに回動可能に設置されており、
3つの前記発光素子が、前記素子設置部の軸周りに90°ずつ位置を変えて前記素子設置部に対して設置され、
前記素子設置部及び前記爪部の並び方向でみて、前記素子設置部側を前方とし前記爪部側を後方とした場合、中央の前記発光素子は、両側の前記発光素子に比べ後方側にずれた位置に設置されていることを特徴とする照明用バルブ。
【請求項8】
請求項1,2,4のいずれか1項に記載の照明用バルブにおいて、
前記発光素子は、LEDであることを特徴とする照明用バルブ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-03-08 
出願番号 特願2013-149806(P2013-149806)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (F21S)
P 1 651・ 161- YAA (F21S)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石田 佳久  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 中村 泰二郎
島田 信一
登録日 2017-04-14 
登録番号 特許第6125935号(P6125935)
権利者 株式会社Day in Day out
発明の名称 照明用バルブ  
代理人 名古屋国際特許業務法人  
代理人 名古屋国際特許業務法人  

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