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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H01J
管理番号 1351677
審判番号 訂正2019-390016  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-02-01 
確定日 2019-04-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6429602号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第6429602号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6429602号は,平成26年11月12日の出願であって,平成30年11月9日に特許権の設定登録がされ,平成31年2月1日に本件訂正審判の請求がされたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は,特許第6429602号の明細書及び特許請求の範囲を,本件訂正審判の請求書に添付した明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものである。

2 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正の内容(以下「本件訂正」という。)は以下のとおりである(下線は請求人が付したものである。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記支持面に演出する延出部」と記載されているのを,「前記支持面の延出する延出部」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?16も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
明細書の段落【0008】に「前記支持面に演出する延出部」と記載されているのを,「前記支持面に延出する延出部」に訂正する。

第3 当審の判断
本件訂正審判は,特許権全体に対して請求するものである。以下,各訂正事項について検討する。
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は,訂正前の請求項1の「前記支持面に演出する延出部」との記載中の「演出する」を「延出する」とするものである。
すなわち,前記訂正前の請求項1の「前記支持面に演出する延出部」が文理的に意味不明であるところ,「延出部」が「延出する」ものであることを明らかにするものである。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第3項に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)訂正の根拠(新規事項の有無)
ア 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。以下同じ。)においては以下の記載がある(下線は当審で付加。)。
「【0032】
ターゲット9は,図1(a)に示すように,支持基板21の側面21aを管状陽極部材42の内周に接合材48を介して接合することにより,管状陽極部材42に気密接合され,外囲器111の一部をなす。接合材48としては,金,銀,銅,錫等を含有する合金からなるろう材が用いられ,被接合部材に応じて合金組成を適宜選択することにより,異種材料間の接着性を担保することができる。」

「【0035】
上記したように,ターゲット9と管状陽極部材42との接合に際して,接合材48の量は過不足がないように精密に調整される。さらに,本発明では,ターゲット層22の周縁より外側に支持基板21が延在するように,支持基板21の支持面よりも小さくターゲット層22が形成される。これにより,ターゲット層22の周囲には,ターゲット層22が形成される支持基板21の支持面が露出する。接合材22は,ターゲット層22に比べて支持基板21との親和性が低く,接合時の加熱によって溶融した場合であっても,支持基板21上には流れにくい。従って,接合時にターゲット層22に到達するまで流れ込みにくい。
【0036】
しかしながら,接合材48の量が多かった場合には,加熱によって流動した接合材48が,図1に示すように,ターゲット層22を形成した支持基板21の支持面上にあふれて延出部48aを形成してしまう場合がある。X線放出動作では電子線束5がターゲット層22の中心に衝突した際,X線の放射と共にそのエネルギーの90%以上が熱に変換される。そのために,管状陽極部材42の管径方向において,ターゲット層22の外周から中心に向かって同心円状に支持基板21の温度が高くなる温度勾配が形成される。その結果,支持基板21上に形成された延出部48aは,支持基板21と管状陽極部材42間に挟まれた部位よりも高温になり,粘度が低下してターゲット層22に流れ込み易くなる。」

イ 上記各記載から,延出部48aは,接合材48が支持基板の支持面上にあふれて形成されるものであって,支持面上に延出するものであることが明らかである。
よって,訂正事項1は,当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから,特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正により実質上特許請求の範囲を拡張又は変更することの有無
前記(1)で検討したとおり,訂正事項1は,文理上不明な記載を明瞭なものとするものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しないから,特許法第126条第6項に適合するものである。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は,明細書の段落【0008】の記載について,前記訂正事項1と実質的に同じ訂正をするものであるから,特許法第126条第1項ただし書第3項に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)訂正の根拠(新規事項の有無)
訂正事項2は,前記1(2)における訂正事項1についての検討と同様に,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされているといえるから,特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正により実質上特許請求の範囲を拡張又は変更することの有無
前記(1)で検討したとおり,訂正事項2は,文理上不明な記載を明瞭なものとするものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しないから,特許法第126条第6項に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおり,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり,また,同条第5項および第6項の規定に適合するものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
陽極及びこれを用いたX線発生管、X線発生装置、X線撮影システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用可能なX線を発生するX線発生管に用いられるターゲットを備えた陽極に関し、さらには、該陽極を用いたX線発生管、該X線発生管を用いたX線発生装置及びX線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にX線発生管は、フィラメント等のカソードから放出させた電子を制御電極によってその軌道を制御した後、カソードに対して高電位に印加されたアノード(陽極)に向かって加速させる。加速させた電子は、アノードに設置されたターゲット層に衝突し、X線を発生させる。ターゲット層はX線を透過させる支持基板に形成されており、ターゲット層で発生したX線は係る支持基板を通ってX線発生管の外に放出される。
【0003】
上記X線発生管は、電子が飛行できる減圧空間を保つため絶縁管の一端にカソードが、他端にアノードが取り付けられた外囲器を有している。また、発生したX線を外部に放出する支持基板は、外囲器の一部を成し、周囲の外囲器と真空気密接合されている。真空気密接合としては、ろう付け接合が有力な手段であり、その方法が特許文献1に開示されている。特許文献1では支持基板(透過窓)の真空側内面にW、Ti等のターゲット層が蒸着され、その周辺部でろう材(Agを主成分)によって該支持基板が外囲器の一部にろう付けされている。また、駆動中のターゲット層の電位を規定するためには、ターゲット層がアノードにろう材、或いは導電部材で電気的に接続されている必要がある。
【0004】
X線発生管の製造において、ターゲット層を形成した上記支持基板を真空中でろう付けする際にはろう材を780℃乃至900℃まで加熱して溶融させる必要があったが、この時、溶融したろう材がターゲット層上にまで流れ込む場合があった。特にターゲットとしてWやTiを蒸着した金属表面は、ろう材との親和性が高く、流動したろう材がターゲット層の電子衝突部分まで覆ってしまう場合があった。このようなターゲット層に電子が衝突すると、ターゲット層を覆っているろう材の金属、例えばAg、Cuの特性X線等の不要なX線が放射され、本来必要とするX線のスペクトルが得られない。この課題に対して特許文献2では、前記ターゲットの周囲に、流れ出た前記ろう材を堰き止める障壁を設けることによって不要なX線の発生を抑制している。また、係る障壁を導電性とすることで、ターゲット層と接合材との電気的な接続をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-180660号公報
【特許文献2】特開2013-109937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された構成では、X線発生管の製造時にターゲット層上にろう材が流れ込むのは低減できるものの、X線放出動作を繰り返しているうちに、放出X線の線質の低下が観測される場合があった。
【0007】
本発明の課題は、X線発生管の動作履歴により生じる放出X線の線質の低下を低減した陽極を提供することにある。また、本発明は係る陽極を用いてX線の特性に優れたX線放出管、さらには、係るX線放出管を用いた信頼性の高いX線放出装置、X線撮影システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1は、X線を発生するターゲット層と、
前記ターゲット層の周縁より外側に延在し前記ターゲット層を支持する支持面と前記支持面に連なる環状の側面とを有する支持基板と、
前記側面から前記支持面に延出する延出部を有する接合材と、
前記支持基板の側面に前記接合材を介して接合される管状陽極部材と、
前記接合材より高い融点を有し、前記ターゲット層と前接合材とを電気的に接続する導電層と、を有し、
前記導電層は、前記ターゲット層、前記支持面、及び、前記延出部、のそれぞれの少なくとも一部を被覆する部分を、この順に有することにより、前記延出部の前記ターゲット層の側の端部を被覆していることを特徴とする陽極である。
【0009】
本発明の第2は、上記本発明の第1の陽極と、
前記ターゲット層に向けて電子を放出する電子放出源を備える陰極と、
前記陽極と前記陰極とを絶縁し、前記陽極と前記陰極とともに真空容器を形成する絶縁管とを備えることを特徴とするX線発生管である。
【0010】
本発明の第3は、上記本発明の第2のX線発生管と、前記X線発生管の陰極と陽極とに管電圧を印加する管電圧回路と、を備えたことを特徴とするX線発生装置である。
【0011】
本発明の第4は、上記本発明の第3のX線発生装置と、
前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、
前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御するシステム制御装置と、を備えたことを特徴とするX線撮影システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、X線放出動作時に接合材がターゲット層に至ることがないため、放出X線の線質が低下することがなく、所望のX線を得ることができる。よって、X線の特性に優れたX線放出管が得られ、信頼性の高いX線放出装置、X線撮影システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の陽極の一実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)はX線放出管の陰極側から見た平面図、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【図2】本発明の陽極の他の実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)はX線放出管の陰極側から見た平面図、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【図3】本発明の陽極の他の実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)はX線放出管の陰極側から見た平面図、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【図4】本発明の陽極の他の実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)はX線放出管の陰極側から見た平面図、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【図5】本発明のX線放出管の一実施形態の構成を模式的に示す管軸方向の断面図である。
【図6】本発明のX線発生装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明のX線撮影システムの一実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図8】本発明の実施例のX線発生装置の評価システムの構成を模式的に示す図である。
【図9】本発明の比較例の陽極の構成を模式的に示す図であり、(a)はX線放出管の陰極側から見た平面図、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。尚、本明細書で特に図示又は記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
【0015】
<X線発生管>
図5に本発明のX線発生管の一実施形態の構成を模式的に示す。本例のX線発生管102は、ターゲット層22を支持する支持基板21がX線を透過する透過基板である透過型ターゲットを備えた透過型のX線発生管である。尚、本発明において支持基板21は透過基板に限定されない。
【0016】
X線発生管102は、電子放出源3が備える電子放出部2から放出された電子線束5をターゲット層22に照射することによりX線束11を発生させるように構成されている。このため、ターゲット層22は支持基板21の電子放出源3側に配置され、電子放出部2はターゲット層22に対向して配置されている。
【0017】
尚、電子線束5に含まれる電子は、陰極51と陽極52とに挟まれたX線発生管102の内部空間13に形成された加速電界により、ターゲット層22でX線を発生させるために必要な入射エネルギーまで加速される。
【0018】
陽極52は、ターゲット9と管状陽極部材42とを少なくとも備え、X線発生管102の陽極電位を規定する電極として機能している。
【0019】
管状陽極部材42は、導電性材料からなりターゲット層22と電気的に接続される。管状陽極部材42の管内周にはターゲット9の支持基板21が接合材(図5においては不図示)を介して接合され、これによりターゲット9が管状陽極部材42に保持される。管状陽極部材42は、タングステン、タンタル等の重金属を含有し、図5に示すように、ターゲット9の前方側(X線発生管102の外部側)において開口を残して延長された部分を有する形態とすることでX線の放出角を制限するコリメータとして機能する。
【0020】
X線発生管102の内部空間13は、電子線束5の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。X線発生管102の内部の真空度は、1×10^(-8)Pa以上1×10^(-4)Pa以下であることが好ましく、電子放出源3の寿命の観点からは、1×10^(-8)Pa以上1×10^(-6)Pa以下であることがより一層好ましい。電子放出部2及びターゲット層22は、それぞれ、X線発生管102の内部空間13又は内面に配置されている。
【0021】
X線発生管102の内部空間13は、不図示の排気管及び真空ポンプを用いて真空排気した後、係る排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、X線発生管102の内部空間13には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。
【0022】
X線発生管102は、陰極電位に規定される電子放出源3と、陽極電位に規定されるターゲット層22との間の電気的絶縁を図る目的において、胴部に絶縁管110を備えている。絶縁管110は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成される。絶縁管110は、管軸方向の一端が管状陽極部材42に、他端が陰極部材41に接続されている。よって、図5のように、電子放出部2とターゲット層22との間隔を規定する機能を有する形態とすることができる。
【0023】
外囲器111は、真空度を維持するための気密性と耐大気圧性を有する堅牢性とを備える部材から構成されることが好ましい。外囲器111は、絶縁管110と、電子放出源3を備えた陰極51と、ターゲット9を備えた陽極52とから構成された真空容器である。陰極51及び陽極52は、絶縁管110の対向する両端にそれぞれ接続されることにより、外囲器111の部分を構成している。同様にして、支持基板21は、ターゲット層22で発生したX線をX線発生管102の外に取り出す透過窓の役割を担うとともに、外囲器111の部分を構成しているとも言える。
【0024】
尚、電子放出源3は、電子放出部2がターゲット9のターゲット層22に対向するように設けられている。電子放出源3としては、例えばタングステンフィラメント、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源3は、電子線束5のビーム径及び電子電流密度、オン・オフタイミング等の制御を目的として、不図示のグリッド電極、静電レンズ電極を備えることが可能である。
【0025】
また、陰極51は、導電性の陰極部材41と電子放出源3とを備えている。陰極部材41は、外囲器111の構成部材であるために、絶縁管110と線膨張係数が近い金属材料が選択される。
【0026】
<陽極>
図1に本発明の陽極の一実施形態の構成を模式的に示す。図1(a)は本例の陽極52をX線放出管において陰極51側から見た図であり、(b)は(a)中のA-A’断面図である。また、図2乃至図4は後述する他の実施形態の構成を模式的に示す図であり、図1と同様に、各図において(a)は各例の陽極52をX線放出管において陰極51側から見た図であり、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【0027】
上記したように、本発明の陽極52は、管状陽極部材42とターゲット9とを備えている。ターゲット9は、ターゲット金属を含有するターゲット層22とターゲット層22を支持面にて支持する支持基板21とを少なくとも備えている。ここで、支持基板21の支持面は、X線発生管102において、電子放出部2に対向する側の面である。ターゲット9は、ターゲット層22において電子照射を受け、ターゲット層22が形成された支持基板21の支持面とは反対側の面からX線が放出される。従って、管状陽極部材42の管内のうち、ターゲット層22を臨む一方は電子線束5の通路となっており、他方はX線束11の取出し路となっている。
【0028】
支持基板21の外形は、図1(a)、(b)に示すように、ターゲット層22が形成された支持面とそれとは反対側の面とを有した平板形態とし、例えば、直方体状、ディスク状、円錐台形状が採用される。本例ではディスク状の構成を示した。
【0029】
ディスク状の支持基板21の一方の面は、2mm以上10mm以下の直径を有することにより、必要な電子線焦点が形成可能なターゲット層22を設けることが可能となる。支持基板21の厚さは、0.3mm以上3mm以下とすることにより、基板面方向の熱伝達特性とX線の透過性とを得ることが可能となる。直方体状のダイヤモンド基材とする場合は、前述の直径の範囲を、直方体が有する面の短辺と長辺のそれぞれの長さに置き換えれば良い。
【0030】
ターゲット層22は、高い原子番号、高融点、高比重の金属元素を、ターゲット金属として含有する。ターゲット金属は、原子番号42以上の金属元素から選択されるが、支持基板21との親和性の観点からは、炭化物の標準生成自由エネルギーが負を呈するタンタル、モリブデン、タングステンの群から選択することがより好ましい。また、ターゲット金属は、ターゲット層22に、単一組成又は合金組成の純金属として含有されていても良いし、当該金属の炭化物、窒化物、酸窒化物等の金属化合物として含有されていても良い。
【0031】
尚、ターゲット層22の層厚は、1μm以上12μm以下の範囲から選択される。ターゲット層22の層厚の下限と上限は、それぞれ、X線出力強度の確保、界面応力の低減の観点から定められ、2μm以上8μm以下の範囲とすることが、より好ましい。
【0032】
ターゲット9は、図1(a)に示すように、支持基板21の側面21aを管状陽極部材42の内周に接合材48を介して接合することにより、管状陽極部材42に気密接合され、外囲器111の一部をなす。接合材48としては、金、銀、銅、錫等を含有する合金からなるろう材が用いられ、被接合部材に応じて合金組成を適宜選択することにより、異種材料間の接着性を担保することができる。
【0033】
支持基板21の材料として、ダイヤモンド、セラミックス等の非金属を用いる場合には、より強固に高気密なろう付けが行えるように、支持基板21の側面21aにメタライズ処理を行い、金属と中間層を持つメタライズ層を形成するのが好ましい。メタライズ層を構成する材料としては、Tiを含む金属やMo-Mn等が好適に用いられる。尚、メタライズ層は本発明のX線発生管102を構成する部材として必須のものではない。支持基板21と管状陽極部材42との接合は、接合材48を両者の隙間、或いは特別に接合材48を配置する箇所を設けて充填する。支持基板21と管状陽極部材42の内周との隙間は数μm乃至30μm程度となるべく狭くなるよう精密に加工を行い、充填する接合材48の量も流動後にターゲット層22上に流れ込まずに、且つ不足して気密を保てないことが無いように精密に調整する。その後、用いた接合材48に適した温度で接合する。ろう材BAg-8(JIS規格)を用いる場合には、780℃乃至900℃でろう付けが可能であり、部材の酸化を防ぐために真空中、不活性ガス又は還元ガス雰囲気中でろう付けを行うのが好ましい。
【0034】
良好な真空気密性を確保するためには、狭い空間まで接合材48を浸透させる必要がある。このため、接合材48としては、流動性が高いもの、特に金属表面で流動性が高いものを用いることが好ましい。このようにして支持基板21の側面21aと管状陽極部材42の管内周とを気密性を持たせて接合する。
【0035】
上記したように、ターゲット9と管状陽極部材42との接合に際して、接合材48の量は過不足がないように精密に調整される。さらに、本発明では、ターゲット層22の周縁より外側に支持基板21が延在するように、支持基板21の支持面よりも小さくターゲット層22が形成される。これにより、ターゲット層22の周囲には、ターゲット層22が形成される支持基板21の支持面が露出する。接合材48は、ターゲット層22に比べて支持基板21との親和性が低く、接合時の加熱によって溶融した場合であっても、支持基板21上には流れにくい。従って、接合時にターゲット層22に到達するまで流れ込みにくい。
【0036】
しかしながら、接合材48の量が多かった場合には、加熱によって流動した接合材48が、図1に示すように、ターゲット層22を形成した支持基板21の支持面上にあふれて延出部48aを形成してしまう場合がある。X線放出動作では電子線束5がターゲット層22の中心に衝突した際、X線の放射と共にそのエネルギーの90%以上が熱に変換される。そのために、管状陽極部材42の管径方向において、ターゲット層22の外周から中心に向かって同心円状に支持基板21の温度が高くなる温度勾配が形成される。その結果、支持基板21上に形成された延出部48aは、支持基板21と管状陽極部材42間に挟まれた部位よりも高温になり、粘度が低下してターゲット層22に流れ込み易くなる。
【0037】
本発明では、係る接合材48の延出部48aの端部48bを導電層47で被覆して延出部48aから接合材48がターゲット層22上にまで流れ込むのを低減する。同時に、導電層47をターゲット層22にも接続して、導電層47を、接合材48とターゲット層22との電気的接続を図る接続電極として用いる。
【0038】
導電層47は、接合材48よりも高融点であり、接合材48の延出部48aの、支持基板21の支持面内の端部48bを少なくとも被覆しており、好ましくは、図1に示すように、延出部48a全体を被覆している。また、接合材48は、支持基板21、ターゲット層22、管状陽極部材42よりも低融点である。よって、係る構成において、延出部48aを含めて接合材48が高温になって熱膨張する際には、延出部48aが支持基板21の外周に向かって押し戻されるように膨張するため、接合材48を覆っている導電層47上に接合材48が乗り上げにくい。そのため、X線放出動作時に支持基板21が高温になり、延出部48aが低粘度化した場合であっても、ターゲット層22に近づく方向に延出部48aが広がりにくい。よって、X線放出動作時に接合材48がターゲット層22上に至って放出されるX線の線質を低下させる恐れが少ない。
【0039】
導電層47の材料としては、接合材48の流動温度よりも高い温度に流動点を持つことに意味があるので、例えばアレムコ社製のパイロダクト597A(融点927℃)等の導電性を有する無機接着材料等が使用可能である。また、タングステン、白金などのヘキサカルボニル化合物ガスを電子ビーム或いはイオンビームで分解、堆積を行うことによって成膜する、部分CVDで形成しても良い。タングステン(融点3422℃)や白金(融点1768℃)のCVD膜であれば膜質にもよるが金属の融点近くの温度まで流動することが無い導電層47を形成することができる。導電層47の膜厚としては接合材48が流動した際に破壊されないように数μm乃至10μm程度あればよい。
【0040】
尚、図1の例では、導電層47はターゲット層22の端部を覆っているが、ターゲット層22を導電層47の後から成膜して、両者の接続をとっても良い。
【0041】
また、図1の例では、延出部48aが支持基板21の外周の一部にのみ存在していたが、図2に示すように、外周に沿って環状に存在する際には、図2に示すように、延出部48aの端部48bを全て覆うように導電層47を環状に形成すればよい。さらに、図3に示すように、導電層47で接合材48全体を覆ってもかまわない。
【0042】
また、導電層47としては、ターゲット層22の形成材料を用いることも可能である。図4は図1と同様に、支持基板21の外周の一部に延出部48aが存在する場合に、ターゲット層22を延出部48aにまで広げて後から成膜することにより、延出部48aの端部48bを覆うと同時にターゲット層22と接合材48とを電気的に接続した例である。このようなターゲット層22は先述した部分CVD法で形成することができる。
【0043】
<X線発生装置>
図6には、X線束11をX線透過窓121の前方に向けて取り出すX線発生装置101の実施形態が示されている。X線発生装置101は、X線透過窓121を有する収納容器120の内部に、上記した本発明のX線発生管102、及び、X線発生管102を駆動するための駆動回路103を有している。図中、16は接地電極である。駆動回路103は、陰極51と陽極52間に管電圧Vaを印加する管電圧回路を少なくとも備えるが、電子銃(電子放出源3)の電子放出量、ビーム径を制御するブランキング回路、静電レンズ回路等を備えた形態とすることも可能である。
【0044】
駆動回路103により、陰極51及び陽極52の間に管電圧Vaが印加されると、ターゲット層22と電子放出部2との間に加速電界が形成される。ターゲット層22の層厚と金属種とに対応して、管電圧Vaを適宜設定することにより、撮影に必要な線種を選択することができる。
【0045】
X線発生管102及び駆動回路103を収納する収納容器120は、容器としての十分な強度を有し、且つ放熱性に優れたものが望ましく、その構成材料として、例えば真鍮、鉄、ステンレス等の金属材料が用いられる。
【0046】
X線発生管102と駆動回路103以外の収納容器120内の余空間には、絶縁性液体109が充填されている。絶縁性液体109は、電気絶縁性を有する液体で、収納容器120の内部の電気的絶縁性を維持する役割と、X線発生管102の冷却媒体としての役割とを有する。絶縁性液体109としては、鉱油、シリコーン油、パーフロオロ系オイル等の電気絶縁油を用いるのが好ましい。
【0047】
<X線撮影システム>
次に、図7を用いて、本発明のX線発生装置101を備えたX線撮影システムの構成例について説明する。
【0048】
システム制御装置202は、X線発生装置101とX線検出器206とを連携制御する。駆動回路103は、システム制御装置202による制御の下に、X線発生管102に各種の制御信号を出力する。本実施形態においては、駆動回路103は収納容器120の内部にX線発生管102とともに収納されているが、収納容器120の外部に配置しても良い。駆動回路103が出力する制御信号により、X線発生装置101から放出されるX線束11の放出状態が制御される。
【0049】
X線発生装置101から放出されたX線束11は、可動絞りを備えた不図示のコリメータユニットによりその照射範囲を調整されてX線発生装置101の外部に放出され、被検体204を透過してX線検出装置206で検出される。X線検出装置206は、検出したX線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。
【0050】
信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。
【0051】
システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。
【0052】
表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。
【0053】
本発明のX線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
【実施例】
【0054】
[実施例1]
本実施例では、図2に示した陽極52を用いたX線発生管を作製し、更にこのX線発生管を用いて図5に示すX線発生装置101を作製した。
【0055】
支持基板21として直径5mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、支持基板21の側面21aをTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層を形成した。次に、支持基板21の支持面の中央3mmの範囲に対して、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、スパッタターゲットとしてタングステンの焼結体を用いて、タングステンを6μmの層厚で堆積させターゲット層22とした。その後、タングステン製の管状陽極部材42の内周に入れ、東洋理研株式会社製のろう材BA-108を用い真空雰囲気中で840℃の温度でろう付けを行い、気密封止した。流れ出たろう材48は支持基板21の周状に端部48bを形成した状態ではみ出して延出部48aを形成した。次にマイクロディスペンサーを用いてパイロダクト597-Aを、延出部48aの端部48bとターゲット層22の端部とをそれぞれ被覆するように塗布して環状の導電層47を形成し、本例の陽極52とした。
【0056】
さらに、本実施例の陽極52を用いて、図5に示すX線発生管102を作製し、静耐圧を試験したところ、連続10分間、管電圧150kVを無放電で維持することができた。静耐圧試験は、本実施例においては、X線発生管102の電子放出源3から電子線束5を発生させずに、陽極52と陰極51間に管電圧を印加し、放電耐圧を評価するものである。
【0057】
次に、陰極51と陽極52に対して管電圧を出力する管電圧出力部を有する駆動回路103をX線発生管102に接続し、さらに、収納容器120の内部に収納して、図6に示すX線発生装置101を作製した。
【0058】
次に、X線発生装置101の耐放電性能と陽極電流の安定性を評価するために、図8に示す評価系を準備した。評価系は、X線発生装置101のX線透過窓121の1m前方の位置に線量計26が配置されている。線量計26は、測定制御装置203を介して駆動回路103に接続されることにより、X線発生装置101の放射出力強度を測定可能となっている。
【0059】
本実施例のX線発生装置101に対する駆動条件は、X線発生管102の管電圧を+110kVとし、ターゲット層22に照射される電子線束5の電流密度を20mA/mm^(2)、電子照射期間を3秒と非照射期間を57秒とを交互に繰り返すパルス駆動とした。ターゲット層22から接地電極16に流れる管電流を陽極電流として電流計測装置76で計測する。
【0060】
作製したX線発生装置について、安定性を評価したところパルスを5000回印加してもX線の出力変動は2%以内に収まっており安定した駆動を行うことができた。尚、駆動評価終了後に陽極52を分解して支持基板21上のろう材48を観察したところ、ろう材48のターゲット層22への流れ込みは無く、導電層47が延出部48aを覆った被覆部は形状が保たれていた。
【0061】
[比較例1]
本例では、支持基板21上にターゲット層22を形成し、次いでターゲット層22に電気的に接続された導電層47を形成した後に、支持基板21と管状陽極部材42とをろう材48で接合し、導電層47とろう材48とを電気的に接合した。本例の陽極52は、図9に示すように、導電層47上にろう材48が延出していた。尚、図9において(a)は本例の陽極をX線放出管において陰極側から見た図であり、(b)は(a)中のA-A’断面図である。
【0062】
本例の陽極52を用いて実施例1と同様にX線発生管、さらにはX線発生装置を作製し、駆動評価を行った。すると、パルスを30回程印加した時点でX線の出力が10%以上落ち、500回を越したところで放電が発生して駆動できなくなった。評価後、X線発生管を分解して陽極を観察したところ、ろう材48がターゲット層22上の一部まで流れ出した上、真空気密を保持していた管状陽極部材42と支持基板21との隙間のろう材48も一部流出して真空リークを起こしていたことが判った。
【0063】
本例において、X線の出力低下、さらには真空リークを発生した過程は次のように考えられる。X線放出動作時に、電子線の照射によるターゲット層22及び支持基板21の温度上昇に伴い、ろう材48が高温になって低粘度化する。そしてこの時、延出部48aは端部48bがターゲット層22に近づく方向に熱膨張する。導電層47はろう材48との親和性が高いため、低粘度化し、熱膨張した延出部48aは導電層47上をターゲット層22に向かって流動する。ターゲット層22に近づいた延出部48aはより高温になり、より低粘度化する。このようにして、X線放出動作を繰り返しているうちに、低粘度化したろう材48が導電層47を超えてターゲット層22に至り、本来のX線の放出が妨げられてX線の出力が低下したものと考えられる。さらに、ろう材48が導電層47上に流れ出すことによって、管状陽極部材42と支持基板21との間隙に充填されていたろう材48が支持基板21上に流れ出し、真空リークを発生したものと考えられる。
【0064】
[実施例2]
本実施例においては、実施例1のX線発生装置を用いて、図7に記載のX線撮影システムを作製した。
【0065】
本実施例のX線撮影システムにおいては、放電が抑制され、陽極電流の変動が低減されたX線発生装置101を備えることにより、撮影毎の撮影品質にバラツキが無く、SN比が高いX線撮影画像を取得することができた。
【符号の説明】
【0066】
2:電子放出部、3:電子放出源、9:ターゲット、5:電子線束、11:X線束、21:支持基板、21a:側面、22:ターゲット層、42:管状陽極部材、47:導電層、48:接合材(ろう材)、48a:延出部、48b:延出部の端部、51:陽極、52:陰極、101:X線発生装置、102:X線発生管、103:駆動回路、110:絶縁管、202:システム制御装置、204:被検体、206:X線検出装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するターゲット層と、
前記ターゲット層の周縁より外側に延在し前記ターゲット層を支持する支持面と前記支持面に連なる環状の側面とを有する支持基板と、
前記側面から前記支持面に延出する延出部を有する接合材と、
前記支持基板の側面に前記接合材を介して接合される管状陽極部材と、
前記接合材より高い融点を有し、前記ターゲット層と前記接合材とを電気的に接続する導電層と、を有し、
前記導電層は、前記ターゲット層、前記支持面、及び、前記延出部、のそれぞれの少なくとも一部を被覆する部分を、この順に有することにより、前記延出部の前記ターゲット層の側の端部を被覆していることを特徴とする陽極。
【請求項2】
前記導電層は、前記部分において、前記支持面と接していることを特徴とする請求項1に記載の陽極。
【請求項3】
前記延出部が前記導電層と前記支持面とに挟まれるように、前記導電層が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の陽極。
【請求項4】
前記導電層は、前記ターゲット層と前記接合材とを電気的に接続する接続電極であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項5】
前記導電層は、前記ターゲット層の周縁に電気的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の陽極。
【請求項6】
前記導電層が、前記ターゲット層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項7】
前記延出部の前記端部は、前記支持基板の外周に沿った環状であり、前記導電層は、前記端部に沿って環状に前記延出部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項8】
前記接合材は、前記支持基板、前記ターゲット層、前記管状陽極部材のいずれよりも低い融点を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項9】
前記接合材がろう材であることを特徴とする請求項8に記載の陽極。
【請求項10】
前記支持基板はダイヤモンドであることを特徴とする請求項8に記載の陽極。
【請求項11】
前記支持基板は、前記管状陽極部材の管内に接合されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項12】
前記側面は、前記支持面の周縁に沿って環状に連なる面であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項13】
前記支持基板は、前記ターゲット層で発生したX線を透過し前記支持面と対向する面から放出する支持基板であって、
前記ターゲット層と前記支持基板は透過型ターゲットを構成することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の陽極。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の陽極と、
前記ターゲット層に向けて電子を放出する電子放出源を備える陰極と、
前記陽極と前記陰極とを絶縁し、前記陽極と前記陰極とともに真空容器を形成する絶縁管とを備えることを特徴とするX線発生管。
【請求項15】
請求項14に記載のX線発生管と、
前記X線発生管の陰極と陽極とに管電圧を印加する管電圧回路と、を備えたことを特徴とするX線発生装置。
【請求項16】
請求項15に記載のX線発生装置と、
前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、
前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御するシステム制御装置と、を備えたことを特徴とするX線撮影システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-03-25 
結審通知日 2019-03-27 
審決日 2019-04-10 
出願番号 特願2014-229593(P2014-229593)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H01J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中尾 太郎右▲高▼ 孝幸  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 山村 浩
近藤 幸浩
登録日 2018-11-09 
登録番号 特許第6429602号(P6429602)
発明の名称 陽極及びこれを用いたX線発生管、X線発生装置、X線撮影システム  
代理人 渡辺 敬介  
代理人 山口 芳広  
代理人 渡辺 敬介  
代理人 山口 芳広  

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