• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1352042
審判番号 不服2017-16808  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-13 
確定日 2019-06-18 
事件の表示 特願2014-560476「照明モジュール及び照明モジュールを製造する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月12日国際公開、WO2013/132389、平成27年 4月13日国内公表、特表2015-511066、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)2月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年(平成24年)3月6日、米国)を国際出願日とする出願であって、その経緯は次のとおりである。

平成28年11月30日付け:拒絶理由の通知(同年12月6日発送)
平成29年 3月 6日 :意見書の提出
同年 7月31日付け:拒絶査定(同年8月7日送達)
同年11月13日 :審判請求書・手続補正書の提出
平成30年 8月15日 :当審拒絶理由の通知
(同年8月21日発送)
平成31年 2月13日 :意見書・手続補正書の提出


第2 原査定の概要
原査定(平成29年7月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-15に係る発明は、以下の引用文献A-Nに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.国際公開第2004/109814号
B.特開2007-189116号公報
C.特開2006-257295号公報
D.特開平3-151674号公報
E.特開2009-161742号公報
F.特表2009-535799号公報
G.特開2010-93285号公報
H.特開2005-159296号公報
I.特開平6-326144号公報
J.特表2011-522414号公報
K.特開2011-129379号公報
L.特開2011-61157号公報
M.特開2006-100633号公報
N.特開2003-288806号公報


第3 当審拒絶理由の概要
1 本願請求項1、2、5、6、10-13に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2 本願請求項4、7、14に係る発明は、引用文献1-4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3 本件出願は、発明の詳細な説明には、光源アセンブリが熱的な損傷を受けないように、どのように光源アセンブリをセラミック材料に埋め込んでいるのかが記載されておらず、当業者にとって自明でもないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

引用文献等一覧
1.特開2010-272847号公報(当審で新たに引用した文献)
2.特表2009-535799号公報(拒絶査定時の引用文献F)
3.特開2011-61192号公報(当審で新たに引用した文献)
4.特開2003-288806号公報(拒絶査定時の引用文献N)


第4 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、ぞれぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は平成31年2月13日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-12は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
流体状態のヒートシンク材料を提供するステップと、
各光源が発光面を有し、導電性の担体に電気的に接続されている複数の光源を含む光源アセンブリを提供するステップと、
前記導電性の担体と前記複数の光源の各光源の一部とが前記ヒートシンク材料によって覆われる一方で、前記複数の光源の各光源の前記発光面が前記ヒートシンク材料によって覆われないように、前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に埋め込むステップと、
前記ヒートシンク材料を凝固させるステップと、
を含み、
前記ヒートシンク材料は、少なくとも1つのセラミック材料を含む、
照明モジュールを製造する方法。
【請求項2】
前記ヒートシンク材料は、不透明である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセラミック材料は、粘土、コンクリート及び磁器からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電性の担体は、ワイヤグリッドを含む、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の光源のうちの少なくとも1つに、蛍光体層を付与するステップを更に含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の光源のうちの少なくとも1つに、光学構造体を付与するステップを更に含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の光源のうちの少なくとも1つに、保護層を付与するステップを更に含む、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記埋め込むステップは、
基部と、前記基部から突出する少なくとも1つの突出部とを含む加圧手段によって前記光源アセンブリを前記流体状態の前記ヒートシンク材料の中に押し込むステップを含み、前記少なくとも1つの突出部は、前記ヒートシンク材料が前記発光面を覆わないように、少なくとも1つの光源の前記発光面において前記少なくとも1つの光源を前記ヒートシンク材料の中に押し込む、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒートシンク材料は、前記少なくとも1つの光源の周りにキャビティを形成するように前記光源アセンブリが前記ヒートシンク材料の中に押し込まれると前記加圧手段によって成形される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記凝固させるステップは、
前記ヒートシンク材料を重合させるステップを含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記凝固させるステップは、
前記ヒートシンク材料を加熱するステップを含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記凝固させるステップは、
前記ヒートシンク材料を加圧するステップを含む、請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法。」


第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
引用文献1には、次の記載がある。
(1)「【0045】
(光反射性樹脂103)
本発明において、光反射性樹脂103は、図1に示すように、透光性部材102の傾斜面107および露出面106bを覆う。少なくとも、発光素子101の光取出面は光反射性樹脂103から露出させることにより、透光性部材102に光を入光することが可能なように形成される。光反射性樹脂103は、発光素子101からの光を反射可能な部材からなり、透光性部材102と光反射性樹脂103との界面で、発光素子101からの光を透光性部材102内に反射させる。このように、透光性部材102内を光が伝播し、最終的に透光性部材102の上面108から、外部へと出射される。
【0046】
ここで、光反射性樹脂103の上面は、透光性部材102の上面108の高さよりも低いことが好ましい。光出射面となる透光性部材102の上面108から出射された光は、横方向にも広がりを持つ。光反射性樹脂103の上面が、透光性部材102の上面の高さよりも高い場合には、透光性部材102の上面から出射された光が光反射性樹脂103に当たって反射され、配光のばらつきが生じる。よって、透光性部材の側面は光反射性樹脂103で覆いつつ、側面の外周を覆う光反射性樹脂103の高さを低くすることで、出射された光を外部に直接取り出すことができるため、好ましい。
【0047】
また、光反射性部材103は、透光性部材102および露出面106bのみならず、発光素子101の側面をも被覆していると、好ましい。発光素子101から側面方向への出射光は、光反射性樹脂103によって発光素子内に反射され、透光性部102の下面へと光を入射させる。
【0048】
光反射性樹脂103の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂に反射性物質を含有させることで形成することができる。反射性物質の材料としては、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどを用いることができる。その含有濃度、密度により光の反射量、透過量が異なるため、発光装置の形状、大きさに応じて、適宜濃度、密度を調整するとよい。例えば、比較的小さい発光装置の場合には、第1の光反射部材の肉厚を小さくする必要があり、その薄肉部で光の漏れを抑制するために、反射性物質の濃度を高くすることが好ましい。一方で、光反射性樹脂103の塗布、成形などの製造工程において、反射性物質の濃度が高くなると製造上の困難性がある場合には、その濃度を適宜調整する。例えば、反射性物質の含有濃度を30wt%以上、その肉厚を20μm以上とするのが好ましい。
【0049】
また、反射性に加え、放熱性を併せ持つ材料とすると反射性能を持たせつつ、放熱性を向上させることができる。このような材料として、熱伝導率の高い窒化アルミニウムや窒化ホウ素が挙げられる。また、反射性物質とは別に、放熱性を高める目的で放熱性物質を添加してもよい。これらの放熱材料の、樹脂に対する含有濃度は、例えば5wt%以上であり、これにより、光反射性樹脂103の熱伝導率を、3W/m・K以上とすることが好ましい。さらに、光反射性部材は、後述の基板104の主材料と同一材料を有していることが好ましく、これにより熱応力に対して強い発光装置が得られる。
【0050】
光反射性樹脂103の成形方法も、特に限定されず、例えば、射出成形、ポッティング成形、樹脂印刷法、トランスファーモールド法、圧縮成形などで成形することができる。
【0051】
また、本発明の発光装置において、ツェナーダイオード等の保護素子を搭載してもよい。これらの保護素子を、光反射性樹脂103に埋設することにより、発光素子からの光が保護素子に吸収されたり、保護素子に遮光されたりすることによる光取り出しの低下を防止することができる。
【0052】
(基板104)
発光素子101は基板104に載置される。基板104の材料としては、ガラスエポキシ、樹脂、セラミックスなどの絶縁性部材が挙げられる。また、絶縁部材を形成した金属であってもよいし、金属部材に絶縁部材を形成しているものであってもよい。特に、その表面に発光素子101との接続をとるための導体配線(図示しない)を形成することができるものが好ましく、そのような材料として、耐熱性および耐候性の高いセラミックスからなることが好ましい。セラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどが好ましい。なお、セラミックスからなる支持基板であっても、セラミックス以外の絶縁性材料からなる絶縁層をその一部に有していてもよい。このような材料としては、例えば、BTレジン、ガラスエポキシ、エポキシ系樹脂等が挙げられる。発光素子101からの熱を適切に放熱するために、熱伝導率が150W/m・K以上であることが好ましい。
【0053】
また、基板104がキャビティを有する構造としてもよい。これにより、前述の光反射性樹脂103を滴下して硬化するなどして、容易に形成することができる。このようなキャビティを形成する構造として、例えば、基板の貼り合わせ構造、樹脂材料の射出成形、立体回路基板(Molded Interconnect Device;MID)などが挙げられる。
【0054】
また、実施の形態1では、基板104上において1個の発光素子101が実装されているが、発光素子101の搭載個数はこれに限定されるものではなく、所望とする発光装置の大きさや必要とされる輝度に応じて適宜変更することができる。発光素子101を複数個搭載する場合には、発光素子のそれぞれに対して透光性部材102を接合してもよいし、複数の発光素子に対して1つの透光性部材102を接合させてもよい。」
(2)「【0065】
<実施例1>
実施例1として、図1に示す発光装置を製造する。
【0066】
(第一の工程)
まず、発光素子101を基板104に載置する。本実施例では、基板104として窒化アルミニウムを用いる。熱電導率が170W/m・K程度の窒化アルミニウム板材の表面に、発光素子101との電気的接続をとるための配線をタングステンをパターン印刷後、焼成して形成し、その上にニッケル、パラジウム、金メッキを順に施して形成している。この窒化アルミニウム集合基板の配線に、金からなるバンプ108を用いて、サファイア基板上に半導体層が積層されて形成された1mm×1mmの発光素子101を、サファイア基板側が光出射面となるようにしてフリップチップ実装する。なお、図1は個々の発光装置を示すが、製造時においては集合基板に対して以下の第二?三の工程を行い、最後に個片化することにより、個々の発光装置を作成する。
【0067】
(第二の工程)
次に、発光素子101の上面に、側面に傾斜面107を有する透光性部材102を接合する。透光性部材102の外周側面には、上面から下面に向かって広がる傾斜面107を有している。透光性部材102の上面及び下面は、略平坦に形成されており、透光性部材102の上面108と傾斜面107とのなす角度θ1が、45°で形成されている。本実施例においては、接着材としてシリコーン樹脂を用い、熱硬化させることで透光性部材102と、発光素子101のサファイア基板とを接合面106aにて接着させる。本実施例における透光性部材102は、YAGとアルミナを混合して焼結することで形成された蛍光体板である。透光性部材102が無機材料から形成されるため、劣化が少なく、信頼性の高い発光装置とすることができる。透光性部材102の下面の面積は、発光素子の上面の面積よりも大きく形成されており、透光性部材102は、接合面106aから露出された露出面106bを有するようにして接合される。
【0068】
(第三の工程)
次に、トランスファーモールド成形により、露出面106b及び透光性部材の傾斜面107とを、光反射性樹脂103により、一体的に被覆する。本実施例において、光反射性樹脂103は、シリコーン樹脂に酸化チタンが30wt%含有されてなる。また、酸化チタンを含有させた本実施例の光反射性樹脂103の熱伝導率は1W/m・K程度である。透光性部材102の熱を光反射性樹脂103を介して、効果的に放熱することが可能である。さらに、発光素子101の側面109も光反射性樹脂103によって露出面106b及び透光性部材の傾斜面107と一体的に被覆されている。
【0069】
(第四の工程)
最後に、前記第一の工程乃至第三の工程にて加工された集合基板をダイシングにより個々に切断し、実施例1に係る発光装置100を得る。
【0070】
このようにして、製造された発光装置100は、透光性部材102が光反射性樹脂103により係止され、透光性部材102が脱落することがなく、さらに、透光性部材102の熱を、光反射性樹脂103を介して、効果的に放熱することができるため、発光装置の熱抵抗を低減させることができる。また、透光性部材102の上面108の面積、すなわち透光性部材102の光出射面を小さくする一方、透光性部材102と光反射性樹脂103との接触面積を大きくとることができることから、高輝度かつ放熱性に優れた発光装置とすることができる。また、蛍光体を含有していても、色ムラの少ない発光装置とすることができる。」

したがって、前記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「表面に配線が印刷された窒化アルミニウムの基板に複数の発光素子をフリップチップ実装した後、複数の発光素子の上面に、側面に傾斜面を有する蛍光体板である透光性部材を接合し、その次に、トランスファーモールド成形により、複数の発光素子の側面と透光性部材の露出面及び傾斜面とを、シリコーン樹脂に酸化チタンが含有されてなる光反射性樹脂により一体的に被覆し、透光性部材の熱を光反射性樹脂を介して効果的に放熱することができるようにした、発光装置の製造方法。」

2 引用文献2について
引用文献2には、次の記載がある。
「【0032】
図8a及び8bは、本発明のLEDアレイグリッド100及び上述のサンドイッチ構造の目的に関して特に適したLEDコンポーネント構造又はLEDパッケージを例証する概略図である。LEDパッケージを作製する方法は、
-基板用のリードフレーム材料204を準備するステップと、
-使用時において装着されるワイヤ210に関して「バネ錠(snap-lock)」位置を得るために、前記基板を折り曲げる(fold)ステップと、
-ワイヤボンディング又はフリップチップにより、LED202を配置・相互接続するステップと、
-前記LEDを無色の化合物224を用いて、オーバーモールディングするステップと、
-担体基板をバックエッチングするステップと、
-コンポーネント306に切り出すステップと、
を有する。」

引用文献2には、LEDコンポーネントをワイヤに電気的に接続するという技術的事項が記載されていると認められる。

3 引用文献3について
引用文献3には、次の記載がある。
「【0064】
<保護層>
また、本実施の形態においては、図2に示すように、SiO_(2)のようなシリコン系酸化物またはSi_(3)N_(4)のような窒化物からなる保護層180を、p型半導体層160の上面160c、n型半導体層140の半導体層露出面140cの上面(エッチングされた側壁も含む)、第1の電極200および第2の電極300の表面の一部(第1の開口部200aおよび第2の開口部300a)を除く表面を覆うように形成されていてもよい。
これにより、第1の電極200および第2の電極300の表面の一部(第1の開口部200aおよび第2の開口部300a)を除き、半導体発光素子10をシールドして、外部の空気や水分が半導体発光素子10に浸入する可能性を大幅に低減し、半導体発光素子10の第1の電極200および第2の電極300の剥がれの抑制にも寄与することができる。
保護層180の厚みは、50?1000nmとすることが好ましく、100?500nmとすることがより好ましく、150?450nmとすることが更に好ましい。
保護層180の厚みは、50?1000nmとすることにより、外部の空気や水分が半導体発光素子10の発光層150まで浸入する可能性を大幅に低減して、半導体発光素子10の第1の電極200および第2の電極300の剥がれを抑制することができる。
【0065】
そして、保護層180の形成方法は、例えば、先ずp型半導体層160の上面160c、n型半導体層140の半導体層露出面140cの上面(エッチングされた側壁も含む)、第1の電極200、第2の電極300の表面にSiO_(2)からなる保護層180を形成した後、保護層180上に図示しないレジストを塗布する。
そして、第1の電極200および第2の電極300の表面の一部(第1の開口部200aおよび第2の開口部300a)のレジストを除去し、公知のエッチング手法によって保護層180および第2の接合層230eを除去することで、それぞれの電極の第2の金属層230dの表面に第1の開口部200aおよび第2の開口部300aを形成する。」

引用文献3には、半導体発光素子の半導体層上に保護層を形成して、外部の空気や水分が発光層に浸入するのを防止するという技術的事項が記載されていると認められる。

4 引用文献4について
引用文献4には、次の記載がある。
「【0031】3はLED素子が実装された発光体であり、ヒートパイプ2の先端部に固定され、天蓋1の放物面の焦点部分に配置されている。このため、発光体3から発生した光束9は反射面5によって効率よく反射されて外部に照射される。天蓋1の上部には、発光体3の駆動用回路ユニット6が設置されている。そして、照明装置の本体は、給電ケーブル7を介して、引掛け埋込みローゼット用ソケット8と接合されている。」

引用文献4には、発光体がLED素子とソケットを有するという技術的事項が記載されていると認められる。


第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「光反射性樹脂」は、「透光性部材の熱を光反射性樹脂を介して効果的に放熱することができる」ものであるから、本願発明1の「ヒートシンク材料」に相当する。
また、引用発明の「光反射性樹脂」は、「トランスファーモールド成形」されるものであるから、ある程度の粘性を有していることは明らかである。
そして、本願発明1の「流体状態」の意味について、本願明細書の【0011】には「用語『流体状態』は、光源アセンブリの形に適合することが可能なヒートシンク材料の状態を意味している。より具体的には、当然ながら、本コンテキストでは、ヒートシンク材料の『流体状態』は、比較的高い粘度を有する液体のヒートシンク材料を表し、ヒートシンク材料は非気体状態である。」と記載されている。これらのことから、引用発明の「光反射性樹脂」は本願発明1の「流体状態の(ヒートシンク材料)」に相当する。
イ 引用発明の「発光素子」は本願発明1の「光源」に相当する。
ウ 引用発明の「発光素子の上面」は本願発明1の「発光面」に相当する。
エ 引用発明の「配線」は本願発明1の「導電性の担体」に相当する。
オ 引用発明の「配線」および「複数の発光素子」は本願発明1の「光源アセンブリ」に相当する。
カ 引用文献1の【0053】には「基板104がキャビティを有する構造としてもよい。これにより、前述の光反射性樹脂103を滴下して硬化するなどして、容易に形成することができる。」と記載されていることからも明らかなように、引用発明の光反射性樹脂は「トランスファーモールド成形により、複数の発光素子の側面と透光性部材の露出面及び傾斜面とを」「一体的に被覆し」た後に凝固させることは明らかである。
キ 引用発明の「酸化チタン」は本願発明1の「セラミック材料」に相当する。
ク 本願発明1の「前記導電性の担体と前記複数の光源の各光源の一部とが前記ヒートシンク材料によって覆われる一方で、前記複数の光源の各光源の前記発光面が前記ヒートシンク材料によって覆われないように、前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に埋め込むステップ」と引用発明の「ランスファーモールド成形により、発光素子の側面と透光性部材の露出面及び傾斜面とを、シリコーン樹脂に酸化チタンが含有されてなる光反射性樹脂により一体的に被覆し」は、「前記導電性の担体と前記複数の光源の各光源の一部とが前記ヒートシンク材料によって覆われる一方で、前記複数の光源の各光源の前記発光面が前記ヒートシンク材料によって覆われないように、前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に配置するステップ」である点で一致する。

したがって、本願発明1と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。

(一致点)
「流体状態のヒートシンク材料を提供するステップと、
各光源が発光面を有し、導電性の担体に電気的に接続されている複数の光源を含む光源アセンブリを提供するステップと、
前記導電性の担体と前記複数の光源の各光源の一部とが前記ヒートシンク材料によって覆われる一方で、前記複数の光源の各光源の前記発光面が前記ヒートシンク材料によって覆われないように、前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に配置するステップと、
前記ヒートシンク材料を凝固させるステップと、
を含み、
前記ヒートシンク材料は、少なくとも1つのセラミック材料を含む、
照明モジュールを製造する方法。」

(相違点)
光源アセンブリをヒートシンク材料の中に配置する方法について、本願発明1は光源アセンブリをヒートシンク材料の中に「埋め込む」のに対して、引用発明は光源アセンブリをヒートシンク材料によって「被覆」する点。

(2)相違点についての判断
光源アセンブリをヒートシンク材料の中に埋め込むことは、前記引用文献1-4には記載されておらず、本願優先日前に周知技術であるともいえない。
よって、本願発明1は引用発明および引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-12について
本願発明2-12も本願発明1の「前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に埋め込むステップ」を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明および引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。


第7 当審拒絶理由の理由3(特許法第36条第4項第1号)についての判断
当審では、流体状体のセラミック材料は1000℃以上であるから、光源が熱的損傷を受けないように流体状体のセラミック材料に埋め込むことはできない旨の拒絶理由を通知したが、平成31年2月13日付けの意見書における「出来上がった固体状態のセラミックを液体状態にする場合は、審判官殿のご指摘通り、少なくとも1000℃以上でなければ、セラミックは液体状態にならないと思われる。しかしながら、請求項1においては、出来上がった固体状態のセラミックを液体状態にすることを記載しているわけではない。請求項1では、流体状態のヒートシンク材料を凝固させるだけである。したがって、流体状態のヒートシンク材料が少なくとも1000℃以上となるわけではない。」との主張を踏まえれば、流体状体のセラミック材料は1000℃以上ではなく、光源が熱的損傷を受けないように流体状体のセラミック材料に埋め込むことは可能であると解されるから、この拒絶の理由は解消した。


第8 原査定についての判断
1 引用文献、引用発明等
(1)引用文献Aについて
引用文献Aには、次の記載がある。
ア 「[0110]上述した実施形態1による光送信装置の変形例を、実施形態2として図14に基づいて説明する。図14はこの発明の実施形態2による光送信装置の概略的な構成を示す説明図である。
図14に示されるように、実施形態2による光送信装置21は、モールド樹脂9によりレンズ4を形成しておらず、モールド樹脂(封止樹脂体)9はリードフレーム5の発光素子3を搭載する裏面側のみを覆っている。発光素子3およびドライバIC19はモールド樹脂9により封止され外気から保護されている。発光素子3やドライバIC19はボンデイングワイヤー33により電気的に接続されている(実際には複数のボンディングワイヤー33があるが図面では省略している)。
[0111]レンズ4としては、ガラスやアクリル樹脂等を材料とするボールレンズを使用できる。レンズ4としてのボールレンズは、接着剤(透明樹脂)16によりリードフレーム5の貫通孔7に位置合わせされたうえで配置されている。
接着剤16は発光素子3の波長領域において透明な材料のものが使用され、貫通孔7は接着剤16によって埋められ発光素子3の発光面6は接着剤16によって覆われている。貫通孔7を接着剤16で埋めることにより、前述したように空気中の場合より屈折率を大きくすることができ、発光素子3から取り出される光量を増加させることができる。
[0112]接着剤16は弾性を有する材料であることが好ましい。リードフレーム5は銅等の金属で形成されており、一般に接着剤16とは線膨張係数が大きく異なる。このため、環境温度が変化した場合、接着剤16とリードフレーム5との界面や、発光素子3と接着剤16との界面に大きな熱応力が発生し、接着剤16が剥離しやすくなる。接着剤16として、例えば、シリコーンのように弾性を有する(いわゆるヤング率が低い)材料を使用することにより、熱応力が緩和され、接着剤16の剥離を防止することができる。接着剤16の弾性としては、硬度力SJIS-Aで50度以下であることが好ましい。あるいはヤング率が10MPa以下であることが好ましい。
[0113]更に、レンズ4は弾性を有する接着剤16により接着することが好ましい。レンズ4にも上述したのと同様に、環境温度の変化により熱応力が発生するが、接着剤16が弾性を有するため、熱応力を緩和することができ、レンズ4の剥離を生じにくくすることができる。
[0114]また、モールド樹脂9は透明である必要がないため、例えば、熱伝導性の高い材料や線膨張係数が発光素子3やボンディングワイヤー33の線膨張係数に近い材料、安価な材料を使用することができる。透明なモールド樹脂(エポキシ樹脂で一般に、 線膨張係数60?65ppm/K、熱伝導率約0.2W/m・K)は、発光素子3(GaAsで線膨張係数6ppm/K)やボンディングワイヤー(金で線膨張係数約14ppm/K)と比較して、線膨張係数が大きいため、発光素子3やボンディングワイヤー33に大きな熱応力が発生する。このため、モールド用の樹脂にシリカ等の線膨張係数が低いフィラーを添加した樹脂を使用することが好ましい。このような樹脂としては、光学特性を必要としないICのパッケージング等に一般に使用されている黒色の樹脂(線膨張係数15?20ppm/K、熱伝導率約0.7W/m・K)を使用することができる。このような樹脂は広く使用されており、安価で入手することができる。本発明により、発光素子3およびボンディングワイヤー33とモールド樹脂9との線膨張係数の差を大幅に低減できることから、発光素子3やボンディングワイヤー33に生じる熱応力を低減できる。同時にフィラーの添加により樹脂自体の熱伝導率も高くなることから、発光素子3やドライバIC19の放熱性も向上することができる。よって、光送信装置1のより一層の高機能化や高信頼性、低価格化が図られる。例えば、リードフレーム5とモールド樹脂9の線膨張係数の差に起因するワイヤーの断線等を防止することが可能となる。」

引用文献Aには、製造のプロセスが明確に記載されていないが、「モールド樹脂(封止樹脂体)9はリードフレーム5の発光素子3を搭載する裏面側のみを覆っている」ことから、リードフレーム5に発光素子3を搭載した後、モールド樹脂(封止樹脂体)9でリードフレーム5の発光素子3を搭載した裏面側のみを覆うというプロセスは、当業者にとって明らかである。

したがって、前記引用文献Aには次の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。
「リードフレームに発光素子を搭載した後、熱伝導性の高いモールド樹脂でリードフレームの発光素子を搭載した側のみを覆い、発光素子を封止する光送信装置の製造方法。」

(2)引用文献Bについて
引用文献Bには、次の記載がある。
ア 「【背景技術】
【0002】・・・
つまり、チップ型LED、または、光電変換素子基体である半製品を樹脂封止する成形方法として、トランスファモールド法を採用する一方、凸状のレンズ部分を有する透明性樹板であるレンズ板を樹脂封止する成形方法として、射出成型法を採用するものである。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年における基板の種類やボンディングの有無・方式の如何を問わず、コストダウンのために基板について大型化の要請が強くなることに加えて、基板の厚みが薄型化する傾向にある。また、光素子の取れ数を一枚の基板で大量に確保できるように、光素子自体の極薄化、光素子間隔の狭小化という傾向に起因して、従来の短冊状の基板に加えて、様々な大型化・薄型化した基板等のマップ型(マトリックス型)の基板に搭載された表面実装タイプの大量の光素子を透光性樹脂にて効率良く封止成形することが強く求められている。
【0004】
そこで、本発明者は、従来の技術による以下の問題点に着目した。
第一に、トランスファモールド法、ならびに、射出成型法では、樹脂封止成形用金型を、トランスファ用金型と射出成型用金型とを個別に所有する必要があること。そして、両金型で成形された半製品とレンズ板とを装着させる別の何らかの装着機構を備える組立装置を更に所有する必要があること。すなわち、製造現場における大規模な設置スペースの確保、あるいは、各装置における夫々に対して、オペレーションやメンテナンスすること等の作業量が増大する問題が発生する点である。
第二に、透光性樹脂を前記した両金型(キャビティ)へ注入充填するために、樹脂通路(カル・ランナ・ゲート・スプル等)を両金型に夫々形成するが、前記した樹脂通路を介して両キャビティに当該樹脂を夫々万遍無く行き渡らせることは非常に困難な点である。
第三に、前記したレンズ板における凸状のレンズ部分は、光素子が放射する光を透過する重要な部位である。このレンズ内部にボイド(気泡)が少しでも含んだ状態で透光性樹脂にて封止成形すると、光素子から放射された光が不均一となって輝度ムラを発生させる。これに加えて、レンズ板の品質劣化を招く点である。
【0005】
従って、本発明者は、基板の大型化や光素子の極薄化の近年の傾向のみにとらわれず、レンズ板自体の厚みも薄型化できないかを検証し、且つ、従来の技術の問題点をも効率良く克服させる、光素子の樹脂封止成形方法を提供することを目的とするものである。」

イ 「【0011】
本発明の実施例1について、図1を参照して説明する。図1(1)から図1(4)は、本実施例に係る光素子の樹脂封止成形方法を工程順に示す概略断面図であり、図1(5)および図1(6)は、光電子部品(製品)を完成させる工程順に示す概略断面図である。
【0012】
以下の説明では、光素子としてLEDチップを、光電子部品としてLEDパッケージを、夫々例に挙げて説明する。
なお、LEDチップに限らず、受けた光を電気的信号に変換する受光素子、例えば、フォトダイオード(PD)、固体撮像素子等のチップに対して本発明を適用することができ
る。そして、受けた電気的信号に応じて発光する発光素子、例えば、レーザダイオード(LD)等のチップに対して本発明を適用することができる。加えて、光通信に使用されるモジュールに対して本発明を適用することができる。すなわち、光素子に対して本発明を適用することができる。
【0013】
本実施例1に係る光素子の樹脂封止成形方法によれば、まず、図1(1)に示すように、基板1上に所要複数個の光素子(チップ2)を搭載し、ワイヤ3を使用して各チップ2に対応してワイヤボンディングを行う。そして、相対向する上型4(他方の型)と下型5(一方の型)との二型構造を備える樹脂封止成形用金型、すなわちトランスファーレス成形用(圧縮成形用)金型を準備する。ここで、下型5にはキャビティ形成面6が形成されており、そのキャビティ形成面6には、所要複数個のチップ2に対応してレンズ、この場合、フレネルレンズの形状を夫々形成されたフレネルレンズ用のレンズ形成部7を備えている。そして、上型4には、図1(1)に示すように、吸着・狭持などの基板装着手段を個々に、あるいは共用することによって基板1を固定する。また、キャビティ形成面6には、図1(1)に示すように、透光性を有する熱硬化性樹脂(透光性樹脂8)からなる所定量の粒状の樹脂材料を供給する。
つまり、基板1に搭載された複数のチップ2に対応してレンズ、この場合、フレネルレンズを採用することにより、該レンズ部分の厚みを薄型化し、この薄型化されたレンズ部分と光素子部分とを樹脂通路を全く設けないトランスファーレス成形用(圧縮成形用)金型にて圧縮成形して一体成形を行うものである。
【0014】
その他のレンズ形成部としては、例えば、図4(1)および図4(2)に示すように、図4(1)では、小さなマイクロレンズが凝集した一のレンズ形成部36、あるいは、図4(2)では、三角錘の突起が凝集した一のレンズ形成部37を採用することもできる。
つまり、図1(1)に対応する下型5のレンズ形成部7において、その他の一のレンズ形成部36・37を上方から見た概略平面図として、図4(1)および図4(2)にて夫々示している。
【0015】
また、チップ2を搭載した基板1とは、ワイヤボンディング基板の他に、フリップチップ基板、あるいは、ウェーハ基板等のウェーハレベルパッケージ、等が採用することできる。そして、基板1の形状については、円形状あるいは多角形状等の任意の形状のもの、基板1の材質については、任意の金属製リードフレームやPCボートと呼ばれる任意のプラスチック・セラミック・ガラス・その他の材質等のプリント回路板、等を採用することができる。一方、透光性樹脂8は、チップ2を保護樹脂およびレンズとして機能するわけだが、例えば、透光性を有するエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を用いる。また、顆粒状樹脂、液状樹脂、あるいは、シート状樹脂を採用することができる。
また、金型は、上下両型4・5(二型構造)ではなく、例えば、上下両型4・5間にさらに中間型(図示なし)を設ける三型構造、あるいは、三型以上の金型構造にも実施することができる。
【0016】
次に、図1(2)に示すように、透光性樹脂8を加熱し溶融化させてレンズ形成部7を含むキャビティ形成面6に溶融樹脂9を形成するとともに、上型4と下型5とを中間型締めする。
すなわち、図示していないが、上型4の外側方周囲には、円筒形・角筒形等の環状形にて構成された上型側外気遮断部材(シール機構)が上型4を囲った状態で設けるとともに、下型5の外側方周囲には円筒形・角筒形等の環状形にて構成された下型側外気遮断部材(シール機構)が下型5を囲った状態で設ける。
また、上下両型4・5の型締時に、上型側および下型側外気遮断部材両者は、両外気遮断部材における夫々の先端部側に設けられたP.L面にて接合するとともに、上型側外気遮断部材の P.L面(接触面)に、例えば、伸縮自在の耐熱性ゴム等から成るチューブ状の中空シール部材を設ける。
つまり、図1(2)に示す上下両型4・5の中間型締時に、中空シール部材を膨張させることにより、該膨張中空シール部材は上型側外気遮断部材のP.L面から突出した状態となるとともに、膨張中空シール部材を下型側外気遮断部材のP.L面に当接することにより、少なくとも上下両型4・5における少なくとも型内空間部の内部の空気等を強制的に吸引排出することができる。なお、中空シール部材に換えて、Oリング等のシール部材を採用することができるとともに、上下両型4・5の外側方周囲でなく、上下両型4・5の型面に、中空シール部材、あるいは、シール部材を設けることもできる。
従って、金型の型内空間部に外気遮断空間部10を形成するとともに、該空間部10から透光性樹脂8(溶融樹脂9)のボイド(気泡)を強制的に吸引排出し、レンズ内部、ならびに、光素子部分におけるボイド(気泡)を抑制することができる。
【0017】
ここで、透光性樹脂8を加熱するには、少なくとも下型5に設けられた、例えば、カートリッジヒータ・フレキシブルヒータ等の加熱手段(図示なし)を使用する。また、ヒータに換えて、またはヒータに加えて、上型4と下型5との間に夫々挿入された接触式の加熱板や非接触式のハロゲンランプ等を使用してもよい。
【0018】
次に、図1(3)に示すように、上型4と下型5とを完全に型締めするとともに、溶融樹脂9にて各チップ2・ワイヤ3(光素子部分)を浸漬内包して一括にて圧縮成形する。この場合、キャビティ形成面6は、下型5と一体構造となっているが、レンズ形成部7の型面を分割構造とし、摺動自在にして効率良く圧縮成形することもできる。
また、基板1を金型が狭持する状態で、完全型締め状態としているが、上下両型4・5のいずれか一方の型面に基板1を収容セットするセット用凹所(図示なし)を形成することもできる。
【0019】
次に、図1(4)に示すように、溶融樹脂9を硬化させて硬化樹脂からなる透光性樹脂成形体11を形成するとともに、全体基板1と透光性樹脂成形体11とを有する中間体12を形成し、その後に、下型5(図示なし)を下動させて上型4と型開きする。この透光性樹脂成形体11は、全体基板1において各チップ2を一括して封止する封止用全体部材として機能する。ここまでの工程により、圧縮成形を使用して、中間体12を一括して一体成形したことになる。」

引用文献Bには、基板に搭載された表面実装タイプの大量の光素子をレンズ部分を有する透光性樹脂にて効率良く封止成形することを目的として、金属製リードフレーム等の基板1上に所要複数個の光素子(チップ2)を搭載し、ワイヤ3を使用して各チップ2に対応してワイヤボンディングを行った後、トランスファーレス成形用(圧縮成形用)金型の上型4と下型5とを完全に型締めするとともに、金型内の溶融樹脂9にて各チップ2・ワイヤ3(光素子部分)を浸漬内包して一括に圧縮成形する製造方法が記載されていると認められる。

2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明Aとを対比する。

(ア)引用発明Aの「リードフレーム」は本願発明1の「導電性の担体」に相当する。
(イ)引用発明Aの「熱伝導性の高いモールド樹脂」は本願発明1の「流体状態のヒートシンク材料」に相当する。
(ウ)引用発明Aの「リードフレーム」および「発光素子」は本願発明1の「光源アセンブリ」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明Aとは、少なくとも次の相違点を有する。

(相違点)
本願発明1は「前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に埋め込む」のに対して、引用発明Aは「熱伝導性の高いモールド樹脂でリードフレームの発光素子を搭載した側のみを覆い、発光素子を封止する」点。

イ 相違点についての判断
引用文献Bの製造方法は、基板に搭載された表面実装タイプの大量の光素子を、レンズ部分を有する透光性樹脂にて効率良く封止成形することを目的とするものであるが、引用発明Aは、発光素子の個数が不明であって複数とはいえないし、モールド樹脂は表面にレンズ部分を有してもいないから、引用発明Aにおいて、モールド樹脂の封止方法として引用文献Bの製造方法を採用しようとする動機があるとはいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は引用発明Aおよび引用文献B-Nに記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-12について
本願発明2-12も本願発明1の「前記光源アセンブリを前記ヒートシンク材料の中に埋め込む」ことを備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明Aおよび引用文献B-Nに記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。


第9 引用発明(前記第5の1を参照。)と引用文献Bの製造方法(前記第8の1(2)を参照。)の組み合わせについて
引用発明は、透光性部材の上面が光反射性樹脂で覆われておらず外部に露出する発光装置の製造方法であるところ、引用発明の光反射性樹脂の製造方法として引用文献Bの製造方法を採用した場合、透光性部材の上面が光反射性樹脂で覆われてしまい、透光性部材の上面が光反射性樹脂で覆われないようにすることはできない。
よって、引用発明に引用文献Bの製造方法を組み合わせても、本願発明1を得ることはできない。


第10 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
そして、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-05-27 
出願番号 特願2014-560476(P2014-560476)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
P 1 8・ 113- WY (H01L)
P 1 8・ 536- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 百瀬 正之  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 近藤 幸浩
村井 友和
発明の名称 照明モジュール及び照明モジュールを製造する方法  
代理人 特許業務法人M&Sパートナーズ  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ