• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1352045
審判番号 不服2017-18103  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-06 
確定日 2019-06-18 
事件の表示 特願2014-551698「大きな角度で光を発する半導体発光素子ランプ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月25日国際公開、WO2013/108143、平成27年 2月16日国内公表、特表2015-505170、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年1月3日(パリ条約による優先権主張 平成24年1月17日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。

平成28年11月 1日付け:拒絶理由通知書
平成29年 5月 2日 :意見書、手続補正書
平成29年 8月 1日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。同年8
月8日送達)
平成29年12月 6日 :審判請求書、手続補正書
平成30年10月 2日付け:拒絶理由通知書
平成30年12月18日 :意見書、手続補正書
平成31年 2月15日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成31年 4月10日 :意見書、手続補正書

第2 本願発明
本願の請求項1-請求項16に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明16」という。)は、平成31年4月10日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-請求項16に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち請求項1及び請求項10は以下のものである。

「 【請求項1】
マウントに装着された複数の半導体発光ダイオードと、
前記複数の半導体発光ダイオード上に配置された複数のレンズと、
を有する構造体であって、
前記マウントの端部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転非対称な第1のレンズであり、第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含む、第1のレンズと、
前記マウントの中央部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転対称なドーム形状である第2のレンズと、
を含み、
前記第2のレンズを通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、
前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°である、
構造体。」

「 【請求項10】
マウントに装着された複数の半導体発光ダイオード上に複数のレンズを形成するステップを有し、
第1の半導体発光ダイオード上に形成された第1のレンズは、第2の半導体発光ダイオード上に形成された回転対称なドーム形状である第2のレンズとは異なる形状を持ち、
前記第1の半導体発光ダイオードは、前記第2の半導体発光ダイオードよりも、前記マウントの端部に近く配置され、
前記第1のレンズは回転非対称であり、かつ、第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含む発光表面を有し、
前記第2のレンズを通じて発せられる光の半値角が、前記第1の半導体発光ダイオードおよび前記第2の半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、
前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°である、
方法。」

なお、本願発明2-9は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明11-16は、本願発明10を減縮した発明である。

第3 原査定の概要及び原査定について当審の判断
1 原査定の概要
(1)この出願は、特許請求の範囲の請求項7、16の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(2)この出願は、特許請求の範囲の請求項1-8、11-17の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(3)この出願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(4)この出願の請求項1-8、11-17に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開平8-264839号公報
2.特開2007-180520号公報
3.国際公開第2011/109092号

2 原査定について当審の判断
(1)平成29年12月6日付けの手続補正により、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとして拒絶理由が通知された請求項7、16は削除されたので、当該拒絶理由は解消された。

(2)平成30年12月18日付けの手続補正により、第1のレンズの第1部分と第2部分を明確に、さらに、平成31年4月10日付けの手続補正により、当該補正前の請求項2に記載された事項の「前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°である」を、補正された請求項1-16が全てが備えることになった結果、原査定の特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号の拒絶理由は解消した。

(3)進歩性の拒絶理由について
ア 引用文献、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開平8-264839号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【0002】
【従来の技術】図11を参照して、従来の発光ダイオードランプの構成を説明する。従来の発光ダイオードランプ1は、2本のリード端子2a,2bのうち、一方のリード端子2aの先端部に発光ダイオード素子3が固着され、この発光ダイオード素子3と他方のリード端子2bとの間を金属細線4で接続している。発光ダイオード素子3が組み込まれたリード端子2a,2bの先端部分は、透光性樹脂からなるドーム状のレンズ部5によって封止されている。レンズ部5は、その底面5aに垂直な光軸Aに対して回転対称形であり、また、発光ダイオード素子3は略光軸A上に配置されているので、この発光ダイオードランプ1の指向性は、図12に示すように、全周囲に対して均一であり、また、レンズ部5の収束作用により、その範囲は比較的狭い。【0003】図13は、上述したような複数個の発光ダイオードランプ1で構成された集合型発光ダイオード表示装置を示している。この集合型発光ダイオード表示装置10は、例えば有底円筒形のケーシング11内に、複数個の発光ダイオードランプ1を二次元的に配置した基板12を収納し、ケーシング11の底部から給電用のケーブル13を導出するとともに、基板12の表面側に樹脂14を充填して構成されている。このような集合型発光ダイオード表示装置10の指向性は、図14に示すように、その要素である発光ダイオードランプ1と略同じである。」

「【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。請求項1に記載の発明は、発光ダイオード素子を封止した収束レンズ部の底面からリード端子が導出された発光ダイオードランプにおいて、前記収束レンズ部の光軸は、前記リード端子が導出されるレンズ底面に対して傾斜していることを特徴とする。」

「【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明に係る発光ダイオードランプの一実施例を示した要部斜視図である。この発光ダイオードランプ20は、従来の発光ダイオードランプと同様に、リード端子2aの先端部に発光ダイオード素子3が固着され、この発光ダイオード素子3が金属細線4を介して他方のリード端子2bに接続されている。本実施例の特徴部分である収束レンズ部21は、その光軸Aがレンズ底面21aに対して傾斜している。この傾斜角度θは、光を出射させたい方向に応じて任意に設定される。
【0017】図2(a)は図1のX-X縦断面図、図2(b)は図1のY-Y縦断面図である。図2(a)に示すように、発光ダイオード素子3から出射された光は、レンズ21の作用により、傾斜した光軸Aに沿った方向に収束されて出射される。なお、本実施例において、発光ダイオード素子3は、光軸Aの傾斜方向と反対側に偏心して取り付けられている。因みに、図11に示した従来の発光ダイオードランプ1では、発光ダイオード素子3はレンズ部5の中心上に取り付けられている。本実施例において、発光ダイオード素子3を偏心して取り付けたのは、図2(a)において、符号Lで示すように、発光ダイオード素子3から出射された光をレンズ部21の傾斜表面で全反射させて光軸A方向に向けることにより、傾斜表面から抜け出る光を少なくし、もって、光軸方向の発光効率を高めるためである。図2(b)に示すように、Y-Y断面については、光の出射方向に偏りはない。これは、光軸Aを図1のX-X線に沿って偏心させたためである。したがって、XおよびYの両方に光軸Aを傾斜させれば、Y-Y断面についても光の出射方向を偏らせることができる。
【0018】図1に示した発光ダイオードランプ20の指向特性を図3に示す。図3(a)はX-X断面の指向性を、(b)はY-Y断面の指向性を示す。以上のように、本実施例によれば、レンズ部21の光軸Aの傾斜角度を任意に設定することにより、光を任意の方向に出射させることができる。」

「【0020】図5は、上述した発光ダイオードランプ20を利用した集合型発光ダイオード表示装置30の構成を示した断面図ある。図中、図16と同一の符号で示した部分は、従来例と同一構成部分であるのでここでの説明は省略する。本実施例に係る集合型発光ダイオード表示装置30は、ケーシング11の中央部に、図11に示したような、レンズ部5の光軸Aがレンズ底面5aに対して垂直な発光ダイオードランプ1を配設し、ケーシング11の周辺部に、図1に示したような発光ダイオードランプ20を配設し、各発光ダイオードランプ20を、各光軸がケーシング11の外側を向くように配置している。
【0021】この集合型発光ダイオード表示装置30によれば、中央部の発光ダイオードランプ1群からは前面に向けて、また、周辺部の発光ダイオードランプ20群からは斜め外方向に向けて、それぞれ光が出射されるので、図6に示すように、広い指向性が得られる。」

また、図5の記載から、ケーシング11及び基板12の中央部に垂直な発光ダイオードランプ1を配設していること、ケーシング11及び基板の12の周辺部に発光ダイオードランプ20を配設していることが見て取れる。

したがって、上記引用文献1には、次の発明が記載されている

「ケーシング11内に、複数個の発光ダイオードランプ1を二次元的に配置した基板12と、
ケーシング11及び基板12の中央部に、発光ダイオード素子3と、発光ダイオード素子3は、透光性樹脂からなるドーム状のレンズ部5によって封止され、レンズ部5は、その底面5aに垂直な光軸Aに対して回転対称形であり、レンズ部5の光軸Aがレンズ底面5aに対して垂直な発光ダイオードランプ1を配設し、
ケーシング11及び基板12の周辺部に、発光ダイオード素子3と、発光ダイオード素子3を封止した収束レンズ部21は、その光軸Aがレンズ底面21aに対して傾斜している発光ダイオードランプ20を配設し、
各発光ダイオードランプ20を、各光軸がケーシング11の外側を向くように配置している、
集合型発光ダイオード表示装置。」(以下、引用発明1Aという。)

「引用発明1Aを形成する方法。」(以下、引用発明1Bという。)

イ 対比・判断
(ア)本願発明1について
a 引用発明1Aの「基板12」は、本願発明1の「マウント」に、引用発明1Aの「『基板12』に『二次元的に配置した』『複数個の発光ダイオードランプ1』の『発光ダイオード素子3』」は、本願発明1の「マウントに装着された複数の半導体発光ダイオード」に、引用発明1Aの「『発光ダイオード素子3』を『封止』した『レンズ部5』、『収束レンズ部21』」は、本願発明1の「複数の半導体発光ダイオード上に配置された複数のレンズ」に、引用発明1Aの「集合型発光ダイオード表示装置」は、本願発明1の「構造体」に、引用発明1Aの「『ケーシング11及び基板12の周辺部に、』『配設し、』『その光軸Aがレンズ底面21aに対して傾斜している』『収束レンズ部21』」は、本願発明1の「前記マウントの端部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転非対称な第1のレンズ」に、引用発明1Aの「『ケーシング11及び基板12の中央部に、』『配設し、』『その底面5aに垂直な光軸Aに対して回転対称形であり、レンズ部5の光軸Aがレンズ底面5aに対して垂直な』『ドーム状のレンズ部5』」は、本願発明1の「前記マウントの中央部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転対称なドーム形状である第2のレンズ」に、それぞれ相当する。

そうすると、本願発明1と引用発明1Aは、以下の構成で一致する。
「マウントに装着された複数の半導体発光ダイオードと、
前記複数の半導体発光ダイオード上に配置された複数のレンズと、
を有する構造体であって、
前記マウントの端部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転非対称な第1のレンズと、
前記マウントの中央部の近くに配置された半導体発光ダイオード上に配置された回転対称なドーム形状である第2のレンズと、
を含む、
構造体。」

本願発明1と引用発明1Aは、以下の構成で相違する。
相違点1
第1のレンズについて、本願発明1は、第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含み、前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°であるのに対し、引用発明1Aは、そのようなものか明らかでない点。

相違点2
第2のレンズについて、本願発明1は、第2のレンズを通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さいのに対し、引用発明1Aは、そのようなものか明らかでない点。

b 相違点1について
引用発明1Aの収束レンズ部21は、その光軸Aがレンズ底面21aに対して傾斜しているものであることから、第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含み、前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°であるものではなく、引用文献1の他の箇所にも、そのような形状のレンズは記載されていない。

そして、引用文献1の【0006】には「また、図13で示した集合型発光ダイオード表示装置10は、その指向角が比較的狭いので、広い範囲から見られるような用途には適さない。そこで、広範囲から見られるような集合型発光ダイオード表示装置の場合、図16に示すように、基板12の周辺部に取り付けられる発光ダイオードランプ1aの光軸が外側を向くように、発光ダイオードランプ1aのリード端子を折り曲げ加工して基板12に実装することにより、図17に示すような広い指向性を得ている。しかし、上述したように、リード端子の折り曲げ加工は煩雑であり、また、安定した指向性が得られないという問題点がある。」、【0010】には「【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。請求項1に記載の発明は、発光ダイオード素子を封止した収束レンズ部の底面からリード端子が導出された発光ダイオードランプにおいて、前記収束レンズ部の光軸は、前記リード端子が導出されるレンズ底面に対して傾斜していることを特徴とする。」と記載されていることから、引用文献1において、周辺部に取り付けられる発光ダイオードランプの光軸が外側を向くことで、広い指向性を得ているが、リード端子の折り曲げ加工には、問題点があるので、収束レンズ部21の光軸Aがレンズ底面21aに対して傾斜するようにしたものである。
そうすると、本願の【発明が解決しようとする課題】として【0005】には「本発明の目的は、大きな角度で光を発する半導体発光ダイオードを含むランプを提供することにある。」と記載されていることから、本願発明と引用文献1では課題も異なり、引用文献1の課題を解決するために、引用文献1の光軸を傾斜させるための収束レンズ部を、大きな角度で光を発するレンズ形状とする動機付けもない。さらに、引用文献1の光軸が傾斜している収束レンズ部を、光が第1部分と第2部分で収束する方向が異なる本願発明1の第1のレンズの構造とすることは、適宜設計する事項でもない。

また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2007-180520号公報)、引用文献3(国際公開第2011/109092号)には、マウントに装着された複数の半導体発光ダイオード上に複数のレンズを配置して広い指向性を得る旨の技術が開示されているとしても、第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含み、前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°であるレンズについて、記載されていない。

c したがって、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明1A及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明ができたものであるとはいえない。

(イ)本願発明2-9について
本願発明2-9も、相違点1、2に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1A及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(ウ)本願発明10について
本願発明10は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「『第1のレンズ』は『第2部分およびランバートパターンで光を発する第1部分を含む、』『前記第1のレンズのランバートパターンで光を発する前記第1部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく、前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°である』」、「前記第2のレンズを通じて発せられる光の半値角が、前記第1の半導体発光ダイオードおよび前記第2の半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して70°より小さく」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明10と引用発明1Bは、本願発明1と引用発明1Aの相違点1、2と同様な相違点3、4で相違する。
そして、相違点1は、上記(ア)で検討したとおりであるから、相違点3も同様に当業者が容易になし得るものではない。

したがって、相違点4について判断するまでもなく、本願発明10は、当業者であっても引用発明1B及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(エ)本願発明11-16について
本願発明11-16も、相違点3、4に係る本願発明10の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明10と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1B及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第4 当審拒絶理由について
1 平成30年10月2日付け拒絶理由の概要は以下のとおりである。
請求項1-17について、第1のレンズの形状がわからず、発明の構成が不明確である旨の拒絶理由を通知した(特許法第36条第6項第2号)。

2 平成31年2月15日付け拒絶理由(最後の拒絶理由)の概要は以下のとおりである。
請求項1、3-17について、第1のレンズと第2のレンズの形状の違いが不明確となっている旨の拒絶理由を通知した(特許法第36条第6項第2号)。

3 平成30年12月18日付けの手続補正により、第1のレンズの第1部分と第2部分が明確になり、さらに、平成31年4月10日付けの手続補正により、当該補正前の請求項2に記載された事項の「前記第1のレンズの前記第2部分を通じて発せられる光の半値角が、前記半導体発光ダイオードの上面に対する垂線に対して少なくとも80°である」を、補正された請求項1-16が全てが備えることになった結果、この拒絶理由は解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、拒絶することができない。
また、他に本件出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-06-04 
出願番号 特願2014-551698(P2014-551698)
審決分類 P 1 8・ 536- WY (H01L)
P 1 8・ 121- WY (H01L)
P 1 8・ 537- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小濱 健太  
特許庁審判長 西村 直史
特許庁審判官 野村 伸雄
星野 浩一
発明の名称 大きな角度で光を発する半導体発光素子ランプ  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ