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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1352072
審判番号 不服2018-13711  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-16 
確定日 2019-06-24 
事件の表示 特願2017- 87133「真空プロセス・チャンバの構成部品及び製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 9月21日出願公開、特開2017-168852、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成23年(2011年)9月27日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2010年9月28日 米国,以下,「本願優先日」という。)を国際出願日とする特願2013-531715号の一部を平成29年4月26日に新たな出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月19日付け 拒絶理由通知(最後)
平成30年 4月 4日 意見書・手続補正
平成30年 5月29日付け 補正却下決定・拒絶査定(以下,「原査定」という。)
平成30年10月16日 審判請求・手続補正

第2 原査定の概要
原査定の理由の概要は以下のとおりである。
この出願の請求項1-15に係る発明は,本願優先日前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,本願優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2010-199107号公報
2.特表2006-522722号公報
3.特開2006-9012号公報

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
補正前の請求項1に記載された「第1の部分」及び「第2の部分」を,それぞれ「第1の熱膨張係数を有する第1の材料を有し,基板を受けるための受け面を有する第1の部分であって,前記受け面が,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有する,第1の部分」及び「前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有し,複数の孔を有する周辺レッジを有する第2の部分」とし,「前記はんだ接合部は,前記外側半径方向部分に形成されており,前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられており,前記内側半径方向部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている」という限定を追加する補正は,出願当初明細書の段落【0021】,【0022】,【0028】,【0032】,【0033】並びに図1及び図4の記載を根拠とするものであり,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。請求項7,14についても,同様である。
補正前の請求項1に記載された「前記外側部分」及び「前記内側部分」を,それぞれ「前記外側半径方向部分」及び「前記内側半径方向部分」とし,補正前の請求項7に記載された「前記箔」を「前記反応性箔」とする補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
補正前の請求項14に「前記構成部品は,前記第2の部分を通って前記第1の部分に延びる少なくとも1つの電気的接続部を含み,前記少なくとも1つの電気的接続部は,前記少なくとも1つのOリングによって囲まれており」という限定を追加し,さらに補正前の請求項15に記載された発明特定事項を追加する補正は,出願当初明細書の段落【0008】,【0036】及び図1の記載を根拠とし,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
補正前の請求項15を削除する補正は,請求項の削除を目的とするものである。
また,下記第4から第6に示すとおり,補正後の請求項1ないし14に記載された発明は独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願の請求項1ないし14に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明14」という。)は,審判請求時の補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりである。
「【請求項1】
真空プロセス・チャンバ内で用いるための構成部品であって,
第1の熱膨張係数を有する第1の材料を有し,基板を受けるための受け面を有する第1の部分であって,前記受け面が,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有する,第1の部分と,
前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有し,複数の孔を有する周辺レッジを有する第2の部分と,
前記第1の部分と前記第2の部分との間で圧縮され,前記構成部品の外側半径方向部分及び内側半径方向部分を定める,少なくとも1つのOリングと,
前記第1の部分を前記第2の部分に接合して前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,その結果,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールが前記外側半径方向部分と前記内側半径方向部分との間の漏れを防止する,はんだ接合部と,を含み,
前記はんだ接合部は,前記外側半径方向部分に形成されており,
前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられており,
前記内側半径方向部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている,ことを特徴とする構成部品。
【請求項2】
前記少なくとも1つのOリングは,前記第1の部分及び前記第2の部分の1つ又はそれ以上の中の溝内に配置されることを特徴とする,請求項1に記載の構成部品。
【請求項3】
前記第1の部分はセラミック・ボディを含む静電パックであり,前記第2の部分は金属ボディを含むベースプレートであることを特徴とする,請求項1又は請求項2に記載の構成部品。
【請求項4】
前記少なくとも1つのOリングはペルフルオロポリマーで作製されることを特徴とする,請求項1?請求項3のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項5】
圧縮状態にある前記少なくとも1つのOリングは,圧縮されていない状態にあるときの厚さの約75%の厚さを有することを特徴とする,請求項1?請求項4のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項6】
前記はんだ接合部は,電気的に点火される箔材料を用いて形成されることを特徴とする,請求項1?請求項5のいずれか1項に記載の構成部品。
【請求項7】
真空チャンバの構成部品を作製する方法であって,
第1の部分及び第2の部分を準備するステップであって,前記第1の部分は,第1の熱膨張係数を有する第1の材料と,基板を受けるための受け面とを有し,前記受け面は,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有し,前記第2の部分は,前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有し,前記第2の部分は,複数の孔を有する周辺レッジを有する,ステップと,
前記第1の部分と前記第2の部分との間に,反応性箔と,外側部分及び内側部分を定める少なくとも1つのOリングとを配置するステップと,
前記反応性箔を点火して前記反応性箔を局所的に加熱し,それらの間に前記Oリングを有する前記第1の部分と前記第2の部分との間に低温はんだ接合部を形成し,前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,前記外側部分及び前記内側部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側部分及び前記内側部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールが前記外側部分と前記内側部分の間の漏れを防止するようにするステップと,を含み,
前記はんだ接合部は,前記外側部分に形成されており,
前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられており,
前記内側部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている,ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記反応性箔の点火前に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方の上に前記はんだ濡れ薄層を準備するステップをさらに含み,前記はんだ濡れ薄層は,前記反応性箔及び前記少なくとも1つのOリングに隣接することを特徴とする,請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の部分及び前記第2の部分を互いに押し付けて,前記少なくとも1つのOリングが圧縮されていない厚さの約75%の厚さに圧縮されるようにするステップをさらに含むことを特徴とする,請求項7又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記はんだ接合部は,前記第1の部分又は前記第2の部分の温度を上げずに形成されることを特徴とする,請求項7?請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記反応性箔の点火は,約50℃未満の温度で行われることを特徴とする,請求項7?請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記はんだ接合部は,約2秒未満で形成されることを特徴とする,請求項7?請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ある電位により前記反応性箔が点火されることを特徴とする,請求項7?請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第1の部分と第2の部分との間に少なくとも1つのOリングを含む構成部品であって,前記構成部品は,圧入されて前記少なくとも1つのOリングを圧縮し,はんだ接合部により相互接合されて,それらの間に気密シールをもたらし,
前記構成部品は,前記第2の部分を通って前記第1の部分に延びる少なくとも1つの電気的接続部を含み,前記少なくとも1つの電気的接続部は,前記少なくとも1つのOリングによって囲まれており,前記第1の部分は,第1の熱膨張係数を有する第1の材料と,基板を受けるための受け面とを有し,前記受け面は,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有し,前記第2の部分は,前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有し,前記第2の部分は,複数の孔を有する周辺レッジを有し,
前記少なくとも1つのOリングは,前記構成部品の外側部分及び内側部分を定め,前記はんだ接合部は前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,前記外側部分及び前記内側部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側部分及び前記内側部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールは前記外側部分と前記内側部分との間の漏れを防ぎ,
前記はんだ接合部は,前記外側部分に形成されており,
前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられており,
前記内側部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている,ことを特徴とする構成部品。」

第5 引用文献及び引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同じ。)
「【技術分野】
【0001】
本発明は,プラズマ処理装置において,基板を支持する基板支持台に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置には,例えば,プラズマCVD装置を用いて,半導体装置用絶縁膜が成膜される。この半導体装置用絶縁膜には,半導体装置の信頼性を確保するために,高い耐水性,耐熱性が求められており,半導体装置用絶縁膜の耐水性,耐熱性を改善するためには,成膜中の基板温度を高くすることが有効である。
【0005】
従来は,基板温度を高くするため,図4(a)に示すように,支持台50に取り付けた静電チャック51の表面に多数のディンプル56を設けた基板支持台を用いていた。このように,静電チャック51の表面に多数のディンプル56を設けることにより,基板Wから静電チャック51への熱伝達を減少させて,基板温度を高くしていた。なお,図中の符号52は,静電チャック51に内蔵したバイアス/静電チャック共用電極(図示省略)に接続する接続端子であり,この接続端子52を,支持台50の中央部を貫通する開口部53に設けたOリング溝54及びOリング55によりシールすることにより,真空チャンバ内の真空を保っている。
【0006】
ところが,上記構成の基板支持台において,基板Wの温度は,外部からの入熱に大きな影響を受け,例えば,基板Wに印加するバイアスパワーを変更すると,基板Wの温度も変わってしまう問題があった。具体的には,真空チャンバ内にプラズマPを生成し,静電吸着された基板Wにバイアス印加を行うと,図4(b)のタイムチャートに示すように,成膜中の時間t1,t2の前後で,印加するバイアスパワーに影響を受けて,バイアスパワーが大きくなると基板Wの温度が高くなってしまい,バイアスパワーが小さくなると基板Wの温度が低くなってしまい,基板Wを所望の一定温度に安定して制御することが難しかった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので,基板を比較的高い温度で安定して制御するプラズマ処理装置の基板支持台を提供することを目的とする。」
「【0022】
本実施例の基板支持台は,真空チャンバ(真空室)の内部に配置された金属製(例えば,アルミニウム等)の支持台10と,支持台10の上面に取り付けられる静電チャック14(静電吸着板)とを有している。この静電チャック14の下部には,円筒状のフランジ13が設けられており,このフランジ13下部がL字断面状に形成されて,その下面が支持台10の上面に配置される。そして,フランジ13下面に対面する支持台10上面の位置にOリング溝11を設け,そのOリング溝11にOリング12(シール部材)を配置している。つまり,支持台10と静電チャック14の間に,Oリング溝11,Oリング12及びフランジ13が介在し,Oリング溝11,Oリング12及びフランジ13を介して,静電チャック14が支持台10の上面に取り付けられている。
【0023】
静電チャック14は,Si(シリコン)等の半導体からなる基板Wを静電的に吸着保持するセラミックス(例えば,窒化アルミニウム(AlN)等)から形成されて,その内部に静電チャック用電極(第1電極;図示省略)を有するものであり,加えて,基板にバイアスを印加するためのバイアス用電極(第2電極;図示省略)や基板の温度を制御するためのヒータ(図示省略)等も内部に有するものである。つまり,静電チャック14は,基板吸着保持の機能だけでなく,バイアス印加,温度制御の機能も備えている。なお,静電チャック用電極とバイアス用電極は,1つの電極を共用することが可能であり,本実施例では,1つの電極を共用している。
【0024】
又,静電チャック14は,基板Wとの熱伝達を向上させるため,その表面全面を,平坦,且つ,表面粗さRa0.8以下としている。
【0025】
フランジ13は,静電チャック14の下面にロウ付け等により溶着されて,静電チャック14とフランジ13とは一体となっている。つまり,フランジ13と静電チャック14との間に隙間は存在せず,基板支持台におけるシールは,フランジ13下面と支持台10上面のOリング12により行われており,Oリング12の外周側を真空チャンバ側として密閉すると共に,Oリング12の内周側を大気側としている。なお,図示していないが,静電チャック14及びフランジ13は,Oリング12近傍のボルトにて,フランジ13下部を支持台10に取り付けることにより,固定している。
【0026】
このフランジ13には,熱応力を考慮して,セラミクス性の静電チャック14と熱特性が近いCo-Fe-Ni系合金であるコバール(登録商標)が用いられている。なお,セラミクス性の静電チャック14と熱特性が近い合金であれば,他の合金,例えば,42アロイ,NSL等を用いてもよい。
【0027】
又,このフランジ13は,支持台10へ固定される下部を除き,薄い肉厚(例えば,0.5mm厚)で形成されると共に,静電チャック14と支持台10との間に所定の距離を設けるように形成されている。フランジ13の肉厚を薄くすることにより,フランジ13自体が熱伝達の抵抗となる。又,静電チャック14と支持台10との間に距離を置くことにより,フランジ13自体に温度勾配を形成しており,シール面(Oリング12と接する面)を,基板W及び静電チャック14から離れた位置としている。
【0028】
又,フランジ13の内径はできるだけ小さい方がよい。これは,フランジ13の内周側は大気側となっているが,真空チャンバ内部が真空になると,静電チャック13が大気圧に面する部分には大気圧からの力が働き,内径が大きいと,それだけ大きな力がかかるからである。従って,フランジ13の内径を小さくし,静電チャック13が大気圧に面する部分の面積を小さくして,大気圧が静電チャック13を押し上げる力を小さくしている。
【0029】
基板W及び静電チャック14側からの熱伝達は,殆どフランジ13を介して行われることになるが,フランジ13を上記構造とすることにより,基板W及び静電チャック14側から支持台10側への熱伝達を抑制すると共に,温度勾配を形成するようにしている。そして,上述したように,シール面をフランジ13下面とすることにより,基板W及び静電チャック14側が高温であっても,シール面をOリング12の耐熱温度以下にすることができる。その結果,基板Wを所望の高温にすることが可能となり,又,メタルシールのようなシール部材を用いることは不要となり,シール部材として,メンテナンス性の良いフッ素樹脂系のOリングを使用することができる。
【0030】
従って,フランジ13は,フランジ13下面の温度がOリング12の耐熱温度以下となる温度勾配を形成する高さに決定される。例えば,基板Wの温度を400℃で温度制御する場合には,フランジ13の高さを25mm以上とすれば,フランジ13下面の温度をOリング12の耐熱温度である200℃以下とすることができる。このように,基板Wの制御温度に応じて,フランジ13の高さを決定する。
【0031】
又,支持台10の中央部には,支持台10を貫通する開口部17が設けられている。この開口部17は,Oリング12の内周側であり,又,フランジ13の中空部分と連通している。そして,バイアス/静電チャック共用電極に接続するための共用接続端子19(第1及び第2接続端子)及びヒータに接続するためのヒータ接続端子20(第3接続端子)が,静電チャック14の下面から,フランジ13の中空部分,開口部17を通って,引き出されている。つまり,共用接続端子19及びヒータ接続端子20を,Oリング12の内周側の大気側に,換言すれば,真空側とならないように,配置している。その結果,共用接続端子19及びヒータ接続端子20に,高電力,高電圧を印加しても,周囲が大気であるので,放電の発生を防止することができる。」
(2)引用発明1
前記(1)より,引用文献1には次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「基板支持台は,真空チャンバの内部に配置された金属製の支持台と,支持台の上面に取り付けられる静電チャックとを有し,この静電チャックの下部には,円筒状のフランジが設けられ,静電チャックとフランジとは一体となっており,
静電チャックは,基板を静電的に吸着保持するセラミックスから形成され,フランジには,セラミックス製の静電チャックと熱特性が近い合金が用いられ,
フランジ下面に対面する支持台上面の位置にOリング溝を設け,そのOリング溝にOリングを配置し,Oリングの外周側を真空チャンバ側として密閉すると共に,Oリングの内周側を大気側とし,
静電チャック及びフランジは,Oリング近傍のボルトにて,フランジ下部を支持台に取り付けることにより,固定し,
支持台の中央部には,支持台を貫通する開口部が設けられ,この開口部は,Oリングの内周側であり,フランジの中空部分と連通し,共用接続端子及びヒータ接続端子をOリングの内周側の大気側に,配置していること。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0002】
発明の分野
本発明は,密閉体構成要素を,変形性物質および反応性多層接合物質を用いることによって気密封止する工程を含む。反応性多層接合物質は,反応性多層箔および溶融性物質を含むであろう。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
気密封止は,多くの感応性装置を,有害環境に対する暴露の損傷効果から保護するのに用いられる。これらの感応性装置の例には,光学装置,光通信装置,ファイバーオプティクス,MEMS,および生体医学装置が含まれる。一般に,封止は,感応性構成要素をリークタイトな密閉体中に封じ込め,構成要素を環境から効果的に隔離することによって達成される。」
「【0022】
破砕性物質は,ワイヤー,ガスケット,ワッシャー,および/または圧力下で変形されるであろういかなる他の適切な物質でもあろう。変形は,永久または可逆のいずれでもあろうが,これは,封止が,圧力を破砕性物質に加えた際に,二つ以上の構成要素間および/または破砕性物質全体に亘って形成されるものであろう。ワイヤー,ガスケット,ワッシャー,および/またはいかなる他の適切な物質もその断面は,直径1mm?1cmの範囲であろうし,および/またはこれらの物質の長さは,数mm?1m超の範囲であろう。当業者には,しかし,破砕性物質は,いかなる適切な形状,断面,またはその他も有するであろうし,および/またはいかなる適切な寸法をも有するであろうことが理解される。」
「【0028】
反応性接合処理のための溶融性物質(例えば,はんだまたはロウ付け)は,一種以上の関連要因に基づいて選択されるであろう。それらの要因のいくつかには,強度要求(例えば,用いられる破砕性物質のタイプによる),熱疲労抵抗,耐腐食性,低スプラッター,および/または蒸気放出性が含まれるであろう。溶融性物質としてロウ付けを用いることは,封止装置が使用中に通常的に高温に付される場合に,好ましいであろう。
【0029】
図1Aおよび1Bは,気密封止製品10,および関連製造方法の例証の実施形態を表す。図1Aおよび1Bに表されるように,ワイヤーガスケット11,または適切な破砕性(すなわち変形性)物質11は,密閉体構成要素の一つの一部分中またはその上に配置されるであろう。例えば,蓋13の溝12である。溝12は,いかなる適切な方法をも用いて,密閉体構成要素(例えば,蓋13)中に形成されるであろう。反応性多層箔14は,二つ以上の密閉体構成要素の一つ以上の表面15,16の上,および/またはその間に配置されるであろう。例えば,蓋13および容器17である。密閉体構成要素13,17は,密閉空間18を画定し,その内部に装置21が置かれるであろう。反応性多層箔14はまた,一層以上の溶融性物質20の上およびまたはその間に配置されるであろう。破砕性物質11は,次いで,一つの密閉体構成要素13の溝12,および他の密閉体構成要素17の表面16の間で,例えば,圧力を,いかなる適切な方法をも用いて,密閉体構成要素の一つのいかなる適切な部分(例えば,蓋13の頂部)にも加えることによって変形されるであろう。破砕性物質11のこれらの変形により,密閉空間18,および/または装置21が,外部環境から封止されるであろう。反応性多層箔14は,次いで発火され,強固な機械的結合を密閉体構成要素(例えば,蓋13および容器17)の間に形成するであろう。強固な機械的結合は,溶融性物質20を密閉体構成要素13,17に結合するか,または密閉体構成要素13,17を直接結合するかのいずれかによって形成されるであろう。一つ以上の密閉体構成要素上のいかなる圧力も,次いで除去され,その結果,十分にリークタイトな封止を,十分な完全性で比較的長期間保持するように構成された封止密閉体10が得られる。」
「【0040】
種々の実施形態においては,気密封止製品を製造するための方法には,次の工程の一つ以上が含まれるであろう。すなわち,(1)二つ以上の密閉体構成要素(例えば,容器および蓋)をチャンバー201内に配置する工程,(2)チャンバー201を,当業界で知られた適切な手段,例えば,出口206に接続された真空ポンプを用いて排気する工程(特に空気および湿気を除去する),(3)チャンバー201を,当業界で知られた適切な手段を用いてガスまたはガス混合物で再補充する工程(例えば,チャンバー201を,入口205を経て不活性ガスで充填する),(4)一つの密閉体構成要素を,他の密閉体構成要素に関して配置(例えば,蓋203を容器204の頂部上に置く)し,圧力を,少なくとも一つの密閉体構成要素に(例えば,プッシュロッド202を経て蓋203に)加えて,内部チャンバー209および/または装置210を,チャンバー201の残り部分から封止する工程(例えば,破砕性物質を変形するか,一つの密閉体構成要素の鋭い端部のリッジをもう一方の密閉体構成要素中に置くか,および/または本明細書に示されるいかなる実施形態のいかなる変形にもよる),(5)チャンバー201を,当業界で知られる適切な手段,例えば出口206に接続された真空ポンプを用いて排気する工程,(6)リーク速度を,当業界で知られるいかなる適切な手段および/または方法(例えば,出口206に接続されたリーク検知器211)をも用いて,測定/検証する工程である。測定されたリーク速度が満足なものである場合には,箔および/または反応性多層208を発火させ,したがって密閉体を永久封止されたい。測定されたリーク速度が不満足なものである場合には,一つ以上の欠陥に着目し,一つ以上の処理工程を繰返されたい。本発明の一利点は,それが,封止処理中の感応性構成要素の損失をなくすか,または最小化することである。」
図1Aには,溶融性物質20はワイヤーガスケット11よりも外側に間隔を設けて形成されていること,が記載されていると認められる。
(2)引用発明2
前記(1)より,引用文献2には次の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「気密封止製品であり,ワイヤーガスケットが蓋の溝に配置され,蓋および容器の表面の間に反応性多層箔が配置され,反応性多層箔は一層以上の溶融性物質の間に配置され,溶融性物質ははんだであり,ワイヤーガスケットの変形により,密閉空間が外部環境から封止され,反応性多層箔は,次いで発火され,溶融性物質を蓋および容器に結合して,強固な機械的結合を蓋および容器の間に形成し,したがって,密閉体を永久封止すること,
さらに,溶融性物質はワイヤーガスケットよりも外側に間隔を設けて形成されていること。」
3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】
この発明は,改良された耐熱性,改良された封止性と改良された機械特性を有するフルオロエラストマー組成物に関する。
この発明の硬化したフルオロエラストマーは,上記特性の組合せを示し,O-リング,ガスケット,シャフトシール,燃料ホースなどのような製品を作るのに使用される。」
4 引用文献4
平成30年5月29日付け補正却下決定で引用された,本願優先日前に,日本国内又は外国において,頒布された刊行物又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,米国特許出願公開第2008/0089001号明細書(以下,「引用文献4」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。(訳文は,対応する登録実用新案第3159306号公報による。)
「[0001] Embodiments of the present invention relate to an electrostatic chuck for holding a substrate in a process chamber and related methods of manufacture.」
(訳:[0001]本考案の実施形態は,処理チャンバにおいて基板を保持するための静電チャック及びそれに関連した製造方法に関する。)
「[0013] A substrate support 20 capable of holding a substrate 22 comprises an electrostatic chuck 24 , a sealing assembly 25 , and a pedestal 26 , as shown in FIGS. 1 and 2 . While an exemplary sealing assembly 25 comprising a sealing plate 23 and a sealing ring 28 is illustrated in the context of exemplary embodiments of an electrostatic chuck 24 and pedestal 26 , it should be understood that the sealing assembly 25 can have other components, shapes and sizes as would be apparent to those of ordinary skill in the art. The sealing assembly 25 can also be used with other versions of electrostatic chucks, or even vacuum and mechanical chucks, and other versions of pedestals. Thus, the invention should not be limited to the exemplary versions of electrostatic chucks and pedestals described here.
[0014] The electrostatic chuck 24 comprises an electrostatic puck 27 having a disc-like shape that matches the shape and size of the substrate 22 held on the chuck, and with an outwardly extending annular flange 29. The puck 27 comprises a dielectric 30 that at least partially covers a chargeable electrode 32 , as shown in FIG. 2 , which can be embedded in, or covered by, the dielectric 30 . The dielectric 30 desirably comprises a material permeable to electromagnetic energy, such as for example, at least one of aluminum nitride, aluminum oxide, and titanium oxide, and preferably comprises aluminum nitride. The dielectric 30 can, however, also comprise other layers such as polymer layers, for example, polyimide.
[0015] Typically the electrode 32 embedded in the dielectric 30 of the puck 27 comprises a metal layer. The electrode metal can be stainless steel, aluminum, copper or even high temperature metals such as molybdenum or tungsten. In the version shown in FIG. 2 , the ceramic body of the electrostatic puck 27 comprises aluminum nitride with an embedded electrode 32 comprising a wire grid or plate of molybdenum. The electrode 32 is capable of being electrically biased to electrostatically hold the substrate 22 on the receiving surface 34 of the chuck. For example, the electrode 32 can be connected via one or more electrical connectors 84 , as shown in FIG. 5 , to an electrode power supply 160 that delivers a bipolar DC voltage. The bipolar electrode 32 has two sides that are each maintained at a different voltage to generate an electrostatic charge in the substrate 22 which clamps it to the chuck.
[0016] The electrostatic puck 27 further comprises a substrate receiving surface 34 that serves to receive a substrate 22 on the electrostatic chuck 24. In the version shown in FIG. 1 , the receiving surface 34 comprises a plurality of raised wedge shaped mesas 36 which are formed by intersecting gas grooves 37. The gas grooves 37 are provided to hold a heat transfer gas such as helium or argon, which is supplied through the gas port 38 on the receiving surface 34. In the version shown, the gas grooves 37 are radial lines that are spread apart from one another by from about 5 to about 10#, and terminate in an inner circular groove 39 a and an outer circular groove 39 b. While an exemplary embodiment of the substrate receiving surface 34 of the electrostatic puck 27 is illustrated herein, it should be understood that other versions can also be used, and the present invention should not be limited to the exemplary version illustrated herein.
[0017] The electrostatic chuck 24 further comprises a baseplate 42 joined to the electrostatic puck 27 that is used to attach the electrostatic puck 27 to a pedestal 26 in the chamber. The baseplate 42 comprises a top surface 43 underneath the puck 27 , and an peripheral ledge 46 that extends outwardly beyond the top surface 43. The peripheral ledge 46 extends beyond the annular flange 29 of the puck 27 to provide an exposed baseplate portion that is uncovered by the dielectric 30 , and that can be attached to an underlying pedestal 26 in a chamber.
[0018] In one version, the baseplate 42 comprises a material having thermal properties that are suitably matched to the overlying dielectric 30 of the electrostatic puck 27. For example, the baseplate 42 can comprise a composite base of ceramic and metal, which provides better strength and durability than ceramic alone and also has good heat transfer properties. The composite base has a thermal expansion coefficient that is matched to the dielectric 30 to reduce thermal expansion mismatch. In one version, the composite base comprises a ceramic having pores that are infiltrated with a metal, which at least partially fills the pores to form a composite material. The ceramic may comprise, for example, at least one of silicon carbide, aluminum nitride, aluminum oxide or cordierite, and is preferably silicon carbide. The ceramic may comprise a pore volume of from about 20 to about 80 volume % of the total volume, the remainder volume being of the infiltrated metal. In another version, the composite baseplate 42 may comprise a different composition of a ceramic and metal, such as metal having dispersed ceramic particles; or the baseplate 42 can be made from only a metal, such as stainless steel or aluminum. The infiltrated metal can comprise aluminum with added silicon and copper. In one version, the baseplate 42 comprises a composite base comprising consisting of ceramic and metal, such as silicon carbide infiltrated with a metal alloy comprising aluminum, silicon and trace amounts of copper.
[0019] The electrostatic chuck 24 is formed by joining the electrostatic puck 27 to the surface 43 of the baseplate 42 . In one version, the infiltrated metal used to infiltrate the pores of the baseplate 43 can also be used to bond the electrostatic puck 27 to the baseplate 42 by a bond layer 48 , as shown in FIG. 2 . In another version, the electrostatic puck 27 is attached to the baseplate 42 by a bond layer 48 made from a metal foil, such as an aluminum foil, which diffusion bonds the baseplate 42 and dielectric 30 . The electrostatic chuck 24 is detachable and can be easily removed from the pedestal 26 when replacement or refurbishment of one or more of the electrostatic puck 27 or its underlying baseplate 42 is required.
(中略)
[0023] The sealing assembly 25 comprises a sealing plate 23 and a sealing ring 28 concentric to the sealing plate 23 , as shown in FIG. 4 . The sealing assembly 25 is bonded to the backside surface 47 of the baseplate 42 to provide a seal around the heat transfer gas connections from the vacuum environment in the chamber. The sealing plate 23 and peripheral sealing ring 28 cooperate with a set of O-rings 51 a, 51 b situated on the upper surface 71 of the pedestal 26 to provide a sealing circumference. The chuck 24 is fastened to the ledge 40 of the support pedestal 26 and a tight seal is formed between the electrostatic chuck 24 and the pedestal 26 by tightening connectors 44 a,b inserted in holes 50 along the edge of the peripheral ledge 46 of the baseplate. When the connectors 44 a,b comprise a set of 24 threaded screws, and the interface is constructed in this novel manner, the torque on each screw which is necessary to form an acceptable vacuum seal has been observed to decrease from 90 lbf-in to 50 lbf-in, as compared to interfaces constructed without the sealing plate 23 and sealing ring 28 .」
(訳:[0013]図1及び図2に示されるように,基板22を保持することができる基板支持体20は,静電チャック24,シーリングアセンブリ25及びペデスタル26を備える。シーリングプレート23及びシーリングリング28を備える典型的なシーリングアセンブリ25が静電チャック24及びペデスタル26の典型的な実施形態との関連において例示されているのであるが,当業者には明らかなように,このシーリングアセンブリ25は,他の構成部分,形状及びサイズを有するものでもよいことは理解されよう。シーリングアセンブリ25は,他の形の静電チャックと共に,或いは真空更に機械的チャックと共にでも,使用することができ,又更に,他の形のペデスタルと共に使用することができる。従って,本考案は,ここに記載した典型的な形の静電チャック及びペデスタルに限定されるものではない。
[0014]静電チャック24は,このチャックに保持される基板22の形状及びサイズと一致するディスク形状を有し且つ外方に延長する環状フランジ29を有する静電パック27を備える。このパック27は,図2に示されるように,帯電可能な電極32を少なくとも部分的に覆う誘電体30を備えており,その電極32は,誘電体30に埋め込まれているか,その誘電体30により覆われるかする。この誘電体30は,例えば,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム及び酸化チタンのうちの少なくとも1つのような電磁エネルギーを透過させる物質を含むのが望ましく,窒化アルミニウムを含むのが好ましい。しかしながら,この誘電体30は,高分子層,例えば,ポリイミドのような他の層を含むこともできる。
[0015]典型的には,パック27の誘電体30に埋め込まれた電極32は,金属層を含む。この電極金属は,ステンレス鋼,アルミニウム,銅を含むことができ,又はモリブデン又はタングステンのような高温金属でも含むことができる。図2に示した例では,静電パック27のセラミック本体は,モリブデンのワイヤ格子又はプレートを備える埋め込み電極32を有する窒化アルミニウムを含む。電極32は,チャックの受け表面34上に基板22を静電的に保持するように電気的にバイアスされることができる。例えば,電極32は,図5に示されるように,1つ以上の電気コネクタ84を介して,双極性直流電圧を分配する電極電力供給源160に接続することができる。この双極性電極32は,2つの側部を有しており,これら2つの側部の各々は,基板22をチャックへクランプする静電荷をその基板22に発生させるように,異なる電圧に維持される。
[0016]静電パック27は,更に,静電チャック24上に基板22を受け止める作用をする基板受け表面34を備える。図1に示す例では,この受け表面34は,交差ガス溝37により形成された複数の隆起楔形メサ36を備える。これらガス溝37は,受け表面34のガスポート38を通して供給されるヘリウム又はアルゴンのような熱伝達ガスを保持するために設けられている。図示した例では,これらガス溝37は,約5°から約10°だけ互いに分離して広がり,内側円形溝39a及び外側円形溝39bで終わるような放射状ラインである。静電パック27の基板受け表面34の典型的な実施形態をここに例示しているのであるが,他の変形例も使用することができることは理解できよう。従って,本考案は,ここに例示している典型的な形に限定されるべきではない。
[0017]静電チャック24は,更に,静電パック27に接合されるベースプレート42を備えており,このベースプレート42は,チャンバにおけるペデスタル26へ静電パック27を取り付けるのに使用されるものである。このベースプレート42は,パック27の真下となる上部表面43と,この上部表面43を越えて延長する周辺棚部46と,を備える。その周辺棚部46は,パック27の環状フランジ29を越えて延長して,誘電体30によって覆われずに,チャンバにおける下方のペデスタル26に取り付けられるようになった露出ベースプレート部分を与えている。
[0018]一変形例では,ベースプレート42は,静電パック27の上方の誘電体30に適切に一致する熱特性を有する物質で構成される。例えば,ベースプレート42は,セラミックと金属との複合ベースで構成することができ,これにより,セラミック単独の場合よりも良好な強度を与えることができ,また,良好な熱伝達特性を得ることができる。この複合ベースは,熱膨張不一致を減少させるように誘電体30と一致した熱膨張係数を有する。一変形例では,この複合ベースは,金属で充填される細孔を有するセラミックで構成され,その金属は,複合物質を形成するように,それら細孔を少なくとも部分的に充填している。そのセラミックは,例えば,炭化シリコン,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム又はコーディエライトのうちの少なくとも1つを含むことができ,好ましくは,炭化シリコンである。このセラミックは,全体積の約20体積%から約80体積%までの細孔体積を有することができ,残りの体積は,充填金属である。別の変形例では,この複合ベースプレート42は,分散セラミック粒子を有する金属のような金属とセラミックとの異なる組成を含むことができ,又は,このベースプレート42は,ステンレス鋼又はアルミニウムのような金属のみで形成することができる。その充填金属は,シリコン及び銅を添加したアルミニウムを含むことができる。一変形例では,このベースプレート42は,アルミニウム,シリコン及び極微量の銅を含む金属合金で充填された炭化シリコンのような金属とセラミックとからなる複合ベースを含む。
[0019]静電チャック24は,静電パック27をベースプレート42の表面43に接合することにより形成される。一変形例では,ベースプレート42の細孔を充填するのに使用される充填金属は,図2に示されるように,結合層48によりベースプレート42へ静電パック27を結合するのにも使用される。別の変形例では,静電パック27は,アルミニウム箔のような金属箔で形成された結合層48によりベースプレートに取り付けられ,この場合,金属箔の拡散により,ベースプレート42と誘電体30とが結合される。静電チャック24は,着脱式であり,静電パック27又はその下方のベースプレート42のうちの1つ以上のものを交換又は再生する必要がある時に,ペデスタル26から容易に取り外すことができる。
(中略)
[0023]シーリングアセンブリ25は,図4に示されるように,シーリングプレート23と,このシーリングプレート23と同心のシーリングリング28とを備えている。このシーリングアセンブリ25は,チャンバにおける真空環境に対して熱伝達ガス接続の周りにシールを与えるように,ベースプレート42の裏側表面47に結合される。シーリングプレート23及び周辺シーリングリング28は,ペデスタル26の上方表面71に配設されたOリング51a,51bと協働して,シーリング周辺を与える。チャック24は,支持ペデスタル26の棚部40に取り付け固定され,穴50に挿入された接続器44a,44bをベースプレートの周辺棚部46の縁部に沿って締め付けることにより,静電チャック24とペデスタル26との間に密封シールが形成される。接続器44a,44bが24個のネジの組みを備え,且つ界面がこのような新規な仕方で構成される時,許容できる真空シールを形成するのに必要とされる各ネジに対するトルクは,シーリングプレート23及びシーリングリング28を設けずに構成した界面と比較して,90重量ポンドインチから50重量ポンドインチまで減少することが観測されている。)
5 引用文献5
本願優先日前に,日本国内又は外国において頒布された刊行物である,特開2003-158172号公報(以下,「引用文献5」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,セラミック製のウェハ保持部材と金属製の不活性ガス導入管とをロウ付け接合して成るウェハ保持装置であって,半導体ウェハや液晶装置用のガラス基板等のウェハを保持し搬送するための静電チャックやサセプター等としてのウェハ保持装置に関する。」
「【0016】
【発明の実施の形態】本発明のウェハ保持装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明のウェハ保持装置について実施の形態の一例を示す断面図である。図1において,11はウェハ保持部材,11aはウェハ保持部材11の上面のウェハの載置面,11bはウェハ保持部材11の下面であり導入管が接合される側の面である。また,11cはウェハ保持部材11の上下面間を貫通するガス導入用の貫通孔,11dは貫通孔11cの下面側開口部に設けられた段差部,12は導入管,13は貫通孔11c内面から貫通孔11cの下面側開口の周囲にかけて形成された金属層,13aは導入管12の鍔部12aの裏面に形成された金属層である。また,14はロウ材,15は応力緩和用のセラミックリングである。なお,図1,図2において,図3,図4と同じ部分には同じ符号を付している。
【0017】本発明のウェハ保持装置は,上面にウェハ21を載置する載置面11aを有するとともに上下面間を貫通する貫通孔11cが形成されているセラミック製のウェハ保持部材11と,上端に鍔部12aが形成されているとともに鍔部12aが貫通孔11cの下面11b側開口の周囲にロウ付けされて貫通孔11cに同軸状に接合されている金属製の導入管12と,導入管12の鍔部12aの裏面にロウ付けされ,貫通孔11cの内径より大きな内径の貫通穴を有するとともに貫通穴の上面側開口に面取り部が形成されているセラミックリング15とを具備している。そして,図2に示すように,ウェハ保持部材11は下面11bと貫通孔11cの内面との間の稜部を切り欠いて成る段差部11dが設けられており,段差部11dは,その内側面11eがセラミックリング15の面取り部15aの上面側始点Pから中心側に1.5mmの位置までの範囲R内にあり,上下方向の深さDが0.5?2.5mmである。
【0018】また,ウェハ保持部材11は,側面よりも大きな上面と下面を有する形状であり,例えば板状,円盤状,ブロック状等の形状であり,セラミックスからなる。このウェハ保持部材11は,上面にSi,GaAs等の半導体ウェハや液晶用ガラス基板等のウェハを載置する平坦な載置面11aを有し,載置面11aと下面11bとを連通する貫通孔11cを有している。ウェハ保持部材11の貫通孔11cの下面11b側開口の周囲に,導入管12の鍔部12aが貫通孔11cと同軸状にロウ付けされる。このとき,段差部11dの内側面11eおよび天井面の外周部にロウ材14が濡れて,大きなフィレットを形成する。ウェハ保持部材11と導入管12との具体的な接合構造は,ウェハ保持部材11の貫通孔11c内面から貫通孔11cの下面11b側開口の周囲にかけてメタライズ層と金属メッキ層の2層構造を有する金属層13を形成しておき,貫通孔11cの下面11b側開口の周囲の金属層13に,導入管12上端の鍔部12aをロウ材14によりロウ付けして成るものである。」
「【0029】さらに,貫通孔11cの下面11b側開口部に段差部11dが設けられていることにより,導入管12と段差部11dとの間にロウ材14の大きなフィレットが形成されるため,段差部11dが設けられていない従来の場合と比較して,外力によるロウ付け部へのストレスを緩和し金属層13が切れることによる導通不良を抑えることができる。」

第6 対比及び判断
1 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明1との対比
ア 引用発明1の「基板支持台」は,「真空チャンバの内部に配置された金属製の支持台」「を有」するから,本願発明1の「真空プロセス・チャンバ内で用いるための構成部品」に相当する。
イ 引用発明1の「静電チャックとフランジ」は,「一体となっており」,「静電チャックは,基板を静電的に吸着するセラミックスから形成され,フランジには,セラミックス製の静電チャックと熱特性が近い合金が用いられ」ているから,本願発明1の「第1の熱膨張係数を有する第1の材料を有し,基板を受けるための受け面を有する第1の部分」に相当する。
ウ 引用発明1の「金属製の支持台」は,本願発明1の「前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有」「する第2の材料を有する第2の部分」に相当する。
エ 引用発明1において「フランジ下面に対面する支持台上面の位置にOリング溝を設け,そのOリング溝にOリングを配置し,Oリングの外周側を真空チャンバ側として密閉すると共に,Oリングの内周側を大気側と」するから,引用発明1の「Oリング」は本願発明1の「前記第1の部分と前記第2の部分との間で圧縮され,前記構成部品の外側半径方向部分及び内側半径方向部分を定める,少なくとも1つのOリング」に相当する。
オ 引用発明1において「静電チャック及びフランジは,Oリング近傍のボルトにて,フランジ下部を支持台に取り付けることにより,固定」するから,引用発明の「ボルト」は「結合部材」ということができ,本願発明1の「はんだ接合部」と,引用発明の「ボルト」とは,前記エを考慮すると,「前記第1の部分を前記第2の部分に接合して前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,その結果,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールが前記外側半径方向部分と前記内側半径方向部分との間の漏れを防止する,結合部材」という点で共通する。
カ 引用発明1の「Oリング近傍のボルト」について,前記オを考慮すると,「前記結合部材と前記Oリングとの間には,間隙が設けられて」いるといえる。
キ すると,本願発明1と引用発明1とは,下記クの点で一致し,下記ケの点で相違する。
ク 一致点
「真空プロセス・チャンバ内で用いるための構成部品であって,
第1の熱膨張係数を有する第1の材料を有し,基板を受けるための受け面を有する第1の部分と,
前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有する第2の部分と,
前記第1の部分と前記第2の部分との間で圧縮され,前記構成部品の外側半径方向部分及び内側半径方向部分を定める,少なくとも1つのOリングと,
前記第1の部分を前記第2の部分に接合して前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,その結果,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側半径方向部分及び前記内側半径方向部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールが前記外側半径方向部分と前記内側半径方向部分との間の漏れを防止する,結合部材と,を含み,
前記結合部材と前記Oリングとの間には,間隙が設けられている,
ことを特徴とする構成部品。」
ケ 相違点
(ア)相違点1
本願発明1では,「第1の部分」の「前記受け面が,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有する」のに対し,引用発明1では「静電チャック」がそうなっていない点。
(イ)相違点2
本願発明1では,「第2の部分」が「複数の孔を有する周辺レッジを有する」のに対し,引用発明1では,「支持台」がそうなっていない点。
(ウ)相違点3
本願発明1では,「結合部材」が「はんだ接合部」であり,「前記はんだ接合部は,前記外側半径方向部分に形成されて」いるのに対し,引用発明1では,「結合部材」が「ボルト」であり,「Oリング」の「外側半径方向部分に形成されて」いるかは不明である点。
(エ)相違点4
本願発明1では,「前記内側半径方向部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている」のに対し,引用発明1ではそうなっていない点。
(2)相違点についての判断
ア 相違点3について
引用発明1における,気密シールをもたらす結合部材としての「ボルト」を「はんだ接合部」に置き換えることについて,引用文献1ないし5には記載も示唆もない。
引用文献2には,ワイヤーガスケットの変形により,封止され,はんだである溶融性物質で結合するものである引用発明2が記載されているが,引用発明2は密閉容器に関するもので,基板支持台に関する引用発明1とは技術分野が異なる。さらに,引用発明2は「永久封止」するものであり,引用発明1の「ボルト」に換えて引用発明2のはんだである溶融性物質を採用すると,永久封止されて,引用発明1の静電チャックを取り外すことができなくなり,基板支持台としてのメンテナンス(前記第5の1(1)【0029】)が困難になるから,引用発明1に引用発明2を採用することは,阻害要因があるといえる。
引用文献5には,ウェハ保持部材と不活性ガス導入管とをロウ付け接合して成るウェハ保持装置が記載されており,不活性ガスを導入することから,気密シールをもたらすこと自体は示唆されているといえるが,Oリングとの組合せで気密シールをもたらすものではないし,ウェハ保持部材の下面と導入管の鍔部がロウ付けされる際に「段差部」を設けること(前記第5の5【0018】)から,両者の面が遠ざかることになり,引用発明1の圧接固定されるOリングとは相容れないというべきである。
イ 相違点4について
相違点4に係る構成は「はんだ濡れ薄層」に関するもので,相違点3に係る「はんだ接合部」を前提とするものであるから,前記アに示したように,相違点3に係る構成を得ることが困難である以上,相違点4に係る構成を得ることも困難である。
なお,引用文献5に記載された「ロウ材が濡れ」た「大きなフィレット」は,「はんだ濡れ薄層」に相当するものであるが,引用文献5に記載された技術的事項を引用発明1に採用することが困難であることは,前記アに示したとおりである。
(3)まとめ
したがって,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明1は,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本願発明2ないし6について
本願発明2ないし6は,本願発明1を引用するものであり,本願発明1の発明特定事項を全て備えるから,前記1と同様の理由により,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本願発明7について
(1)本願発明7と引用発明1’との対比
ア 引用発明1は「基板支持台」という人工物に関するものであるから,その製造方法の発明(以下,「引用発明1’」という。)も引用文献1に記載されているに等しい。
イ 本願発明7と引用発明1’とを対比すると,前記1(1)アないしカと同様であるから,本願発明7と引用発明1’とは,下記ウの点で一致し,下記エの点で相違する。
ウ 一致点
「真空チャンバの構成部品を作製する方法であって,
第1の部分及び第2の部分を準備するステップであって,前記第1の部分は,第1の熱膨張係数を有する第1の材料と,基板を受けるための受け面とを有し,前記第2の部分は,前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有する,ステップと,
前記第1の部分と前記第2の部分との間に,外側部分及び内側部分を定める少なくとも1つのOリングを配置するステップと,
結合部材と前記Oリングとの間には,間隙が設けられている,
ことを特徴とする方法。」
エ 相違点
(ア)相違点5
本願発明7では,「第1の部分」の「前記受け面は,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有」するのに対し,引用発明1’では「静電チャック」がそうなっていない点。
(イ)相違点6
本願発明7では,「前記第2の部分は,複数の孔を有する周辺レッジを有する」のに対し,引用発明1’では,「支持台」はそうなっていない点。
(ウ)相違点7
本願発明7では「反応性箔と」を配置し「前記反応性箔を点火して前記反応性箔を局所的に加熱し,それらの間に前記Oリングを有する前記第1の部分と前記第2の部分との間に低温はんだ接合部を形成し,前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,前記外側部分及び前記内側部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側部分及び前記内側部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールが前記外側部分と前記内側部分の間の漏れを防止するようにするステップと,を含み,前記はんだ接合部は,前記外側部分に形成されて」いるのに対し,引用発明1’では「静電チャック及びフランジは,Oリング近傍のボルトにて,フランジ下部を支持台に取り付けることにより,固定」する点。
(エ)相違点8
本願発明7では,「前記内側部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている」のに対し,引用発明1’ではそうなっていない点。
(2)相違点についての判断
ア 相違点7について
引用発明1’において,「Oリング近傍のボルトにて」「固定」することを「反応性箔を点火して前記反応性箔を局所的に加熱し」「低温はんだ接合部を形成する」ことに置き換えることについて,引用文献1ないし5には記載も示唆もない。
引用文献2には,ワイヤーガスケットの変形により,封止され,反応性多層箔は,次いで発火され,溶融性物質を蓋および容器に結合するものである引用発明2が記載されているが,引用発明2は密閉容器に関するもので,基板支持台に関する引用発明1’とは技術分野が異なる。さらに,引用発明2は「永久封止」するものであり,引用発明1’の「ボルトにて」「固定」することに換えて引用発明2のはんだである溶融性物質を蓋および容器に結合するものを採用すると,永久封止されて,引用発明1’の静電チャックを取り外すことができなくなり,基板支持台としてのメンテナンス(前記第5の1(1)【0029】)が困難になるから,引用発明1’に引用発明2を採用することは,阻害要因があるといえる。
イ 相違点8について
相違点8に係る構成は「はんだ濡れ薄層」に関するもので,相違点7に係る「低温はんだ接合部」を前提とするものであるから,前記アに示したように,相違点7に係る構成を得ることが困難である以上,相違点8に係る構成を得ることも困難である。
(3)まとめ
したがって,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明7は,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 本願発明8ないし13について
本願発明8ないし13は,本願発明7を引用するものであり,本願発明7の発明特定事項を全て備えるから,前記3と同様の理由により,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
5 本願発明14について
(1)本願発明14と引用発明2との対比
ア 引用発明2の「蓋」,「容器」及び「ワイヤーガスケット」は,それぞれ本願発明14の「第1の部分」,「第2の部分」及び「Oリング」に相当する。
イ 本願発明14の「構成部品」と引用発明2の「気密封止製品」とは,「物」である点で共通する。
ウ 引用発明2における「溶融性物質ははんだであり,ワイヤーガスケットの変形により,密閉空間が外部環境から封止され,反応性多層箔は,次いで発火され,溶融性物質を蓋および容器に結合して,強固な機械的結合を蓋および容器の間に形成し」は,本願発明14における「圧入されて前記少なくとも1つのOリングを圧縮し,はんだ接合部により相互接合されて,それらの間に気密シールをもたらし」「前記少なくとも1つのOリングは,」「外側部分及び内側部分を定め,前記はんだ接合部は前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,前記外側部分及び前記内側部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側部分及び前記内側部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールは前記外側部分と前記内側部分との間の漏れを防ぎ」に相当する。
エ 引用発明2における「溶融性物質はワイヤーガスケットよりも外側に間隔を設けて形成されていること」は,本願発明14における「前記はんだ接合部は,前記外側部分に形成されており,前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられており」に相当する。
オ 本願発明14と引用発明2とは,下記カの点で一致し,下記キの点で相違する。
カ 一致点
「第1の部分と第2の部分との間に少なくとも1つのOリングを含む物であって,前記物は,圧入されて前記少なくとも1つのOリングを圧縮し,はんだ接合部により相互接合されて,それらの間に気密シールをもたらし,
前記少なくとも1つのOリングは,前記物の外側部分及び内側部分を定め,前記はんだ接合部は前記第1の部分と前記第2の部分との間に気密シールをもたらし,前記外側部分及び前記内側部分のうちの一方が真空下にあり,前記外側部分及び前記内側部分のうちの他方が大気圧下にあるとき,前記気密シールは前記外側部分と前記内側部分との間の漏れを防ぎ,
前記はんだ接合部は,前記外側部分に形成されており,
前記はんだ接合部と前記Oリングとの間には,間隙が設けられている,
ことを特徴とする物。」
ケ 相違点
(ア)相違点9
本願発明14では「物」が「構成部品」であるのに対し,引用発明2では「物」が「気密封止製品」である点。
(イ)相違点10
本願発明14では,「前記構成部品は,前記第2の部分を通って前記第1の部分に延びる少なくとも1つの電気的接続部を含み,前記少なくとも1つの電気的接続部は,前記少なくとも1つのOリングによって囲まれており,前記第1の部分は,第1の熱膨張係数を有する第1の材料と,基板を受けるための受け面とを有し,前記受け面は,内側円形溝で終端する放射状の交差する溝によって形成される複数の隆起したメサを有し,前記第2の部分は,前記第1の熱膨張係数と異なる第2の熱膨張係数を有する第2の材料を有し,前記第2の部分は,複数の孔を有する周辺レッジを有」するのに対し,引用発明2では「気密封止製品」がそのようなものではない点。
(ウ)相違点11
本願発明14では「前記内側部分に,前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの一方又は両方にはんだ濡れ薄層が設けられている」のに対し,引用発明2ではそうなっていない点。
(2)相違点についての判断
ア 相違点9について
引用発明2は「気密封止製品」という独立した「製品」であるから,これを何かの「構成部品」とすることは動機づけに欠ける。
イ 相違点10について
引用発明2の「気密封止製品」に「電気的接続部」を含めること,引用発明2において「第1の部分は」「基板を受けるための受け面」を有し,「第2の部分は,複数の孔を有する周辺レッジを有」するようにすることについて,引用文献1ないし5には記載も示唆もない。
引用文献4には,「処理チャンバにおいて基板を保持するための静電チャック」で「電気コネクタ」を含み,「静電パックは」「基板受け表面を備え」,「ベースプレート」は「周辺棚部」と「穴」を有すること,が記載されているが,引用発明2は「蓋および容器」からなる「気密封止製品」であり,蓋と容器の間を電気的に接続する動機づけはなく,蓋の上面において基板を保持するようにする動機づけもなく,容器に「周辺棚部」と「穴」を設けて他の部品と接合させる動機づけもない。
(3)まとめ
したがって,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明14は,引用文献2,1,3ないし5に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第7 原査定について
また,前記「第6 対比及び判断」のとおりであるから,本願発明1ないし14は,引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。

第8 結言
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-06-07 
出願番号 特願2017-87133(P2017-87133)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 儀同 孝信  
特許庁審判長 加藤 浩一
特許庁審判官 小田 浩
深沢 正志
発明の名称 真空プロセス・チャンバの構成部品及び製造方法  
代理人 上杉 浩  
代理人 大塚 文昭  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 岩崎 吉信  
代理人 須田 洋之  
代理人 那須 威夫  
代理人 弟子丸 健  
代理人 西島 孝喜  
代理人 近藤 直樹  
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