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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F23G
管理番号 1352213
審判番号 不服2018-5262  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-17 
確定日 2019-06-25 
事件の表示 特願2016-538381「籾殻燃焼灰の無害化方法および籾殻の燃焼設備」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月 4日国際公開、WO2016/017669、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年7月29日(優先権主張2014年7月31日、日本国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続きは以下のとおりである。
・平成29年6月29日付け拒絶理由通知書
・平成29年8月24日に意見書及び手続補正書の提出
・平成30年1月22日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)
・平成30年4月17日に拒絶査定不服審判の請求、その請求と同時に手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願の請求項1?5に係る発明は、その出願前(優先日前)に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である下記の引用文献1?5に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献一覧>
引用文献1:特開平10-192811号公報
引用文献2:特開平9-150191号公報
引用文献3:特開平8-94056号公報
引用文献4:特開2003-74830号公報
引用文献5:特開2014-81187号公報

第3 本願発明
本願の請求項1?4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、平成30年4月17日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
発電のための燃料として籾殻を用意する工程と、
前記籾殻を燃焼させ、燃焼熱を利用して発電する工程と、
前記籾殻の燃焼によって生成する粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰を回収する工程と、
回収した前記籾殻燃焼灰を粉砕して、粒径が15μm以下の微粒粉にする工程と、
前記微粒粉を、内壁温度が1100℃以上である炉内の火炎中に噴射して溶融させることにより、前記籾殻燃焼灰の微粒粉を非晶質化する工程とを備え、
前記火炎処理時の支燃ガス中の酸素濃度が40体積%以上であり、
前記火炎の温度は1750℃?2500℃であり、
前記火炎処理後の微粒粉の非晶質化率が80%以上である、籾殻燃焼灰の無害化方法。
【請求項2】
前記火炎処理時の支燃ガス中の酸素濃度が60体積%以上である、請求項1に記載の籾殻燃焼灰の無害化方法。
【請求項3】
前記火炎処理後の非晶質化した微粒粉の粒径は20μm以下である、請求項1または2に記載の籾殻燃焼灰の無害化方法。
【請求項4】
燃焼熱を利用して発電するために、籾殻を燃焼させる燃焼炉と、
前記燃焼炉での燃焼後に回収される粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰を粒径15μm以下の微粒粉になるまで粉砕する粉砕機と、
前記籾殻燃焼灰の微粒粉を火炎中に噴射して溶融させることにより、籾殻燃焼灰の微粒粉の非晶質化率を80%以上にする火炎処理機とを備え、
前記火炎処理機は、内壁温度が1100℃以上にされた火炎処理炉と、前記火炎処理炉内に酸素濃度が40体積%以上の支燃ガスを供給して前記火炎の温度を1750℃?2500℃にする支燃ガス供給手段とを含む、籾殻の燃焼設備。」

第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(なお、下線は、理解の一助として当審において付したものである。以下、同様。また、○付き数字を括弧付きの数字で表記した。)。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ焼却炉や各種焼却装置等から排出される焼却灰または飛灰などを溶融処理する都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ、下水汚泥等の各種廃棄物は、焼却施設で焼却処理され、生じた焼却灰や飛灰は、従来埋め立て処分されていた。しかし、埋立処分地枯渇の問題や有害重金属類の溶出による地下水汚染の問題があるため、溶融固化,セメント固化,薬剤処理,酸その他の溶媒による安定化法のいずれかによる中間処理が義務づけられ、焼却灰や飛灰の減量・減容化,無害化および再資源化の必要性が高まっている。
【0003】前記溶融固化法は、焼却灰や飛灰の減量・減容化,無害化,再資源化などの点で他の方法よりも有利と考えられ、いくつかの処理方法や設備についての技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、都市ごみの焼却灰や飛灰を溶融するにあたっては、焼却灰または飛灰が、(1)微粉末であること。(2)融点が高いこと。(3)揮発性重金属を多く含んでいること。(4)塩素を多く含んでいること。(5)嵩密度が小さいこと。(6)熱伝導率が小さいこと。などからプロセス全体の構成を複雑にし、かつ、灰溶融炉等の設備の寿命を短くするなどの問題を提起している。また、現在提案されている技術は、これらの問題に対処するために種々の方策が講じられているが、(1)灰分の融点を下げ、流動性を高めるために塩基度を調整するための珪砂などの添加物を多く必要とする。(2)多量の高温排ガスが微粉飛灰を飛散させる。(3)加熱溶融するためのエネルギー消費が大きい。(4)複雑な大型設備となる。などの問題がある。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたもので、嵩密度や熱伝導率が小さいため溶融しにくい都市ごみの焼却灰または飛灰を、処理灰回収室に設けた溶射トーチに供給して2,000°?3,000°Cの高温フレーム内に投入し、灰分を成形性、燃結性に優れた非晶質球状粉として回収するようにした都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明によれば、先端を処理灰回収室内に挿入した溶射トーチに都市ごみの焼却灰または飛灰を供給し、溶射トーチで発生する高温フレーム内で灰の溶融、重金属および塩類の蒸発または分解を発生させて灰分、重金属および塩類を分別し、溶融して飛翔した灰分は非晶質球状粉として落下沈積させて回収し、蒸発した重金属は処理灰回収室内上方に設けた蒸発金属回収装置により再凝縮して捕捉し、分解した塩類は排ガスとともに処理灰回収室の上方に連通して設けた排ガス処理装置に導いて回収するようにしたことを特徴とする都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法が提供される。
【0007】本発明の好ましい実施形態によれば、都市ごみの焼却灰または飛灰を溶射トーチに供給する前に、磁気選別、粉砕、乾燥および篩分けなどの前処理を行うようにした。
【0008】本発明の好ましい実施形態によれば、溶射トーチは、アセチレンと酸素の燃焼式である。
【0009】また、本発明の好ましい実施形態によれば、溶射トーチは、水素ガスと窒素ガスを混合して使用するプラズマトーチである。
【0010】上記本発明の構成によれば、都市ごみの焼却灰または飛灰を、塩基度を調整することなく処理灰回収室に設けた溶射トーチに供給して高温フレーム内に投入し、灰分の溶融、重金属の蒸発、塩類の分解を発生させ、溶融して飛翔した灰分は非晶質球状粉として落下沈積させて回収し、蒸発した重金属は蒸発金属回収装置により再凝縮して捕捉し、塩類は排ガスとともに排ガス処理装置に導いて回収するようにしたので、無害化した灰分を成形性、焼結性に優れた非晶質球微粒子として回収することができるとともに、重金属や塩類をそれぞれ別に回収することができる。」

イ 「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による都市ごみ焼却灰・飛灰の処理方法に使用される焼却灰・飛灰の処理装置の概要図であり、図2は溶射トーチの一部断面図である。図1および図2において、1は焼却灰や飛灰を溶融処理する処理灰回収室である。2はこの処理灰回収室1の壁部に先端が処理灰回収室1内に挿入して設けられた溶射トーチであり、3は溶射トーチ支持架台である。この溶射トーチ2は、例えば、金属やセラミック溶射用に使用されるもので、大きさは、径が10mm?80mm、長さが500mm程度のものである。図2はプラズマトーチ(溶射トーチ)2の断面図であり、陽極2a、陰極2b、ガス供給口2d、焼却灰・飛灰供給口2eなどから構成されいる。そして、陽極2aと陰極2bに通電することによりアーク2cを発生する。なお、焼却灰や飛灰の処理量が多くなったときは、この溶射トーチ2を複数個設けることによりその処理能力を上げることができる。4は焼却灰や飛灰供給用のホッパである。5はホッパ4の下方部に設けたロータリーフィーダなどの切出弁で、溶射トーチ2への焼却灰や飛灰の供給を制御する。6は溶射トーチ2上方の処理灰回収室1の天井部に設けた蒸発金属回収装置であり、6aはこの蒸発金属回収装置6の内面に着脱可能に配設した水冷板である。7は一端を溶融炉1内に突出させ、他端を排ガス処理装置8に連結した排気管である。なお、7aは排ガス処理装置8の、後述する他の機器に連結した排気管である。18は溶射トーチ2から灰溶融炉1内に噴射した2,000°?3,000°Cの高温フレームである。19は高温フレーム18内で溶融して無害化された非晶質球状(ビーズ状のもの)の無害化灰粒子である。17はこの無害化灰粒子19を回収して搬送する移動台車であり、17aは移動台車17上に載置した回収箱である。21は処理灰回収室1に連設した補助室で、移動台車17を処理灰回収室1内に出し入れする際、処理灰回収室1との間に設けた第1扉15と手前側に設けた第2扉16とを交互に開閉して処理灰回収室1内の雰囲気ガス(酸素を含まない)を外部に放出しないようにする。
【0012】図4は焼却灰または飛灰の溶射トーチ2に供給する前の前処理フローを示す図である。焼却灰は、磁気選別機で選別され、大きいものは粉砕機で粉砕され、篩で篩分けされてホッパ4へ供給される。焼却灰が乾燥していない場合には乾燥機で乾燥したうえで磁気選別機に送られる。また、篩分けして大きいものがあるときは、粉砕機に戻して粉砕する。なお、磁気選別機で選別された鉄合金などは別途回収される。一方、飛灰は、乾燥して篩にかけてホッパ4へ供給される。そして、大きいものがあるときは、粉砕機に戻して粉砕する。
【0013】図5は排ガス処理装置の概要図である。排ガス処理装置8は、サイクロン9、バグフィルタ10、排煙スクラバ11、誘引送風機12、煙突13、廃水処理設備14およびこれらの装置をそれぞれ連結した排気管7a,7b,7c,7dおよび排水管7eなどにより構成されている。
【0014】次に本実施形態の作用について説明する。都市ごみの焼却灰または飛灰は、あらかじめ磁気選別機、粉砕機などにかけられ前処理されてホッパ4に供給される。溶射トーチ2内にガス供給口2dから水素ガスと窒素ガスを混合して供給し、陽極2aおよび陰極2bに通電するとアーク2cを発生して灰溶融炉1内に2,000°?3,000°Cの高温フレーム18を噴射する。ホッパ4に供給された焼却灰または飛灰は、切出弁5により適量切り出され、粉末供給口2eから溶射トーチ2に供給されて、高温フレーム18内に投入される。焼却灰または飛灰は、高温フレーム18内に投入されると、灰分は溶融し、重金属は蒸発し、塩類は蒸発または分解して灰分、重金属および塩類に分類される。そして、溶融して飛翔した非晶質球状粒子は、処理灰回収室1の底部分に配置して置いた移動台車17上の回収箱17a内に落下沈積させて回収し、再生工場へ搬送する。蒸発した重金属は、蒸発金属回収装置6の水冷板6aにより再凝縮し、固化して捕捉し回収される。蒸発または分解した塩類は、排ガスとともに排ガス処理装置8に導いて回収される。
【0015】処理灰回収室1内では、非酸化性雰囲気となっており、高温フレーム18のガス流速に比べると対流程度の動きであり、温度も室温程度であるため、溶融して飛翔した灰分の粒子は、急冷されて非晶質球状粒子となる。
【0016】図3は本発明によるアセチレンと酸素の燃焼式用の溶射トーチ22の断面図である。この溶射トーチ22は、中心部に長手方向に穿設された焼却灰・飛灰供給口22aと、この焼却灰・飛灰供給口22aの外側に焼却灰・飛灰供給口22aを囲むように設けられたアセチレンと酸素の混合ガスの供給口22bと、混合ガス供給口22bを囲むように設けられた冷却空気供給口22cなどから構成されている。そして、アセチレンと酸素を燃焼させることにより、高温フレーム18内で焼却灰・飛灰を溶融し、無害化灰粒子19を飛翔させる。22dはエア・ジェット流である。なお、本発明では冷却空気供給口22cには窒素ガスなどの無酸化ガスを導入する。
【0017】本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、都市ごみの焼却灰または飛灰を、処理灰回収室に設けた溶射トーチに供給して高温フレーム内に投入し、高温フレーム内で有害物質は蒸発または分解され、灰分は無害化され、急冷されて非晶質球状粒子となって成形性、燃結性に優れ、レンガやタイルに使用することができる。また、造粒したり、成形したりして固化体にすることができるので、再資源化を図ることができる。るつぼに焼却灰や飛灰を供給して上方から、例えば、プラズマフレームを照射する方法よりもエネルギー効率がよい。アセチレンと酸素の混合フレームやプラズマフレームのような高温フレーム中に微粉末を遊泳させる本発明方法では蒸発や分解の反応速度が速いため、灰分と有害物質との分離が効率よく行われる。蒸発した重金属を酸化物ではなく、金属として回収できるので、再資源化を図ることができるなどの優れた効果を奏する。」

(2)上記(1)及び図面の記載から分かること
ア 上記(1)アの段落【0001】及び【0002】の記載によれば、焼却施設において、都市ごみ焼却炉により用意された都市ごみを燃焼させることが分かる。

イ 上記(1)アの段落【0002】、【0005】?【0007】、【0011】及び【0012】の記載によれば、都市ごみの燃焼によって生成する焼却灰または飛灰を回収することは明らかである。

ウ 上記(1)ア及びイの段落【0007】、【0012】及び【0014】の記載並びに図4の記載によれば、粉砕機により焼却灰または飛灰を粉砕して、篩分けされた粉砕物にすることが分かる。

エ 上記(1)ア及びイの段落【0005】、【0006】、【0010】、【0011】及び【0014】の記載並びに図1の記載によれば、焼却灰・飛灰の処理装置において、篩分けされた粉砕物を、灰溶融炉1内の高温フレーム18中に噴射して溶融させることにより、焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とすることが分かる。

オ 上記(1)イの段落【0011】及び【0014】の記載並びに図1の記載によれば、焼却灰・飛灰の処理装置は、灰溶融炉1と、当該灰溶融炉1内に溶射トーチとを含むことが分かる。

カ 上記(1)ア及びイの段落【0005】、【0011】及び【0014】の記載並びに図1の記載によれば、溶射トーチは、高温フレーム18の温度を2000℃?3000℃にすることが分かる。

キ 上記(1)ア及びイの段落【0007】、【0011】、【0016】及び【0018】の記載並びに図3の記載によれば、溶射トーチ22は、灰溶融炉1内にアセチレンと酸素の混合ガスを供給することが分かる。

(3)引用発明
ア 引用発明1
上記(1)及び(2)を総合すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「都市ごみを用意する工程と、
前記都市ごみを燃焼させる工程と、
前記都市ごみの燃焼によって生成する焼却灰または飛灰を回収する工程と、
回収した前記焼却灰または飛灰を粉砕して、篩分けされた粉砕物にする工程と、
前記篩分けされた粉砕物を、灰溶融炉1内の高温フレーム18中に噴射して溶融させることにより、前記焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とする工程とを備え、
前記高温フレーム18の温度は2000℃?3000℃である、都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法。」

イ 引用発明2
上記(1)及び(2)を総合すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「都市ごみを燃焼させる都市ごみ焼却炉と、
前記都市ごみ焼却炉での燃焼後に回収される焼却灰または飛灰を篩分けされた粉砕物になるまで粉砕する粉砕機と、
前記焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を高温フレーム18中に噴射して溶融させることにより、焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とする焼却灰・飛灰の処理装置とを備え、
前記焼却灰・飛灰の処理装置は、灰溶融炉1と、前記灰溶融炉1内にアセチレンと酸素の混合ガスを供給して前記高温フレーム18の温度を2000℃?3000℃にする溶射トーチ22とを含む、都市ごみの焼却施設。」

2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面と共に次の記載がある。
「【0011】次に、ガス化・溶融工程を詳細に示した図2に基づいて説明する。下水汚泥脱水ケーキ17、沈砂9は都市ゴミなどの廃棄物(バイオマス廃棄物、プラスチック廃棄物、自動車解体廃棄物-例えばシュレッターダストなど)18と共に流動床ガス化炉6に供給され熱分解ガス化を受ける。ガス化の反応温度は450?800度の比較的低温範囲に設定する。」

(2)引用文献2に記載された事項
上記(1)及び図2の記載によれば、引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる。
「都市ゴミは、バイオマス廃棄物を含むこと。」

3 引用文献3について
(1)引用文献3の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面と共に次の記載がある(なお、「・・・」は記載の省略を示す。以下、同様。)。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品粕、農水産廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、廃木材、生ゴミ系廃棄物等の有機系廃棄物の焼却処理方法、さらには廃棄物焼却後に残される焼却灰をセメント用混和材として用いる有機系廃棄物の焼却処理方法に関するものである。」

イ 「【0022】
・・・
実施例1
図5に示すように、家庭用生ゴミ500g (水分85%)を熱風により85℃で60分間乾燥した後、450℃、30分間乾留処理し、酢液20ml、タール10ml固形物45g を得た。このようにして得られた固形物を放置して50℃まで冷却した。この固形物に0.2N硫酸液を1000ml加えた後、ろ紙を用いてろ過して脱塩処理した。含塩排水量は950mlであった。さらに、ろ過後の固形物に水道水1000mlを加え、撹拌し、水洗を充分に行った後、ろ紙で簡易ろ過を行った。含塩排水量は950mlであった。このろ過操作により、水分25%の脱塩固形物42g を得た。この脱塩固形物をルツボに入れ、500℃に空気存在下で加熱し、灰分を7g 得た。この方法により得られた灰分を分析した結果、塩分がきわめて少なく(0.01%以下)、シリカ分が89%(W/V)ときわめて多い、セメント用混和材として好ましい成分を有する良質の灰であった。
・・・
【0024】実施例2
図6に示すように、ビール粕2.5kgを450℃で60分間乾留し、酢液及びタールを合計で987ml、固形物657g を得た。この固形物を放置して90℃まで冷却した後、水道水3リットルを加え、ついで、遠心分離機に導入し5000rpm で10分間遠心分離した。含塩排水量は2.5リットルであった。分離された固形物に水道水3リットルを加え、40分間撹拌水洗した後、ナイロン紗を用いて固液分離した。含塩排水は2.5リットルであった。この固液分離操作により、水分25%の脱塩固形物820g を得た。この脱塩固形物をルツボに入れ、750℃に空気存在下で加熱し、灰分73.1g を得た。この灰を分析した結果、塩分がきわめて少なく(0.01%以下)、シリカ分が84.3%(W/V)ときわめて多い、セメント用混和材として好ましい成分を有する良質の灰であった。」

(2)引用文献3に記載された事項
上記(1)並びに図5及び6の記載によれば、引用文献3には、次の事項が記載されていると認められる。
「家庭用生ゴミやビール粕には、シリカが含まれること。」

4 引用文献4について
(1)引用文献4の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面と共に次の記載がある。
ア 「【請求項1】純酸素バーナーと燃料とを用いて灰を回転式灰溶融炉において溶融する灰溶融において、
プラスチック製品を、粉粒状体に粉砕処理し、
該粉粒状体のプラスチックを、純酸素濃度50%以上の圧力気体により混合せしめて後に前記回転式溶融炉内に吹き込んで燃焼させる、灰溶融における補助燃焼方法。」

イ 「【0001】
【発明の属する分野】本発明は、ゴミ焼却等で発生したボトム灰或いは飛灰等の灰を回転式溶融炉において溶融処理するところの燃焼方法に関する。
・・・
【0003】本発明者は、こうした溶融方法として、効率の良い回転式溶融炉(ロータリーファーネス)を用いる純酸素バーナー方式の灰溶融を手がけてきており、既に多くの特許出願を成している。この純酸素(50%以上の濃度)は、溶融に必要な高温(1300℃?1700℃)を効率良く得るために欠くことのできないものであるが、本発明者は、こうした回転式溶融炉を用いた純酸素バーナー方式の灰溶融を実施するなかで、高価な純酸素及び燃料を多量に消費することに鑑み、運転コストを低減させる方法がないものか研究を続けてきた。」

ウ 「【0011】
【発明の実施の形態】本発明の灰溶融における補助燃焼方法によれば、廃棄されたペットボトル等のプラスチック製品を、粉砕処理し、粉粒状体のプラスチックを、純酸素濃度50%以上の圧力気体に混合させて燃焼させることで、廃棄プラスチックを超高温で燃焼させることができるに至ったのであるが、この際、燃焼に先立ち、プラスチック製品を粉砕処理し、粉粒状体とすることで、前記圧力気体との混合状態、即ち酸素とプラスチックの接触面積を増大させ、燃焼時間を短縮して完全燃焼を行わしめて所要の熱量を確保し、以って、本来の純酸素バーナーと燃料(LPG等)による燃焼比率を少なくして、全体としての燃焼のランニングコストを大幅に削減することが出来た。」

エ 「【0020】図4は、本発明の要部のフローチャートであり、1は、破砕機(複数の破砕機で段階的に)であり、ここで、ペットボトル等のプラスチック製品が、0.5mm以下の粉状体に破砕される。次いで、粉砕された粉状体は、ホッパー2に収容され、この下部に設けられたロータリーバルブ3を介して、定量的に回転式溶融炉4に連続供給される。尚、上記粉状体の大きさは、1?2mm程度の大きさのチップも含んでも良く、要するに、エアー搬送で詰まりを生じない所用の流動性を持つ大きさであれば十分である。因みに、粉状体の大きさが、小さくなるほど、燃焼速度が速くなり、粒径(又は最長部)が0.5mm以下で、実施例では、0.5秒前後で、火炎中心が2000℃程度の超高温で燃焼を行うことができて、燃焼効率を増大させることが分かっている。」

オ 「【0023】従って、主燃焼用の純酸素バーナー10と燃料(LPG)とを用いて灰を回転式灰溶融炉4を用いて溶融するに、先ず、ペットボトル等の廃物プラスチック製品を、破砕機1を用いて、好ましくは0.5mm以下の粉粒状体に粉砕処理し、次いで、該粉粒状体のプラスチックを、補助燃焼用の純酸素バーナー5のエジェクト部5Aのえじぇくと作用を用いて、純酸素濃度50%以上の圧力気体に混合せしめ、しかる後に前記回転式溶融炉4内に吹き込んで燃焼させることが出来るのである。」

(2)引用文献4に記載された事項
上記(1)及び図4の記載によれば、引用文献4には、次の事項が記載されていると認められる。
「純酸素バーナーと燃料とを用いて灰を回転式溶融炉において溶融する灰溶融において、プラスチック製品を、粒径が0.5mm以下の粉粒状体に粉砕処理し、該粉粒状体のプラスチックを、純酸素濃度50%以上の圧力気体により混合せしめて後に前記回転式溶融炉内に吹き込むことにより、火炎中心が2000℃程度の超高温で燃焼を行うこと。」

5 引用文献5について
(1)引用文献5の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、図面と共に次の記載がある。
「【請求項1】
もみ殻の燃焼は一般的に燻すことはできるが燃焼はできない、本発明はもみ殻を燃焼させて熱量を発生させる方法である。
あらかじめ燃焼テーブル17の下部の空気穴18から空気が送り出される装置、送風機12、送風管13、空気ケーシング14を設けた燃焼テーブルに接するように、内部にスクリューコンベヤー3が動設され、上部にもみ殻ホッパー4を設けた燃料供給装置16を設置する。さらにスクリューコンベヤー3を駆動するための装置スプロケット7、10チェーン9ベアリング6を設けるなどの構造のもみ殻燃焼装置。
【請求項2】
図2は、請求項1の装置から発生した熱量を用いて水を加熱することで蒸気を作る構造を示したものである。
本発明のもみ殻燃焼装置を用いて熱量を発生させる。その熱量を用いて水を加熱させ蒸気を作る。さらにその蒸気を用いて蒸気用タービン又は蒸気用水車を回転させることで連動した発電機が駆動し電気を発生させることができる。つまり、もみ殻及び木質(オガ粉)を燃焼させたことで発生する熱量を利用して電気を作る方法。」

(2)引用文献5に記載された事項
上記(1)並びに図1及び2の記載によれば、引用文献5には、次の事項が記載されていると認められる。
「もみ殻を燃焼させて熱量を発生させ、発生した熱量を用いて水を加熱させて蒸気を作り、その蒸気を用いて蒸気用タービン又は蒸気用水車を回転させることで連動した発電機を駆動し、電気を発生させること。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者の「都市ごみ」は、前者の「籾殻」に、「所定の燃料」という限りにおいて一致する。
そして、後者の「都市ごみを用意する工程」は、前者の「発電のための燃料として籾殻を用意する工程」に、「所定の燃料を用意する工程」という限りにおいて一致する。

・後者の「前記都市ごみを燃焼させる工程」は、前者の「前記籾殻を燃焼させ、燃焼熱を利用して発電する工程」に、「前記所定の燃料を燃焼させる工程」という限りにおいて一致する。

・後者の「焼却灰または飛灰」は、前者の「粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰」に、「燃焼灰」という限りにおいて一致する。
そして、後者の「前記都市ごみの燃焼によって生成する焼却灰または飛灰を回収する工程」は、前者の「前記籾殻の燃焼によって生成する粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰を回収する工程」に、「前記所定の燃料の燃焼によって生成する燃焼灰を回収する工程」という限りにおいて一致する。

・後者の「篩分けされた粉砕物」は、前者の「粒径が15μm以下の微粒粉」に、「粒径が所定値以下の粉砕物」という限りにおいて一致する。
そして、後者の「回収した前記焼却灰または飛灰を粉砕して、篩分けされた粉砕物にする工程」は、前者の「回収した前記籾殻燃焼灰を粉砕して、粒径が15μm以下の微粒粉にする工程」に、「回収した前記燃焼灰を粉砕して、粒径が所定値以下の粉砕物にする工程」という限りにおいて一致する。

・後者の「灰溶融炉1」及び「高温フレーム18」は、それぞれ前者の「炉」及び「火炎」に相当する。
そして、後者の「前記篩分けされた粉砕物を、灰溶融炉1内の高温フレーム18中に噴射して溶融させることにより、前記焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とする工程」は、前者の「前記微粒粉を、内壁温度が1100℃以上である炉内の火炎中に噴射して溶融させることにより、前記籾殻燃焼灰の微粒粉を非晶質化する工程」に、「前記粉砕物を、炉内の火炎中に噴射して溶融させることにより、前記燃焼灰の粉砕物を非晶質化する工程」という限りにおいて一致する。

・後者の「前記高温フレーム18の温度は2000℃?3000℃」であることは、前者の「前記火炎の温度は1750℃?2500℃」であることに、「前記火炎の温度は2000℃?2500℃を含む範囲の温度」であるという限りにおいて一致する。

・後者の「都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法」は、前者の「籾殻燃焼灰の無害化方法」に、「燃焼灰の処理方法」という限りにおいて一致する。

したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「所定の燃料を用意する工程と、
前記所定の燃料を燃焼させる工程
前記所定の燃料の燃焼によって生成する燃焼灰を回収する工程と、
回収した前記燃焼灰を粉砕して、粒径が所定値以下の粉砕物にする工程と、
前記粉砕物を、炉内の火炎中に噴射して溶融させることにより、前記燃焼灰の粉砕物を非晶質化する工程とを備え、
前記火炎の温度は2000℃?2500℃を含む範囲の温度である、燃焼灰の処理方法。」

[相違点]
[相違点1A]
用意し、燃焼させる「所定の燃料」が、本願発明1は、「籾殻」であるのに対して、引用発明1は、「都市ごみ」である点(以下、「相違点1A」という。)。

[相違点2A]
本願発明1は、「発電のための燃料」を「用意」して「燃焼させ」、「燃焼熱を利用して発電する」のに対して、引用発明1は、「都市ごみ」を「用意」して「燃焼させる」ものの、燃焼熱を利用して発電するか不明である点(以下、「相違点2A」という。)。

[相違点3A]
「所定の燃料の燃焼によって生成する燃焼灰」及びそれを粉砕した「粒径が所定値以下の粉砕物」が、本願発明1は、「籾殻の燃焼によって生成する粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰」及び「粒径が15μm以下の微粒粉」であるのに対して、引用発明1は、「都市ごみの燃焼によって生成する焼却灰または飛灰」及び「篩分けされた粉砕物」であって、粉砕物の大きさは不明である点(以下、「相違点3A」という。)。

[相違点4A]
「前記粉砕物を、炉内の火炎中に噴射して溶融させることにより、燃焼灰の粉砕物を非晶質化する工程」について、本願発明1は、「前記微粒粉を、内壁温度が1100℃以上である炉内の火炎中に噴射して溶融させる」のに対して、引用発明1は、「前記篩分けされた粉砕物を、灰溶融炉1内の高温フレーム18中に噴射して溶融させる」ものの、炉(灰溶融炉1)の内壁温度は不明である点(以下、「相違点4A」という。)。

[相違点5A]
本願発明1は、「前記火炎処理時の支燃ガス中の酸素濃度が40体積%以上であり、前記火炎の温度は1750℃?2500℃であり、前記火炎処理後の微粒粉の非晶質化率が80%以上である」のに対して、引用発明1は、「前記高温フレーム18の温度は2000℃?3000℃」であって、火炎処理時の支燃ガス中の酸素濃度及び火炎処理後の微粒粉の非晶質化率については不明である点(以下、「相違点5A」という。)。

[相違点6A]
本願発明1は、「籾殻燃焼灰の無害化方法」であるのに対して、引用発明1は、「都市ごみの焼却灰・飛灰の処理方法」である点(以下、「相違点6A」という。)。

(2)相違点についての判断
相違点1A、3A及び6Aについて検討する。
引用文献1の記載によれば、引用発明1は、都市ごみの焼却灰・飛灰には揮発性重金属や塩素が多く含まれる等の問題があることを踏まえ(引用文献1の段落【0004】)、高温フレーム内で灰の溶融、重金属および塩類の蒸発または分解を発生させて灰分、重金属および塩類を分別することを前提とする発明である(同段落【0006】)。
これに対し、引用文献5には、上記第4の5(2)のとおり、籾殻を燃焼させることが記載されている。
しかし、籾殻の燃焼灰に揮発性重金属や塩素が多く含まれる等の問題があることは、引用文献2?5のいずれにも記載されておらず、本願の優先日前に技術常識であるとも認められない。
そうすると、引用発明1の「都市ごみ」の燃焼灰・飛灰を、上記引用文献1に記載された問題があるとはいえない「籾殻」の燃焼灰に変更する動機付けは認められない。
よって、引用発明1において、相違点1A、3A及び6Aに係る本願発明1の構成を採用することを、当業者が容易に想到し得たということはできない。

(3)まとめ
そして、本願発明1は、「本発明によれば、クリストバライト化した燃焼灰を火炎処理によって非晶質化しているので、燃焼灰の処理を安全に行うことができる。」との効果を奏するものである。
したがって、本願発明1は、他の相違点について判断するまでもなく、引用発明1及び引用文献2?5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1及び引用文献2?5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明4について
(1)対比
本願発明4と引用発明2とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者の「都市ごみ」は、前者の「籾殻」に、「所定の燃料」という限りにおいて一致する。
そして、後者の「都市ごみを燃焼させる都市ごみ焼却炉」は、前者の「燃焼熱を利用して発電するために、籾殻を燃焼させる燃焼炉」に、「所定の燃料を燃焼させる燃焼炉」という限りにおいて一致する。

・後者の「焼却灰または飛灰」は、前者の「粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰」に、「燃焼灰」という限りにおいて一致する。
また、後者の「篩分けされた粉砕物」は、前者の「粒径15μm以下の微粒粉」に、「粒径が所定値以下の粉砕物」という限りにおいて一致する。
さらに、後者の「粉砕機」は、前者の「粉砕機」に相当する。
そして、後者の「前記都市ごみ焼却炉での燃焼後に回収される焼却灰または飛灰を篩分けされた粉砕物になるまで粉砕する粉砕機」は、前者の「前記燃焼炉での燃焼後に回収される粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰を粒径15μm以下の微粒粉になるまで粉砕する粉砕機」に、「前記燃焼炉での燃焼後に回収される燃焼灰を粒径が所定値以下の粉砕物になるまで粉砕する粉砕機」という限りにおいて一致する。

・後者の「高温フレーム18」及び「焼却灰・飛灰の処理装置」は、それぞれ前者の「火炎」及び「火炎処理機」に相当する。
そして、後者の「前記焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を高温フレーム18中に噴射して溶融させることにより、焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とする焼却灰・飛灰の処理装置」は、前者の「前記籾殻燃焼灰の微粒粉を火炎中に噴射して溶融させることにより、籾殻燃焼灰の微粒粉の非晶質化率を80%以上にする火炎処理機」に、「前記燃焼灰の粉砕物を火炎中に噴射して溶融させることにより、燃焼灰の粉砕物を非晶質化する火炎処理機」という限りにおいて一致する。

・後者の「灰溶融炉1」、「アセチレンと酸素の混合ガス」及び「溶射トーチ22」は、それぞれ前者の「火炎処理炉」、「支燃ガス」及び「支燃ガス供給手段」に相当する。
また、後者の「前記高温フレーム18の温度を2000℃?3000℃にする」ことは、前者の「前記火炎の温度を1750℃?2500℃にする」ことに、「前記火炎の温度を2000℃?2500℃を含む範囲の温度にする」という限りにおいて一致する。
そして、後者の「前記焼却灰・飛灰の処理装置は、灰溶融炉1と、前記灰溶融炉1内にアセチレンと酸素の混合ガスを供給して前記高温フレーム18の温度を2000℃?3000℃にする溶射トーチ22とを含む」は、前者の「前記火炎処理機は、内壁温度が1100℃以上にされた火炎処理炉と、前記火炎処理炉内に酸素濃度が40体積%以上の支燃ガスを供給して前記火炎の温度を1750℃?2500℃にする支燃ガス供給手段とを含む」に、「前記火炎処理機は、火炎処理炉と、前記火炎処理炉内に支燃ガスを供給して前記火炎の温度を2000℃?2500℃を含む範囲の温度にする支燃ガス供給手段とを含む」という限りにおいて一致する。

・後者の「都市ごみの焼却施設」は、前者の「籾殻の燃焼設備」に、「所定の燃料の燃焼設備」という限りにおいて一致する。

したがって、本願発明4と引用発明2との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「所定の燃料を燃焼させる燃焼炉と、
前記燃焼炉での燃焼後に回収される燃焼灰を粒径が所定値以下の粉砕物になるまで粉砕する粉砕機と、
前記燃焼灰の粉砕物を火炎中に噴射して溶融させることにより、燃焼灰の粉砕物を非晶質化する火炎処理機とを備え、
前記火炎処理機は、火炎処理炉と、前記火炎処理炉内に支燃ガスを供給して前記火炎の温度を2000℃?2500℃を含む範囲の温度にする支燃ガス供給手段とを含む、所定の燃料の燃焼設備。」

[相違点]
[相違点1B]
「所定の燃料」が、本願発明4は、「籾殻」であるのに対して、引用発明2は、「都市ごみ」である点(以下、「相違点1B」という。)。

[相違点2B]
本願発明4は、「燃焼炉」が燃焼熱を利用して発電するためのものであるのに対して、引用発明2は、「都市ごみ焼却炉」が燃焼熱を利用して発電をするためのものであるかは不明である点(以下、「相違点2B」という。)。

[相違点3B]
「燃焼炉での燃焼後に回収される燃焼灰」及びそれを粉砕した「粒径が所定値以下の粉砕物」が、本願発明4は、「燃焼炉での燃焼後に回収される粒径数mm?10mmのクリストバライト化した多孔質の籾殻燃焼灰」及び「粒径15μm以下の微粒粉」であるのに対して、引用発明2は、「都市ごみ焼却炉での燃焼後に回収される焼却灰または飛灰」及び「篩分けされた粉砕物」であって、粉砕物の大きさは不明である点(以下、「相違点3B」という。)。

[相違点4B]
「火炎処理機」が「燃焼灰の粉砕物を非晶質化する」ことについて、本願発明4は、「籾殻燃焼灰の微粒粉の非晶質化率を80%以上にする」のに対して、引用発明2は、「焼却灰または飛灰の篩分けされた粉砕物を非晶質球状粒子とする」ものであり、粉砕物の非晶質化率は不明である点(以下、「相違点4B」という。)。

[相違点5B]
「火炎処理機」について、本願発明4は、「内壁温度が1100℃以上にされた火炎処理炉と、前記火炎処理炉内に酸素濃度が40体積%以上の支燃ガスを供給して前記火炎の温度を1750℃?2500℃にする支燃ガス供給手段とを含む」のに対して、引用発明2は、「灰溶融炉1と、前記灰溶融炉1内にアセチレンと酸素の混合ガスを供給して前記高温フレーム18の温度を2000℃?3000℃にする溶射トーチ22とを含む」ものであって、火炎処理炉(灰溶融炉1)の内壁温度及び支燃ガス(アセチレンと酸素の混合ガス)の酸素濃度は不明である点(以下、「相違点5B」という。)。

[相違点6B]
本願発明4は、「籾殻の燃焼設備」であるのに対して、引用発明2は、「都市ごみの焼却施設」である点(以下、「相違点6B」という。)。

(2)相違点についての判断
相違点1B、3B及び6Bは上記1(1)の相違点1A、3A及び6Aと同様の内容であるから、上記1(2)の検討を踏まえると、引用発明2において、引用文献2?5に記載された事項に基いて、上記相違点1B、3B及び6Bに係る本願発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、本願発明4は、他の相違点について判断するまでもなく、引用発明2及び引用文献2?5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-06-10 
出願番号 特願2016-538381(P2016-538381)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F23G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 仲村 靖金丸 治之  
特許庁審判長 紀本 孝
特許庁審判官 藤原 直欣
槙原 進
発明の名称 籾殻燃焼灰の無害化方法および籾殻の燃焼設備  
代理人 特許業務法人アイミー国際特許事務所  
代理人 特許業務法人アイミー国際特許事務所  
代理人 特許業務法人アイミー国際特許事務所  
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