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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G05B
管理番号 1352292
異議申立番号 異議2017-700895  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-22 
確定日 2019-04-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6100428号発明「製造管理システム、クラウドサーバおよび端末コンピュータ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6100428号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?13〕、14、15について訂正することを認める。 特許第6100428号の請求項1、3?15に係る特許を取り消す。 特許第6100428号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6100428号の請求項1?15に係る特許についての出願は、平成28年7月31日に出願され、平成29年3月3日にその特許権の設定登録がされ、平成29年3月22日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

平成29年 9月22日 :特許異議申立人小林敏樹(以下、「特許異議
申立人」という。)より請求項1?15に係
る特許に対する特許異議の申立て
同年12月26日付け:取消理由通知書
平成30年 2月28日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年 4月26日 :特許異議申立人による意見書の提出
同年 9月 4日付け:取消理由通知書(決定の予告)
同年10月 9日 :特許権者と面接
同年11月 1日 :特許権者による意見書の提出

2 訂正の適否
(1)訂正の内容
ア 訂正事項1
特許権者は、特許請求の範囲の請求項1を以下の事項により特定されるとおりの請求項1として訂正することを請求する。
「【請求項1】
製造管理システムであって、
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータと、
前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバと
を備え、
前記端末コンピュータは、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記クラウドサーバに送信する操作情報送信部と
を含み、
前記クラウドサーバは、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報を、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を含む、製造管理システム。」

イ 訂正事項2
特許権者は、特許請求の範囲の請求項2を削除することを請求する。

ウ 訂正事項3
特許権者は、特許請求の範囲の請求項3に「請求項1または請求項2に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

エ 訂正事項4
特許権者は、特許請求の範囲の請求項4に「請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1または請求項3に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

オ 訂正事項5
特許権者は、特許請求の範囲の請求項5に「請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1、請求項3および請求項4のいずれか一項に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

カ 訂正事項6
特許権者は、特許請求の範囲の請求項6に「請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1ならびに請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

キ 訂正事項7
特許権者は、特許請求の範囲の請求項7に「請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1ならびに請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

ク 訂正事項8
特許権者は、特許請求の範囲の請求項13に「請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の製造管理システム」と記載されているのを「請求項1ならびに請求項3から請求項12までのいずれか一項に記載の製造管理システム」に訂正することを請求する。

ケ 訂正事項9
特許権者は、特許請求の範囲の請求項14を以下の事項により特定されるとおりの請求項14として訂正することを請求する。
「【請求項14】
製造作業に従事する作業者が操作する端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって前記端末コンピュータに対して実施される操作入力を示す操作情報として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を備えるクラウドサーバ。」

コ 訂正事項10
特許権者は、特許請求の範囲の請求項15を以下の事項により特定されるとおりの請求項15として訂正することを請求する。
「【請求項15】
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバに、送信する操作情報送信部と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいた前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、前記クラウドサーバから受信する実績情報受信部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記実績情報受信部によって受信された前記実績情報を表示する実績情報表示部と
を備える端末コンピュータ。」

サ 訂正事項11
特許権者は、明細書の段落【0005】を以下の事項により特定されるとおりの段落【0005】として訂正することを請求する。
「【0005】
(1)本明細書に開示する一形態の製造管理システムは、製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータと;前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバとを備える。前記端末コンピュータは、前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と;前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記クラウドサーバに送信する操作情報送信部とを含む。前記クラウドサーバは、前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報を、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と;前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、を生成する実績情報生成部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部とを含む。この形態の製造管理システムによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。その結果、製造作業における現場業務および管理業務の効率化を向上させることができる。」

シ 訂正事項12
特許権者は、明細書の段落【0018】を以下の事項により特定されるとおりの段落【0018】として訂正することを請求する。
「【0018】
(14)本明細書に開示する一形態のクラウドサーバは、製造作業に従事する作業者が操作する端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバであって、前記製造作業に合わせて前記作業者によって前記端末コンピュータに対して実施される操作入力を示す操作情報として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と;前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部とを備える。この形態のクラウドサーバによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。」

ス 訂正事項13
特許権者は、明細書の段落【0019】を以下の事項により特定されるとおりの段落【0019】として訂正することを請求する。
「【0019】
(15)本明細書に開示する一形態の端末コンピュータは、製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータであって、前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と;前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバに、送信する操作情報送信部と;前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいた前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、前記クラウドサーバから受信する実績情報受信部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記実績情報受信部によって受信された前記実績情報を表示する実績情報表示部とを備える。この形態のクラウドサーバによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。」

セ 訂正前の請求項1?13は、請求項2?13が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正事項1?8は、一群の請求項1?13について請求されている。また、明細書に係る訂正事項11は請求項1について請求されている。

ソ 訂正事項9は請求項14に対してされたものであり、明細書に係る訂正事項12は請求項14について請求されている。また訂正事項10は請求項15に対してされたものであり、明細書に係る訂正事項13は請求項15について請求されている。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正事項1
訂正事項1は、「操作入力」、「操作情報」及び「実績情報」をより具体的に特定して限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、明細書の段落【0006】、【0033】、【0072】及び【0082】?【0092】の記載からして、訂正事項1は、当初明細書の記載の範囲内の事項であるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 訂正事項2
訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ 訂正事項3?8
訂正事項3?8は、請求項の削除に伴い、引用先を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ 訂正事項9及び10
訂正事項9及び10は、訂正事項1と同様の訂正を行うものであり、上記アと同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ 訂正事項11?13
訂正事項11?13は、訂正事項1、9及び10に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1?13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?13〕、14、15について訂正することを認める。

3 取消理由の概要
訂正後の請求項1、3?15に係る特許に対して、当審が平成30年9月4日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
請求項1、3?15に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に、甲第1、3?8号証に記載された技術を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1、3?15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由(特許法第29条第2項)について
ア 訂正後の請求項1?15に係る発明
上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1?15に係る発明(以下「本件発明1」などといい、全体を総称して「本件発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
製造管理システムであって、
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータと、
前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバと
を備え、
前記端末コンピュータは、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記クラウドサーバに送信する操作情報送信部と
を含み、
前記クラウドサーバは、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報を、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を含む、製造管理システム。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
請求項1に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、前記端末コンピュータにおけるウェブブラウザを通じて、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取りする、製造管理システム。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の製造管理システムであって、
前記端末コンピュータは、前記作業者による前記操作入力を感知するとともに前記実績情報を表示するタッチパネルを備える機器である、製造管理システム。
【請求項5】
請求項1、請求項3および請求項4のいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、更に、前記端末コンピュータを介して前記作業者を認証する認証部を備える、製造管理システム。
【請求項6】
請求項1ならびに請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、更に、
前記製造作業において製造される製品の種類ごとに、前記作業者が前記製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する技能情報記憶部と、
前記技能情報に基づいて、前記作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する前記端末コンピュータにおける前記操作入力の受け付けを制限する操作入力制限部と
を含む、製造管理システム。
【請求項7】
請求項1ならびに請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、更に、
前記作業者が所属する製造拠点を管理する管理者によって操作可能に構成された管理コンピュータを備え、
前記クラウドサーバは、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに加え、前記管理者が操作する前記管理コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成され、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供するとともに、前記管理者が前記実績情報を認識可能に前記管理コンピュータに対して前記実績情報を提供する、製造管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の製造管理システムであって、
前記実績情報は、
前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、
前記製造拠点における製品の製造に要する平均時間を示す情報と、
前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と、
前記製造拠点における製造の進捗予測を示す情報と、
前記製造拠点における部品の適正在庫数を示す情報と
の少なくとも1つの情報を含む、製造管理システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに対して、前記実績情報に含まれる情報のうち前記製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限する、製造管理システム。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限する、製造管理システム。
【請求項11】
請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する、製造管理システム。
【請求項12】
請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記実績情報は、
前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、
前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と
を含み、
前記クラウドサーバは、更に、前記製造拠点のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である前記一次製品の在庫数を示す情報を編集する情報編集部を含む、製造管理システム。
【請求項13】
請求項1ならびに請求項3から請求項12までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記端末コンピュータの前記操作情報送信部は、前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報を、前記クラウドサーバにリアルタイム通信で送信し、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報をリアルタイム通信で提供する、製造管理システム。
【請求項14】
製造作業に従事する作業者が操作する端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって前記端末コンピュータに対して実施される操作入力を示す操作情報として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を備えるクラウドサーバ。
【請求項15】
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバに、送信する操作情報送信部と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいた前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、前記クラウドサーバから受信する実績情報受信部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記実績情報受信部によって受信された前記実績情報を表示する実績情報表示部と
を備える端末コンピュータ。」

イ 甲号証
甲第1号証:特開平8-77248号公報
甲第2号証:国際公開第2014/076807号
甲第3号証:特開2013-178663号公報
甲第4号証:特開2004-5237号公報
甲第5号証:特開2013-156717号公報
甲第6号証:特開2005-92325号公報
甲第7号証:特開2014-2705号公報
甲第8号証:特開2011-76433号公報

ウ 甲号証の記載事項
(ア)甲第1号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第1号証には、段落【0008】、【0010】、【0014】及び【0015】に次のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
「【0008】
【作用】上記のように構成された資材仕分け作業支援管理システムにおいては、作業者が作業用端末から、現品を特定するコードを入力することにより、サーバに記憶する資材仕分けデータを検索し、その結果を画面表示して作業指示を行い、作業指示の自動化を行うと共に、作業者が入力する作業データにもとづき、サーバが資材仕分け実績データを自動的に生成する。また、作業者が作業用端末から、現品を特定するコードを入力することにより、サーバに記憶する資材仕分けデータを検索し、その結果を画面表示して作業者への作業指示を行い、作業指示の自動化を行うと共に、作業者が入力する作業データにもとづき、サーバが資材仕分け実績データを自動的に生成して、管理用端末から資材仕分けデータ又は資材仕分け実績データを検索することにより、管理情報を出力する。
・・・
【0010】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明の実施例1による資材仕分け作業支援管理システムの構成図、図2は、この発明の実施例1による資材仕分け作業を表すフローチャートである。図において1、3は上記従来の資材仕分け作業システムにおけるものと同様のものであり、その説明を省略する。5は、資材仕分けデータ作成等を行うホストコンピュータ、6は、ホストコンピュータ5より資材仕分けデータを伝送されるとともに資材仕分けデータの一元管理を行うサーバで、排他制御を用いたファイル管理を行い、データの重複更新を防いでいる。7は不足品管理及び進捗(TS)管理を行う管理用端末、8は不足品リストを出力するプリンタ、9は現品票1のバーコードを入力するバーコード入力装置、10は複数梱包現品票3を発行するプリンタで、専用のフォームに複数梱包現品票3を印字する。11は、作業者が資材仕分け作業を行うための資材仕分けデータを表示する作業用端末である。12はサーバ6と各端末間を結ぶネットワークケーブルであり、サーバ6と管理用端末7又は作業用端末11間のデータのやりとりは必ずこのケーブル12を介して行われる。13はサーバ6に管理される資材仕分けデータ、14はサーバ6によって作成され、管理される資材仕分け実績データである。
・・・
【0014】実施例3.実施例3は進捗、実績管理システムについての実施例であり、そのシステム構成は実施例1と同様で、図1のとおりである。図4はこの発明の実施例3による仕分け作業の進捗状況を表示する画面例、図5は、この発明の実施例3による仕分け作業における作業者の日毎の実績を表示する画面例である。図4において、15は資材のトータル件数により伸縮する負荷量で、一目で負荷がわかるようにすると共に作業の進捗に従い四角の中が色付けされていく。16は資材のトータル件数と仕分け完了件数を数字で表す資材件数で、パーセント表示をも行う。17は資材仕分け日程カレンダーで、作業開始予定日から作業完了予定日までの日程をグラフ化したものである。18は当日の日付を表す現在日付である。実施例3では、リアルタイムに更新される資材仕分け実績データ14を、管理用端末7又は作業用端末11から検索することにより、これらの情報を得て、管理用端末7又は作業用端末11の画面に、オーダー毎の仕分け作業進捗度、日程状況をビジブル化することにより、作業者以外でも現在の最新情報(この画面は2分毎にサーバの再検索を行っている)を把握することが可能となる。
【0015】次に図5は作業者の日毎の作業実績を画面表示したものであり、これも資材仕分け実績データ14を検索することによって得られる。従来は作業者の1日の仕分け件数、仕分け時間などは第三者が見てもわからなかったが、資材入力件数とその処理時間を加算してデータを構築し1日の処理件数と作業時間の表示を行っている。これにより、TS設定の目安とすることができる。」

(イ)甲第2号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第2号証には、段落[0018]?[0028]、[0045]、[0046]、[0058]、[0059]、[0092]及び[0093]に次のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
「[0018]
<第1の実施形態> 以下、本発明にかかる製造工程の管理支援装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[0019]
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。このシステムは、製品を製造する工場内の機器と、それらと通信可能なハードウェア手段とを備えて構成される。
[0020]
図示されるハンディターミナル10は、製品を製造する工場内に備えられる。ハンディターミナル10は、製品の製造工程のそれぞれにおいて、その製造工程の有する作業の実績を入力するための入力手段である。詳しくは、各製造工程は、加工対象を加工するために利用する部材(加工機械)の調整作業と、加工対象を加工する作業とを有し、ハンディターミナル10には、調整作業の開始時、調整作業の完了時、および加工作業の完了時のそれぞれにその旨が入力される。ここでは、調整作業の完了時が加工作業の開始時であるとして、これらを単一の入力で済ませるようにしている。
[0021]
ハンディターミナル10は、バーコードスキャナの機能を有している。また、ハンディターミナル10は、ハンディターミナル10の有する機能を指定すべく操作される操作手段(入力ボタン10a)と、指定された機能等を外部に表示するための表示部(ディスプレイ10b)とを備える。
[0022]
一方、各製造工程には、その製造工程を示す1次元コードが記載された工程コード表12と、各加工対象または加工対象群(ロット)の番号(製造番号)を示す1次元コードが記載された製造命令書14とが付与される。
[0023]
ここで、作業者は、調整作業の開始や調整作業の完了、加工作業の完了に際し、ハンディターミナル10の入力ボタン10aを操作することで、調整作業の開始、調整作業の完了、および加工作業の完了のそれぞれを指示した後、1次元コードをハンディターミナル10によって読み込む。これが作業に応じた入力となる。
[0024]
なお、ハンディターミナル10には、作業中に不良品が生じた場合に不良の種類と不良品の数とを入力する機能や、正常に加工された加工対象物の数(良品数)等を入力する機能も有している。
[0025]
ハンディターミナル10から入力されたデータは、工場内に備えられたハードウェア手段(工場実績収集PC20)に送信される。工場実績収集PC20は、演算手段と、ハンディターミナル10からの入力信号に基づき生成される実績データを有した実績収集データベース22とを備える。実績収集データベース22は、工場実績収集PC20内蔵の記憶手段を備えて構成されるファイル管理システムである。
[0026]
各工場に備えられる工場実績収集PC20は、進捗サーバ30と通信可能とされている。進捗サーバ30は、演算手段と、進捗状況を管理するためのデータを記憶する進捗状況データベースを有する。進捗状況データベースは、進捗サーバ30内蔵の記憶手段を備えて構成されるファイル管理システムである。ここで、進捗状況を管理するためのデータは、演算手段による演算によって生成される。なお、本実施形態においては、上記ハンディターミナル10を用いて入力されるべきものが入力されていない場合であっても、進捗サーバ30を介して管理者により手入力が可能となっている。
[0027]
基幹サーバ40は、製造工程を管理する最上流のハードウェア演算処理手段である。基幹サーバ40は、各種管理に関するデータを記憶する管理データベース42を有している。管理データベース42は、基幹サーバ40内蔵の記憶手段を備えて構成されるファイル管理システムである。
[0028]
支援ツール実行サーバ50は、進捗サーバ30や基幹サーバ40と通信し、実績収集の処理を支援する処理を行う。支援ツール実行サーバ50は、本実施形態において製造工程の管理支援装置を構成する。支援ツール実行サーバ50は、演算結果に関するデータをディスプレイ52に出力可能とされており、これによりディスプレイ52では、演算結果を表示する。なお、本実施形態において、ディスプレイ52は、実際には、単一ではなく各工場の作業員が閲覧可能なように、各工場に設けられることを想定している。
・・・
[0045]
この一連の処理では、まずステップS50において、工程コードを選択する。続くステップS52においては、製造番号を選択する。そして、ステップS54においては、工程コードおよび製造番号によって特定される段取開始日時および段取完了日時に基づき、正味段取時間を算出する。この処理では、まず、工場実績収集PC20に、工程コードおよび製造番号を通知する。これにより、工場実績収集PC20により、実績収集データベース22へのアクセス処理がなされ、工程コードおよび製造番号によって特定される段取開始日時および段取完了日時が読み出され、それらに関するデータが進捗サーバ30に送信される。この送信処理に応じて、段取開始日時および段取完了日時に関するデータを受信し、段取完了日時と段取開始日時とを適宜の手法で表記し、これらの差分演算を行うことで、正味段取時間を算出する。
[0046]
続くステップS56においては、工程コードおよび製造番号によって特定される段取完了日時および加工完了日時に基づき、正味加工時間を算出する。この処理では、まず、工場実績収集PC20に、工程コードおよび製造番号を通知する。これにより、工場実績収集PC20により、実績収集データベース22へのアクセス処理がなされ、工程コードおよび製造番号によって特定される段取完了日時および加工完了日時が読み出され、それらに関するデータが進捗サーバ30に送信される。この送信処理に応じて、段取完了日時および加工完了日時に関するデータを受信し、加工完了日時と段取完了日時とを適宜の手法で表記し、これらの差分演算を行うことで、正味加工時間を算出する。
・・・
[0058]
図7に、ディスプレイ52の表示例を示す。図示されるように、本実施形態では、総合判定として取り得るベクトルである「III」,「IIO」,「IOI」,「IOO」,「OII」,「OIO」,「OOI」のそれぞれの全体に対する割合が、工程コード(α***1,α***2,…α**11,β***1,β***2,…,β***9)毎に表記されている。さらに、上記割合は、いくつかの工程を行う部署(A**1,A**2)毎にも表記されている。図に示す例では、工程コードα***1,α***2,…α**11を実行するのが、部署A**1であり、工程コードβ***2,…,β***9を実行するのが、部署A**2である。
[0059]
このように視覚表示することで、ハンディターミナル10を用いて行うべき入力が実際になされているか否かが非常に明確に認識可能となる。このため、入力が実際になされない割合が多い場合、入力が実際になされるようにするにはいかにすればよいかという対策を考えることが可能となる。そして、対策を施しこれが成果を上げるなら、先の図4に示した処理によって算出される正味段取時間や正味加工時間についての実績収集結果の信頼性を向上させることができる。もっとも、この対策は、作業環境等の改善に限らない。事実、図7に示した表示を工場の作業員等が閲覧可能とするのみで十分な効果(50%未満の確率が90%程度に上昇)が得られることが発明者らによって確認されている。これは、作業員の意識改革を促すことや作業員の自発的な改善を促すことにつながったためと考えられる。
・・・
[0092]
(9)互いに相違する製造番号についての段取開始日時同士の時間差の絶対値が過度に短い場合、入力が想定どおりになされないと判断した。これにより、個々の入力が実際になされている場合であっても、想定されたタイミングで入力がなされていない場合にこれを検出することができる。ちなみに、ここで想定通りに入力がなされていない場合とは、作業員の過失やルール違反を必ずしも意味しない。たとえば、調整作業を行った後、調整のなされた加工機械を用いて互いに相違する製造番号に対応する加工対象物(加工対象物群)を加工する作業を引き続き行うのが現場の実情にあう場合、互いに相違する製造番号に対応する段取開始に伴う入力が連続的になされることがある。この場合、これを想定外の入力として一旦扱うことで、現場における作業が実績管理を行う側の想定からずれているなら、ずれているという事実に気づく機会を得ることができる。<その他の実施形態> 以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。以下、変形例を例示列挙する。
[0093]
「製造工程に従い時間的に隣接してなされる異種類の作業の入力について」 調整作業の開始に伴う入力結果、調整作業の完了に伴う入力結果、および加工する作業の完了に伴う入力結果からなるものに限らない。たとえば、調整作業の開始に伴う入力結果、調整作業の完了に伴う入力結果、加工する作業の開始に伴う入力結果、および加工する作業の完了に伴う入力結果からなるものであってもよい。」

以上の記載によれば、甲第2号証には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「製品を製造する工場内の機器と、それらと通信可能なハードウェア手段とを備えて構成されるシステムであって、
加工作業に従事する作業者によって操作可能に構成されたハンディターミナル10と、
前記作業者が操作する前記ハンディターミナル10とデータをやり取り可能に構成された工場実績収集PC20、進捗サーバ30、支援ツール実行サーバ50と
を備え、
前記ハンディターミナル10は、
前記加工作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記加工作業の加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力と、前記加工作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力と、を受け付ける入力ボタン10aと、
前記入力ボタン10aによって受け付けられた前記加工作業の加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータとして、前記入力を示す入力されたデータと、前記加工作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータとを、前記工場実績収集PC20、進捗サーバ30、支援ツール実行サーバ50に送信する送信部と
を含み、
前記工場実績収集PC20、進捗サーバ30、支援ツール実行サーバ50は、
前記加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータおよび前記加工作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータを、前記ハンディターミナル10から受信する工場実績収集PC20と、
前記工場実績収集PC20によって受信された前記加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータおよび前記加工作業の完了時に合わせて前記作業者によって実施される入力を示す入力されたデータに基づいて、前記加工作業における前記作業者の実績情報として、正味加工時間を、生成する進捗サーバ30と、
を含む、製品を製造する工場内の機器と、それらと通信可能なハードウェア手段とを備えて構成されるシステム。」

(ウ)甲第3号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第3号証には、段落【0015】、【0018】、【0019】及び【0022】に次のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
「【0015】
[システム構成]
まず、本実施例に係るモニタリングシステムの構成について説明する。図1は、実施例1に係るモニタリングシステムの構成を示す図である。図1に示すモニタリングシステム1は、複数の地域や国にわたって拠点3A?3Cを展開している企業の各種の業務に関する状況をモニタリングするモニタリングサービスを提供するものである。
・・・
【0018】
このうち、拠点サーバ30は、製品を生産する工場や製品を販売する販売店等の拠点3に配設される業務管理向けのサーバ装置である。拠点サーバ30の一例としては、生産(Production)、販売(Sales)、在庫(Inventory)、いわゆる生販在であるPSIを始め、財務、調達、流通などの各種の業務データを管理するERP(Enterprise Resource Planning)サーバなどを採用できる。
【0019】
かかる拠点サーバ30は、各種の業務の計画または実績に関する業務データをマスタサーバ10へアップロードする。このとき、拠点サーバ30は、業務データをリアルタイムでアップロードすることとしてもよいし、また、バッチ処理でアップロードすることとしてもかまわない。なお、以下では、一例として、拠点サーバ30が製品の販売計画に関する伝票データをマスタサーバ10へアップロードする場合を想定して以下の説明を行う。
・・・
【0022】
マスタサーバ10は、各種のマスタを管理するサーバ装置である。マスタサーバ10は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、また、クラウドとして実装することもできる。」

(エ)甲第4号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第4号証には、段落【0001】、【0012】及び【0017】に次のとおり記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作業進捗管理支援方法およびシステムに係り、特に建設現場等における作業の進捗管理をネットワーク利用により支援するための作業進捗管理支援方法およびシステムに関する。
・・・
【0012】
図2は、本実施形態に係るシステムにおけるデータの流れと、サーバ10とクライアント12間での機能を実現する手段の関連を示した構成図である。まず、クライアント12側には、ウェブブラウジング機能部16を有し、サーバ10から発信される情報を表示手段にて閲覧できるように出力する情報閲覧部18を備えている。これは、ウェブページを閲覧するためのアプリケーションソフトにより、サーバ10からのHTMLファイル形式や画像ファイル形式で伝送されてくるデータをレイアウト解析して表示・再生するものである。また、閲覧したウェブページから進捗判定日の登録や予めクライアント12側に格納してある実績情報の登録を行うデータ入力部20、およびデジタルカメラ21により撮像した現場画像情報や実績データなどを格納している記憶手段22、並びに記憶手段22に格納されているデータをサーバ10に転送するファイル転送部24を備える。
・・・
【0017】
本例では進捗率としては下記(1)式のようにして算出する。
【数1】
進捗率=(実績値/計画値)×100(%)
上記式1により、作業の進捗率を過去の時点での進捗率と併せてグラフ等にて出力し、サーバ側でWebペ一ジを生成する。
進捗管理者は、進捗判定結果を示した上記Webペ一ジをネットワーク経由にて閲覧することで、実績登録の指示をすることなく適正な進捗状況を把握できるようになる。」

(オ)甲第5号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第5号証には、段落【0008】及び【0013】に次のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0008】
図1は、本実施の形態における製造工程管理システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。製造工程管理システム10は、複数の製造工程を経て製造される製品の各製造工程における製造履歴を管理するためのシステムであって、各製造工程に配置され、各製造工程の作業者が操作可能な操作端末であるタブレット端末100と、バーコード情報を読み取って、その読み取りデータをタブレット端末100へ送信するバーコードリーダー200と、タブレット端末100と通信を行って各製造工程における製造履歴を管理するためのパソコン300とで構成される。
・・・
【0013】
タッチパネル103は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、タブレット端末100の操作者である各製造工程の作業者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、タブレット端末100を操作することができる。タッチパネル103は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置102へ出力する。」

(カ)甲第6号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第6号証には、段落【0028】に次のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
「【0028】
作業実績取得サーバ3は、作業実績取得プログラムPの作業者認証用照合部P11の機能により、作業者端末2から与えられた指紋データと、指紋マスタファイルP25内の指紋データとを照合する(S6)。作業実績取得サーバ3において、一致した指紋データが見つかると、指紋マスタファイルP25からその指紋データに係る従業者番号が取り出され、作業実績取得プログラムPの初期情報表示部P12の機能により、その従業者番号に基づいて、人事情報マスタファイルP21及び製造番号マスタファイルP22から、所定の情報が取り出され、取り出された情報を適宜含む図10又は図11に示すようなデータ入力画面情報を従業者端末2に送信してデータ入力画面PIC2又はPIC3を従業者端末2に表示させる(S7?S9)。また、この際に、作業者認証用照合部P11から作業者認証使用入力部P13へ従業員番号や引き渡され、作業実績ファイルP24のその従業者の情報などを更新し得るように状態にする(S10)。」

(キ)甲第7号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第7号証には、段落【0072】に次のとおり記載されている。
「【0072】
さらにまた、管理サーバ3は、作業者端末4から入力される情報に基づいて、禁止項目に該当する場合に作業者端末4に警告を発する警告部(不図示)を有していてもよい。禁止項目は、作業工程マスタ23に格納されており、各作業工程について定められた作業者の技量、作業者の人数及び他の作業工程との同時実施状況の少なくとも一つに関する情報である。禁止項目が、各作業工程について定められた作業者の技量である場合、作業者マスタ21には各作業者の技量が登録されているとともに、作業工程マスタ23には各作業工程について定められた作業者の技量が登録されている。そして、作業者IDに基づいて作業者マスタ21から読み出された作業者の技量と、資材S/Nに基づいて作業工程マスタ23から読み出された作業者の技量とを比較して、実際に作業を行う作業者が、作業工
程を行うに当たって必要とされる作業者の技量に達していない場合には警告部から警告を発する。」

(ク)甲第8号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第8号証には、段落【0011】、【0018】、【0027】及び【0030】に次のとおり記載されている。
「【0011】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る作業管理システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、作業管理システムSは、生産管理サーバ1と、作業管理サーバ2と、人事DB(Database)サーバ3と、作業指示用端末4とが、LAN(Local Area Network)5によって相互に接続されて構成されている。生産管理サーバ1、作業管理サーバ2、及び人事DBサーバ3は、それぞれのコンピュータが所定のプログラムを実行することによって、その機能が具現化される。
・・・
【0018】
作業管理サーバ2が備える作業可否判定部21は、作業指示用端末4にて検出されたタグ付き伝票7に対応して着手しようとしている作業に要求される資格を生産管理サーバ1から取得するとともに、作業指示用端末4にて検出された個人IDカード6に対応する作業者が保有している資格を人事DBサーバ3から取得して、両者を照合することによって、当該作業者による作業の可否を判定し、「作業不可」と判定した場合には、作業指示用端末4の表示部44に、作業詳細指示画面81ではなく、作業禁止である旨を示す警告画面82(図6参照)を表示させる。それによって、必要な資格を有さない作業者による作業の着手を禁止する。
・・・
【0027】
図3(c)に示す必要資格登録テーブル13には、作業区分ID、必要資格、レベル1、レベル2、レベル3の各欄からなるレコードが、前記の作業区分IDのそれぞれに1対1に対応して登録される。
・・・
【0030】
図4は、人事DBサーバ3が備える保有資格DBに登録されるテーブルの構成例である。図4に示すように、個人別保有資格テーブル31には、個人ID、保有資格、取得日の各欄からなるレコードが、在籍するすべての従業員が保有する個々の資格に1対1に対応して登録される。」

エ 対比・判断
(ア)請求項1に係る発明
本件発明1と引用発明とを対比する。

引用発明の「製品を製造する工場内の機器と、それらと通信可能なハードウェア手段とを備えて構成されるシステム」は、本件発明1の「製造管理システム」に相当する。
以下同様に、「加工作業」は「製造作業」に、「ハンディターミナル10」は「端末コンピュータ」に、「加工作業の開始時である調整作業の完了時」は「製造作業の開始」に、「加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて作業者によって実施される入力」は「第1の操作入力」に、「加工作業の完了時」は「製造作業の完了」に、「加工作業の完了時に合わせて作業者によって実施される入力」は「第3の操作入力」に、「入力ボタン10a」は「操作入力部」に、「加工作業の開始時である調整作業の完了時に合わせて作業者によって実施される入力を示す入力されたデータ」は「第1の操作情報」に、「加工作業の完了時に合わせて作業者によって実施される入力を示す入力されたデータ」は「第3の操作情報」に、「工場実績収集PC20」は「操作受信部」に、「正味加工時間」は「作業時間を示す情報」に、それぞれ相当する。

また、引用発明の「工場実績収集PC20、進捗サーバ30、支援ツール実行サーバ50」は、本件発明1の「クラウドサーバ」に対して、「サーバ」である点では相当する。

してみると、引用発明と本件発明1とは、次の点で相違し、その余の点で一致する。

<相違点1>
本件発明1においては、「クラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバ」を用いているのに対し、引用発明においては、工場実績収集PC20、進捗サーバ30、支援ツール実行サーバ50は通信可能ではあるものの、クラウドサーバではない点。

<相違点2>
本件発明1においては、「製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力」を受け付け、「第2の操作入力を示す第2の操作情報」を送信し、「1単位の作業に要する作業時間を示す情報」を生成しているのに対し、引用発明においては、「繰り返される1単位の作業」について示されていない点。

<相違点3>
本件発明1においては、「実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する」のに対し、引用発明においては、実績情報に相当する正味加工時間をハンディターミナル10に対して提供してない点。

相違点1について
甲第3号証に記載されているように、クラウドコンピューティング自体は従来周知な技術であり、引用発明を実施するにあたり、コンピュータとしてクラウドサーバを用いるかどうかは、適宜選択しうる程度の事項にすぎない。

相違点2について
甲第2号証の段落[0022]には「一方、各製造工程には、その製造工程を示す1次元コードが記載された工程コード表12と、各加工対象または加工対象群(ロット)の番号(製造番号)を示す1次元コードが記載された製造命令書14とが付与される。」と記載されており、「加工対象または加工対象群(ロット)」の記載から、加工対象が一つまたは複数(ロット)の場合が示されている。
そして、段落0024には、「ハンディターミナル10には、作業中に不良品が生じた場合に不良の種類と不良品の数とを入力する機能や、正常に加工された加工対象物の数(良品数)等を入力する機能も有している。」と記載されているのであるから、「加工対象群(ロット)」の場合には、ロットのうちのどれが良品であるか不良品であるかを判断して入力することとなる。

ところで、本件特許の出願時の2016年当時の製造現場では、誤って不良品が出荷された場合に、いつどこで作られたかを追跡できるようにすることは、例えば、自動車のリコール制度や食品の不良品の回収事例を示すまでもなく一般的に行われていたことであり、ロットのうちの一部に不良品が発生したような場合に、不良の原因を特定できるように、各種の製造の記録を残しておくことは通常行われていたことである。

そうすると、引用発明においては「正味加工時間」を求めているところ、加工対象が「加工対象群(ロット)」の場合に、正味加工時間として「加工対象群(ロット)」全体としての総加工時間のみならず、ロットの一つ一つの加工時間の情報を取得しようとすることは十分に想到し得た事項にすぎない。
そして、そのような場合にはロットの一つ一つの加工が終わった時間を把握する必要があることは明らかであり、本件発明1における第2の操作入力を行うことに困難性はない。

相違点3について
甲第4号証には、本件発明1の端末コンピュータに相当するクライアントに進捗状況を表示させる技術が示されている。
そして、甲第2号証の段落[0059]に「図7に示した表示を工場の作業員等が閲覧可能とするのみで十分な効果(50%未満の確率が90%程度に上昇)が得られることが発明者らによって確認されている。これは、作業員の意識改革を促すことや作業員の自発的な改善を促すことにつながったためと考えられる。」と記載されていることからして、作業員に各種の情報を閲覧可能とするに際して、甲第2号証におけるハンディターミナル10に表示させることは、ハンディターミナル10の表示能力等に応じて適宜選択しうる程度の事項にすぎない。

そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件発明1の奏する作用効果は、引用発明及び甲第3、4号証に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件発明1は、引用発明及び甲第3、4号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(イ)請求項3に係る発明
本件発明3で特定されたウェブブラウザを用いる点は、甲第4号証に記載されている。

したがって、本件発明3は、引用発明及び甲第3、4号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(ウ)請求項4に係る発明
本件発明4で特定されたタッチパネルを用いる点は、甲第5号証に記載されている。

したがって、本件発明4は、引用発明及び甲第3?5号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(エ)請求項5に係る発明
本件発明5で特定された作業者の認証する認証部は、例えば、甲第6号証に記載されている指紋データとの照合のように、コンピュータ分野では通常に用いられている技術にすぎない。

したがって、本件発明5は、引用発明及び甲第3?6号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(オ)請求項6に係る発明
本件発明6で特定された「前記クラウドサーバは、更に、前記製造作業において製造される製品の種類ごとに、前記作業者が前記製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する技能情報記憶部と、前記技能情報に基づいて、前記作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する前記端末コンピュータにおける前記操作入力の受け付けを制限する操作入力制限部とを含む」点に関しては、作業者の能力に応じて、作業の制限をすることは、甲第7、8号証に記載されているように従来周知である。

したがって、本件発明6は、引用発明及び甲第3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(カ)請求項7に係る発明
本件発明7で特定された「管理コンピュータ」に関しては、甲第2号証の段落[0027]の「基幹サーバ40は、製造工程を管理する最上流のハードウェア演算処理手段」との記載からして、「基幹サーバ40」は、管理コンピュータといえるものであるし、甲第1号証に示された「管理用端末7」のように、管理コンピュータを設けることは、従来周知である。

したがって、本件発明7は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(キ)請求項8に係る発明
本件発明8で特定された「前記実績情報は、前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、前記製造拠点における製品の製造に要する平均時間を示す情報と、前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と、前記製造拠点における製造の進捗予測を示す情報と、前記製造拠点における部品の適正在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を含む」点に関しては、甲第2号証の段落[0024]の「正常に加工された加工対象物の数(良品数)等」との記載からして、甲第2号証には、「製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報」に相当する構成は示されており、また、甲第1号証の段落【0015】に「処理件数と作業時間の表示」と記載されているように「件数」や「時間」を情報として管理することは通常行われていることにすぎず、どのような情報を用いて管理するかは、必要に応じて適宜選択しうる程度の事項にすぎない。

したがって、本件発明8は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(ク)請求項9に係る発明
本件発明9で特定された「前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに対して、前記実績情報に含まれる情報のうち前記製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限する」点に関しては、上記(オ)において指摘したように、状況に応じて制限をすることはコンピュータの分野では通常行われていることであり、どのような情報を提供して、どのような情報は提供しないかは、通常考えることにすぎない。

したがって、本件発明9は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(ケ)請求項10に係る発明
本件発明10で特定された「前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限する」点に関しては、上記(ク)における指摘と同様に、どのような情報を提供して、どのような情報は提供しないかは、通常考えることにすぎない。

したがって、本件発明10は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(コ)請求項11に係る発明
本件発明11で特定された「前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する」点に関しては、上記(ク)における指摘と同様に、どのような情報を提供して、どのような情報は提供しないかは、通常考えることにすぎない。

したがって、本件発明11は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(サ)請求項12に係る発明
本件発明12で特定された「前記実績情報は、前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報とを含み、前記クラウドサーバは、更に、前記製造拠点のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である前記一次製品の在庫数を示す情報を編集する情報編集部を含む」点に関しては、情報を編集することは当然に行うことにすぎない。

したがって、本件発明12は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(シ)請求項13に係る発明
本件発明13で特定された「リアルタイム」に関しては、甲第1号証の段落【0014】、甲第3号証の段落【0019】に「リアルタイム」と記載されているように、リアルタイムで通信するかどうかは、情報を必要とするタイミング等に応じて適宜選択しうる程度の事項にすぎない。

したがって、本件発明13は、引用発明及び甲第1、3?8号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(ス)請求項14に係る発明
本件発明14は、本件発明1のうちの一部である「クラウドサーバ」を特定したものであり、上記(ア)と同様の理由により、引用発明及び甲第3、4号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(セ)請求項15に係る発明
本件発明15は、本件発明1のうちの一部である「端末コンピュータ」を特定したものであり、上記(ア)と同様の理由により、引用発明及び甲第3、4号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

よって、請求項15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(ソ)甲第1号証を主引用例とする取消理由について
取消理由通知においては、甲第1号証を主引用例とする取消理由を通知したが、甲第1号証には、訂正された「第1の操作入力」、「第2の操作入力」及び「第3の操作入力」に相当する構成が甲第1号証には存在しないため、甲第1号証を主引用例としては、本件発明1、3?15は、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

5 特許権者の主張について
本件特許については、平成30年10月9日に合議体は特許権者と面接を実施した。ここで、合議体は、請求項の記載では自動車工場の製造ラインのような技術をも含み得ると指摘した。
これに対し、特許権者は本件発明は自動車工場のラインのような技術は対象ではなく、ラインのような技術が含まれないような訂正を検討する旨の主張をしたものの、訂正はなされず、平成30年11月1日に提出された意見書において次の主張がなされた。
「なお、繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて作業者によって実施される第2の操作入力に基づいて実績情報を生成する関係上、本件発明の管理対象である製造作業は、当該製造作業の前後で実施される他の製造作業の進捗に影響を受けずに作業者が従事可能な製造作業である。そのため、本件発明の管理対象である製造作業には、当該製造作業の前後で実施される他の製造作業の進捗に影響を受ける製造ラインの一部として組み込まれる製造作業や、複数の作業者が複数の製造作業に1台の端末コンピュータを並行して使用する製造作業は含まれない。」
しかしながら、本件発明の管理対象である製造作業は、当該製造作業の前後で実施される他の製造作業の進捗に影響を受けずに作業者が従事可能な製造作業であることは、特許請求の範囲に記載されているわけではなく、この記載の主張があったからといって、ただちに、本件発明を限定的に解釈することはできない。

そうすると、本件明細書に具体的な実施例が記載されていないので、請求項に記載された文言からしか発明を解釈せざるを得ないところ、自動車の製造ラインであれば、誰かが最初に製造ラインを起動するのであるから、第1の操作入力は存在し、工場を休止するような時には、製造ラインを停止するのであるから、第3の操作入力も存在する。
そして、組立工程において作業員1人1人が、自動車1台毎に部品を組み付ける作業が本件発明1の「製造作業において繰り返される1単位の作業」に相当し、工場の稼働率を向上させるためには、それぞれの組み付け作業にどの程度の時間がかかっているかを把握することも当然に行われていることに過ぎない。このとき、最近は作業者がいちいち入力操作をしないでも組み付け作業が終了したことが把握できるようになっているかも知れないが、自動化が進む過程では、作業者がいちいち操作をせざるを得ない時代があったことも自明であり、第2の操作入力に相当する事項の把握も、自動車の製造ラインにおいては当然に行われているのであるから、請求項の記載では、自動車の製造ラインのような技術をも含み得るという合議体の心証を覆すことはできない。
したがって、このような心証をもって、本件出願時の技術常識を認識した上で、上記4(1)エ(ア)における相違点の判断を行ったことに誤りはない。

また、同意見書の(4)には次の主張がなされている。
「甲第2号証には、『製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力』に基づいて『前記製造作業における前記作業者の実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報』を生成する構成が存在しないため、甲第2号証を主引用例としては、本件発明1,3?15は、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。」
しかしながら、後段の記載は「少なくとも1つ」であるから、引用発明では、「正味加工時間」を求めている以上、「前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報」と何ら相違するものではない。
そうすると、「第2の操作入力」の有無が相違点としての主張となるが、上記4(1)エ(ア)のとおりであり、引用発明において、加工対象が「加工対象群(ロット)」の場合に、ロット一つ一つの加工終了時間を把握することに困難性があったものとは認められないので、当該主張を採用することはできない。

5.むすび
以上のとおり、本件発明1、3?15に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明1、3?15に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、請求項2に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項2に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
製造管理システム、クラウドサーバおよび端末コンピュータ
【技術分野】
【0001】
本明細書は、製造管理システム、クラウドサーバおよび端末コンピュータを開示する。
【背景技術】
【0002】
作業者が従事する製造作業における現場業務および管理業務の効率化を目的として種々の製造管理システムが提案されている。例えば、特許文献1には、ネットワークを介して相互に接続された作業端末および管理装置を備える製造管理システムについて開示されている。特許文献1の作業端末は、ICタグから取得した作業者および作業内容を示す情報を用いて、作業実績を示すデータを作成し、そのデータを管理装置に対してネットワークを介して送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5764676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造作業における現場業務および管理業務の効率化を向上させる観点から、製造管理システムの構成について改善する余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本明細書に開示する一形態の製造管理システムは、製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータと;前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバとを備える。前記端末コンピュータは、前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と;前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記クラウドサーバに送信する操作情報送信部とを含む。前記クラウドサーバは、前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報を、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と:前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部とを含む。この形態の製造管理システムによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。その結果、製造作業における現場業務および管理業務の効率化を向上させることができる。
【0006】
(2)上記形態の製造管理システムにおいて、前記端末コンピュータの前記操作入力部は、前記製造作業における1単位の作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される操作入力を受け付けてもよい。前記実績情報は、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と;前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と;前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を含んでもよい。この形態の製造管理システムによれば、1単位の作業を基準として実績情報を管理できる。
【0007】
(3)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバは、前記端末コンピュータにおけるウェブブラウザを通じて、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取りしてもよい。この形態の製造管理システムによれば、ウェブブラウザを備える端末コンピュータを用意することによって、端末コンピュータを通じたクラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0008】
(4)上記形態の製造管理システムにおいて、前記端末コンピュータは、前記作業者による前記操作入力を感知するとともに前記実績情報を表示するタッチパネルを備える機器であってもよい。この形態の製造管理システムによれば、タッチパネルを備える端末コンピュータを用意することによって、端末コンピュータを通じたクラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0009】
(5)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバは、更に、前記端末コンピュータを介して前記作業者を認証する認証部を備えてもよい。この形態の製造管理システムによれば、端末コンピュータを通じて作業者の認証を容易に実施できる。
【0010】
(6)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバは、更に、前記製造作業において製造される製品の種類ごとに、前記作業者が前記製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する技能情報記憶部と;前記技能情報に基づいて、前記作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する前記端末コンピュータにおける前記操作入力の受け付けを制限する操作入力制限部とを含んでもよい。この形態の製造管理システムによれば、端末コンピュータを通じて作業者に対する製造作業への従事可否の判断を容易に実施できる。
【0011】
(7)上記形態の製造管理システムにおいて、更に、前記作業者が所属する製造拠点を管理する管理者によって操作可能に構成された管理コンピュータを備えてもよい。前記クラウドサーバは、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに加え、前記管理者が操作する前記管理コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されてもよい。前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供するとともに、前記管理者が前記実績情報を認識可能に前記管理コンピュータに対して前記実績情報を提供してもよい。この形態の製造管理システムによれば、クラウドサーバを介して管理コンピュータに実績情報を提供するため、管理者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0012】
(8)上記形態の製造管理システムにおいて、前記実績情報は、前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と;前記製造拠点における製品の製造に要する平均時間を示す情報と;前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と;記製造拠点における製造の進捗予測を示す情報と;前記製造拠点における部品の適正在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を含んでもよい。この形態の製造管理システムによれば、製造拠点を基準として実績情報を管理できる。
【0013】
(9)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに対して、前記実績情報に含まれる情報のうち前記製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限してもよい。この形態の製造管理システムによれば、製造拠点を単位とする実績情報の提供を作業者に対して制限できる。
【0014】
(10)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限してもよい。この形態の製造管理システムによれば、第2の製造拠点に関する実績情報の提供を第1の製造拠点の管理者に対して制限できる。
【0015】
(11)上記形態の製造管理システムにおいて、前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供してもよい。この形態の製造管理システムによれば、第2の製造拠点に関する実績情報を第1の製造拠点の管理者に提供できる。
【0016】
(12)上記形態の製造管理システムにおいて、前記実績情報は、前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と;前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報とを含んでもよい。前記クラウドサーバは、更に、前記製造拠点のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である前記一次製品の在庫数を示す情報を編集する情報編集部を含んでもよい。この形態の製造管理システムによれば、サプライチェーンを構成する第1の製造拠点と第2の製造拠点との間における在庫管理の連携を実現できる。
【0017】
(13)上記形態の造管理システムにおいて、前記端末コンピュータの前記操作情報送信部は、前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報を、前記クラウドサーバにリアルタイム通信で送信してもよい。前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報をリアルタイム通信で提供してもよい。この形態の製造管理システムによれば、リアルタイムに操作入力を実績情報へと反映できる。
【0018】
(14)本明細書に開示する一形態のクラウドサーバは、製造作業に従事する作業者が操作する端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバであって、前記製造作業に合わせて前記作業者によって前記端末コンピュータに対して実施される操作入力を示す操作情報として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と;前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部とを備える。この形態のクラウドサーバによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0019】
(15)本明細書に開示する一形態の端末コンピュータは、製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータであって、前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と;前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバに、送信する操作情報送信部と;前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいた前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、前記クラウドサーバから受信する実績情報受信部と;前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記実績情報受信部によって受信された前記実績情報を表示する実績情報表示部とを備える。この形態のクラウドサーバによれば、端末コンピュータにおいて製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバにおいて実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0020】
本明細書に記載する技術は、製造管理システム、クラウドサーバおよび端末コンピュータ以外の種々の形態で実現できる。本明細書に記載する技術は、例えば、上記形態の製造管理システムにおいて実施される製造管理方法、上記形態のクラウドサーバを実現させるためのプログラム、上記形態の端末コンピュータを実現させるためのプログラム、上記形態の管理コンピュータを実現させるためのプログラムなどの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】製造管理システムを示す説明図である。
【図2】クラウドサーバの詳細構成を示す説明図である。
【図3】端末コンピュータの詳細構成を示す説明図である。
【図4】段取り作業における製造管理システムの動作を示す説明図である。
【図5】段取り作業の開始を示す操作入力を受け付けるグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す説明図である。
【図6】段取り作業に使用されるグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す説明図である。
【図7】組付け作業における製造管理システムの動作を示す説明図である。
【図8】組付け作業の開始を示す操作入力を受け付けるグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す説明図である。
【図9】組付け作業に使用されるグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す説明図である。
【図10】製造拠点の管理者が実績情報を閲覧する際における製造管理システムの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、製造管理システム10を示す説明図である。製造管理システム10は、クラウドコンピューティングによって製造作業に関する情報を管理するシステムである。製造管理システム10は、クラウドサーバ100と、端末コンピュータ200と、管理コンピュータ600とを備える。クラウドサーバ100は、端末コンピュータ200および管理コンピュータ600の各々とインターネットをして接続可能に構成されている。
【0023】
端末コンピュータ200は、製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成されたコンピュータである。管理コンピュータ600は、作業者が所属する製造拠点を管理する管理者によって操作可能に構成されたコンピュータである。本実施形態では、端末コンピュータ200および管理コンピュータ600は、別々の機器として構成されている。他の実施形態では、端末コンピュータ200および管理コンピュータ600は、同一の機器であってもよく、作業者がログインした場合には端末コンピュータ200として機能するとともに、管理者がログインした場合には管理コンピュータ600として機能するように構成されていてもよい。
【0024】
本実施形態では、製造管理システム10は、3つの製造拠点MF1,MF2,MF3における製造作業に関する情報を管理する。3つの製造拠点MF1,MF2,MF3は、一連のサプライチェーンを構成する。製造拠点MF3は、製品CM3を製造する工場である。製造拠点MF2は、製品CM3を部品として組み込んだ製品CM2を製造する工場である。製造拠点MF1は、製品CM2を部品として組み込んだ製品CM1を製造する工場である。
【0025】
本実施形態では、3つの製造拠点MF1,MF2,MF3の各々に、端末コンピュータ200および管理コンピュータ600が配備されている。他の実施形態では、管理コンピュータ600は、製造拠点とは異なる場所に配備されていてもよい。
【0026】
本実施形態では、3つの製造拠点MF1,MF2,MF3の各々では、製造作業として、段取り作業、組付け作業、検品作業を実施する。段取り作業は、組付け作業に使用する部品を準備する作業である。組付け作業は、段取り作業で準備された部品を組み付けることによって製品を製造する作業である。検品作業は、組付け作業で製造された製品を検査する作業である。本実施形態では、製造管理システム10は、段取り作業、組付け作業、検品作業を含む一連の製造作業を管理する。
【0027】
図2は、クラウドサーバ100の詳細構成を示す説明図である。クラウドサーバ100は、作業者が操作する端末コンピュータ200とクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されている。本実施形態では、クラウドサーバ100は、管理者が操作する管理コンピュータ600ともクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されている。本実施形態では、クラウドサーバ100は、インターネットに接続されたサーバコンピュータによって実現されている。
【0028】
クラウドサーバ100は、認証部110と、認証情報記憶部115と、操作情報受信部130と、実績情報生成部140と、実績情報記憶部145と、実績情報提供部150と、技能情報記憶部160と、操作入力制限部165と、情報編集部170とを備える。本実施形態では、クラウドサーバ100における各部の機能は、コンピュータプログラムに基づいてソフトウェア的に実現される。他の実施形態では、クラウドサーバ100における各機能の少なくとも一部は、回路構成に基づいてハードウェア的に実現されてもよい。
【0029】
クラウドサーバ100の認証部110は、端末コンピュータ200を介して作業者を認証する。本実施形態では、認証部110は、作業者によって端末コンピュータ200に入力された作業者の識別番号および暗唱番号を取得した後、その識別番号および暗証番号を認証情報記憶部115に記憶されている情報と照合することによって作業者を認証する。本実施形態では、認証部110は、端末コンピュータ200を操作する作業者の認証と同様に、管理コンピュータ600を介して管理者を認証する。
【0030】
クラウドサーバ100の認証情報記憶部115は、端末コンピュータ200を使用する作業者を識別する識別番号と、その識別番号に設定された暗証番号とを記憶する。本実施形態では、認証情報記憶部115は、端末コンピュータ200を使用する作業者に関する情報と同様に、管理コンピュータ600を使用する管理者に関する情報を記憶する。本実施形態では、認証情報記憶部115に記憶されている情報は、クラウドサーバ100を管理する管理者によって予め設定される。
【0031】
クラウドサーバ100の操作情報受信部130は、製造作業に合わせて作業者によって端末コンピュータ200に対して実施される操作入力を示す操作情報を、端末コンピュータ200から受信する。本実施形態では、操作情報受信部130は、製造作業における1単位の作業の完了に合わせて作業者によって実施される操作入力を示す操作情報を、端末コンピュータ200から受信する。
【0032】
クラウドサーバ100の実績情報生成部140は、操作情報受信部130によって受信された操作情報に基づいて、製造作業における作業者の実績を示す実績情報を生成する。クラウドサーバ100の実績情報記憶部145は、実績情報生成部140によって生成される実績情報を記憶する。
【0033】
本実施形態では、実績情報生成部140は、作業者による1単位の作業に関する情報として、作業者が1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、作業者が1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、作業者が1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報とを生成する。
【0034】
本実施形態では、実績情報生成部140は、作業者が所属する製造拠点に関する情報として、製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、製造拠点における製品の製造に要する平均時間を示す情報と、製造拠点における部品の在庫数を示す情報と、製造拠点における製造の進捗予測を示す情報と、製造拠点における部品の適正在庫数を示す情報とを生成する。本実施形態では、実績情報生成部140は、製品の製造に要する平均時間に基づいて、翌日以降に予定される製造作業の予想作業時間を算出することによって、製造の進捗予測を示す情報を生成する。本実施形態では、実績情報生成部140は、過去の実績製造数と今後の計画製造数とに基づいて、部品の適正在庫数を算出することによって、部品の適正在庫数を示す情報を生成する。
【0035】
クラウドサーバ100の実績情報提供部150は、端末コンピュータ200を操作する作業者が実績情報を認識可能に、端末コンピュータ200に対して実績情報を提供する。本実施形態では、実績情報提供部150は、実績情報記憶部145に記憶されている実績情報を端末コンピュータ200に対して提供する。本実施形態では、実績情報提供部150は、端末コンピュータ200に対する実績情報の提供と同様に、管理コンピュータ600を操作する管理者が実績情報を認識可能に、管理コンピュータ600に対して実績情報を提供する。
【0036】
本実施形態では、実績情報提供部150は、作業者が操作する端末コンピュータ200に対して、実績情報に含まれる情報のうち製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限する。本実施形態では、実績情報提供部150は、作業者が操作する端末コンピュータ200に対して、製造拠点における製造の進捗予測を示す情報の提供と、製造造拠点における部品の適正在庫数を示す情報の提供とを制限する。
【0037】
本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限する。本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF1を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF2,MF3に関する実績情報のうち、作業者ごとの実績情報の提供と、製造拠点における製品の製造に要する平均時間の提供とを制限する。本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF2を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF3に関する実績情報のうち、作業者ごとの実績情報の提供と、製造拠点における製品の製造に要する平均時間の提供とを制限する。本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF3を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF2に関する実績情報のうち、作業者ごとの実績情報の提供と、製造拠点における製品の製造に要する平均時間の提供とを制限する。
【0038】
本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する。本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF1を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF2,MF3における製造の進捗予測を示す情報を提供する。本実施形態では、実績情報提供部150は、製造拠点MF2を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1における部品の在庫数を示す情報と、製造拠点MF3における製造の進捗予測を示す情報とを提供する。実績情報提供部150は、製造拠点MF3を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF2における部品の在庫数を示す情報を提供する。
【0039】
クラウドサーバ100の技能情報記憶部160は、製造作業において製造される製品の種類ごとに、作業者が製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する。本実施形態では、技能情報記憶部160に記憶されている技能情報は、管理コンピュータ600を操作する管理者によって予め設定される。
【0040】
クラウドサーバ100の操作入力制限部165は、技能情報記憶部160に記憶されている技能情報に基づいて、作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する端末コンピュータ200における操作入力の受け付けを制限する。本実施形態では、操作入力制限部165は、技能情報記憶部160に記憶されている技能情報に基づいて、作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する端末コンピュータ200における操作入力の受け付けを禁止する。
【0041】
クラウドサーバ100の情報編集部170は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である一次製品の在庫数を示す情報を編集する。本実施形態では、情報編集部170は、製造拠点MF3から製造拠点MF2に製品CM3が入荷された場合、実績情報のうち、製造拠点MF3における製品CM3の実績数を、製造拠点MF2における製品CM2の部品である製品CM3の在庫数に加算することによって、実績情報を編集する。本実施形態では、情報編集部170は、製造拠点MF2から製造拠点MF1に製品CM2が入荷された場合、実績情報のうち、製造拠点MF2における製品CM2の実績数を、製造拠点MF1における製品CM1の部品である製品CM2の在庫数に加算することによって、実績情報を編集する。
【0042】
図3は、端末コンピュータ200の詳細構成を示す説明図である。端末コンピュータ200は、操作入力部220と、操作情報送信部230と、実績情報受信部250と、実績情報表示部260とを備える。本実施形態では、端末コンピュータ200は、ウェブブラウザWBを備え、クラウドサーバ100は、端末コンピュータ200のウェブブラウザWBを通じて、作業者が操作する端末コンピュータ200とクラウドコンピューティングによってデータをやり取りする。本実施形態では、端末コンピュータ200における各部の機能は、ウェブブラウザWB上で動作するウェブアプリケーションに基づいてソフトウェア的に実現される。他の実施形態では、端末コンピュータ200における各機能の少なくとも一部は、オペレーティングシステム上で動作するコンピュータプログラムに基づいてソフトウェア的に実現されてもよいし、回路構成に基づいてハードウェア的に実現されてもよい。
【0043】
本実施形態では、端末コンピュータ200は、作業者による操作入力を感知するとともに実績情報を表示するタッチパネル210を備える機器である。本実施形態では、端末コンピュータ200は、タブレット型パーソナルコンピュータである。他の実施形態では、端末コンピュータ200は、ノート型パーソナルコンピュータであってもよいし、デスクトップ型パーソナルコンピュータであってもよい。
【0044】
端末コンピュータ200の操作入力部220は、製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力を受け付ける。本実施形態では、操作入力部220は、製造作業における1単位の作業の完了に合わせて作業者によって実施される操作入力を受け付ける。本実施形態では、操作入力部220は、作業者からタッチパネル210を介して操作入力を受け付ける。
【0045】
端末コンピュータ200の操作情報送信部230は、操作入力部220によって受け付けられた操作入力を示す操作情報を、クラウドサーバ100に送信する。本実施形態では、操作情報送信部230は、リアルタイム通信によって操作情報をクラウドサーバ100に送信する。本実施形態では、操作情報送信部230によって送信される操作情報は、作業者による操作入力があった旨を示す情報である。
【0046】
端末コンピュータ200の実績情報受信部250は、操作情報に基づいた製造作業における作業者の実績を示す実績情報を、クラウドサーバ100から受信する。本実施形態では、実績情報受信部250は、リアルタイム通信によって実績情報をクラウドサーバ100から受信する。
【0047】
端末コンピュータ200の実績情報表示部260は、作業者が実績情報を認識可能に、実績情報受信部250によって受信された実績情報を表示する。本実施形態では、実績情報表示部260は、タッチパネル210を通じて実績情報を表示する。
【0048】
図4は、段取り作業における製造管理システム10の動作を示す説明図である。図4の紙面左側には、端末コンピュータ200における段取り作業端末処理を示すフローチャートが図示されている。図4の紙面右側には、クラウドサーバ100における段取り作業サーバ処理を示すフローチャートが図示されている。
【0049】
端末コンピュータ200は、段取り作業に従事する作業者からの操作入力に基づいて、図4の段取り作業端末処理を開始する。端末コンピュータ200は、段取り作業端末処理を開始した場合、作業者を製造管理システム10にログインさせるログイン処理を実行する(ステップS110)。本実施形態では、端末コンピュータ200は、タッチパネル210によって構成されるグラフィカルユーザインタフェースを介して、段取り作業に従事する作業者からログイン情報を受け付ける。本実施形態では、ログイン情報は、作業者の識別番号および暗証番号を含む。本実施形態では、端末コンピュータ200は、作業者のログイン情報をクラウドサーバ100に送信する。
【0050】
ログイン処理(ステップS110)においてクラウドサーバ100において作業者のログインが許可された場合、端末コンピュータ200は、操作入力部220の機能に基づいて動作することによって、段取り作業に従事する作業者から段取り作業の開始を示す操作入力を受け付ける(ステップS120)。
【0051】
図5は、段取り作業の開始を示す操作入力を受け付けるグラフィカルユーザインタフェース310の一例を示す説明図である。グラフィカルユーザインタフェース310は、クラウドサーバ100から提供されるデータに基づいてタッチパネル210に構成される。
【0052】
グラフィカルユーザインタフェース310は、段取り作業の計画情報を製品ごとに表示するボックス320を備える。ボックス320は、表示部322と、開始ボタン324と、表示部326と、表示部327と、表示部328とを有する。
【0053】
ボックス320の表示部322は、段取り作業の対象となる製品の品番を表示する。ボックス320の開始ボタン324は、そのボックス320に表示されている製品に関し、段取り作業の開始を示す操作入力を受け付けるボタンである。本実施形態では、端末コンピュータ200は、タッチパネル210によって構成されるグラフィカルユーザインタフェース310の開始ボタン324を通じて、段取り作業に従事する作業者から段取り作業の開始を示す操作入力を受け付ける。
【0054】
ボックス320の表示部326は、そのボックス320に表示されている製品に関し、現時点で段取り作業が完了している総数を表示する。ボックス320の表示部327は、そのボックス320に表示されている製品に関し、現時点で段取り作業が計画されている総数を表示する。ボックス320の表示部328は、そのボックス320に表示されている製品に関し、段取り作業の計画総数に対する完了総数の割合を数字およびグラフで表示する。本実施形態では、段取り作業が全て完了している製品に関するボックス320には、開始ボタン324が表示されない(図5の紙面右側のボックス320を参照)。
【0055】
段取り作業の開始を示す操作入力を受け付けた場合、端末コンピュータ200は、操作情報送信部230の機能に基づいて動作することによって、段取り作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する(ステップS130)。本実施形態では、端末コンピュータ200は、操作情報として、操作入力を受け付けた開始ボタン324に対応する製品に対する段取り作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する。
【0056】
段取り作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信した後(ステップS130)、端末コンピュータ200は、実績情報受信部250および実績情報表示部260の機能に基づいて動作することによって、段取り作業の作業内容を表示するとともに段取り作業の進行状況を受け付けるユーザインタフェースを表示する(ステップS140)。
【0057】
図6は、段取り作業に使用されるグラフィカルユーザインタフェース330の一例を示す説明図である。グラフィカルユーザインタフェース330は、段取り作業の作業内容を表示するとともに段取り作業の進行状況を受け付けるユーザインタフェースである。グラフィカルユーザインタフェース330は、クラウドサーバ100から提供されるデータに基づいてタッチパネル210に構成される。グラフィカルユーザインタフェース330は、完了ボタン332と、ボックス340と、ボックス350とを備える。
【0058】
グラフィカルユーザインタフェース330のボックス340は、表示部342と、表示部343と、ラジオボタン344と、テキストボックス346とを有する。ボックス340の表示部342は、段取り作業の対象となる製品の品番を表示する。ボックス340の表示部343は、段取り作業の対象となる製品に関する作業内容情報を表示する。図6の例では、表示部343は、現時点で段取り作業が完了している総数(「本日の実績」)と、現時点で段取り作業が計画されている総数(「本日の計画」)と、1つのロットに含まれる製品の個数(「ロットサイズ」)とを表示する。
【0059】
ボックス340のラジオボタン344は、ロット数を指定して段取り作業を実施する態様と、全てのロットを指定して段取り作業を実施する態様との選択を作業者から受け付ける。ボックス340のテキストボックス346は、ラジオボタン344においてロット数を指定して段取り作業を実施する態様が選択される場合に、ロット数の入力を作業者から受け付ける。
【0060】
グラフィカルユーザインタフェース330のボックス350は、表示部351と、チェックボックス352とを有する。ボックス350の表示部351は、段取り作業の対象となる製品に関する作業内容情報を表示する。図6の例では、表示部351は、準備すべき部品の各々について、部品名、使用数および在庫数を表示する。ボックス350のボックス350は、準備すべき部品の各々に対応して用意され、作業者によって準備が完了した部品の選択を作業者から受け付ける。
【0061】
グラフィカルユーザインタフェース330の完了ボタン332は、段取り作業の完了を示す操作入力を受け付けるボタンである。本実施形態では、完了ボタン332は、全てのチェックボックス352が選択された場合に、作業者から操作入力を受け付け可能となる。
【0062】
完了ボタン332を通じて段取り作業の完了を示す操作入力を受け付けた場合、端末コンピュータ200は、その操作入力を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する(ステップS170)。その後、端末コンピュータ200は、段取り作業端末処理を終了する。
【0063】
クラウドサーバ100は、段取り作業に従事する作業者からの操作入力に基づいて、図4の段取り作業サーバ処理を開始する。クラウドサーバ100は、段取り作業サーバ処理を開始した場合、認証部110の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を介して段取り作業の作業者を認証する(ステップS210)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、作業者によって端末コンピュータ200に入力された作業者の識別番号および暗唱番号を取得した後、その識別番号および暗証番号を認証情報記憶部115に記憶されている情報と照合することによって作業者を認証する。
【0064】
段取り作業の作業者を認証した後(ステップS210)、クラウドサーバ100は、実績情報提供部150の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を操作する作業者に、段取り作業の作業計画を示す計画情報を提供する(ステップS220)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、実績情報記憶部145に実績情報として記憶されている計画情報を、端末コンピュータ200を操作する作業者に、グラフィカルユーザインタフェース310を通じて提供する。
【0065】
その後、クラウドサーバ100は、操作情報受信部130の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200から段取り作業の開始を示す操作情報を受信した場合、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、操作情報を受信した日時を、段取り作業を開始する作業開始時刻として記録する(ステップS230)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、作業者および段取り作業を特定する情報と関連付けた作業開始時刻を実績情報として実績情報記憶部145に記憶する。
【0066】
作業開示時刻を記録した後(ステップS230)、クラウドサーバ100は、実績情報提供部150の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を操作する作業者に、段取り作業の作業内容を示す作業内容情報を提供する(ステップS240)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、実績情報記憶部145に実績情報として記憶されている作業内容情報を、端末コンピュータ200を操作する作業者に、グラフィカルユーザインタフェース330を通じて提供する。
【0067】
その後、クラウドサーバ100は、操作情報受信部130の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200から段取り作業の完了を示す操作情報を受信した場合、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、操作情報を受信した日時を、段取り作業を終了した作業終了時刻として記録する(ステップS270)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、作業者および段取り作業を特定する情報と関連付けた作業終了時刻を実績情報として実績情報記憶部145に記憶する。
【0068】
作業終了時刻を記録した後(ステップS270)、クラウドサーバ100は、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、段取り作業における作業者の実績を示す実績情報を生成する(ステップS280)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、段取り作業における作業者の実績を示す実績情報として、今回の段取り作業で実施した製品の段取り数を示す情報と、作業開始時刻および作業終了時刻から算出される今回の段取り作業に要した作業時間を示す情報と、今回の段取り作業で準備した部品の数を減算した部品の在庫数を示す情報とを生成する。
【0069】
段取り作業における作業者の実績を示す実績情報を生成した後(ステップS280)、クラウドサーバ100は、今回の実績情報を用いて、実績情報記憶部145に記憶されている段取り作業の計画情報を更新する(ステップS290)。その後、クラウドサーバ100は、段取り作業サーバ処理を終了する。
【0070】
図7は、組付け作業における製造管理システム10の動作を示す説明図である。図7の紙面左側には、端末コンピュータ200における組付け作業端末処理を示すフローチャートが図示されている。図7の紙面右側には、クラウドサーバ100における組付け作業サーバ処理を示すフローチャートが図示されている。
【0071】
端末コンピュータ200は、組付け作業に従事する作業者からの操作入力に基づいて、図7の組付け作業端末処理を開始する。端末コンピュータ200は、組付け作業端末処理を開始した場合、段取り作業端末処理におけるログイン処理(図4のステップS110)と同様に、作業者を製造管理システム10にログインさせるログイン処理を実行する(ステップS310)。
【0072】
ログイン処理(ステップS310)においてクラウドサーバ100において作業者のログインが許可された場合、端末コンピュータ200は、操作入力部220の機能に基づいて動作することによって、組付け作業に従事する作業者から組付け作業の開始を示す操作入力を受け付ける(ステップS320)。
【0073】
図8は、組付け作業の開始を示す操作入力を受け付けるグラフィカルユーザインタフェース410の一例を示す説明図である。グラフィカルユーザインタフェース410は、クラウドサーバ100から提供されるデータに基づいてタッチパネル210に構成される。
【0074】
グラフィカルユーザインタフェース410は、組付け作業の計画情報を製品ごとに表示するボックス420を備える。ボックス420は、表示部422と、表示部423と、開始ボタン424と、表示部426と、表示部427と、表示部428と、表示部429とを有する。
【0075】
ボックス420の表示部422は、組付け作業の対象となる製品の品番を表示する。ボックス420の表示部423は、そのボックス420に表示されている製品に関し、段取り作業が完了している総数、すなわち、現時点で組付け作業を実施できる製品の総数を表示する。ボックス420の開始ボタン424は、そのボックス420に表示されている製品に関し、組付け作業の開始を示す操作入力を受け付けるボタンである。本実施形態では、端末コンピュータ200は、タッチパネル210によって構成されるグラフィカルユーザインタフェース410の開始ボタン424を通じて、組付け作業に従事する作業者から組付け作業の開始を示す操作入力を受け付ける。
【0076】
ボックス420の表示部426は、そのボックス420に表示されている製品に関し、現時点で組付け作業が完了している総数を表示する。ボックス420の表示部427は、そのボックス420に表示されている製品に関し、現時点で組付け作業が計画されている総数を表示する。ボックス420の表示部428は、そのボックス420に表示されている製品に関し、組付け作業の計画総数に対する完了総数の割合を数字およびグラフで表示する。ボックス420の表示部429は、そのボックス420に表示されている製品に関する実績情報として、現時点までに組付け作業に要した積算時間を表示する。本実施形態では、組付け作業が全て完了している製品に関するボックス420には、開始ボタン424が表示されない(図8の紙面右側のボックス420を参照)。
【0077】
本実施形態では、組付け作業が全て完了している製品に関するボックス420には、そのボックス420に表示されている製品に関し、作業者が製造作業に従事可能な製造技能を有していない場合、開始ボタン424に変えてマーク421が表示される(図8の紙面中央のボックス420を参照)。ボックス420に対するマーク421の表示は、クラウドサーバ100が操作入力制限部165の機能に基づいて動作することによって実現される。これによって、クラウドサーバ100は、作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する端末コンピュータ200における操作入力の受け付けを禁止する。
【0078】
組付け作業の開始を示す操作入力を受け付けた場合、端末コンピュータ200は、操作情報送信部230の機能に基づいて動作することによって、組付け作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する(ステップS330)。本実施形態では、端末コンピュータ200は、操作情報として、操作入力を受け付けた開始ボタン424に対応する製品に対する組付け作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する。
【0079】
組付け作業の開始を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信した後(ステップS330)、端末コンピュータ200は、実績情報受信部250および実績情報表示部260の機能に基づいて動作することによって、組付け作業の作業内容を表示するとともに組付け作業の進行状況を受け付けるユーザインタフェースを表示する(ステップS340)。
【0080】
図9は、組付け作業に使用されるグラフィカルユーザインタフェース430の一例を示す説明図である。グラフィカルユーザインタフェース430は、組付け作業の作業内容を表示するとともに組付け作業の進行状況を受け付けるユーザインタフェースである。グラフィカルユーザインタフェース430は、クラウドサーバ100から提供されるデータに基づいてタッチパネル210に構成される。グラフィカルユーザインタフェース430は、ボタン434と、完了ボタン432と、ボックス440と、カウントアップボタン450とを備える。
【0081】
グラフィカルユーザインタフェース430のボックス440は、表示部442と、表示部444とを有する。ボックス440の表示部442は、組付け作業の対象となる製品の品番を表示する。ボックス440の表示部444は、組付け作業の対象となる製品に関する作業内容情報を表示する。図9の例では、表示部444は、現時点で組付け作業が完了している総数(「本日の実績」)と、現時点で組付け作業が計画されている総数(「本日の計画」)と、1つのロットに含まれる製品の個数(「ロットサイズ」)と、現時点における組付け作業の対象となっているロット番号(「現在のロット」)と、組付け作業の対象となる製品に関し段取り作業が完了している総数(「段取り済み数」)とを表示する。
【0082】
グラフィカルユーザインタフェース430のカウントアップボタン450は、組付け作業における1単位の作業である1つの製品の組付け作業の完了に合わせて作業者によって実施される操作入力を受け付けるボタンである。カウントアップボタン450は、表示部452と、表示部453とを有する。カウントアップボタン450の表示部452は、現時点における組付け作業の対象となっているロットに関し、現時点で組付け作業が完了している製品の総数を表示する。カウントアップボタン450の表示部453は、1つのロットに含まれる製品の個数(「ロットサイズ」)を表示する。本実施形態では、作業者は、1つの製品の組付け作業を終えるごとに、カウントアップボタン450をタッチする。カウントアップボタン450に対する一回のタッチに応じて、カウントアップボタン450の表示部452に表示される数が1ずつ加算される。
【0083】
グラフィカルユーザインタフェース430のボタン434は、1つのロットに含まれる製品の全てについて組付け作業の完了を示す操作入力を受け付けるボタンである。本実施形態では、ボタン434は、カウントアップボタン450の表示部452に表示される個数と、表示部453に表示される個数とが同じ場合に、作業者から操作入力を受け付け可能となる。本実施形態では、作業者は、1つのロットに含まれる製品の全てについて組付け作業を終えるごとに、ボタン434をタッチする。ボタン434に対するタッチに応じて、次のロットに対する組付け作業へと移行し、カウントアップボタン450の表示部452に表示される個数は、初期状態である「0」になる。
【0084】
グラフィカルユーザインタフェース430の完了ボタン432は、組付け作業の完了を示す操作入力を受け付けるボタンである。本実施形態では、完了ボタン432は、作業者が組付け作業を終了する任意のタイミングで、作業者から操作入力を受け付ける。
【0085】
端末コンピュータ200は、操作入力部220および操作情報送信部230の機能に基づいて動作することによって、カウントアップボタン450を通じて1単位の作業完了を示す操作入力を受け付けた場合(ステップS345「NO」)、その操作入力を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する(ステップS350)。その後、端末コンピュータ200は、グラフィカルユーザインタフェース430を更新する(ステップS340)。
【0086】
完了ボタン432を通じて組付け作業の完了を示す操作入力を受け付けた場合、端末コンピュータ200は、その操作入力を示す操作情報をクラウドサーバ100に送信する(ステップS370)。その後、端末コンピュータ200は、組付け作業端末処理を終了する。
【0087】
クラウドサーバ100は、組付け作業に従事する作業者からの操作入力に基づいて、図7の組付け作業サーバ処理を開始する。クラウドサーバ100は、組付け作業サーバ処理を開始した場合、段取り作業サーバ処理における認証(図4のステップS410)と同様に、認証部110の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を介して組付け作業の作業者を認証する(ステップS410)。
【0088】
組付け作業の作業者を認証した後(ステップS410)、クラウドサーバ100は、実績情報提供部150の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を操作する作業者に、組付け作業の作業計画を示す計画情報を提供する(ステップS420)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、実績情報記憶部145に実績情報として記憶されている計画情報を、端末コンピュータ200を操作する作業者に、グラフィカルユーザインタフェース410を通じて提供する。
【0089】
その後、クラウドサーバ100は、操作情報受信部130の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200から組付け作業の開始を示す操作情報を受信した場合、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、操作情報を受信した日時を、組付け作業を開始する作業開始時刻として記録する(ステップS430)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、作業者および組付け作業を特定する情報と関連付けた作業開始時刻を実績情報として実績情報記憶部145に記憶する。
【0090】
作業開示時刻を記録した後(ステップS430)、クラウドサーバ100は、実績情報提供部150の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200を操作する作業者に、組付け作業の作業内容を示す作業内容情報を提供する(ステップS440)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、実績情報記憶部145に実績情報として記憶されている作業内容情報を、端末コンピュータ200を操作する作業者に、グラフィカルユーザインタフェース430を通じて提供する。
【0091】
クラウドサーバ100は、操作情報受信部130の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200から1単位の組付け作業の完了を示す操作情報を受信した場合、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、1単位の組付け作業の作業内容に応じて、実績情報記憶部145に記憶されている実績情報を更新する。本実施形態では、クラウドサーバ100は、1単位の組付け作業の作業内容に応じて、1単位の組付け作業で製造した製品の個数を製品在庫の総数に加算することによって、実績情報記憶部145の実績情報を更新する。本実施形態では、クラウドサーバ100は、1単位の組付け作業の作業内容に応じて、1単位の組付け作業に使用した部品の個数を部品在庫の総数から減算することによって、実績情報記憶部145の実績情報を更新する。本実施形態では、クラウドサーバ100は、1単位の組付け作業の作業内容に応じて、組付け作業の作業進捗を更新することによって、実績情報記憶部145の実績情報を更新する。
【0092】
クラウドサーバ100は、操作情報受信部130の機能に基づいて動作することによって、端末コンピュータ200から組付け作業の完了を示す操作情報を受信した場合、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、操作情報を受信した日時を、組付け作業を終了した作業終了時刻として記録する(ステップS470)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、作業者および組付け作業を特定する情報と関連付けた作業終了時刻を実績情報として実績情報記憶部145に記憶する。
【0093】
作業終了時刻を記録した後(ステップS470)、クラウドサーバ100は、実績情報生成部140の機能に基づいて動作することによって、組付け作業における作業者の実績を示す実績情報を生成する(ステップS480)。本実施形態では、クラウドサーバ100は、組付け作業における作業者の実績を示す実績情報として、今回の組付け作業で実施した製品の組付け数を示す情報と、作業開始時刻および作業終了時刻から算出される今回の組付け作業に要した作業時間を示す情報と、今回の組付け作業で使用した部品の数を減算した部品の在庫数を示す情報とを生成する。
【0094】
段取り作業における作業者の実績を示す実績情報を生成した後(ステップS480)、クラウドサーバ100は、今回の実績情報を用いて、実績情報記憶部145に記憶されている組付け作業の計画情報を更新する(ステップS490)。その後、クラウドサーバ100は、組付け作業サーバ処理を終了する。
【0095】
本実施形態では、段取り作業および組付け作業に続く検品作業においても、図4および図7に示す処理と同様に、クラウドサーバ100と端末コンピュータ200の間で、検品作業に応じて端末コンピュータ200で受け付けられた操作入力に基づいて、クラウドサーバ100において実績情報が生成されるとともに、クラウドサーバ100から端末コンピュータ200に対して実績情報が提供される。
【0096】
図10は、製造拠点の管理者が実績情報を閲覧する際における製造管理システム10の動作を示す説明図である。図10の紙面左側には、管理コンピュータ600における実績情報閲覧処理を示すフローチャートが図示されている。図10の紙面右側には、クラウドサーバ100における実績情報提供処理を示すフローチャートが図示されている。
【0097】
管理コンピュータ600は、製造拠点を管理する管理者からの操作入力に基づいて、図10の実績情報閲覧処理を開始する。管理コンピュータ600は、実績情報閲覧処理を開始した場合、端末コンピュータ200によるログイン処理(図4のステップS110)と同様に、管理者を製造管理システム10にログインさせるログイン処理を実行する(ステップS510)。ログイン処理(ステップS510)においてクラウドサーバ100において管理者のログインが許可された場合、管理コンピュータ600は、クラウドサーバ100から提供される製造拠点に関する実績情報を閲覧するためのグラフィカルユーザインタフェース310を表示する(ステップS520)。その後、管理コンピュータ600は、管理者からの操作入力に基づいて、実績情報閲覧処理を終了する。
【0098】
クラウドサーバ100は、製造拠点を管理する作業者からの操作入力に基づいて、図10の実績情報提供処理を開始する。クラウドサーバ100は、実績情報提供処理を開始した場合、段取り作業サーバ処理における認証(図4のステップS410)と同様に、認証部110の機能に基づいて動作することによって、管理コンピュータ600を介して組付け作業の作業者を認証する(ステップS610)。管理者を認証した後(ステップS610)、クラウドサーバ100は、実績情報提供部150の機能に基づいて動作することによって、実績情報記憶部145に記憶されている実績情報を、管理コンピュータ600を操作する作業者に提供する(ステップS620)。その後、クラウドサーバ100は、管理者からの操作入力に基づいて、実績情報提供処理を終了する。
【0099】
以上説明した製造管理システム10によれば、端末コンピュータ200において製造作業に合わせて作業者によって実施される操作入力に基づいて、クラウドサーバ100において実績情報を生成するため、作業者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。その結果、製造作業における現場業務および管理業務の効率化を向上させることができる。
【0100】
また、端末コンピュータ200の操作入力部220は、製造作業における1単位の作業の完了に合わせて作業者によって実施される操作入力を受け付ける。そのため、製造管理システム10において、1単位の作業を基準として実績情報を管理できる。
【0101】
また、クラウドサーバ100は、端末コンピュータ200におけるウェブブラウザWBを通じて、作業者が操作する端末コンピュータ200とクラウドコンピューティングによってデータをやり取りする。そのため、ウェブブラウザWBを備える端末コンピュータ200を用意することによって、端末コンピュータ200を通じたクラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。また、タッチパネル210を備える端末コンピュータ200を用意することによって、端末コンピュータ200を通じたクラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。
【0102】
また、クラウドサーバ100の認証部110は、端末コンピュータ200を介して作業者を認証する。そのため、端末コンピュータ200を通じて作業者の認証を容易に実施できる。
【0103】
また、クラウドサーバ100は、製品の種類ごとに、製品の種類ごとに作業者が製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する技能情報記憶部160と、前記技能情報に基づいて、作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する端末コンピュータ200における操作入力の受け付けを制限する操作入力制限部165とを備える。これによって、端末コンピュータ200を通じて作業者に対する製造作業への従事可否の判断を容易に実施できる。
【0104】
また、クラウドサーバ100を介して管理コンピュータ600に実績情報を提供するため、管理者に過度な負担を強いることなく、クラウドコンピューティングによる製造管理システムを容易に構築できる。また、実績情報は、製造拠点に関する情報を含むため、製造拠点を基準として実績情報を管理できる。
【0105】
また、クラウドサーバ100の実績情報提供部150は、作業者が操作する端末コンピュータ200に対して、実績情報に含まれる情報のうち製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限する。そのため、製造拠点を単位とする実績情報の提供を作業者に対して制限できる。
【0106】
また、クラウドサーバ100の実績情報提供部150は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限する。そのため、第2の製造拠点に関する実績情報の提供を第1の製造拠点の管理者に対して制限できる。
【0107】
また、クラウドサーバ100の実績情報提供部150は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する管理コンピュータ600に対して、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する。そのため、第2の製造拠点に関する実績情報を第1の製造拠点の管理者に提供できる。
【0108】
また、クラウドサーバ100の情報編集部170は、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、製造拠点MF1,MF2,MF3のうち第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である一次製品の在庫数を示す情報を編集する。そのため、サプライチェーンを構成する第1の製造拠点と第2の製造拠点との間における在庫管理の連携を実現できる。
【0109】
また、端末コンピュータ200の操作情報送信部230は、操作入力部220によって受け付けられた操作入力を示す操作情報を、クラウドサーバ100にリアルタイム通信で送信するとともに、クラウドサーバ100の実績情報提供部150は、作業者が実績情報を認識可能に、端末コンピュータ200に対して実績情報をリアルタイム通信で提供する。そのため、リアルタイムに操作入力を実績情報へと反映できる。
【0110】
本明細書に記載する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。
【0111】
製造管理システム10で管理する製造拠点の数は、3つに限らず、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4以上であってもよい。1つの製造拠点に配備される端末コンピュータ200の数は、複数であってもよい。1つの製造拠点に配備される管理コンピュータ600の数は、複数であってもよい。
【0112】
本明細書に記載する技術における製造作業は、製造業における段取り作業、組付け作業および検品作業に限らず、製造業において作業者が従事するその他の作業を含む。また、本明細書に記載する技術における製造作業は、製造業における作業に限らず、例えば、物流業における検品作業、梱包作業および配送作業、ならびに、食品加工業における加工作業、検品作業、梱包作業など、その他の業種において作業者が従事する作業を含む。
【符号の説明】
【0113】
10…製造管理システム
100…クラウドサーバ
110…認証部
115…認証情報記憶部
130…操作情報受信部
140…実績情報生成部
145…実績情報記憶部
150…実績情報提供部
160…技能情報記憶部
165…操作入力制限部
170…情報編集部
200…端末コンピュータ
210…タッチパネル
220…操作入力部
230…操作情報送信部
250…実績情報受信部
260…実績情報表示部
310…グラフィカルユーザインタフェース
320…ボックス
322…表示部
324…開始ボタン
326…表示部
327…表示部
328…表示部
330…グラフィカルユーザインタフェース
332…完了ボタン
340…ボックス
342…表示部
343…表示部
344…ラジオボタン
346…テキストボックス
350…ボックス
351…表示部
352…チェックボックス
410…グラフィカルユーザインタフェース
420…ボックス
421…マーク
422…表示部
423…表示部
424…開始ボタン
426…表示部
427…表示部
428…表示部
429…表示部
430…グラフィカルユーザインタフェース
432…完了ボタン
434…ボタン
440…ボックス
442…表示部
444…表示部
450…カウントアップボタン
452…表示部
453…表示部
600…管理コンピュータ
CM1…製品
CM2…製品
CM3…製品
MF1…製造拠点
MF2…製造拠点
MF3…製造拠点
WB…ウェブブラウザ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造管理システムであって、
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータと、
前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバと
を備え、
前記端末コンピュータは、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記クラウドサーバに送信する操作情報送信部と
を含み、
前記クラウドサーバは、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報を、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を含む、製造管理システム。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
請求項1に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、前記端末コンピュータにおけるウェブブラウザを通じて、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取りする、製造管理システム。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の製造管理システムであって、
前記端末コンピュータは、前記作業者による前記操作入力を感知するとともに前記実績情報を表示するタッチパネルを備える機器である、製造管理システム。
【請求項5】
請求項1、請求項3および請求項4のいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、更に、前記端末コンピュータを介して前記作業者を認証する認証部を備える、製造管理システム。
【請求項6】
請求項1ならびに請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバは、更に、
前記製造作業において製造される製品の種類ごとに、前記作業者が前記製造作業に従事可能な製造技能を有するか否かを示す技能情報を記憶する技能情報記憶部と、
前記技能情報に基づいて、前記作業者が製造技能を有していない種類の製品に関する前記端末コンピュータにおける前記操作入力の受け付けを制限する操作入力制限部と
を含む、製造管理システム。
【請求項7】
請求項1ならびに請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、更に、前記作業者が所属する製造拠点を管理する管理者によって操作可能に構成された管理コンピュータを備え、
前記クラウドサーバは、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに加え、前記管理者が操作する前記管理コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成され、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供するとともに、前記管理者が前記実績情報を認識可能に前記管理コンピュータに対して前記実績情報を提供する、製造管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の製造管理システムであって、
前記実績情報は、
前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、
前記製造拠点における製品の製造に要する平均時間を示す情報と、
前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と、
前記製造拠点における製造の進捗予測を示す情報と、
前記製造拠点における部品の適正在庫数を示す情報と
の少なくとも1つの情報を含む、製造管理システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が操作する前記端末コンピュータに対して、前記実績情報に含まれる情報のうち前記製造拠点を単位とする情報の少なくとも一部の提供を制限する、製造管理システム。
【請求項10】
請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報の提供を制限する、製造管理システム。
【請求項11】
請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記製造拠点のうち第1の製造拠点を管理する管理者が操作する前記管理コンピュータに対して、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点に関する前記実績情報に含まれる少なくとも一部の情報を提供する、製造管理システム。
【請求項12】
請求項7から請求項11までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記実績情報は、
前記製造拠点において製造する製品の製造数を示す情報と、
前記製造拠点における部品の在庫数を示す情報と
を含み、
前記クラウドサーバは、更に、前記製造拠点のうち第1の製造拠点において製造する一次製品の実績数を示す情報を用いて、前記製造拠点のうち前記第1の製造拠点とは異なる第2の製造拠点において製造する二次製品の部品である前記一次製品の在庫数を示す情報を編集する情報編集部を含む、製造管理システム。
【請求項13】
請求項1ならびに請求項3から請求項12までのいずれか一項に記載の製造管理システムであって、
前記端末コンピュータの前記操作情報送信部は、前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報を、前記クラウドサーバにリアルタイム通信で送信し、
前記クラウドサーバの前記実績情報提供部は、前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報をリアルタイム通信で提供する、製造管理システム。
【請求項14】
製造作業に従事する作業者が操作する端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって前記端末コンピュータに対して実施される操作入力を示す操作情報として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記端末コンピュータから受信する操作情報受信部と、
前記操作受信部によって受信された前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいて、前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、生成する実績情報生成部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記端末コンピュータに対して前記実績情報を提供する実績情報提供部と
を備えるクラウドサーバ。
【請求項15】
製造作業に従事する作業者によって操作可能に構成された端末コンピュータであって、
前記製造作業に合わせて前記作業者によって実施される操作入力として、前記製造作業の開始に合わせて前記作業者によって実施される第1の操作入力と、前記製造作業において繰り返される1単位の作業ごとの完了に合わせて前記作業者によって実施される第2の操作入力と、前記製造作業の完了に合わせて前記作業者によって実施される第3の操作入力と、を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部によって受け付けられた前記操作入力を示す操作情報として、前記第1の操作入力を示す第1の操作情報と、前記第2の操作入力を示す第2の操作情報と、前記第3の操作入力を示す第3の操作情報とを、前記作業者が操作する前記端末コンピュータとクラウドコンピューティングによってデータをやり取り可能に構成されたクラウドサーバに、送信する操作情報送信部と、
前記第1の操作情報、前記第2の操作情報および前記第3の操作情報に基づいた前記製造作業における前記作業者の実績を示す実績情報として、前記作業者が前記1単位の作業で製造する製品の製造数を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に要する作業時間を示す情報と、前記作業者が前記1単位の作業に使用する部品の在庫数を示す情報との少なくとも1つの情報を、前記クラウドサーバから受信する実績情報受信部と、
前記作業者が前記実績情報を認識可能に、前記実績情報受信部によって受信された前記実績情報を表示する実績情報表示部と
を備える端末コンピュータ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-02-25 
出願番号 特願2016-150896(P2016-150896)
審決分類 P 1 651・ 121- ZAA (G05B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 牧 初  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 平岩 正一
中川 隆司
登録日 2017-03-03 
登録番号 特許第6100428号(P6100428)
権利者 Tranzac株式会社
発明の名称 製造管理システム、クラウドサーバおよび端末コンピュータ  
代理人 林 崇朗  
代理人 林 崇朗  

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