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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B65H
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  B65H
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B65H
審判 全部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更  B65H
管理番号 1352308
異議申立番号 異議2018-700176  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-02-27 
確定日 2019-05-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6220934号発明「丁合装置及びその制御プログラム」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。 
結論 特許第6220934号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1,2について訂正することを認める。 特許第6220934号の請求項1,2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6220934号の請求項1及び2に係る特許は,平成28年7月29日に特許出願され,平成29年10月6日にその特許権の設定登録がされた。
その後,その請求項1及び2に係る特許について,平成30年2月27日に特許異議申立人株式会社デュプロ(以下,「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ,当審において平成30年6月12日付けで取消理由を通知し,その指定期間内である同年8月2日付けで特許権者から意見書の提出,及び訂正の請求がなされ,これに対して当審より同月17日付けで訂正拒絶理由を通知し,その指定期間内である同年9月18日付けで特許権者から意見書が提出された。
その後,当審より,同年12月17日付けで取消理由(決定の予告)が通知され,その指定期間内である平成31年2月14日付けで特許権者から意見書の提出及び,訂正の請求(以下,この請求を「本件訂正請求」,本件訂正請求によりされた訂正を「本件訂正」などという。)がなされ,これに対して,異議申立人より,同年3月22日付けで意見書(以下,「異議申立人意見書」という。)及び参考資料1ないし3が提出されたものである。
なお,平成30年8月2日付けの訂正の請求は,特許法第120条の5第7項に規定するとおり,取り下げられたものとみなす。

第2 本件訂正請求による訂正の適否についての判断
1 本件訂正の内容
本件訂正請求書には,訂正事項として,請求項1に係る訂正事項1及び2,請求項2に係る訂正事項1ないし3が記載されているところ,請求項1に係る訂正事項1及び2を訂正事項1-1及び1-2,請求項2に係る訂正事項1ないし3を訂正事項2-1ないし2-3と称することとして,以下検討する。 (下線は訂正箇所を示すために当審により付加したものである。)

(1)訂正事項1-1
訂正事項1-1は,本件特許の願書に添付された特許請求の範囲(特許査定時のもの,以下,「本件特許請求の範囲」という。)の請求項1について「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,」とあるのを「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,」と訂正するものである。

(2)訂正事項1-2
訂正事項1-2は,本件特許請求の範囲の請求項1について「当該給紙棚が連段設定である場合に,当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」とあるのを「当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」と訂正するものである。

(3)訂正事項2-1
訂正事項2-1は,本件特許請求の範囲の請求項2について「前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙をのうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,」とあるのを,「前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,」と訂正するものである。

(4)訂正事項2-2
訂正事項2-2は,本件特許請求の範囲の請求項2について「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,」とあるのを「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,」と訂正するものである。

(5)訂正事項2-3
訂正事項2-3は,本件特許請求の範囲の請求項2について,「当該給紙棚が連段設定である場合に,当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」とあるのを,「当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」と訂正するものである。

2 当審の判断
(1)訂正事項1-1及び1-2の訂正要件適合性について
ア 訂正事項1-1について
(ア)訂正の目的について
訂正事項1-1の訂正の内容は,上記1の(1)のとおりであって,当該訂正により,本件特許明細書の請求項1に係る発明(以下,「特許発明1」という。)において,「シート紙が無くなった」ことを検出部が「検出したタイミング」が「前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき」に,所定の制御を行うものである点を特定するものであるから,訂正事項1-1は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(イ)訂正が本件特許請求の範囲,本件特許の願書に添付した明細書又は図面(いずれも特許査定時のもの,以下,それぞれ「本件特許明細書」又は「本件特許図面」といい,これらと本件特許請求の範囲とを合わせて,「本件特許明細書等」という。)に記載された事項の範囲内でするものであるかについて
訂正事項1-1において特定された「開始許容期間」とは,「給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる」ものであることが特定されているところ,この「開始許容期間」については,本件特許明細書の「【0071】第2の開始許容期間は,図9に示すように,給紙タイミングから始まる。第2の開始許容期間の長さは,給紙タイミングの一周期から,一回の一次給紙に要する時間と,第2の余分時間とを差し引いた時間として予め定められる。第2の余分時間は,第2の開始許容期間内のどのタイミングから一次給紙を開始したとしても,次の給紙タイミングが到来するまでに一次給紙を確実に終了できるような時間であれば任意であってよく,例えば丁合装置100の設計者又はメンテナンス作業者などにより定められる。第2の余分時間は,第1の余分時間と同一であってもよいが,ここでは第1の余分時間よりも短いこととする。かくして,第2の開始許容期間は,第1の開始許容時間よりも長い。
【0072】プロセッサ41は,第2の開始許容期間内であるならばステップSa18にてYesと判定し,ステップSa19へと進む。
ステップSa19においてプロセッサ41は,対象棚の給紙を無効に設定変更するとともに,対象棚よりも二段上の給紙棚の給紙を有効に設定変更する。かくして制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサ41が実行することによって,プロセッサ41を中枢部分とするコンピュータは,設定変更手段として機能する。そしてこの後にプロセッサ41は,ステップSa15以降の処理を前述と同様に実行する。」 と記載されているとおりである。
したがって,訂正事項1-1は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内でするものであって,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

イ 訂正事項1-2について
(ア)訂正の目的について
a 訂正事項1-2は,本件特許請求の範囲の請求項1について「当該給紙棚が連段設定である場合に,当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」とあるのを「当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,」と訂正するものである。
この訂正は,設定変更手段が,給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する条件について,「当該給紙棚が連段設定である場合」とされていたものを「当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合」と限定するものである。
また,「無効設定から有効設定へと変更する」「給紙棚」について,「当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚」であったものを,「前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚」と限定するものである。
b 異議申立人は,本件訂正事項2により,「連段設定される組」が,本件訂正前においては,「当該給紙棚」と「前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚」であったものが,本件訂正後においては,「当該給紙棚」及び「前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚」が「連段設定」され,「当該給紙棚」と「前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚」と「前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚」となるから,連段の組が,訂正前と訂正後とで全く異なるものとなると主張している。
しかしながら,「前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚」と「当該給紙棚」の間には「前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚」が存在することが前提であることからすれば,「前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚」は,「当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚」に相当するものである。
してみると,本件訂正前と訂正後とでは,共に,連段設定される組には,「当該給紙棚」と「当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚」が含まれるのであるから,本件訂正前と訂正後とで,連段設定される組が全く異なるものとなるとはいえない。
c 異議申立人は,訂正後においては,「前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合」でない場合,すなわち,「前記1段上流側の給紙棚が取り外されていない場合」は,「当該給紙棚」の有効設定が解除されると,「前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚」の無効設定が有効設定になると考えられ,訂正前の「前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する」こととは,全く異なる変更態様となる旨主張する。
しかしながら,訂正前は「前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する」設定変更手段を備える点が特定されるにとどまるものであり,そのような設定変更を行う場合の条件は,何らの特定もされていないのであるから,本件訂正前の特許発明においては,「前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する」ことを必ず行うものが記載されていたとまで解することは相当でない。
このような理解は,本件特許明細書の段落【0004】に【発明が解決しようとする課題】として,「ある丁合装置では、給紙棚を着脱自在としてあり、1つの給紙棚を取り外すことにより、その1つ下の給紙棚におけるシート紙の積載可能枚数を増加させることが可能である。このようにして積載可能枚数を増加させた給紙棚においては、上方に隣接する給紙棚が存在しないので、連段機能を用いることができないことがある。」ことが記載され,段落【0005】には「本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、連段機能による給紙棚の変更の自由度を高めて利便性を向上させた丁合装置及びその制御プログラムを提供することにある。」ものとされており,さらに,段落【0077】には,「以上のように丁合装置100は、ある給紙棚に積載されたシート紙Sの全てを給紙し終えたならば、当該給紙棚の上に隣接する給紙棚から、あるいは当該給紙棚に対して二段上の給紙棚から、続けて給紙することが可能である。つまり、隣接する給紙棚どうしのみならず、隣接しない給紙棚の組により連段機能を実施することが可能である。これにより丁合装置100によれば、連段機能による給紙棚の変更の自由度が高まり、従来に比べて利便性が向上する。すなわち、例えば前述したように、棚番号が「6」である給紙棚5を取り外し、棚番号が「5」及び「7」である給紙棚5から同一種類のシート紙Sを順次に給紙する、といった、これまでには実施できなかった形態での実施が可能となる。」と記載されていることとも整合するものである。
d 以上のとおりであるから,本件訂正事項1-2は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(イ)訂正が本件明細書等に記載された事項の範囲内でするものであるかについて
上記(ア)のcのとおり,本件明細書の段落【0077】には,「棚番号が「6」である給紙棚5を取り外し、棚番号が「5」及び「7」である給紙棚5から同一種類のシート紙Sを順次に給紙する」ことが記載され,段落【0043】には,「棚番号が「6」である給紙棚5が取り外されており、棚番号が「5」である給紙棚5と、それより2つ上段の棚番号が「7」である給紙棚5とには、同一種類のシート紙Sが積載される。そして棚番号「5」及び棚番号「6」についての連段がいずれも「有り」とされていることにより、棚番号「5」?「7」の給紙棚は、連段として取り扱われる。連段として取り扱われる1組の給紙棚は、そのうちの1つについての給紙が「有効」とされ、その他の給紙が「無効」とされる。」と記載されているから,本件訂正事項1-2は,本件明細書等に記載された事項の範囲内でするものであって,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ 上記のとおり,訂正事項1-1及び1-2は,いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,特許請求の範囲を実質的に変更又は拡張するものとはいえないから,特許法第120条の5第9項で準用する同法126条第6項に規定する要件に適合するものである。

(2)訂正事項2-1ないし2-3の訂正要件適合性について
ア 訂正事項2-1による訂正の内容は,上記1の(3)のとおりであって,当該訂正は,誤記の訂正を目的とするものであって,特許請求の範囲を変更又は拡張するものではなく,また,本件特許請求の範囲,本件特許明細書又は本件図面に記載した事項の範囲内でするものであることは明らかである。
イ 訂正事項2-2及び2-3による訂正の内容は,上記1の(4)及び(5)のとおりであるところ,その訂正内容は,訂正事項1-1及び1-2と実質的に同じ訂正をするものである。
してみると,訂正事項2-2及び2-3は,いずれも,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。

3 本件訂正請求による訂正の適否についての結論
上記のとおりであるから,特許第6220934号の特許請求の範囲を,本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1,2について訂正することを認める。

第3 取消理由通知で通知した理由についての当審の判断
1 取消理由通知の概要
平成30年12月17日付けで当審が特許権者に通知した取消理由通知<決定の予告>(以下,単に「本件取消理由通知」という。)の取消理由の概要は次のとおりのものである。
請求項1及び2に係る発明は,甲1号証及び甲2号証に記載された発明に基づいて,いずれも当業者が容易に発明をすることができたものであるから,請求項1及び2に係る特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり,同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。
2 本件特許発明について
上記第2の訂正の適否について判断したとおり,本件特許請求の範囲を,本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1,2について訂正することが認められるから,本件特許発明は,本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されたつぎのとおりのものであると認める。(以下,それぞれ,「本件訂正発明1」,「本件訂正発明2」という。)
「【請求項1】
上下方向に並び,それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構と,
複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部と,
前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを,その送出機構により送り出された前記シート紙が,他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うように予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段と,
前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,を具備した丁合装置。
【請求項2】
上下方向に並び,それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構と,
複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部と,
を具備した丁合装置を制御するコンピュータを,
前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを,その送出機構により送り出された前記シート紙が,他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うように予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段と,
前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と,して機能させるための制御プログラム。」

3 甲各号証の記載
(1)甲1号証
本件取消理由通知で引用した甲1号証(特開2006-199456号公報)には,次の事項が記載されている。(段落番号直後など改行の一部は省略(以下同じ)。)
ア 「【0033】 図1は本発明の第1実施形態の丁合装置1を示す模式正面図である。図1に示すように,この本発明の丁合装置1は,筐体2の図示左右にそれぞれ上下方向に並列して給紙部3a?3j,給紙部3k?1t(当審注:「3t」の誤記と認める。)が設けられ,それぞれの給紙部3に広告Pの束が積載される。それぞれの給紙部3の構成は,背景技術の給紙部(図16参照)と同一である。
【0034】 すなわち図16に示すように,給紙部3には固定された給紙板4と,最上位の広告Pの先端上面に圧接する給紙ローラ5と,この給紙ローラ5に下方から圧接するサバキ板6と,最上位の広告Pの先端を給紙ローラ5とサバキ板6との間に進入させるための補助給紙ローラ7とが設けられている。この給紙ローラ5と補助給紙ローラ7が駆動回転することにより,最上位の広告Pは2枚目以下の広告Pと分離されて給送方向(矢印A方向)に前進し,横搬送ローラ対8に挟持され,ガイド板9に導かれて縦搬送ローラ対10に挟持され,矢印B方向に搬送される。
【0035】 給紙ローラ5は,それぞれ個別に独立制御可能なモータM(図2参照)により制御される。各給紙部には用紙有無検知センサS1が設けられており,広告Pの束が積載されていれば,このセンサS1の腕部S1aを広告Pによって押し下げ,用紙が有ることを検知する。広告Pがなくなると,適宜の付勢手段によって腕部S1の腕部S1aが,広告積載面に適宜設けられた開口を通して広告積載面よりも上方に突出し,この状態では用紙が無いと認識するようになっている。
【0036】 図1に示すように,図示中央部に上下方向に丁合搬送路11が形成されていて,各給紙部3から供給された広告Pはこの丁合搬送路11において重ね合わせられ,丁合束を形成する。この丁合搬送路11の下方には,折ローラ対17,ナイフ15を備えたフラップ16,排紙搬送路18が設けられ,その図示左方には折給紙部12,図示右方には折込板13,折給紙部12の下方には排紙口19,スタッカ20が設けられている。これらの各部材の構成,機能は背景技術の丁合装置101と同一である。」
イ 「【0037】 図2は,本発明の丁合装置1の制御を示すブロック図である。なお,この図2においては記載が煩雑になるのを避けるため,各給紙部のうち,図1に示す右下方の給紙部3p,3q,3r,3s,3tを抜き出して記載してあるものであって,実際にはすべての給紙部に対して同様の制御がなされるものとする。
【0038】 本発明の丁合装置1では,複数並列配置された給紙部3のうち,互いに隣り合う複数の給紙部をまとめて連段給紙部組Fとする連段給紙部組指定手段を有している。この連段給紙部組指定手段によって隣り合う複数の給紙部3,たとえば給紙部3r,3s,3tの計3つの給紙部をまとめて連段給紙部組F1に指定したとすると,各給紙部3は,連段給紙部組F1に属する連段給紙部(3r,3s,3t)と,この連段給紙部組F1に属さない非連段給紙部(3a,3b・・・3p,3q)に分けられる。
【0039】 連段給紙部組指定手段は,図2に示すように,各給紙部3ごとにスイッチ22(22a,22b・・・22p,22q,22r,22s,22t)が設けられ,このスイッチ22は「連」と「単」とで切換可能となっていて,スイッチ22が「連」となっている給紙部3と,その上方に隣接する給紙部3とが,連段給紙部組となる。「連」となっている給紙部が複数段連続していた場合,その連続した複数段と,その複数段の上方に隣接する給紙部とが,連段給紙部組となる。
【0040】 例えば,図2における給紙部3sのスイッチ22s,給紙部3tのスイッチ22tが「連」となっていれば,この給紙部3s,3tに加え,その上方にある給紙部3rを含めた3個の給紙部が連段給紙部組F1として指定される。連段給紙部組指定手段は,一例としてこのように設けられるが,この構成に限られず,たとえばスイッチが「連」となっている給紙部のみで連段給紙部組を構成したり,操作パネル上で任意の給紙部を選択して連段給紙部組を指定しても良い。」
ウ 「【0041】 この連段給紙部組指定手段によって連段給紙部組が指定されると,どの給紙部が連段給紙部組とされたかを示す情報と,各連段給紙部のセンサS1による用紙有無情報が,CPU21(図5参照)内に設けられた連段給紙部制御手段23に送られる。すると連段給紙部制御手段23は各連段給紙部組に属する給紙部のうち,用紙が積載されている給紙部のうちの1つを稼動給紙部とし,それ以外の給紙部を非稼動給紙部とする。用紙が積載されている連段給紙部が複数ある場合は,その複数の給紙部のどれを稼動給紙部としても良く,例えば上方にある給紙部を優先して稼動給紙部としても良いし,ランダムに選択しても良い。さらに,連段給紙部制御手段23から各連段給紙部に,その給紙部が稼動給紙部であるのか,非稼動給紙部であるのか,の情報を送信し,各連段給紙部に設けられた記憶部24に記憶させる。
【0042】 例えば,連段給紙部組F1が指定されると,各給紙部のうち,給紙部3r,3s,3tが連段給紙部組F1に指定されたという情報と,給紙部3r,3s,3tにおけるセンサS1r,S1s,S1r(当審注:S1tの誤記と認める。)による用紙有無情報が,連段給紙部制御手段23に送られる。このうち,給紙部3r,3tに広告が積載されていて,給紙部3sには広告が積載されていなかった場合,給紙部3r,3tのどちらかが稼動給紙部とされる。給紙部3r,3tはどちらを稼動給紙部として選択しても良いので,例えば給紙部3tを選択して稼動給紙部とする。すると,残り2つの給紙部3r,3sは非稼動給紙部となる。すると連段給紙部制御手段23から給紙部3tに,給紙部3tが稼動給紙部である旨の情報を送って給紙部3tの記憶部24tに記憶させるとともに,給紙部3r,3sに,給紙部3r,3sが非稼動給紙部である旨の情報を送って給紙部3r,3sの記憶部24r,24sに記憶させる。」
エ 「【0043】 丁合装置がスタートすると,CPU21内に設けられた給紙制御手段25によって給紙スタート信号が各給紙部に送られる。すると,各給紙部は所定のタイミングでモータMを駆動させ,広告を給送する。このとき連段給紙部組においては,各連段給紙部は各自が稼動給紙部であるか非稼動給紙部であるかを記憶しているので,稼動給紙部のみでモータMが駆動されて広告が給送され,非稼動給紙部ではモータMは駆動せず,広告も給送されない。なお,連段給紙部組に属さない非連段給紙部からは,広告が積載されているすべての給紙部から給送するか,もしくは別途指定手段によって指定された給紙部のみから給送する。
【0044】 丁合動作中に,稼動給紙部において用紙無しが検知されると,連段給紙部制御手段23によってこの稼動給紙部は非稼動給紙部とされ,残りの2つの給紙部のうち,用紙が積載されている給紙部の1つが,非稼動給紙部から稼動給紙部に変更され,これ以後は変更後の稼動給紙部から広告Pが給送される。
【0045】 例えば,連段給紙部組F1において,稼動給紙部3tのセンサS1tによって用紙無しが検知されると,この検知信号が連段給紙部制御手段23に送信される。連段給紙部制御手段23からは,この給紙部3tを非稼動給紙部に変更するため,給紙部3tの記憶部24tに給紙部3tを非稼動給紙部とする旨の情報を送信し,記憶部24tの情報を書き換えることにより,給紙部3tは非稼動給紙部に変更される。さらに残りの給紙部3r,3sのうち,用紙が積載されている給紙部3rを稼動給紙部に変更するため,給紙部3rの記憶部24rに給紙部3rを稼動給紙部とする旨の情報を送信し,記憶部24rの情報を書き換えることにより,給紙部3rは稼動給紙部に変更される。するとこれ以降は,稼動給紙部3rから広告が給送され,非稼動給紙部3s,3tからは広告が給送されなくなる。
【0046】 この後,稼動給紙部3rから広告が給送されているうちに,非稼動給紙部のうちの少なくとも1つ,例えば給紙部3sに広告を積載しておけば,給紙部3rから広告がなくなったとき,連段給紙部制御手段23によって稼動給紙部が給紙部3sに移行し,以後は給紙部3sから広告が給送されるようになる。 」
オ 「【0047】 図3は本発明の丁合装置1における,各給紙部の給紙ローラ5の動作タイミングを示すタイムチャートである。このタイムチャートは記載簡略化のため,図1に示す筐体2右側に位置する給紙部3k?3tの動作のみを示す。図3に示すように,先ずタイミングT110に最上段である給紙部3kにおいて,給紙ローラ5の駆動が開始される。この給紙ローラ5の駆動は一定時間後のタイミングT111までの間だけ行われる。給紙部3kにおいては,給紙ローラ5の駆動によって,積載された広告のうち最上位の広告Pkを繰出す。タイミングT111においては,既に広告Pkは,常時回転駆動している横搬送ローラ対8にその先端がくわえられている。したがってタイミングT111における給紙ローラ5の駆動停止後も,広告Pkは横搬送ローラ対8によって丁合搬送路11へと搬送される。給紙ローラ5とその回転軸との間にはワンウェイクラッチが挿入されているので,給紙ローラ5は広告Pkに対し従動回転する。
【0048】 タイミングT110から一定時間t2後のタイミング120において,今度は上から2段目の給紙棚3lにおいて,給紙ローラ5の駆動が開始される。すると,この給紙棚3lに積載されていた最上位の広告Plが取り出され,丁合搬送路11において上方から搬送されてきた広告Pkと,その先端がほぼ揃った状態で重なる。
【0049】 こうして一定時間t2ごとに,順々に下方の給紙部の給紙ローラ5を駆動することにより,丁合搬送部11においては下方へ搬送されるにつれて広告が合流し,第1の丁合束C1が形成される。
【0050】 さらにタイミングT110から一定の時間間隔t2をおいたタイミングT210において,最上段である給紙部3kの給紙ローラ5の駆動が開始される。このタイミングT210を起点として一定時間t2ごとに,順々に下方の給紙部の給紙ローラ5を駆動することにより,第2の丁合束C2が形成される。」
カ 「【0051】 図4は,本発明の丁合装置1において,図1における右下方の給紙部3r,3s,3tを連段給紙部組F1とし,この連段給紙部組F1のうち最も丁合搬送方向下流側の給紙部3tが稼動給紙部となった場合の動作タイミングを示すタイムチャートである。このタイムチャートは記載簡略化のため,図1に示す筐体2右側に位置する給紙部3k?3tの動作のみを示す。
【0052】 図4に示すように,給紙部3r,3s,3tのうち,3tのみがタイミングT200において給紙ローラ5の駆動が開始される。3rと3sは非稼動給紙部であるので,給紙ローラ5は動作しない。したがって給紙部3r,3s,3tそれぞれに積載された広告Pr,Ps,Ptのうち,広告Ptのみが給送される。」
キ 「【0053】 図5は,本発明の丁合装置1において,図1における右下方の給紙部3r,3s,3tを連段給紙部組F1とし,この連段給紙部組F1のうち最も丁合搬送方向下流側の稼動給紙部3tにおいて最後の1枚である広告Ptlが給送されて,この最後の広告Ptlを含んで第1の丁合束C1が形成され,この給紙部3tのセンサStで給紙部3tの広告がなくなったことを検知し,給紙部3tが稼動給紙部から非稼動給紙部に変更されるとともに,連段給紙部組F1のうち最も丁合搬送方向上流側の給紙部3rが非稼動給紙部から稼動給紙部に変更され,この給紙部3rから給送された最初の1枚である広告Prfを給送し,この広告Ptfを含んで第2の丁合束C2が形成される場合の動作タイミングを示すタイムチャートである。このタイムチャートは記載簡略化のため,図1に示す筐体2右側に位置する給紙部3k?3tの動作のみを示す。
【0054】 図5に示すように,第1の丁合束C1の丁合動作においては,タイミングT200において給紙部3tの給紙ローラ5が駆動開始される。この給紙ローラ5の駆動により,給紙部3tに積載されている最後の1枚の広告Ptlが給送され,タイミングT202においてその後端がセンサStを通過する。この時点で給紙部3tにおいて広告がなくなったことを装置が認識するので,稼動給紙部は給紙部3rに移行する。そして第2の丁合束C2の丁合動作においては,タイミングT280において給紙部3rの給紙ローラ5が駆動開始され,給紙部3rに積載されている最初の広告Prfが給送される。給紙部3s,3tは非稼動給紙部であるので,広告の給送は行われない。
【0055】 このとき,時間間隔t1が短い場合,すなわち第1の丁合束C1の丁合動作と第2の丁合束C2の丁合動作との間隔が小さい場合,図6に示すように,給紙部3tにおいて広告がなくなったことを認識するタイミングT202が,第2の丁合束C2の丁合動作において給紙部3rの給紙ローラ5を駆動開始すべきタイミングT280よりも遅くなってしまう。そうすると給紙部3rにおける最初の1枚の広告Prfが,第2の丁合束C2に間に合わなくなってしまう。本発明では図6に示すこのような現象が発生しないように,タイミングT202がT280よりも前になるように,時間間隔t1が自動調整される。」
ク 「【0056】 以下,その調整について述べる。図2に示すように,本発明の丁合装置1は,一定の時間間隔t1ごとに行われる丁合動作の時間間隔t1を算出する時間間隔算出手段26を有している。この時間間隔算出手段26は,連段給紙部制御手段により,各連段給紙部組に属する複数の給紙部のうち丁合搬送方向における最も下流側の稼動給紙部が紙無しとなって非稼動給紙部に変更するとともに,丁合搬送方向における最も上流側の給紙部が非稼動給紙部から稼動給紙部に変更された場合,変更前の稼動給紙部から取り出された最後の1枚を含んで第1の丁合束C1が形成された後,第1の丁合束の次に続いて形成される第2の丁合束C2が,変更後の稼動給紙部から取り出された最初の1枚を含んで形成されるように,連段給紙部組をなす給紙部の数に応じて丁合動作の時間間隔を算出する。
【0057】 本発明の丁合装置1において,図1における右下方の給紙部3r,3s,3tを連段給紙部組F1とした場合の,時間間隔算出手段26における時間間隔t1の算出方法の例を説明する。図7はこの連段給紙部組F1を示す模式図である。ここで,給紙ローラ5,横搬送ローラ対8,縦搬送ローラ対10は,すべて同じ線速度V1で回転するものとする。
【0058】 時間間隔t1は,図7に示すように,稼動給紙部が給紙部3tから給紙部3rに移行するときに,給紙部3r(当審注:給紙部3tの誤記と認める。)から給送された最後の1枚である広告Ptlが給送されて,この広告Ptlを含んで第1の丁合束C1が形成され,この次に丁合される第2の丁合束C2が,給紙部3rから給送された最初の1枚の広告Prfを含んで形成されることが可能である程度に,第1の丁合束C1と第2の丁合束C2との時間間隔が開くように設定される。 」
ケ 「【0059】 図2及び図7を参照して詳細に説明する。給紙部3tにおいて広告Ptlが給送されて,広告Ptlの後端がセンサS1r(当審注:S1tの誤記と認める。)を通過すると,センサS1r(当審注:S1tの誤記と認める。)が紙無し信号を連段給紙部制御手段23に送信する。連段給紙部制御手段23はこの信号を受けて稼動給紙部を給紙部3rに変更する。この変更が行われた後に給紙部3rの給紙ローラ5rが回転することになる。
【0060】 H1は並べて配置されている給紙部の配置間隔である。仮に給紙ローラ5tと給紙ローラ5rとが同時に駆動開始したとすると,第1の丁合束C1の先端と第2の丁合束C2の先端の丁合搬送路11における間隔は,給紙部3rと給紙部3tとの配置間隔,すなわち,2×H1と等しければ良いことになり,すなわち時間間隔は2×H1×V1となる。しかし実際には,給紙部3tにおいて紙無しが検知されるまで給紙ローラ5rは駆動開始できないので,この2×H1×V1に,給紙ローラ5tが駆動開始されてからセンサS1tにおいて紙無しが検知されるまでの時間,すなわち(L1-L2)×V1を加える必要がある。ここでL2は給紙ローラ5tと広告Ptlとの接点から,センサS1tの腕部と広告Ptlとの接点までの距離である。L1は広告Ptlの搬送方向長さとするのが良いのであるが,搬送方向の長さは広告の種類によって異なるので,広告の搬送方向長さの仕様上の最大値とする。
【0061】 また,給紙ローラ5tの駆動開始時に,広告Ptlの先端が給紙ローラ5tに到達していない場合は,補助給紙ローラ7tによって先端を呼び込むので,この呼び込み分の時間が余計にかかることがある。また,給紙ローラ5t及びサバキ板6tと広告との間のスリップによって広告が遅れる場合もある。これらの要素を考慮した補正値αを加えておくのが望ましい。
【0062】 以上より,時間間隔t1の算出は,以下の式51によって行われる。
t1={(L1-L2)+H1×N}×V1+α (式51)
ここでNは連段給紙部組F1を構成する給紙部の数である。すなわち時間間隔t1は,連段給紙部組を構成する給紙部の数が多いほど長くなる。
【0063】 時間間隔算出手段26はこのようにして算出した時間間隔t1を,丁合動作制御手段27に送信する。丁合動作制御手段27は給紙制御手段25に対して,時間間隔t1ごとに給紙スタート信号を送るように制御する。」
コ 「【0064】 なお,本発明の丁合装置1では,連段給紙部組を複数設定することができる。連段給紙部組が複数設定されている場合は,そのうち,連段給紙部組を構成する給紙部の数が最も多い連段給紙部組の給紙部の数に基づいて算出される。
【0065】 例えば上記連段給紙部組F1の他に,図1に示す左上側の給紙部3a,3b,3c,3dが連段給紙部組F2とされたとすると,連段給紙部組F1の構成給紙部数は3であり,連段給紙部組F2の構成給紙部数は4であるから,多い方の構成給紙部数4に基づいて時間間隔t1を算出する。連段給紙部制御手段23が各給紙部のスイッチ22の設定状況を受信して,連段給紙部組の数と,それぞれの構成給紙部数を把握・比較し,そのうち最も多い構成給紙部数を時間間隔算出手段26に送信するようになっている。」
サ 上記ケの式51によれば,連段給紙部組F1が指定されている場合の時間間隔t1は,t1={(L1-L2)+H1×2}×V1+α で求められることになり,ここで,(L1-L2)×V1は,給紙ローラ5tにより給紙が開始されてから紙無しが検知されるまでの時間,H1×2×V1は,給紙部3rと3tとの配置間隔距離を丁合束が進む時間,αは呼び込み分の時間やスリップによる遅れ時間 を考慮した補正値である。
シ 以上の記載を総合すれば,甲1号証には,つぎの発明が記載されているものと認められる。
「筐体の左右にそれぞれ上下方向に並列して給紙部3a?3j,給紙部3k?3tが設けられ,それぞれの給紙部に広告の束が積載されており,各給紙部には固定された給紙板と,最上位の広告の先端上面に圧接する給紙ローラと,この給紙ローラに下方から圧接するサバキ板と,最上位の広告の先端を給紙ローラとサバキ板との間に進入させるための補助給紙ローラとが設けられており,この給紙ローラと補助給紙ローラが駆動回転することにより,最上位の広告は2枚目以下の広告と分離されて給送方向に前進し,横搬送ローラ対に挟持され,ガイド板に導かれて縦搬送ローラ対に挟持されることで,各給紙部から供給された広告は中央部に上下方向に形成された丁合搬送路において重ね合わせられ,丁合束を形成するよう構成されており,
各給紙部には用紙有無検知センサが設けられており,広告の束が積載されていれば用紙が有ることを検知し,広告がなくなると用紙が無いと認識するようになっており,
複数並列配置された給紙部のうち,互いに隣り合う複数の給紙部をまとめて連段給紙部組とする連段給紙部組指定手段と,
丁合動作の時間間隔t1を算出する時間間隔算出手段26と,
を有し
連段給紙部組指定手段により,隣り合う複数の給紙部3r,3s,3tが連段給紙部組F1に指定されると,各給紙部のうち,給紙部3r,3s,3tが連段給紙部組F1に指定されたという情報と,給紙部3r,3s,3tにおける用紙有無情報が連段給紙部制御手段に送られるとともに,連段給紙部制御手段から給紙部3tに稼動給紙部である旨の情報を送って給紙部3tの記憶部に記憶させるとともに,給紙部3r,3sに非稼動給紙部である旨の情報を送って給紙部3r,3sの記憶部に記憶させ,
時間間隔算出手段により,時間間隔t1が稼動給紙部が給紙部3tから給紙部3rに移行するときに,給紙部3tから給送された最後の1枚である広告が給送されて,この広告を含んで第1の丁合束が形成され,この次に丁合される第2の丁合束が,給紙部3rから給送された最初の1枚の広告を含んで形成されることが可能である程度に,第1の丁合束C1と第2の丁合束C2との時間間隔が開くように設定されるものであって,t1={(L1-L2)+H1×2}×V1+α ((L1-L2)×V1は,給紙ローラにより給紙が開始されてから紙無しが検知されるまでの時間,H1×2×V1は,給紙部3rと3tとの配置間隔距離を丁合束が進む時間,αは呼び込み分の時間やスリップによる遅れ時間を考慮した補正値)により算出されるようにされている丁合装置であって,
丁合装置がスタートすると,給紙制御手段によって給紙スタート信号が各給紙部に送られ,各給紙部は所定のタイミングでモータを駆動させ,広告を給送し,
連段給紙部組F1においては,各連段給紙部は各自が稼動給紙部であるか非稼動給紙部であるかを記憶しているので,稼動給紙部のみでモータが駆動されて広告が給送され,非稼動給紙部ではモータは駆動せず,広告も給送されないものであり,
連段給紙部組F1において,稼動給紙部3tの用紙無しが検知されると,この検知信号が連段給紙部制御手段に送信され,連段給紙部制御手段からは,この給紙部3tを非稼動給紙部に変更するため,給紙部3tの記憶部に非稼動給紙部とする旨の情報を送信し記憶部の情報を書き換えることにより給紙部3tは非稼動給紙部に変更され,残りの給紙部3r,3sのうち,用紙が積載されている給紙部3rを稼動給紙部に変更するため,給紙部3rの記憶部に稼動給紙部とする旨の情報を送信し,記憶部の情報を書き換えることにより,給紙部3rは稼動給紙部に変更され,稼動給紙部3rから広告が給送され,非稼動給紙部3s,3tからは広告が給送されなくなるよう構成されている丁合動作が時間間隔t1で実行される丁合装置」の発明(以下,「甲1発明」という。)。

(2)甲2号証
本件取消理由通知で引用した甲2号証(特開平4-323163号公報)には,次の事項が記載されている。
ア 「【0001】【産業上の利用分野】本発明は,複数のシート束からシートを1枚づつ繰り出し,これらのシートを束ねて例えば排紙トレイ上に排出するコレータにおける給紙装置及び給紙方法に関し,特に,新聞販売店において新聞広告を折り込む新聞広告丁合機に好適のコレータにおける給紙装置及び給紙方法に関する。」
イ 「【0015】【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上述した従来の新聞広告丁合機における給紙装置においては,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を一致させるために,全ての給紙装置の調整部を個別的に設定する必要があり,極めて煩雑である。また,このような調整には熟練を必要とするという欠点がある。
【0016】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって,給紙装置毎の繰り出しタイミング調整が不要であると共に,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を確実に揃えることができるコレータにおける給紙装置及び給紙方法を提供することを目的とする。」
ウ 「【0019】【作用】本発明方法においては,先ず,捌き手段によりシート束から1枚のシートを分離し,このシートを第1の速度で搬送する。次に,このシートを所定位置で停止させる。この場合に,前記第1の速度を比較的遅い速度に設定することにより,良好な精度でシートを所定の位置に停止させることができる。次いで,このシートを前記第1の速度に比して高速の第2の速度で搬送する。
【0020】この場合に,シート停止位置と複数の給紙装置からのシートが集合する集合位置との間の距離により決定されるタイミングで前記第2の速度による搬送を開始することにより,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を常に一致させることが可能である。従って,本発明においては,シートの種類が変っても各給紙装置におけるシートの繰り出しタイミング調整が不要であると共に,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を確実に一致させることができる。
【0021】また,本発明装置においては,捌き部材と給紙ローラとの間でシートを1枚に分離する。このシートは,給紙ローラ及び搬送ローラにより給送される。この場合に,搬送速度切替え手段により搬送ローラの周速を第1の速度及びこの第1の速度に比して高速の第2の速度に切替えることが可能である。この速度切替え手段は,シートが所定位置に到達するまでは比較的低速の第1の速度で搬送ローラを回転させる。
【0022】一方,シート停止手段は,給紙ローラ及び搬送ローラにより給送されているシートを所定位置に一旦停止させる。このとき,シートは比較的低速の第1の速度で給送されているため,高精度で前記所定位置に停止させることができる。このシートが停止している期間を各給紙装置毎に設定することにより,各給紙装置から給送されたシートの先端を整合させることができる。この停止期間は,シートの厚さ,紙質及び形状等に拘らず一定でよく,シートの種類によるシート送給タイミング調整は不要である。その後,シートの搬送が再開されるが,このとき,速度切替え手段は搬送ローラの周速が第2の速度となるように設定する。これにより,作業効率の低下を回避することができる。」
エ 「【0029】紙検知センサ4の出力は制御装置(図示せず)に与えられる。また,この制御装置は,電磁クラッチ11,12及び電磁ブレーキ14等を駆動制御する。
【0030】次に,上述の給紙装置の動作について説明する。」
オ 「【0033】この状態においては,横搬送ローラ軸8aの回転がギヤ15,16で減速されるため,給紙ローラ1は比較的遅い速度で回転し,捌き板2との間で給紙トレイ(図示せず)上に載置されたシート5を確実に1枚に分離して給送する。このシート5は給紙ローラ1と捌き板2との間を通過して,横搬送ローラ3a,3b間に給送される。
【0034】次に,このシート5が横搬送ローラ3a,3b間を通過し,紙検知センサ4がシートの前縁を検知すると,制御装置は停止信号を出力する。この停止信号により電磁クラッチ12が接続解除されると共に,電磁ブレーキ14が稼働して横搬送ローラ軸8bの回転が瞬時に停止する。
【0035】この場合に,シート5の先端は搬送ローラ3a,3bの相互接触位置よりも所定の距離だけ前進した位置(矢印6で示す)にあり,横搬送ローラ3a,3b間に保持されて停止する。このとき,停止前のシート5の搬送速度は比較的遅いため,シート5の先端の位置は良好な精度で常に一定になる。
【0036】次に,シート5が停止してから所定の時間が経過すると,制御装置は運転再開信号を出力し,電磁クラッチ11,12が同時に接続状態になる。これにより,横搬送ローラ軸8aの回転力が横搬送ローラ軸8bに伝達され,横搬送ローラ3a,3bは比較的速い速度で回転する。また,ギヤ15からギヤ16に伝達された回転力は,電磁クラッチ12により給紙ローラ軸9bに伝達され,給紙ローラ1は比較的遅い速度で回転する。
この場合に,横搬送ローラ3a,3bの周速と給紙ローラ1の周速とは異なるが,ギヤ17と軸9bとの間にワンウエイクラッチ13が介在しているため,横搬送ローラ3a,3bと給紙ローラ1とは個別の周速で回転することが可能である。その後,給紙ローラ1の回転が立ち上がると,電磁クラッチ12は接続解除される。
【0037】次に,横搬送ローラ3a,3bによるシート5の搬送が終了すると,電磁クラッチ11も接続解除される。これらの一連の動作は,制御装置に設定されたタイムテーブルにより制御される。
【0038】次いで,制御装置は,タイムテーブルにより次のシートの給送を開始する。」
カ 上記の記載によれば,甲2号証にはつぎの発明が記載されているものと認められる。
「捌き手段によりシート束から1枚のシートを分離し,このシートを第1の速度で搬送し,シートの先端が搬送ローラの相互接触位置よりも所定の距離だけ前進した位置で横搬送ローラ間に保持されて停止させ,次いで,横搬送ローラは比較的速い速度で回転することにより,このシートを前記第1の速度に比して高速の第2の速度で搬送することにより,給紙装置毎の繰り出しタイミング調整が不要であると共に,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を確実に揃えることができるコレータにおける給紙装置」の発明(以下,「甲2発明」という。)。

4 判断
(1)本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「筐体の左右にそれぞれ上下方向に並列して給紙部3a?3j,給紙部3k?3tが設けられ,それぞれの給紙部に広告の束が積載されて」いる各給紙部は,ここでの「広告の束」が本件訂正発明1の「多数のシート紙」に相当するものであるところ,この給紙部「3k?3t」は,「複数並列配置された給紙部のうち,互いに隣り合う複数の給紙部をまとめて連段給紙部組とする連段給紙部組指定手段」により「隣り合う複数の給紙部3r,3s,3tを連段給紙部組F1」として「指定される」ものを含むものであって,本件訂正発明1の「上下方向に並び,それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚」に相当するものといえる。
(イ)甲1発明の「各給紙部」は,「固定された給紙板と,最上位の広告の先端上面に圧接する給紙ローラと,この給紙ローラに下方から圧接するサバキ板と,最上位の広告の先端を給紙ローラとサバキ板との間に進入させるための補助給紙ローラとが設けられており,この給紙ローラと補助給紙ローラが駆動回転することにより,最上位の広告は2枚目以下の広告と分離されて給送方向に前進し,横搬送ローラ対に挟持され,ガイド板に導かれて縦搬送ローラ対に挟持されることで,各給紙部から供給された広告は中央部に上下方向に形成された丁合搬送路において重ね合わせられる」よう構成されていることと,本件訂正発明1の「前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構」とは,「前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させたシート紙を給紙棚から送り出す送出機構」である点で共通するものといえ,甲1発明の「中央部に上下方向に形成された丁合搬送路」は,本件訂正発明1の「複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路」に相当するものである。
(ウ)甲1発明の「各給紙部」には「用紙有無検知センサが設けられており,広告の束が積載されていれば用紙が有ることを検知し,広告がなくなると用紙が無いと認識するようになって」いることから,本件訂正発明1と甲1発明とは,共に「前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部」を備えているものである点で共通するものといえる。
(エ)甲1発明では,「丁合装置がスタートすると,給紙制御手段によって給紙スタート信号が各給紙部に送られ,各給紙部は所定のタイミングでモータを駆動させ,広告を給送」しており,「連段給紙部組F1においては,各連段給紙部は各自が稼動給紙部であるか非稼動給紙部であるかを記憶しているので,稼動給紙部のみでモータが駆動されて広告が給送され,非稼動給紙部ではモータは駆動せず,広告も給送されない」よう制御されているのであるから,甲1発明の「給紙制御手段」は,本件訂正発明1の「前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを,その送出機構により送り出された前記シート紙が,他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うよう予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段」に相当する。
(オ)甲1発明では,「連段給紙部組F1において,稼動給紙部3tの用紙無しが検知されると,この検知信号が連段給紙部制御手段に送信され,連段給紙部制御手段からは,この給紙部3tを非稼動給紙部に変更するため,給紙部3tの記憶部に非稼動給紙部とする旨の情報を送信し記憶部の情報を書き換えることにより給紙部3tは非稼動給紙部に変更され,残りの給紙部3r,3sのうち,用紙が積載されている給紙部3rを稼動給紙部に変更するため,給紙部3rの記憶部に稼動給紙部とする旨の情報を送信し,記憶部の情報を書き換えることにより,給紙部3rは稼動給紙部に変更され,稼動給紙部3rから広告が給送され,非稼動給紙部3s,3tからは広告が給送されなくなるよう構成されている」ものである。
また,甲1発明の連絡給紙部組F1の当初非稼働給紙部とされていた「給紙部3r,3s」のうち,給紙部3s」は,給紙部3tよりも丁合搬送路の一段上流側に位置しているから,「給紙部3s」は本件訂正発明1の「共通搬送路の1段上流側の給紙棚」に相当し,甲1発明の 「給紙部3r」は,給紙部3sよりも丁合搬送路の一段上流側に位置しているから,「給紙部3r」は,本件訂正発明1の「前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚」に相当する。
そして,甲1発明の用紙が積載されていない「給紙部3s」と本件訂正発明1の「前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合」とは,ともに,「用紙を供給することができない場合」である点で共通するものである。
してみると,本件訂正発明1の「当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段」と,甲1発明が「連段給紙部組指定手段により,隣り合う複数の給紙部3r,3s,3tを連段給紙部組F1が指定されると,各給紙部のうち,給紙部3r,3s,3tが連段給紙部組F1に指定され」,「連段給紙部組F1において,稼動給紙部3tの用紙無しが検知されると,この検知信号が連段給紙部制御手段に送信され,連段給紙部制御手段からは,この給紙部3tを非稼動給紙部に変更するため,給紙部3tの記憶部に非稼動給紙部とする旨の情報を送信し記憶部の情報を書き換えることにより給紙部3tは非稼動給紙部に変更され,残りの給紙部3r,3sのうち,用紙が積載されている給紙部3rを稼動給紙部に変更するため,給紙部3rの記憶部に稼動給紙部とする旨の情報を送信し,記憶部の情報を書き換えることにより,給紙部3rは稼動給紙部に変更され,稼動給紙部3rから広告が給送され,非稼動給紙部3s,3tからは広告が給送されなくなるよう構成されている」「連段給紙部制御手段」とは,「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合」に,「当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が用紙を供給することができない場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段」である点で共通する。
(カ)以上のことからすれば,本件訂正発明1と甲1発明とは,次の一致点で一致し,相違点で相違する。
<一致点>
上下方向に並び,それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させたシート紙を給紙棚から送り出す送出機構と,
複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路と,
前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部と,
前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを,その送出機構により送り出された前記シート紙が,他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うよう予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段と,
前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに,当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり,前記1段上流側の給紙棚が用紙を供給することができない場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段,を具備した丁合装置。」である点。

<相違点1>
本件訂正発明1が「前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ,当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構」を備えるものであるのに対して,甲1発明は「固定された給紙板と,最上位の広告の先端上面に圧接する給紙ローラと,この給紙ローラに下方から圧接するサバキ板と,最上位の広告の先端を給紙ローラとサバキ板との間に進入させるための補助給紙ローラとが設けられており,この給紙ローラと補助給紙ローラが駆動回転することにより,最上位の広告は2枚目以下の広告と分離されて給送方向に前進し,横搬送ローラ対に挟持され,ガイド板に導かれて縦搬送ローラ対に挟持されることで,各給紙部から供給された広告は中央部に上下方向に形成された丁合搬送路において重ね合わせられる」構成を各給紙部が備えるものではあるものの,当該構成により「一次給紙と二次給紙」が行われるものではない点

<相違点2>
本件訂正発明1の設定変更手段は,「前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき」に「給紙棚の無効設定を有効設定」へと変更するものであるのに対して,甲1発明の「連段給紙部制御手段」がそのように特定されない点

<相違点3>
本件訂正発明1の変更手段が「前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する」のに対して,甲1発明の「連段給紙部制御手段」は,「給紙部3r,3sのうち,用紙が積載されている給紙部3rを稼動給紙部に変更する」ものである点

イ 相違点1についての検討
(ア)上記3(2)カで認定した甲2発明の「捌き手段によりシート束から1枚のシートを分離し,このシートを第1の速度で搬送し,シートの先端が搬送ローラの相互接触位置よりも所定の距離だけ前進した位置で横搬送ローラ間に保持されて停止させ」ることは,本件訂正発明1の「給紙棚に積載された」「シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙」に相当し,同じく,甲2発明の「次いで,横搬送ローラは比較的速い速度で回転することにより,このシートを前記第1の速度に比して高速の第2の速度で搬送する」ことは,本件訂正発明1の「当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙」に相当するものである。
また,甲2発明は,このようにシート送りを行なうことにより,「給紙装置毎の繰り出しタイミング調整が不要であると共に,複数の給紙装置から給送されたシートの先端を確実に揃える」ことが可能となるものである。
(イ)また,甲1発明の「給紙部」の「固定された給紙板と,最上位の広告の先端上面に圧接する給紙ローラと,この給紙ローラに下方から圧接するサバキ板と,最上位の広告の先端を給紙ローラとサバキ板との間に進入させるための補助給紙ローラ」は,「給紙ローラと補助給紙ローラが駆動回転することにより,最上位の広告は2枚目以下の広告と分離されて給送方向に前進」するよう機能するものであって,甲2発明の「捌き手段」に相当するものであり,甲1発明の「横搬送ローラ対」は,甲2発明の「横搬送ローラ」に相当するものであると認められる。
してみると,甲1発明と甲2発明とは,「シート束から1枚のシートを分離」する「捌き手段」と,「分離したシート」を搬送する「横搬送ローラ」を備える「給紙部」を備える「丁合装置」の発明である点で共通するものであって甲1発明においても甲2号証に記載の従来技術と同様に「複数の給紙装置から給送されたシートの先端を一致させるために,全ての給紙装置の調整部を個別的に設定する必要」があるという課題が存在することは明らかである。
(ウ)甲1発明において甲2号証に記載の従来技術と同様の課題が存在することが明らかである以上,当該課題を解決することを目的として,甲1発明に甲2発明を適用することに動機付けが存在するものといえるから,甲1発明に甲2発明を適用して,甲1発明の「給紙部」の「固定された給紙板と,最上位の広告の先端上面に圧接する給紙ローラと,この給紙ローラに下方から圧接するサバキ板と,最上位の広告の先端を給紙ローラとサバキ板との間に進入させるための補助給紙ローラ」により最上位の広告の先端を「横搬送ローラ間」相互接触位置よりも所定の距離だけ前進した位置で横搬送ローラ間に保持されて停止させ」,次いで「横搬送ローラは比較的速い速度で回転することにより,このシートを前記第1の速度に比して高速の第2の速度で搬送する」ようにすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
そして,上記(ア)のとおり,甲2発明は本件訂正発明1の相違点1に係る構成である「給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と,当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構」を備えるものといえるのであることに鑑みれば,甲1発明に甲2発明を適用することにより,本件訂正発明1の相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得ることであるといえる。

ウ 相違点2についての検討
甲1発明は,「時間間隔算出手段により,時間間隔t1が稼動給紙部が給紙部3tから給紙部3rに移行するときに,給紙部3tから給送された最後の1枚である広告が給送されて,この広告を含んで第1の丁合束が形成され,この次に丁合される第2の丁合束が,給紙部3rから給送された最初の1枚の広告を含んで形成されることが可能である程度に,第1の丁合束C1と第2の丁合束C2との時間間隔が開くように設定される」のであるから,甲1発明の「連段給紙部組F1において,稼動給紙部3tの用紙無しが検知される」タイミングは,設定変更が間に合わないタイミングでないように予め調整されているものである。
してみると,甲1発明は,稼働給紙部3tの用紙なしが検知されるタイミングに応じて給紙棚の設定を変更するものとはいえないし,時間間隔算出手段により予め時間間隔t1が設定されることにより稼動給紙部3tの用紙無しが検知されるタイミングは必ず設定変更が間に合うようにされているのであるから,甲1発明において,稼働給紙部3tの用紙なしが検知されるタイミングに応じて,設定変更を行うか否かを判断する必要がないことは明らかである。
してみると,甲1発明において,相違点2に係る構成を採用することには,阻害要因があるものといえるから,相違点2は,当業者が容易に想到し得るものではない。

エ 相違点3についての検討
(ア)甲1号証には,給紙棚を取り外すことが可能であることは記載も示唆もされておらず,甲1号証の記載から,甲1発明において,給紙部3sを取り外された場合に,給紙部3sを稼働設定とするようにすることが容易に想到し得るものということはできない。また,給紙部を取り外すした場合に,その一段上流側の給紙棚を連段設定するものについては,異議申立人の提出した各証拠には記載されていない。
(イ)異議申立人は,異議申立人意見書において,参考資料1ないし3(特開2007-31094号公報,特開2012-162391号公報及び特開2014-185034号公報)を提出し,本件特許の出願前において,給紙棚を取り外すよう構成することが周知の技術である旨主張し,当該周知技術に基づけば,甲1発明において,給紙棚を取り外すようにすることは,当業者が適宜なし得るものであり,給紙部の給紙棚を取り外しできるものとした場合においても,連段機能を備えたものが望ましいことは当業者にとって明らかであるところ,給紙部の給紙棚を取り外すことは給紙すべき紙が無いことにほかならないから,甲1発明の連段給紙部制御手段をそのまま適用することができることも当業者にとって明らかであるから,相違点3に係る本件訂正発明1の構成は,当業者であれば,甲1発明及び上記の周知技術に基づいて容易に想到し得るものである旨主張する。
しかしながら,参考資料1ないし3に記載されているように,給紙棚を取り外すことが周知であるとしても,そこから導き出せることは,甲1発明の各給紙棚が取り外すことができるものとすることが当業者にとって容易になし得るということにとどまるものである。
そして,参考資料1ないし3によっても,その一段上流側の給紙棚を連段設定することについてまで周知であるとはいえないから,異議申立人の主張は採用することができない。

オ 小括
以上のとおりであるから,本件訂正発明1は,甲1発明及び甲2発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

(2)本件訂正発明2について
本件訂正発明2は,丁合装置を制御するコンピュータを制御するためのプログラムであって,本件訂正発明1の「丁合装置」と実質的に同一の発明であるから,上記(1)と同様に,甲1発明に甲2発明を適用して,当業者が容易に発明することができたものということはできない。

第4 取消理由で採用しなかった異議申立理由について
1 異議申立人は,本件訂正発明1及び2は,発明の詳細な説明の記載によって充分に裏付けられ,開示されているとはいえず,本件特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとして,概略つぎのとおり主張している。
本件特許明細書の段落【0002】,【0004】,及び【0005】及び【0006】の記載によれば,従来の丁合装置においては,シート紙の送り出しを行う給紙棚の変更先は,先にシート紙の送り出しが行われている給紙棚に隣接する給紙棚に限られ,自由度がないことから,本件特許発明は,連段機能による給紙棚の変更の自由度を高めて利便性を向上させた丁合装置及びその制御プログラムを提供することを技術的課題とし,「シート紙が無くなったことを検出部の1つが検出した場合に,当該検出部が対応付けられた給紙棚の有効設定を解除するとともに,当該給紙棚が連段設定である場合に,当該給紙棚に対して前記共通搬送路の上流側に位置し,かつ隣接しない給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段を備える」ことによって上記の技術的課題を解決しようとしたものと解されるところ,このような手段によっては,上記課題が解決されるとは認められない。
すなわち,本件特許の明細書の記載からは,従来技術においてはシート紙の送り出しを行う給紙棚の変更先が,先にシート紙の送り出しが行われている給紙棚に隣接する給紙棚に限られるという技術的問題点が,1つの給紙棚を取り外すことと無関係な一般的な問題として存在していたのかどうかが明らかではないあきらかではないこと,1つの給紙棚を取り外す場合であるとしても,従来技術においては,なぜ連段機能を用いることができず,本件特許発明により連段機能を用いることが可能となったのか,その理由が不明である。(特許異議申立書 28頁最下行?35頁17行)

2 当審の判断
上記第2のとおり,本件訂正請求による訂正が認められ,当該訂正により本件訂正発明1及び2は,上記第3の2のとおりのものとなったところ,本件訂正発明1及び2が「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,」に設定変更を行うことが特定されるとともに,「前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に,前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する」点についても特定されることとなった。
してみると,本件訂正発明1及び2の課題は,「1つの給紙棚を取り外すこと」を前提として存在する技術的問題点を解決することが明らかとなった。
また,本件訂正発明1及び2においては,「前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に,前記検出したタイミングが,給紙タイミングの一周期から,一回の前記一次給紙に要する時間と,余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき,」に設定変更を行う構成を採用することにより,連段機能を用いることが可能とされているものと解される。
してみると,異議申立人が主張する記載不備は,本件訂正により解消したものといえる。

3 小括
以上のとおりであるから,特許異議申立人の主張する理由によっては,本件訂正による訂正後の特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないものということはできない。

第5 むすび
以上のとおり,本件訂正発明1及び2は,甲1発明及び甲2発明並びに周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから,本件請求項1及び2に係る特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではなく,同法第113条第2号に該当するものということはできない。
また,特許異議申立人の主張する理由によっては,本件訂正による訂正後の特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないものということはできないから,本件請求項1及び2に係る特許は,同法第113条第4号に該当するものということはできない。
よって,結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に並び、それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚と、
前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ、当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と、当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構と、
複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路と、
前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ、当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部と、
前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを、その送出機構により送り出された前記シート紙が、他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うように予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段と、
前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に、前記検出したタイミングが、給紙タイミングの一周期から、一回の前記一次給紙に要する時間と、余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき、当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに、当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり、前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に、前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と、を具備した丁合装置。
【請求項2】
上下方向に並び、それぞれが多数のシート紙を積載可能な3つ以上の給紙棚と、
前記給紙棚のそれぞれに対応付けられ、当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙のうちの一枚の先端を他のシート紙の先端から突出させる一次給紙と、当該一次給紙により先端が突出されたシート紙を前記給紙棚から送り出す二次給紙とを行う送出機構と、
複数の前記送出機構によりそれぞれ送り出された前記シート紙を下方に搬送する共通搬送路と、
前記給紙棚のそれぞれに対応付けて設けられ、当該対応付けられた給紙棚に積載された前記シート紙が無くなったことを検出する検出部と、
を具備した丁合装置を制御するコンピュータを、
前記複数の給紙棚のうちの有効設定である給紙棚に対応する送出機構のそれぞれを、その送出機構により送り出された前記シート紙が、他の送出機構により送り出された前記シート紙と前記共通搬送路において重なり合うように予め定められたタイミングで動作させる送出制御手段と、
前記シート紙が無くなったことを前記検出部の1つが検出した場合に、前記検出したタイミングが、給紙タイミングの一周期から、一回の前記一次給紙に要する時間と、余分時間とを差し引いた時間として予め定められる開始許容期間内であるとき、当該検出部が対応付けられた前記給紙棚の前記有効設定を解除するとともに、当該給紙棚及び当該給紙棚に対して前記共通搬送路の1段上流側の給紙棚が連段設定であり、前記1段上流側の給紙棚が取り外されている場合に、前記1段上流側の給紙棚に対して前記共通搬送路のさらに1段上流側の給紙棚を無効設定から有効設定へと変更する設定変更手段と、して機能させるための制御プログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-05-07 
出願番号 特願2016-149773(P2016-149773)
審決分類 P 1 651・ 851- YAA (B65H)
P 1 651・ 537- YAA (B65H)
P 1 651・ 121- YAA (B65H)
P 1 651・ 855- YAA (B65H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大山 広人  
特許庁審判長 森次 顕
特許庁審判官 尾崎 淳史
藤本 義仁
登録日 2017-10-06 
登録番号 特許第6220934号(P6220934)
権利者 株式会社プレッシオ
発明の名称 丁合装置及びその制御プログラム  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 飯野 茂  
代理人 峰 隆司  
代理人 飯野 茂  
代理人 森川 元嗣  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
代理人 峰 隆司  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 森川 元嗣  

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