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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1352516
審判番号 訂正2018-390190  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-11-30 
確定日 2019-06-01 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6271692号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6271692号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、3について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6271692号の請求項1?3に係る特許についての出願は、平成17年7月27日に出願した特願2005-217404号(優先権主張平成17年5月6日)の一部を平成23年4月15日に新たな特許出願とした特願2011-91194号の一部を平成23年8月22日に新たな特許出願とした特願2011-180122号の一部を平成23年9月20日に新たな特許出願とした特願2011-204318号の一部を平成27年11月11日に新たな特許出願とした特願2015-220856号の一部を平成28年12月16日に新たな特許出願(特願2016-243945号)としたものであって、平成30年1月12日にその特許権の設定登録がされ、平成30年11月30日に訂正審判の請求がされたものである。


第2 請求の趣旨
特許第6271692号の特許請求の範囲を、本審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?3について訂正することを求める、との審決を求める。


第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである。(注:下線部分は訂正箇所を示す。)
1 請求項1に係る訂正(訂正事項1)
特許請求の範囲における請求項1に、
「前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として」と記載されているのを、
「前記或るゲーム装置の前記リストに前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として」に訂正する。

2 請求項2に係る訂正(訂正事項2)
特許請求の範囲における請求項に、
「前記判断手段は、新たな通信ゲームを開始するたびに、前記或るゲーム装置の識別情報が、前記他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する、請求項1記載の通信ゲームシステム。」とあるのを、独立形式に改め、
「ネットワーク通信を行う通信手段を備え、各々に識別情報が付与される複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
前記複数のゲーム装置のゲーム装置毎に、他のゲーム装置の前記識別情報をリストに登録する登録手段、および
前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記識別情報が、前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として、当該或るゲーム装置が前記通信手段を用いて当該他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可し、
前記登録手段は、前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記リストに前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったときに、当該他のゲーム装置の前記リストに当該或るゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったか否かに関わらず、当該或るゲーム装置の前記リストに当該他のゲーム装置の前記識別情報を登録し、
前記判断手段は、新たな通信ゲームを開始するたびに、前記或るゲーム装置の識別情報が、前記他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する、通信ゲームシステム。」に訂正する。

3 請求項3に係る訂正(訂正事項3)
特許請求の範囲における請求項3に、
「前記判断ステップにおいて前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記登録に含まれると判断されたことを条件として」と記載されているのを、
「前記或るゲーム装置の前記登録に前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断ステップにおいて前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記登録に含まれると判断されたことを条件として」に訂正する。

4 別の請求単位とする求め
審判請求人は、訂正後の請求項2について、当該請求項の訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。


第4 当審の判断
1 請求項1に係る訂正(訂正事項1)について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「条件」について、「前記或るゲーム装置の前記リストに前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること」を条件に加えて限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正前の請求項1に記載された発明のカテゴリーを変更するもでのはなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。

(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には、「お互いに相手の識別情報をお友達リストに登録していることをネットワーク通信の条件とした」(【0209】)と記載されていることから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づくものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件特許に係る侵害訴訟事件(平成29年(ワ)第43185号)において、被告(株式会社コロプラ)が提出している各証拠(乙44?46)についても検討したが、各証拠には、訂正後の特許請求の範囲の請求項1における発明特定事項のうち、「前記或るゲーム装置の前記リストに前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として」、当該或るゲーム装置が前記通信手段を用いて当該他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可することについては、記載も示唆もない。
その他に、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。
よって、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 請求項2に係る訂正(訂正事項2)について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項2の記載が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式の請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、上記(1)のとおり、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであって、訂正前の請求項1に記載された発明のカテゴリーを変更するもでのはなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。

(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、願書に添付した明細書に記載された範囲内のものといえる。

3 請求項3に係る訂正(訂正事項3)について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項3に記載の「条件」について、「前記或るゲーム装置の前記登録に前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること」を条件に加えて限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正前の請求項3に記載された発明のカテゴリーを変更するもでのはなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。

(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3に関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には、「お互いに相手の識別情報をお友達リストに登録していることをネットワーク通信の条件とした」(【0209】)と記載されていることから、訂正事項3は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づくものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件特許に係る侵害訴訟事件(平成29年(ワ)第43185号)において、被告(株式会社コロプラ)が提出している各証拠(乙44?46)についても検討したが、各証拠には、訂正後の特許請求の範囲の請求項3における発明特定事項のうち、「前記或るゲーム装置の前記登録に前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断ステップにおいて前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記登録に含まれると判断されたことを条件として」、前記或るゲーム装置が前記通信手段を用いて前記他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可することについては、記載も示唆もない。
その他に、訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。
よって、訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第126条第7項の規定に適合する。

4 一群の請求項について
訂正前の請求項2は、訂正事項1に係る訂正前の請求項1の記載を直接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、当該請求項1?2は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。
ただし、訂正後の請求項2に係る訂正事項2は、引用関係の解消を目的とする訂正であって、特許権者から、訂正後の請求項2について訂正が認められるときは請求項1とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、請求項2は、請求項1とは別途訂正することを認めるものである。


第5 むすび
以上のとおりであって、平成30年11月30日に特許権者が行った本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に規定する事項を目的とするものである。
また、特許法第126条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク通信を行う通信手段を備え、各々に識別情報が付与される複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
前記複数のゲーム装置のゲーム装置毎に、他のゲーム装置の前記識別情報をリストに登録する登録手段、および
前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記識別情報が、前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する判断手段を備え、
前記或るゲーム装置の前記リストに前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として、当該或るゲーム装置が前記通信手段を用いて当該他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可し、
前記登録手段は、前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記リストに前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったときに、当該他のゲーム装置の前記リストに当該或るゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったか否かに関わらず、当該或るゲーム装置の前記リストに当該他のゲーム装置の前記識別情報を登録する、通信ゲームシステム。
【請求項2】
ネットワーク通信を行う通信手段を備え、各々に識別情報が付与される複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムであって、
前記複数のゲーム装置のゲーム装置毎に、他のゲーム装置の前記識別情報をリストに登録する登録手段、および
前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記識別情報が、前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段によって、前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記リストに含まれると判断されたことを条件として、当該或るゲーム装置が前記通信手段を用いて当該他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可し、
前記登録手段は、前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記リストに前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったときに、当該他のゲーム装置の前記リストに当該或るゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったか否かに関わらず、当該或るゲーム装置の前記リストに当該他のゲーム装置の前記識別情報を登録し、
前記判断手段は、新たな通信ゲームを開始するたびに、前記或るゲーム装置の識別情報が、前記他のゲーム装置の前記リストに含まれるか否かを判断する、通信ゲームシステム。
【請求項3】
ネットワーク通信を行う通信手段を備え、各々に識別情報が付与される複数のゲーム装置を含む通信ゲームシステムにおいて実行される通信制御方法であって、
前記複数のゲーム装置のゲーム装置毎に、他のゲーム装置の前記識別情報を登録する登録ステップ、および
前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置の前記識別情報が、前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記登録に含まれるか否かを判断する判断ステップを含み、
前記或るゲーム装置の前記登録に前記他のゲーム装置の前記識別情報が含まれること、および、前記判断ステップにおいて前記或るゲーム装置の識別情報が前記他のゲーム装置の前記登録に含まれると判断されたことを条件として、前記或るゲーム装置が前記通信手段を用いて前記他のゲーム装置とネットワーク通信を行うことを許可し、
前記登録ステップは、前記複数のゲーム装置のうちの或るゲーム装置において前記複数のゲーム装置のうちの他のゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったときに、当該他のゲーム装置において当該或るゲーム装置の前記識別情報を登録する旨の指示があったか否かに関わらず、当該或るゲーム装置について当該他のゲーム装置の前記識別情報を登録する、通信制御方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-05-07 
結審通知日 2019-05-09 
審決日 2019-05-24 
出願番号 特願2016-243945(P2016-243945)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 852- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上田 泰東 芳隆  
特許庁審判長 尾崎 淳史
特許庁審判官 吉村 尚
藤本 義仁
登録日 2018-01-12 
登録番号 特許第6271692号(P6271692)
発明の名称 通信ゲームシステムおよび通信制御方法  
代理人 井上 義隆  
代理人 金本 恵子  
代理人 新藤 圭介  
代理人 福原 裕次郎  
代理人 鈴木 守  
代理人 三村 量一  
代理人 井上 義隆  
代理人 金本 恵子  
代理人 加藤 真司  
代理人 新藤 圭介  
代理人 鈴木 守  
代理人 福原 裕次郎  
代理人 安井 友章  
代理人 加藤 真司  
代理人 三村 量一  
代理人 安井 友章  

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