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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 A47J
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A47J
管理番号 1352844
審判番号 不服2018-11699  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-08-31 
確定日 2019-07-16 
事件の表示 特願2016-517223号「空気ベースのフライヤパン」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月11日国際公開、WO2014/195150、平成28年7月11日国内公表、特表2016-519991号、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)5月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年(平成25年)6月4日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成27年12月 7日 :手続補正書の提出
平成29年10月23日 :手続補正書の提出
平成30年 1月16日付け:拒絶理由通知書
平成30年 3月29日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年 6月 7日付け:拒絶査定
平成30年 8月31日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成30年6月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし14に係る発明は以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2012/032449号
2.実願平4-18123号(実開平5-70428号)のCD-ROM
3.米国特許第5211105号明細書

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正(平成30年8月31日提出の手続補正書による補正)は、当該補正前の請求項1ないし14に記載された発明を特定するために必要な事項である「取付コネクタ」について食品調理チャンバの内部にパンを「一時的に」取り付けるものであるという限定を付加するものであって、当該補正前の請求項1ないし14に記載された発明と、当該補正後の請求項1ないし14に記載される発明とは産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、当該補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、審判請求時の補正は、当該補正前の請求項8に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記空気」を「前記高温空気」とするものであり、当該補正は、明りようでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、これらの補正は、新規事項を追加するものではない。
そこで、補正後の請求項1ないし14に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明14」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するものである(特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである)かについて、以下検討する。

(1)本願発明
本願発明1ないし本願発明14は、平成30年8月31日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりである。

「【請求項1】
食品を調理するための高温空気装置のためのパンであって、
調理されることになる食品を受けるためのパン表面領域を提供するパン底部、
前記パン表面領域を少なくとも部分的に囲む側壁、及び
前記食品を調理するための前記高温空気装置の食品調理チャンバの内部に前記パンを一時的に取り付けるための取付コネクタ、を有し、
前記パン底部は、高温空気通路として複数の貫通孔を備え、
前記貫通孔は、前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、
前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である、
パン。
【請求項2】
前記貫通孔は、約2mmの最小幅、及び約10mmの最大幅を備える、
請求項1に記載のパン。
【請求項3】
前記パン底部は、下方表面部分と交互になる方法で配置された複数の上方突出リブを備え、
前記貫通孔は、前記下方表面部分に設けられる、
請求項1に記載のパン。
【請求項4】
1つの対角線上で対向する2つの角部における前記側壁の高さが、前記2つの角部に隣接する前記側壁における前記側壁の高さより低くなった側壁角部セグメントを備える、
請求項1に記載のパン。
【請求項5】
前記パンの外側輪郭が、前記食品調理チャンバの隣接する内側表面に当接するための複数の延長部を備え、
少なくとも1つの側部凹所が、二次高温空気通路として前記延長部の間に設けられる、
請求項1に記載のパン。
【請求項6】
前記複数の貫通孔による前記高温空気通路及び前記二次高温空気通路は、1:1から1:3の範囲の比で提供される、
請求項5に記載のパン。
【請求項7】
食品を調理するための装置であって、
食品調理チャンバ、
空気移動装置、
加熱装置、及び
パンであって、調理されることになる食品を受けるためのパン表面領域を提供するパン底部、前記パン表面領域を少なくとも部分的に囲む側壁、及び前記食品を調理するための前記装置の食品調理チャンバの内部に前記パンを一時的に取り付けるための取付コネクタ、を含み、前記パン底部は高温空気通路として複数の貫通孔を備え、前記貫通孔は前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である、パン、を有し、
前記食品調理チャンバは、コンテナ表面によって提供され、前記コンテナ表面は、高温空気の通過流動によって調理されることになる食品とともに前記パンを受け入れるために提供される受入容積を少なくとも部分的に囲み、
前記空気移動装置は、前記食品調理チャンバを流動する循環する空気流の流れを供給し、
前記加熱装置は、前記空気移動装置によって供給される前記空気流を加熱するように構成され、
前記パンは、高温空気の前記空気流の中で前記受入容積内に配置可能であり、
前記装置は、
前記貫通孔による前記高温空気の通過として提供される前記高温空気を直接介する対流、及び
前記高温空気の流れによって加熱されるパン構造によって提供される伝導、を含む、
二つの加熱メカニズムによって前記パンの上に配置される食品を調理するように構成される、
装置。
【請求項8】
空気ダクト装置であって、前記高温空気の前記受入容積への侵入のための空気入口開口、及び前記受入容積からの前記高温空気の流出のための空気放出開口を含む、空気ダクト装置をさらに有し、
前記空気ダクト装置は、前記空気放出開口から前記加熱装置及び前記空気移動装置を経由し前記空気入口開口への空気流を供給するように構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記パン底部に配置された食品に関連して、前記対流による熱伝達は前記二つの加熱メカニズムによる熱伝達に対する第1の割合を備え、前記伝導による熱伝達は前記二つの加熱メカニズムによる熱伝達に対する第2の割合を備え、
前記第1の割合対前記第2の割合は、約1:1から約1:3の範囲で提供される、
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記二つの加熱メカニズムは、もっぱら前記加熱装置からの熱を供給される、
請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記パンは外側輪郭を備え、前記外側輪郭は、上部から前記パンの下の領域への前記高温空気の供給のための二次高温空気通路を形成するために、少なくとも前記外側輪郭の一部に沿った空気換気ギャップを形成する前記食品調理チャンバの内側断面より小さく提供される、
請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は卓上機器として構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、ビルトイン機器として構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項14】
高温空気で食品を調理するための方法であって、前記方法は:
高温空気通路として複数の貫通孔を備えるパン底部を含むパンに食品を供給する動作であって、前記貫通孔はパン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である、動作と、
食品調理チャンバの内部に前記パンを前記パンの取付コネクタにより一時的に取り付ける動作と、
前記食品調理チャンバにおいて高温空気の通過流動を供給する動作であって、前記高温空気の前記通過流動は、前記複数の貫通孔を通る高温空気の通過として、供給される、動作と、を含み、
熱は、
前記複数の貫通孔を経由して前記高温空気を直接介して熱を対流させること、及び
前記高温空気の流れによって加熱されるパン構造により熱を伝導すること、である、二つの方法で前記食品に加えられる、
方法。」

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1の記載等
原査定の理由に引用された引用文献1には、「Apparatus for preparing food」(食品を作成するための装置)に関して、図面とともに次の記載がある。
「An apparatus for preparing food is shown in the Figures comprising an outer shell 1. The apparatus is configured to prepare food items placed therein by heating, so as to heat and/or cook the food items ready for consumption.」(第3ページ第28ないし30行)(仮訳:外部シェル1を有する、食品を作成するための装置が図面において示される。当該装置は、消費のために準備した食品材料を加熱及び/又は調理するように、その中に配置された食品材料を加熱により作成するように構成される。)
「Referring now to Figures 1 and 4, the outer shell 1 extends around an outer wall 2 which defines a food preparation chamber 3. An inner wall 4 is disposed in the food preparation chamber 3 and defines a food receiving space 5 in which food items to be heated and/or cooked (not shown) are received. The outer wall 2 and the inner wall 4 extend substantially parallel to and are spaced from each other to define a channel 6 therebetween, which acts as an air guide means along which hot air flows, as will be explained hereinafter. 」(第3ページ第31行ないし第4ページ第2行)(仮訳:図1及び4を参照すると、外部シェル1は、食品調製室3を規定する外壁2周辺において延在する。内壁4は、食品調製室3内に配置され、調理及び/又は加熱されるべき食品材料(図示省略)が受け入れられる食品受入空間5を規定する。外壁2及び内壁4は、実質的に平行に延在し、その間にチャネル6を規定するために互いに間隔が空けられ、これは、以下で後述するように、ホットエアが流れるエアガイド手段として機能する。)
「The inner wall 4 comprises a bottom part 7 and a side wall 8 which extends around and upstands from the bottom part 7. The bottom part 7 of the inner wall 4 is provided with an air-permeable section 9 which acts as a hot air inlet to the food receiving space 5 and a top part 11 of the inner wall 4 is provided with a discharge opening 10 to allow air to flow therethrough. In the present embodiment, the air permeable section 9 extends across the whole bottom part 7, although it may extend across only part of the bottom part 7. The air permeable section 9 is formed by known means, such as a mesh or grid arrangement. 」(第4ページ第3ないし9行)(仮訳:内壁4は、底部分7と、底部分7の周辺に延在するとともに下部部材7から直立する側壁8とを有する。内壁4の底部分7は、食品受入空間5に対するホットエア吸気口としての機能を果たす通気性部分9を備えており、内壁4の一番上の部分11は、エアがこれを介して流れることを可能にするために排気口10を備えている。本実施例において、通気性部分9は底部分7全体に延在するが、底部分7の一部だけに延在してもよい。通気性部分9は、既知の手段(例えばメッシュ又はグリッド配置)により形成される。)



」(図1)


」(図2)


」(図3)

(イ)上記(ア)の記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 引用文献1に記載された技術は、ホットエアにより食品を調理する装置の内壁に関するものである(第3ページ第28行ないし第4ページ第2行及び図1ないし3を参照。)。
b 内壁は、食品調製室内に配置され、食品材料が受け入れられる食品受入空間を規定するものであって、底部分と、底部分の周辺に延在するとともに下部部材から直立する側壁とを有する(第4ページ第3ないし4行を参照。)。
c 内壁の底部分は、食品受入空間に対するホットエア吸気口としての機能を果たすメッシュ等により形成される通気性部分を備えている(第4ページ第4ないし9行を参照。)

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ホットエアにより食品を調理する装置の内壁であって。
内壁は、食品調製室内に配置され、食品材料が受け入れられる食品受入空間を規定するものであって、底部分と、底部分の周辺に延在するとともに下部部材から直立する側壁とを有し、
内壁の底部分は、食品受入空間に対するホットエア吸気口としての機能を果たすメッシュ等により形成される通気性部分を備えている、内壁。」

イ 引用文献2に記載された技術
同じく原査定の理由に引用された引用文献2には、段落【0019】等から、「調理用容器の材質として、アルミニウム又は他の金属に遠赤外線放射性をよくする表面処理を施したものを使用する技術。」が記載されていると認められる。

ウ 引用文献3に記載された技術
同じく原査定の理由に引用された引用文献3には、第2欄第5ないし28行、図1及び図4等から、「多数の孔を有する食品プレートを、下方部分と上方突出部分とを含む波形に構成する技術。」が記載されていると認められる。

(3)本願発明と引用発明との対比・判断
ア 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明における「ホットエアにより食品を調理する装置の内壁」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明1における「食品を調理するための高温空気装置のためのパン」に相当する。
引用発明において、「内壁」は、「食品材料が受け入れられる食品受入空間を規定するもの」であり、「底部分と、底部分の周辺に延在するとともに下部部材から直立する側壁とを有」するものであるから、引用発明における「食品材料が受け入れられる食品受入空間を規定する」「内壁」の「底部分」は、本願発明1における「調理されることになる食品を受け入れるためのパン表面領域を提供する」「パン底部」に相当し、また、引用発明における「底部分の周辺に延在するとともに下部部材から直立する側壁」は、本願発明1における「パン表面領域を少なくとも部分的に囲む側壁」に相当する。
引用発明において、「内壁」は、「食品調製室内に配置され」るものであり、引用文献1の図2及び3の記載を参酌すれば、該内壁を食品調整室内に取り付けるための手段があることは明らかであるから、引用発明は、「前記食品を調理するための前記高温空気装置の食品調理チャンバの内部に前記パンを」「取り付ける」手段を有する点で、本願発明1と一致する。
引用発明における「底部分」は、「食品受入空間に対するホットエア吸気口としての機能を果たすメッシュ等により形成される通気性部分を備えて」おり、通常メッシュは多数の孔を含むものであるから、本願発明1における「パン底部」と、「高温空気通路として複数の貫通孔を備え(る)」点で一致する。

したがって、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

[一致点]
「食品を調理するための高温空気装置のためのパンであって、
調理されることになる食品を受けるためのパン表面領域を提供するパン底部、
前記パン表面領域を少なくとも部分的に囲む側壁、及び
前記食品を調理するための前記高温空気装置の食品調理チャンバの内部に前記パンを取り付ける手段、を有し、
前記パン底部は、高温空気通路として複数の貫通孔を備える、
パン。」

[相違点1]
本願発明1においては、「食品調理チャンバの内部に前記パンを一時的に取り付けるための取付コネクタ」を備えるのに対して、引用発明においては、食品調製室内に内壁を取り付けるための何らかの手段を備えるものの、当該手段が内壁を「一時的に取り付けるための取付コネクタ」であるかが不明である点(以下「相違点1」という。)。

[相違点2]
本願発明1においては、「前記貫通孔は、前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である」のに対して、引用発明においては、そのような構成が特定されていない点(以下「相違点2」という。)。

事案に鑑み、まず相違点2について検討する。
引用発明においては、「内壁の底部分は、食品受入空間に対するホットエア吸気口としての機能を果たすメッシュ等により形成される通気性部分を備えている」が、メッシュ等における孔が底部分の表面領域をどの程度カバーするのかは不明である。また、引用発明においては、内壁の底部分の表面の面積当たりの熱容量は不明である。
パンの底部の貫通孔の面積と、パンの底部表面の面積当たりの熱容量を本願発明1において特定される数値範囲とすることは、引用文献2及び3にも記載されておらず、また、周知技術であるともいえない。
本願発明1は、「前記貫通孔は、前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である」という事項を備えることにより、「調理の間、熱は、例えば、魚又は肉を調理することに関してバランスの取れた比で、調理されることになる食品に供給される。例えば、高温表面領域との十分な接触が提供されるので、クラスト(crust)が最適な結果として形成されることができる。特に、パン底部の面積当たりの熱容量の上記の与えられた範囲は、例えばより良いクラストを作るために、肉又は魚をより高い温度に加熱するために使用されることができる熱バッファ(heat buffer)が提供されることを確実にする。貫通孔の与えられた範囲は、食品の内側が適切な量に調理されることを確実にしている。言い換えると、閉鎖された面積と孔の面積との間の与えられたバランスが、ステーキ又は魚のようなデリケートな食品の調理を考慮して最適化される熱伝達分布を提供する。」(段落【0007】)という有利な効果を奏するものである。

したがって、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成を採用することを当業者が容易に想到し得たとはいえないから、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2及び3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 本願発明2ないし6について
本願請求項2ないし6は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載したものであるから、本願発明2ないし6は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
したがって、本願発明2ないし6は、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2及び3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 本願発明7ないし13について
本願発明7ないし13は、食品を調理するための装置の発明であり、「前記貫通孔は前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である」との構成を備えるものである。
したがって、本願発明7ないし13は、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2及び3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

エ 本願発明14について
本願発明14は、本願発明1に対応する方法の発明であり、「前記貫通孔はパン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である」との構成を備えるものである。
したがって、本願発明14は、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2及び3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)まとめ
したがって、本願発明1ないし14は、引用発明及び引用文献2及び3に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明1ないし14が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする他の理由も見当たらない。
したがって、本願発明1ないし14は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するものである(特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである)
よって、審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。

第3 原査定について
本願発明1ないし14は「前記貫通孔は、前記パン表面領域の約3から50%をカバーし、前記パン底部の底部表面の面積当たりの熱容量は、10から75JK^(-1)dm^(-2)の間である」との構成又はこれに対応する構成を備えるものであり、当業者であっても、拒絶査定によって引用された引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第4 むすび
以上のとおり、原査定によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-01 
出願番号 特願2016-517223(P2016-517223)
審決分類 P 1 8・ 575- WY (A47J)
P 1 8・ 121- WY (A47J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮崎 光治黒田 正法  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 大屋 静男
紀本 孝
発明の名称 空気ベースのフライヤパン  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
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