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審決分類 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  B01J
審判 一部申し立て 2項進歩性  B01J
管理番号 1353120
異議申立番号 異議2018-700817  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-10-05 
確定日 2019-05-20 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6309386号発明「炭素触媒及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6309386号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 特許第6309386号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6309386号の請求項1?13に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2014年(平成26年)7月31日に出願され、平成30年3月23日にその特許権の設定登録がされ、平成30年4月11日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1に係る特許について、平成30年10月5日付けで特許異議申立人 奥村 一正(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成31年1月9日付けで取消理由が通知され、平成31年3月11日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して、平成31年4月10日付けで申立人から意見書が提出されたものである。

第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成31年3月11日付けの訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求に係る訂正請求書に添付の訂正特許請求の範囲のとおり訂正するもので、以下の訂正事項1からなるものである(下線部は、訂正箇所を示す)。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「酸素還元反応用炭素触媒。」
とあるのを、
「酸素還元反応用粉砕炭素触媒。」
と訂正する。

ここで、訂正前の請求項2?13は、請求項1を引用するものではないから、本件訂正請求は、請求項1について、特許法第120条の5第3項の規定により、請求されたものであると認められる。
なお、訂正事項1は、特許異議の申立てがされた請求項1のみを訂正するものであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項に規定する要件は適用されない。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1について
訂正事項1は、「酸素還元反応用炭素触媒」の記載を、酸素還元反応用炭素触媒が粉砕された状態であることを意味する「酸素還元反応用粉砕炭素触媒」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
酸素還元反応用炭素触媒が粉砕された状態であることは、本件明細書の段落【0010】の実施の形態[5]における粉砕工程を含む炭素触媒の製造方法、及び段落【0109】?段落【0114】の実施例1における「(工程3)」(段落【0111】)の粉砕工程を経て炭素触媒を得る炭素触媒の作製工程が記載されていることに基づくものであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項並びに第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。


第3 特許異議の申立てについて
1 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(下線部は、訂正箇所を示す)。

本件発明1
「【請求項1】
炭素原子、窒素原子、及び遷移金属を含有し、
前記遷移金属の含有量が、前記炭素触媒100質量%に対して、3.4質量%?20質量%であり、
BJH法で求めた孔径が2.0nm以上50nm以下であるメソ孔を有し、
前記メソ孔の細孔容積が、0.90cm^(3)/g以上であり、
BET比表面積が、1,000?2,500m^(2)/gであり、
平均粒子径が、0.010?0.50μmであり、
前記窒素原子と前記炭素原子のモル比(N/C)が、0.0010?0.10であり、
前記遷移金属が、鉄、コバルト、ニッケル、銅、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、
酸素還元反応用粉砕炭素触媒。」

2 証拠方法
申立人から提出された証拠は、以下の甲1?甲4である。

甲1:Hansan Liu et al. "Ultrasonic spray pyrolyzed iron-polypyrrole
mesoporous spheres for fuel cell oxygen reduction
electrocatalysts", Jounal of Materials Chemistry,
2009, 19, 468-470
甲2:Hansan Liu et al. "Ultrasonic Spray Pyrolyzed Iron-Polypyrrole
Mesoporous Spheres for Fuel Cell Oxygen Reduction
Electrocatalyst",Supporting Information,
Supplementary Material(ESI) for Journal of Materials Chemistry
(2009)
(URL:http://www.rsc.org/suppdata/jm/b8/b819619b/b819619b.pdf)
甲3:特表2011-525468号公報
甲4:Ratna Balgis et al. "Self-Organized Macroporous Carbon
Structure Derived from Phenolic Resin via Spray Pyrolysis
for High-Performance Electrocatalyst ",
ACS Applied Materials and Interfaces,
2013,5, 11944-11950

3 取消理由について
当審において通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。

訂正前の請求項1に係る発明は、甲1?甲3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

4 当審の判断
上記取消理由について検討する。
(1)各引用文献の記載事項
ア 甲1の記載事項
甲1には、以下の記載がある(「」内の訳は、甲1の抄訳文を参考にした)。

1a 「Ultrasonic spray pyrolyzed iron-polypyrrole mesoporous spheres for fuel cell oxygen reduction electrocatalysts」
(468ページ、タイトル)
(「超音波噴霧熱分解された燃料電池酸素還元電極触媒のための鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体」)

1b 「A self-supported iron-polypyrrole mesoporous sphere catalyst (FePPy-MS) was synthesized by combining the ultrasonic spray pyrolysis (USP) technique with the colloidal silica template method. Ultrasonic spray pyrolysis is an aerosol processing of materials, which enables the controllable synthesis of homogeneous powders with spherical solid or hollow particles. Coupling with the colloidal silica template method, the USP has been applied to the synthesis of various porous materials such as porous carbon blacks and metal oxides. 」
(468ページ右欄25行-33行)
(「自立した鉄-ポリピロールメソ多孔質球状触媒(FePPy-MS)は、超音波噴霧熱分解(USP)技術をコロイダルシリカテンプレート法と組み合わせて合成された。超音波噴霧熱分解は、材料のエアロゾル加工処理であり、球状で中実又は中空の粒子を含む均一粉体の制御可能な合成を可能にする。コロイダルシリカテンプレート法との組み合わせで、USPは多孔質のカーボンブラックや金属酸化物といった様々な多孔質材料の合成に適用されてきた。」

1c 「Scheme 1 illustrates the preparation process of the FePPy-MS catalyst. Pyrrole was polymerized into polypyrrole colloids in a solution of potassium ferricyanide and colloidal silica. The colloidal mixture was then nebulized to smog droplets with an ultrasonic atomizer. The smog droplets were transformed into FePPy-SiO_(2) composite solid particles after passing through a high temperature furnace. FePPy mesoporous sphere catalyst was obtained after HF etching to remove SiO_(2). For comparison, the FePPy-VC catalyst was prepared by the conventional impregnation method (see the ESI, Material preparation).」
(468ページ右欄45行-469ページ左欄7行)
(「スキーム1に、FePPy-MS触媒の調製工程を示す。ピロールは、フェリシアン化カリウム及びコロイダルシリカの溶液中でポリピロールコロイドへと重合された。それから超音波霧化器によってコロイド混合物を霧状の液滴に霧化した。霧状の液滴を、高温炉に通過させて、FePPy-SiO_(2)複合中実粒子に変換した。SiO_(2)を除去するHFエッチングによって、FePPyメソ多孔質球状触媒を得た。比較のため、従来の含浸法によってFePPy-VC触媒を調製した(ESIの「材料の調製」を参照。)

1d 「



1e 「Fig.1 shows SEM micrographs of the FePPy-MS before and after HF etching. Before HF etching, the FePPy-SiO_(2) composite particles (Fig.1(a)) display a consistent spherical shape with a smooth surface. The particle sizes range between 200 nm and 2μm. After HF etching, the solid composite spheres become FePPy hollow spheres due to the removal of the silica. As shown in Fig.1(b), silica removal does not destroy the spherical shape of the original composite particles, and leaves many hollows uniformly dispersed through the surface to the bulk. This results in a honeycomb-like hollow structure for the FePPy-MS particles.」
(469ページ左欄8行-17行)
(「図1には、HFエッチングの前後におけるFePPy-MSのSEM顕微鏡写真を示す。HFエッチング前、FePPy-SiO_(2)複合粒子(図1(a))は、滑らかな表面を有する一貫した球形状を示した。粒子サイズは200nmから2μmの範囲内であった。HFエッチング後、シリカの除去によって、中実複合球体はFePPy中空球体になった。図1(b)に示されるように、シリカ除去は、もとの複合粒子の球形状を破壊せず、表面から内部まで均一に分散された多数の中空を残した。その結果、FePPy-MS粒子のハニカム様中空構造が得られた。」)

1f 「



1g 「The catalyst composition was analyzed by EDAX. The results show that the nitrogen and iron contents in the FePPy-MS sample are 9.07 at% and 1.56 at%, respectively, which are much less than the values(20 at% and 5.0 at%)in the precursor.」
(469ページ左欄18行目-21行目)
(「触媒成分はEDAXで分析された。その結果、FePPy-MSサンプル中の窒素及び鉄の含有量はそれぞれ9.07原子%及び1.56原子%であり、前駆体の値(20原子%及び5.0原子%)よりずっと小さかった。」)」

1h 「Fig.2 shows the nitrogen adsorption and desorption isotherms and the corresponding pore size distribution of FePPy-VC and FePPy-MS, respectively. 」
(469ページ右欄6行-8行)
(「図2には窒素吸脱着等温線及び対応するFePPy-VC及びFePPy-MSの細孔径分布を示す。」)

1i 「





1j 「For the FePPy-MS sample, the nitrogen isotherms are classified as type-IV isotherms, which is the typical characteristic of mesoporous materials. A large BET specific surface area of 1263m^(2) g^(-1) was achieved, which is 7.5 times higher than that of FePPy-VC. The pore volume of the former (1.12cm^(3) g^(-1))is larger than that of the latter (0.30cm^(3) g^(-1)), due to the mesoporous structure.」
(469ページ右欄15行-20行)
(「FePPy-MSサンプルの窒素等温線は、メソ多孔質材料の典型的な特徴であるタイプIV等温線に分類された。1263m^(2)/gという大きなBET比表面積が達成され、これはFePPy-VCの7.5倍であった。前者の細孔容積(1.12cm^(3)/g)は、そのメソ多孔質構造のために、後者のそれ(0.30cm^(3)/g)よりも大きかった。」)

1k 「Moreover, the FePPy- MS catalyst has a narrow pore size distribution centered at ?24 nm, as calculated from the adsorption isotherm branch by the BJH (Barrett-Joyner-Halenda) method. It is interesting to note that only a slight increase in mesopore size was observed during the replication process from silica template (?22 nm) to mesoporous FePPy. Compared to the carbon-black-supported sample, the self-supported FePPy-MS catalyst has a favourable mesoporous structure, which is potentially beneficial for improving mass transport under PEM fuel cell circumstances.」
(469ページ右欄27行-36行)
(「さらにFePPy-MS触媒はBJH(Barett-Joyner-Halenda)法による吸着等温線から計算された、24nmに中心を有する狭い細孔径分布を有している。興味深いことに、シリカテンプレート(?22nm)からメソ多孔質FePPyへのレプリカ工程中にメソ孔サイズはほんのわずか増加しただけであった。カーボンブラック担持サンプルと比較して、自立したFePPy-MS触媒は好ましいメソ多孔質構造を有しており、このことはPEM燃料電池環境下における物質移動を向上させる上で潜在的に有益である。」)

イ 甲2の記載事項
甲2には、以下の記載がある(「」内の訳は、甲2の抄訳文を参考にした)。

2a 「Material preparation
Ultrasonic spray pyrolysis and colloidal silica template methods were used to synthesize the target self-supported catalysts: 2.0 g pyrrole (Sigma-Aldrich) and 2.46 g potassium ferricyanide (Sigma-Aldrich) were dissolved in 300 ml of deionized (DI) water to form a solution. The potassium ferricyanide was chosen as an iron precursor because the cationic polypyrrole are facile to integrate with anions. As a synthetic template, 5.0 g commercially available colloidal silica (LUDOX^(R )TM40, DuPont) was added to this solution, followed by 45 ml of 3.0 wt% H_(2)O_(2). After 1.0 ml 0.01 M FeCl_(3) was dropped in to activate the polymerization, the solution was stirred for 24 hours. In this way, the pyrrole could be gradually polymerized into polypyrrole colloids. The co-existing colloidal solution of polypyrrole and silica was then transferred to a homemade ultrasonic spray pyrolysis system, in which a 2.4 MHz ultrasonic atomizer turned this colloidal solution into aerosol mist. Then, this aerosol mist was carried into a tube furnace by a stream of high-purity nitrogen gas. In the tube furnace at 800 ℃, the aerosol droplets were dried, condensed, polymerized, and carbonized. The black solid particles (FePPy-SiO_(2) composite particles) that formed were then precipitated in a water bubbling collector. The silica component in these FePPy-SiO_(2) composite particles was then removed by etching in 10%HF solution for 24 hours. The final sample was washed by DI water 3 times and acetone 3 times to remove the residual chemicals.」
(「Material preparation」の欄)
(「材料の調製
超音波噴霧熱分解及びコロイダルシリカテンプレート法が、目的とする自立した触媒の合成に使用された:2.0gのピロール(シグマーアルドリッチ)及び2.46gのフェリシアン化カリウム(シグマーアルドリッチ)を300mlの脱イオン(DI)水に溶解して溶液を得た。カチオンポリピロールはアニオンと容易に結合するため、フェリシアン化カリウムが鉄前駆体として選択された。 この溶液に、合成テンプレートとして5.0gの商業利用可能なコロイダルシリカ(LUDOX(登録商標)TM40、デュポン)を添加し、続いて45mlの3.0重量%H_(2)O_(2)を添加した。重合を活性化するために1.0mlの0.01M塩化鉄を滴下した後、溶液を24時間撹絆した。こうしてピロールから徐々にポリピロールコロイドを重合した。それからポリピロール及びシリカが共存したコロイド溶液を自作の超音波噴霧熱分解システムに移し、2.4MHz超音波霧化器によって、このコロイド溶液をエアロゾルミストに変化させた。そして、このエアロゾルミストを高純度窒素ガスによって管状炉に運んだ。管状炉において800℃でエアロゾル液滴を乾燥、濃縮、重合し、炭化した。その後、形成された黒色の中実粒子(FePPy-SiO_(2)複合粒子)を水バブリング収集器内で沈殿させた。その後、10%HF溶液中における24時間のエッチングによって、FePPy-SiO_(2)複合粒子内のシリカ成分を除去した。残っている化学成分を除去するため、最終的なサンプルをDI水で3回及びアセトンで3回洗浄した。」)

ウ 甲3の記載事項
甲3には、以下の記載がある(なお、各段落にある「[0001]」等の「[・・・]」の記載は省略した)。

3a 「【0001】
本発明は、表面積及び孔径により規定される調整された気孔率を有する球状形態の多孔質炭素及びその作製方法に関する。」

3b 「【0014】
球状材料が多孔質電極の作製において有利であることもよく知られている。球体は、他の形状の固体と比べると最もコンパクトなパッケージを有する。球状炭素は、よりコンパクトで薄い膜(燃料電池の触媒膜、電池/コンデンサの電極層)を形成し、より高いエネルギー密度及び出力密度をもたらすことが可能である。さらに、狭い粒径分布を有する多孔質炭素球は、電気化学装置において大量輸送のための規則性3Dチャンネルを構築することが可能である。したがって、電気化学的用途において、球状カーボンブラックはランダムな形態の他のカーボンブラックよりも好ましい。
【0015】
本発明は、調整された気孔率を有する球状形態の多孔質炭素を提供する。本発明の多孔質炭素は、多様な電気化学エネルギー技術の要求に応じて、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔又は階層的細孔を有する。
【0016】
本発明はまた、そのような多孔質炭素を作製するための新規の方法を提供する。本発明の方法では、電気化学エネルギー技術の先端材料として使用される多孔質炭素球を制御可能に合成するために、超音波噴霧熱分解(USP)法とコロイダルシリカテンプレート法とが組み合わせて使用される。本発明の方法は、球体形状の多孔質炭素を調製する機能、及び多孔質炭素球の表面積と孔径とにより規定される気孔率を調整する機能を有する。
【0017】
一態様において、本発明は、表面積及び孔径により規定される調整された気孔率を有する球状形態の多孔質炭素を作製するための方法であって、
(a)コロイダルシリカテンプレート材料と水溶性熱分解性炭素供給源とを水溶液中で混ぜ合わせて前駆体溶液を用意する工程であって、コロイダルシリカテンプレートの粒径及びコロイダルシリカ/炭素供給源の重量比は制御される工程と、
(b)前駆体溶液を超音波噴霧熱分解により霧化して小液滴を得る工程と、
(c)不活性ガス雰囲気下、700?1200℃で稼働している高温炉に液滴を導入する工程であって、そこで、液滴は固体球状の炭素/シリカ複合粒子に変換される工程と、
(d)炉から出る炭素/シリカ複合粒子を回収する工程と、
(e)粒子からシリカを除去して、表面積及び孔径により規定される調整された気孔率を有する球状形態の実質的に純粋な多孔質炭素を得る工程と、を含む方法を提供する。」

3c 「【0026】
他の態様において、本発明は、表面積及び孔径により規定される調整された気孔率を有する球状形態の多孔質炭素であって、多孔質炭素球は50?3000m^(2)/gの比表面積及び1?100nmの孔径分布を有する多孔質炭素を提供する。」

3d 「【0031】
本発明において、多孔質炭素球を制御可能に合成するために次の2つの戦略の組合せを採用した。(1)コロイダルシリカをテンプレートとして用いて多孔質炭素を複製すること。複製多孔質炭素球の表面積及び気孔率は、コロイダルシリカテンプレートの粒径及びシリカ/炭素供給源の比を制御することによって調整する。コロイダルシリカは、テトラエトキシシランを加水分解することによって合成することが可能であり、これは、規則性メソ多孔質シリカテンプレートを調製するよりも遙かに容易である。或いは、特定のコロイドサイズを有する多くの低価格コロイダルシリカ製品が市販されている。(2)超音波噴霧熱分解(USP)法を用いて球状多孔質炭素を形成すること。理論上、球状粒子は一定体積中の堆積密度が最も高い。多孔質炭素球は、電気化学多孔質電極に適用するのに理想的である。USP法では、液体前駆体から開始してサブミクロンの固体球状粒子を製造することが可能である。この方法を用いて、コロイダルシリカ及び水溶性炭素供給源材料(例えば、スクロース、ピロール、アニリン)の液体混合物を球状の炭素/シリカ複合粒子に変換し、次いで、強酸又は強塩基によりシリカをエッチングして多孔質炭素球を形成する。
【0032】
・・・・・ 詳細には本発明の方法は下記の5工程を含む。
【0033】
(1)前駆体溶液を調製する工程。テトラエトキシシランを加水分解することにより調製したコロイダルシリカ又は市販のコロイダルシリカを、テンプレートとして使用した。スクロース、ピロール、アニリン、又は他の熱分解性炭素を含有する化合物を、炭素供給源として使用した。容器10中で、目標とする表面積及び気孔率に応じて、適当な量のコロイダルシリカ及び炭素供給源を各々DI水に溶解した。そして、攪拌しながら2つの溶液を30分間混合する。次いで、激しく攪拌しながら酸(HCl、H_(2)SO_(4)、H_(3)PO_(4)等)を混合溶液に素早く加えて、pHを1?3に調整した。酸化剤(FeCl_(3)、H_(2)O_(2)等)を加えて重合を開始することができる。コロイダルシリカテンプレートのコロイド粒径とコロイダルシリカ及び炭素供給源の量を、必要とする炭素の表面積及び気孔率に応じて選択した。例えば、テンプレート粒径22nmのルドックス(LUDOX)(登録商標)TM40(40重量%、DuPont)4gとスクロース4g(すなわち重量比1:1)を使用すれば、?22nmの孔径分布及び?1200m^(2)/gの比表面積を有する多孔質炭素球が得られる。スクロースを8g使用する(すなわち重量比1:2)と、比表面積は?860m^(2)/gに減少する。重量比(1:4?4:1)及びテンプレートコロイド粒径(1?100nm)に応じて、50?3000m^(2)/gという広範囲の比表面積が実現可能である。20?40nmのコロイド粒径が燃料電池の触媒支持体に有用である。
【0034】
(2)前駆体溶液を霧化する工程。次に、前駆体溶液を噴霧器12(例えば、14と一体化した超音波4ユニットアレイ噴霧器)に供給し、溶液を微粒化して小液滴にする。理論的には、噴霧器は粒径0.1?10μmの均一の球状液滴を製造できる。従来の噴霧器(例えば、加圧噴霧器、静電噴霧器)を溶液の霧化に使用することもできる。シリンジポンプ16を用いて溶液を容器中に移し、溶液のレベルを容器中で一定に保持した。高純度(99.999%)の窒素をキャリアガスとして用いて、形成された液滴を、高温管状炉20内に配置された2インチ石英管18を通じて運んだ。流量制御器22を用いて窒素ガスの流量を制御する。
【0035】
(3)液滴を熱分解する工程。管状炉20(最大1200℃、例えば、Thermcraft Inc.,USA製の炉)中で液滴を固体球状粒子に変換した。管状炉の最初の部分では、炭素供給源化学物質を重合させ、液滴を脱水した。管状炉の中央部では、700?1200℃の不活性ガス(N_(2)、Ar、He等)雰囲気下、前駆体を炭化することによって、炭素をナノサイズシリカ粒子上に形成した。
【0036】
(4)炭素/シリカ複合粒子を回収する工程。形成された炭素-シリカ固体球状粒子を、水が泡立っている容器24に回収した。窒素は生成物を容器中に運び入れて、固体を付着させ、残留化学物質を水に溶解させる。キャリアガスは、換気フードを介して排出した。
【0037】
(5)シリカをエッチングする工程。回収した粒子を濾過し、水性溶媒で数回洗浄して、炭素/シリカ複合体の表面の残留化学物質を除去した。次いで、強塩基又は強酸を炭素/シリカ複合体に加え、1?10時間攪拌してシリカをエッチングした。この工程を2回繰り返して、炭素球からシリカを完全にエッチングした。濾過し、数回洗浄し、100℃を超える温度で乾燥した後、多孔質炭素球を得た。
【0038】
調製された炭素球について、SEM、TEM及び表面積/気孔率分析により特性化した。様々な表面積及び気孔率を有する炭素球を、様々な粒径のコロイダルシリカテンプレートと様々な重量比のシリカ及び炭素供給源化学物質とを用いて合成した。炭素球の粒径は、合成パラメーター(例えば、前駆体濃度、噴霧器の周波数、ガス流量)に応じて100?2000nmであった。多孔質炭素球の粒径(したがってまた、コロイダルシリカテンプレートのサイズ)は用途に応じて1?100nmとすることができ、その範囲はミクロ孔(<2nm)、メソ孔(2?50nm)及びマクロ孔(>50nm)の粒径を包含する。様々な用途に応じて、多様な孔が炭素球に共存するようにすることも可能である。多孔質炭素球の比表面積は、合成パラメーターを制御することによって最大3000m^(2)/gとすることができる。」

3e 「【0039】
実施例1:
この実施例では、多孔質炭素球を、上で詳細に説明した方法に従って22nmコロイダルシリカテンプレートにより合成した。ここでは、スクロースを炭素供給源として使用し、シリカ及び炭素の重量比を2:1とした。
【0040】
図2aは、22nmコロイダルシリカテンプレートにより合成された炭素/シリカ複合粒子のSEM写真である。複合粒子は、完全な球体形状及び平滑表面を有する。
【0041】
図2bは、シリカをエッチングした後の炭素球のSEM写真である。図2cは、炭素球の拡大写真である。エッチング法は一次粒子の球体形状を破壊しないことが明らかである。含有されるシリカを炭素マトリックスからエッチングし、それにより、多くの均一のナノサイズ孔を有するハニカム様炭素球を得た。炭素球のTEM写真(図2d)は、炭素球が中空であることを示す。図3に示されているとおり、多孔質炭素球の粒径は、1000nm周辺の単峰性分布を示す。
【0042】
炭素球からのシリカの完全な除去を確認するために、分析目的で、室温?700℃の空気気流中、熱重量測定(TG)を実施した(図4)。図に示されているとおり、多孔質炭素球はおよそ525℃で劇的に燃焼した。560℃の後、残留物は全く存在しないが、これは、多孔質球がシリカを含有せず、炭素を100%含有することを示している。TG実験は、シリカが炭素球から完全に除去されたことを確認するためのものであることに留意されたい。これは調製工程ではなく特性化工程である。
【0043】
図5は、窒素吸脱着実験により提供された表面積及び気孔率の情報を示す。市販のバルカン72カーボンブラックも対照として測定した。BET(Brunauer-Emmett-Teller)法により算出された比表面積は、調製炭素球では1200m^(2)/g、バルカン72カーボンブラックでは245m^(2)/gである。窒素吸着/脱着曲線は高相対圧でヒステリシスを示した(これはメソ孔の特徴である)。BJH(Barrett-Joyner-Halenda)法により窒素等温線の吸着分枝から算出された孔径分布データは、孔が単峰性で平均孔径が24nmであることを示していた。これは、シリカテンプレートのサイズとよく整合している。」

3f 「【0044】
実施例2:
そのようなオープンフレームの炭素構造の安定性を改善するために、実施例1に記載の方法に触媒黒鉛化工程を加えることによって黒鉛化炭素球構造を導入した。遷移金属イオン[例えば、塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等)の形態のFe、Co、Ni等]を金属/炭素供給源重量比1:20?1:5で前駆体溶液に加えた。塩の分解により生じる金属又は金属酸化物ナノ粒子は工程(3)で触媒として作用し、多孔質炭素球を黒鉛化した。・・・・・」

3g 「【図2b】



3h 「【図2c】



3i 「【図3】



(2) 甲1に記載された発明
記載事項1a?1c、1gなどによると、甲1に記載された鉄-ポリピロールメソ多孔質球状触媒(FePPy-MS)は、鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体からなる燃料電池酸素還元電極触媒であって、ピロールをフェリシアン化カリウム及びコロイダルシリカの溶液中でポリピロールコロイドに重合させ、これを霧状の液滴として高温炉を通過させ熱分解し、得られたFePPy-SiO_(2)複合中実粒子からSiO_(2)を除去したものであり、窒素原子9.07原子%及び鉄原子1.56原子%を含有するものである。
ここで、甲1に係る触媒の調製工程について記載した甲2の記載事項2aによると、上記高温炉による熱分解は、800℃でポリピロール及びシリカを含むエアロゾル液滴を乾燥し、濃縮し、炭化したものであり、ポリピロールは熱分解し炭化していると認められるから、上記鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体は、炭素原子、窒素原子、及び鉄原子からなるものである。
記載事項1h?1kによると、上記FePPy-MS触媒は、BJH法による吸着等温線により計算されたBET比表面積は、1263m^(2)/gであり、細孔容積は、1.12cm^(3)/gであり、また、メソ多孔質であって、24nmに中心を有する孔径分布を有する。
記載事項1eによると、上記FePPy-MS触媒の粒子サイズは、200nmから2μmの範囲内である。

以上のことから、本件発明1の記載に従って整理すると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「炭素原子、窒素原子、及び鉄原子を含有し、
前記鉄原子の含有量が、1.56原子%であり、
BJH法で求めた孔径が24nmを中心とするメソ孔を有し、
細孔容積が、1.12cm^(3)/gであり、
BET比表面積が、1263m^(2)/gであり、
粒子サイズが200nm?2μmであり、
窒素原子の含有量が、9.07原子%である、
鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体からなる燃料電池酸素還元電極触媒。」

(3) 対比・判断
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明に係る触媒は、上記(2)に記載したようにポリピロールを熱分解して得られた鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体であって、炭素を主成分として含有しているといえるから、本件発明1の「炭素触媒」に相当する。 甲1発明に係る触媒に含まれる鉄は、遷移金属の一種である。
本件発明1の「酸素還元反応用炭素触媒」は、本件明細書の段落【0026】によると、酸素還元反応用として、燃料電池用電極触媒などに使用することが想定されていること、及び技術常識からすると、甲1発明の「鉄-ポリピロールメソ多孔質球状体からなる燃料電池酸素還元電極触媒」は、本件発明1の「酸素還元反応用炭素触媒」に相当する。
さらに、甲1発明に係る触媒の「BJH法で求めた孔径が24nmを中心とするメソ孔」、及び「BET比表面積が、1263m^(2)/g」は、本件発明1の「BJH法で求めた孔径が2.0nm以上50nm以下であるメソ孔」、及び「BET比表面積が、1,000?2,500m^(2)/g」にそれぞれ相当する。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「炭素原子、窒素原子、及び遷移金属を含有し、
BJH法で求めた孔径が2.0nm以上50nm以下であるメソ孔を有し、
BET比表面積が、1,000?2,500m^(2)/gであり、
前記遷移金属が、鉄、コバルト、ニッケル、銅、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、
酸素還元反応用炭素触媒。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:本件発明1は、遷移金属の含有量が、炭素触媒100質量%に対して、3.4質量%?20質量%であることが特定されているのに対して、甲1発明は、鉄原子の含有量が、触媒100原子%に対して、1.56原子%であることが規定されている点。

相違点2:本件発明1は、メソ孔の細孔容積が、0.90cm^(3)/g以上であることが特定されているのに対して、甲1発明は、メソ孔の細孔容積は規定されていない点。

相違点3:本件発明1は、平均粒子径が、0.010?0.50μmであることが特定されているのに対して、甲1発明は、粒子サイズが200nm(0.2μm)?2μmであることが規定されている点。

相違点4:本件発明1は、窒素原子と前記炭素原子のモル比(N/C)が、0.0010?0.10であることが特定されているのに対して、甲1発明は、窒素原子の含有量が9.07原子%であることが規定されているが、窒素原子と前記炭素原子のモル比(N/C)は規定されていない点。

相違点5:本件発明1は、「酸素還元反応用粉砕炭素触媒」と特定され、触媒が粉砕された状態であることが規定されているのに対して、甲1発明は、
多孔質球状体である点。

事案に鑑み、まず上記相違点5について検討する。
甲1の記載事項1b?1d及び甲3の記載事項3a?3dによると、甲1及び甲3は、所定範囲の粒子径を有する球状多孔質炭素触媒について記載されたものであるところ(なお、甲2は、甲1の「Supporting Information(補足情報)」である。)、当該触媒は、例えば、記載事項3bの段落【0014】に「球状材料が多孔質電極の作製において有利であることもよく知られている。球体は、他の形状の固体と比べると最もコンパクトなパッケージを有する。球状炭素は、よりコンパクトで薄い膜(燃料電池の触媒膜、電池/コンデンサの電極層)を形成し、より高いエネルギー密度及び出力密度をもたらすことが可能である。さらに、狭い粒径分布を有する多孔質炭素球は、電気化学装置において大量輸送のための規則性3Dチャンネルを構築することが可能である。」と記載されているように、球状の状態で電極触媒等の用途に使用するためのものである。
したがって、甲1発明を、粉砕された状態で触媒として使用することは、甲1?甲3には、記載も示唆もされていない。

そうすると、本件発明1は、上記相違点1?4について検討するまでもなく、甲1?甲3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

よって、本件発明1について、甲1?甲3を引用する上記取消理由は、理由がない。

5 取消理由において採用しなかった申立理由について
申立人は、進歩性に係る申立理由において、甲4も提出しているが、甲4は、甲1及び甲3と同様に、噴霧熱分解法により球状の炭素電極触媒を調製することが記載されているものあって、甲4を検討しても、触媒を粉砕した状態で使用することは記載も示唆もされていないから、上記相違点の判断に影響を与えるものではなく、甲1?甲4を引用する申立人の上記申立理由も理由がない。


第4 申立人の意見について
申立人は、意見書において「甲1?甲3の多孔質炭素触媒は、・・・ 大きな細孔容積や大きなBET比表面積を有する中空粒子であるため、力学的強度は比較的脆く、例えば、運搬する際や、燃料電池の触媒支持体、リチウムイオン電池の電極材料、水素貯蔵用材料等への適用に際して受ける衝撃によって、中空粒子が割れたり欠けたりすることが容易に起こることは当業者に自明である。 ・・・・・ 本件訂正発明1の用語「粉砕」は、「球状ではない」炭素触媒を広く包含するから、甲1?甲3に記載の多孔質炭素が割れたり欠けたりすることで生じる、もはや球状とは言えない形状の中空粒子をも包含すると解される。 よって、本件訂正発明1の炭素触媒の形状が「球状ではない」という点は、甲1?甲3に記載の多孔質触媒との実質的な相違点ではない。」と主張している。

しかし、甲1?甲3、さらには甲4に記載の球状多孔質触媒が、使用する際に割れたり、欠けたりする場合があったとしても、そのような場合の触媒のメソ孔の細孔容積や平均粒子径等については、甲1?甲4には記載も示唆もないから、本件発明1の進歩性を否定することはできない。
したがって、申立人の主張は採用できない。


第5 むすび
以上のとおりであるから、上記取消理由及び特許異議申立書に記載された申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原子、窒素原子、及び遷移金属を含有し、
前記遷移金属の含有量が、前記炭素触媒100質量%に対して、3.4質量%?20質量%であり、
BJH法で求めた孔径が2.0nm以上50nm以下であるメソ孔を有し、
前記メソ孔の細孔容積が、0.90cm^(3)/g以上であり、
BET比表面積が、1,000?2,500m^(2)/gであり、
平均粒子径が、0.010?0.50μmであり、
前記窒素原子と前記炭素原子のモル比(N/C)が、0.0010?0.10であり、
前記遷移金属が、鉄、コバルト、ニッケル、銅、及びマンガンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、
酸素還元反応用粉砕炭素触媒。
【請求項2】
自己組織化可能な有機テンプレートの存在下で、窒素原子を含有する有機化合物を架橋させて自己組織化硬化物を得る工程1と、
前記自己組織化硬化物を400?1,500℃に加熱することにより、メソ孔を有する多孔体を得る工程2と、
前記メソ孔を有する多孔体を、平均粒子径が0.010?0.50μmとなるように粉砕する工程3と、
粉砕された前記多孔体に、遷移金属を含浸させる工程4と、
を有し、
前記工程1において、前記有機化合物と架橋する架橋剤を用い、
前記有機化合物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物とモノアミン化合物との反応物を含み、
前記架橋剤が、レゾール型フェノール類及び/又はレゾール型ナフトール類を含む、
炭素触媒の製造方法。
【請求項3】
前記工程4の後に、遷移金属を含浸させた前記多孔体を不活性ガス及び/又は賦活性ガス雰囲気中で、400?1,500℃に加熱する工程5をさらに有する、請求項2に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項4】
前記工程5の後、前記多孔体を、酸洗浄処理、塩基洗浄処理、及び/又は賦活化処理する工程6をさらに有する、請求項3に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項5】
前記有機テンプレートが、ブロック共重合体を含む、請求項2?4のいずれか1項に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項6】
前記ブロック共重合体が、ポリ(メタ)アクリル酸ブロック、ポリ(メタ)アクリレートブロック、ポリビニルブロック、ポリアルキレンブロック、ポリアルキレンオキシドブロック、ポリシロキサンブロック、ポリスチレンブロック、ポリフェニレンブロック、ポリアミドブロック、ポリアセタールブロック、ポリエーテルブロック、及びポリオールブロックからなる群より選択される少なくとも2つのブロックを有する、請求項5に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項7】
前記有機テンプレートが、重合度1?129のポリエチレンオキシドブロックと、重合度37?70のポリプロピレンオキシドブロックと、を含む、請求項2?6のいずれか1項に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項8】
遷移金属化合物及び自己組織化可能な有機テンプレートの存在下で、窒素原子を含有する有機化合物を架橋させて自己組織化硬化物を得る工程1’と、
前記自己組織化硬化物を400?1,500℃に加熱することにより、メソ孔を有する多孔体を得る工程2’と、
前記メソ孔を有する多孔体を、平均粒子径が0.010?0.50μmとなるように粉砕する工程3’と、
を有し、
前記工程1’において、前記有機化合物と架橋する架橋剤を用い、
前記有機化合物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物とモノアミン化合物との反応物を含み、
前記架橋剤が、レゾール型フェノール類及び/又はレゾール型ナフトール類を含む、
炭素触媒の製造方法。
【請求項9】
前記工程3’の後に、粉砕した前記多孔体を不活性ガス及び/又は賦活性ガス雰囲気中で、400?1,500℃に加熱する工程4’をさらに有する、請求項8に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項10】
前記工程4’の後、前記多孔体を、酸洗浄処理、塩基洗浄処理、及び/又は賦活化処理する工程5’をさらに有する、請求項9に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項11】
前記有機テンプレートが、ブロック共重合体を含む、請求項8?10のいずれか1項に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項12】
前記ブロック共重合体が、ポリ(メタ)アクリル酸ブロック、ポリ(メタ)アクリレートブロック、ポリビニルブロック、ポリアルキレンブロック、ポリアルキレンオキシドブロック、ポリシロキサンブロック、ポリスチレンブロック、ポリフェニレンブロック、ポリアミドブロック、ポリアセタールブロック、ポリエーテルブロック、及びポリオールブロックからなる群より選択される少なくとも2つのブロックを有する、請求項11に記載の炭素触媒の製造方法。
【請求項13】
前記有機テンプレートが、重合度1?129のポリエチレンオキシドブロックと、重合度37?70のポリプロピレンオキシドブロックと、を含む、請求項8?12のいずれか1項に記載の炭素触媒の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-05-09 
出願番号 特願2014-157090(P2014-157090)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (B01J)
P 1 652・ 851- YAA (B01J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 磯部 香  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 小川 進
後藤 政博
登録日 2018-03-23 
登録番号 特許第6309386号(P6309386)
権利者 旭化成株式会社 国立大学法人東京工業大学 帝人株式会社
発明の名称 炭素触媒及びその製造方法  
代理人 内藤 和彦  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 岩崎 正路  
代理人 内藤 和彦  
代理人 岩崎 正路  
代理人 内藤 和彦  
代理人 江口 昭彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 江口 昭彦  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 内藤 和彦  
代理人 岩崎 正路  
代理人 岩崎 正路  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 内藤 和彦  
代理人 岩崎 正路  
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