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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 B65G 審判 全部申し立て 2項進歩性 B65G |
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管理番号 | 1353123 |
異議申立番号 | 異議2018-700407 |
総通号数 | 236 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-05-16 |
確定日 | 2019-05-21 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6291514号発明「搬送ベルト及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6291514号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。 特許第6291514号の請求項4ないし13に係る特許を維持する。 特許第6291514号の請求項1ないし3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許6291514号の請求項1?13に係る特許についての出願は、平成28年2月22日(優先権主張 平成27年3月25日)の出願であって、平成30年2月16日に特許の設定登録がされ、同年3月14日に特許掲載公報が発行され、その後、同年5月16日に、その特許に対し特許異議申立人中西恒裕(以下「異議申立人1」という。)により特許異議の申立て(以下「申立1」という。)がされ、同年9月14日に、その特許に対し特許異議申立人山本美映子(以下「異議申立人2」という。)により特許異議の申立て(以下「申立2」という。)がされ、同年12月12日付けで取消理由が通知され(以下「取消理由通知」という。)、その指定期間内である平成31年1月25日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して同年3月25日に異議申立人1から意見書が提出され、同年3月28日に異議申立人2から意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 平成31年1月25日の訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項4に、「芯体が、布帛及び樹脂成分を含み、かつ前記樹脂成分がシリコーン変性樹脂と同種の樹脂である請求項1?3のいずれかに記載の搬送ベルト。」とあるのを、 「布帛及び樹脂成分を含む芯体と、この芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され、かつオルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、前記オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%であり、かつ前記芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である、食品の搬送ベルト。」に訂正する。(下線は、特許権者が付与。以下同様。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に、「非粘着層が、平均厚み10?100μmの非粘着膜である請求項1?4のいずれかに記載の搬送ベルト。」とあるのを、 「非粘着層が、平均厚み10?100μmの非粘着膜である請求項4記載の食品の搬送ベルト。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に、「非粘着膜が硬化剤を含む請求項5記載の搬送ベルト。」とあるのを、 「非粘着膜が硬化剤を含む請求項5記載の食品の搬送ベルト。」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7に、「非粘着層が、平均厚み0.1?2mmの非粘着カバー層である請求項1?4のいずれかに記載の搬送ベルト」とあるのを、 「非粘着層が、平均厚み0.1?2mmの非粘着カバー層である請求項4記載の食品の搬送ベルト」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8に、「非粘着カバー層の表面に、縦横方向に複数の凸部が形成されている請求項7記載の搬送ベルト」とあるのを、 「非粘着カバー層の表面に、縦横方向に複数の凸部が形成されている請求項7記載の食品の搬送ベルト」に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9に、「芯体が第1の芯体に加えてさらに第2の芯体を含み、第1の芯体と第2の芯体との間に中間層が介在している請求項1?8のいずれかに記載の搬送ベルト」とあるのを、 「芯体が第1の芯体に加えてさらに第2の芯体を含み、第1の芯体と第2の芯体との間に中間層が介在している請求項4?8のいずれかに記載の食品の搬送ベルト」に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10に、「芯体の搬送面側に非粘着層が形成され、かつ芯体の内周面側に、樹脂成分を含むカバー層が形成されている請求項1?9のいずれかに記載の搬送ベルト」とあるのを、 「芯体の搬送面側に非粘着層が形成され、かつ芯体の内周面側に、樹脂成分を含むカバー層が形成されている請求項4?9のいずれかに記載の食品の搬送ベルト」に訂正する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11に、「芯体の搬送面及び/又は内周面側に非粘着層を形成する非粘着層形成工程を含む請求項1?10のいずれかに記載の搬送ベルトの製造方法」とあるのを、 「芯体の搬送面及び/又は内周面側に非粘着層を形成する非粘着層形成工程を含む請求項4?10のいずれかに記載の食品の搬送ベルトの製造方法」に訂正する。 本件訂正は、一群の請求項〔1-13〕に対してされたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1を引用する請求項3を、更に引用する請求項4において、 シリコーン変性ポリウレタンに関して、訂正前は「ポリエーテル型ポリウレタン又はポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」であったところ、訂正後に「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」のみに特定し、 芯体の樹脂成分に関して、訂正前は「シリコーン変性樹脂と同種の樹脂」であったところ、訂正後に「シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂」に特定し、 更に、訂正後に、「前記オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であること、及び搬送物に関して「食品」であることを特定すると共に、独立形式の請求項にするものである。 したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 なお、訂正事項1によって訂正される、請求項4を直接又は間接的に引用する訂正後の請求項5?13に係る訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 訂正前の請求項3には、「シリコーン変性ポリウレタンが、ポリエーテル型ポリウレタン又はポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂である」と記載されているから、訂正後の請求項4に係る発明の「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」であることは、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものである。 本件特許の願書に添付した明細書(以下「本願特許明細書」という。)の段落【0051】には、「樹脂成分としては、前記シリコーン変性樹脂のベース樹脂として例示された樹脂を単独で又は二種以上組み合わせて利用できる。前記樹脂のうち、非粘着層との密着性を向上できる点から、シリコーン変性樹脂と同種(すなわち、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種)の樹脂が好ましい。」と記載されているから、訂正後の請求項4に係る発明の、芯体の樹脂成分に関して「シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂」であることは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内のものである。 本件特許明細書の段落【0026】には、「オルガノシロキサン単位の割合は、シリコーン変性樹脂全体に対して1?50質量%程度の範囲から選択でき、例えば2?30質量%、好ましくは3?25質量%、さらに好ましくは5?20質量%(特に6?18質量%)程度である。」と記載され、オルガノシロキサン単位の割合として5?20%であることが示され、更に、本願特許明細書の段落【0099】の【表2】には、実施例6、8、10及び11として、ウレタンの種類がポリカーボネートの場合で、シリコーン含有率が8%、すなわちオルガノシロキサン単位の割合が8%の実施例が記載されているから、訂正後の請求項4に係る発明の、「オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であることは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内のものである。 本件特許明細書の段落【0106】には、「本発明の搬送ベルトは、農作物、食品、工業製品などの各種物品の搬送ベルト(コンベアベルト)として利用でき、離型性に優れるため、粘着性の高い物品(例えば、パン生地や菓子生地などの食品)の搬送ベルトとして好適である。」と記載されているから、訂正後の請求項4に係る発明の、搬送物に関して「食品」であることは、本件特許明細書に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内での訂正である。 (2)訂正事項2?4について 訂正事項2?4は、訂正前の請求項1?3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項5?11について 訂正事項5?11は、訂正事項1?4により訂正された、特許請求の範囲の請求項1?4の記載との整合を図るため、請求項5?11の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?13〕について訂正を認める。 第3 訂正後の本件発明 上述のとおり本件訂正は認められるので、本件特許の請求項4?13に係る発明(以下「本件発明4」?「本件発明13」という。)は、その特許請求の範囲の請求項4?13に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項4】 布帛及び樹脂成分を含む芯体と、この芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され、かつオルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、前記オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%であり、かつ前記芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である、食品の搬送ベルト。 【請求項5】 非粘着層が、平均厚み10?100μmの非粘着膜である請求項4記載の食品の搬送ベルト。 【請求項6】 非粘着膜が硬化剤を含む請求項5記載の食品の搬送ベルト。 【請求項7】 非粘着層が、平均厚み0.1?2mmの非粘着カバー層である請求項4記載の食品の搬送ベルト。 【請求項8】 非粘着カバー層の表面に、縦横方向に複数の凸部が形成されている請求項7記載の食品の搬送ベルト。 【請求項9】 芯体が第1の芯体に加えてさらに第2の芯体を含み、第1の芯体と第2の芯体との間に中間層が介在している請求項4?8のいずれかに記載の食品の搬送ベルト。 【請求項10】 芯体の搬送面側に非粘着層が形成され、かつ芯体の内周面側に、樹脂成分を含むカバー層が形成されている請求項4?9のいずれかに記載の食品の搬送ベルト。 【請求項11】 芯体の搬送面及び/又は内周面側に非粘着層を形成する非粘着層形成工程を含む請求項4?10のいずれかに記載の食品の搬送ベルトの製造方法。 【請求項12】 非粘着層形成工程において、シリコーン変性樹脂を含む液状組成物を芯体の搬送面及び/又は内周面に塗布して非粘着膜を形成する請求項11記載の製造方法。 【請求項13】 非粘着層形成工程において、シート状前駆体を芯体の搬送面及び/又は内周面に積層して非粘着カバー層を形成する請求項11記載の製造方法。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1?13に係る特許に対して、当審が平成30年12月12日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 理由1.(新規性)本件特許の請求項1?3、11及び12に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 理由2.(進歩性)本件特許の請求項1?13に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 <引用文献等> 引用文献1:特開昭63-289012号公報(申立1の甲第1号証) 引用文献2:特開平7-165925号公報(申立2の甲第1号証) 引用文献3:ポリマーダイジェスト 第55巻第4号 (株)ラバーダイジェスト社 2003年4月15日発行 51?57ページ(申立2の甲第4号証) 引用文献4:特公平2-23443号公報(申立1の甲第2号証) 引用文献5:特開2000-309414号公報(申立1の甲第3号証、申立2の甲第9号証) 引用文献6:特開2013-154969号公報(申立1の甲第4号証) 引用文献7:実願昭56-198083号(実開昭58-99215号)のマイクロフィルム(申立1の甲第5号証) 引用文献8:特開2012-30367号公報(申立1の甲第6号証) 引用文献9:Technical Information「シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンエラストマー レザミンPS」 大日精化工業株式会社 2001 4 2000.TANI p1?p4(申立1の甲第7号証) 引用文献10:特表平3-502469号公報(申立1の甲第8号証、申立2の甲第7号証) 引用文献11:特開2000-355414号公報(申立1の甲第9号証、申立2の甲第11号証) 引用文献12:特開2007-229939号公報(申立1の甲第12号証、申立2の甲第8号証) 引用文献13:意匠登録第1215741号公報(申立1の甲第13号証) 引用文献14:特開平11-29212号公報(申立2の甲第10号証) 2 引用文献1?3に記載された発明 (1)引用文献1に記載された発明 引用文献1には、「シリコ-ン変性ポリウレタン及びその製造方法」に関して、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。 ア 「以上に詳述したように、本発明のシリコーン変性ポリウレタンは片末端を2個のヒドロキシル基を有する有機基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンを用いることにより、ポリウレタンの側鎖にポリジオルガノシロキサン鎖が分岐する構造となり、こうすることによって、ポリウレタンの主鎖にポリジオルガノシロキサン鎖が導入されてブロックコポリマーを形成した場合と異なり、ポリウレタン本来の機械的強度を低下させることなく、ポリジオルガノシロキサン鎖に基ずく低摩擦性、撥水性、撥油性、抗血栓性等の特徴を付与することが可能となった。」(6ページ左下欄14行?右下欄5行) イ 「そして、以上に述べたような好ましい特性を有するため、本発明のシリコーン変性ポリウレタンは、ベルトコンベヤー用のベルトを始めとする、低摩擦特性の必要な成形物の材料として、離型紙用塗料の成分として、撥水性もしくは撥油性を要求される塗料の成分として、磁気テープ用のバインダーもしくはバックコート用の塗料の成分として、或は抗血栓性を要求される医療用分野の成形材料として、有利に用いることができるのである。 以下に実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 で表され、分子量が約1000(n=9.5)であるポリオルガノシロキサン10部に対して4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)5部を加え1,4-ジオキサン溶媒35部中80℃で1時間加熱した。 (2)(1)とは別の反応器中でポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)分子量が約2000を20部に対してMDI5部を加え1,4-ジオキサン溶媒58部中80℃で1時間加熱した。 (3)(1)の溶液15部と(2)の溶液81部の混合溶液に1,4-ブタンジオール3,8部を加え、更に触媒として1,8-ジアザビシクロ〔5,4,0〕-7-ウンデセン(D.B.U)をMDIに対して0.05重量%を加えて80℃で1時間加熱した。 この反応液を多量の水に移し、重合体を析出させ、これを十分に水洗した後乾燥し、次いでエタノールを用いて洗浄し、本発明のシリコーン変性ポリウレタンを得た。」(7ページ左上欄9行?左下欄6行。) 上記事項を総合し、本件発明4の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 「ポリオルガノシロキサンを含む溶液を加熱し重合体を析出させたシリコーン変性ポリウレタンで成形したベルトコンベヤー用のベルト。」 (2)引用文献2に記載された発明 引用文献2には、「一液硬化可能なポリシロキサン樹脂化合物」に関して、次の事項が記載されている。 ア 「【0026】本発明の皮膜形成材料で使用される反応生成物は単独で使用することが出来るが、基材シート等に対するコーティング適性や成膜性等を向上させる為に、従来公知の各種樹脂を混合して使用することも出来る。この各種樹脂は、本発明の反応生成物の遊離イソシアネートと化学的に反応し得るものが好ましいが、反応性を有しないものでも本発明では使用することが出来る。 【0027】これらの樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキッド樹脂、変性セルロース樹脂、フッ素樹脂或いはポリアミド樹脂等を使用することが出来る。又、各種樹脂をシリコーンやフッ素で変性した樹脂等も使用することが出来る。これら各種樹脂を併用する場合、その使用量は上記の反応生成物に対し、固型分比で0.1重量%?100重量%である。」 イ 「【0031】参考例2 トリメチロールプロパン1モルと3モルのトルエン-2,4-ジイソシアネートとの付加体(コロネートL、日本ポリウレタン社製、NCO%=13.0%、固型分75%)200部と酢酸エチル100部とを80℃でよく撹拌しながら、この中に上記の構造を有する両末端水酸基のポリジメチルシロキサン(分子量3,200)10部を徐々に滴下して反応させた。 【0032】次いで、同温度で平均分子量約2,000のポリカプロラクトンポリエステルポリオール25部を添加して反応させて反応生成物(2)を得た。得られた反応生成物(2)は、赤外吸収スペクトルによれば、2,270cm^(-1)に遊離イソシアネート基による吸収が認められ、又、1,090cm^(-1)に-SiO-基に基づく吸収帯を示していた。又、この反応生成物(2)のフリーのイソシアネート基を定量したところ、理論値が13.2%であるのに対して、実測値は11.7%であった(純分として)。最終的に酢酸エチルを加えて、固型分50%の参考例の樹脂溶液(B)とした。」 ウ 「【0035】実施例1 参考例1の樹脂溶液(A)100部及びメチルエチルケトン300部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。 実施例2 参考例1の樹脂溶液(A)100部、ニトロセルロース樹脂(固型分20%、ダイセル化学社製)10部及びメチルエチルケトン306部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。」 エ 「【0036】実施例3 参考例2の樹脂溶液(B)100部及びメチルエチルケトン300部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。 実施例4 参考例2の樹脂溶液(B)100部、シリコーン-ポリウレタン樹脂〔固型分20%、大日精化工業(株)製(ダイアロマー)〕10部及びメチルエチルケトン306部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。」 オ 「【0037】実施例5 参考例3の樹脂溶液(C)100部及びメチルエチルケトン300部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。 実施例6 参考例3の樹脂溶液(C)100部及びポリビニルブチラール樹脂[固型分20%、積水化学工業(株)製]10部及びメチルエチルケトン306部を配合し、よく撹拌して本発明の樹脂化合物溶液を得た。」 カ 「【0040】塗料としての評価 実施例1?6及び比較例1?2で調整した樹脂化合物溶液を精密搬送用ポリウレタンベルト(日本ジークリング社製)の片面に、乾燥後の厚みがそれぞれ2?3μmになるように塗布した。但し、乾燥は自然乾燥(23℃、湿度46%)で、3日間放置後各種物性を測定した。」 キ 「【0046】剥離性皮膜層としての評価 実施例3?6及び比較例1?2の剥離性処理剤を夫々用い、100%モジュラス60Kg/cm^(2)で厚み50μmのポリ塩化ビニルフイルムの片面に、乾燥時の厚みが0.1μmとなる様に均一に塗布し、乾燥機中で溶剤を蒸発させて剥離性皮膜層を有する試料を作製した。 ・・・(中略)・・・ 【0049】 【効果】以上の如く、本発明のポリシロキサン樹脂化合物は、少なくとも一個の遊離のイソシアネート基を有している為、該樹脂が空気中の水分や湿気によって架橋する為、一液硬化が可能となり、皮膜層の形成工程が簡略化出来る。更に遊離のイソシアネートの存在によって、該皮膜層の基材シートへの密着性が向上する。又本発明のポリシロキサン樹脂化合物は、塗料、磁気記録或いは感熱記録用のバインダーやバックコート剤、剥離性処理剤、オーバーコート剤及びハードコート剤等に応用出来る。」 上記事項を総合し、本件発明4の記載ぶりに則って整理すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 「樹脂化合物の塗料としての評価を行うために、精密搬送用ポリウレタンベルト(日本ジークリング社製)と、この精密搬送用ポリウレタンベルトの片面に塗布し乾燥され、かつシリコーン-ポリウレタン樹脂(大日本精化工業(株)製(ダイアロマー))を含む樹脂化合物溶液からなる被膜層とを含むベルト。」 (3)引用文献3に記載された発明 引用文献1には、「熱可塑性ポリウレタンの最近の動向」に関して、次の事項が記載されている。 ア 「 1、シリコーンTPU“レザミンPS” 非粘着性のウレタンとして、シリコーンTPU“レザミンPSシリーズ”がある。 シリコーンポリマーとポリウレタンのブロックポリマーであり、シリコーン部分はポリジメチルシロキサン主体の構造である(図1)^((2))。ポリウレタン部分は、脂肪族系のポリエーテル・ポリエステル・ポリカプロラクトン・ポリカーボネートより成るソフトセグメントと、芳香族ポリウレタンより成るハードセグメントのブロックポリマーとなっている。」(52ページ上欄1行?9行) イ 「レザミンPS標準グレードのシリコーン濃度は一六wt%である(表1)。」(52ページ下欄6行?7行) ウ 54ページの「表1 シリコーンTPU,レザミンPSの特性」には、シリーズ「PS-80000」について、ソフトセグメントが「カーボネート・シリコーン」で、シリコーン含量(%)が「16」であることが記載されている。 エ 57ページの「表2 シリコーンTPU,レザミンPSおよびはん用TPUの用途」には、押出成形の用途例として「シート・フィルム」が記載され、このシート・フィルムについて更に「ベルトコンベア」が記載されている。 上記事項を総合し、本件発明4の記載ぶりに則って整理すると、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。 「シリコーンポリマーとポリウレタンのブロックポリマーであるレザミンPSを押圧成形したシート・フィルムを備えた、ベルトコンベアであって、 前記ポリウレタン部分は、ポリカーボネートより成るソフトセグメントと、芳香族ポリウレタンより成るハードセグメントのブロックポリマーであり、 前記レザミンPSのシリコーン含量が16%である、ベルトコンベア。」 3 当審の判断 (1)本件発明4について ア 引用文献1を主引例として 本件発明4と引用発明1とを対比する。 引用発明1の「ポリオルガノシロキサンを含む溶液を加熱し重合体を析出させたシリコーン変性ポリウレタン」は、本件発明4の「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂」に相当するとともに、「ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」に相当する。 また、引用発明1の当該シリコーン変性ポリウレタンは、低摩擦性、撥水性、撥油性を有し、離型紙用の塗料の成分としても用いることができるものであるから(前記「2(1)ア及びイ」を参照。)、非粘着性を備えているといえ、したがって、引用発明1の「シリコーン変性ポリウレタンで成形した」ベルトは、本件発明4の「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層」を含むベルトということができる。 引用発明1の「ベルトコンベヤー用のベルト」は、本件発明4の「搬送ベルト」に相当する。 以上のことから、本件発明4と引用発明1とは次の点で一致する。 「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリウレタンのシリコーン変性樹脂である、搬送ベルト。」 一方で、両者は次の点で相違する。 [相違点1A] 本件発明4においては、「布帛及び樹脂成分を含む芯体」を備え、シリコーン変性樹脂を含む非粘着層は「芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され」たものであり、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であり、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」のに対して、 引用発明1においては、布帛及び樹脂成分を含む芯体を備えているか明らかでなく、また、シリコーン変性ポリウレタンについても、ポリカーボネート型とは特定されておらず、ポリオルガノシロキサン単位の割合も明らかでない点。 [相違点1B] 搬送ベルトの搬送物に関して、本件発明4においては、搬送物は「食品」と特定しているのに対して、 引用発明1においては、搬送物は明らかでない点。 相違点1Aについて検討する。 (ア)本件発明4について 本件特許明細書には、 「【0005】特開平11-29212号公報(特許文献2)には、 ・・・(中略)・・・ この文献には、ベルトの樹脂層をシリコーンで形成することにより、粘着性食品の搬送に適したベルトを作製できることが記載されている。 【0006】しかし、この搬送ベルトでは、搬送面の非粘着性は高くなるものの、樹脂層がシリコーンであると、芯体層との接着性が低下するとともに、樹脂層が剥離し易い。さらに、この搬送ベルトでも、耐久性は低かった。」 「【0008】従って、本発明の目的は、粘着性の高い搬送物(パン生地などの食品など)の搬送性や、前記搬送物を搬送したときの耐久性に優れ、かつ層間の剥離も抑制された搬送ベルト及びその製造方法を提供することにある。」 「【0026】オルガノシロキサン単位の割合は、シリコーン変性樹脂全体に対して1?50質量%程度の範囲から選択でき、例えば2?30質量%、好ましくは3?25質量%、さらに好ましくは5?20質量%(特に6?18質量%)程度である。オルガノシロキサン単位の割合が少なすぎると、搬送物に対する非粘着性が低下する虞があり、逆に多すぎると芯体との密着性が低下する虞がある。」 「【0051】樹脂成分としては、前記シリコーン変性樹脂のベース樹脂として例示された樹脂を単独で又は二種以上組み合わせて利用できる。前記樹脂のうち、非粘着層との密着性を向上できる点から、シリコーン変性樹脂と同種(すなわち、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種)の樹脂が好ましい。 ・・・(後略)」 と記載されている。 これらの記載からみて、本件発明4は、搬送ベルトにおいて、従来技術では、ベルトの搬送面の樹脂層をシリコーンにすることにより非粘着性を高くすることができたものの、樹脂層と芯体層との接着性が低下し剥離しやすかったという課題を解決するために、オルガノシロキサン単位の割合が少なすぎると、搬送物に対する非粘着性が低下する虞があり、逆に多すぎると芯体との密着性が低下する虞があるという観点から、芯体に形成される非粘着層のポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂の「オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」に定めると共に、「芯体の樹脂成分が」、芯体に形成される非粘着層の「シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」とすることにより、芯体と非粘着層との密着性を向上させたものと認められる。 (イ)相違点1Aのうち、シリコーン変性樹脂を含む非粘着層は「芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され」たものである点について 搬送用のベルトが、芯体を備え、この芯体の搬送面または内周面側が、樹脂又はゴムの層で形成されていることは、周知の事項であり、引用発明1においても、芯体を備え、この芯体の搬送面または内周面側にシリコーン変性ポリウレタンが形成されているものと認められる。 引用発明1は、相違点1Aのうち、「芯体」及びシリコーン変性樹脂を含む非粘着層を「この芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成」した構成を、実質的に備えていると認められる。 (ウ)相違点1Aのうち、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」である点について 引用文献1(特に、3ページ左下欄1行?6行、3ページ右下欄20行?4ページ1行、及び4ページ左上欄16行?19行を参照。)には、ポリウレタンとして、ポリエーテルポリオール類を用いることが記載されているが、ポリカーボネート型を用いることは記載されていないし、オルガノシロキサン単位の割合を、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%とすることについて示唆する記載があるものではない。 引用文献10(特に、2ページ左下欄1行?10行、及び4ページ左下欄5行?7行を参照。)には、付着物剥離用ペイント組成物及び落書き防止用ペイント組成物として適しているシリコーン変性ポリウレタンに関して、ポリウレタンに対するポリシロキサンの有用であると考えられる割合は、1?30重量%であることが記載されているが、搬送物に対する非粘着性、及び芯体との密着性を考慮して、「5?8質量%」の範囲に限定することを示唆する記載があるものではなく、その属する技術分野も、引用発明1は、ベルトコンベヤー用のベルトであるのに対して、引用文献10に記載されたものは、付着物剥離用又は落書き防止用のペイント組成物である点で異なる。 また、引用文献2?9、11?14に、引用発明1のポリウレタンとして、ポリカーボネート型を用いること、及びオルガノシロキサン単位の割合を、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%とすることについて示唆する記載があるものでもない。 (エ)相違点1Aのうち、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」点について 引用文献11には、 「【0005】食品搬送用ベルトは、心体帆布に接着処理剤を含浸して形成される心体層の表面に樹脂層を積層して作製されるものであり、この表層が食品を搬送する搬送面となる。 ・・・(中略)・・・ 【0007】本発明に係る食品搬送用ベルトにおいて、樹脂層を形成する樹脂としては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。 【0008】また、上記の心体帆布に含浸付着させる接着処理剤としては、ポリウレタン樹脂を主成分とし、ポリウレタン樹脂を溶かす溶剤を添加して撹拌した液状体を用いることができる。 ・・・(中略)・・・ 【0012】実施例1 ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(ポリテトラメチレンエーテルグリコール系)をペレット化し、これにイマザリルを添加してドライブレンドし、これを加熱して押出し機でシート状に押出し、厚さ0.3mmのシートを作製した。 【0013】ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(ポリテトラメチレンエーテルグリコール系)100重量部に対してジメチルホルムアミドとトルエンの混合溶剤850重量部、イマザリルを添加したディップ液と、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(ポリテトラメチレンエーテルグリコール系)100重量部に対してジメチルホルムアミドとトルエンの混合溶剤400重量部、イマザリルを添加した糊液とからなる接着処理剤を調製し、まずポリエステル帆布をディップ液に浸漬してディップ液を10重量%の含浸量(固形分換算)で含浸させた後、150?160℃の温度で30?60秒間乾燥させ、次にディップ処理したポリエステル帆布の表面に糊液をドクターナイフで塗布して糊液を20重量%の付着量(固形分換算)で付着含浸させ、150?160℃の温度で30?60秒間乾燥させることによって、ポリエステル帆布を接着処理剤で処理した。 【0014】上記のようにして得られたポリウレタン樹脂の押出しシートと接着処理剤を含浸付着させたポリエステル帆布とを重ね、150?180℃の温度で加熱しながらロートキュア方式で加圧積層することにより1プライ構成の食品搬送用ベルトを作製した。」 と記載されている。 上記段落には、食品搬送用ベルトに関して、心体帆布(本件発明4の「布帛」に相当。)に、ポリウレタン樹脂を主成分とする接着処理剤(本件発明4の芯体の「樹脂成分」に相当。)を含浸付着したものに、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂層(本件発明4の「非粘着層」と、芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成される「層」である限りにおいて共通する。)を積層することが示されているが、積層する樹脂層を構成する3種の樹脂それぞれに対応して、心体帆布に含浸付着する接着処理剤を「同一又は同種の樹脂」とすることを示唆するものではない。 また、上記段落には、実施例1として、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂からなる接着処理剤を含浸付着した帆布に、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂のシートを重ねて食品搬送用ベルトを作成することが記載されているが、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂を積層する場合の、心体帆布に含浸付着する樹脂成分について示唆するものでもない。 そうすると、引用文献11は、芯体にポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂を形成した搬送ベルトにおいて、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」ことにより、芯体と非粘着層との密着性を向上させることを開示するものではない。 引用文献2には、樹脂化合物溶液を精密搬送用ポリウレタンベルト(日本ジークリング社製)の片面に塗布することが記載されている(前記「2(2)カ」を参照。)。 しかしながら、引用文献2には、樹脂化合物溶液の実施例として、実施例4にシリコーン-ポリウレタン樹脂(前記「2(2)エ」を参照。)が示されているほかに、実施例6にポリビニルブチラール樹脂(前記「2(2)オ」を参照。)が示されていることから、必ずしも精密搬送用のベルトの樹脂成分を、塗布する樹脂化合物溶液に対応して同一又は同種の樹脂とすることを開示しているとはいえないし、実施例4に着目しても、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂を塗布する場合のベルトの樹脂成分について示唆するものでもない。 そうすると、引用文献2は、芯体にポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂を形成した搬送ベルトにおいて、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」ことにより、芯体と非粘着層との密着性を向上させることを開示するものではない。 さらに、引用文献3?10及び12?14は、芯体にポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂の非粘着層を形成した搬送ベルトにおいて、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」ことにより、芯体と非粘着層との密着性を向上させることを開示するものではない。 (オ)小括 以上のことから、引用文献2?14は、相違点1Aのうち、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であり、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」点について、開示するものではない。 したがって、引用発明1を、相違点1Aに係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、相違点1Bについて検討するまでもなく、本件発明4は、引用文献1に記載された発明(引用発明1)ということはできないし、引用発明1及び引用文献2?14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 イ 引用文献2を主引例として 本件発明4と引用発明2とを対比する。 引用発明2の「精密搬送用ポリウレタンベルト(日本ジークリング社製)」は、本件発明4の「芯体」に相当する。 以下同様に、「精密搬送用ポリウレタンベルトの片面に塗布し乾燥され」たことは、「芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され」たことに、 「精密搬送用ポリウレタンベルト」は、「搬送ベルト」に、それぞれ相当する。 また、引用発明2の「被膜層」は、剥離性を備えるから「非粘着層」ということができる(前記「2(2)キ」を参照。)。 本件発明4の「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂」である「ポリウレタン」について、本件特許明細書の段落【0070】に、「シリコーン変性タイプの熱可塑性ポリウレタン樹脂(大日精化工業(株)製「ダイアロマーSP」)」を使用原料としていることが記載されている。 そして、引用発明2の「シリコーン-ポリウレタン樹脂(大日本精化工業(株)製(ダイアロマー))」と、本件特許明細書に記載の前記「シリコーン変性タイプの熱可塑性ポリウレタン樹脂(大日精化工業(株)製「ダイアロマーSP」)」とは、同じものと解される。 そうすると、引用発明2の精密搬送用ポリウレタンベルトの片面に塗布し乾燥されている、「シリコーン-ポリウレタン樹脂(大日本精化工業(株)製(ダイアロマー))を含む樹脂化合物溶液からなる被膜層」は、本件発明4の芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成されている、「ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」である「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層」に相当するといえる。 引用発明2においては、精密搬送用ポリウレタンベルトに、シリコーン-ポリウレタン樹脂を含む樹脂化合物溶液からなる被膜層を設けているから、引用発明2は、本件発明4の「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」に相当する構成を備えている。 以上のことから、本件発明4と引用発明2とは次の点で一致する。 「芯体と、この芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され、かつオルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、かつ前記芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である、搬送ベルト。」 一方で、両者は次の点で相違する。 [相違点2A] 本件発明4においては、「布帛及び樹脂成分を含む芯体」を備え、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であるのに対して、 引用発明2においては、芯体は、布帛及び樹脂成分を含むものか否かは明らかでなく、また、シリコーン変性ポリウレタンについても、ポリカーボネート型とは特定されておらず、ポリオルガノシロキサン単位の割合も明らかでない点。 [相違点2B] ベルトの用途に関して、本件発明4においては、「食品の搬送ベルト」であるのに対して、 引用発明2においては、樹脂化合物の塗料としての評価を行うための精密搬送用ポリウレタンベルトである点。 相違点2Aについて検討する。 引用文献2には、ポリウレタン樹脂としてポリカーボネート型のものを用いることは示唆されていないし、上記シリコーン-ポリウレタン樹脂(大日本精化工業(株)製(ダイアロマー))のオルガノシロキサン単位の具体的な割合については、記載も示唆もされていない。 また、引用文献1、3?14に、引用発明2のポリウレタン樹脂として、ポリカーボネート型を用いること、並びに搬送物に対する非粘着性、及び芯体との密着性を考慮して、オルガノシロキサン単位の割合を、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%とすることについて示唆する記載があるものでもない。 したがって、引用発明2を、相違点2Aに係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、相違点2Bについて検討するまでもなく、本件発明4は、引用文献2に記載された発明(引用発明2)ということはできないし、また、引用発明2、並びに引用文献1及び3?14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 ウ 引用文献3を主引例として 本件発明4と引用発明3とを対比する。 引用発明3の「シート・フィルムを備えた、ベルトコンベア」は、本件発明4の「搬送ベルト」に相当する。 引用発明3の「レザミンPS」は、非粘着性であるから(引用文献3の55ページ下欄1行を参照。)、引用発明3の、「レザミンPSを押圧成形したシート・フィルム」は、「非粘着層」ということができる。 本件発明4の「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂」である「ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」について、本件特許明細書の段落【0071】に、「非粘着カバー層を形成するためのシート状前駆体1」として、「シリコーン変性ポリエーテル型ウレタンエラストマーシート(大日精化工業(株)製「レザミンPS」)」または「シリコーン変性ポリカーボネート型ウレタンエラストマーシート(大日精化工業(株)製「レザミンPS」)」を用いていることが記載されている。 そして、引用発明3の「シリコーンポリマーとポリウレタンのブロックポリマーであるレザミンPS」であって「前記ポリウレタン部分は、ポリカーボネートより成るソフトセグメントと、芳香族ポリウレタンより成るハードセグメントのブロックポリマーであ」るものと、本件特許明細書に記載の前記「シリコーン変性ポリカーボネート型ウレタンエラストマーシート(大日精化工業(株)製「レザミンPS」)」とは、同じものと解される。 そうすると、引用発明3の「シリコーンポリマーとポリウレタンのブロックポリマーであるレザミンPS」であって「前記ポリウレタン部分は、ポリカーボネートより成るソフトセグメントと、芳香族ポリウレタンより成るハードセグメントのブロックポリマーであ」るものは、本件発明4の「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層」である「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂」に相当するといえる。 以上のことから、本件発明4と引用発明3とは次の点で一致する。 「オルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂である、搬送ベルト。」 一方で、両者は次の点で相違する。 [相違点3A] 本件発明4においては、「布帛及び樹脂成分を含む芯体」を備え、シリコーン変性樹脂を含む非粘着層は「芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され」たものであり、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であり、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」のに対して、 引用発明3においては、布帛及び樹脂成分を含む芯体を備えているか明らかでなく、また、シリコーン変性樹脂のポリオルガノシロキサン単位の割合(レザミンPSのシリコーン含量)は、16%である点。 [相違点3B] 搬送ベルトの搬送物に関して、本件発明4においては、搬送物は「食品」であるのに対して、 引用発明3においては、搬送物は明らかでない点。 相違点3Aについて検討する。 引用文献3(前記「2(3)ウ」を参照。)には、レザミンPSとしてシリコーン含量(本件発明4の「オルガノシロキサン単位の割合」に相当。)を、16%とすることは記載されているが、5?8%とすることについては記載も示唆もされていない。 引用文献9(特に、2ページの「レザミンPSシリーズの品番表示方法」及び「レザミンPSシリーズの特性表」の欄を参照。)には、レザミンPSシリーズとして、シリコーン含量が8%、12%、16%及び40%のものがあること、及びレザミンPSのPS-80000シリーズとして、ソフトセグメントがカーボネート・シリコンで、シリコーン含量が16%のものが記載されているが、引用発明3において、搬送物に対する非粘着性、及び芯体との密着性を考慮して、シリコーン含量が5?8%のものを選択することを示唆する記載があるものではない。 また、引用文献1、2、4?8、10?14に、引用発明3のレザミンPSのシリコーン含量として、搬送物に対する非粘着性、及び芯体との密着性を考慮して、5?8%のものを用いることを示唆する記載があるものでもない。 更に、前記「ア(エ)」で述べたように、引用文献1、2、4?14は、芯体にポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂を形成した搬送ベルトにおいて、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」ことにより、芯体と非粘着層との密着性を向上させることを開示するものではない。 したがって、引用発明3を、相違点3Aに係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、相違点3Bについて検討するまでもなく、本件発明4は、引用文献3に記載された発明(引用発明3)ということはできないし、引用発明3並びに引用文献1、2及び4?14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 エ 小括 以上のことから、本件発明4は、引用文献1?3に記載された発明(引用発明1?3)ということはできないし、また、引用発明1?3、及び引用文献1?14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (2)本件発明5?13について 本件発明5?13は、本件発明4を引用し、本件発明4をさらに限定したものであるから、本件発明4と同様に、引用文献1?3に記載された発明(引用発明1?3)ということはできないし、また、引用発明1?3、及び引用文献1?14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (3)異議申立人の意見について ア 異議申立人1は、平成31年3月25日に提出の意見書(2ページ28行?3ページ3行)において、オルガノシロキサン単位の割合を請求項4に記載の範囲とすることは設計事項にすぎない旨主張し、また、異議申立人2は、平成31年3月28日に提出の意見書(2ページ30行?3ページ11)において、シリコーン含量が「5?8質量%」という範囲に臨界的意義はない旨主張している。 しかしながら、前記「3(1)ア(ア)」で述べたように、本件発明4は、オルガノシロキサン単位の割合が少なすぎると、搬送物に対する非粘着性が低下する虞があり、逆に多すぎると芯体との密着性が低下する虞があるという観点から、芯体に形成される非粘着層のポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂の「オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」に定め、単に、搬送物に対する非粘着性だけではなく、芯体と非粘着層との密着性も考慮して、オルガノシロキサン単位の割合を定めたものと認められる。 したがって、オルガノシロキサン単位の割合を5?8質量%とした点は設計事項とはいえず、異議申立人1及び2の上記の各主張は、採用することができない。 イ 異議申立人1は、平成31年3月25日に提出の意見書において、参考資料1(特開昭59-67046号公報)及び参考資料2(特開平9-175617号公報)を挙げ、また、異議申立人2は、平成31年3月28日に提出の意見書において、参考資料1(「ジークリング トランジロン 食品搬送・加工用ベルト 製パン工程用ベルトシリーズ」 フォルボ・ジークリング・ジャパン株式会社 カタログ番号FSJ-1010 2012年6月)を挙げているものの、上記の各参考資料は、いずれも、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であり、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」点について、開示するものではない。 第5 取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について 異議申立人1が申立1において挙げた証拠、及び異議申立人2が申立2において挙げた証拠のうち、取消理由において採用しなかった証拠として、次の文献a?fが挙げられる。 文献a:特開平10-151683号公報(申立1の甲第10号証) 文献b:特開2000-109207号公報(申立1の甲第11号証) 文献c:特開平4-234436号公報(申立2の甲第2号証) 文献d:特開平11-84901号公報(申立2の甲第3号証) 文献e:特開2007-186645号公報(申立2の甲第5号証) 文献f:特開2010-180363号公報(申立2の甲第6号証) 上記文献a(特に、段落【0001】及び【0009】を参照。)には、フッ素フィルムを積層した搬送用ベルトのフッ素樹脂フィルムの厚みについて、 文献b(特に、段落【0001】、【0049】及び【図2】を参照。)には、フッ素樹脂材層が芯体帆布に積層された搬送用ベルトのフッ素樹脂材層の厚みについて、 文献c(特に、段落【0012】を参照。)には、シロキサンセグメント含有被膜形成性樹脂として大日精化工業(株)の「ダイアロマー」を用いることについて、 文献d(特に、段落【0001】、【0024】、【0037】、【0047】及び【図1】?【図3】を参照。)には、画像形成装置の中間転写ベルトにおいて、ベルトの弾性層1の用いる弾性体として、ポリウレタン樹脂等が使用でき、被覆層101として弾性層と同じ材料が使用できることについて、 文献e(特に、段落【0002】、【0010】及び【0020】を参照。)には、ポリウレタンの用途としてコンベアーベルトがあること、熱可塑性シロキサン変性ポリウレタン微粒子について、及び微粒子のシロキサンセグメント含有量について、 文献f(特に、段落【0014】、【0015】、【0036】、【0037】、【0043】、【0050】及び【0057】を参照。)には、シロキサン変性ウレタン樹脂について、それぞれ記載されている。 しかし、上記文献a?fは、いずれも、非粘着層のシリコーン変性樹脂は「ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%」であり、「芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である」点について、開示するものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、並びに申立書1及び2に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明4?13に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明4?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項1?3は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項1?3に対して、異議申立人がした異議申立については、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 布帛及び樹脂成分を含む芯体と、この芯体の搬送面及び/又は内周面側に形成され、かつオルガノシロキサン単位を含むシリコーン変性樹脂を含む非粘着層とを含む搬送ベルトであって、前記シリコーン変性樹脂が、ポリカーボネート型ポリウレタンのシリコーン変性樹脂であり、前記オルガノシロキサン単位の割合が、シリコーン変性樹脂全体に対して5?8質量%であり、かつ前記芯体の樹脂成分が、シリコーン変性樹脂のベース樹脂と同一又は同種の樹脂である、食品の搬送ベルト。 【請求項5】 非粘着層が、平均厚み10?100μmの非粘着膜である請求項4記載の食品の搬送ベルト。 【請求項6】 非粘着膜が硬化剤を含む請求項5記載の食品の搬送ベルト。 【請求項7】 非粘着層が、平均厚み0.1?2mmの非粘着カバー層である請求項4記載の食品の搬送ベルト。 【請求項8】 非粘着カバー層の表面に、縦横方向に複数の凸部が形成されている請求項7記載の食品の搬送ベルト。 【請求項9】 芯体が第1の芯体に加えてさらに第2の芯体を含み、第1の芯体と第2の芯体との間に中間層が介在している請求項4?8のいずれかに記載の食品の搬送ベルト。 【請求項10】 芯体の搬送面側に非粘着層が形成され、かつ芯体の内周面側に、樹脂成分を含むカバー層が形成されている請求項4?9のいずれかに記載の食品の搬送ベルト。 【請求項11】 芯体の搬送面及び/又は内周面側に非粘着層を形成する非粘着層形成工程を含む請求項4?10のいずれかに記載の食品の搬送ベルトの製造方法。 【請求項12】 非粘着層形成工程において、シリコーン変性樹脂を含む液状組成物を芯体の搬送面及び/又は内周面に塗布して非粘着膜を形成する請求項11記載の製造方法。 【請求項13】 非粘着層形成工程において、シート状前駆体を芯体の搬送面及び/又は内周面に積層して非粘着カバー層を形成する請求項11記載の製造方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-05-10 |
出願番号 | 特願2016-31313(P2016-31313) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(B65G)
P 1 651・ 113- YAA (B65G) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中田 誠二郎 |
特許庁審判長 |
平田 信勝 |
特許庁審判官 |
小関 峰夫 尾崎 和寛 |
登録日 | 2018-02-16 |
登録番号 | 特許第6291514号(P6291514) |
権利者 | 三ツ星ベルト株式会社 |
発明の名称 | 搬送ベルト及びその製造方法 |
代理人 | 阪中 浩 |
代理人 | 鍬田 充生 |
代理人 | 阪中 浩 |
代理人 | 鍬田 充生 |