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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E01D
管理番号 1353436
審判番号 不服2018-11933  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-05 
確定日 2019-07-30 
事件の表示 特願2015-206799「アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体及び上路式アーチ橋」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 4月27日出願公開、特開2017- 78296、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年10月20日の出願であって、平成29年11月28日付け(発送日:同年12月5日)で拒絶理由通知がされ、平成30年5月28日付け(送達日:同年6月5日)で拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年9月5日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定(平成30年5月28日付け拒絶査定)の理由は次のとおりである。

本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1及び2、または引用文献1及び3に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、本願請求項2に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、本願請求項3及び4に係る発明は、以下の引用文献1、2、4及び5、または、引用文献1、3ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献一覧
1.米国特許出願公開第2005/229502号明細書
2.特開平11-241404号公報
3.特開平11-280153号公報
4.特開平11-117314号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2004-169512号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、平成27年10月20日の出願時の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
左右の斜辺と下辺と下辺に平行で下辺より長さの長い上辺とからなる逆台形を底面としてこれに側稜が直交する四角柱状の迫石ブロックを、この逆台形の下辺と接する四角柱の側面を下平面とし上辺と接する側面を上平面とする向きで逆台形の上辺の延伸方向に多数並列して並べ置くように配設し、それらの複数個の迫石ブロックの上平面近傍の内部に連接部材を埋設するようにして巡らせ、隣接する迫石ブロックと上平面近傍で連接することで、隣接する迫石ブロックとの連接箇所を軸として下方に吊り下がる迫石ブロックを回動可能として、全体を吊り上げたときに下辺側を内周とし、上辺側を外周とする円弧状に形成可能とした、アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体であって、さらに、少なくとも円弧の両末端に位置する迫石ブロックには、隣接する迫石ブロックとの間に両ブロック間に形成される楔状の隙間の開き具合を調整しうる拘束部材を配したことを特徴とする、アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体。
【請求項2】
前記拘束部材は、ターンバックルを用いて張り具合を調整可能とすることで前記の楔状の隙間の開き具合を調整可能としたものであることを特徴とする請求項1に記載のアーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体。
【請求項3】
迫石ブロックの逆台形の上辺の角部は連接箇所より上方が面取りされていることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載のアーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体で形成された円弧状のアーチと、その上方に配された水平な上路とを備えた上路式アーチ橋。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審決で付した。以下同様。)。

ア「[0002] The present invention relates to a new arch ring unit and a method of using the arch ring unit to form new archways particularly but not exclusively for road, rail etc. arches and bridges.」
「本発明は、新規なアーチリングユニット、および、鉄道、アーチ、橋(ただし、これに限定されない)などのアーチ道を形成するための、アーチリングユニットの使用方法に関するものである。」(当審仮訳)

イ「[0010]The arch ring unit of the present invention could be formed of any suitable material or combination of materials suitable for building an arch. Generally, the ring unit is formed wholly or substantially of concrete.・・・」
「本発明のアーチリングユニットは、アーチを構築するために利用可能な任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成することができる。一般に、そのリングユニットは、全部または一部がコンクリートで形成される。」(当審仮訳)

ウ「[0019] According to a second aspect of the present invention, there is provided a process for forming a flat-formed arch ring unit as hereinbefore described, comprising the steps of
[0020] separately forming each voussoir portion;
[0021] aligning the voussoir portions such that their wider top faces wholly or substantially meet; and
[0022] forming a connection layer across the top of the voussoir portions.
[0023] This process allows each voussoir portion to be formed separately. This is a simple process, the former or mould for which is a simple trapizoidal shape. ・・・」
「本発明の第2の態様によれば、上記の平板状アーチリング部を形成するためのプロセス、すなわち、各々の迫石部を別々に形成するステップ、それらの広い方の上面において完全にまたは実質的に互いに接するように迫石部を整列させるステップ、および、迫石部の頂部を横切って接続層を形成するステップとを含むプロセスが提供される。
このプロセスでは、各迫石部を別々に形成する。これは、簡単な方法であり、そのための型又はモールドは、シンプルな台形状である。」(当審仮訳)

エ「[0043] Fig 2 shows an arch ring unit 10 of the present invention. The arch ring unit 10 comprises a linear array of a number of connected voussoir portions 12 connected along their upper edges 14. These upper edges 14 will form the extrados of the arch in due course.
The arch ring unit 10 is shown in more detail in Fig 6.」
「図2は、本発明のアーチリングユニット10を示している。リング部10は、その上方の端縁14に沿って接続された、多数の迫石部12の直線アレイを含む。上方の端縁14は、後にアーチの外周を形成する。リング部10は、図6に詳細に示されている。」(当審仮訳)

オ「[0046] Preferably, the arch ring unit 10 is formed by a two-part casting process, wherein each voussior portion 12 is formed separately and then brought together. A separate connection layer 22 is then cast across the tops of the voussoir portions with the reinforcing grid laid therein.・・・」
「好ましくは、アーチリングユニット10は、各迫石部12を別々に形成し、次いで、それらを互いに結合させるという2つの打設プロセスにより形成される。別の接続層22は、複数の迫石部の上部を横断するように、そこに補強グリッドを配置した状態で打設される。」(当審仮訳)

カ「[0049] When required, the arch ring unit 10 is arched by lifting at appropriate lifting points along the ring unit 10, which points will depend on the weight, size and number of voussoirs 12.The lifting may also site the ring unit 10 in place. As shown in Fig 3, this forms an archway 16.」
「必要に応じて、リング部10は、量、寸法、及び迫石部12の数に応じて決められた、リング部10に沿う適切なリフティングポイントにおいて上昇されるとアーチ状となる。その上昇によりリング部10を設置することもできる。図3に示すように、これは、アーチ16を形成する。」(当審仮訳)

(2)引用文献1に記載された発明
上記(1)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「橋などのアーチ道を形成するための、コンクリートからなるアーチリングユニット10であって、
アーチリングユニット10は、多数の迫石部12が直線状に接続されたものであり、リフティングポイントにおいて上昇されると、アーチ状となり、その上方の端縁14はアーチの外周面となるものであって、
各迫石部12は、台形状の型に打設されることにより別々に形成され、
迫石部12の広い方の上面において互いに接するように迫石部12を整列させ、
接続層22を、複数の迫石部の上部を横断するように、そこに補強グリッドを配置した状態で打設して形成した、アーチリングユニット10。」

2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載事項
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアーチ形の構造体に関する。」

イ「【0008】構造体本体1は図4のように断面が角形の山と谷が連続する角波状(丸波状でもよい)に形成された通常の金属製の折板3によって構成すればよい。折板3は複数の個所で鈍角に折り曲げられ、全体としてアーチ形状に形成されている。折板3はその山又は谷の長さ方向に対して直角になるように折り曲げられている。
【0009】なお、構造体本体1は数枚の折板3を面方向に連結させることによって一体的に形成すればよい。折板3の連結枚数によって構造体本体1の間口や奥行の寸法を大きくしたり、小さくしたりすることができる。
【0010】次に、構造体本体1は折り曲げたままでは全体の強度が小さく、その形状を保持することはできないので、図1、図2に示されるようにブレース2によって補強されている。すなわち、各折り曲げ部4の内側に取付金具5が固定され、1つおきに配置された取付金具5同士をブレース2で引き締めている。この場合、図3のように一方の取付金具5にターンバックル6を取付け、このターンバックル6と他方の取付金具5にブレース2を取付け、ターンバックル6を回転させて適宜の強さに締めればよい。これにより、各折り曲げ部4の両隣りの辺a、bとブレース2とによって三角形が形成されるから、折り曲げ部4の角度はその状態で保持される。さらに、上記ブレース2のほかに別のブレース2を加えることにより、全体の組み立て強度がより強固となる。」

(2)引用文献2に記載された技術事項
上記(1)により、引用文献2には、以下の技術事項(以下、「引用文献2の技術事項」という。)が記載されていると認められる。

「構造体本体1が、折板3を複数の個所で鈍角に折り曲げて、全体としてアーチ形状に形成される、アーチ形の構造体において、
各折り曲げ部4の内側には取付金具5が固定されており、1つおきに配置された取付金具5同士をブレース2で引き締めるものであって、
一方の取付金具5にターンバックル6を取付け、このターンバックル6と他方の取付金具5にブレース2を取付け、ターンバックル6を回転させること。」

2 引用文献3について
(1)引用文献3の記載事項
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアーチ状構造物およびその建造方法に関する。」

イ「【0007】請求項2の発明のアーチ状構造物の建造方法は、断面形状が台形をなす複数のユニット部材を、その台形の長辺部を上側に、短辺部を下側に夫々位置させて平行に並べて配置するととともに互いに隣り合う前記各ユニット部材を回転自在に連結して連結構造体を形成し、この連結構造体の端部に力を加えて連結構造体を中央部が高くなるようにアーチ状に立ち上げてアーチ状構造物を建造することを特徴とする。」

ウ「【0012】そして、図1に示すようにアーチ状構造物Bを建造する場所に、各ユニット部材1における一対の側部フレーム2の長辺部2aが上側に、短辺部2bが下側に位置するようにして連結構造体Aを水平に配置する。連結構造体Aにおいてユニット部材並び方向一方の端にあるユニット部材1の桟フレーム3を適宜な固定具11によって建造する場所に固定する。また、連結構造体Aにおいてユニット部材並び方向他方の端に位置するユニット部材1の桟フレーム3の長さ方向両端部に夫々2本のケーブル12の一端を固定する。この2本のケーブル12は連結構造体Aのユニット部材並び方向全長より大きな長さを有するもので、ユニット部材1の左右一対の側部フレーム2の下側を連結構造体Aのユニット部材並び方向に沿って配置し、一方の端に位置するユニット部材1から外側へ引出す。一方の端に位置するユニット部材1の外側には2台のウインチ13を設置し、これら2台のウインチ13の夫々に巻き取り体に対応する2本のケーブル12の他端を固定する。
【0013】そして、図2に示すように2台のウインチ13を駆動して巻取り体を巻取り方向へ回転させて夫々ケーブル12を巻取る。そうすると2本のケーブル12は順次夫々ウインチ13に巻取られることによってウインチ13に向けて移動して外側へ出ている長さが短くなってゆく。これに伴い2本のケーブル12に連結された連結構造体Aにおいてユニット部材並び方向他方の端にあるユニット部材1は2本のケーブル12に引かれてユニット部材並び方向一方の端(ウインチ13)に向けて移動してゆく。すなわち、連結構造体Aにおける他方の端にあるユニット部材1には一方の端に向けた力が加わる。」

(2)引用文献3に記載された技術事項
上記(1)により、引用文献3には、以下の技術事項(以下、「引用文献3の技術事項」という。)が記載されていると認められる。

「断面形状が台形をなす複数のユニット部材1を、その台形の長辺部を上側に、短辺部を下側に夫々位置させて平行に並べて配置するととともに互いに隣り合う前記各ユニット部材1を回転自在に連結して連結構造体Aを形成し、連結構造体Aにおいてユニット部材1並び方向一方の端にあるユニット部材1の桟フレーム3を適宜な固定具11によって建造する場所に固定し、連結構造体Aにおいてユニット部材並び方向他方の端に位置するユニット部材1の桟フレーム3の長さ方向両端部に夫々2本のケーブル12の一端を固定して、この2本のケーブル12を巻取ることにより、この連結構造体Aの端部に力を加えて連結構造体Aを中央部が高くなるようにアーチ状に立ち上げてアーチ状構造物を建造すること。」

第6 対比・判断
1 対比
(1)引用発明1の「台形状の型に打設されることにより」「形成され」た「迫石部12」は、本願発明1の「左右の斜辺と下辺と下辺に平行で下辺より長さの長い上辺とからなる逆台形を底面としてこれに側稜が直交する四角柱状」である「迫石ブロック」に相当する。
(2)引用発明1において、「迫石部12」を、「迫石部12の広い方の上面において互いに接するように」「整列させ」ることは、本願発明1の「迫石ブロック」を、「逆台形の下辺と接する四角柱の側面を下平面とし上辺と接する側面を上平面とする向きで逆台形の上辺の延伸方向に」「並列して並べ置くように配設」することに相当する。また、引用発明1において、「多数の迫石部12が直線状に接続された」ことが特定されていることから、本願発明1のように、「迫石ブロック」は、「多数並列して並べ置くように配設」されるものと解される。
(3)引用発明1の「補強グリッド」は、「複数の迫石部12の上部」に「配置した状態で」「接続層22」が「打設して形成」されるものであるから、本願発明1の、「複数個の迫石ブロックの上平面近傍の内部に」「埋設するようにして巡らせ、隣接する迫石ブロックと上平面近傍で連接する」「連接部材」に相当する。
(4)引用発明1の「リフティングポイントにおいて上昇されると、アーチ状となり、その上方の端縁14はアーチの外周面となる」「アーチリングユニット10」は、本願発明1の「全体を吊り上げたときに下辺側を内周とし、上辺側を外周とする円弧状に形成可能とした、アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体」に相当する。
(5)引用発明1において、「直線状に接続された」「多数の迫石部12」は、「リフティングポイントにおいて上昇されると、アーチ状とな」るものであるから、本願発明1のように、「隣接する迫石ブロックとの連接箇所を軸として下方に吊り下がる迫石ブロック」が「回動可能」であるものと解される。なお、このことは引用文献1のFig.2及びFig.3をみても明らかである。
(6)してみると、本願発明1と引用発明1では、下記の点で一致点と相違点を有する。

<一致点>
「左右の斜辺と下辺と下辺に平行で下辺より長さの長い上辺とからなる逆台形を底面としてこれに側稜が直交する四角柱状の迫石ブロックを、この逆台形の下辺と接する四角柱の側面を下平面とし上辺と接する側面を上平面とする向きで逆台形の上辺の延伸方向に多数並列して並べ置くように配設し、それらの複数個の迫石ブロックの上平面近傍の内部に連接部材を埋設するようにして巡らせ、隣接する迫石ブロックと上平面近傍で連接することで、隣接する迫石ブロックとの連接箇所を軸として下方に吊り下がる迫石ブロックを回動可能として、全体を吊り上げたときに下辺側を内周とし、上辺側を外周とする円弧状に形成可能とした、アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体。」

<相違点>
アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体が、本願発明1では、「少なくとも円弧の両末端に位置する迫石ブロックには、隣接する迫石ブロックとの間に両ブロック間に形成される楔状の隙間の開き具合を調整しうる拘束部材を配した」のに対し、引用発明1では、そのような特定がなされていない点。

2 判断
(1)上記相違点について判断する。
引用文献2の技術事項に特定されている「ターンバックル6」、「ブレース2」は、「折り曲げ」た「折板3」の「各折り曲げ部4の内側に」「固定され」た「取付金具5」のうち、「1つおきに配置された取付金具5同士」を拘束するものであって、相違点に係る構成のように、「少なくとも円弧の両末端に位置する迫石ブロックには、隣接する迫石ブロックとの間に両ブロック間に形成される楔状の隙間の開き具合を調整しうる」ものではないから、引用文献2の技術事項には、相違点に係る構成は特定されていない。
また、引用文献2の技術事項に特定されているのは、「折板3」を「折り曲げ」て、アーチを構成するものであって、引用発明1のように、「迫石ブロック」を「直線状に接続」して、「リフティングポイントにおいて上昇」させるものではなく、引用発明1と引用文献2の技術事項との間に、共通する課題が存在するとは認められないから、引用発明1において、引用文献2の技術事項を適用する動機付けはないものと認められる。
また、引用文献3の技術事項に特定されている「ケーブル12」は、「連結構造体A」を「中央部が高くなるようにアーチ状に立ち上げてアーチ状構造物を建造する」ためのものであって、相違点に係る構成のように、「少なくとも円弧の両末端に位置する迫石ブロックには、隣接する迫石ブロックとの間に両ブロック間に形成される楔状の隙間の開き具合を調整しうる拘束部材」ではないから、引用文献3の技術事項には、相違点に係る構成は特定されていない。
してみると、引用発明1において、引用文献2、または引用文献3の技術事項を参酌しても、相違点に係る構成を得ることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

(2)まとめ
上記(1)により、本願発明1は、当業者が、引用文献1及び2に記載された発明、または、引用文献1及び3に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2ないし本願発明4について
本願発明2ないし4は、本願発明1を引用するものであって、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
よって、本願発明1と同じ理由により、本願発明2は、引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明1と同じ理由により、本願発明3及び4に係る発明は、引用文献1、2、4及び5、または、引用文献1、3ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-16 
出願番号 特願2015-206799(P2015-206799)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E01D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 亀谷 英樹  
特許庁審判長 秋田 将行
特許庁審判官 富士 春奈
住田 秀弘
発明の名称 アーチ橋構造用の連接コンクリートブロック体及び上路式アーチ橋  
代理人 横井 健至  
代理人 横井 宏理  
代理人 横井 知理  

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