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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1353663
審判番号 不服2018-6940  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-22 
確定日 2019-07-16 
事件の表示 特願2016-105034「触覚フィードバックを伴う入力」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月19日出願公開、特開2017- 16643〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年5月26日(パリ条約による優先権主張 平成27年6月29日 米国、平成27年12月18日 米国)の出願であって、平成29年2月28日付けで拒絶理由が通知され、平成29年9月6日に手続補正がされ、平成30年1月15日付けで拒絶査定がされたものである。これを不服として平成30年5月22日に審判が請求され、同時に手続補正がされた。

第2 本願発明
本願の請求項1?17に係る発明は、平成30年5月22日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?17に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項10に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。なお、上記手続補正による補正前と補正後で請求項10の記載は変更されていない。

[本願発明]
「入力を受け取りそしてその入力に応答して第1の方向に移動するように構成された機械的入力手段;
前記第1方向の前記機械的入力手段の移動に基づいて前記機械的入力手段における入力を感知するための機械的入力センサ手段;
前記第1方向とは異なる第2の方向に前記機械的入力手段を変位するための機械的入力アクチュエータ手段;及び
前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段及びディスプレイに結合されたプロセッサ;を備えた電子装置であって、
前記プロセッサは、
前記機械的入力手段が前記電子装置のための第1の入力機能性を提供しているという判定に従って、第1の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御し;及び
前記機械的入力手段が前記第1の入力機能性とは異なる前記電子装置のための第2の入力機能性を提供しているという判定に従って、前記第1の運動特性とは異なる第2の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御する;ことができる、電子装置。」

第3 拒絶査定の概要
この出願の請求項10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.特表2010-515153号公報

第4 引用文献の記載事項、引用発明
1.引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された特表2010-515153号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は当審により付与したものである。

「【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る具現化例は、振動触感フィードバックによる仮想回り止めのための方法及びシステムを提供する。一つの実施例となる具現化例にあっては、回転式つまみ入力デバイスが回転される。センサは前記回転式つまみの回転を検出し、さらに入力信号をプロセッサに送信する。前記入力信号は、前記回転式つまみがどれほど回転されたのかというような、前記回転式つまみの前記回転に関する情報を含む。前記プロセッサは、少なくともある程度の入力信号に基づいてオーディオシステムを操作するかどうかを決定する。前記プロセッサは、前記回転式つまみを振動するためのアクチュエータを起動するように構成される信号を発生するかどうかを決定する。
【0012】
この具体例は、読み手を検討された全般的な主題へと導くために与えられる。本発明は、この具体例に限定されるものではない。以下、振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構の方法及びシステムの具体例が説明される。
【0013】
(付加機能付き触覚フィードバックの実例的なデバイス)
振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構を提供するために構成されたデバイスの一つの実施形態にあって、携帯型ミュージックプレイヤがスピーカを介して音楽を再生するように構成され、さらにアクチュエータによるタッチパッド上の仮想回り止め機構を作り出す。そのような一つの具現化例にあって、携帯型ミュージックプレイヤはユーザの接触に基づいてプロセッサに入力信号を生成するように形成されるタッチパッドを備える。前記プロセッサは、前記入力信号を解析し、前記オーディオシステムを操作するか否かを決定し、さらに振動触感効果を発生すべきかどうかを決定する。プロセッサが振動触感効果を発生すべきと決定すると、プロセッサは信号を発生する。その信号は、前記アクチュエータに振動触感効果を仮想回り止めの形態にて前記タッチパッドに生成するために形成される。
【0014】
そのような実施の形態は、振動触感フィードバックによる機械的な回り止めをシミュレートするために有利に利用される。そのようなシミュレートされる機械的な回り止め、又は仮想回り止めは、ユーザに役立つフィードバックを提供する。例えば、仮想回り止めは、サウンドシステムのボリュームの変更が成功したことを示す。他の具体例としては、仮想回り止め機構がないことが、室温調整器が作動していないことを示したり、室温調整器が動作の最も高い閾値に達したことを示す。
【0015】
これらさらなる具体例は、本明細書にて説明される全般的な主題を読み手に紹介するために与えられる。本発明は、これらの具体例に制限されるものではない。以下のセクションは、振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構を提供するためのシステム及び方法の様々な具現化例を説明する。
【0016】
(振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構の第1のシステムの具体例)
ここで、同じ番号がいくつかの図面にわたって同じ要素を示す図面を参照すると、図1は本発明の一具現化例の振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第1のシステムを示すブロック図である。この具現化例には、入力デバイス102、センサ104、プロセッサ106、アクチュエータ108、及び操作されるシステム110を備えるシステムが示されている。
【0017】
(入力デバイス及びセンサ)
本発明のいくつかのシステムは、入力デバイス102及びセンサ104を備えている。図1に示される入力デバイス102は、入力デバイス102が操作されたときに入力信号をプロセッサに供給するように構成されている。他のいくつかの具現化例にあって、センサ104は、センサ104が入力デバイス102の操作を検出すると、入力信号を発生することができる。
【0018】
入力デバイス102は、例えば、機械的入力デバイスである。機械的入力デバイスのいくつかの具体例は、エンコーダに連結される回転式つまみを備える。入力デバイス102のいくつかのエンコーダは、光学的エンコーダ又はポテンショメータである。他のいくつかの具現化例にあって、入力デバイス102は、非機械的入力デバイスであってもよい。たとえば、入力デバイス102は、例えばタッチパッドやタッチスクリーンのような接触式デバイスであってもよい。
【0019】
入力デバイス102は、センサ104と相互通信する。前記センサは、入力デバイス102の動きを検出する。センサ104は、回転式つまみの動きを検出するように、又は例えば位置、加速度、トルク、回転比或いは回転時間のような、入力デバイス102の操作の他のいくつかの局面を検出するように構成される。」

「【0021】
(プロセッサ)
図1に示されるシステムは、プロセッサ106を備える。プロセッサ106は、入力デバイス102又はセンサ104からのいくつかの入力信号を受信し、かつアクチュエータ108へのいくつかの信号を生成するように構成される。前記信号は、アクチュエータ108に振動触感効果の生成を引き起こさせるように形成される。さらに、プロセッサは、操作されるシステム110に供給されるいくつかの信号を発生する。」

「【0032】
(アクチュエータ)
図1に示されるシステムは、さらに一つ以上のアクチュエータ108を備える。各アクチェータ108は、プロセッサ106からの信号を受信するように構成され、さらに振動触感効果を仮想回り止めの形でユーザに提供する。アクチュエータ108は、振動触感フィードバックを提供するために入力デバイス102を振動する。
【0033】
アクチュエータ108は、プロセッサ106から受信した信号に基づいて振動触感フィードバックを提供する。例えば、アクチュエータ108は、プロセッサ106から回り止め信号を受信したのち振動を発生するように構成される。アクチュエータ108は、入力デバイスが操作されると概ね同時に入力デバイス102を振動できる。
【0034】
アクチュエータ108は、振動触感フィードバックにより機械的なフィードバックをシミュレートするように構成される。特に、いくつかの具現化例にあって、アクチュエータ108は、機械的回り止めのための従来の手段の必要性を不要として回り止めの知覚(すなわち、仮想回り止め)を提供するように構成される。例えば、アクチュエータ108は、スプリング、ブレーキまたはカムのような触感フィードバックが従来から提供されるさまざまな機械的部品に代わって用いられる。いくつかの具現化例にあっては、振動触感フィードバックは機械的クリックに代わるクリック効果を備える。他の具現化例にあっては、振動触感フィードバックは、クリック効果を備えずに、例えばスプリング効果又はバリア効果のような他の効果を備える。
【0035】
アクチュエータ108は、いろいろな異なる特徴の振動触感フィードバックを生成するように構成される。例えば、アクチュエータは、異なる周波数、振幅、又は波長にて振動触感フィードバックを生成するように構成される。第1の具現化例にあって、仮想回り止めは、単一のパルスによって生成されるシミュレートされるクリックを含む。第2の具現化例にあって、仮想回り止めは、ダブルのパルスによって生成されるクリック及びリリース効果を備える。図9は、様々な仮想回り止めプロファイルを示す。
【0036】
アクチュエータ108は、機械的なフィードバックとは対照的に、振動触感フィードバックを生成するように構成されるので、アクチュエータ108は仮想フィードバックを、タッチ感度のパッド、すなわちタッチパッド又はタッチスクリーンのような非機械的な入力デバイス102に提供する。
【0037】
アクチュエータ108は、様々なタイプの振動触感フィードバックを発生するように構成される。例えば、アクチュエータ108は、異なる仮想回り止めを生成するように構成される。振動触感フィードバックは、様々な方向に生成される。例えば、アクチュエータ108は、入力デバイスの動作に直交して入力デバイスを振動する。」

「【0046】
(操作されるシステム)
図1に示されるシステムは、操作されるシステム110を含む。操作されるシステム110の一つ以上は、プロセッサ106からのシステム信号をそれぞれ受信する。操作されるシステム110は、制限されるものではないが、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム(例えば空気コンディショニング及び/又はヒーティング)、ナビゲーションシステム、自動推進システム、無線通信デバイス、セキュリティシステム、テレビジョン、ビデオゲームシステム、洗濯機又は乾燥機或いはオーブンなどのような電気的又は電気機械的制御が可能なシステムを含む。
【0047】
一具現化例にあって、操作されるシステム110は、照明システムのような単一のシステムを備える。他の具現化例にあって、操作されるシステムは、一つ以上の要素を含む複合システムを含む。例えば、操作されるシステム110は、ヒーティング及びクーリングシステムである。」

「【0048】
(振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構の第2のシステムの具体例)
図2は本発明の一具現化例における振動触感フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第2のシステムを示すブロック図である。この図示されている具現化例は、回転式エンコーダ202、センサ204、プロセッサ206、及び線形共振アクチュエータ208を備える。このシステムは、さらに、ビジュアルシステム210a、オーディオシステム210b、クライメートシステム210c、ディスプレイ212、スピーカ214及びメモリ216を備える。ビジュアルシステム210aの具体例は、ビデオゲームシステムである。オーディオシステム210bの具体例は、ステレオシステムである。クライメートシステム210cの具体例は、空気コンディショニング及びヒーティングシステムである。
【0049】
図2に示されるように、入力デバイスは回転式エンコーダ202でもよい。センサ204は、回転式エンコーダ202及びプロセッサ206と相互に通信する。回転式エンコーダ202が操作されるとき、センサ204は操作に関する入力信号を生成し、その入力信号をプロセッサ206に送信する。
【0050】
プロセッサ206が入力信号をいったん受け取ると、プロセッサ206は仮想信号及び/又はシステム信号を生成するのか否かを決定する。例えば、入力信号がつまみの5度角以上の移動回転を示すと、プロセッサ206はシステム信号及び仮想信号を生成する。
【0051】
プロセッサ206は、線形共振アクチュエータ208と相互通信する。プロセッサ206は、回転式エンコーダ206の操作に関する情報を含む入力信号を受信し、さらに回転式エンコーダ202に振動触感効果を生成するために線形共振アクチュエータ208を駆動するように形成される信号を生成する。振動触感効果は、模擬的な機械的回り止めを含む。
【0052】
図2に示されるように、プロセッサ206は、ビデオシステム210a、ステレオシステム210b、及びクライメートシステム210cという3つのシステムと相互通信する。プロセッサはディスプレイ212及びスピーカ214とも相互通信する。プロセッサは、ディスプレイ212の変化、スピーカ214を介しての再生音、及び回転式エンコーダ202の振動触感フィードバックと同期する。
【0053】
他のいくつかの具現化例にあって、入力デバイスは、タッチパッドのような異なるデバイスを含む。タッチパッド(図示せず)はセンサ204と通信する。センサ204はタッチパッド上の動きを検出するように構成される。
【0054】
センサ204は、入力信号を直接プロセッサ206に送信する。具体例にあって、センサ204は、回転式エンコーダが2度よりも回転されると、入力信号をプロセッサ206に送る。
【0055】
プロセッサ206は制御される一つ又は複数のシステムと通信する。プロセッサ206は、メニュー構造のグラフィカル表示を示すようにディスプレイ212を駆動する。プロセッサ206は、振動触感フィードバックを、ディスプレイ212の変更又はステレオシステム210b上の再生音のような他のイベントに同期させる。一具現化例にあって、メニューシステムのナビゲーションがディスプレイ212に示されるとき、入力デバイスはメニュー上の各アイテムが横切られるときに振動する。
【0056】
プロセッサ206は、生成する固有の回り止め信号を決定するように構成される。回り止め信号は、アクティブに操作されるシステムに少なくともある程度基づいている。例えば、ビデオシステム210aが操作されると、プロセッサ206は、例えばクリック効果のような、一つのタイプの回り止め信号を生成する。そのほか、ステレオシステム210bが操作されると、プロセッサ206は、ハードストップ仮想回り止めのような第2のタイプの回り止め信号を生成する。
【0057】
図2に示されるように、プロセッサ206は、メモリ216を備える。メモリ216は、高速キャッシュメモリであり、仮想回り止めプロファイルのような振動触感フィードバック効果を記憶するように構成される。一具現化例にあって、プロセッサはどのようなタイプの振動触感効果を発生させるのかを決定した後に、メモリ216に記憶されている一つの効果プロファイルにアクセスできる。
【0058】
仮想回り止めのような振動触感効果の初期設定ライブラリがメモリ216に格納されている。たとえば、プロセッサはメモリ216内に図9に示される各仮想回り止めプロファイルを格納している。このプロファイルは、コンピュータコードの形をとっている。一具現化例にあって、プロセッサは前もってメモリ216に格納されていたものだけではなく、様々なタイプの振動触感効果をプログラムする。例えば、システムの各ユーザは、メモリ216に格納する個々の振動触感効果を制作するかもしれない。第2の具現化例にあって、プロセッサ106は、制作者によってプログラムされた振動触感効果のみを格納する。一具現化例にあって、アクチュエータの特徴がメモリ216に格納される。例えば、システムのアクチュエータの周波数応答がメモリ216に格納される。」

「【0068】
一具現化例にあって、入力デバイスによって操作される各システムは、振動触感フィードバックのタイプ又はプロファイルに関係する。例えば、アクチュエータは、オーディオシステムが入力デバイスによってコントロールされるとき、一定の強度で入力デバイスを振動し、さらに気温システムがコントロールされるときには断続的な強度で振動する。
【0069】
一具現化例にあって、振動触感効果の組み合わせは、振動触感テーマとして関連づけられる。振動触感テーマは個々の機能又はシステムに対応する。ひとつのテーマは、変更されるシステム又は到達されるしきい値用の模擬的な機械フィードバックを示すために複数の単一のクリック及び複数のダブルクリックの組み合わせを備える。他のテーマは、コントラスト、ハードストップ仮想回り止め効果を伴う低強度振動の組み合わせを備える。第1のテーマは、クライメートシステムのような一つのシステムに割り当てられるが、第2のテーマは、ステレオシステムのような第2のシステムに割り当てられる。
【0070】
図4は、本発明の一具現化例における振動触感フィードバックによる仮想回り止めを提供するための第2のデバイスの説明図である。図4のデバイスは、機械的なデバイス、具体的には回転式つまみ400を備える。図4に示される具現化例は、回転式つまみ400を備えるが、他のいくつかの具現化例は他の入力デバイスを備えてもよい。いくつかの他の具現化例にあって、入力デバイスは線形又は回転式エンコーダ、ポテンショメータ、又はフェーダを備える。あるいは、他のいくつかの具現化例は、タッチ感知式パッド又はタッチ感知式スクリーンのような非機械的入力デバイスを備える。
【0071】
回転式つまみ400は、つまみを介して延びている軸周りに自由回転度にて回転するように構成されている。いくつかの具現化例にあって、回転式つまみは、回転軸に直交する平面内で或いは回転軸に沿って動くように構成される。回転式つまみ400は、取付面402に連結される。取付面は、コントロールパネル、ダッシュボード、カーコンソール、マウス、ジョイスティック、産業用機器、医療用機器、又はコンスーマ用電気機器上にある。
【0072】
ユーザはつまみを時計周り又は反時計周り方向に回転することで回転式つまみ400とやりとりする。一つ以上のアクチュエータ406は、回転式つまみ400に振動触感フィードバックを生成するために連結されている。つまみが回転されると、振動触感フィードバックが仮想回り止め形態で生成される。例えば、つまみが回転されると、ハードストップのような効果がつまみを振動することで生成される。
【0073】
回転式つまみ400は、センサ408に連結されている。センサ408は回転式つまみ400の動きを検出し、データをプロセッサ106に送信する。軸404は、アクチュエータ406及びセンサ408を回転式つまみ400に結合する。
【0074】
図4に示されるように、回転式つまみ400は全体的に円筒状物体である。仮想回り止めを提供するための他のいくつかのデバイスは、制限されるものではないが、円すい形状、球形状、楕円形状、立体形状などを含む様々なデザインを有する。回転式つまみ400は、その表面に、制限されるものではないが、バンプ、ライン、溝、握りの他のタイプ、又はデバイス表面から延びる部材などを含む一つ以上のテクスチャを有する。そのような形状及びテクスチャは、ユーザに容易につまみをつかませ、或いは接触させ、さらにつまみを回転させる。
【0075】
回転式つまみ400は、システムを操作するために構成される。例えば、回転式つまみ400は、ステレオ受信機に配置され、ステレオの音量を操作するために構成される。一具現化例にあって、回転式つまみ400は、車の気温システム、ナビゲーションシステム、及び/又は通信システムのような複数のシステムを操作する。例えば、ユーザは車両の気温システムを操作するためにつまみを第1の高さに引っ張ることができる。異なるシステムを操作するため、ユーザは、異なる高さにつまみを押し下げてもよい。他の具現化例にあって、ユーザは回転式つまみ400又は他の操作によって導かれるメニューシステムを通して操作されるシステムを選択する。」

以上の記載によれば次のことがいえる。

【0016】の記載によれば、本発明の一具現化例として、引用文献1には、図1とともに、「振動触覚フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第1のシステム」が記載されており、この第1のシステムは、入力デバイス、センサ、プロセッサ、アクチュエータ、及び操作されるシステムを備えている。

上記第1のシステムが備える入力デバイスの一例は、【0018】の記載によれば、「エンコーダに連結される回転式つまみを備える機械的入力デバイス」である。

上記第1のシステムが備えるセンサは、【0019】の記載によれば、「回転式つまみの動きを検出するセンサ」といえる。

上記第1のシステムが備えるプロセッサは、【0021】の記載によれば、「機械的入力デバイス又はセンサからの入力信号を受信し、アクチュエータへの信号を生成し、前記信号は、アクチュエータに振動触感効果の生成を引き起こさせるように形成されるプロセッサ」といえる。

上記第1のシステムが備えるアクチュエータは、【0032】の記載によれば、「プロセッサからの信号を受信し、振動触覚効果を仮想回り止めの形でユーザに提供し、振動触感フィードバックを提供するために入力デバイスを振動するアクチュエータ」といえる。

上記第1のシステムが備える操作されるシステムは、【0046】の記載によれば、「プロセッサからのシステム信号をそれぞれ受信する一つ以上の操作されるシステム」といえる。

上記第1のシステムは、【0037】の記載によれば、「アクチュエータは、様々なタイプの振動触感フィードバックを発生するように構成され、例えば、アクチュエータは、異なる仮想回り止めを生成するように構成され、振動触感フィードバックは、様々な方向に生成され、例えば、アクチュエータは、入力デバイスの動作に直交して入力デバイスを振動」するものである。

上記第1のシステムは、【0046】の記載によれば、「操作されるシステムは、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム(例えば空気コンディショニング及び/又はヒーティング)、ナビゲーションシステム、自動推進システム、無線通信デバイス、セキュリティシステム、テレビジョン、ビデオゲームシステム、洗濯機又は乾燥機或いはオーブンなどのような電気的又は電気機械的制御が可能なシステムを含」むものである。

上記第1のシステムは、【0047】の記載によれば、「操作されるシステムは、一つ以上の要素を含む複合システムを含み、例えば、操作されるシステムは、ヒーティング及びクーリングシステム」である。

上記第1のシステムは、【0072】の記載によれば、「アクチュエータは、回転式つまみに振動触感フィードバックを生成するために連結され、つまみが回転されると、振動触感フィードバックが仮想回り止め形態で生成される」ものである。

したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]
「エンコーダに連結される回転式つまみを備える機械的入力デバイス、
回転式つまみの動きを検出するセンサ、
機械的入力デバイス又はセンサからの入力信号を受信し、アクチュエータへの信号を生成し、前記信号は、アクチュエータに振動触感効果の生成を引き起こさせるように形成されるプロセッサ、
プロセッサからの信号を受信し、振動触覚効果を仮想回り止めの形でユーザに提供し、振動触感フィードバックを提供するために入力デバイスを振動するアクチュエータ、
プロセッサからのシステム信号をそれぞれ受信する一つ以上の操作されるシステム、を備えた、
振動触覚フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第1のシステムであって、
アクチュエータは、様々なタイプの振動触感フィードバックを発生するように構成され、例えば、アクチュエータは、異なる仮想回り止めを生成するように構成され、振動触感フィードバックは、様々な方向に生成され、例えば、アクチュエータは、入力デバイスの動作に直交して入力デバイスを振動し、
操作されるシステムは、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム(例えば空気コンディショニング及び/又はヒーティング)、ナビゲーションシステム、自動推進システム、無線通信デバイス、セキュリティシステム、テレビジョン、ビデオゲームシステム、洗濯機又は乾燥機或いはオーブンなどのような電気的又は電気機械的制御が可能なシステムを含み、
操作されるシステムは、一つ以上の要素を含む複合システムを含み、例えば、操作されるシステムは、ヒーティング及びクーリングシステムであり、
アクチュエータは、回転式つまみに振動触感フィードバックを生成するために連結され、つまみが回転されると、振動触感フィードバックが仮想回り止め形態で生成される、
システム。」

第5 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「エンコーダに連結される回転式つまみを備える機械的入力デバイス」は、ユーザがつまみを回転方向に回転させて入力を行う手段であるから、本願発明の「入力を受け取りそしてその入力に応答して第1の方向に移動するように構成された機械的入力手段」に相当する。

引用発明の「回転式つまみの動きを検出するセンサ」は、本願発明の「前記第1方向の前記機械的入力手段の移動に基づいて前記機械的入力手段における入力を感知するための機械的入力センサ手段」に相当する。

引用発明の「プロセッサからの信号を受信し、振動触覚効果を仮想回り止めの形でユーザに提供し、振動触感フィードバックを提供するために入力デバイスを振動するアクチュエータ」は、「入力デバイスの動作に直交して入力デバイスを振動」するものであるから、本願発明の「前記第1方向とは異なる第2の方向に前記機械的入力手段を変位するための機械的入力アクチュエータ手段」に相当する。

引用発明の「機械的入力デバイス又はセンサからの入力信号を受信し、アクチュエータへの信号を生成し、前記信号は、アクチュエータに振動触感効果の生成を引き起こさせるように形成されるプロセッサ」は、センサとアクチュエータに結合されている。
したがって、引用発明の上記「プロセッサ」と、本願発明の「前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段及びディスプレイに結合されたプロセッサ」とは、「前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段に結合されたプロセッサ」である点で共通する。

引用発明の「第1のシステム」は、「電子装置」といい得るものである。

以上をまとめると、本願発明と引用発明は、以下の一致点、相違点がある。

<一致点>
「入力を受け取りそしてその入力に応答して第1の方向に移動するように構成された機械的入力手段;
前記第1方向の前記機械的入力手段の移動に基づいて前記機械的入力手段における入力を感知するための機械的入力センサ手段;
前記第1方向とは異なる第2の方向に前記機械的入力手段を変位するための機械的入力アクチュエータ手段;及び
前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段に結合されたプロセッサ;を備えた電子装置。」である点。

<相違点>
相違点1
本願発明が備える「プロセッサ」は、「前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段及びディスプレイに結合された」ものであるのに対し、引用発明が備える「プロセッサ」は、「前記機械的入力センサ手段、前記機械的入力アクチュエータ手段に結合された」ものであるとはいえるものの、「ディスプレイに結合された」ものであることは特定されていない点。

相違点2
本願発明は、「前記プロセッサは、
前記機械的入力手段が前記電子装置のための第1の入力機能性を提供しているという判定に従って、第1の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御し;及び
前記機械的入力手段が前記第1の入力機能性とは異なる前記電子装置のための第2の入力機能性を提供しているという判定に従って、前記第1の運動特性とは異なる第2の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御する;ことができる」のに対し、引用発明は、プロセッサがそのように制御することができるとは特定されていない点。

各相違点について検討する。
相違点1について
引用発明における、プロセッサからのシステム信号をそれぞれ受信する一つ以上の操作されるシステムは、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム(例えば空気コンディショニング及び/又はヒーティング)、ナビゲーションシステム、自動推進システム、無線通信デバイス、セキュリティシステム、テレビジョン、ビデオゲームシステム、洗濯機又は乾燥機或いはオーブンなどのような電気的又は電気機械的制御が可能なシステムを含むものであり、これらのようなシステムでは、プロセッサによる操作の対象としてディスプレイの使用が容易に想定され得る。
また、引用文献1には、【0048】?【0058】、【図2】に、上記引用発明を認定した「振動触覚フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第1のシステム」ではない他のシステムの具体例として「振動触覚フィードバックによる仮想回り止め機構を設ける第2のシステム」が記載されている。この第2のシステムは、回転式エンコーダ、センサ、プロセッサ、アクチュエータ、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム等を備えた上記第1のシステムと同様のシステムであり、そのプロセッサは、ディスプレイと相互に通信するものである(引用文献1の【0048】を参照されたい。)。
引用発明において、プロセッサによる制御の対象としてディスプレイの使用を想定し、上記第2のシステムのように、プロセッサがディスプレイと相互に通信する構成とすること、すなわち、プロセッサをディスプレイに結合されたものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

相違点2について
引用発明は、「アクチュエータは、様々なタイプの振動触感フィードバックを発生するように構成され、例えば、アクチュエータは、異なる仮想回り止めを生成するように構成され」るものであり、「操作されるシステムは、ステレオシステム、ビデオシステム、クライメートシステム(例えば空気コンディショニング及び/又はヒーティング)、ナビゲーションシステム、自動推進システム、無線通信デバイス、セキュリティシステム、テレビジョン、ビデオゲームシステム、洗濯機又は乾燥機或いはオーブンなどのような電気的又は電気機械的制御が可能なシステムを含み、
操作されるシステムは、一つ以上の要素を含む複合システムを含み、例えば、操作されるシステムは、ヒーティング及びクーリングシステム」である。
すなわち、引用発明は、複数の異なるシステムを「操作されるシステム」とするものであり、また、これらのシステムに対して、アクチュエータにより複数の異なるタイプの振動触感フィードバックを発生することができるものである。

一方、引用文献1には、引用発明のシステムではない他のシステムの具体例について次のように記載されている。
「【0068】
一具現化例にあって、入力デバイスによって操作される各システムは、振動触感フィードバックのタイプ又はプロファイルに関係する。例えば、アクチュエータは、オーディオシステムが入力デバイスによってコントロールされるとき、一定の強度で入力デバイスを振動し、さらに気温システムがコントロールされるときには断続的な強度で振動する。
【0069】
一具現化例にあって、振動触感効果の組み合わせは、振動触感テーマとして関連づけられる。振動触感テーマは個々の機能又はシステムに対応する。ひとつのテーマは、変更されるシステム又は到達されるしきい値用の模擬的な機械フィードバックを示すために複数の単一のクリック及び複数のダブルクリックの組み合わせを備える。他のテーマは、コントラスト、ハードストップ仮想回り止め効果を伴う低強度振動の組み合わせを備える。第1のテーマは、クライメートシステムのような一つのシステムに割り当てられるが、第2のテーマは、ステレオシステムのような第2のシステムに割り当てられる。」
これらの記載によれば、引用文献1には、複数の異なるシステムに対して、それぞれ、異なるタイプの振動触感フィードバックを提供することが示唆されている。

そうすると、複数の異なるシステムを「操作されるシステム」とするものであり、また、これらのシステムに対して、アクチュエータにより複数の異なるタイプの振動触感フィードバックを発生することができる引用発明において、引用文献1に記載された、複数の異なるシステムに対して、それぞれ、異なるタイプの振動触感フィードバックを提供するという示唆に基づいて、ある1つのシステムを操作するときには、あるタイプの振動触感フィードバックを提供し、別のシステムを操作するときには、別のタイプの振動触感フィードバックを提供することができるようにプロセッサが制御する構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
このことは、引用発明において、「前記プロセッサは、
前記機械的入力手段が前記電子装置のための第1の入力機能性を提供しているという判定に従って、第1の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御し;及び
前記機械的入力手段が前記第1の入力機能性とは異なる前記電子装置のための第2の入力機能性を提供しているという判定に従って、前記第1の運動特性とは異なる第2の運動特性で前記第2方向に前記機械的入力手段を変位させるように前記機械的入力アクチュエータ手段を制御する;ことができる」ようにすることは当業者が容易に想到し得ることを意味している。

よって、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項10に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-02-14 
結審通知日 2019-02-18 
審決日 2019-03-04 
出願番号 特願2016-105034(P2016-105034)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 円子 英紀  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 千葉 輝久
山田 正文
発明の名称 触覚フィードバックを伴う入力  
代理人 岩崎 吉信  
代理人 西島 孝喜  
代理人 那須 威夫  
代理人 大塚 文昭  
代理人 弟子丸 健  
代理人 田中 伸一郎  
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