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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01R
管理番号 1353750
審判番号 不服2017-19531  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-28 
確定日 2019-07-25 
事件の表示 特願2013-164486号「皮剥ぎユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月19日出願公開、特開2015- 35278号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成25年8月7日の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
平成29年 3月24日付け 拒絶理由通知
同年 5月26日 意見書、手続補正書の提出
同年 9月26日付け 拒絶査定
同年12月28日 審判請求書及び手続補正書の提出
平成30年12月 4日付け 拒絶理由通知
平成31年 2月 7日 意見書及び手続補正書の提出

2.本願発明
本願の請求項1?6に係る発明は、平成31年2月7日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】
電線の先端に端子を圧着する圧着ユニットに取付可能な皮剥ぎユニットであって、
前記電線の先端に位置する被覆を切断し、切断した箇所よりも先端側に位置する被覆を剥ぎ取る、複数の部材からなる皮剥ぎ部であって、その全体が支持盤に支持される皮剥ぎ部を備え、
前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記圧着ユニットが前記端子を圧着するためにプレスするプレス方向と、前記端子を圧着するために前記圧着ユニットに配置された前記電線が延びる第1方向とを含む平面に対して垂直な第2方向に移動自在であり、
前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記端子を圧着するために前記圧着ユニットに配置された前記電線の先端に近づく向きに前記第2方向を移動し、前記皮剥ぎ部が前記電線の芯線を切断することなく当該電線の先端側に位置する前記被覆を剥ぎ取った後、前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記電線の先端から遠ざかる向きに前記第2方向を移動する、
ことを特徴とする皮剥ぎユニット。」

3.拒絶の理由
平成30年12月4日付けで当審が通知した拒絶の理由は、次のとおりである。

【理由1】
この出願の請求項1?3、5及び6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
【理由2】
この出願の請求項1?6に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2005-136405号公報
引用文献2:特開2004-14442号公報

4.引用文献1に記載された事項及び引用発明
引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
なお、下線は当審で付したものである。
(1)
「【0008】
図1は、ワイヤ端を処理するための主要部品を示す。ワイヤ1のワイヤ端1.1と圧着接点2との間の圧着された結合を生成するために、導体圧着部2.1用の圧着パンチ3.1、および絶縁物圧着部2.2のための圧着パンチ3.2とが必要となる。圧着パンチ3.1および3.2は、導体圧着部2.1および絶縁物圧着部2.2をそれぞれアンビル4に押し付け、導体圧着部2.1および絶縁物圧着部2.2のラグをそれぞれ弾性変形させる。ワイヤ1は、相互にかみ合うフィンガ6.2によって、カッティングヘッド5.1まで進められ、グリッパペア6.1で保持される。カッティングヘッド5.1は、ワイヤ先端1.1を切断し、導体圧着部2.1に必要な長さのワイヤ端1.1の絶縁物を取り除く。圧着結合を形成するために、圧着パンチ3.1、3.2は、垂直方向に下方に下がり、グリッパペア6およびワイヤ端1.1は、圧着パンチと共に下方に下がる。図示されるとおり、圧着接点2は、上方に開いた導体圧着部2.1および上方に開いた絶縁物圧着部2.2それぞれと共にベルト上に供給される。図10には処理ユニット全体を示す。
【0009】
図2から図9は、ワイヤ端1.1の処理手順を示す。図2は、開始位置にある処理ユニットを示す。x/y方向に可動のカッティングヘッド5.1は、z方向に可動の圧着パンチ3.1、3.2の下方に位置する。z方向に可動のグリッパユニット6のグリッパペア6.1は、開いている。ワイヤ端1.1を有するワイヤ1は、カッティングヘッド5.1まで進み、カッティングヘッド内に挿入される準備ができている。
【0010】
図3では、カッティングヘッド5.1は、細部を示すために、上部で切り開らかれている。ワイヤ端1.1は、センサ7の位置まで進められ、グリッパペア6.1は閉じている。カッティングヘッド5.1のカッターペア5.2は開いている。センサ7がワイヤ端1.1を検出すると、グリッパペア6.1は閉じられ、ワイヤ1を強固に保持する。次に、図4に示すように、センサ7は、ワイヤの近傍から外れてx方向に移動する。
【0011】
取り除き動作は、図5に示すようにカッターペア5.2を閉じ、図6に示すように、カッティングヘッド5.1をy方向に、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでグリッパユニット6から離れるように移動することにより、ワイヤの絶縁物に切り込みを入れる。次に、カッターペア5.2を完全に閉じ、ワイヤ端を切り離し、絶縁物の残存物を、切断ワイヤ素線と共にカッティングヘッド5.1の容器内に収集する。
【0012】
また、ワイヤ先端1.1を、正しい長さに最初に切断し、その後、絶縁物に切り込みを入れ、それを引き外すこともできる。
【0013】
図7に示すように、絶縁物の取り除き動作後、カッティングヘッド5.1を、y方向に圧着パンチ3.1、3.2の近傍から離して移動する。図8には、ワイヤ端1.1と圧着接点2との圧着固定を実行するために、圧着パンチ3.1、3.2のz方向への移動を示す。図9は、完全に処理されたワイヤ端1.1を示す。カッティングヘッドの復帰移動の終了時に、絶縁物8の残存物が、容器から除去される。例えば、圧着固定が、圧着力のパターンを評価する装置により不良と認識される場合、カッティングヘッド5.1を、再度x方向およびy方向に移動し、その後、カッターペア5.1が、圧着接点2をワイヤ端1.1から分離する。カッティングヘッドの復帰移動の終了時に、分離された圧着接点は、容器から除去される。
【0014】
図10は、処理ユニット全体9を示す。圧着ヘッド10は、例えば、偏心駆動(図示なし)によりz方向に移動し、圧着ヘッド10に取り付けられた圧着工具3は、圧着パンチ3.1、3.2と共に移動する。また圧着ヘッド10は、カッティングユニット5に取り付けられた下部ユニット12に連結されたピン11を、アーム12.2を用いて移動させる。下部ユニット12は、C字型のブラケット12.1を有し、このブラケット上に、グリッパユニット6が取り付けられている。圧着パンチ3.1、3.2が移動すると、グリッパユニット6が圧着パンチ3.1、3.2とともに移動し、グリッパペア6.1で強固に保持されたワイヤ端1.1が、上方に開いた導体圧着部2.1および絶縁物圧着部2.2のそれぞれ内に置かれる。カッティングユニット5のカッティングヘッド5.1が、ワイヤ先端1.1を切断し、絶縁物を除去し、不完全な圧着固定の接点をワイヤ端1.1から分離する。詳細は、以下の図面に示される。
【0015】
図11aには、処理ユニット9のベース9.1上に配置された第1のハウジング13を備えるカッティングユニット5を示しており、この第1のハウジング13上には、カッティングヘッド5.1をy方向に移動するための第1の駆動部13.1が取り付けられている。第2のハウジング14が、第1のハウジング13の案内ロッド13.2に滑動可能に保持され、第1の駆動部13.1は、第2のハウジング14をy方向に移動させる。案内ロッドの端部は、下部ユニット12のアーム12.2を固定する役割を果たす。第2の駆動部14.1が、第2のハウジング14上に取り付けられ、この第2の駆動部が、スライドブロック14.2を、第2の駆動部14.1のそれぞれの側面に取り付けられた案内部14.3に沿ってx方向に移動させる。」
なお、上記記載事項のうちの段落【0013】には、「図7に示すように、絶縁物の取り除き動作後、カッティングヘッド5.1を、y方向に圧着パンチ3.1、3.2の近傍から離して移動する。」と記載されているが、【図7】とその移動前の状態である【図6】とを比較すると、カッティングヘッド5.1は、【図6】及び【図7】に示されているxyzの3方向のうちのx方向に移動していると認められるので、上記記載中の「y方向」は「x方向」の誤記と認める。
(2)
上記記載事項の段落【0015】の記載及び【図11b】から、カッティングヘッド5.1は、スライドブロック14.2とともに移動すると認められる。
(3)
【図2】等に示されているxyz方向について、上記記載事項を合わせみれば、z方向は圧着パンチ3.1、3.2の動作する垂直方向であり、y方向はワイヤ1が延びる方向であり、x方向はz方向及びy方向と直交する方向であると認められる。

上記の記載事項、認定事項及び図示内容からみて、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「ワイヤ1のワイヤ端1.1に圧着接点2を圧着結合するために垂直方向(z方向)に移動する圧着パンチ3.1、3.2を有した圧着ヘッド10を備えた処理ユニット9のベース9.1上に配置されるカッティングユニット5であって、
処理ユニット9のベース9.1上に配置される第1のハウジング13と、第1のハウジング13上に設けられ、ワイヤ1が延びる方向(y方向)に移動する第2のハウジング14と、第2のハウジング14に設けられ、圧着パンチ3.1、3.2が移動する垂直方向(z方向)及びワイヤ1が延びる方向(y方向)に直交する方向(x方向)に移動するスライドブロック14.2と、スライドブロック14.2とともに移動するカッティングヘッド5.1とからなり、
カッティングヘッド5.1は、カッターペア5.2を閉じ、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでy方向に移動した後、x方向に移動する、カッティングユニット5。」

5.対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。

後者の「ワイヤ1のワイヤ端1.1に圧着接点2を圧着結合するために垂直方向(z方向)に移動する圧着パンチ3.1、3.2を有した圧着ヘッド10を備えた処理ユニット9」は、その機能・構造からみて、前者の「電線の先端に端子を圧着する圧着ユニット」に相当する。

後者の「カッティングユニット5」は、その機能・構造からみて、前者の「皮剥ぎユニット」に相当し、後者の「処理ユニット9のベース9.1上に配置される」ことは、前者の「圧着ユニットに取付可能な」ことに相当する。

後者の「カッターペア5.2を閉じ、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでy方向に移動した後、x方向に移動する」「カッティングヘッド5.1」は、その動作はワイヤ1の絶縁物(絶縁被覆)を剥ぎ取る動作に相違ないので、前者の「電線の先端に位置する被覆を切断し、切断した箇所よりも先端側に位置する被覆を剥ぎ取る、複数の部材からなる皮剥ぎ部」に相当する。

後者の「圧着パンチ3.1、3.2が移動する垂直方向(z方向)」は、前者の「圧着ユニットが端子を圧着するためにプレスするプレス方向」に相当し、後者の「ワイヤ1が延びる方向(y方向)」は、前者の「端子を圧着するために圧着ユニットに配置された電線が延びる第1方向」に相当するので、後者の「圧着パンチ3.1、3.2が移動する垂直方向(z方向)及びワイヤ1が延びる方向(y方向)に直交する方向(x方向)」は、前者の「圧着ユニットが端子を圧着するためにプレスするプレス方向と、端子を圧着するために圧着ユニットに配置された電線が延びる第1方向とを含む平面に対して垂直な第2方向」に相当する。

前者の「皮剥ぎ部」は、「その全体が支持盤に支持される」ものであるところ、その「支持盤」は、「圧着ユニットが端子を圧着するためにプレスするプレス方向と、前記端子を圧着するために前記圧着ユニットに配置された前記電線が延びる第1方向とを含む平面に対して垂直な第2方向に移動自在」なものである。
これに対して、後者の「カッティングヘッド5.1」は、「ワイヤ1が延びる方向(y方向)に移動する第2のハウジング14」に設けられた「圧着パンチ3.1、3.2が移動する垂直方向(z方向)及びワイヤ1が延びる方向(y方向)に直交する方向(x方向)に移動するスライドブロック14.2」とともに移動するものであり、スライドブロック14.2はx方向に移動自在でありカッティングヘッド5.1を支持しているといえる。
そうすると、後者のx方向に移動自在でありカッティングヘッド5.1を支持しているといえる「スライドブロック14.2」は、前者の第2方向に移動自在である「皮剥ぎ部の全体を支持する支持盤」に相当する。

後者の「カッティングヘッド5.1」は、「カッターペア5.2を閉じ、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでy方向に移動した後、x方向に移動する」ものであるが、y方向及びx方向への移動は、第2のハウジング14及びスライドブロック14.2によりなされるものである。
また、後者の「カッティングヘッド5.1」が、新たなワイヤ1の絶縁物を取り除く作業を行うためには、ワイヤ1に対してx方向へ離間している位置から接近しなければならないことは明らかといえる。
そうすると、後者は、前者の「皮剥ぎ部の全体を支持する支持盤が、端子を圧着するために圧着ユニットに配置された電線の先端に近づく向きに第2方向を移動し、皮剥ぎ部が」「電線の先端側に位置する被覆を剥ぎ取った後、皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、電線の先端から遠ざかる向きに第2方向を移動する」構成を備えているといえる。

以上を総合すると、本願発明と引用発明とは、
「電線の先端に端子を圧着する圧着ユニットに取付可能な皮剥ぎユニットであって、
前記電線の先端に位置する被覆を切断し、切断した箇所よりも先端側に位置する被覆を剥ぎ取る、複数の部材からなる皮剥ぎ部であって、その全体が支持盤に支持される皮剥ぎ部を備え、
前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記圧着ユニットが前記端子を圧着するためにプレスするプレス方向と、前記端子を圧着するために前記圧着ユニットに配置された前記電線が延びる第1方向とを含む平面に対して垂直な第2方向に移動自在であり、
前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記端子を圧着するために前記圧着ユニットに配置された前記電線の先端に近づく向きに前記第2方向を移動し、前記皮剥ぎ部が当該電線の先端側に位置する前記被覆を剥ぎ取った後、前記皮剥ぎ部の全体を支持する前記支持盤が、前記電線の先端から遠ざかる向きに前記第2方向を移動する、
皮剥ぎユニット。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
〔相違点〕
本願発明は、「皮剥ぎ部が電線の芯線を切断することなく」電線の先端側に位置する被覆を剥ぎ取るものであるのに対して、引用発明は、カッティングヘッド5.1が「芯線を切断することなく」とは特定されていない点。

(2)当審の判断
上記相違点について検討する。
引用文献1には次の記載がある。
「【0008】・・・カッティングヘッド5.1は、ワイヤ先端1.1を切断し、導体圧着部2.1に必要な長さのワイヤ端1.1の絶縁物を取り除く。・・・」
「【0010】
・・・センサ7がワイヤ端1.1を検出すると、グリッパペア6.1は閉じられ、ワイヤ1を強固に保持する。・・・
【0011】
取り除き動作は、図5に示すようにカッターペア5.2を閉じ、図6に示すように、カッティングヘッド5.1をy方向に、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでグリッパユニット6から離れるように移動することにより、ワイヤの絶縁物に切り込みを入れる。次に、カッターペア5.2を完全に閉じ、ワイヤ端を切り離し、絶縁物の残存物を、切断ワイヤ素線と共にカッティングヘッド5.1の容器内に収集する。
【0012】
また、ワイヤ先端1.1を、正しい長さに最初に切断し、その後、絶縁物に切り込みを入れ、それを引き外すこともできる。」(いずれも、上記4.(1)を参照。)
上記の段落の記載と【図3】?【図6】を合わせみれば、グリッパペア6.1により保持されたワイヤ1のワイヤ端1.1から所望の取り除き長さ(正しい長さ)分だけ絶縁物を取り除くための手順として、ワイヤ端1.1に対してカッターペア5.2を閉じ、カッティングヘッド5.1をワイヤ1が延びる方向(y方向)に、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでグリッパユニット6から離れるように移動し、その後、カッターペア5.2を完全に閉じワイヤ端を切り離す手順(段落【0011】を参照)と、ワイヤ先端1.1を最初に切断し、その後、所望の取り除き長さ(正しい長さ)の位置で絶縁物に切り込みを入れ、そこから先端にかけての絶縁物を引き外す手順(段落【0012】を参照)とがあると理解でき、引用発明の「カッティングヘッド5.1は、カッターペア5.2を閉じ、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでy方向に移動」することは、上述の2つの手順の内のいずれかを採用しているといえる。
他方で、電線の先端から一定の長さだけ絶縁被覆を取り除く手順として、電線の先端をセンサまたはストッパに突き当てた後、電線を保持し、その状態でセンサまたはストッパから一定の長さ離れた位置に、電線の絶縁被覆を剥がす刃により切り込みを入れ、刃の切り込んだ位置から先端までの絶縁被覆すべてを引き剥がすことは、本願出願前に周知の技術的事項といえ(例えば、特開平3-108290号公報の2頁右下欄最下行?3頁右上欄2行及び第1A?1C図、特開平7-105744号公報の段落【0013】及び【図3】?【図6】、特開昭56-36882号公報の2頁右下欄下から3行?3頁右上欄4行及び第4、6図、特開2001-167861号公報の段落【0020】?【0023】及び【図2】?【図4】等を参照)、当該手順は、電線の芯線を切断することなく行うものであり、この手順以前に電線の端部は切り揃えられているものといえる。
上記周知の技術的事項に鑑みれば、引用発明にあって、引用文献1に記載された2つの絶縁物を取り除く手順の内の後者を採用したものにおいて、「ワイヤ先端1.1を最初に切断」することを、ワイヤ1をグリッパペア6.1に保持させる前に行っておくことは、当業者が適宜になし得る設計変更といえ、また、芯線ごとワイヤ1を切断する工程を絶縁物を取り除く工程とは別の工程とすることを阻害する特段の事情も見あたらない。
そうしてみると、引用発明における、「カッティングヘッド5.1は、カッターペア5.2を閉じ、絶縁物の所望の取り除き長さが得られるまでy方向に移動」する手順として、周知の技術的事項に基づいて、電線の芯線を切断することのない手順とし、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることといえる。

そして、本願発明の奏する作用及び効果を検討しても、引用発明及び周知の技術的事項から予測できる程度のものであって格別のものではない。
よって、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、引用発明及び周知の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-05-27 
結審通知日 2019-05-28 
審決日 2019-06-10 
出願番号 特願2013-164486(P2013-164486)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 康孝前田 仁  
特許庁審判長 大町 真義
特許庁審判官 尾崎 和寛
平田 信勝
発明の名称 皮剥ぎユニット  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  
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