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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H02M 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02M |
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管理番号 | 1353813 |
審判番号 | 不服2018-2117 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-02-15 |
確定日 | 2019-07-31 |
事件の表示 | 特願2016- 37246「駆動電力を発生させる駆動電力発生回路とその方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日出願公開、特開2017- 51079〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成28年2月29日(パリ条約による優先権主張 2015年9月3日 台湾、2015年11月18日 米国)の出願であって、平成29年5月11日付けの拒絶理由の通知に対して、同年8月16日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年10月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成30年2月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2.平成30年2月15日付け手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成30年2月15日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について(補正の内容) (1)本願発明と本件補正発明 本件補正は、平成29年8月16日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、 「【請求項1】 負荷を駆動する駆動電力を発生させる駆動電力発生回路において、 フィードバック信号とロック信号とに応じて制御信号を出力する信号発生回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号に応じて前記負荷を駆動する前記駆動電力を発生させる電力変換回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号をサンプリングし、サンプリング結果に応じて前記ロック信号を出力するサンプリング制御回路と; を備えたことを特徴とする駆動電力発生回路。」 という発明(以下、「本願発明」という。)を、 「負荷を駆動する駆動電力を発生させる駆動電力発生回路において、 前記負荷の動作状態を示すフィードバック信号と前記負荷が開放又は短絡のいずれかを示すロック信号とに応じて制御信号を出力する信号発生回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号に応じて前記負荷を駆動する前記駆動電力を発生させる電力変換回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号をサンプリングし、サンプリング結果に応じて前記ロック信号を出力するサンプリング制御回路と; を備えたことを特徴とする駆動電力発生回路。」 という発明(以下、「本件補正発明」という。)に補正することを含むものである。(下線部は、補正箇所である。) 2.補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項である「フィードバック信号」が「前記負荷の動作状態を示す」フィードバック信号であるとし、また、「ロック信号」が「前記負荷が開放又は短絡のいずれかを示す」ロック信号であるとして限定を付加するものである。そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、本件補正は特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)を検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1.の(1)で記載したとおりのものである。 (2)引用文献、引用発明 (ア)引用文献1 原査定の拒絶の理由において引用された、特開2012-79966号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加した。以下、同じ。) a.「【技術分野】 【0001】 本発明は、ファイバレーザで生成したレーザ光を被加工物に照射して所望のレーザ加工を行うファイバレーザ加工装置およびこれに使用可能な励起用レーザダイオード電源装置に関する。」 b.「【0050】 一方で、ポンプLD36,38がオープン(開路)故障またはショート(短絡)故障を起こしたときは、ポンプLD電源回路50からその旨の通報ARが主制御部44に送られる。主制御部44は、レーザ加工の最中にポンプLD電源回路50より通報ARを受け取ると、直ちにレーザ加工を停止するか、あるいは補償処置をとってレーザ加工を続行し、タッチパネル46の表示部46bを通じてその故障状況をユーザ(現場の作業員等)に伝えるようになっている。その際、故障を起こした当該ポンプLD36(38)を特定する識別情報を表示することもできる。」 c.「【0051】 以下、この実施形態におけるポンプLD電源回路50の構成および作用を説明する。 【0052】 図4に示すように、このポンプLD電源回路50は、ポンプLD36(38)に電力を供給するための直流電源52と、この直流電源52とポンプLD36(38)との間に直列に接続されるスイッチング素子54およびチョークコイル56を有している。さらに、直流電源52と並列に平滑用のコンデンサ58を接続するとともに、チョークコイル56およびポンプLD36(38)と並列にフライホイール・ダイオード60を接続し、駆動電流I_(d)が流れる電流路(導体)にたとえばホール素子からなる電流センサ62を取り付けている。駆動電流測定回路64は、電流センサ62の出力信号を基に駆動電流I_(d)の電流測定値MI_(d)としてたとえば電流実効値を演算し、駆動電流測定値MI_(d)をフィードバック信号として後述するスイッチング制御部66に与える。 【0053】 直流電源52は、たとえばAC-DCコンバータ、DC-DCコンバータあるいはバッテリからなり、一定レベルの直流電圧を安定に出力するようになっている。スイッチング素子54は、応答速度の高いトランジスタ、たとえば電界効果型トランジスタ(FET)からなる。 【0054】 スイッチング制御部66は、パルス幅変調(PWM)制御方式のスイッチング制御信号S_(PWM)によりスイッチング素子54をたとえば20kHz?300kHzの一定周波数でオン・オフ制御する。スイッチング素子54がスイッチング・オンしている期間中は、直流電源52、スイッチング素子54、チョークコイル56およびポンプLD36(38)を含む閉回路で駆動電流I_(d)が流れる。スイッチング素子54がスイッチング・オフしている期間中は、チョークコイル56に蓄積されていた電磁エネルギーが駆動電流IdとなってポンプLD36(38)およびフライホイール・ダイオード60を還流する。」 d.「【0059】 図5に、スイッチング制御部66およびデューティ監視部68の構成を示す。 【0060】 スイッチング制御部66は、誤差増幅器70、三角波発生回路72、コンパレータ74およびゲート回路76を有している。誤差増幅器70には、駆動電流測定回路64からの駆動電流測定値(フィードバック信号)MI_(d)が入力されるとともに、主制御部44(図1)からの駆動電流設定値(電流制御信号)PC_(A)が入力される。誤差増幅器70は、たとえば差動増幅器からなり、駆動電流測定値MI_(d)を駆動電流設定値PC_(A)と比較して、その比較誤差(MI_(d)-PC_(A))に応じた電圧レベルを有する誤差信号ERを出力する。 【0061】 三角波発生回路72は、クロック回路78よりPWM用の20kHz?300kHzのクロック信号CKを入力し、このクロック信号CKに同期した三角波信号(または鋸波信号)KMを出力する。 【0062】 コンパレータ74は、誤差増幅器70からの誤差信号ERおよび三角波発生回路72からの三角波信号KMを両入力端子(-),(+)にそれぞれ入力し、両入力信号ER,KMのレベルの大小関係に応じて、ER>KMのときは論理値Lとなり、ER≦KMのときは論理値Hとなるような二値の出力信号をPWM制御信号S_(PWM)として発生する。 【0063】 コンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)は、AND回路からなるゲート回路76を介してスイッチング素子54の制御端子に与えられる。スイッチング素子54は、PWM制御信号S_(PWM)が論理値Lのときはオフし、PWM制御信号S_(PWM)が論理値Hのときはオンする。 【0064】 ゲート回路76は、主制御部44(図1)からの駆動時間制御信号PC_(t)を入力し、この制御信号PC_(t)が論理値HのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を可能とし、制御信号PC_(t)が論理値LのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を禁止化または強制停止する。」 e.「【0068】 次に、デューティ監視部68(図5)の構成および作用を説明する。デューティ監視部68は、設定部80、コンパレータ82,84、OR回路86およびカウンタ回路88を有している。 【0069】 設定部80は、主制御部44(図1)よりポンプLD36(38)のオープン故障およびショート故障の検出に必要な設定値PC_(D)を受け取る。この設定値PC_(D)には、デューティ上限値DU、デューティ下限値DLおよび判定時限時間DTが含まれる。 【0070】 ここで、デューティ上限値DUは、ポンプLD36(38)がオープン故障を起こしたときにスイッチング制御部66においてスイッチング動作のデューティが顕著に大きくなる特性に鑑みて、たとえばデューティ80%の値に選ばれる。また、デューティ下限値DLは、ポンプLD36(38)がショート故障を起こしたときにスイッチング制御部66においてスイッチング動作のデューティが顕著に小さくなる特性に鑑みて、たとえばデューティ20%の値に選ばれる。また、判定時限時間DTは、ポンプLD36(38)がオープン故障またはショート故障を起こしたときはスイッチング制御部66においてデューティの異常に大きい状態または小さい状態が持続される特性に鑑みて、たとえばPWMのクロックベースで10サイクルの長さに選ばれる。因みに、クロックCKが100kHzの場合、10サイクルの時間は0.1msecである。 【0071】 設定部80は、デューティ上限値DUに対応した電圧レベルを有する第1基準値ER_(DU)をコンパレータ82の一方の入力端子(+)に与え、デューティ下限値DLに対応した電圧レベルを有する第2基準値ER_(DL)をコンパレータ84の一方の入力端子(-)に与え、判定時限時間DTに対応するカウント値N_(DT)をカウンタ88のプリセット端子(P)に与える。 【0072】 コンパレータ82,84は、それぞれの他方の入力端子(-),(+)に、スイッチング制御部66内で生成される誤差信号ERを受け取る。一方のコンパレータ82は、両入力信号ER,ER_(DU)のレベルの大小関係に応じて、ER≦ER_(DU)のときは論理値Lとなり、ER>ER_(DU)のときは論理値Hとなるような二値の出力信号をデューティ上限超過モニタ信号DM_(U)として発生する。このデューティ上限超過モニタ信号DM_(U)は、OR回路86を介してカウンタ88のセット端子(S)およびリセット端子(R)に与えられる。 【0073】 他方のコンパレータ84は、両入力信号ER,ER_(DL)のレベルの大小関係に応じて、ER≦ER_(DL)のときは論理値Lとなり、ER>ER_(DL)のときは論理値Hとなるような二値の出力信号をデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)として発生する。このデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)も、OR回路86を介してカウンタ88のセット端子(S)およびリセット端子(R)に与えられる。 【0074】 カウンタ88は、クロック回路78からのクロック信号CKをクロック端子(C)に受け取り、セット端子(S)およびリセット端子(R)に論理値Hの信号を入力している間はクロック信号CKをカウントし、計数値がプリセット値N_(DT)に到達すると、出力端子(Q)より論理値Hの信号を出力するようになっている。この論理値Hの出力信号は、上記通報ARとして、主制御部44へ与えられる。また、セット端子(S)およびリセット端子(R)に論理値Lの信号を入力した時または入力している間は、カウント動作を」 f.「【0084】 主制御部44は、いずれかのポンプLD電源回路50より通報ARを受け取ると、一態様として、装置内の全てのポンプLD電源回路50およびシードLD電源回路32のLD駆動動作を停止させて、つまり装置内の全てのポンプLD36(38)およびシードLD32の励起光発振出力動作を止めて、レーザ加工を停止する。そして、停止の原因として、いずれかのポンプLD36(38)がオープン故障またはショート故障を起こしたことを表示する。その際、故障を起こした当該ポンプLD36(38)を特定して表示することもできる。」 g.「【0090】 別の実施例として、図8に示すように、設定部80においてデューティ上限値DUおよびデューティ下限値DLにそれぞれ対応したパルス幅を有する第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)を設定し、スイッチング制御部66のコンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)のパルス幅(論理値H期間)PWをパルス幅測定部90により測定または監視し、そのパルス幅測定値または監視値PWをパルス幅比較器92,94により第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)と比較して、その比較結果から、スイッチング動作のデューティが前記デューティ上限値DUより大きいか否か、およびデューティ下限値DLより小さいか否かを判定することも可能である。」 h.「図4 」 i.「図8 」 ・上記g、及び上記i(図8)の実施例は、上記d、e、fに記載される図5の実施例における、オープン故障及びショート故障の検出に必要なデューティ上限値及びデューティ下限値を、誤差信号ERのレベルに代えて、PWM制御信号S_(PWM) のパルス幅としたものであって、パルス幅の測定・比較のための構成以外の同一の符号の構成は図5と図8で同じものである。 ・上記cの段落【0052】、上記h(図4)には、駆動電流測定回路64と、スイッチング制御部66と、デューティ監視部68と、ポンプLD36(38)と直流電源52とスイッチング素子54とチョークコイル56と平滑用のコンデンサ58とフライホイール・ダイオード60と電流センサ62からなる回路と、で構成されるポンプLD36(38)に電力を供給するポンプLD電源回路50が記載されている。 ・上記cの段落【0052】には、前記駆動電流測定回路64は、電流センサ62の出力信号を基に駆動電流I_(d)の駆動電流測定値MI_(d)をフィードバック信号としてスイッチング制御部66に与えることが、また、段落【0054】には、駆動電流I_(d)はポンプLD36(38)を含む回路の電流であることが記載されている。 ・上記dの段落【0060】には、前記スイッチング制御部66は、誤差増幅器70、三角波発生回路72、コンパレータ74およびゲート回路76を有することが記載されている。 ・上記dの段落【0060】には、誤差増幅器70は、駆動電流測定回路64からの駆動電流測定値(フィードバック信号)MI_(d)が入力されるとともに、主制御部44からの駆動電流設定値(電流制御信号)PC_(A)が入力され、駆動電流測定値MI_(d)と駆動電流設定値PC_(A)とを比較して、その比較誤差(MI_(d)-PC_(A))に応じた電圧レベルを有する誤差信号ERを出力することが記載されている。 ・上記dの段落【0061】には、三角波発生回路72は、クロック回路78よりPWM用の20kHz?300kHzのクロック信号CKを入力し、このクロック信号CKに同期した三角波信号(または鋸波信号)KMを出力することが記載されている。 ・上記dの段落【0062】には、コンパレータ74は、誤差増幅器70からの誤差信号ERおよび三角波発生回路72からの三角波信号KMを両入力端子(-),(+)にそれぞれ入力し、両入力信号ER,KMのレベルの大小関係に応じて、ER>KMのときは論理値Lとなり、ER≦KMのときは論理値Hとなるような二値の出力信号であるPWM制御信号S_(PWM)を出力することが記載されている。 ・上記dの段落【0063】、【0064】には、ゲート回路76は、コンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)と、主制御部44からの駆動時間制御信号PCtを入力し、この制御信号PCtが論理値HのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を可能とし、制御信号PCtが論理値LのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を強制停止すること、また、段落【0063】には、PWM制御信号S_(PWM)は、スイッチング素子54の制御端子に与えられ、PWM制御信号S_(PWM)の論理値に応じてスイッチング素子54をオフ・オフすることが記載されている。 したがって、引用文献1には、ゲート回路76は、コンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)と、主制御部44からの駆動時間制御信号PCtを入力し、この制御信号PCtが論理値HのときはPWM制御信号S_(PWM)をスイッチング素子54の制御端子に出力し、PWM制御信号S_(PWM)の論理値に応じてスイッチング素子54をオフ・オフし、また、制御信号PCtが論理値LのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を強制停止することが記載されているといえる。 ・上記i(図8)によれば、デューティ監視部68は、設定部80、パルス幅測定部90、パルス幅比較器92、94、OR回路86およびカウンタ回路88を有することが記載されている。 ・上記gには、設定部80は、デューティ上限値DUおよびデューティ下限値DLにそれぞれ対応したパルス幅を有する第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)を設定すること、また、上記eの段落【0069】、【0070】によれば、デューティ上限値DUおよびデューティ下限値DLは、ポンプLD36(38)のオープン故障およびショート故障の検出に必要な設定値であることが記載されている。 したがって、引用文献1には、設定部80は、オープン故障およびショート故障の検出に必要な設定値であるデューティ上限値DUおよびデューティ下限値DLに、それぞれ対応したパルス幅を有する第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)を設定することが記載されている。 ・上記gには、パルス幅測定部90は、スイッチング制御部66のコンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)のパルス幅(論理値H期間)PWを測定することが記載されている。 ・上記gには、パルス幅比較器92、94は、上記パルス幅測定値PWを第1および第2基準値PW_(DU)、PW_(DL)と比較して、その比較結果から、スイッチング動作のデューティが前記デューティ上限値DUより大きいか否か、およびデューティ下限値DLより小さいか否かを判定することが記載されている。 また、上記eの段落【0072】、【0073】には、図5の実施例においては、コンパレータ82、84は誤差信号ERが第1基準値ER_(DU)を超えると、もしくは、第2基準値ER_(DL)より小さいと、デューティ上限超過モニタ信号DM_(U)、もしくはデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)を発生し、OR回路86を介してカウンタ88のセット端子(S)およびリセット端子(R)に与えることが記載されている。 してみると、図8の実施例においては、パルス幅比較器92、94は、上記パルス幅測定値PWを第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)と比較して、その比較結果から、スイッチング動作のデューティが前記デューティ上限値DUより大きいか否か、およびデューティ下限値DLより小さいか否かを判定し、デューティ上限超過モニタ信号DM_(U)、もしくはデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)を発生し、OR回路86を介してカウンタ88のセット端子(S)およびリセット端子(R)に出力しているといえる。 ・上記eの段落【0074】、及び図8には、カウンタ88は、クロック回路78からのクロック信号CKをクロック端子(C)に受け取り、セット端子(S)およびリセット端子(R)に論理値Hの信号を入力している間はクロック信号CKをカウントし、計数値がプリセット値Nに到達すると、出力端子(Q)より通報ARを主制御部44を出力することが記載されている。 ・上記fには、ポンプLD電源回路50は、上記通報ARを受け取った主制御部44によってLD駆動動作を停止させられることが記載されている。 したがって、図8に示される実施例に着目し、上記引用文献1の記載及び図面によると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。 「駆動電流測定回路64と、スイッチング制御部66と、デューティ監視部68と、ポンプLD36(38)と直流電源52とスイッチング素子54とチョークコイル56と平滑用のコンデンサ58とフライホイール・ダイオード60と電流センサ62からなる回路と、で構成されるポンプLD36(38)に電力を供給するポンプLD電源回路50において、 前記駆動電流測定回路64は、電流センサ62の出力信号を基にポンプLD36(38)の駆動電流I_(d)の駆動電流測定値MI_(d)をフィードバック信号としてスイッチング制御部66に与え、 前記スイッチング制御部66は、誤差増幅器70、三角波発生回路72、コンパレータ74およびゲート回路76を有し、 前記誤差増幅器70は、駆動電流測定回路64からの駆動電流測定値MI_(d)が入力されるとともに、主制御部44からの駆動電流設定値PC_(A)が入力され、駆動電流測定値MI_(d)と駆動電流設定値PC_(A)とを比較して、その比較誤差(MI_(d)-PC_(A))に応じた電圧レベルを有する誤差信号ERを出力し、 前記三角波発生回路72は、クロック回路78よりPWM用の20kHz?300kHzのクロック信号CKを入力し、このクロック信号CKに同期した三角波信号(または鋸波信号)KMを出力し、 前記コンパレータ74は、誤差増幅器70からの誤差信号ERおよび三角波発生回路72からの三角波信号KMを両入力端子(-),(+)にそれぞれ入力し、両入力信号ER,KMのレベルの大小関係に応じて、ER>KMのときは論理値Lとなり、ER≦KMのときは論理値Hとなるような二値の出力信号であるPWM制御信号S_(PWM)を出力し、 前記ゲート回路76は、コンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)と、主制御部44からの駆動時間制御信号PCtを入力し、この制御信号PCtが論理値HのときはPWM制御信号S_(PWM)をスイッチング素子54の制御端子に出力し、PWM制御信号S_(PWM)の論理値に応じてスイッチング素子54をオフ・オフし、また、制御信号PCtが論理値LのときはPWM制御信号S_(PWM)の出力を強制停止するものであって、 前記デューティ監視部68は、設定部80、パルス幅測定部90、パルス幅比較器92、94、OR回路86およびカウンタ回路88を有し、 前記設定部80は、オープン故障およびショート故障の検出に必要な設定値であるデューティ上限値DUおよびデューティ下限値DLに、それぞれ対応したパルス幅を有する第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)を設定し、 前記パルス幅測定部90は、スイッチング制御部66のコンパレータ74より出力されるPWM制御信号S_(PWM)のパルス幅(論理値H期間)PWを測定し、 前記パルス幅比較器92、94は、該パルス幅測定値PWを第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)と比較して、その比較結果から、スイッチング動作のデューティが前記デューティ上限値DUより大きいか否か、およびデューティ下限値DLより小さいか否かを判定し、デューティ上限超過モニタ信号DM_(U)、もしくはデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)を発生し、OR回路86を介してカウンタ88のセット端子(S)およびリセット端子(R)に出力し、 前記カウンタ88は、クロック回路78からのクロック信号CKをクロック端子(C)に受け取り、セット端子(S)およびリセット端子(R)に論理値Hの信号を入力している間はクロック信号CKをカウントし、計数値がプリセット値Nに到達すると、出力端子(Q)より通報ARを主制御部44へ与えるものであって、 前記通報ARを受け取った主制御部44によってLD駆動動作を停止させられるポンプLD電源回路50。」 (イ)引用文献2 原査定の拒絶の理由において引用された、特開2004-328713号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 a.「【0119】 サンプリング部102は、上記入力信号101をサンプリングクロック106でサンプリングする。サンプリングとは、時間的に連続な信号をサンプリングクロックによって、離散的な信号(符号列)に変換することを言い、標本化と呼ばれたりもする。例えば、サンプリング方式には、CD(コンパクトディスク)で使われているPCM(パルス符号変調;pulse code modulation)などがある。サンプリング部102への入力信号101は赤外線受光部などから出力された信号であり、一般的には電位の高低を持った方形波や正弦波などのパルスを有する連続信号である。 【0120】 この入力信号101がサンプリング部102においてサンプリングされた結果、サンプリング信号103が生成されるが、サンプリング部102はハードウェア・ソフトウェアいずれによっても実現可能である。当然、後段の波形整形部104も同様に、ハードウェア・ソフトウェアいずれによっても実現可能である。 【0121】 このようにサンプリング部102において、電位の高低をもつ連続的な物理信号が、離散的な論理信号に変換され(例えば、高電位を1・低電位を0、あるいは高電位をHi・低電位をLow、あるいは高電位をa・低電位をbなど)、サンプリング信号103が得られる。 【0122】 また、ここでは電位を2段階(2値)だけで示しているが、もちろん多値ASK(振幅シフトキーイング;amplitude shift keying)変調などの多段階でも構わない。その場合には、サンプリング信号103は、あるタイミングで1回サンプリングしたサンプリング信号が「11」「10」「01」「00」や「a」「b」「c」「d」や「0」「1」「2」「3」などのように多値になる。 【0123】 また、論理的な信号であるがゆえ、高電位を「1」・低電位を「0」と限定されることも無い。高電位を「0」・低電位を「1」と設定しても問題ない。ただし、本実施の形態においては、説明の便宜上、本来の波形は高電位と低電位の2値からなる信号であり、高電位のサンプリング結果を「1」、低電位のサンプリング結果を「0」として説明する。したがって、本実施の形態のサンプリング信号103は、図2(c)に示すように、「1」と「0」を組み合わせた符号列で表される。 【0124】 ところで、一般的に赤外線受光部301が出力する信号は反転して出力される場合が多い(パルスがある場合にLow(低電位)出力、パルスが無い場合にHi(高電位)出力)。これは一般的にLow Activeと呼ばれる。本実施の形態では、説明の便宜上、常にHi Activeとして説明を進める。つまりパルスが始まるときにLowからHiへ、パルスが終わるときにHiからLowへ変化する、すなわち、パルスが始まるときに立ち上がりエッジ、パルスが終わるときに立ち下がりエッジが現れるとする。Low Activeを用いた、赤外線受光部301を利用する場合は、本実施の形態の説明を反転させて考えればよい。 【0125】 また、サンプリング信号103は、あるタイミングの1つのサンプリング結果だけを見ると、「1」や「0」といった単なる論理値としての意味だけを備えるものであるが、そのサンプリング信号103については、入力信号101をサンプリングした結果得られるビット列(符号列)のデータとして捉え、複数観測することにより、入力信号101との関係を明らかにできる。 【0126】 つまり、各サンプリング信号103が、例えば「01」となった場合に入力信号101のパルスに立ち上がりエッジがあったことが分かり、「10」となった場合に立ち下がりエッジがあったことが分かる。この立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでが各サンプリング信号103内に存在するパルスのパルス幅として認識することが可能である。すなわち、各サンプリング信号103をビット列(符号列)データとして捉えることにより、ビット(符号)の並びに基づいて、そのサンプリング信号103内に含まれているパルスの位置(例えば、「0」から「1」への変化)や幅(例えば、「1」の連続数のようなビット数または符号数)、あるいはパルス間の位置関係などのパルスに関する情報が認識できるわけである。」 (ウ)引用文献3 原査定の拒絶の理由において引用された、特開昭60-18773号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 a.「第2図の被測定ディジタル波形図において、閾値電圧を上記同様Vthとし、被測定ディジタル波形をクロックジェネレータのサンプリングパルスでサンプリングし、サンプリングパルスピッチ時間をTsとして、被測定ディジタル波形の閾値電圧でサンプルアンドホールドした閾値電圧Vthにおけるパルス数を、6と19とすれば、 パルス幅 =(19-6)×Ts となり、規定した閾値電圧間のパルス数にピッチ時間を掛けて、ディジタル波形のパルス幅の測定結果が得られる。」(公報2頁右上欄13行-左下欄3行) 上記引用文献2、3の記載及び図面によると、引用文献2、3には以下の周知の技術(以下、「引用文献2、3に記載の周知の技術」という。)が開示されていると認められる。 「信号をサンプリングすることによってパルス幅の測定を行うこと。」 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 a.引用発明の「ポンプLD36(38)」は、本件補正発明の「負荷」に相当する。 そして、引用発明の「ポンプLD電源回路50」は、ポンプLD36(38)に電力を供給するものであるから、本件補正発明の「負荷を駆動する駆動電力を発生させる駆動電力発生回路」に相当する。 b.引用発明の「駆動電流測定値MI_(d)」は、ポンプLD36(38)の駆動電流I_(d)に応じたものであり、ポンプLD36(38)の動作状態を示すものと認められることから、本件補正発明の「前記負荷の動作状態を示すフィードバック信号」に相当する。 また、引用発明の「PWM制御信号S_(PWM)」は、スイッチング素子54をオン・オフする信号であるから、本件補正発明の「制御信号」に相当する。 そして、引用発明は「スイッチング制御部66」の「コンパレータ74」が、駆動電流測定値MI_(d)に応じた誤差信号ERを用いてPWM制御信号S_(PWM)を出力し、「スイッチング制御部66」の「ゲート回路76」が、主制御部44からの駆動時間制御信号PC_(t)をもとにPWM制御信号S_(PWM)を出力するものである。 したがって、引用発明の「スイッチング制御部66」は、本件補正発明の「前記負荷の動作状態を示すフィードバック信号と所定の信号とに応じて制御信号を出力する信号発生回路」に相当する。 但し、「所定の信号」が、本件補正発明では、「前記負荷が開放又は短絡のいずれかを示すロック信号」であるのに対して、引用発明では、駆動時間制御信号PC_(t)にはそのような特定がされていない点で相違する。 c.引用発明の「ポンプLD36(38)と直流電源52とスイッチング素子54とチョークコイル56と平滑用のコンデンサ58とフライホイール・ダイオード60と電流センサ62からなる回路」は、スイッチング制御部66から出力されるPWM制御信号S_(PWM)によってスイッチング素子54が制御されることでポンプLD36(38)に電力を供給するものであるから、本件補正発明の「前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号に応じて前記負荷を駆動する前記駆動電力を発生させる電力変換回路」に相当する。 d.引用発明の「オープン故障」及び「ショート故障」は、各々「開放」及び「短絡」に相当する。 また、引用発明は、「デューティ監視部68」の「パルス幅比較器92、94」が、コンパレータ74から出力されるPWM制御信号S_(PWM)のパルス幅測定値PWと、オープン故障およびショート故障の検出に必要な設定値に応じた第1および第2基準値PW_(DU),PW_(DL)と比較し、第1基準値PW_(DU)を超えるとデューティ上限超過モニタ信号DM_(U)を、第2基準値PW_(DL)を下回るとデューティ下限未満モニタ信号DM_(L)を「カウンタ88」に出力し、「カウンタ88」は、該出力が続くと通報ARを出力するものであるから、「通報AR」は、ポンプLD36(38)のオープン故障又はショート故障のいずれかを示す信号と認められる。 さらに、「通報AR」によって、LD駆動動作が停止させられるものであるから、「通報AR」は、LD駆動動作をロックするための信号といえる。 してみると、引用発明の「通報AR」は、本件補正発明の「前記負荷が開放又は短絡のいずれかを示すロック信号」に相当する。 そして、引用発明の「デューティ監視部68」は、本件補正発明の「サンプリング制御回路」と、「前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号を処理し、処理結果に応じて前記ロック信号を出力する制御回路」の点で共通する。 但し、「処理」が、本件補正発明では、「サンプリング」であって、「制御回路」が「サンプリング制御回路」であるのに対して、引用発明では、パルス幅の測定であって、「制御回路」が「デューティ監視部68」である点で相違する。 したがって、本件補正発明と引用発明とを対比すると、両者は、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「負荷を駆動する駆動電力を発生させる駆動電力発生回路において、 前記負荷の動作状態を示すフィードバック信号と所定の信号とに応じて制御信号を出力する信号発生回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号に応じて前記負荷を駆動する前記駆動電力を発生させる電力変換回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号を処理し、処理結果に応じて前記ロック信号を出力する制御回路と; を備えたことを特徴とする駆動電力発生回路。」 (相違点1) 「所定の信号」が、本件補正発明では、「前記負荷が開放又は短絡のいずれかを示すロック信号」であるのに対して、引用発明では、そのような特定が駆動時間制御信号PCtにされていない点。 (相違点2) 「処理」が、本件補正発明では、「サンプリング」であり、「制御回路」が「サンプリング制御回路」であるのに対して、引用発明では、パルス幅の測定であり、「制御回路」が「デューティ監視部68」である点。 (4)判断 上記各相違点について検討する。 (相違点1)について 引用発明の「駆動時間制御信号PCt」は、「PWM制御信号S_(PWM)」(制御信号)の出力を強制停止するために主制御部44からスイッチング制御部66(信号発生回路)のゲート回路76に出力される信号である。 ここで、引用発明において「PWM制御信号S_(PWM)」(制御信号)の出力を強制停止すれば、LD駆動動作が停止することは明らかである。 一方、引用発明の「通報AR」(ロック信号)は、主制御部44が該通報ARを受け取ることでLD駆動動作を停止させるための信号である。 してみれば、引用発明における「通報AR」(ロック信号)に基づく主制御部44のLD駆動動作の停止を、主制御部44からゲート回路76に出力される「PWM制御信号SPWM」(制御信号)の出力を強制停止する「駆動時間制御信号PCt」で行うようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 そして、そのようにすることは、引用発明において、相違点1に係る本願請求項1に係る発明の構成を採用することにほかならない。 (相違点2)について 引用文献2、引用文献3にも記載されるように、信号のパルス幅の測定を、当該信号をサンプリングすることにより行うことは、周知の技術である。 したがって、引用発明のデューティ監視部68におけるパルス幅の測定に、該周知の技術を適用してサンプリングすることにより行うことで、本件補正発明の相違点2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 そして、本件補正発明の作用効果も、引用発明、周知の技術に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本件補正発明は、引用発明、周知の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)結語 以上検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成30年2月15日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-22に係る発明は、平成29年8月16日に補正された特許請求の範囲の請求項1-22に記載された事項により特定されるものであるところ、そのうち請求項1に係る発明(本願発明)は再掲すると次のとおりのものである。 「【請求項1】 負荷を駆動する駆動電力を発生させる駆動電力発生回路において、 フィードバック信号とロック信号とに応じて制御信号を出力する信号発生回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号に応じて前記負荷を駆動する前記駆動電力を発生させる電力変換回路と; 前記信号発生回路に電気的に接続され、前記制御信号をサンプリングし、サンプリング結果に応じて前記ロック信号を出力するサンプリング制御回路と; を備えたことを特徴とする駆動電力発生回路。」 2.引用文献、引用発明 引用発明等は、上記第2の2.の「(2)引用文献、引用発明」の項で記載したとおりである。 3.対比・判断 そこで、本願発明と引用発明を対比するに、本願発明は上記本件補正発明から当該補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2.の「(3)対比」及び「(4)判断」に記載したとおり、引用文献1に記載された発明、周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明、及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2019-03-04 |
結審通知日 | 2019-03-05 |
審決日 | 2019-03-19 |
出願番号 | 特願2016-37246(P2016-37246) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H02M)
P 1 8・ 575- Z (H02M) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 東 昌秋 |
特許庁審判長 |
國分 直樹 |
特許庁審判官 |
田中 慎太郎 山澤 宏 |
発明の名称 | 駆動電力を発生させる駆動電力発生回路とその方法 |
代理人 | 萩原 誠 |