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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01H
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  H01H
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01H
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01H
管理番号 1354052
異議申立番号 異議2018-701000  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-12-10 
確定日 2019-06-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6343150号発明「真空バルブおよびその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6343150号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4?6〕について、訂正することを認める。 特許第6343150号の請求項1?6に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6343150号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成26年1月24日に出願され、平成30年5月25日にその特許権の設定登録がされ、平成30年6月13日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

平成30年12月10日 :特許異議申立人加藤浩志(以下「申立人」という。)による請求項1?6に係る特許についての特許異議の申立て
平成31年 2月 1日付け:取消理由通知書
平成31年 4月 5日 :特許権者による意見書の提出及び訂正の請求
令和 元年 5月16日 :申立人による意見書の提出

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
平成31年4月5日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6343150号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4?6について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。(下線部は訂正箇所を示す。)

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項4に「所定形状に成形したアルミナ磁器を加熱炉に搬入して焼成し」と記載されているのを、「所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し」に訂正するとともに、請求項4に「表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し」と記載されているのを、「内外周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5を独立形式に改めるとともに、請求項5が引用する請求項4に「所定形状に成形したアルミナ磁器を加熱炉に搬入して焼成し」と記載されているのを、「所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し」に訂正し、「所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、これを再び加熱炉に搬入して再加熱を複数回繰り返し、表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納することを特徴とする真空バルブの製造方法。」に訂正する。(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。)

なお、訂正前の請求項4?6について、請求項6は請求項4、5を引用するものであって、訂正事項1及び2によって訂正される請求項4、5に連動して訂正されるものであるから、本件訂正請求は、一群の請求項4?6に対して請求されたものである。

2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項4に記載の「アルミナ磁器」との誤記を「アルミナ」に訂正するものであるとともに、「酸化促進層」が設けられる「表面」を「内外周の表面」とより具体的に特定して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第2号に規定する特許請求の範囲の誤記の訂正を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1のうち、「アルミナ磁器」を「アルミナ」と訂正することについては、本件特許明細書の図2における「酸化アルミナ」(当該記載も「アルミナ」の誤記と認められる。)との記載や、アルミナが焼成されることでアルミナ磁器となることに鑑みれば、明らかな誤記の訂正と認められる。また、「酸化促進層」が設けられる「表面」を「内外周の表面」と訂正することについては、請求項1や明細書の段落【0015】の記載、及び図1、5の図示内容に基づくものである。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

なお、本件訂正請求においては、訂正前の全ての請求項に対して特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定(独立特許要件)は適用されない(訂正事項2についても同様。)。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項5が訂正前の請求項4の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるとともに、訂正前の請求項4に記載の「アルミナ磁器」との誤記を「アルミナ」に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する特許請求の範囲の誤記の訂正及び第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2のうち、「アルミナ磁器」を「アルミナ」と訂正することについては、本件特許明細書の図2における「酸化アルミナ」(当該記載も「アルミナ」の誤記と認められる。)との記載や、アルミナが焼成されることでアルミナ磁器となることに鑑みれば、明らかな誤記の訂正と認められる。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項4?6について、訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された、訂正後の請求項1?6に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明6」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
アルミナ磁器よりなる筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器の両端開口部に封着された封着金具と、
前記真空絶縁容器に収納された接離自在の一対の接点とを有する真空バルブであって、
前記真空絶縁容器は、アルミナ磁器の基材層と、
前記基材層の内外周の表面に設けられた酸素結合を促進させた酸化促進層とで構成されていることを特徴とする真空バルブ。
【請求項2】
前記酸化促進層を開口部にいくほど絶縁厚さを厚くしたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
前記真空絶縁容器の外周に絶縁材料をモールドして絶縁層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項4】
所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、
これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、
内外周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、
この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納することを特徴とする真空バルブの製造方法。
【請求項5】
所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、
これを再び加熱炉に搬入して再加熱を複数回繰り返し、
表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、
この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納することを特徴とする真空バルブの製造方法。
【請求項6】
前記再加熱を温度1250℃以上とすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の真空バルブの製造方法。」

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
訂正前の請求項4及び6に係る特許に対して、当審が平成31年2月1日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

(新規性)本件特許の請求項4及び6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項4及び6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

<刊行物>
引用文献1:特開2001-220267号公報
(申立人による平成30年12月10日付けの特許異議申立書に添付された甲第8号証)

2 引用発明
引用文献1には、図面(特に図1)と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
「【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面に示すいくつかの実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の釉薬層付きセラミック部材を真空スイッチ用の容器として構成した例を示している。該図には、本発明の釉薬層付きセラミック部材を用いた金属-セラミック接合体の概念を含んで構成された真空スイッチユニット1が開示されている。具体的には、該真空スイッチユニット1においては、外周面に釉薬層71が形成された筒状部材10が本発明の釉薬層付きセラミック部材として構成されており、その筒状部材10の内側には金属製の筒状のアークシールド部材61が配置されている。そして、そのアークシールド部材61を金属部材として、これが筒状部材10の内側にろう材層62を介して接合されている。具体的には、アークシールド部材61を金属部材として、これがろう材層62により本体部10aに接合されており、本発明の金属-セラミック接合体が構成されている。」
「【0019】そして、上記の筒状部材10には、各端部側を遮蔽する1対の遮蔽部材2,3が設けられており、容器10の内部にスイッチ遮蔽空間11を形成している。そして、一方の遮蔽部材2を貫く形で固定電極部材4が配置されている。この固定電極部材4には、スイッチ遮蔽空間11外に位置する基端側に固定側端子部41aが形成され、他方、スイッチ遮蔽空間11内に位置する先端側に固定側スイッチ接点部42が形成されている。また、他方の遮蔽部材3を貫く形で、容器10の軸線方向に移動可能な可動電極部材5が設けられている。該可動電極部材5には、スイッチ遮蔽空間11外に位置する基端側に可動側端子部51aが形成され、スイッチ遮蔽空間11内に位置する先端側に、自身の移動に伴い固定側スイッチ接点部42と当接/離間する可動側スイッチ接点部52が形成されている。そして、前記したアークシールド部材61は、筒状部材10内にて固定側スイッチ接点部42と可動側スイッチ接点部52とを取り囲む形で配置されている。」
「【0023】上記の真空スイッチユニット1は、例えば以下のようにして製造される。まず、筒状部材10を作製するために、アルミナセラミック粉末に焼結助剤粉末と有機バインダ及び溶媒を加えて湿式混合し、その後スプレー噴霧等により造粒して成形用素地粉末を作る。これをラバープレス等により筒状に成形し、外面研削、及び凸条部12を形成するための内面研削を施して成形体を得る。そして、その成形体を所定温度(例えば1600℃前後)にて焼成し、アルミナ焼結体からなる本体部10aを得る。
【0024】他方、釉薬スラリーの調製を以下のようにして行う。まず、Si、Al及び副カチオン成分(例えばK等のアルカリ金属元素)の各成分源となる成分源粉末を、Si成分はSiO_(2)に酸化物換算した重量にて60?74重量%、Al成分はAlをAl_(2)O_(3)換算にて16?30重量%、アルカリ金属元素MはMOに酸化物換算した重量にて20重量%以下の割合で配合し、さらに水あるいはこれに適量の溶媒を配合したものを加え、トロンメル混合等により粉砕・混合して釉薬スラリーを得る。なお、成分源粉末は、SiO_(2)、Al_(2)O_(3)、CaОの単体酸化物や、焼成により酸化物転化する金属塩類(K_(2)CO_(3)等)、あるいはそれらを主体とする鉱物類(石灰石、珪石等)を用いることができる。また、複数種類のカチオンを含有する複合酸化物や複塩類、あるいはそれらを主体とする天然又は合成の鉱物類(例えば長石((Na,K)Al_(2)Si_(3)О_(8)-CaAl_(2)Si_(3)О_(8))、カオリン(Al_(2)Si_(2)О_(5)(ОH)_(4)[Al_(2)O_(3)・2SiO_(2)・2H_(2)О]等)を用いることもできる。また、成分源粉末の混合物を1300?1700℃に加熱して溶融させ、その溶融物を水中に投じて急冷・ガラス化し、さらに粉砕することにより釉薬フリットを作り、これに有機バインダ(必要により適量のカオリンや蛙目粘土等の粘土鉱物)を適量配合し、さらに水を加えて混合することにより釉薬スラリーを得るようにしてもよい。
【0025】上記のような釉薬スラリーを噴霧ノズルから本体部10aの外周面に噴霧・塗布することにより、釉薬粉末堆積層としての釉薬スラリー塗布層を形成し、これを乾燥する。そして、これを1400?1500℃にて釉焼することにより、釉薬層71を形成する。」
「【0027】その後、本体部10aに対して図1に示す各部品を組みつけることにより、真空スイッチユニット1が完成する。」

以上を踏まえ、本件発明4の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「アルミナセラミック粉末を含む成形用素地粉末を筒状に成形し、外面研削及び内面研削を施して得られた成形体を所定温度にて焼成し、
得られたアルミナ焼結体からなる本体部10aの外周面に釉薬スラリー塗布層を形成して乾燥させ、これを1400?1500℃にて釉焼することにより釉薬層71を形成した筒状部材10を製造し、
この筒状部材10の本体部10aに対して、固定側スイッチ接点部42と可動側スイッチ接点部52を含む各部品を組み付ける、真空スイッチユニット1の製造方法。」

3 当審の判断
(1)本件発明4について
ア 対比
本件発明4と引用発明とを対比すると、後者の「アルミナセラミック粉末を含む成形用素地粉末を筒状に成形し、外面研削及び内面研削を施して得られた成形体」は、前者の「所定形状に成形したアルミナ磁器」に相当し、以下同様に、「筒状部材10」は「真空絶縁容器」に、「固定側スイッチ接点部42と可動側スイッチ接点部52」は「接離自在の一対の接点」に、「真空スイッチユニット1」は「真空バルブ」に、「この筒状部材10の本体部10aに対して、固定側スイッチ接点部42と可動側スイッチ接点部52を含む各部品を組み付ける」ことは「この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納する」ことに、それぞれ相当する。
後者の「所定温度にて焼成」する工程に関し、セラミックスの焼成工程は加熱炉において行われることが常であるから、同工程は、前者の「加熱炉に搬入して焼成」する工程に相当する。
後者の「得られたアルミナ焼結体からなる本体部10aの外周面に釉薬スラリー塗布層を形成し、乾燥させ、これを1400?1500℃にて釉焼すること」は、焼成後のアルミナ焼結体を再加熱する工程であるといえる。また、引用文献1の段落【0024】の記載(上記の下線部を参照。)に鑑みれば、引用発明の「1400?1500℃にて釉焼する」工程は、酸素雰囲気中で行われるものと認められる。してみると、引用発明において、少なくとも釉薬スラリー塗布層が形成されていない本体部10aの内周面には、当該釉焼工程によって表面の酸素結合が一定程度促進された酸化促進層が形成されると認められるから、後者の「得られたアルミナ焼結体からなる本体部10aの外周面に釉薬スラリー塗布層を形成して乾燥させ、これを1400?1500℃にて釉焼することにより釉薬層71を形成した筒状部材10を製造」する工程は、「これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、内周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造」する工程である限りにおいて、前者の「これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、内外周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造」する工程に一致する。

そうすると、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、
これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、
内周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、
この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納する、真空バルブの製造方法。」

<相違点1>
「酸化促進層」に関し、本件発明4は「真空絶縁容器」の「内外周の表面」に設けられるのに対し、引用発明は、筒状部材10の外周面に酸化促進層が設けられるか否か不明な点。

イ 判断
引用発明において、筒状部材10(本体部10a)の外周面は釉薬スラリー塗布層が形成された状態で釉焼されることから、釉焼工程中に周囲の酸素に触れることはなく、当該外周面の酸素結合が促進される(すなわち、酸化促進層が設けられる)とは認められない。そうすると、上記相違点1は実質的な相違点であるといえる。

なお、申立人は、令和元年5月16日の意見書において、「例え本体部10aの外周面に釉薬スラリーが被覆されていても、釉薬スラリー層は薄く(100?200μm)、1400?1500℃の高温で釉焼されるまでに、本体部10aの外周面が周囲の空気中に含まれる酸素と反応して、本体部10aの外周面にも酸化促進層が形成される。」(4ページ12?15行)と主張しているが、その主張は十分な裏付けを有しているとはいえず、採用することができない(なお、申立人は、特許異議申立書では、「アルミナ磁器に釉薬処理が施されているため、酸化促進層を形成することができない。」(35ページ12?13行)と主張していることにも留意されたい。)。

よって、本件発明4は、本件特許の出願前に頒布された刊行物(引用文献1)に記載された発明であるということはできない。

(2)本件発明6について
本件発明6は、本件発明4を更に減縮したものであるから、本件発明4についての判断と同様の理由により、引用文献1に記載された発明であるということはできない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の概要
申立人の主張は、概略、次のとおりである。
(1)本件特許の請求項1?6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2?7号証に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下「申立理由1」という。)。

(2)本件特許の請求項1、4及び6に係る発明は、甲第8号証(上記引用文献1)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、4及び6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである(以下「申立理由2」という。)。

(3)本件特許の請求項1?3の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない(以下「申立理由3」という。)。

(4)本件特許の請求項1?6の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、本件特許に係る明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない(以下「申立理由4」という。)。

また、証拠方法として、甲第8号証(以下「甲8」という。)のほか、次の文書(甲第1?7号証。以下それぞれ「甲1」?「甲7」という。)が提出された。
甲第1号証:特開2010-073459号公報
甲第2号証:道園真一郎 外3名,「アルミナの表面帯電や二次電子放出係数に及ぼすアニールの効果」,T.IEE Japan(電気学会),1999年,Vol.119-A,No.5,'99,p.562-567
甲第3号証:T. Shioiri 外4名,「Effect of Annealing and Polishing on Flashover Characteristics of Ceramic in Vacuum」,(米),IEEE(米国電気電子学会),2002年6月,IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, Vol.9, No.3, p.416-420
甲第4号証:須田裕史 外4名,「表面粗さと空気中熱処理が真空中アルミナ絶縁物の沿面放電と帯電に与える影響」,電気学会研究会資料.HV,高電圧研究会,2013年1月29日,2013(52),p.7-12
甲第5号証:Shunji Nakata 外5名,「Etching rate, optical transmittance, and charge trapping characteristics of Al-rich Al_(2)O_(3) thin film fabricated by rf magnetron cosputtering」,(米),American Vacuum Society(アメリカ真空学会),2008年8月12日,J. Vac. Sci. Technol. B 26(4), p.1373-1378
甲第6号証:Suharyanto 外5名,「Effect of Mechanical Finishes on Secondary Electron Emission of Alumina Ceramics」,(米),IEEE(米国電気電子学会),2007年6月,IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, Vol.14, No.3, p.620-626
甲第7号証:早川智貴 外5名,「各種アルミナの二次電子放出特性に関する研究」,電気学会研究会資料.ED,放電研究会,2012年3月9日,2012(29),p.59-64

2 申立理由についての判断
(1)申立理由1
ア 甲1に記載された発明
甲1には、図面(特に図1)と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
「【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、帯電し難い真空絶縁容器を用いた真空バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の真空バルブは、セラミックスからなる真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器の両端開口部にそれぞれ封着された封着金具と、前記真空絶縁容器内に収納された接離自在の一対の接点と、前記真空絶縁容器の内面に設けられた前記セラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層とを備え、前記抵抗層は、真空バルブを構成する金属部材端と対向し、電界強度が上昇する部分の膜厚が厚いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、真空絶縁容器の内面に、セラミックスよりも小さい抵抗率を持つ第1の抵抗層を設けるとともに、電界強度の高い部分には更に抵抗率が下がるように膜厚の厚い第2の抵抗層を設けているので、帯電現象が起こり難く、真空中の沿面絶縁耐力を向上させることができる。」
「【0010】
図1に示すように、アルミナ磁器などのセラミックスからなる筒状の真空絶縁容器1の両端開口部には、固定側封着金具2と可動側封着金具3とが封着されている。固定側封着金具2には、固定側通電軸4が貫通固定され、真空絶縁容器1内の端部に固定側接点5が固着されている。
【0011】
固定側接点5に対向して接離自在の可動側接点6が、可動側封着金具3の開口部を移動自在に貫通する可動側通電軸7の端部に固着されている。可動側通電軸7の中間部と可動側封着金具3間には、伸縮自在の筒状のベローズ8の両端が封着されている。これにより、真空絶縁容器1内の真空を保ちながら、可動側通電軸7を軸方向に移動させることができる。また、両接点5、6を包囲するように、筒状のアークシールド9が真空絶縁容器1の中間部に固定されている。」

以上を踏まえ、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「アルミナ磁器などのセラミックスからなる筒状の真空絶縁容器1と、
前記真空絶縁容器1の両端開口部に封着された固定側封着金具2と可動側封着金具3と、
前記真空絶縁容器1に収納された接離自在の固定側接点5と可動側接点6とを有する真空バルブであって、
前記真空絶縁容器1は、アルミナ磁器と、その内面に設けられたセラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層とで構成されている真空バルブ。」

イ 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「アルミナ磁器などのセラミックスからなる筒状の真空絶縁容器1」は、前者の「アルミナ磁器よりなる筒状の真空絶縁容器」に相当し、以下同様に、「固定側封着金具2と可動側封着金具3」は「封着金具」に、「固定側接点5と可動側接点6」は「一対の接点」に、「真空バルブ」は「真空バルブ」にそれぞれ相当する。
また、後者の「真空絶縁容器1は、アルミナ磁器と、その内面に設けられたセラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層とで構成され」は、「真空絶縁容器は、アルミナ磁器の基材層と、前記基材層の内周の表面に設けられた帯電を防止するための層とで構成され」たものである限りにおいて、前者の「真空絶縁容器は、アルミナ磁器の基材層と、前記基材層の内外周の表面に設けられた酸素結合を促進させた酸化促進層とで構成され」と一致する。

そうすると、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「アルミナ磁器よりなる筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器の両端開口部に封着された封着金具と、
前記真空絶縁容器に収納された接離自在の一対の接点とを有する真空バルブであって、
前記真空絶縁容器は、アルミナ磁器の基材層と、
前記基材層の内周の表面に設けられた帯電を防止するための層とで構成された真空バルブ。」

<相違点2>
「帯電を防止するための層」に関し、本件発明1は、「基材層の内外周の表面に設けられた酸素結合を促進させた酸化促進層」であるのに対し、甲1発明は、真空絶縁容器1の内面に設けられたセラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層である点。

(イ)判断
甲2?7には、アルミナや、アルミナセラミックを熱処理(アニール)することで、表面の欠陥(機械的な歪み、残留応力、酸素欠陥等)が除去(修復)され、それにより表面帯電が減少(または放電電圧が上昇)することが記載されている。してみると、アルミナセラミックを熱処理することで表面の帯電特性が改善されることは、本件特許の出願時において周知技術であったといえる。
これに対して、甲1発明の「セラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層」は、電界強度が高くなる部位から放出された電荷を短時間で封着金具2、3側へ移動させることで帯電を抑制するためのものである(段落【0015】?【0018】等を参照。)。
そうすると、甲1発明は、放出された電荷を抵抗層により速やかに他の部位へ移動させることで帯電を防止する技術であるのに対し、上記周知技術は、アルミナセラミックの表面の帯電特性を改善することで表面に電荷自体が放出されにくくする技術であるといえるから、両者は、表面帯電を減少させるという課題自体は共通するものの、帯電を防止する具体的なメカニズムについては相違している。
してみると、甲1発明に、帯電抑制のメカニズムが異なる上記周知技術を適用することの積極的な動機付けは見当たらない。
加えて、甲1発明は、「セラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層」を真空絶縁容器1の内面(内周の表面)にのみ設けており、甲1には、真空絶縁容器1の外周の表面にも「セラミックスよりも抵抗率の小さい抵抗層」を設けることを示唆する記載はない。してみると、仮に甲1発明に上記周知技術を適用できたとしても、真空絶縁容器1(アルミナ基材層)の内外周の表面に酸化促進層を設けることは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。

よって、本件発明1は、甲1発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ 本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、本件発明1を更に減縮したものであるから、本件発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

エ 本件発明4について
本件発明4は、本件発明1の上記相違点2に係る構成と実質的に同一の構成(「内外周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器」)を有している。
そうすると、本件発明4は、少なくとも相違点2と同様の点で、甲1発明と相違しているといえる。
そして、相違点2については、上記イで判断したとおりであるので、上記と同様の理由により、本件発明4は、甲1発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

オ 本件発明5について
本件発明5は、少なくとも、「再加熱を複数回繰り返」すことで「表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造」する点で、甲1発明と相違しているといえる。
そして、上記イで判断したとおり、甲1発明に、帯電抑制のメカニズムが異なる甲2?7に記載の周知技術を適用することの積極的な動機付けは見当たらず、仮に適用できたとしても、再加熱を複数回繰り返すことにより酸化促進層を設けることが当業者にとって容易であったとまではいえない。
よって、本件発明5は、甲1発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

カ 本件発明6について
本件発明6は、本件発明4または5を更に減縮したものであるから、本件発明4または5についての判断と同様の理由により、甲1発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

キ 小括
以上のとおりであるから、申立理由1には理由がない。

(2)申立理由2
ア 本件発明4及び6について
本件発明4及び6についての判断は、上記第4の3に記載したとおりである。

イ 本件発明1について
本件発明1は、本件発明4の上記相違点1に係る構成と実質的に同一の構成(「前記基材層の内外周の表面に設けられた酸素結合を促進させた酸化促進層」)を有している。
そうすると、本件発明1は、少なくとも相違点1と同様の点で甲8に記載された発明(引用発明)と相違している。
そして、相違点1については、上記第4の3(1)イで判断したとおりであるので、上記と同様の理由により、本件発明1は、甲8に記載された発明であるということはできない。

ウ 小括
以上のとおりであるから、申立理由2には理由がない。

(3)申立理由3
ア 申立人は、特許異議申立書において、本件特許の請求項1?3における「酸素結合を促進させた酸化促進層」の意味内容が不明瞭である旨主張する。
しかしながら、本件特許明細書の段落【0015】等の記載に鑑みれば、「酸素結合を促進させた酸化促進層」とは、焼成後のアルミナ磁器を再度加熱炉に搬入して再加熱(酸化)を行うことにより、真空絶縁容器の基材層の内外周の表面に形成された、再加熱前よりも酸素結合が進んだ層のことを意味していると解釈できるから、請求項1?3の記載は明確である。

イ また、申立人は、「発明の詳細な説明には、『長時間の再加熱で真空絶縁容器1全体が酸化促進層となってもよい。』と記載されているが、当該方法は単に1回の加熱処理に過ぎず、『酸化促進』に該当せず、『酸化促進層』の表現に誤りがある。」(32ページ末行?33ページ2行)とも主張する。
しかしながら、ここでいう「長時間の再加熱」は、「仮焼・焼成」(図2のst2)後に行われる「再加熱」(図2のst4)のことを意味しているのであって、1回の加熱(焼成)を長時間行うことを意味しているのではない。

よって、申立人の主張を採用することはできず、申立理由3には理由がない。

(4)申立理由4
ア 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
(ア)申立人は、特許異議申立書において、「本件明細書には、『長時間の再加熱で真空絶縁容器1全体が酸化促進層となってもよい。』と再加熱でなく1回の加熱(焼成)の場合が記載されており、本件第1発明と発明の詳細な説明の記載が対応しておらず、本件第1発明は特許法第36条第6項第1号の規定を満足していない。」(33ページ11?14行)と主張する。
しかしながら、上記(3)イに記載したとおり、「長時間の再加熱」は、「仮焼・焼成」(図2のst2)後に行われる「再加熱」(図2のst4)のことを意味しているのであって、1回の加熱(焼成)を長時間行うことを意味しているのではないから、申立人の主張を採用することはできない。

(イ)申立人は、特許異議申立書において、「本件第4発明は、『これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し』と特定しているが、発明の詳細な説明に記載された事項ではない。すなわち、本件第4発明は、再加熱し酸化促進層を設けた後、真空絶縁容器を製造することを特定している。」(33ページ17?21行)、「本件第4発明の再加熱・酸化促進層形成工程と真空絶縁容器製造工程は、発明の詳細な説明及び図に記載された工程と逆であり、本件第4発明は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていない。」(35ページ4?7行)と主張する。
しかしながら、本件発明4は、「再加熱」をすることによって、「酸化促進層を設けた真空絶縁容器」が製造されることを特定(すなわち、再加熱をした後に真空絶縁容器を製造するという時系列を特定したものではなく、「再加熱」をすることで「酸化促進層を設けた真空絶縁容器」を製造するという工程を特定)したものと解釈するのが自然であり、そのように解釈すれば、本件特許明細書の段落【0014】、【0015】及び図2の記載とも何らの不整合は認められないから、申立人の主張を採用することはできない。

イ 特許法第36条第4項第1号(実施可能要件について)について
申立人は、特許異議申立書において、「本件明細書等には、釉薬処理を施して真空絶縁容器を製造した後、再加熱して酸化促進層を形成することが開示されている(段落14)。しかしながら、当該再加熱工程では、アルミナ磁器に釉薬処理が施されているため、酸化促進層を形成することができない。よって、発明の詳細な説明は、当業者が本件第1?6発明を当業者が実施できる程度に記載されていない。」(35ページ9?15行)と主張する。
しかしながら、本件発明1?6には「釉薬処理」について何ら特定されていないことから、申立人の主張を採用することはできない。
(なお、本件特許明細書の段落【0014】には、「必要により釉薬処理を施し」と記載されているのみであり、釉薬処理は発明の必須の構成要件ではない。また、仮に釉薬処理を真空絶縁容器の一部に施したとしても、それ以外の面には再加熱によって酸化促進層が形成されると認められる。)

よって、申立理由4には理由がない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナ磁器よりなる筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器の両端開口部に封着された封着金具と、
前記真空絶縁容器に収納された接離自在の一対の接点とを有する真空バルブであって、
前記真空絶縁容器は、アルミナ磁器の基材層と、
前記基材層の内外周の表面に設けられた酸素結合を促進させた酸化促進層とで構成されていることを特徴とする真空バルブ。
【請求項2】
前記酸化促進層を開口部にいくほど絶縁厚さを厚くしたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
前記真空絶縁容器の外周に絶縁材料をモールドして絶縁層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項4】
所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、
これを再び加熱炉に搬入して再加熱し、
内外周の表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、
この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納することを特徴とする真空バルブの製造方法。
【請求項5】
所定形状に成形したアルミナを加熱炉に搬入して焼成し、
これを再び加熱炉に搬入して再加熱を複数回繰り返し、
表面に酸素結合を促進させた酸化促進層を設けた真空絶縁容器を製造し、
この真空絶縁容器に接離自在の一対の接点を収納することを特徴とする真空バルブの製造方法。
【請求項6】
前記再加熱を温度1250℃以上とすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の真空バルブの製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-06-13 
出願番号 特願2014-11101(P2014-11101)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (H01H)
P 1 651・ 536- YAA (H01H)
P 1 651・ 121- YAA (H01H)
P 1 651・ 537- YAA (H01H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 関 信之  
特許庁審判長 平田 信勝
特許庁審判官 藤田 和英
内田 博之
登録日 2018-05-25 
登録番号 特許第6343150号(P6343150)
権利者 株式会社東芝 東芝インフラシステムズ株式会社
発明の名称 真空バルブおよびその製造方法  
代理人 井上 正則  
代理人 井上 正則  
代理人 井上 正則  
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