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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1354577
審判番号 不服2017-15879  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-26 
確定日 2019-08-21 
事件の表示 特願2015-543295「電子デバイス、リソース表示方法、プログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月 5日国際公開、WO2015/027688、平成28年 3月10日国内公表、特表2016-507917〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年2月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年8月30日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成27年 5月26日 :手続補正書の提出
平成28年 7月28日付け:拒絶理由通知書
平成28年11月 1日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年 6月21日付け:拒絶査定
平成29年10月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年11月 6日付け:拒絶理由通知書(当審)
平成31年 2月 5日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
なお、A?Jについては、説明のために当審にて付したものである。(以下、「構成A」?「構成J」という。)
(本願発明)
「A1 HDMIインターフェース、S端子インターフェース、AVインターフェース、VGAインターフェース、DVIインターフェース、DPインターフェース及びUSBインターフェースの中の少なくとも一種と、
A2 TVインターフェースと、
A3 ネットワークインターフェースとを含む
A ハードウェアインターフェースと、
B 前記各ハードウェアインターフェースとそれぞれ電気的に接続された制御チップ、及び、
C 前記制御チップと電気的に接続されたディスプレイとを含み、
D 前記ハードウェアインターフェースには、それぞれ、同一の信号源を接続するか、或いは、互いに異なる信号源を接続し、各々の信号源は、前記ハードウェアインターフェースを用いて、少なくとも一種のアプリケーションリソースを提供し、
E 前記ネットワークインターフェースは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔サーバに接続し、
F 前記制御チップは、プロセッサ及びメモリを含み、
G 前記制御チップは、
G1 各ハードウェアインターフェースにより提供するアプリケーションリソースを以下のように複数の組に分け、ここで、各組のアプリケーションリソースが同じ操作階層を有し、
G2 前記TVインターフェースにより提供する全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け、
G3 前記HDMIインターフェース、前記S端子インターフェース、前記AVインターフェース、前記VGAインターフェース、前記DVIインターフェース、前記DPインターフェース及び前記USBインターフェースの中の少なくとも一種のインターフェースから提供する全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け、
G4 前記ネットワークインターフェースにより提供するタイプの異なる複数のアプリケーションソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分け、
G5 ここで、前記アプリケーションリソースのタイプは、テレビアプリケーションリソース、ローカル再生アプリケーションリソース、オンライン映画テレビアプリケーションリソース、ゲームアプリケーションリソース、イメージアプリケーションリソース、ミュージックアプリケーションリソース、システムアプリケーションリソースの中の少なくとも一種を含み、
H また、前記制御チップは、所定のレイアウトによって配列された幾つかのカードエリアを含むメインインターフェースの表示信号を生成し、ここで、一組のアプリケーションリソースが一つのカードエリアに対応し、アプリケーションリソースが存在しないハードウェアインターフェースが少なくとも一つのカードエリアに対応するように構成し、
I 前記ディスプレイは、前記表示信号に基づいて前記メインインターフェースを表示させる
J ことを特徴とする電子デバイス。」

第3 当審における拒絶の理由
平成30年11月6日付けで当審が通知した拒絶理由は、次のとおりのものである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項:1?12
・引用文献等:1?3

<引用文献等一覧>
1.国際公開第2009/088952号
2.特開2006-293321号公報
3.特開2010-273179号公報

第4 引用文献
(1)引用文献1の記載事項および引用発明
(1-1)引用文献1の記載事項
当審が通知した拒絶理由に、引用文献1として引用された国際公開第2009/088952号には、「ON SCREEN TELEVISION INPUT MANAGEMENT」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。
なお、括弧内は、当審で作成した仮訳であり、下線は、説明のために当審にて付したものである。

[0003] Television systems provide a set of connectors to receive multiple input sources. An input source can be a video cassette recorder (VCR) device, a digital versatile disk (DVD) device, a cable or satellite receiver or an audio amplifier. Connector types for receiving these input sources include composite connectors, S-Video connectors, component connectors, coaxial connectors, HDMI connectors and audio RCA connectors. Any of these connectors can be directly connected to an input source or connected indirectly to the television system through a switch. A switch allows multiple input sources to share a single connector on a television by multiplexing the input sources to a single connector.
(テレビシステムは、複数の入力源を受信するために一組のコネクタを提供する。入力源は、ビデオカセットレコーダ(VCR)装置、デジタルバーサタイルディスク(DVD)装置、ケーブル若しくは衛星受信機、又はオーディオ増幅器とすることができる。これらの入力源を受信するためのコネクタタイプは、コンポジットコネクタ、S-VIDEOコネクタ、コンポーネントコネクタ、同軸コネクタ、HDMIコネクタ、及び音声RCAコネクタを含むものである。これらのコネクタのいずれかが直接入力源に接続されるか、又はスイッチを介してテレビシステムに間接的に接続されることができる。スイッチは、複数の入力源が、単一のコネクタに入力源を多重化することによって、テレビ上の単一のコネクタを共有することを可能にする。)

[0026] Figure 1 is a diagram of one embodiment of a television system 103 that manages input sources. The figure depicts an example configuration with possible input sources that are each connected to a television system 103. The example television system 103 includes the television monitor and remote control 101 and is connected to a number of other devices including an audio amplifier 105, personal computer 107 and DVD player 109. One skilled in the art would understand that any number of additional devices could also be connected to the television system 103 or television monitor.
(図1は、入力源を管理するテレビシステム103の一実施形態の図である。この図は、各々がテレビシステム103に接続可能である入力源との構成例を示している。例示したテレビシステム103は、テレビモニタおよびリモコン101を含み、オーディオ増幅器105、パーソナルコンピュータ107、DVDプレーヤ109を含む多くの他の装置に接続されている。当業者は、任意の数の付加的な装置はまた、テレビジョンシステム103又はテレビモニタに接続されることもできることを理解するであろう。)

[0028] The television system 103 can be designed to accommodate any number of connections 111A-D. The television system 103 can also be configured to support any type of connections including coaxial, S-Video, component, analog audio, digital audio, (e.g., optical (TOSLINK)), HDMI, DVI, RGB, composite, universal serial bus (USB), RS-232 and similar connection types and signal communication mediums. An input source can be connected to the television system 103 through any of the connection types that it supports or through multiple connections types. The television system 103 can also be configured to communicate with any input source through wireless communication protocols such as Bluetooth, 802.11 b/g/n, infrared (IR), radio frequency (RF) or similar wireless technologies and mediums. Specific examples are discussed herein with particular connectors, communication protocols or communication mediums. However, one skilled in the art would understand that other connector types or combination of communications mediums and protocols could be utilized in analogous systems consistent with the principles, methods and system described herein.
(テレビシステム103は、接続111A-Dの任意の数に適応するように設計され得る。テレビシステム103は、また、同軸、S-VIDEO、コンポーネント、アナログオーディオ、デジタルオーディオ(例えば、光学(TOSLINK))、HDMI、DVI、RGB、コンポジット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、RS-232と同様の接続タイプ及び信号通信媒体を含む任意の接続タイプをサポートするように構成され得る。入力源は、それがサポートする接続タイプのいずれかを介して、または複数の接続タイプを介して、テレビシステム103に接続され得る。テレビシステム103は、また、ブルートゥース、802.11 b/g/n、赤外線(IR)、無線周波数(RF)又は同様の無線技術及び媒体などの無線通信プロトコルを介して任意の入力源と通信するように構成され得る。具体例は、特定のコネクタ、通信プロトコル又は通信媒体を用いて本明細書で説明される。しかしながら、当業者は、他のコネクタタイプや通信媒体及びプロトコルの組合せが本明細書に記載された原理、方法及びシステムと一致する類似のシステムにおいて利用され得ることを理解するだろう。)

[0030] The audio and video output of the television system can be driven by input sources or generated by the processor and software of the television system 103 itself. The television system 103 can also intermix the input sources with its own generated content. For example, the television system 103 can generate user interface menus (e.g., the on screen display (OSD) menu) to be displayed through the television monitor. The television system can utilize any number of input sources within the user interface (e.g., the OSD) to display the input sources to the user to assist in the decision making process of the user. For example, the television system 103 can embed each incoming video signal into a menu of the OSD to allow the user to select the input source that the user would like to see. The system 103 can also capture still images from the incoming video signal of the input sources. These still images can then be displayed for input source selection purposes.
(テレビシステムのオーディオおよびビデオ出力は、入力源によって駆動されるか、又はそれ自身のテレビシステム103のプロセッサおよびソフトウェアによって生成されることができる。テレビシステム103は、それ自体の生成されたコンテンツを入力源に混ぜることもできる。例えば、テレビシステム103は、テレビモニタを介して表示されるユーザインタフェースメニュー(例えば、オンスクリーンディスプレイ(OSD)メニュー)を生成することができる。テレビシステムは、ユーザの意思決定プロセスを支援するために、ユーザに入力源を表示するユーザインターフェース(例えば、OSD)内の任意の数の入力源を利用することができる。例えば、テレビシステム103は、ユーザが見たい入力源を選択することをユーザに可能にするために、OSDのメニュー内に各入力ビデオ信号を埋め込むことができる。また、システム103は、入力源の入力ビデオ信号から静止画像を取り込むこともできる。これらの静止画像は、入力源選択の目的のために表示することができる。)

[0034] Other devices such as the playback devices and gaming consoles, primarily supply an input video and audio signal to the television system 103 that can be selected for display. Some of these devices can be combined with one another or with the system 103. For example, a personal computer 107, DVD player 109 or gaming console may be combined with the television system 103 to share the same housing. Such combination television systems 103 may have components that share a printed circuit board and communicate their signals directly across such a board without the use of external connectors. Any type of communication medium or protocol can be used across a printed circuit board or similar medium (e.g., I2C).
(再生装置やゲーム機などのような他の装置は、主として、表示のために選択され得るテレビシステム103に対して入力ビデオ及びオーディオ信号を供給する。これらの装置のいくつかは、互いにまたはシステム103と組み合わせることができる。例えば、パーソナルコンピュータ107、DVDプレーヤ109又はゲーム機は、同一のハウジングを共有するために、テレビシステム103と組み合わされてもよい。このようなコンビネーションテレビシステム103は、プリント回路基板を共有し、外部コネクタを使用することなくそのような基板を直接横切って信号を通信する構成要素を有することができる。任意のタイプの通信媒体またはプロトコルは、プリント回路基板または同様の媒体を横切って使用され得る。(例えば、I2C)。)

[0037] Additional resources can be connected through networks such as local area networks (LANs), wide area networks (WANs), such as the Internet 213, or through similar types of networks. Additional devices that can then communicate directly or indirectly with the television system 103 can include remote computers 215, 217(e.g., websites), storage devices 219, network communication devices 221 and similar devices.
(追加のリソースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)など、インターネット213などのネットワークを介して、若しくは同様のタイプのネットワークを介して接続されることができる。そして、テレビシステム103と直接または間接的に通信することができる追加のデバイスは、遠隔コンピュータ215、217(例えば、ウェブサイト)、記憶装置219、ネットワーク通信装置221、そして同様の装置を含むことができる。)

[0039] Figure 3 is a diagram of one embodiment of an on screen display menu. The example display is a simplified illustration of the menu that the television system can generate and display to a user through the television monitor and may be referred to herein as the "on screen display system." Any lay out, number of navigation options, or control scheme can be provided that allows a user to identify an input source by a common name or description instead of through a connection type. The user interface can also provide navigation options that grant access to content that is generated or managed by the television system such as settings 301, video on demand (VOD) 311 and similar content.
(図3は、オンスクリーンディスプレイメニューの一実施形態の図である。例示されたディスプレイは、テレビシステムがテレビモニタを介してユーザに対して生成及び表示できるメニューの簡略図であり、本明細書では「オンスクリーンディスプレイシステム」と呼ぶことができる。ユーザが接続タイプの代わりに共通の名称や記述によって入力源を識別することを可能にする任意のレイアウト、ナビゲーションオプション、または制御スキームは提供されることができる。ユーザインタフェースはまた、設定301、ビデオオンデマンド(VOD)311や類似のコンテンツなどのようなテレビシステムによって生成されている若しくは管理されているコンテンツへのアクセスを許可するナビゲーションオプションを提供することができる。)

[0040] Some user interface options offer access to or control over other input sources For example, selection of a "PC Games" 307 or "Internet" 309 option may both invoke applications on an attached computer. However, the options like the "PC Games" 307 option may generate a further menu of available games hosted by an attached computer. Selection of one of those games will activate the appropriate program and switch the input to the computer. Similarly, selection of the "Internet" 309 can invoke a web browser on the attached computer and switch the input source to the computer.
(いくつかのユーザインタフェースオプションは、他の入力源へのアクセス又は制御を提供する。例えば、「PCゲーム」307又は「インターネット」309オプションの選択は、ともに、接続されたコンピュータ上のアプリケーションを呼び出すことができる。しかしながら、「PCゲーム」307オプションのようなオプションは、接続されたコンピュータによってホストされる利用可能なゲームの更なるメニューを生成することができる。これらのゲームのうちの1つの選択は、適切なプログラムを起動させ、コンピュータへの入力を切り替える。同様に、「インターネット」309の選択は、接続されたコンピュータ上でウェブブラウザを起動し、入力源をコンピュータに切り替えることができる。)

[0041] In one embodiment, the on screen display system displays the navigation options as simple icons that label each of the available input sources. The icons can be generated based on the availability of a signal on a particular connector, identification of the device that is connected by automatic signal sensing, communication with the attached device or through a similar system. The icons can also be graphical icons that represent the devices, input sources or content of the input sources, such as a DVD disc that represents a DVD player or an image from the movie on the DVD. The type and layout of the icons can be configured by the user or automatically selected. The icons can be stored within any component of the television system. Also, additional icons can be loaded into the system. The additional icons can be downloaded over a network such as the Internet or uploaded from an external storage device such as a consumer storage device through connections such as USB or similar connection. The icons can be configured or generated through a program running on a connected computing device.
(一実施形態では、オンスクリーンディスプレイシステムは、利用可能な入力源のそれぞれを標識する簡単なアイコンとしてナビゲーションオプションを表示する。アイコンは、特定のコネクタ上の信号の利用可能性、自動信号感知によって接続される装置の識別、付属装置と若しくは類似のシステムを介した通信に基づいて生成することができる。アイコンは、DVDプレーヤ又はDVD上の映画からの画像を表すDVDディスクなどのような、デバイス、入力源、又は入力源のコンテンツを表すグラフィカル・アイコンであってもよい。アイコンの種類及びレイアウトは、ユーザによって構成されるか、自動的に選択されることができる。アイコンは、テレビシステムの任意のコンポーネント内に格納されることができる。また、追加のアイコンは、システムにロードされることができる。追加のアイコンは、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードされるか、USB又は同様の接続のような接続を介して民生記憶装置などのような外部記憶装置からアップロードされることができる。アイコンは、接続されたコンピューティングデバイス上で動作するプログラムによって作成され、または、生成されることができる。)

[0055] If a user input is received that confirms a selection, then the on screen display system initiates an action to switch to the confirmed television input source (block 507). The on screen display menu can also display navigation options that alter settings, display modes or similar navigation options. Confirmation of one of these navigation options can alter the mode , update a setting or similarly alter the state of the television monitor or television system.
(選択を確認するユーザ入力が受信された場合、オンスクリーンディスプレイシステムは、確認されたテレビ入力源(ブロック507)に切り替わる動作を開始する。オンスクリーンディスプレイメニューは、設定、表示モードまたは同様のナビゲーションオプションを変更するナビゲーションオプションを表示することもできる。これらのナビゲーションオプションの1つの確認は、モードを変更し、設定を更新し、また、テレビモニタもしくはテレビシステムの状態を変更することが同様に可能である。

[0085] The input ports 803 can include any number or type of audio or video input ports. The input ports can include HDMI inputs, DVI inputs, Component inputs, S-video inputs, audio inputs including analog and digital (e.g., fiber optic) and similar input ports. These input ports 803 can be in direct or indirect communication with the processing device 801. For example, intermediate source selection or mixing components can be controlled by the processing device 801.
(入力ポート803は、任意の数又はタイプのオーディオ又はビデオ入力ポートを含むことができる。入力ポートは、HDMI入力、DVI入力、コンポーネント入力、S-VIDEO入力、アナログおよびデジタル(例えば、光ファイバ)を含むオーディオ入力、同様の入力ポートを含むことができる。これらの入力ポート803は、処理装置801と直接または間接的に通信することができる。例えば、中間ソース選択又はミキシングコンポーネントは、処理装置801によって制御されることができる。)

[0086] The processing device 801 generates and integrates the on screen display with the incoming signals to generate a set of output signals for the display device 805 and audio device 807. The processing device 801 controls the selection of input source and generates commands to the command or output interface 809 to control or interact with external device or pass input signals to those external device as described herein above. The processing device 801 can be a general purpose processor executing embedded software or locally stored software (e.g., in a read only memory (ROM), magnetic storage device, Flash device or similar storage device). In another embodiment, the processing device 801 is an application specific integrated circuit (ASIC) or similar processing device to implement the on screen display and related software as hardware or to execute it as firmware. The processing device 801 can be monolithic processing device or set of processing devices that execute different functions as described herein.
(処理装置801は表示装置805及びオーディオ装置807に対して1組の出力信号を生成するために入力信号とともにオンスクリーンディスプレイを生成しまとめる。処理装置801は、本明細書で上述したように外部装置を制御し相互作用する若しくは外部装置に対して入力信号をパスするために、入力源の選択を制御し、コマンド又は出力インターフェース809にコマンドを生成する。処理装置801は、組み込まれたソフトウェアまたはローカル(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気記憶装置、フラッシュ装置または類似の記憶装置)に格納されたソフトウェアを実行する汎用プロセッサであることができる。別の実施形態では、処理装置801は、オンスクリーンディスプレイおよびハードウェアとして関連ソフトウェアを実装するため、またはファームウェアとしてそれを実行するための特定用途向け集積回路(ASIC)又は類似の処理装置である。本明細書に記載されるように、処理装置801は、異なる機能を実行するモノリシック処理装置またはセットの処理装置とすることができる。)


(1-2)引用発明
上記記載、並びにこの分野における技術常識を考慮し、引用文献1に記載された発明(以下、「引用発明」という。)を以下で検討する。

(a)段落0026の記載から、引用文献1のテレビシステム103はパーソナルコンピュータ107と接続しているものであり、図1、図2の記載からもテレビシステム103とパーソナルコンピュータ107が、何らかの有線若しくは無線によって接続していることが見てとれる。
また、段落0034には、テレビシステム103とパーソナルコンピュータ107を組み合わせて同一のハウジングを共有し、プリント回路基板を共有するコンビネーションテレビシステム103が記載されている。
すなわち、テレビシステム103とパーソナルコンピュータ107の関係に関して、引用文献1には、パーソナルコンピュータ107が接続しているテレビシステム103の構成と、テレビシステム103とパーソナルコンピュータ107を組み合わせて同一のハウジングを共有し、プリント回路基板を共有するコンビネーションテレビシステム103の構成という2種類の構成が開示されている。

以下で、引用文献1について検討するにあたっては、テレビシステム103とパーソナルコンピュータ107の関係は、コンビネーションテレビシステム103であるとして検討する。
また、(b)以降において、引用文献1の構成とは、コンビネーションテレビシステム103を指すものとする。

(b)段落0003、0028、0085の記載から、引用文献1の構成は、HDMI、S-VIDEO、DVI、USB等の入力ポート(コネクタ)により入力源に接続されるものである。
また、段落0003、図1、図2の記載から、入力源として、DVD装置などがあり、DVD装置は、HDMI、DVI、S-VIDEOなどを介して接続されていることが見てとれる。

(c)段落0003の記載から、引用文献1の構成は、ケーブル若しくは衛星受信機から受信するためのコネクタを有するものである。

(d)段落0037の記載及び図2の217の「REMOTE COMPUTERS OR SERVERS」との記載から、引用文献1のコンピュータ107は、インターネットなどのネットワークを介して遠隔にあるサーバと接続されている。
上記(a)で検討したように、引用文献1の構成が、構成Bを指すものとする場合には、引用文献1の構成は、インターネットなどのネットワークを介して遠隔にあるサーバと接続されているものである。

(e)段落0085、0086の記載から、引用文献1の構成には、処理装置が含まれ、当該処理装置は、入力ポートと通信し、入力源の選択を制御する汎用プロセッサであり、記憶装置を含むものである。

(f)段落0086の記載から、引用文献1の構成に含まれる処理装置は、表示装置に対して出力信号を生成している。ここで、段落0030、0039の記載を併せると、表示装置はテレビモニタのディスプレイを指すものである。
すなわち、引用文献1の構成は、処理装置が生成する出力信号を受信するテレビモニタのディスプレイを含むものである。

(g)段落0086の記載から、引用文献1の構成に含まれる処理装置は、オンスクリーンディスプレイを生成している。
ここで、段落0030、0039、0041の記載から、オンスクリーンディスプレイは、テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューであり、利用可能な入力源のそれぞれを標識するアイコンとして表示されるものであり、アイコンのレイアウトは、ユーザによって構成されるか、自動的に選択されるものである。
また、段落0039、0040、図3の記載から、各アイコンは、形状が角丸四角形であり、角丸四角形内に「SETTING」、「DVD」、「TV」、「PC GAMES」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されている。

以上まとめると、引用文献1の構成に含まれる処理装置は、利用可能な入力源のそれぞれを標識するアイコンとしてテレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューを生成するものであり、前記アイコンのレイアウトは、ユーザによって構成されるか、自動的に選択されるものであり、各アイコンは、形状が角丸四角形であり、角丸四角形内に「SETTING」、「DVD」、「TV」、「PC GAMES」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されているものである。

(h)段落0039、0040には、テレビモニタのディスプレイを介してユーザに対して表示できるメニューにおいて、ビデオオンデマンド(VOD)311の選択によりコンテンツへのアクセスを許可し、インターネット309の選択によりアプリケーションを呼び出すことが記載されている。
そして、段落0055には、ユーザ入力により、入力源を切り替えることが記載されている。
したがって、図3における「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されているアイコンの選択により、入力源をインターネットやVODに切り替えるものといえる。
そうすると、図3における「DVD」303、「TV」305についても同様に、「DVD」、「TV」と表示されているアイコンの選択により、入力源をDVDやテレビに切り替えるものといえる。
以上をまとめると、引用文献1の構成は、「DVD」、「TV」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されているアイコンの選択により、入力源をDVD、TV、インターネット、VODに切り替えるものである。

(i)段落0040の記載から、引用文献1のコンピュータ107は、「INTERNET」を選択するとウェブブラウザを起動するものである。

(j)上記(a)?(i)より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。
なお、a?iについては、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成a」?「構成i」という。)

(引用発明)
「a HDMI、S-VIDEO、DVI、USB等の入力ポート(コネクタ)により入力源に接続され、ここで、入力源として、DVD装置などがあり、DVD装置は、HDMI、DVI、S-VIDEOなどを介して接続され
b ケーブル若しくは衛星受信機から受信するためのコネクタを有し、
c インターネットなどのネットワークを介して遠隔にあるサーバと接続され、
d 入力ポートと通信し、入力源の選択を制御する汎用プロセッサであり、記憶装置を含む処理装置を含み、
e 前記処理装置が生成する出力信号を受信するテレビモニタのディスプレイを含み、
f 前記処理装置は、利用可能な入力源のそれぞれを標識するアイコンとしてテレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューを生成するものであり、前記アイコンのレイアウトは、ユーザによって構成されるか、自動的に選択されるものであり、各アイコンは、形状が角丸四角形であり、角丸四角形内に「SETTING」、「DVD」、「TV」、「PC GAMES」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示され、
g 「DVD」、「TV」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されているアイコンの選択により、入力源をDVD、TV、インターネット、VODに切り替え、
h 「INTERNET」を選択するとウェブブラウザを起動し、
i テレビシステムとパーソナルコンピュータを組み合わせて同一のハウジングを共有し、プリント回路基板を共有したコンビネーションテレビシステム。」

(2)引用文献2の記載事項及び引用文献2技術について
(2-1)引用文献2の記載事項
当審が通知した拒絶理由に、引用文献2として引用された特開2006-293321号公報には、「表示装置信号源の選択方法」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。

【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置(例えば、デジタルテレビや投影機など)の信号源選択方法による選択メニューの構成図である。図2の選択メニュー210は、通常、OSDに表示され、図1の選択メニュー101と同じように十個の入力端子を有するものの、図2の選択メニュー201には、十個のウィンドウ(例えば、ウィンドウ202)が配置され、本実施形態の表示装置の十個の信号源の映像内容を表示する。識別しやすいために、選択メニュー210のウィンドウには、各信号源の名前も表示される。本発明において、信号源は、表示装置の入力端子であっても良く、図2に示すように、表示装置の受信できるチャネル(例えば、ケーブルテレビのチャネル)であっても良い。また、信号源からの映像信号の映像内容は、瞬間に取った静止画(即ち、スナップショット)であってもよく、リアルタイムに放送されている動画であってもよい。本実施形態において、選択メニュー201は、一つの画面で全ての信号源を表示し、各々のウィンドウは、一つの信号源からの映像信号の映像内容(図2には円形と三角形のアイコンで表示する)のみを表示する。
【0018】
図2の選択メニュー201は、信号源からの映像信号の映像内容を表示するのみならず、信号源の状態も表示し、例えば、第二のHDMIは接続されていない状態や複合端子に信号がない状態などを表示する。本実施形態において、信号源の状態は、信号のある状態(正常に再生できる)、信号のない状態(信号が受信されてない)、接続されていない状態(対応する入力端子が接続されていない)、接続故障状態(入力装置から入力端子までの接続故障)、入力装置故障状態、及びオン/オフ状態(後に述べる)である。


(2-2)引用文献2技術
上記(2-1)より、引用文献2には、「デジタルテレビの信号源の選択方法において、選択メニューは、信号源からの映像信号の映像内容を表示するのみならず、接続されていない状態(対応する入力端子が接続されていない)も表示する技術。」(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されている。

(3)引用文献3の記載事項及び引用文献3技術について
(3-1)引用文献3の記載事項
当審が通知した拒絶理由に、引用文献3として引用された特開2010-273179号公報には、「映像表示装置」(発明の名称)として図面とともに以下の事項が記載されている。

【0018】
本発明に係る映像表示装置は、映像信号を入力する外部入力端子を1又は複数もつ装置であり、以下、テレビ装置に適用した例のみを示すが、PC用の表示モニタなど他種の表示装置であっても適用できる。また、本発明に係る映像表示装置に具備される外部入力端子は、外部機器から映像パケット(又は映像パケット及び音声パケット)が入力できる端子であり、映像パケットの入力時にその外部機器の機種情報パケットも入力できる端子である。

【0048】
図7は、外部入力選択画面の表示の一例を示す図である。外部入力選択画面20は、リモコン9が有する入力切換ボタンが押下されることで、表示されていた映像を収縮して表示し直すことで、表示画面上の空いたスペースに表示される。外部入力選択画面20は、外部入力端子2の各入力端子が映像表示装置1のどこに設置されているかを示した入力端子位置の画像又は図形21と、映像表示装置1が有する入力端子の数だけ上下に並んだ各外部入力を示すアイコン群22と、アイコン群22上において上下に移動することで選択されているアイコンがどれであるかを表す外部入力選択フォーカス23からなる。
【0049】
図8は、外部入力選択画面に表示されるアイコンの一例を示す図である。アイコンは入力端子毎に生成され、接続されている外部機器を表す画像24と、接続状態管理テーブルに記憶された、接続された外部機器の各種情報を表示するボックス25と、上記した入力端子位置を示す画像又は図形21と対応させた入力端子を表す画像又は図形26からなる。

【0053】
図9は、接続経過時間により表示に変化を持たせた外部入力選択画面の表示の一例を示す図である。接続経過時間が短い外部入力のアイコン22aには新しい接続であることを示す図形20を、接続経過時間が長い外部入力のアイコン22bには外部機器の買い換えを進める図形21を表示する。この場合、図形20や図形21のような表示に用いる図形を、接続経過時間と対応付けて記憶部5に予め記憶しておく。

ここで、図7、9の入力4について見ると、接続されている外部機器を表す画像の代わりに「No image」と表示されており、「入力4:接続なし」との記載が見てとれる。すなわち、接続なしの場合も接続なしであることを表示するものである。

(3-2)引用文献3技術
上記(3-1)より、引用文献3には、「テレビ装置などの映像表示装置において、外部入力選択画面は、入力端子毎に生成されるアイコンに、接続されている外部機器を表示し、接続なしの場合も接続なしであることを表示する技術。」(以下、「引用文献3技術」という。)が記載されている。

第5 本願発明と引用発明の対比と、一致点・相違点の認定
(1)対比
(a)本願発明の構成A1と引用発明の構成aについて
構成aは、「HDMI、S-VIDEO、DVI、USB等の入力ポート(コネクタ)により入力源に接続され」ていることから、HDMI、S-VIDEO、DVI、USB等のインターフェースを含むものである。
そして、HDMI、S-VIDEO、DVI、USB等のインターフェースは、構成Aの「HDMIインターフェース、S端子インターフェース、AVインターフェース、VGAインターフェース、DVIインターフェース、DPインターフェース及びUSBインターフェースの中の少なくとも一種」に相当する。

(b)本願発明の構成A2と引用発明の構成bについて
構成bの「ケーブル若しくは衛星受信機」は、いずれもTVを視聴するための機器であり、これらから受信するためのコネクタは、構成A2の「TVインターフェース」に相当する。

(c)本願発明の構成A3と引用発明の構成cについて
構成cの「インターネットなどのネットワークを介して」「接続され」ることは、インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタを有しているものといえる。
そして、インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタは、構成A3の「ネットワークインターフェース」に相当する。

(d)本願発明の構成Aについて
上記(a)?(c)で検討したように、構成a?cは構成A1?A3に相当する。引用発明の構成a?cをインターフェースとしてまとめると、インターフェースとしてまとめた構成は、本願発明の構成A1と構成A2と構成A3とを含む構成Aである「ハードウェアインターフェース」に相当する。

(e)本願発明の構成Bと引用発明の構成b?dについて
構成dの「処理装置」は、「入力ポートと通信」するものであるし、構成bの「ケーブル若しくは衛星受信機」と通信するものである。
そして、引用発明は、構成iのように「テレビシステムとパーソナルコンピュータを組み合わせて同一のハウジングを共有し、プリント回路基板を共有したコンビネーションテレビシステム」であるから、構成dの「処理装置」は、構成cの「インターネットなどのネットワークを介して遠隔にあるサーバ」とも通信するものである。
ここで、通信するためには、電気的に接続されているものといえる。
さらに、プロセッサと記憶装置を1つのチップとすることは、一般的に行われており、プロセッサは「入力源の選択を制御する」ものであるから、構成dの「入力源の選択を制御する汎用プロセッサであり、記憶装置を含む処理装置」は、構成Bの「制御チップ」に相当する。
そうすると、構成dの「入力ポートと通信し、入力源の選択を制御する汎用プロセッサであり、記憶装置を含む処理装置」は、構成Bの「前記各ハードウェアインターフェースとそれぞれ電気的に接続された制御チップ」に相当する。

(f)本願発明の構成Cと引用発明の構成eについて
上記(e)で検討したように、構成eの「処理装置」は、構成Cの「制御チップ」に相当する。
また、構成eの「テレビモニタのディスプレイ」は、構成Cの「ディスプレイ」に相当する。
ここで、構成eは「処理装置が生成する出力信号を受信するテレビモニタのディスプレイ」であるから、処理装置とテレビモニタのディスプレイが、電気的に接続されているものといえる。

したがって、構成eは、構成Cに相当する。

(g)本願発明の構成Dと引用発明の構成a?cについて
構成aより「DVD装置は、HDMI、DVI、S-VIDEOなどを介して接続され」、構成bより「ケーブル若しくは衛星受信機」はコネクタに接続され、構成cより「遠隔にあるサーバ」は、「インターネットなどのネットワークを介して」接続されており、上記(c)で検討したように、ネットワークと接続するためのコネクタを有しているものである。
そうすると、引用発明のコネクタは、DVD装置、ケーブル若しくは衛星受信機、遠隔にあるサーバを接続するものといえる。

上記(a)?(d)で検討したように、引用発明の構成a?cをインターフェースとしてまとめると、本願発明の構成A1と構成A2と構成A3とを含む構成Aである「ハードウェアインターフェース」に相当する。
また、引用発明の「DVD装置」、「ケーブル若しくは衛星受信機」、「遠隔にあるサーバ」は、いずれも構成Dの「信号源」に相当する。
したがって、引用発明は、構成Dの「前記ハードウェアインターフェースには、それぞれ、同一の信号源を接続するか、或いは、互いに異なる信号源を接続」する構成に相当する構成を有している。

そして、引用発明の「DVD装置」はDVDのようなローカル再生されるアプリケーションリソースを提供し、「ケーブル若しくは衛星受信機」は、TVに関連するアプリケーションリソースを提供し、「遠隔にあるサーバ」は、インターネットを介してアプリケーションリソースを提供するものといえる。
したがって、引用発明の「DVD装置」、「ケーブル若しくは衛星受信機」、「遠隔にあるサーバ」は、それぞれ、コネクタを介して、アプリケーションリソースを提供するものである。
したがって、引用発明は、構成Dの「各々の信号源は、前記ハードウェアインターフェースを用いて、少なくとも一種のアプリケーションリソースを提供」する構成に相当する構成を有している。

よって、構成a?cより、引用発明は、構成Dに相当する構成を有している。

(h)本願発明の構成Eと引用発明の構成c、g、hについて
上記(c)、(g)で検討したように、構成cの「遠隔にあるサーバ」は、インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタを介してアプリケーションリソースを提供するものといえる。
ここで、構成gの「VOD」は、通常インターネットを介して受信されるものであるから、遠隔にあるサーバに接続するものであり、遠隔にあるサーバは、VODというアプリケーションリソースを提供するものといえる。
また、構成hにおいて「インターネットを選択するとウェブブラウザを起動」する場合も遠隔にあるサーバに接続するものであり、インターネットを選択すると、遠隔にあるサーバは、ウェブブラウザに表示するアプリケーションリソースを提供するものといえる。
そして、VODというアプリケーションリソースとウェブブラウザに表示するアプリケーションリソースはアプリケーションリソースのタイプの異なるものといえ、複数のアプリケーションリソースが提供されるものといえる。
そうすると、引用発明のインターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔にあるサーバに接続しているものである。

よって、構成c、g、hより、引用発明は、構成Eに相当する構成を有している。

(i)本願発明の構成Fと引用発明の構成dについて
構成dの「処理装置」は、「汎用プロセッサであり、記憶装置を含む」ものであるから、構成Fの「前記制御チップは、プロセッサ及びメモリを含」むものに相当する。

(j)本願発明の構成G2と引用発明の構成b、f、gについて
上記(g)で検討したように、構成bの「ケーブル若しくは衛星受信機」は、TVに関連するアプリケーションリソースを提供するものといえる。
そして、構成f、gより、テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューにおける「TV」と表示されている1つのアイコンの選択によりTVに切り替えられることから、引用発明の処理装置は、ケーブル若しくは衛星受信機からのTVに関連するアプリケーションリソースを1組にまとめて、「TV」と表示されている1つのアイコンを表示するものといえる。
したがって、構成b、f、gより、引用発明の処理装置は、『ケーブル若しくは衛星受信機から受信するためのコネクタから提供されるTVに関連するアプリケーションリソースを、1組にまとめている』ものといえる。

構成bの「ケーブル若しくは衛星受信機から受信するためのコネクタ」は、構成G2の「TVインターフェース」に相当する。
また、『TVに関連するアプリケーションリソースを、1組にまとめている』ことは、構成G2の「全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け」ることに相当する。

よって、構成b、f、gより、引用発明は、構成G2に相当する構成を有している。

(k)本願発明の構成G3と引用発明の構成a、f、gについて
構成aより、「DVD装置は、HDMI、DVI、S-VIDEOなどを介して接続され」ており、HDMI、DVI、S-VIDEOなどから、DVDに関連するアプリケーションリソースが提供されているといえる。
そして、構成f、gより、テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューにおける「DVD」と表示されている1つのアイコンの選択によりDVDに切り替えられることから、引用発明の処理装置は、DVD装置からのDVDに関連するアプリケーションリソースを1組にまとめて、「DVD」と表示されている1つのアイコンを表示するものといえる。
したがって、構成a、f、gより、引用発明の処理装置は、『HDMI、DVI、S-VIDEOなどから提供されるDVDに関連するアプリケーションリソースを、1組にまとめている』ものといえる。

構成aはHDMI、DVI、S-VIDEO等のコネクタにより接続されているものであり、HDMI、DVI、S-VIDEO等のコネクタは、構成G3の「前記HDMIインターフェース、前記S端子インターフェース、前記AVインターフェース、前記VGAインターフェース、前記DVIインターフェース、前記DPインターフェース及び前記USBインターフェースの中の少なくとも一種のインターフェース」に相当する。
また、『DVDに関連するアプリケーションリソースを、1組にまとめている』ことは、構成G3の「全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け」ることに相当する。

よって、構成a、f、gより、引用発明は、構成G3に相当する構成を有している。

(l)本願発明の構成G4と引用発明の構成c、f、g、hについて
上記(h)で検討したように、構成c、g、hより、引用発明のインターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタは、タイプが異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔にあるサーバに接続しているものである。
構成f、gより、テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューにおいては、「VIDEO ON DEMAND」のアイコンは、「INTERNET」とは別のアイコンで表示されている。
そうすると、引用発明の処理装置は、インターネットなどのネットワークを介して提供されるアプリケーションリソースを、VODとウエブブラウザの起動に分けて、「VIDEO ON DEMAND」と表示されているアイコンと「INTERNET」と表示されているアイコンとを表示するものといえる。
そして、上記(h)で検討したように、VODというアプリケーションリソースとウェブブラウザに表示するアプリケーションリソースはアプリケーションリソースのタイプの異なるものといえる。

したがって、構成c、f、g、hより、引用発明の処理装置は、『インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタから提供されるアプリケーションリソースを、タイプに応じて分けている』ものといえる。

ここで、『インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタ』は、構成G4の「前記ネットワークインターフェース」に相当する。
また、『アプリケーションリソースを、タイプに応じて分けている』ことは、構成G4の「タイプの異なる複数のアプリケーションソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分け」ることに相当する。

よって、構成c、f、g、hより、引用発明は、構成G4に相当する構成を有している。

(m)本願発明の構成G5と引用発明の構成c、f、gについて
上記(g)で検討したように、引用発明の「DVD装置」はDVDのようなローカル再生されるアプリケーションリソースを提供し、「ケーブル若しくは衛星受信機」は、TVに関連するアプリケーションリソースを提供している。
したがって、引用発明は、構成G5のような「前記アプリケーションリソースのタイプは、テレビアプリケーションリソース、ローカル再生アプリケーションリソース、オンライン映画テレビアプリケーションリソース、ゲームアプリケーションリソース、イメージアプリケーションリソース、ミュージックアプリケーションリソース、システムアプリケーションリソースの中の少なくとも一種を含」む構成に相当する構成を有するものである。

(n)本願発明の構成G1について
上記(j)?(m)で検討したように、引用発明は、本願発明の構成G2?G5に相当する構成を有するものである。
また、上記(d)で検討したように、引用発明は、構成Aの「ハードウェアインターフェース」に相当する構成を有するものである。

そうすると、引用発明の処理装置は、TVに関連するアプリケーションリソース及びDVDに関連するアプリケーションリソースを、それぞれ1組にまとめ、インターネットから提供されるアプリケーションリソースを、タイプに応じて分けていることから、構成G1の「各ハードウェアインターフェースにより提供するアプリケーションリソースを以下のように(G2?G4のように)複数の組に分け」ている構成を有するものである。

また、構成f、gより、「DVD」、「TV」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されている各アイコンの選択によりDVD、TV、INTERNET、VIDEO ON DEMANDに切り替えられることから、DVD、TV、INTERNET、VIDEO ON DEMANDの切り替えは、それぞれが同じ階層から操作されるといえる。

そうすると、引用発明は、構成G1の「各組のアプリケーションリソースが同じ操作階層を有」する構成を有するものである。

よって、引用発明は、構成G1に相当する構成を有するものである。

(o)本願発明の構成Gについて
上記(j)?(n)で検討したように、引用発明は、本願発明の構成G1?G5に相当する構成を有するものであり、それぞれの構成は、処理装置が行う構成である。
そして、「処理装置」は、構成Gの「制御チップ」に相当する。
したがって、引用発明は、構成Gに相当する構成を有するものである。

(p)本願発明の構成Hと引用発明の構成fについて
構成fにおいて、「処理装置は、」「テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインターフェースメニューを生成する」ものであり、処理装置で生成したユーザインターフェースメニューがテレビモニタのディスプレイに表示される。
ここで、ユーザインターフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示するために、処理装置が、ユーザインターフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を生成し、当該信号をテレビモニタのディスプレイに送信することは明らかである。

そうすると、構成fの「前記処理装置は、」「テレビモニタのディスプレイに表示されるユーザインタフェースメニューを生成する」ことにより、『前記処理装置は、ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を生成する』ものといえる。
そして、構成fの「処理装置」、「ユーザインターフェースメニュー」は、それぞれ、構成Hの「制御チップ」、「メインインターフェース」に相当する。
また、『ユーザインターフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号』は、構成Hの「表示信号」に相当する。

したがって、『前記処理装置は、ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を生成する』ことは、構成Hの「前記制御チップは、」「メインインターフェースの表示信号を生成」することに相当する。

構成fの「ユーザインターフェースメニュー」の「アイコン」は、複数(「SETTING」、「DVD」、「TV」、「PC GAMES」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」)であり、形状が角丸四角形であるから、構成Hの「幾つかのカードエリア」に相当する。
また、アイコンのレイアウトは、「ユーザによって構成されるか、自動的に選択される」ものであるから、構成fの「ユーザインターフェースメニュー」の「アイコン」は、構成Hの「所定のレイアウトによって配列された」ものに相当する。

そして、上記(j)?(l)で検討したように、引用発明は、TVに関連するアプリケーションリソースを1組にまとめ、DVDに関連するアプリケーションリソースを1組にまとめ、インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタから提供されるアプリケーションリソースを、タイプに応じて分けているものであり、それぞれを、「TV」、「DVD」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」というアイコンで表示しているものであるから、構成Hのように「一組のアプリケーションリソースが一つのカードエリアに対応」するものといえる。

以上より、構成fは、構成Hの「前記制御チップは、所定のレイアウトによって配列された幾つかのカードエリアを含むメインインターフェースの表示信号を生成し、ここで、一組のアプリケーションリソースが一つのカードエリアに対応」する構成に相当する。

しかし、引用発明の「アイコン」は、構成fのように、「利用可能な入力源のそれぞれを標識するアイコン」であり、本願発明のように、「アプリケーションリソースが存在しないハードウェアインターフェースが少なくとも一つのカードエリアに対応するように構成」するものではない。

(q)本願発明の構成Iと引用発明の構成e、fについて
上記(p)で検討したように、構成fは、『前記処理装置は、ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を生成し、当該信号をテレビモニタのディスプレイに送信する』ものといえる。

そうすると、構成eと構成fより、引用発明は、『テレビモニタのディスプレイは、ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を受信して、ユーザインターフェースメニューを表示させる』ものであるといえる。

ここで、『テレビモニタのディスプレイ』は、構成Iの「ディスプレイ」に相当し、『ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号』は、構成Iの「表示信号」に相当し、『ユーザインターフェースメニュー』は、構成Iの「メインインターフェース」に相当する。

したがって、『テレビモニタのディスプレイは、ユーザインタフェースメニューをテレビモニタのディスプレイに表示させるための信号を受信して、ユーザインターフェースメニューを表示させる』ことは、構成Iの「前記ディスプレイは、前記表示信号に基づいて前記メインインターフェースを表示させる」ことに相当する。

(r)本願発明の構成Jと引用発明の構成iについて
本願明細書の段落0029の「当該電子デバイスは、テレビ、モニター、一体型パソコン、或いは、ディスプレイプラットフォーム、等であってもよい。」、段落0034の「本実施例においては、当該電子デバイスが一つのスマートテレビである例を挙げて、説明する。」等の記載からみて、構成iは、構成Jの「電子デバイス」に相当する。

(2)一致点・相違点
以上をまとめると、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)
「A1 HDMIインターフェース、S端子インターフェース、AVインターフェース、VGAインターフェース、DVIインターフェース、DPインターフェース及びUSBインターフェースの中の少なくとも一種と、
A2 TVインターフェースと、
A3 ネットワークインターフェースとを含む
A ハードウェアインターフェースと、
B 前記各ハードウェアインターフェースとそれぞれ電気的に接続された制御チップ、及び、
C 前記制御チップと電気的に接続されたディスプレイとを含み、
D 前記ハードウェアインターフェースには、それぞれ、同一の信号源を接続するか、或いは、互いに異なる信号源を接続し、各々の信号源は、前記ハードウェアインターフェースを用いて、少なくとも一種のアプリケーションリソースを提供し、
E 前記ネットワークインターフェースは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔サーバに接続し、
F 前記制御チップは、プロセッサ及びメモリを含み、
G 前記制御チップは、
G1 各ハードウェアインターフェースにより提供するアプリケーションリソースを以下のように複数の組に分け、ここで、各組のアプリケーションリソースが同じ操作階層を有し、
G2 前記TVインターフェースにより提供する全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け、
G3 前記HDMIインターフェース、前記S端子インターフェース、前記AVインターフェース、前記VGAインターフェース、前記DVIインターフェース、前記DPインターフェース及び前記USBインターフェースの中の少なくとも一種のインターフェースから提供する全てのアプリケーションリソースを、一組のアプリケーションリソースに分け、
G4 前記ネットワークインターフェースにより提供するタイプの異なる複数のアプリケーションソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分け、
G5 ここで、前記アプリケーションリソースのタイプは、テレビアプリケーションリソース、ローカル再生アプリケーションリソース、オンライン映画テレビアプリケーションリソース、ゲームアプリケーションリソース、イメージアプリケーションリソース、ミュージックアプリケーションリソース、システムアプリケーションリソースの中の少なくとも一種を含み、
H’また、前記制御チップは、所定のレイアウトによって配列された幾つかのカードエリアを含むメインインターフェースの表示信号を生成し、ここで、一組のアプリケーションリソースが一つのカードエリアに対応するように構成し、
I 前記ディスプレイは、前記表示信号に基づいて前記メインインターフェースを表示させる
J ことを特徴とする電子デバイス。」

(相違点)
本願発明は、「アプリケーションリソースが存在しないハードウェアインターフェースが少なくとも一つのカードエリアに対応するように構成」するのに対し、引用発明は、そのような構成を有していない点。

第6 判断
(1)相違点について
引用文献2技術や引用文献3技術のように、テレビ装置などの映像表示装置において、入力端子に何も接続されていない場合でも、何も接続されていない旨の表示をする技術は、周知技術である。
そして、引用発明の「アイコン」は、構成fのように、「利用可能な入力源のそれぞれを標識するアイコン」であるが、利用可能な入力源だけでなく、上記周知技術を利用して、入力端子に何も接続されていない場合でも、何も接続されていない旨の表示を行い、本願発明のように「アプリケーションリソースが存在しないハードウェアインターフェースが少なくとも一つのカードエリアに対応するように構成」することは、当業者が容易に想到し得ることである。

(2)効果について
本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

(3)請求人の主張について
(3-1)意見書における請求人の主張
請求人は、平成31年2月5日付けの意見書において、以下の主張をしている。
「(1)補正後の請求項1における少なくとも以下の技術的特徴は、引用文献1?3に開示乃至示唆されておりません。
技術的特徴(a)「前記ネットワークインターフェースは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔サーバに接続する」こと
技術的特徴(b)「各組のアプリケーションリソースが同じ操作階層を有する」こと、
及び
技術的特徴(c)「前記ネットワークインターフェースにより提供するタイプの異なる複数のアプリケーションリソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分ける」ことです。
(2)先ず、技術的特徴(a)に対して検討します。「ネットワーク」に関しては、引用文献1に『「インターネット」309を選択すると、接続されているコンピュータでWebブラウザを起動(invoke)して、入力ソースをコンピュータに切り替えることができる』(段落【0040】)ことのみが記載されています。このことから分かるように、引用文献1において、「インターネット」とマークされたカードエリア309は、コンピュータのWebブラウザを起動(invoke)するものとして機能します。明らかに、引用文献1には本願発明の「前記ネットワークインターフェースは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔サーバに接続する」という技術的特徴を開示乃至示唆しません。
(3)次に、技術的特徴(c)に対して検討します。本願発明は、電子デバイス(例えば、TV)に接続する遠隔サーバが提供するタイプの異なる複数のアプリケーションリソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分けます。一方、引用文献1にはコンピュータのWebブラウザを起動(invoke)することのみを記載していますが、本願発明のような「遠隔サーバが提供するタイプの異なる複数のアプリケーションリソースを複数の組に分ける」ことと「タイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分ける」こととを開示しません。そのため、引用文献1も上記技術的特徴(c)を開示乃至示唆しません。
(4)また、技術的特徴(b)に対して検討します。本願発明は、スマートテレビの分野において、ユーザーはテレビとネットワークのリソースのみを使用することが多く、他のインターフェースが提供するアプリケーションリソースを無視することがよくあり、こんなヘルパーアプリケーションをよく使用しないか、或いは、完全に使用しないため、こんなヘルパーアプリケーションの使用率が非常に低いという課題に注目します。
従来において、入力ソースのみ又はアプリケーションリソースのタイプのみに対して複数の組を分けますので、上記課題を解決することができません。これに対して、上記課題を解決するために、本願発明は、入力ソースとアプリケーションリソースのタイプとの間の境界を破り、使用頻度の高いTVインターフェースから提供するアプリケーションリソースを一組のアプリケーションリソースに分け、使用頻度の高いネットワークインターフェースにより提供するタイプの異なる複数のアプリケーションリソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分け、使用頻度の低い他のすべてのインタフェースから提供されるすべてのアプリケーションリソースを一組のアプリケーションリソースに分け、ここで、各組が同じ操作階層を有します。一方、引用文献1において、アプリケーションリソースのタイプのみに対して複数の組を分け、本願発明のような「入力ソースとアプリケーションリソースのタイプとの間の境界を破る」技術思想を記載しません。
そのため、引用文献1も上記技術的特徴(b)を開示乃至示唆しません。」

以上の主張より、請求人は、技術的特徴(a)?(c)は、引用文献1?3に開示乃至示唆されていないことを主張しているので、各技術的特徴について以下で検討する。

(3-2)技術的特徴(a)について
上記第5(1)(h)で検討したように、引用発明のネットワークと接続するためのコネクタは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔にあるサーバに接続しているものである。
したがって、引用発明は、請求人が技術的特徴(a)としている「前記ネットワークインターフェースは、タイプの異なる複数のアプリケーションリソースを提供する遠隔サーバに接続する」構成に相当する構成を有しているものである。

(3-3)技術的特徴(b)について
上記第5(1)(n)で検討したように、引用発明は、「DVD」、「TV」、「INTERNET」、「VIDEO ON DEMAND」と表示されている各アイコンの選択によりDVD、TV、INTERNET、VIDEO ON DEMANDに切り替えることから、DVD、TV、INTERNET、VIDEO ON DEMANDの切り替えは、それぞれが同じ階層から操作されるといえる。
したがって、引用発明は、請求人が技術的特徴(b)としている「各組のアプリケーションリソースが同じ操作階層を有する」構成に相当する構成を有しているものである。

(3-4)技術的特徴(c)について
上記第5(1)(l)で検討したように、引用発明の処理装置は、インターネットなどのネットワークと接続するためのコネクタから提供されるアプリケーションリソースを、タイプに応じて分けているといえる。
したがって、引用発明は、請求人が技術的特徴(c)としている「前記ネットワークインターフェースにより提供するタイプの異なる複数のアプリケーションリソースをタイプの種類ごとに複数の組のアプリケーションリソースに分ける」構成に相当する構成を有しているものである。

(3-5)小括
上記(3-2)?(3-4)より、請求人の主張はいずれも理由がないものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2、3に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-03-26 
結審通知日 2019-03-27 
審決日 2019-04-10 
出願番号 特願2015-543295(P2015-543295)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長谷川 素直  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 坂東 大五郎
渡辺 努
発明の名称 電子デバイス、リソース表示方法、プログラム及び記録媒体  
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所  

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