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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09G
管理番号 1354634
審判番号 不服2018-8947  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-28 
確定日 2019-08-22 
事件の表示 特願2014- 91522「情報処理装置および情報処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月24日出願公開、特開2015-210368〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年4月25日の出願であって、平成29年12月18日付けの拒絶理由通知に対して平成30年2日22日付けで手続補正がなされたが、平成30年3月30日付けで拒絶査定がなされ(謄本発送日 平成30年4月3日)、これに対し、平成30年6月28日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、当審における平成31年3月20日付けの拒絶理由通知に対して、令和元年5月22日付けで手続補正がなされ、同日付けで意見書の提出がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし5に係る発明は、令和元年5月22日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】
画像信号に基づく画像を表示する表示部と、
画像信号を出力する外部機器が接続されて、画像信号が入力される複数の入力ポートと、
前記複数の入力ポートのいずれかに外部機器が接続されて画像信号が入力されたとき、該画像信号が入力された入力ポートを検出する入力ポート検出部と、
前記入力ポート検出部によって複数の入力ポートが検出されたとき、該複数の入力ポートのうちの、任意の1つの入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を、前記表示部に表示させる第1表示制御部と、
前記表示部に表示された、前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を切替えるための切替指示が入力される切替指示入力部と、
前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像が前記表示部に表示されているときに、前記入力ポート検出部によって検出された複数の入力ポートに入力された各画像信号に基づく画像の縮小画像を、各入力ポートに対応付けてそれぞれ生成する縮小画像生成部と、
前記縮小画像生成部によって生成された、前記外部機器が接続可能な入力ポートに対応する縮小画像を、表示部に並べて表示させる第2表示制御部と、
前記表示部に表示された各縮小画像のうちの1つの縮小画像を選択する指示が入力される選択指示入力部と、
前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、他の操作を介さずに、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させ、かつ、前記縮小画像を非表示とする第3表示制御部と、を含むことを特徴とする情報処理装置。」

第3 当審の拒絶理由の概要
当審において平成31年3月20日付けで通知した拒絶理由は、次のとおりのものである。
本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.特開2001-215934号公報
引用文献2.特開2008-216660号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載
引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付したものである。以下同じ)。
引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0002】
【従来の技術】従来、複数の映像信号を入力して、1つの映像信号を出力する映像表示装置としては、メカ的または電気的なスイッチにより、この入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力するものが知られている。」

「【0006】また、上記従来の映像装置では、入力された複数の映像信号から1つを選択して表示するために、選択した1つの映像しか表示することができず、他にどのような映像ソースが入力されているかが判らず不便であった。」

「【0008】本発明は、この点に着目してなされたものであり、入力されている映像ソースの内容を容易に確認することができるとともに、映像を乱さずにすぐに表示映像を切り換えることができる映像表示装置、その制御方法および記憶媒体を提供することを第1の目的とする。」

「【0071】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る映像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0072】同図において、アナログ映像信号を入力するための複数の入力端子1は直接に、コンポジット信号などのビデオ信号を入力するための複数の入力端子2は、この複数の入力端子2からそれぞれ入力される映像信号のいずれかを選択して出力するためのセレクタ3およびデコーダ4を介して、入力端子1から入力される映像信号とデコーダ4から出力される信号のうち、いずれかの信号を選択して出力するためのセレクタ5に接続されている。
【0073】セレクタ5の出力側は、A/D変換器6を介して、セレクタ7に接続され、セレクタ7の出力側は、信号処理部8に接続されている。
【0074】信号処理部8には、メモリ9、D/A変換器10およびタイミング制御部14が接続されている。そして、D/A変換器10の出力側は、たとえばLCD(liquid crystal display)からなる表示器11に接続されている。」

「【0076】CPU16には、画像選択部17が接続されている。PC(パーソナルコンピュータ)等から出力されたアナログ映像信号および同期信号HDおよびVDは、アナログ入力端子1を介して入力される。」

「【0078】入力端子1,2から入力される複数の映像信号のいずれか1つが、セレクタ3および5の組合わせによって選択され、この選択された映像信号が、A/D変換器6によりディジタル信号に変換された後に、信号処理部8に入力される。」

「【0080】信号処理部8は、コントラストおよびブライト等の調整や、マルチスキャン処理に伴う画像の拡大/縮小などの処理を行う。
【0081】メモリ9は、上記信号処理のためのバッファメモリとして使用される。
【0082】信号処理部8からの出力信号は、D/A変換器10によりアナログ信号に変換され、表示器11を駆動する。」

「【0084】画像選択部17は、リモコンや外部SW(ともに図示せず)により入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)や確認表示の設定を行う。」

「【0086】図2は、本実施の形態の映像表示装置、特にCPU16が実行する副画面表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0087】同図において、まず、入力ソース確認開始信号が入力されると、処理中の1フレーム分の信号を処理してフレームメモリに書き込んだ後に、メモリへの書込みを停止する(ステップS1→S2)。ここで、メモリからの映像信号の読み出しおよび表示器11への表示は継続される。
【0088】次に、セレクタ3,5を切り換えて異なる映像信号を選択する(ステップS3)。」

「【0090】次に、選択した画像の表示位置および画面の縮小率を決定し(ステップS6)、対応したメモリアドレスにデータを書き込む(ステップS7)。
【0091】以上の処理(ステップS1?S7)を映像入力の数だけ繰り返すことにより(ステップS8)、一覧表示画像を得る。
【0092】なお、本副画面表示処理は、入力ソース確認用のスイッチ(図示せず)が操作されたときにだけ実行されるようにしてもよいし、一定期間毎に繰り返し実行されるようにしてもよい。」

「【0095】図3は、上記副画面表示処理により表示された入力ソース確認画面の一例を示す図である。
【0096】同図において、(a)は、主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示した場合を示し、(b)は、画面を分割して、主画面11eおよび副画面11f?11hをともに同一サイズで表示した場合を示し、(c)は、主画面11i上に、複数の副画面11j?11lを子画面として表示した場合を示している。」


図2より、ステップS7では、選択した入力画像を縮小して、フレームメモリの表示位置に対応するアドレスに書込むこと、ステップS8では、次の映像入力を検出していることが見て取れる。

したがって、上記引用文献1に記載された事項、図面の記載を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所である)。
「入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力する、複数の映像信号を入力して、1つの映像信号を出力する映像表示装置であって(【0002】)、
アナログ映像信号を入力するための複数の入力端子1は直接に、ビデオ信号を入力するための複数の入力端子2は、セレクタ3およびデコーダ4を介して、セレクタ5に接続され(【0072】)、
セレクタ5の出力側は、信号処理部8に接続され(【0073】)、
信号処理部8には、メモリ9、D/A変換器10が接続され、
D/A変換器10の出力側は、表示器11に接続されている映像表示装置において(【0071】、【0074】)、
入力端子1,2から入力される複数の映像信号のいずれか1つが、セレクタ3および5の組合わせによって選択され、信号処理部8に入力され(【0078】)、
信号処理部8は、画像の拡大/縮小などの処理を行い(【0080】)、
メモリ9は、上記信号処理のためのバッファメモリとして使用され(【0081】)、
信号処理部8からの出力信号は、D/A変換器10によりアナログ信号に変換され、表示器11を駆動し(【0082】)、
画像選択部17は、リモコンや外部SWにより入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)や確認表示の設定を行い(【0084】)、
CPU16には、画像選択部17が接続されており(【0076】)、
CPU16が実行する副画面表示処理は(【0086】)、
入力ソース確認用のスイッチが操作され(【0092】)、画像選択部17が確認表示の設定を行って(【0084】)、入力ソース確認開始信号が入力されると、
処理中の1フレーム分の信号を処理してフレームメモリに書き込んだ後に、メモリへの書込みを停止する、ただし、メモリからの映像信号の読み出しおよび表示器11への表示は継続され(【0087】)、
次に、セレクタ3,5を切り換えて異なる映像信号を選択し(【0088】)、
次に、選択した画像の表示位置および画面の縮小率を決定し、選択した入力画像を縮小して、フレームメモリの表示位置に対応するアドレスに書込み(【0090】、図2)、
以上の処理を、映像入力を検出しながら、映像入力の数だけ繰り返すことにより、一覧表示画像を得て(【0091】、図2)、
主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面を表示するものであり(【0095】、【0096】)、
画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行い(【0084】)、入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力する映像表示装置(【0002】)。」

2 引用文献2の記載
引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。
「【0014】・・・本実施例では、操作画面(OSD画面)として、「カメラ選択」「カメラ制御」「画面切替」の3つのモードを有する。・・・また、各操作画面が表示されている状態で所定時間(数秒間)ユーザから何も操作がない場合、操作画面は非表示となり、カメラ画像31のみを表示する状態となる。」

「【0015】・・・図4は、カメラ選択モードの表示画面の例を示す図である。 図4(a)は全体の表示画面で、グループ選択41とカメラ選択42を表示している。」

「【0016】
カメラ選択42では、カメラボタンを押すことで所望のカメラを選択する。・・・カメラ選択を行うと、受信部11は選択されたカメラからの画像信号を選択してカメラ画像31に表示する。」

「【0019】
図4(c)は、図4(a)のカメラ選択ボタン42を拡大して示したものである。ここには各カメラの付加情報46を表示しており、・・・付加情報46には、・・・サムネイル画像48などを含む。」

図4(a)から、カメラ選択モードの表示画面は、カメラ画像31、グループ選択41とカメラ選択42を表示していることが見てとれる。


上記記載より、引用文献2には、カメラ選択モードの表示画面で、サムネイル画像48に対応するカメラを選択すると、カメラ選択モードの表示画面で、選択されたカメラからの画像信号を選択してカメラ画像31に表示し、ユーザから何も操作がない場合、カメラ選択モードの表示画面は非表示となり、カメラ画像31のみを表示する技術が記載されている。

第5 対比
本願発明と引用発明を対比する。
1 引用発明の「複数の映像信号を入力して、1つの映像信号を出力する映像表示装置」の「表示器11」は、本件特許発明1の「画像信号に基づく画像を表示する表示部」に相当する。

2 引用発明の「アナログ映像信号を入力するための複数の入力端子1」及び「ビデオ信号を入力するための複数の入力端子2」は、本件特許発明1の「画像信号を出力する外部機器が接続されて、画像信号が入力される複数の入力ポート」に相当する。

3 引用発明の「CPU16が実行する副画面表示処理」は、「セレクタ3,5を切り換えて異なる映像信号を選択し、」「映像入力を検出しながら、映像入力の数だけ繰り返すことにより、一覧表示画像を得て」いるので、引用発明は、「映像信号」が入力された「入力端子」を検出しているといえ、このことは、本願発明の「該画像信号が入力された入力ポートを検出する」ことに相当する。
そうすると、引用発明の「入力端子1,2から入力される複数の映像信号のいずれか1つ」を「選択」する「セレクタ3および5」と、「副画面表示処理」を「実行する」「CPU16」は、本願発明の「前記複数の入力ポートのいずれかに外部機器が接続されて画像信号が入力されたとき、該画像信号が入力された入力ポートを検出する入力ポート検出部」に相当するといえる。

4 引用発明の「画像選択部17」が、「リモコンや外部SWにより」「入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行い、入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力する」ことは、本願発明の「該複数の入力ポートのうちの、任意の1つの入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を、前記表示部に表示させる」ことに相当する。
そして、上記3を踏まえると、引用発明の「映像信号」が入力された複数の「入力端子」を検出し、「入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力」させる「画像選択部17が接続され」た「CPU16」は、本願発明の「前記入力ポート検出部によって複数の入力ポートが検出されたとき、該複数の入力ポートのうちの、任意の1つの入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を、前記表示部に表示させる第1表示制御部」に相当する。

5 本願明細書に「【0035】・・・受光部10を介して入力ポートの切替指示が入力されると、スケーラ部4は、各入力ポート21,22,23,24に入力されている画像信号に基づく縮小画像(サムネイル画像)をそれぞれ生成し、全ての入力ポート21,22,23,24に対応するサムネイル画像を全て含む入力切替サムネイル画像を生成する。」及び「【0043】 ステップs1では、制御部5は、受光部10を介して入力ポート21,22,23,24の切替指示が入力されたか否かを判定する(切替指示入力工程)。入力ポートの切替指示が入力されたと判定された場合にはステップs2に進み、・・・【0044】 ステップs2では、・・・ディスプレイ部1に入力切替サムネイル画像が表示されていないと判定された場合にはステップs4に進む。・・・【0046】 ステップs4では、制御部5は、サムネイル画像生成処理を実行する(縮小画像生成工程)。」と、受光部10に、入力ポートの切替指示が入力されると、サムネイル画像生成処理を実行することが記載されている。
そして、引用発明は「入力ソース確認用のスイッチが操作され、画像選択部17が確認表示の設定を行って、入力ソース確認開始信号が入力されると」、「選択した入力画像を縮小して、」「一覧表示画像」を生成しているので、「入力ソース確認開始信号が入力されると、」「一覧表示画像」生成処理を実行しており、引用発明の「入力ソース確認開始信号」は、本願発明の「前記表示部に表示された、前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を切替えるための切替指示」に対応するものである。
したがって、引用発明の「リモコンや外部SWにより」「確認表示の設定を行って、入力ソース確認開始信号が入力される」「画像選択部17」は、本願発明の「前記表示部に表示された、前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を切替えるための切替指示が入力される切替指示入力部」に相当するといえる。

6 引用発明は「副画面表示処理」において、「表示器11への表示は継続され」ているときに、「セレクタ3,5を切り換えて異なる映像信号を選択し、」「選択した入力画像を縮小して、フレームメモリの表示位置に対応するアドレスに書込み、以上の処理を、映像入力を検出しながら、映像入力の数だけ繰り返すことにより、一覧表示画像を得て」いる。
ここで、引用発明の「映像入力を検出しながら、映像入力の数だけ繰り返すことにより、一覧表示画像を得」ることは、本件特許発明1の「前記入力ポート検出部によって検出された複数の入力ポートに入力された各画像信号に基づく画像の縮小画像を、」「それぞれ生成する」ことに相当するといえる。
また、引用発明は、「選択した入力画像を縮小して、フレームメモリの表示位置に対応するアドレスに書込」むのであるから、「縮小」した「入力画像」と各「入力端子」が対応付けられていることは、明らかである。
そして、引用発明は、「信号処理部8」が、「画像の拡大/縮小などの処理を行」うのであるから、引用発明の「信号処理部8」は、本件特許発明1の「前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像が前記表示部に表示されているときに、前記入力ポート検出部によって検出された複数の入力ポートに入力された各画像信号に基づく画像の縮小画像を、各入力ポートに対応付けてそれぞれ生成する縮小画像生成部」に相当する。

7 上記6を踏まえると、引用発明の「一覧表示画像を得て、主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面を表示」させる「副画面表示処理」を「実行する」「CPU16」は、本願発明の「前記縮小画像生成部によって生成された、前記外部機器が接続可能な入力ポートに対応する縮小画像を、表示部に並べて表示させる第2表示制御部」に相当する。

8 引用発明の「主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面」は、入力された複数の映像信号から1つを選択するときに、入力されている映像ソースの内容を容易に確認するためのものであるから(【0006】、【0008】)、引用発明の「リモコンや外部SWにより入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)」「の設定を行」う「画像選択部17」は、「入力ソース確認画面」の「副画面11b?11d」を選択しているといえるので、本願発明の「前記表示部に表示された各縮小画像のうちの1つの縮小画像を選択する指示が入力される選択指示入力部」に相当する。

9 引用発明の「主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面」は、入力された複数の映像信号から1つを選択するときに、入力されている映像ソースの内容を容易に確認するためのものであるから(【0006】、【0008】)、引用発明の「主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面を表示」し、「画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行い、入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力」させることは、「画像選択部17」に、「入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)」の指示が、「入力ソース確認画面を表示」されてから入力されたとき、「入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力」させることであるといえる。
したがって、引用発明の「主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面を表示」し、「画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行い、入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力」させる「画像選択部17が接続され」た「CPU16」と、本願発明の「前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、他の操作を介さずに、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させ、かつ、前記縮小画像を非表示とする第3表示制御部」とは、「前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させる第3表示制御部」である点で共通する。

すると本願発明と引用発明とは、次の(一致点)及び(相違点)を有する。
(一致点)
「画像信号に基づく画像を表示する表示部と、
画像信号を出力する外部機器が接続されて、画像信号が入力される複数の入力ポートと、
前記複数の入力ポートのいずれかに外部機器が接続されて画像信号が入力されたとき、該画像信号が入力された入力ポートを検出する入力ポート検出部と、
前記入力ポート検出部によって複数の入力ポートが検出されたとき、該複数の入力ポートのうちの、任意の1つの入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を、前記表示部に表示させる第1表示制御部と、
前記表示部に表示された、前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像を切替えるための切替指示が入力される切替指示入力部と、
前記任意の入力ポートに入力された画像信号に基づく画像が前記表示部に表示されているときに、前記入力ポート検出部によって検出された複数の入力ポートに入力された各画像信号に基づく画像の縮小画像を、各入力ポートに対応付けてそれぞれ生成する縮小画像生成部と、
前記縮小画像生成部によって生成された、前記外部機器が接続可能な入力ポートに対応する縮小画像を、表示部に並べて表示させる第2表示制御部と、
前記表示部に表示された各縮小画像のうちの1つの縮小画像を選択する指示が入力される選択指示入力部と、
前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させる第3表示制御部と、を含む情報処理装置。」

(相違点)
本願発明は、「前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、他の操作を介さずに、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させ、かつ、前記縮小画像を非表示とする」のに対して、引用発明は、「主画面11aの下部に副画面11b?11dを表示する、入力ソース確認画面を表示」し、「画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行い、入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力する」が、「画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行」ったとき、他の操作を介さずに、「入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力する」のか不明であり、かつ、「副画面11b?11d」を非表示とするのか不明である点。

第6 判断
上記相違点について検討する。
引用文献2には、カメラ選択モードの表示画面で、サムネイル画像48に対応するカメラを選択すると、カメラ選択モードの表示画面で、選択されたカメラからの画像信号を選択してカメラ画像31に表示し、ユーザから何も操作がない場合、カメラ選択モードの表示画面は非表示となり、カメラ画像31のみを表示する技術が記載されている(上記「第4 2」)。

ここで、引用発明及び引用文献2に記載された技術は、ともに、複数の縮小画像を表示して、画像の選択を行うものであるから、引用文献2に記載された、選択後に、ユーザから何も操作がない場合、カメラ画像31のみを表示する技術を引用発明に適用し、「一覧表示画像」が表示されてから、「画像選択部17が、入力画像の選択(どの端子から入力された画像を表示するか)の設定を行」った後に、ユーザから何も操作がない場合、「入力された複数の映像信号のうちいずれかを切り換えて出力」し、かつ、「副画面11b?11d」を非表示とする構成、すなわち、上記相違点に係る「前記選択指示入力部に1つの縮小画像を選択する指示が、前記縮小画像が表示されてから入力されたとき、他の操作を介さずに、選択された縮小画像に対応する入力ポートに入力された画像信号に基づく画像に切り替えて前記表示部に表示させ、かつ、前記縮小画像を非表示とする」構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-06-19 
結審通知日 2019-06-25 
審決日 2019-07-08 
出願番号 特願2014-91522(P2014-91522)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G09G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 橘 皇徳越川 康弘  
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 小林 紀史
須原 宏光
発明の名称 情報処理装置および情報処理方法  
代理人 西教 圭一郎  

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