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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A24F |
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管理番号 | 1354880 |
審判番号 | 不服2018-16249 |
総通号数 | 238 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-12-06 |
確定日 | 2019-09-26 |
事件の表示 | 特願2017-503302「非燃焼型香味吸引器用の充電装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月 9日国際公開、WO2016/139813、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2015年3月5日を国際出願日とする出願であって、平成30年2月20日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年4月18日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年9月6日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成30年12月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 平成30年9月6日付けの拒絶査定(以下「原査定」という)の概要は次のとおりである。 (1)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物1、2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (2)この出願の請求項2ないし6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物1ないし4に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特表2013-524835号公報 2.特開2006-314181号公報 3.国際公開第2014/125479号 4.国際公開第2014/144802号(周知技術を示す文献) 第3 審判請求時の補正について 平成30年12月6日の手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「筐体」に関して、「前記筐体は、前記所定方向に沿って延びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器の端部を保持し、前記非燃焼型香味吸引器の側面を覆わない」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5条第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件補正は、補正前の請求項2に記載された事項を請求項1に組み込むとともに、明細書の段落【0046】、図1等の記載に基いて請求項1に係る発明を補正したものであるから、新規事項を追加するものではない。 そこで、本件補正後の請求項1?5に記載された発明が特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 1 本願発明 本願の本件補正後の請求項1?5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、平成30年12月6日付けの手続補正書に補正された特許請求の範囲1?5に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 充電池を有する非燃焼型香味吸引器と電気的な接点を有する筐体と、 給電部材が有する給電部から非接触状態で受電する受電部と、 前記接点を介して、前記受電部で受電する電力を前記充電池に供給する充電部と、を備え、 前記筐体は、前記非燃焼型香味吸引器の充電中に、所定方向に沿って伸びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器を前記給電部材上に立てた状態で維持可能に構成され、 前記筐体は、前記所定方向に沿って延びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器の端部を保持し、前記非燃焼型香味吸引器の側面を覆わないことを特徴とする非燃焼型香味吸引器用の充電装置。 【請求項2】 前記給電部材上に前記充電装置を載置した場合に、前記給電部材に前記充電装置が接触する面積は、前記所定方向に対して直交する方向を垂線として有する面に前記非燃焼型香味吸引器を投影することによって得られる投影部分の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の非燃焼型香味吸引器用の充電装置。 【請求項3】 前記非燃焼型香味吸引器及び外部機器と通信を行う通信インタフェースを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非燃焼型香味吸引器用の充電装置。 【請求項4】 前記通信インタフェースは、前記非燃焼型香味吸引器が前記筐体に保持された状態において、前記非燃焼型香味吸引器と通信を行うための接続端子を有することを特徴とする請求項3に記載の非燃焼型香味吸引器用の充電装置。 【請求項5】 前記通信インタフェースは、前記非燃焼型香味吸引器が前記筐体に保持された状態において、前記非燃焼型香味吸引器に関する情報を前記非燃焼型香味吸引器から取得することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の非燃焼型香味吸引器用の充電装置。」 2 引用例 (1)引用例1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2013-524835号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、参考のため、当審で付与したものである。)。 「【0026】 図1Aは、本開示の原理に従って構成された電子喫煙装置(electronic smoking device:ESD)100の構造の全体図である。前記ESDは使い捨てでもよく、または再使用可能であってもよい。前記ESD 100は、2若しくはそれ以上の本体を含むマルチボディ構造を有していてもよい。 ・・・ 【0027】 前記ESD 100は、給気口120と、送風路122と、気化室124と、煙出口126と、電源ユニット130と、センサー132と、容器140と、分与量制御装置141と、加熱器146と、などを含んでいてもよい。 ・・・ 【0031】 電源ユニット130は、電源バス160を介して、例えば前記センサー132、前記能動的分与装置142、前記加熱器146などの電力を必要とする1若しくはそれ以上の構成要素に接続してもよい。前記電源ユニット130は、例えば充電式電池、使い捨て電池などの電池(図示せず)を含んでいてもよい。前記電源ユニット130は、さらに、前記電池の充電、前記電池の充電状況の検出、節電動作の実行などを行う電源制御論理回路(図示せず)を含んでいてもよい。外部電源に物理的に接続せずに前記ESD 100を充電できるように、前記電源ユニット130は非接触型誘導充電システムを含んでいてもよい。接触型充電システムもまた考えられる。 ・・・ 【0035】 前記ESD 100は、さらに、例えば前記ESD 100用パッケージ200(図7に示す)、コンピューター310(図9に示す)などの他の装置との有線通信(例えば、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface:SPI)など)および/または無線通信用の通信ユニット136を含んでいてもよい。また、前記通信ユニット136は、有線ネットワーク(例えば、LAN、WAN、インターネット、イントラネットなど)および/または無線ネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク、ブルートゥースネットワーク、モバイルデータ通信ネットワークなど)に前記ESD 100を接続してもよい。例えば、前記通信ユニット136は、前記パッケージ200、前記コンピューター320などに使用量データ、システム診断データ、システム・エラー・データなどを送ることもできる。無線通信を設定するために、前記通信ユニット136はアンテナなどを含んでいてもよい。前記ESD 100は、有線通信用の端子162を含んでいてもよい。前記端子162を、例えば前記パッケージ200の紙巻タバコ用コネクター216(図8に示す)などの別の端子に接続してデータを交換してもよい。また、前記端子140を使用して、前記パッケージ200または他の外部電源から電力を受け取り、前記電源ユニット130内の電池を再充電することもできる。 ・・・ 【0052】 図7Aは、本開示の原理に従って構成された、ESDのパッケージ200の斜視図である。前記パッケージ200は従来の紙巻きタバコのパッケージの形状を有していてもよいが、他の形状もまた考えられる。図7Bは、別のパッケージ200'の斜視図を示しており、図7Cは、図7Bに示す前記パッケージ200'の底面斜視図を示している。図8は、本開示の原理に従って構成された、図7Aのパッケージ200、ならびに図7Bおよび7Cのパッケージ200'の構造の全体図を示している。図7A、7B、7Cおよび8を同時に参照して、前記パッケージ200は、本体202と、蓋204と、1若しくはそれ以上のユーザーインターフェース装置(例えば、表示灯206(図7A)ならびに206Aおよび206B(図7B)、スイッチ208、振動モーター234(図8に示す)、追加のディスプレイ(図示せず)、音響装置(図示せず)など)と、1若しくはそれ以上のコネクター(例えば、紙巻タバコ用コネクター216、電源コネクター222、データコネクター224など)と、などを含んでいてもよい。前記パッケージ200は、また、コントローラー210と、メモリー212と、通信用プロセッサー214と、アンテナ218と、電池220と、蓋スイッチ232と、蓋スイッチプランジャー232'と、などを含んでいてもよい。前記蓋スイッチ232に前記蓋スイッチプランジャー232'を接続し、前記蓋204の開閉を検出するように構成してもよい。 【0053】 上述のように、前記電源ユニット130内の電池の充電、前記センサー/コントローラー統合回路132とのデータ交換などのために前記ESD 100の端子162に前記紙巻タバコ用コネクター216を接続してもよい。ねじ込み式接続によって前記端子162および前記紙巻タバコ用コネクター216を接続してもよい。例えば非ねじ込み式接続、固定接続、差込み(圧締)接続などを含む他の接続形式もまた考えられる。前記電池220を充電するために外部電源(USB、変圧器など)に前記電源コネクター222を接続してもよい。さらに、又は別の方法として、一切の外部電源に物理的に接続せずに、前記パッケージ200を充電できるように、前記パッケージ200は非接触型誘導充電システムを含んでいてもよい。前記電池220および前記ESD 100内の電池130を異なる電圧で充電してもよい。したがって、前記パッケージ200は複数の内部電圧網(図示せず)を含んでいてもよい。前記データコネクター224を例えば前記ユーザーのコンピューター310(図9に示す)などに接続して、前記パッケージ200と前記コンピューター310との間でデータを交換してもよい。前記電源コネクター222および前記データコネクター224を組み合わせてもよい。例えば、前記パッケージ200'は前記電源コネクター222および前記データコネクター224の両方として機能できるUSBコネクター221(図7Cに示す)、ファイヤーワイヤー(FireWire)コネクターなどを含んでいてもよい。 上記の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。 「紙巻きタバコのパッケージの形状を有し、 充電式電池を含む電源ユニット130を有する電子喫煙装置100の端子162と接続する紙煙草用コネクター216を含み、 外部電源から充電できる非接触型誘導充電システムを含み、 電源ユニット130内の充電式電池の充電のために紙煙草用コネクター216に電子喫煙装置100の端子162を接続する、パッケージ200。」 (2)引用例2 原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2006-314181号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されていると認められる。 「端子11を有する筐体3Aと、非接触送電装置2の一次コイル4から非接触状態で充電する二次コイル8と、充電回路を有し、端子11を介して携帯用電子機器内の二次電池33を充電し、接触充電端子のみを持っている携帯用電子機器でも充電可能な非接触充電モジュール3。」(段落【0016】、【0023】、図3、5、以下「引用例2記載の事項」という。) (3)引用例3 原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された国際公開第2014/125479号(以下「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されていると認められる。 「電子タバコ202を垂直または直立位置において安定して受け入れるように設計された保持壁308を有し、この保持壁308内に電子タバコ202の先端の電子コイル204を挿通させることで無線充電を行う充電台306。」([0026]、[0028]、図3、以下「引用例3記載の事項」という。) (4)引用例4 原査定の拒絶の理由に引用文献4として引用された国際公開第2014/144802号(以下「引用例4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されていると認められる。 「電子的に機能を増大させた容器(EAC)に、電子タバコの充電池のようなアイテム502を充電させるスリーブ500を備えた点。」([0004]、[0052]、[0053]、図5A、5B) 3 対比・判断 3-1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「充電式電池」、「電子喫煙装置100」、「紙煙草用コネクター216」は、それぞれ、本願発明1の「充電池」、「非燃焼型香味吸引器」、「電気的な接点」に相当する。 また、引用発明の「パッケージ200」は「紙巻きタバコのパッケージの形状を有し」ているから、筐体を備えていることは明らかである。 よって、引用発明の「紙巻きタバコのパッケージの形状を有し、充電式電池を含む電源ユニット130を有する電子喫煙装置100の端子162と接続する紙煙草用コネクター216を含」む「パッケージ200」の構成は、本願発明1の「充電池を有する非燃焼型香味吸引器と電気的な接点を有する筐体」を備える充電装置に相当する。 イ 引用発明の「外部電源」は、本願発明1の「給電部」に相当する。 また、引用発明の「外部電源」は非接触状態で給電するための何らかの給電部を有し、引用発明の「非接触型誘導充電システム」は、非接触状態で受電する何らかの受電部を有していることは明らかである。 よって、引用発明の「外部電源から充電できる非接触型誘導充電システム」は、本願発明1の「給電部材が有する給電部から非接触状態で受電する受電部」を備えるものといえる。 ウ 引用発明においては、「パッケージ200」の「紙煙草用コネクター216」を介して「電子喫煙装置100」の電源ユニット130内の充電式電池に電力を供給するものであり、電力を供給する「パッケージ200」には、何らかの充電部を有していることは明らかである。 よって、引用発明の「電源ユニット130内の充電式電池の充電のために紙煙草用コネクター216に電子喫煙装置100の端子162を接続する」との構成は、本願発明1の「前記接点を介して、前記受電部で受電する電力を前記充電池に供給する充電部」を備えるものといえる。 したがって、本願発明1と引用発明とは、 「充電池を有する非燃焼型香味吸引器と電気的な接点を有する筐体と、 給電部材が有する給電部から非接触状態で受電する受電部と、 前記接点を介して、前記受電部で受電する電力を前記充電池に供給する充電部と、を備えた非燃焼型香味吸引器用の充電装置。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願発明1は、「前記筐体は、前記非燃焼型香味吸引器の充電中に、所定方向に沿って伸びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器を前記給電部材上に立てた状態で維持可能に構成され」るのに対し、引用発明1は、パッケージと電子喫煙装置100とが、充電中にどのような状態であるのか不明である点。 [相違点2] 前記筐体は、「前記所定方向に沿って延びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器の端部を保持し、前記非燃焼型香味吸引器の側面を覆わない」のに対し、引用発明2は、そのように特定されていない点。 (2)判断 ア 事案に鑑み、まず相違点2について検討する。 引用例3記載の事項の「保持壁308」は、電子タバコ202を垂直または直立位置において安定して受け入れるように設計されたものであるから、本願発明1の「筐体」に相当するものである。そして、当該「筐体」は、無線受電を行う際に、電子タバコ202の先端の電子コイル204を保持壁308内に挿通するものであるから、電子タバコ202の(先端以外の)側面を覆わないものといえる。 しかしながら、引用例3記載の事項においては、電子タバコ202自体が無線充電のための電子コイル204を有するものであり、「充電台306」により電子タバコ202を無線充電するものであるのに対し、引用発明は、「パッケージ200」の「紙煙草用コネクター216」(接点)を介して「電子喫煙装置100」に電力を供給し、「パッケージ200」を外部電源により非接触充電するものであるから、両者は技術的に異なるものであり、引用例3記載の事項の「充電台306」の構成は、引用発明の「パッケージ」の構成に対応するものとはいえない。 したがって、引用発明の「パッケージ200」の構成に、引用例2記載の事項の電子タバコ202の側面を覆わない「充電台306」の構成を適用する動機付けがない。 加えて、引用発明の「パッケージ200」が、電子喫煙ユニット100を収納して持ち運びを可能とするといった機能を有することは当業者にとって明らかであるところ、このような引用発明の「パッケージ200」の構成に、引用例3記載の事項のような電子タバコ202を垂直または直立位置で、側面を覆わずに充電する「充電台306」の構成を適用して、電子タバコを収納するというパッケージとしての機能を失わせること、或いは、パッケージとしての機能を維持しつつ充電台の機能も兼用することは、当業者が容易に想到できたこととはいえない。 一方、引用例2記載の事項の「非接触充電モジュール3」は、電子タバコに関するものではなく、電子タバコの端部を保持し、側面を覆わないように構成したのものでもないから、上記相違点2に係る本願発明1の構成を示すものではない。 よって、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明、引用例2記載の事項及び引用例3記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 さらに、引用例3記載の事項を主引例として引用例2記載の事項を適用する場合について検討しても、引用例3記載の事項の「充電台306」は、上記のとおり、電子コイル204を有する電子タバコ202を充電するものであるから、引用例2記載の事項の「接触充電端子のみを持っている携帯用電子機器でも充電可能な非接触充電モジュール3」を適用する動機付けがない。 イ したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明、引用例2記載の事項及び引用例3記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3-2 本願発明2ないし5について 本願発明2ないし5は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用例2記載の事項及び引用例3記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、さらに、引用例4にも上記相違点2に係る本願発明1の構成は記載されていないから、当業者が、引用発明、引用例2記載の事項、引用例3記載の事項及び引用例4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 4 まとめ 以上のように、本願発明1ないし5は、引用発明、引用例2記載の事項、引用例3記載の事項及び引用例4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際に独立して特許を受けることができないとすることはできないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 第4 原査定について 本件補正により、本願発明1ないし5は、「前記筐体は、前記所定方向に沿って延びる棒状形状を有する前記非燃焼型香味吸引器の端部を保持し、前記非燃焼型香味吸引器の側面を覆わない」という事項を有するものとなっており、上記第3で検討したとおり、拒絶査定において引用された引用文献1ないし4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-09-13 |
出願番号 | 特願2017-503302(P2017-503302) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(A24F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 豊島 ひろみ |
特許庁審判長 |
山崎 勝司 |
特許庁審判官 |
平城 俊雅 槙原 進 |
発明の名称 | 非燃焼型香味吸引器用の充電装置 |
代理人 | 宮前 徹 |
代理人 | 小野 新次郎 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 中西 基晴 |
代理人 | 鳥居 健一 |