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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61K
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61K
管理番号 1355142
審判番号 訂正2019-390084  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-07-05 
確定日 2019-08-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6417392号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6417392号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6417392号は、平成26年4月4日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2013年4月4日及び2013年4月5日 いずれも米国)として出願され、その請求項1?13に係る発明について平成30年10月12日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和1年7月5日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、特許第6417392号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。

1 訂正事項1
明細書の段落【0097】に「(実施例(A1))」と記載されているのを、「(実施例A1)」に訂正する。

2 訂正事項2
明細書の段落【0106】に「アンドロステン」と記載されているのを、「エストロゲン」に訂正する。

3 訂正事項3
明細書の段落【0109】の【表13】の「表9」のE1?E20、段落【0110】の【表14】の「表9(つづき)」のE21?E40、段落【0257】、段落【0260】、段落【0266】、及び段落【0275】においてそれぞれ「・・・1,3,5-(10)-トリエン」と記載されているのを、「・・・1,3,5-(10),16-テトラエン」に訂正する。

4 訂正事項4
明細書の段落【0295】に「図93A」と記載されているのを、「図9A」に訂正する。


第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の明細書段落【0097】に「(実施例(A1))」とA1を括弧付きで表記していたものを、「(実施例A1)」と括弧無しで表記すべく訂正するものである。
訂正事項1は、訂正前の明細書段落【0097】の「紙面の前方に突出する(実施例(A1))または紙面の後方に突出する(実施例A3)かのいずれかであり得る置換基」なる記載におけるA1、A3の記載について、「(A1)」と括弧付きで記載する態様と「A3」と括弧無しで記載する態様とが存在していた点に関し、当該段落に記載された「実施例A3」並びに訂正前の明細書段落【0105】に記載された「(実施例A1)」及び「(実施例A3)」と整合させ、括弧無しで記載する態様に統一するための訂正である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、訂正前の明細書段落【0097】及び段落【0105】当の記載に基づいて導き出されるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、特許請求の範囲の記載に関し、その解釈に影響を与える訂正ではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の明細書段落【0106】に「アンドロステン」と記載されているのを、「エストロゲン」に訂正するものである。
訂正前の明細書段落【0103】から段落【0110】までにわたって、「エストロゲン誘導体」に関して記載されており、また、段落【0106】には、「式Eを参照のこと」と段落【0104】に記載の式Eで示されるエストロゲン誘導体に関する記載もある。
したがって、訂正前の明細書段落【0106】の「残りのアンドロステン誘導体分子」なる記載は「残りのエストロゲン誘導体分子」の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的としたものといえる。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、訂正前の明細書段落【0103】から段落【0110】までにわたる記載等に基づいて導き出されるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項2は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

3 訂正事項3
(1)訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の明細書段落【0109】の【表13】の「表9」のE1?E20、段落【0110】の【表14】の「表9(つづき)」のE21?E40、段落【0257】、段落【0260】、段落【0266】、及び段落【0275】においてそれぞれ「・・・1,3,5-(10)-トリエン」と記載されているのを、「・・・1,3,5-(10),16-テトラエン」に訂正するものである。
訂正前の明細書段落【0104】、【0108】、【0258】、【0261】、【0267】、【0276】には、種々のエストロゲン誘導体の構造式が記載されており、これらをIUPAC命名法に従って命名すると、化合物名の末尾は「・・・1,3,5-(10),16-テトラエン」となる。また、段落【0258】【化77】、【0261】【化78】、【0267】【化80】、及び【0276】【化83】で示される化合物の構造式と、実施例に記載された製造方法との間に、特段の齟齬は認められない。
したがって、訂正前の明細書段落【0109】の【表13】の「表9」のE1?E20、段落【0110】の【表14】の「表9(つづき)」のE21?E40、段落【0257】、段落【0260】、段落【0266】、及び段落【0275】の「・・・1,3,5-(10)-トリエン」との記載は、「・・・1,3,5-(10),16-テトラエン」の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的としたものといえる。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、訂正前の明細書段落【0104】、【0108】、【0258】、【0261】、【0267】、及び【0276】の構造式並びに実施例の記載に基づいて導き出されるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項3は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

4 訂正事項4
(1)訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の明細書段落【0295】に「図93A」と記載されているのを、「図9A」に訂正するものである。
訂正前の明細書には、図9Aなる図は存在する一方で、図93Aなる図は存在せず、また、段落【0295】には、「9B、9C、および9D」なる記載もある。
したがって、訂正前の明細書段落【0295】の「図93A」なる記載は「図9A」の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的としたものといえる。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、訂正前の明細書段落【0295】の記載等に基づいて導き出されるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項4は、明細書中の明らかな誤記を訂正するものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在せず、特許法第126条第7項の規定に適合する。

5 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
強力なアンドロゲン受容体ダウンレギュレーションおよび抗前立腺ガン活性を伴う非ステロイド化合物およびステロイド化合物
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2013年4月4日に出願された米国仮出願第61/808,345号、および2013年4月5日に出願された米国仮出願第61/808,902号の利益を主張し、これらの両方は本明細書中に参考として援用される。
【0002】
合衆国政府支援研究の陳述
本発明は、国立衛生研究所により与えられた認可番号CA129379のもと、政府の援助を伴ってなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
前立腺ガン(PC)は、西洋諸国において、男性における最も一般的な腫瘍であり、およびガン関連死のうちの第2位の原因である。約80%の症例は、局所性疾患として診断され、そして放射線または外科的手術が治療であり得る。しかし、現在の治療選択にもかかわらず、未だ30?60%の再発率である。
【発明の概要】
【0004】
出願人は、アンドロゲン受容体(AR)の全長およびスプライス変異体の両方のダウンレギュレーションを引き起こし、アポトーシスを誘導し、そしてアンドロゲン感受性細胞および去勢抵抗性前立腺ガン細胞の両方の増殖を阻害する、新規な非ステロイドおよびステロイド模倣化合物を設計および合成した。これらのステロイド化合物および非ステロイド化合物は、前立腺ガンの全ての形態、および機能的ARに依存する全ての他の疾患の、予防および/または処置のための薬剤であり得る。
【0005】
ARは、前立腺ガンにおける治療介入のための十分に確立された標的である。
【0006】
本発明において予防および/または処置され得る、他のアンドロゲン受容体関連症状としては、膀胱ガン、膵臓ガン、肝細胞ガン、良性前立腺過形成(BPH)、およびケネディー病が挙げられる。
【0007】
アンドロゲンおよびアンドロゲン受容体(AR)は、PCの発生および発達において重要な役割を果たす。結果として、局所的進行性または転移性の疾患について、アンドロゲンの産生(CYP17阻害剤:アビラテロン(Abiraterone);1)および/または活性(抗アンドロゲン、ビカルタミド(Bicalutamide);2)をブロックする、アンドロゲン遮断療法でのホルモン処置が、大部分の患者について標準的なアプローチ(チャート1)であるが、ほとんどの場合、反応の持続時間は、12?24カ月に制限され、そして疾患は処置選択のない去勢抵抗性(CRPC)になる。約85%のCRPC患者は5年以内に死亡し、そしてドセタキセル(3)は、最小であっても生存利益を提供することが示された、現在唯一の処置である。
【0008】
去勢抵抗性環境において、異常なAR再活性化は、変異されたARの過剰発現、AR増殖、および局所的アンドロゲン合成に導く多数の機構を介して関与される^(5)。近年、多重の選択的にスプライスされたARイソ型(AR?V)が、CRPCにおいて同定された。全長AR(fAR)と異なり、これらのAR?Vは、ホルモン結合ドメインを欠損し、およびまた、それらの活性はホルモンから独立する。AR?Vは、種々の腫瘍においてより高いレベルで発現され、および転写活性化において、f?ARよりも3?5倍強力である。構成的に活性AR?Vを発現する患者は、長期的には、おそらく、抗アンドロゲン、およびアンドロゲン合成を低減することを目標とする治療からの利益を得ない。事実、「しかしながら、全てのCRPC患者が新規の抗アンドロゲン(MDV3100;4)およびCPY17阻害剤(1)に応答するわけではなく、そして応答した患者であっても、その後数カ月以内に再発する」。上述の知見に基づいて、CRPC患者の有効な処置は、ARダウンレギュレート(ARD)剤(ARDA)のような、ARの全ての形態を調節し得る新規な薬物を必要とすることが認識される。アビラテロンと比較した、第二相臨床候補の「ガレテロン(Galetereone)」(VN/124?1、5、以下のチャート1)の実質的な抗PC効力は、作用のその多重な標的機構(CYP?17阻害、抗アンドロゲン、およびARD活性)による。(http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01709734)。
【0009】
ARD剤の開発のために、出願人は近年、5(VN/124?1)の構造を体系的に研究した。その中で、ガレテロン(Galeterone)のC17、C16、およびC3での化学官能基を修飾し、一方アンドロステン骨格は変えなかった。ガレテロンにおけるC17ベンズイミダゾール(BzIm)環は、アンドロゲン生合成の生物学的前駆体を得るためにCYP17酵素によって媒介されるプレグネノロンおよびプロゲステロンの触媒的17α?ヒドロキシル化を本質的にブロックする。ここでは3β?OH基が、阻害剤と、CYP17酵素の極性アミノ残基との間に単一の直接水素結合を形成する。同様に、天然ホルモンおよび合成ホルモンの3β?OH基または3?ケト基は、アンドロゲン、エストロゲン、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、およびプロゲステロン受容体において変換される相互作用と同一である。それゆえ、合成ホルモンおよび天然ホルモンの3β?OH基および3?ケト基のH結合相互作用は、CYP17およびホルモン受容体によるリガンド認識に重要である。ガレテロンにおける3β?OH基は、強力なCYP17および抗アンドロゲン活性を担う。このことはさらに、ガレテロンの、イミダゾールカーバメート(VNPT55(6))およびピリジンカルボキシレート(VNPT178(7))基でのそのC3置換の改変の際の、抗アンドロゲンおよびCYP17阻害活性の喪失により、さらに支持される。この改変はまた、fARに対して8.25倍まで、AR?Vに対して4倍まで、ARDを増強し、および抗PC活性において4倍増加した。出願人は、第1のある程度選択的な(チャート2)ARダウンレギュレート剤(fARおよびAR?Vの両方)を首尾よく発見および報告した。
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
現在の前立腺ガン疾患の処置におけるAR調節戦略(ARダウンレギュレーション/分解)を考慮して、出願人は、いくつかの新規な非ステロイドおよびステロイドの小分子を設計し、合成し、そして試験した。この研究の一部の予備説明が報告された^(21)。利点は、向上された生理学的および薬物動態学的な特性、生物学的活性の増加された選択性を含み得、そして薬物耐性はガン治療において依然主要な問題であるので、異なる化学構造を伴う良好ば忍容性のARDAの多様性は、いくつかの有用な薬物が利用可能であるという可能性を提案する。
【0013】
新規な非ステロイド剤の設計のために、出願人は、アンドロステンコアを、ビフェニル^(22、23)、ナフタレン^(22)、スチルベン^(24)、テトラヒドロイソキノリンのようないくつかの報告されたステロイド代替物で置き換え、そしてジアリール化合物を、アルキルアミン、アミド、およびスルホンアミドリンカーコア構造^(25)を用いて設計した。全てのこれらの骨格において、頭部基(BzIm)は一定に保ち、一方尾部は、ヒドロキシルであるか、またはメチルでマスクされるか、またはカルボキシル基/ニトリル基/イミダゾール基/テトラゾール基などを組み合わせて置き換えた。ステロイド剤についても同様に、出願人は、アンドロステンおよびエストロゲン構造を骨格(ここでは頭部としてベンズイミダゾール、および尾部として酸、エステル、イミダゾール、エーテル、カーバメート官能基のような種々の官能基)として選択する。
【0014】
生物学的活性
治療戦略としてのARダウンレギュレーションの概念
現在の処置は、アンドロゲンシグナル伝達軸をブロックすることに重点がおかれるが、去勢抵抗性PC(CRCP)の出現が優勢である。このような抵抗性PC腫瘍は、活性なおよび機能的なARの存在のために、低い循環内因性リガンドの存在下で増殖し続ける。出願人は、ガンを処置および/または予防するために新規なARダウンレギュレート剤(ARDA)を開発した。
【0015】
以前に、出願人は、ヒップホップファーマコフォアモデリング(HipHop Pharmacophore modeling)を介して、いくつかのARDA(合成小分子)を発見した。^(1)
【0016】
出願人は、現在第二相臨床治験にある、出願人のPC薬物候補、VN/124?1(ガレテロン;図1)のリード最適化を介して、新規なステロイド誘導体を強力なARDAとして開発した。^(2)
【0017】
本発明は、ARDAとしての新規な非ステロイド化合物および新規なステロイド化合物を包含する。
【0018】
本発明は、本発明の化合物の有効量を投与することを包含する、前立腺ガンを処置する方法を包含する。
【0019】
本発明は、去勢抵抗性前立腺ガンを処置する方法を包含する。
【0020】
本発明は、本発明の化合物の有効量を投与することにより、全長またはスプライス変異体を分解することを包含する。
【0021】
本発明は、本発明の化合物の有効量を投与することにより、アンドロゲン感受性細胞の増殖を阻害する方法を包含する。
【0022】
化合物は、単独で、または本発明の1つ以上の化合物とともに、処置のために使用され得る。化合物はまた、他の公知の化合物または処置方法とともに、処置のために使用され得る。
【0023】
C?17ベンズイミダゾール(BzIm)は、観察されたアンドロゲン受容体ダウンレギュレート(ARD)活性に必要不可欠であり、および最適である。イミダゾールカーバメートでの3β?OHの置換(図1)は、強力および特異的なARD活性を生じた。VN/124?1のステロイド分子フレームは、以前の研究において変化されなかった。
【0024】
そのステロイド骨格に起因するVN/124?1についての副作用は、臨床においてこれまでのところ観察されなかったが、種々のステロイド受容体に結合してアゴニスト効果またはアンタゴニスト効果を誘発することに起因すると考えられるステロイド薬物の強力な副作用は、憂慮すべき問題であり得る。
【0025】
この20年間、乳ガンおよび前立腺ガンの薬物の発見および開発の分野において、いくつかの報告が、ステロイド骨格についての優れた代替物として、ビフェニル、ナフチレン、およびスチベンのような多様な化学骨格に集中した。
【0026】
本発明は、ステロイド骨格の可能な改変を包含し、同時にC?17Bzlm基を保持し、およびC?3ヒドロキシル基を保持するか、またはOCH_(3)、COOH、CN、および1H?テトラゾール基を含む親水性部分で置き換える。
【0027】
出願人によって発見された薬剤は、選択されたビフェニル、ナフチルビフェニル、およびスチルベンの骨格を含む(図2)。出願人の発明は、VN/124?1と重ね合わされた新規な骨格に対する親水性および疎水性の機能がどの程度かを見出すために、非ステロイド骨格について、(MOE)を使用するフレキシブルアラインメント実験を含む(図3)。さらに、エストロン誘導体が、出願人の初期の化合物のアンドロスタンコアの代替物として設計された。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】VN/124?1のリード最適化。
【図2】新規なステロイド代用薬。
【図3】VN/124?1でのフレキシブルアラインメント。
【図4】LNCaP-lu前立腺ガン細胞における、LNCaP-ARを介して媒介されるルシフェラーゼの転写活性に対する化合物の効果。
【図5】MTTアッセイによる、アンドロゲン応答性LNCaP細胞(A)、CRPC細胞株C4?2B(B)に対する抗増殖活性。
【図6】MTTアッセイによる、アンドロゲン応答性CRPC細胞株C4?2Bに対する抗増殖活性。
【図7】MTTアッセイを使用した、1および10μM当りの細胞増殖の阻害についての、新規な化合物(VN/124?1に比較して)のスクリーニング。
【図8】LNCaP細胞におけるARタンパク質レベルの抑制に対する化合物の効果(15μMの各化合物、24時間)。
【図9A】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9B】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9C】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9D】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9E】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9F】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9G】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図9H】ガン遺伝子に対する化合物の効果。
【図10】細胞移動に対するVN/124-1およびアナログの効果。
【図11】3成分混合物のHPLCクロマトグラムの例。VNPP433?6β、VNPP433?3α(A3)、およびVNPP433?3β(2d)(A1)についての保持時間は、それぞれ、5.14、7.87、および10.07分であった。
【図12】前立腺ガン細胞において誘導されるAR分解の機構。
【図13】アンドロゲン受容体(AR)転写活性化をブロックするための治療的アプローチ。
【図14】アンドロゲン受容体タンパク質の図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
合成
本発明の研究における分子の合成方法は、以下のスキームにおいて示される。重要中間体、アルキル化?BzIm(1a、2a)は、報告されたDMSO中のKOH法に従うことによって合成され、一方アリール化?BzIM(11a)は、「連結触媒」ウルマン(ullmann)縮合反応の報告された方法によって合成された。対応するボロン酸でのブロモアルキル/アリール?BzIMの鈴木(Suzuki)カップリングは、ビフェニルを生じた(1?8、11)。1H?テトラゾール(9、10)へのニトリル?ビフェニル(3、4)の変換は、DMF中の塩化アンモニウムの存在下のアジ化ナトリウムの1,3?双極性付加により達成された。スチレン(12a、13a)は、溝呂木?ヘック(Mizoroki?Heck)反応に供さるウイッティヒ(witting)法^(10)により得られ、所望の(E)?スチルベン(12、13)が得られた。エストロン?3?カルボキシレート(16)、3?エノールカーボンは、トリフレートにより活性化され、続いてpd触媒化反応を介してカルボキシレートで置き換えられた。ビルスマイヤー(Vilsmeir)反応を介したエストロンC?17に対するBzIm置換は、C?17 BzIm置換化ステロイド化合物の合成についての出願人の日常的な方法に従って達成された。17?ピリジルエストロン誘導体は、報告された手順に従って合成された。^(13)
【0030】
【化3】

【0031】
【化4】

【0032】
【化5】

【0033】
【化6】

【0034】
以下のスキームもまた参照のこと。
【0035】
ガン処置のための新規な非ステロイド
ビフェニル誘導体(B系列)
【0036】
【化7】

【0037】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0038】
B系列の例
【0039】
【化8】

【0040】
【表1】

【0041】
ナフタレン誘導体(Na系列)
【0042】
【化9】

【0043】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0044】
Na系列の例
【0045】
【化10】

【0046】
【表2】

【0047】
ナフチレン誘導体(q系列)
【0048】
【化11】

【0049】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0050】
Nb系列の例
【0051】
【化12】

【0052】
【表3】

【0053】
スチルベン誘導体(S系列)
【0054】
【化13】

【0055】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0056】
S系列の例
【0057】
【化14】

【0058】
【表4】

【0059】
アミド誘導体(Amd?a系列)
【0060】
【化15】

【0061】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0062】
Amd?a系列の例
【0063】
【化16】

【0064】
【表5】

【0065】
アミド誘導体(Amd?b系列)
【0066】
【化17】

【0067】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0068】
Amd-b系列の例
【0069】
【化18】

【0070】
【表6】

【0071】
アミン誘導体(Am?a系列)
【0072】
【化19】

【0073】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0074】
Am?a系列の例
【0075】
【化20】

【0076】
【表7】

【0077】
アミン誘導体(Am?b系列)
【0078】
【化21】

【0079】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0080】
Am?b系列の例
【0081】
【化22】

【0082】
【表8】

【0083】
スルホンアミド系列?SulAmd系列
【0084】
【化23】

【0085】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。
【0086】
SulAmd系列の例
【0087】
【化24】

【0088】
【表9】

【0089】
テトラヒドロイソキノリン誘導体(Q系列)
【0090】
【化25】

【0091】
ここでRは、?OH、?NH_(2)、?NHR’、?N(R’)_(2)?、?SH、?OMe、?CN、?COOH、?COOMe、?COOEt、イミダゾール、1H?テトラゾール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1または2置換基を表し、ここで各R’は、独立してアルキルまたはアリールから選択される。くねった線は、紙面の前方に突出するか、または紙面の後方に突出するかのいずれかであり得る、αまたはβ-メチル基を表す。
【0092】
Q系列の例
【0093】
【化26】

【0094】
【表10】

【0095】
アンドロステン誘導体
【0096】
【化27】

【0097】
化合物Aに直接的に付着される2つのくねった線は、紙面の前方に突出する(実施例A1)または紙面の後方に突出する(実施例A3)かのいずれかであり得る置換基を表す。
【0098】
以下の各部分構造の右側における2つのくねった線は、残りのアンドロステン誘導体分子についての略記である。式Aを参照のこと。
【0099】
アンドロステン誘導体(A)の例
【0100】
【化28】

【0101】
【表11】

【0102】
【表12】

【0103】
エストロゲン誘導体
【0104】
【化29】

【0105】
化合物Eに直接的に付着される2つのくねった線は、紙面の前方に突出する(実施例A1)または紙面の後方に突出する(実施例A3)かのいずれであり得る置換基を表す。
【0106】
以下の各部分構造の右側における2つのくねった線は、残りのエストロゲン誘導体分子についての略記である。式Eを参照のこと。
【0107】
エストロゲン誘導体の例
【0108】
【化30】

【0109】
【表13】

【0110】
【表14】

【実施例】
【0111】
概説:
6?ヒドロキシナフチル?2?ボロン酸(boronicacidacid)(Alfa Aesar)以外の全ての化学薬品および試薬は、AldrichまたはAcros化学から購入し、そして精製を伴わずに直接使用する。反応の進行は、シリカゲルプレート(Merck F254)におけるTLC分析により測定した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)を、シリカゲル(230?400メッシュ、60A)を使用して行った。融点(mp)を、Stuart SMP10融点装置を用いて測定し、未修正である。IRスペクトルを、Perkin Elmer spectrum65 FT IRスペクトロメータにおいて記録し、そしてλmax(cm^(?1))として報告する。^(1)H NMRスペクトルを、溶媒としてCDCl_(3)またはDMSO?d_(6)を使用して、Bruker DMX 500 MHzまたはBruker Ascend 400 MHzスペクトロメータにおいて記録した。化学シフトを、百万分の1(ppm)において与え、そしてTMSを、内部標準として使用した。^(13)C NMRスペクトルを、Bruker DMX 500 MHzまたはBruker 400 MHzスペクトロメータにおいて、それぞれ125または100MHzで操作して記録した。
【0112】
化学:
本発明の研究における全ての化合物の合成は、スキーム1?8において示されるような方法および条件に従うことにより達成した。合成ビフェニル誘導体について、重要な中間体のN?アルキル化ベンズイミダゾール(VNPP319CおよびVNPP346)を、乾燥DMSO中のKOHの存在下、ベンズイミダゾールと、適切なアリールアルカリ臭化物とを反応することにより調製し、優れた収率を伴った(方法A1、スキーム1)。^(26)ここで、Nアリール化ベンズイミダゾール(VNPP371/1、VNPP423、およびVNPP442)を、ウルマン(Ullmann)縮合反応について「連結触媒」の報告された方法(方法A2、スキーム1)^(27)を適用することにより、中程度の収率で得た。これにおいて、ベンズイミダゾールを、DMF中の弱アルカリ(炭酸セシウム)、触媒(ヨウ化銅)、および連結基(1,10?フェナントロリン)の存在下、110℃にて40時間、置換された3?ヨードベンゼンと反応させる。これらのアルキル/アリール化ベンズイミダゾールを、鈴木カップリングを介して対応する置換化ボロン酸と反応させ、所望のビアリール化合物(VNPP347B(B1)、VNPP358(B2)、VNPP356(B3)、VNPP360(B7)、VNPP321(B18)、VNPP355(B19)、VBPP357(B20)、VNPP444B(B23)、VNPP441C(B24)、VNPP420(B25)、VNPP359、VNPP372/2(Na1)?VNPP373/2(Na2))を形成する(方法B、スキーム1)^(23)。DMFのような極性の高沸点溶媒中で、塩化アンモニウムの存在下、ニトリルビフェニル(VNPP358および357)を用いた、さらなるアジ化ナトリウムの1,3?双極性付加環化は、優れた収率のそれぞれのテトラゾール化合物を得た(VNPP361(B11)およびVNPP364;方法C、スキーム1)。^(25)
【0113】
主に(E)?配座(VNPP388(S1)およびVNPP391B3(S2))を用いたスチルベン誘導体の合成は、近年の報告において記載されたように、中程度の収率で、基本的に達成される(スキーム2)。^(28)従って、ウイッティッヒ法におけるt?BuOKの存在下での臭化メチルトリフェニルホスホニウムとのアルデヒドの反応は、中間体スチレン(VNPP383)を提供した。触媒量のPd(OAc)_(2)の存在下、100℃にて24時間、塩基/リガンド/溶媒としてトリエタノールアミン中のブロモアリールベンズイミダゾール(VNPP371/1)を用いたその溝呂木?ヘック反応は、スチルベン(VNPP388(S1))を良好な収率で提供した。同様に、化合物VNPP390(S2)を、市販のp?メトキシフェニルスチレンから合成する。
【0114】
アルキルアミン(VNPP428(Am?a1)、VNPP429(Am?a2))、アミド(VNPP432(Amd?b2))、およびスルホンアミド(VNPP431(SulAmd?1))リンカー化合物を備えるジアリール化合物を、アリール化BzIm中間体1?(3?アミノフェニル?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP423)化合物を用いて合成した(スキーム3)。中間体VNPP423を、中間体VNPP371についての(方法?A2)の手順に従うことにより、3?ヨードアニリンを使用して合成した。^(27)アルキルアミン(VNPP428(Am?a1)?VNPP429(Am?a2))化合物を、エタノール中、分子ふるいの存在下、対応するアルデヒドとともにVNPP423を灌流し、そしてさらにメタノール中、氷冷温度にてホウ化水素ナトリウムでイミンを還元することにより、イミン(単離せず)を介して得た(それぞれ、34%および50%)。^(25)アミド誘導体VNPP432(Amd?b2)を、酢酸エチル中のTEAの存在下、室温で、VNPP423に対する4?メトキシベンゾイルクロリドの反応により得る(49%)。スルホンアミド誘導体VNPP431(SulAmd?1)を、ピリジン中、4?メトキシベンゾイルスルホニルクロリドとともにVNPP423を灌流することにより達成する^(25)。
【0115】
VN/124?1のC3イミダゾール誘導体の合成のために、最初にVN/124?1のメシル誘導体(VNPT88)を調製し(スキーム4)、これをトルエン中、無水条件下、イミダゾールとともに灌流して3つのイミダゾール置換化合物(VNPP433?6(35%)、VNPP433?3α(A3)(3%)、およびVNPP433?3β(2d)(A1)(11%))を得た。これらの3つの位置異性体を、HPLC法により分離した。チオカーバメート誘導体VNPP397(A5)を、(スキーム5)のVN/124?1のイミダゾールカーバメート誘導体の本発明者らの報告した合成方法^(17)を僅かに改変することにより達成した。従って、VN/124?1を、アセトニトリルおよびMDC溶媒混合液中、1,1’?チオカルボニルジイミダゾールともに灌流する。VN/124?1のC3エーテル誘導体(VNPP415C(A15)、VNPP414(A16)、およびVNPP412(A31))を、DMF中、塩基としてヒドラジンナトリウムの存在下、アリールアルキル/アルキルハロゲン化物でアルコール(VN/124?1)を処置するウイリアムソン(Williamson)のエーテル化(スキーム6)法に従うことにより調製した。
【0116】
エストロン?3?カルボキシレート誘導体(VNPP341(E5))およびエストロン誘導体(VNPP338(E21))の17?ベンゾアゾールの合成を、スキーム7およびスキーム8においてそれぞれ概説する。エストロン?3?カルボキシレート誘導体(VNPP341(E5))の合成について、最初にエストロンの3?エノール炭素を、有機塩基(TEA)の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(triflic anhydride)との反応によりこれをトリフレート(VNPP308)に変換することにより達成する^(29)。次いで、一酸化炭素ガス、DMF中のメタノールの存在下、トリフレートをPd(OAc)_(2)を触媒として、1,c?ビス(ジフェニルホスフェノ)プロパンをホスフィンリガンドとして使用するパラジウム触媒カルボニル化を介して、カルボン酸メチルで置き換える(VNPP309A)^(30)。このエストロン?3?カルボキシレートの表題化合物17?1H?ベンズイミダゾリル誘導体(VNPP341(E5))の合成を、スキーム7において示すようなVN/124?1の合成についての本発明者らの日常的な方法に従うことによって達成する^(17)。これは、3つの中間体工程、つまり、ヴィルスマイヤー?ハック反応を介する16?ホルミル?17?ブロモ誘導体の形成(VNPP315B)、C?17位に対するベンズイミダゾール環の縮合(VNPP330)、次いでPd触媒による16?脱ホルミル化(VNPP334(E6))を介し、そして最後にメチルエステル基の塩基性加水分解を経て、標的化合物VNPP341(E5)を得る。
【0117】
エストロン?3?ヒドロキシ?17?1H?ベンゾアゾール(VNPP334(E21))誘導体の合成を、ピリジン中の酢酸無水物を用いて、市販のエストロンの3?アセチル化で開始し(スキーム8)、98%の単離収率を伴った(VNPP310)。次いで、これをヴィルスマイヤー?ハック反応に供して、DMFおよびクロロホルム中の三臭化リンで処理するこよにより、16?ホルミル?17?ブロモ誘導体(VNPP311)を、低い収率で得た。本発明者らの日常的なDMF中のK_(2)CO_(3)法に従うVNPP311の17位に対するベンズイミダゾールの縮合の試みにより、4つの成分の混合物(ベンズイミダゾール置換を伴うまたは伴わない部分3?脱アセチル化、アセチル化ベンズイミダゾールの産物、および基質)を得た。それゆえ、先ずVNPP311の3?アセチル基を、10% エタノール?KOHで処理することにより加水分解してVNPP312を得、次いでベンズイミダゾール基をDMF中のK_(2)CO_(3)を使用して縮合し(VNPP314)、そして最後にベンゾニトリル中の10% Pd/Cとともに灌流することにより16?脱ホルミル化して、最終化合物(VNPP338(E21))を最終工程において非常に低い単離収率(6%)で得た。
【0118】
【化31】

【0119】
^(a)試薬および条件:(i)KOH,DMSO,室温,2時間,4?ブロモベンジルブロミド/4?ブロモフェニルエチルブロミド;室温,24時間(ii)方法A:Pd(OAc)_(2),対応するボロン酸,Na_(2)CO_(3),TBAB,Ar,トルエン,H_(2)O,エタノール,灌流,2?6時間;(iii)3/4?ブロモヨードベンゼン,CuI,1,10?フェナントロリン,Cs_(2)CO_(3),DMF,110°C,40h;(iv)NH_(4)Cl,NaN_(3),DMF,120oC,20h.
【0120】
【化32】

【0121】
^(b)試薬および条件:(i)MeP(C_(6)H_(5))_(3)Br,t?BuOK,THF,24時間,25oC;(ii)VNPP371/1,トリエタノールアミン,Pd(OAc)_(2),24時間,100oC.
【0122】
【化33】

【0123】
^(C)試薬および条件:(i)3?イオドアニリン,Cul,1,10?フェナントロリン,Cs_(2)CO_(3),DMF,110oC,40時間;(ii)4?ヒドロキシ/メトキシベンズアルデヒド,エタノール,モレキュラーシーブ,灌流,一晩,蒸発,MeOH,NaBH4,0oC,1時間;(iii)4?メトキシベンゼンスルホニルクロライド,ピリジン,125oC,24時間;(iv)4?メトキシベンゾイルクロライド,TEA,EtOAc,室温,5時間
【0124】
【化34】

【0125】
^(d)試薬および条件:(i)塩化メシル,ピリジン,氷冷(ii)イミダゾール,トルエン,灌流,12時間
【0126】
【化35】

【0127】
^(e)試薬および条件:(i)1,1’?チオカルボニルジイミダゾール,CH_(3)CN,MDC,灌流,5時間
【0128】
【化36】

【0129】
^(f)試薬および条件:(i)アリールアルキル/アルキルハロゲン化物,NaH,DMF,30?65oC,1?12時間
【0130】
【化37】

【0131】
^(g)試薬および条件:(i)トリフルオロメタンスルホン酸無水物,TEA,DCM,0oC,1時間;(ii)酢酸パラジウム(II),dppp,TEA,MeOH,DMF,一酸化炭素,0oC,9時間;(iii)PBr_(3),DMF,CHCl_(3),灌流,5時間;(iv)ベンズイミダゾール,K_(2)CO_(3),DMF,80oC,1時間;(v)ベンゾニトリル,10%Pd/C,185oC,12時間;(vi)MeOH,10%メタノ?ル?KOH,灌流,2時間
【0132】
【化38】

【0133】
^(h)試薬および条件:(i)ピリジン,酢酸無水物,室温,12時間,(ii)PBr_(3),DMF,CHCl_(3),灌流,5時間;(iii)EtOH,10%エタノール?KOH,室温,12時間;(iv)ベンズイミダゾール,K_(2)CO_(3),DMF,80oC,5時間;(vi)ベンゾニトリル,10%Pd/C,185oC,12時間;
【0134】
合成についての一般的な方法:
方法A1:ベンズイミダゾールのN?アルキル化(VNPP319CおよびVNPP346)。
DMSO(10mL、分子篩上で乾燥)を、KOH(0.95g、16.96mmol、粉砕パレット)に添加し、そして混合物を5分間撹拌した。次いで、ベンズイミダゾール(0.5g、4.23mmol)を添加し、そして対応する4?ブロモフェニルアルキルブロミド(8.46mmol)の添加の前に室温にて2時間撹拌した。反応混合物を24時間撹拌し、氷水混合物上に注ぎ、濾過し、乾燥し、そしてFCCにより精製した。
【0135】
方法A2:ベンズイミダゾールのアリール化(化合物VNPP442、VNPP371/1およびVNPP423)
DMF中のベンズイミダゾール(1当量)、対応する置換ヨードベンゼン(1.2当量)、ヨウ化銅(0.01当量)、1,10?フェナントロリン(0.2当量)、および炭酸セシウム(2当量)を110度に40時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、そして溶媒を真空下でエバポレートした。残渣を水およびEtOACとともに撹拌し、濾過し、有機層を分離し、乾燥し(Na_(2)SO_(4))、そして溶媒を真空下で取り除いた。粗生成物を、グラジエント溶媒[石油エーテル/EtOAc(8:2)次いで(1:1)および微量のTEA]を使用してFCCにより精製した。
【0136】
方法B:鈴木カップリング。
対応する臭素化芳香族化合物(1当量)を、トルエン(7mL/mmol)中に溶解し、そしてこれに、2.0M Na_(2)CO_(3)水溶液(3.2mL/mmol)、対応するボロン酸(1.5?2当量)、エタノール(3.2mL/mmolのボロン酸)、および臭化テトラブチルアンモニウム(1当量)を添加した。混合物を真空下で脱酸素化し、アルゴンでフラッシュした。このサイクルを5回反復した後、Pd(OAc)_(2)(5mol%)を添加し、そして得られた懸濁液を、2?6時間灌流した。反応混合物を冷却し、EtOAc(10mL)および水(10mL)を添加し、そして有機相を分離した。水相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。合わせた有機相をかん水で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥し、セライト(Celite)のショートプラグで濾過し、そして真空下でエバポレートした。化合物を、5インチシリカゲルカラムにおいて、FCCにより、石油エーテル/EtOAc(1:1)を使用して非極性混入物を除去し、次いでDCM中の2%メタノールを使用して精製した。別に言及しない限り、この方法により、大部分のビフェニルを合成し、単離し、そして精製した。
【0137】
方法C:テトラゾールへのニトリルの変換
DMF中の対応するニトリル化合物(1当量)、アジ化ナトリウム(12.5当量)、および塩化アンモニウム(12.5当量)の混合物を120℃にて20時間加熱した。反応混合物を氷冷水(30mL)に注ぎ、そして希釈HCl溶液で酸性化した。酸性化の際に得られた白色沈殿物を濾過し;乾燥し、そして水相をEtOAcで抽出し、Na_(2)SO_(4)で乾燥し、そしてエバポレートした。EtOAc抽出により得られた粗固体および粗生成物を合わせ、ショートカラムでFCC[DCM中の10%メタノール]により精製して、純粋なテトラゾール誘導体を得た。
【0138】
方法D:アミン誘導体(VNPP428(Am?a1),VNPP429(Am?a2))
エタノール中のVNPP423(1当量)、対応するアルデヒド(1当量)、および分子篩の混合物を、一晩灌流した。次いで、溶媒をエバポレートし、メタノールで再構成し、そしてNaBH_(4)(2当量)を氷冷温度にて添加し、そして1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、次いでFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(3:2:0.01)]により精製した。
【0139】
実験
1?(4?ブロモフェネチル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP319C)
【0140】
【化39】

【0141】
方法A1:KOH(0.95g、16.96mmol)、DMSO(10ml)、ベンズイミダゾール(0.5g、4.23mmol)および4?ブロモフェニルエチルブロミド(2.23g、8.46mmol)を使用。ショートカラム[DCM中の2%メタノール]を使用して、粗生成物をFCCにより精製してVNPP319C(1.05g、82.7%)を得た:融点124?126℃;IR(Neat)1610,1500,1486,1456,1242,1168,1069,1008,805,747cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 3.10(t,J=6.94Hz,2H,CH_(2)),4.38(t,J=6.87Hz,2H,=N?CH_(2)),6.86(d,J=8.09Hz,2H,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.27?7.34(m,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.35?7.41(comp,3H,Ar?7^(1),3^(2)および5^(2)Hs),7.58(s,1H,Ar?2^(1)H),7.77?7.85(dd,J=6.65,1.75Hz,1H,Ar?4^(1)H);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 35.6,46.4,109.4,120.6,121.0,122.2,123.0,130.3(2 X C),131.9(2 X C),133.4,136.4,142.9,143.9
【0142】
1?(4?ブロモベンジル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP346)
【0143】
【化40】

【0144】
方法A1:KOH(0.95g、17mmol)、DMSO(10ml)、ベンズイミダゾール(0.5g、4.23mmol)および4?ブロモベンジルブロミド(2.11g、8.46mmol)を使用する。ショートカラム[石油エーテル中の6%EtOAc、次いで20%]を使用して、粗生成物をFCCにより精製してVNPP346(1.0g、82.6%)を得た:融点87?91℃;IR(Neat)1591,1617,1488,1468,1364,1285,1260,1205,1172,1099,739cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 5.32(s,2H,CH_(2)),7.05(d,2H,J=8.24Hz,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.24?7.27(comp,3H,Ar?5^(1),6^(1)および7^(1)?Hs),7.47(d,2H,J=8.39Hz,Ar?3^(2),5^(2)Hs),7.83(d,1H,J=7.48Hz,Ar?4^(1)H),7.95(s,1H,Ar?2^(1)H);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 110.2,120.8,122.5,123.1,123.5,124.0,127.0,131.0,131.3,133.3,137.5,141.9,144.0
【0145】
1?(4?ブロモフェニル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP442)
【0146】
【化41】

【0147】
方法A2:4?ブロモヨードベンゼンを使用。収率14%:融点100?1℃;^(1)HNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 7.33?7.37(m,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.39?7.44(d,2H,Ar?2^(2),6^(2)Hs),7.48?7.56(m,1H,Ar?7^(1)),7.69?7.74(d,2H,Ar?3^(2),5^(2)Hs),7.86?7.91(m,1H,Ar?4^(1)),8.08(s,1H,Ar?2^(1));^(13)C NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 144.11,141.98,135.41,133.48,133.27,125.55,123.97,123.05,121.66,120.81,110.22
【0148】
1?(3?ブロモフェニル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP371/1)
【0149】
【化42】

【0150】
方法A2:3?ブロモヨードベンゼンを使用。収率60.8%:融点77?79℃;^(1)H NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 7.34(quin,J=7.40Hz X 4,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.56?7.62(m,1H,5^(2)H),7.64(d,J=7.48Hz,1H Ar?6^(2)H),7.71(d,J=8.09Hz,1H,Ar?7^(1)H),7.74(d,J=7.93Hz,1H,Ar?4^(2)H),7.79(d,J=7.48Hz,1H Ar?4^(1)H),7.96(s,1H,Ar?2^(1)H),8.60(s,1H,Ar?2^(2)H);^(13)C NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 144.2,142.1,137.7,133.5,131.5,131.3,127.2,124.2,123.7,123.3,122.7,120.9,110.4
【0151】
1?(3?アミノフェニル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP423)
【0152】
【化43】

【0153】
方法A2:3?ヨードアニリンを使用。収率78%:融点137?38℃;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.94(br.s.,2H,NH_(2)),6.72?6.77(m,1H,Ar?5^(2)H),6.78(s,1H,Ar?2^(2)H),6.87(d,J=7.34Hz,1H,Ar?4^(2)H),7.27?7.40(m,3H,Ar?6^(2),5^(1)および6^(1)Hs),7.54?7.63(m,1H,Ar?4^(1)),7.81?7.92(m,1H,Ar?7^(1)H),8.09(s,1H,Ar?2^(1)H);^(13)CNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 148.0,142.3,137.3,133.6,130.8,123.5,122.6,120.5,114.4,113.7,110.7,110.1
【0154】
3?[4?(ベンズイミダゾリルメチル)フェニル]?1?メトキシベンゼン(VNPP347B(B1))
【0155】
【化44】

【0156】
方法B:VNPP346(0.3g,1.05mmol)および3?メトキシフェニルボロン酸(0.24g,1.57mmol)を使用。収率(0.31g,94%):融点132?133℃;IR(Neat2960,1607,1584,1567,1482,1437,1296,1208,1174,1058,1014,839,777cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,CDCl3)δ 3.87(s,3H,CH_(3)),5.43(s,2H,CH_(2)),6.92(dd,J=8.24,1.98Hz,1H,Ar?4^(3)H),7.09(s,1H,Ar?2^(3)H),7.15(d,J=7.78Hz,1H,Ar?6^(3)H),7.25?7.28(m,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.28?7.32(m,2H,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.32?7.39(m,2H,Ar?5^(3)および7^(1)Hs),7.57(d,J=8.09Hz,2H,Ar?3^(2)および5^(2)H),7.86(d,J=7.78Hz,1H,Ar?4^(1)H),8.01(s,1H,Ar?2^(1)?H);^(13)CNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 160.2,144.1,143.4,142.0,141.3 134.7,134.1,130.0,127.9(2 x C),127.7(2 x C),123.3,122.5,120.6,119.7,113.1,113.0,110.3,55.5,48.7
【0157】
3?[4?(ベンズイミダゾリルメチル)フェニル]ベンゼンカルボニトリル(VNPP358(B2))
【0158】
【化45】

【0159】
方法B:VNPP346(0.19g、0.66mmol)および3?ニトリルフェニルボロン酸(0.15g、1mmol)を使用。収率(0.18g,86.7%):融点133?135°C;IR(Neat)2230,1491,1458,1368,1286,1260,1183,796cm^(?1);^(1)H NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 5.57(s,2H,CH_(2)),7.17?7.25(m,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.43(m,J=8.24Hz,2H,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.54?7.59(m,1H,Ar?7^(1)H),7.65(m,2H,Ar?4^(1)および5^(3)H),7.72(m,2H,Ar?3^(2)および5^(2)Hs),7.81(d,J=7.78Hz,1H,Ar?6^(3)H),7.99(d,J=8.70Hz,1H,Ar?64H),8.12(s,1H,Ar?2^(2)H),8.46(s,1H,Ar?2^(3)H);^(13)CNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 144.1,143.5,141.7,139.0,136.0,134.0,131.6,131.1,130.8,129.9,128.0,127.9,123.5,122.6,120.7,118.9,113.2,110.2,48.6
【0160】
3?[4?(ベンズイミダゾリルメチル)フェニル]フェノール(VNPP356(B3))
【0161】
【化46】

【0162】
方法B:VNPP346(0.20g、0.7mmol)および3?ヒドロキシフェニルボロン酸(0.15g,1.08mmol)を使用。収率(0.14g,65.7%):融点231?232°C;IR(Neat)3103,1582,1567,1504,1476,1364,1305,1219,1196,830,777cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 5.54(br.s.,2H,CH_(2)),6.77(d,J=7.32Hz,1H,Ar?4^(3)H),7.00(br.s.,1H,Ar?2^(3)H),7.03(d,J=7.48Hz,1H,Ar?6^(3)H),7.22(m,J=7.02Hz,3H,Ar?5^(1),6^(1)および5^(3)Hs),7.38(d,J=7.48Hz,2H,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.57(d,J=7.02Hz,3H,Ar?3^(2),5^(2)および7^(1)Hs),7.69(d,J=6.87Hz,1H,Ar?4^(1)H),8.46(s,1H,Ar?2^(1)H),9.56(s,1H,?OH);^(13)C NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 158.4,144.9,144.2,141.7,140.4,136.7,134.3,130.5,128.5(2 X C),127.5(2 X C),123.1,122.2,120.1,118.0,115.2,114.1,111.3,47.9
【0163】
3?[4?(ベンズイミダゾリルメチル)フェニル]安息香酸(VNPP360(B7))
【0164】
【化47】

【0165】
方法Bを僅かに改変:VNPP346(0.19g,0.66mmol)および3?カルボキシフェニルボロン酸(0.17g,1mmol)および2M Na_(2)CO_(3)水溶液(2×2.13mL)。反応の完了後、反応混合物を希塩酸で中和し、EtOAcで抽出し、濾過、そして濃縮した。FCC[石油エーテル/EtOAc(1:1)、次いでDCM中の4%エタノールおよび微量のCH_(3)COOH]による精製で、VNPP360(0.03g,14%)を得た:融点240?242°C;IR(Neat)3337,1615,1499,1461,1266,1207,806,735cm^(?1) ^(1)H NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 5.57(s,2H,CH_(2)),7.21(quind,J=7.17 x 4,1.37Hz,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.42(d,J=8.24Hz,2H,Ar?2^(2)および6^(2)Hs),7.52?7.58(m,2H,Ar?4^(1)および7^(1)Hs),7.67(m,3H,Ar?5^(3),3^(2)および5^(2)Hs),7.84(d,J=8.09Hz,1H,Ar?6^(3)H),7.91(d,J=7.78Hz,1H,Ar?4^(3)H),8.14(s,1H,Ar?2^(1)H),8.45(s,1H,Ar?2^(3)H);^(13)C NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 168.2,144.2,140.4,139.4,137.2,134.3,133.0,131.2,129.8,129.0,128.8,128.7(2 X C),128.0,127.7(2 X C),122.4,122.1,120.1,111.3,47.9
【0166】
5?{3?[4?(ベンズイミダゾリルメチル)フェニル]フェニル}?1H?1,2,3,4?テトラゾール(VNPP361(B11))
【0167】
【化48】

【0168】
方法C:0.85g(0.274mmol)のVNPP358を使用。収率(0.075g,77.4%):融点231?233℃;IR(Neat)3337,1615,1499,1461,1266,1207,806,735cm^(?1) ^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 5.59(s,2H,CH_(2)),7.22(quin,J=7.13Hz,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.45(d,J=7.78Hz,2H,Ar?2^(2)および2^(6)Hs),7.59(d,J=6.71Hz,2H,Ar?3^(2)および5^(2)Hs),),7.68(d,J=7.32Hz,1H,Ar?6^(3)H),7.70?7.79(m,3H,Ar?7^(1),5^(3),および4^(1)),8.07(d,J=7.48Hz,1H,Ar?4^(3)H),8.40(br.s.,1H,Ar?2^(1)H),8.49(br.s.,1H,Ar?2^(3)H);^(13)CNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 157.7,144.9,144.2,140.8,139.6,137.2,134.3,130.3,128.7(2 X C),128.3,127.7(2 X C),126.3,125.4,124.6,123.1,122.2,120.1,111.4,47.9
【0169】
3?[4?(2?ベンズイミダゾリルエチル)フェニル]?1?メトキシベンゼン(VNPP321(B18))
【0170】
【化49】

【0171】
方法B:VNPP319C(0.2g,0.66mmol)および3?メトキシフェニルボロン酸(0.16g,1.05mmol)を使用。ショートカラムでのFCC[石油エーテル/EtOAc(1:1)]による精製で、VNPP321を粘性液体として得た(0.16g,73%):IR(Neat)2936,1599,1480,1457,1288,1214,1168,1051,778,741cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 3.16(t,J=7.02Hz,2H,CH_(2)),3.85(s,3H,CH_(3)),4.41(t,J=7.02Hz,2H,=N?CH_(2)),6.88(dd,J=8.24,1.83Hz,1H,Ar?4^(3)?H),7.05?7.10(m,3H,Ar?6^(3),5^(1)および6^(1)Hs),7.13(d,J=7.63Hz,1H,Ar?7^(1)?H),7.28?7.36(m,3H,Ar?2^(2),6^(2)および2^(3)Hs),7.37?7.42(m,1H,Ar?5^(3)?H),7.48(d,J=8.09Hz,2H,Ar?3^(2)および5^(2)Hs).7.66(s,1H,Ar?2^(1)?H),7.82(dd,J=6.18,2.52Hz,1H,Ar?4^(1)H);^(13)C NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 160.1,143.9,143.1,142.3,140.1,136.9,133.7,130.0,129.2(2 X C),127.7(2 X C),123.2,122.4,120.6,119.7,112.9,112.9,109.8,55.5,46.8,36.0
【0172】
3?[4?(2?ベンズイミダゾリルエチル)フェニル]フェノール(VNPP355(B19))
【0173】
【化50】

【0174】
方法B:VNPP319C(0.21g,0.7mmol)および3?ヒドロキシフェニルボロン酸(0.15g,1.08mmol)を使用。収率(0.08g,37%):融点226?227°C;IR(Neat)2931,1585,1499,1456,1307,1215,1200,785cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 3.16(t,J=7.10Hz,2H,CH_(2)),4.52(t,J=7.17Hz,2H,=N?CH_(2)),6.77(d,J=7.48Hz,1H,Ar?4^(3)?H),6.97?7.09(m,2H,Ar?6^(3),5^(1)Hs),7.15?7.32(m,5H,Ar?7^(1),2^(3),5^(3),2^(2)および6^(2)Hs),7.49(d,J=7.78Hz,2H,Ar?3^(2),5^(2)Hs),7.59?7.73(m,2H,Ar?8^(1),5^(1)Hs),8.10(s,1H,Ar?2^(1)H),9.54(s,1H,?OH);^(13)CNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 158.4,144.5,144.0,141.9,139.1,138.0,134.3,130.5,129.9(2 X C),127.1(2 X C),122.8,122.1,120.0,117.9,114.9,113.9,111.1,46.0,35.6
【0175】
3?[4?(2?ベンズイミダゾリルエチル)フェニル]ベンゼンカルボニトリル(VNPP357(B20))
【0176】
【化51】

【0177】
方法B:VNPP319C(0.2g,0.66mmol)および3?ニトリルフェニルボロン酸(0.15g,1mmol)を使用。収率(0.18g,83.5%):融点157?159°C;IR(Neat)3073,2227,1493,1456,1396,1325,1283,1224,796,749cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 3.19(t,J=7.32Hz,2H,CH_(2)),4.54(t,J=7.32Hz,2H,=N?CH_(2)),7.20(t,J=7.55Hz,1H,Ar?5^(1)H),7.26(t,J=7.55Hz,1H,Ar?6^(1)H),7.32(d,J=8.09Hz,2H,Ar?2^(2),6^(2)Hs),7.63(d,J=6.87Hz,1H,Ar?7^(1)H),7.64?7.70(m,4H,Ar?3^(2),5^(2),4^(1)および5^(3)Hs),7.80(d,J=7.63Hz,1H.Ar?6^(3)H),8.00(d,J=8.09Hz,1H,Ar?4^(3)?H),8.09(s,1H,Ar?2^(3)H),8.13(s,1H Ar?2^(1)H);^(13)C NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 144.1,143.1,142.0,138.0,137.8,133.6,131.5,130.9,129.8,129.7,129.5,127.6,127.6,123.1,122.3,120.8,120.6,119.0,113.1,109.7,46.6,36.0
【0178】
1?(3’?メトキシ?[1,1’?ビフェニル]?4?イル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP444B(B23))
【0179】
【化52】

【0180】
方法B:VNPP442および3?メトキシフェニルボロン酸を使用。FCC[石油エーテル/EtOAc(3:1)]による精製で、固体VNPP444B(B23)(0.03g,27%)を得た。^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.90(s,3H,CH_(3)),6.96(dd,J=8.07,2.20Hz,1H,Ar?4^(3)?H),7.18(t,J=1.96Hz,1H),7.23(d,J=7.58Hz,1H),7.33?7.39(m,2H),7.39?7.45(m,1H),7.56?7.64(m,3H),7.79(d,J=8.56Hz,2H,Ar?3^(2)_(,)5^(2)?Hs),7.87?7.94(m,1H),8.16(s,1H,Ar?2^(1)H);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 160.13,144.16,142.25,141.31,140.95,135.60,133.72,130.05,128.74,124.28,123.76,122.86,120.71,119.61,113.15,113.04,110.51,55.38
【0181】
1?(3’?ヒドロキシ?[1,1’?ビフェニル]?3?イル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP441C(B24))
【0182】
【化53】

【0183】
方法B:VNPP371/1および3?ヒドロキシフェニルボロン酸を使用する。FCC[石油エーテル/EtOAc(3:1)]による精製で、固体VNPP441C(B24)(0.047g,43%)を得た:^(1)HNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 6.98(d,J=8.07Hz,1H,Ar?4^(3)),7.17(br.s.,2H),7.20?7.24(m,1H),7.28?7.39(m,2H),7.42(d,J=7.34Hz,1H),7.49(d,J=7.83Hz,1H),7.52(s,1H),7.59(t,J=7.83Hz,1H),7.68(d,J=7.58Hz,1H),7.89(d,J=7.82Hz,1H),8.16(s,1H,Ar?2^(1));^(13)CNMR(101MHz,CDCl_(3))δ157.58,143.34,142.90,141.93,140.85,136.36,133.63,130.44,130.36,127.06,124.16,123.29,122.89,122.76,120.19,118.74,115.77,114.18,110.75
【0184】
1?(3’?メトキシ?[1,1’?ビフェニル]?3?イル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP420(B25))
【0185】
【化54】

【0186】
方法B:VNPP371/1および3?メトキシフェニルボロン酸を使用。FCC[石油エーテル/EtOAc(3:1)]による精製で、粘着性固体VNPP420(B25)(0.1g,91%)を得た:^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.88(br.s.,3H,CH_(3)),6.96(d,J=7.34Hz,1H,Ar?4^(3)H),7.15(br.s.,1H,Ar?6^(3)H),7.22(br.s.,1H,Ar?5^(1)H),7.35(br.s.,2H,Ar?6^(1),2^(3)Hs),7.41(br.s.,1H,Ar?5^(3)H),7.51(br.s.,1H,Ar?6^(2)H),7.59(d,J=3.42Hz,1H,Ar 5^(2)H),7.64(s,1H,Ar?4^(2)H),7.68(s,1H,Ar?4^(1)H),7.72(br.s.,1H,Ar?7^(1)H),7.89(br.s.,1H,Ar?2^(2)H),8.17(br.s.,1H,Ar?2^(1));^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 160.1,144.1,143.3,142.3,141.2,136.8,133.7,130.4,130.1,126.8,123.7,122.8,122.8,122.8,120.7,119.6,113.4,113.0,110.5,55.3;HRMS calcd323.1154(C_(20)H_(16)N_(2)O)Na^(+),found 323.1156。
【0187】
3?[4?(2?ベンズイミダゾリルエチル)フェニル]安息香酸(VNPP359)
【0188】
【化55】

【0189】
方法Bを僅かに改変:VNPP319C(0.2g,0.66mmol)および3?カルボキシフェニルボロン酸(0.17g,1mmol)および2M Na_(2)CO_(3)水溶液(2×2.13mL)を使用。反応の完了後、反応混合物を希塩酸で中和し、EtOAcで抽出し、濾過、そして濃縮した。FCC[石油エーテル/EtOAc(1:1)、次いでDCM中の7%エタノールおよび微量のCH_(3)COOH]による精製で、VNPP359(0.07g,29%)を得た:融点215?217°C;IR(Neat)1689,1505,1438,1310,1242,1164,765,754cm^(?1);^(1)H NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 3.19(t,J=7.25Hz,2H,CH_(2)),4.55(t,J=7.25Hz,2H,=N?CH_(2)),7.19?7.24(m,1H,Ar?5^(1)?H),7.24?7.29(m,1H,Ar?6^(1)H),7.31(d,J=8.09Hz,2H,Ar?2^(2),6^(2)Hs),7.56?7.63(m,3H,Ar?3^(2),5^(2),7^(1)Hs),7.64?7.70(m,2H,Ar?4^(1),5^(3)Hs),7.86?7.92(m,1H,Ar?4^(3)?H),7.94(d,J=7.78Hz,1H,Ar?6^(3)?H),8.11(s,1H,Ar?2^(1)H),8.17(m,1H,Ar?2^(3)?H),13.07(br,1H,COOH);^(13)C NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 167.9,144.5,144.0,140.8,138.6,138.1,134.3,132.2,131.5,130.1(2 X C),129.9,128.7,127.7,127.3(2 X C),122.8,122.1,120.0,111.1,45.9,35.6
【0190】
5?{3?[4?(ベンズイミダゾリルエチル)フェニル]フェニル}?1H?1,2,3,4?テトラゾール(VNPP364)
【0191】
【化56】

【0192】
方法C:0.85g(0.26mmol)のVNPP357を使用。収率(0.07g,76.5%):融点223?225°C;IR(Neat)1575,1505,1456,1230,992,800,742cm^(?113);^(1)H NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 3.20(t,J=7.17Hz,3H,CH_(2)),4.56(t,J=7.25Hz,2H,=N?CH_(2)),7.20(t,J=7.55Hz,1H,Ar?5^(1)H),7.26(t,J=7.48Hz,1H,Ar?6^(1)H),7.33(d,J=7.93Hz,2H,Ar?2^(2),6^(2)Hs),7.61?7.72(m,5H,Ar?3^(2),5^(2),6^(3),5^(3)および7^(1)Hs),7.86(d,J=7.78Hz,1H,Ar?4^(1)H),8.02(d,J=7.63Hz,1H,Ar?4^(3)H),8.10(s,1H,Ar?2^(2)H),8.29(s,1H,Ar?2^(4)?H);^(13)C NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 156.0,144.5,143.8,141.4,138.8,137.9,134.3,130.7,130.2(2 X C),129.7,127.4(2 X C),126.4,125.7,125.6,122.9,122.1,120.0,111.2,46.0,35.6
【0193】
6?(3?ベンズイミダゾリルフェニル)ナフタレン?2?オール(VNPP372/2(Na1))
【0194】
【化57】

【0195】
方法B:VNPP371/1(0.1g,0.37mmol)および6?ヒドロキシナフチル?2?ボロン酸(0.1g,0.53mmol)を使用。ショートカラムでのFCC[石油エーテル/EtOAc(1:1)次いで、DCM中の2%エタノールおよび微量のTEA]による精製で、VNPP372/2(0.1g,81%)を得た:融点252?253°C;IR(Neat)1599,1495,1462,1229,1196,962,792,741cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 7.14(d,J=8.54Hz,1H,Ar?7^(3)H),7.17(d,J=2.5Hz,1H,Ar?5^(3)H),7.35(p,J=7.4Hz,2H,Ar?6^(1)および5^(1)Hs),7.67(d,J=7.8Hz,1H,Ar?6^(2)H),7.70?7.75(m,2H,Ar?4^(2)および5^(2)Hs),7.81(d,J=8.5Hz,2H,Ar Hs),7.87(dd,J=8.7,3.3Hz,2H,Ar Hs),7.90(d,J=7.6Hz,1H,Ar?8^(3)H),8.04(s,1H,Ar?10^(3)H),8.25(s,1H,Ar?2^(1)H),8.70(s,1H,Ar?2^(2)H),9.87(s,1H,?OH);^(13)CNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 156.5,144.5,144.1,142.9,137.3,134.8,133.8,131.2,130.6,128.6,127.4,126.5,126.4,125.9,124.2,123.1,122.7,122.5,120.6,119.8,111.4,109.1
【0196】
6?(3?ベンズイミダゾリルフェニル)?2?メトキシナフタレン(VNPP373/2(Na2))
【0197】
【化58】

【0198】
方法B:VNPP371/1および6?メトキシナフチル?2?ボロン酸を使用 ショートカラムでのFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(4:2:0.1)]による精製で、VNPP373/2(Na2)(0.1g,81%)を得た:融点156?157°C;IR(Neat)1604,,1499,1450,1228,1202,1037,837,733cm^(?1);^(1)HNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 3.95(br.s.,3H,CH_(3)),7.14?7.23(m,2H),7.36(br.s.,2H),7.51(br.s.,1H),7.62(br.s.,1H),7.67(br.s.,1H,),7.73(d,J=8.56Hz,1H),7.80(br.s.,2H),7.84(br.s.,2H),7.90(br.s.,1H),8.02(br.s.,1H),8.20(br.s.,1H);^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d_(6))δ 3.90(br.s.,3H),7.38(s,2H),7.35(s,1H),7.73(s,1H),7.71(s,2H),7.89?7.99(m,4H),8.07(br.s.,1H),8.32(br.s.,1H),8.71(br.s.,1H);^(13)CNMR(101MHz,CDCl_(3))δ 158.1,144.1,143.4,142.3,136.9,134.7,134.2,133.8,130.4,129.8,129.1,127.6,126.8,125.9,125.6,123.7,122.8,122.7,122.5,120.7,119.5,110.5,105.6,55.3;HRMS calcd373.1311(C_(24)H_(18)N_(2)O)H^(+),found373.1314。
【0199】
4?ヒドロキシスチレン(hydrosystylene)(VNPP383/2)
【0200】
【化59】

【0201】
乾燥THF(30mL)中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(3.85g,10.8mmol)の溶液に、t?BuOK(1.3g,11.6mmol)を数回に分けて30分間にわたって添加した。反応混合物をアルゴン下で1時間撹拌し、次いで4?ヒドロキシベンズアルデヒド(0.5g,4.09mmol)を添加し、そしてさらに3時間撹拌を継続した。次いで、反応混合物をDCM(100ml)で希釈し、水およびかん水で洗浄し、乾燥し(Na_(2)SO_(4))、そして溶媒を真空下でエバポレートした。粗生成物をFCC[石油エーテル/EtOAc(4:1)]により精製して、VNPP383/2(0.25g,50.8%)を得た:融点101?105°C;IR(Neat)3299,1611,1597,1509,1443,1365,1222,1171,824cm^(?1);^(1)H NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 4.13(br,1H,?OH),5.06?5.18(m,1H,Vinyl CH_(2)?H),5.54?5.65(m,1H,Vinyl CH_(2)?H),6.65(dd,J=17.47,10.91Hz,1H,Vinyl CH),6.79(dd,J=8.39Hz,2H,Ar?2,6Hs),7.30(dd,J=8.39Hz,2H,Ar?3,5Hs)
【0202】
4?[(1E)?2?(3?ベンズイミダゾリルフェニル)ビニル]フェノール(VNPP388(S1))
【0203】
【化60】

【0204】
p?ヒドロキシスチレン(hydrosystylene)(VNPP383?2)(0.1g,0.83mmol),1?(3?ブロモフェニル)?1H?ベンゾ[d]イミダゾール(VNPP371/1)(0.12g,0.44mmol),トリエタノールアミン(0.065g,0.43mmol)および酢酸パラジウム(II)(0.004g,0.018mmol)の混合物を、アルゴン下、100℃にて24時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、2NHClの添加によりクエンチし、そしてEtOAcで抽出した(3×10mL)。有機相を乾燥し(Na_(2)SO_(4))、エバポレートし、そして粗生成物をFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(3:2:0.01)]により精製して、純粋なVNPP388(0.025g,19%)を得た:融点182?184°C;IR(Neat1596,1580,1496,1454,1278,1232,1217,1171,819cm^(?1);^(1)HNMR(400MHz,DMSO?d6)δ 6.79(m,J=8.31Hz,2H,Ar?3^(3)および3^(5)Hs),7.14(d,J=16.38Hz,1H,Vinyl CH),7.29?7.37(m,3H,Vinyl CH,Ar?1^(6)および1^(5)Hs),7.46(m,J=8.31Hz,2H,Ar?3^(2)および3^(6)Hs),7.53?7.66(m,4H,Ar?2^(6),1^(4),2^(5)および2^(4)Hs),7.79(d,J=7.58Hz,1H,Ar?1^(7)H),7.85(s,1H,Ar?1^(2)H),8.60(s,1H,Ar?2^(2)H),9.63(s,1H,?OH);^(13)C NMR(400MHz,DMSO?d6)δ 158.1,144.3,143.8,140.2,136.9,133.6,130.7,130.6,128.6,128.2,125.7,124.4,123.9,122.9,122.4,121.4,120.4,116.0,111.2
【0205】
1?[(1E)?2?(3?ベンズイミダゾリルフェニル)ビニル]?4?メトキシベンゼン(VNPP391B3(S2))
【0206】
【化61】

【0207】
VNPP388(S1)の合成についての手順に従ってp?メトキシフェニリスチレンを使用して合成した。粗生成物をFCC[石油エーテル/EtOAc/DCM/TEA(6:1:1:0.01)]により精製して、純粋なVNPP391B3(S2)(0.1g,83.4%)を得た:融点95?96°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.84(s,3H,CH_(3)),6.89?6.95(m,2H,Ar?3^(3)および5^(3)Hs),7.03(d,J=16.38Hz,1H,Vinyl CH),7.15(d,J=16.14Hz,1H,Vinyl CH),7.33?7.40(m,3H,Ar?6^(1),5^(1)および 2^(3)Hs),7.46?7.51(m,2H,Ar?6^(3)および 6^(2)Hs),7.52?7.60(m,3H,Ar?,4^(1),5^(2)および4^(2)Hs),7.62(s,1H,Ar?2^(2)H),7.88?7.93(m,1H,Ar?7^(1)H),8.16(s,1H,Ar?2^(1)H)^(13)CNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 159.7,144.1,142.3,139.9,136.8,133.7,130.2,130.2,129.4,128.0(2 X C),125.8,124.9,123.7,122.8,122.5,121.5,120.6,114.2(2 X C),110.5,55.3;HRMS calcd349.1311(C_(21H18)N_(2)O)Na^(+),found 349.1314。
【0208】
4?{[(3?ベンズイミダゾリルフェニル)メチル]アミノ}フェノール(VNPP428(Am?a1))
【0209】
【化62】

【0210】
方法D:4?ヒドロキシベンズアルデヒドを使用。収率33.8%;融点94?97°C;^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d_(6))δ 4.14?4.28(m,2H,CH_(2)),6.65?6.80(m,5H),7.19(d,J=7.34Hz,2H),7.26(br.s.,2H),7.31(br.s.,1H),7.74(d,J=6.85Hz,1H),8.45(br.s.,1H),9.32(br.s.,1H);^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 4.28(s,2H,CH_(2)),4.61(s,1H,NH),6.66(t,J=2.08Hz,1H),6.68?6.73(m,1H),6.75?6.80(m,1H),6.85?6.91(m,2H),7.19?7.25(m,2H),7.27?7.32(m,2H),7.41(d,J=4.16Hz,1H),7.80?7.89(m,1H),8.09(s,1H);^(13)C NMR(101MHz,DMSO?d_(6))δ 156.7,150.4,143.4,137.1,130.7,130.0,128.9(2 X C),128.2,123.6,122.7,120.3,115.6(2 X C),115.2,112.4,111.3,110.6,106.9,46.3;HRMS calcd316.1444(C_(20)H_(17)N_(3)O)H^(+),found 316.1446。
【0211】
[(3?ベンズイミダゾリルフェニル)メチル](4?メトキシフェニル)アミン(VNPP429(Am?a2))
【0212】
【化63】

【0213】
方法D:4?メトキシベンズアルデヒドを使用。収率50%;融点121?22°C;^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d_(6))δ 3.74(br.s.,3H),4.22?4.34(m,2H),6.63?6.79(m,4H),6.93(d,J=7.83Hz,2H),7.17?7.38(m,6H),7.73(d,J=6.85Hz,1H),8.45(br.s.,1H);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 159.0,149.3,144.0,142.3,137.4,133.6,130.6,130.4,128.7(2 X C),123.4,122.6,120.4,114.2(2 X C),112.6,112.4,110.8,107.6,55.3,47.5;HRMS calcd352.1420(C_(21)H_(19)N_(3)O)Na^(+),found 352.1422。
【0214】
N?(3?ベンズイミダゾリルフェニル)(4?メトキシフェニル)カルボキサミド(VNPP432(Amd?b2))
【0215】
【化64】

【0216】
EtOAc(10mL)中のVNPP423(0.15g,0.72mmol),TEA(0.1g,1.0mmol)および4?メトキシベンゾイルクロリド(0.3g,1.8mmol)の混合物を、室温にて5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を石油エーテル?EtOAc混合液(3:2)、次いで水で洗浄した。母液をFCC[DCM中の1%エタノールおよび微量のTEA]により別々に精製した。全体の収率0.12g(48.7%):融点212?214°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.83(s,2H),6.93(d,J=6.85Hz,2H)7.06(d,J=7.82Hz,1H)7.19(t,J=7.58Hz,1H)7.31?7.44(m,4H)7.77?7.81(m,2H)7.97(d,J=8.31Hz,1H)8.02(s,1H)8.31(s,1H,Ar?2^(1))8.72(s,1H,NH);HRMS calcd344.1393(C_(21)H_(17)N_(3)O_(2))H^(+),found 344.1397。
【0217】
(3?ベンズイミダゾリルフェニル)[(4?メトキシフェニル)スルホニル]アミン(VNPP431(SulAmd?2))
【0218】
【化65】

【0219】
ピリジン中のVNPP423(0.15g,0.72mmol),4?メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.44g,2.15mmol)の混合物を24時間灌流した。室温に冷却し、氷冷水上に注ぎ、EtOAcで抽出し、エバポレートし、そして粗生成物をFCC[DCM中の1%エタノールおよび微量のTEA]により精製した。VNPP431(SulAmd?2)(0.13g,47.8%):融点169?71°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 3.84(s,3H,CH_(3))6.90?6.97(m,2H,Ar?2^(2),4^(2)Hs)7.13?7.19(m,1H,Ar?6^(2)H)7.21?7.26(m,1H,Ar?5^(2)H)7.28?7.31(m,2H,Ar?Hs)7.32(d,J=1.96Hz,1H,Ar?H)7.33?7.40(m,2H,Ar?Hs)7.41?7.48(m,1H,Ar?H)7.76?7.81(m,2H,Ar?Hs)7.83?7.88(m,1H,Ar?H)8.07(s,1H,Ar?2^(1));^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 163.4,143.9,142.0,138.6,137.2,133.3,131.0,130.4,129.5(2 X C),123.9,123.0,120.6,120.1,120.0,115.9,114.4(2 X C),110.4,55.6;HRMS calcd 402.0882(C_(20)H_(17)N_(3)O_(3)S)Na^(+),found 402.0886。
【0220】
6β?イミダゾール?1イル?3,5?シクロアンドロスタン?17?ベンズイミダゾール?1?イル?16?エン(VNPP433?6β)、3α?(1H?イミダゾール?1?イル)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP433?3α(A3))および3β?(1H?イミダゾール?1?イル)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP433?3β(2d)(A1)
Dean?stark装置に装備した丸底フラスコおよび冷却装置を、VNPT88(0.6g,1.3mmol),イミダゾール(0.3g,4.4mmol)およびトルエンでチャージした。反応混合物を、12時間灌流した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣を水で洗浄して、粗生成物を得た。FCC[DCM中の1%エタノールおよび微量のTEA]による精製で、3つの成分VNPP433?6β、VNPP433?3α(A3)およびVNPP433?3β(2d)(A1)(0.23g,61%)を得た:この3成分混合物を、個々の化合物の単離のために分取HPLCに供した。
【0221】
HPLC分離:分取HPLC分離を、254nmにて操作されたWaters 2489UV/可視検出器を備えたWaters Prep Nova?Pak(7.8×300mm、60A、6μm)HR C?18逆相HPLCカラム(Waters、Milford、MA)に対して行った。6mL/分の定流動を供給するために、Watersモデル2535Quarternary Gradient Moduleポンプを使用して、溶出を行った。溶媒系は、水/MeOH/CH_(3)CN(1000mLの可動相当り200:500:300、v/v/v+500μLのTEA)からなり、そして均一濃度に維持した。サンプルストック溶液を、20mLの可動相中に200mg(FCCによって得られた3成分混合物)を溶解することにより調製した。13分間の実行時間で、合計20回の、各1mL容量の注入を行った。化合物VNPP433?6βを5.12?6.73分の間に回収し、VNPP433?3α(A3)を7.77?8.93分の間に回収し、およびVNPP433?3β(2d)(A1)を10.17?12.09分の間に回収した。
【0222】
3成分混合物のHPLCクロマトグラムの実験。VNPP433?6β、VNPP433?3α(A3)、およびVNPP433?3β(A1)についての保持時間は、それぞれ、5.14、7.87、および10.07分であった。図11を参照のこと。
【0223】
6β?イミダゾール?1イル?3,5?シクロアンドロスタン?17?ベンズイミダゾール?1?イル?16?エン(VNPP433?6β)
【0224】
【化66】

【0225】
保持時間5.14分;0.13g,34.6%:融点104?106°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 0.79(s,3H,18?CH_(3)),0.97(s,3H,19?CH_(3)),3.66(br.s.,1H,6α?H),5.97?6.02(m,1H,16?H),7.09(s,1H,Ar?4^(2)?H),7.22(br.s.,1H,Ar?5^(2)?H),7.28?7.36(m,2H,Ar?5^(1),6^(1)?Hs),7.46?7.52(m,1H,Ar?7^(1)?H),7.79?7.89(m,2H,Ar?4^(1)?HおよびAr?2^(2)?H),7.95(s,1H,Ar?2^(1)?H);^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d_(6))δ ppm 0.67(s,3H),0.91(s,3H),3.73(br.s.,1H),6.09(s,1H),6.93(br.s.,1H),7.21?7.33(m,2H),7.36(s,1H),7.57(d,J=7.82Hz,1H),7.70(d,J=7.58Hz,1H),7.85(br.s.,1H),8.25(s,1H);^(13)C NMR(400MHz,CDCl_(3))δ147.35,143.24,141.49,136.41,134.47,128.62,123.52,123.48,122.54,120.21,118.13,111.07,58.61,55.37,48.47,47.42,43.24,35.18,34.90,,34.34,33.34,30.14,29.19,24.78,24.24,22.01,19.72,16.25,14.31HRMS calcd439.2856(C_(29)H_(34)N_(4)O)H^(+),found 439.2858。
【0226】
3α?(1H?イミダゾール?1?イル)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP433?3α(A3))
【0227】
【化67】

【0228】
保持時間8.87分;0.012g,3.2%:融点199?200°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 1.02(s,3H,18?CH_(3)),1.14(s,3H,19?CH_(3)),4.41(br.s.,1H,3β?H),5.56(br.s.,1H,6?H),5.99(br.s.,1H,16?H),7.03(d,J=4.89Hz,2H,Ar?4^(2)?HおよびAr?5^(2)?H),7.28?7.33(m,2H,Ar?5^(1),6^(1)?Hs),7.49(d,J=8.31Hz,1H,Ar?7^(1)?H),7.73(s,1H,Ar?2^(2)?H),7.81(d,J=8.80Hz,1H,Ar?4^(1)?H),7.95(s,1H,Ar?2^(1)?H);^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d_(6))δ 0.97(s,3H,18?CH_(3)),1.10(s,3H,19?CH_(3)),4.42(br.s.,1H,3β?H),5.53(br.s.,1H,6?H),6.06(br.s.,1H,16?H),6.86(s,1H),7.19?7.33(m,3H),7.56(d,J=7.83Hz,1H),7.69(d,J=7.34Hz,2H),8.24(s,1H);^(13)CNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 147.11,143.29,141.64,139.13,134.58,128.56,124.18,123.41,123.36,122.48,120.22,118.70,111.13,55.74,53.00,50.19,47.23,37.27,35.97,34.74,32.29,31.12,30.23,30.20,29.71,28.39,20.27,19.32,16.01;HRMS calcd 439.2856(C_(29)H_(34)N_(4)O)H^(+),found 439.2857
【0229】
3β?(1H?イミダゾール?1?イル)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP433?3β(2d)(A1))
【0230】
【化68】

【0231】
保持時間10.074分;0.04g,10.6%:融点198?200°C;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.04(s,3H,18?CH3),1.14(s,3H,19?CH3),3.86?3.98(m,1H,3α?H),5.50(br.s.,1H,6?H),6.00(br.s.,1H,16?H),7.00(br.s.,1H,Ar?42?H),7.07(br.s.,1H,Ar?52?H),7.28?7.33(m,2H,Ar?51,61Hs),7.49(d,J=5.62Hz,1H,Ar?71?H),7.57(br.s.,1H,Ar?22?H),7.82(d,J=5.62Hz,1H,Ar?41?H),7.96(s,1H,Ar?21?H);1H NMR(400MHz,DMSO?d6)δ ppm 0.99(s,3H),1.12(s,3H),3.93?4.03(m,1H),5.47(d,J=4.65Hz,1H),6.07(s,1H),6.88(s,1H),7.23?7.32(m,2H),7.33(s,1H),7.57(d,J=7.58Hz,1H),7.71(d,J=7.58Hz,1H),7.74(s,1H),8.27(s,1H)13C NMR(400MHz,CDCl3)δ147.25,143.40,141.72,140.20,134.68,129.27,124.21,123.55,122.63,122.39,120.34,116.97,111.26,57.54,55.92,50.62,47.35,40.67,38.00,37.03,34.94,31.17,30.41,30.02,29.83,20.73,19.47,16.15,0.14;HRMS calcd calcd 439.2856(C_(29)H_(34)N_(4)O)H+,found439.2858。
【0232】
3β?(1H?イミダゾール?1?カルボチオエート)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP397(A9))
【0233】
【化69】

【0234】
無水アセトニトリル(2mL)およびDCM(1mL)中の17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン?3β?オール(VN/124?1)(0.2g,0.515mmol),1,1’?チオカルボニルジイミダゾール(0.18g,1.03mmol)の溶液を5時間灌流した。溶媒をエバポレートし、残渣を水で処理し、そして濾過した。得られた茶色の粗固体を、微量のTEA(0.06%)の存在下、DCM中の1.7%エタノールを使用したFCCにより精製して、VNPP397(0.14g,54.5%)を得た:融点187?88°C;IR(Neat)1487,1456,1386,1324,1291,1243,1222,1110,986,827,743cm^(?11)HNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 1.03(s,3H,18?CH_(3)),1.14(s,3H,19?CH_(3)),5.31?5.42(m,1H,3α?H),5.48?5.57(m,1H,6?H),6.00(br.s.,1H,16?H),7.03(s,1H,Ar?4^(2)H),7.28?7.35(m,2H,Ar?5^(1)および6^(1)Hs),7.49(d,J=5.14Hz,1H,Ar?5^(2)H),7.64(s,1H,Ar?4^(1)H),7.82(d,J=7.58Hz,1H,Ar?7^(1)H),7.96(s,1H,Ar?2^(1)),8.35(s,1H,Ar?2^(2)H);^(13)C NMR(400MHz CDCl_(3))δ 183.3,147.1,143.3,141.6,139.0,136.7,130.7,124.1,123.4,123.2,122.5,120.2,117.9,111.1,83.3,55.7,50.3,47.2,37.2,36.8,36.6,34.8,31.1,30.3,30.2,27.0,20.6,19.2,16.0
【0235】
3β?(ピリジン?3?イルメトキシ)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP415C(A15))
【0236】
【化70】

【0237】
VN124?1(0.1g,0.257mmol),水素化ナトリウム(0.02g,0.836mmol)およびDMF(2mL)の溶液に、室温にてアルゴン下で、3?(インドメチル)ピリジンハイドロヨーダイド(0.16g,0.46mmol)を添加した、反応を65℃に加熱し、48時間継続し、そして冷却し、次いで氷冷水上に注ぎ、濾過し、そして乾燥した。FCCによる精製[石油エーテル/EtOAc(3:2)]で、VNPP415C(A15)(53mg,43%)を得た:融点196?97°C;^(1)HNMR(400MHz,CDCl_(3))δ 1.02(s,3H,18?CH_(3)),1.07(s,3H,19?CH_(3)),3.31(m,1H,3α?H),4.59(s,2H,?CH_(2)),5.42(d,J=5.38Hz,1H,6?H),5.98(dd,J=3.18,1.71Hz,1H,16?H),7.27?7.34(m,3H,Ar?Hs),7.47?7.51(m,1H),7.70(d,J=7.82Hz,1H),7.78?7.85(m,1H),7.96(s,1H,Ar?2^(1)H),8.54(dd,J=5.01,1.59Hz,1H,Ar?6^(2)H),8.59(d,J=1.71Hz,1H,Ar?2^(2)H);^(13)CNMR(101MHz,CDCl_(3))δ 149.14,149.01,147.23,143.33,141.64,141.13,135.28,134.58,134.37,124.06,123.39,122.46,121.19,120.23,111.14,97.23,78.86,67.50,55.90,50.56,47.25,39.11,37.11,37.09,34.89,31.14,30.38,30.30,28.34,20.67,19.32,16.02
【0238】
3β?(ピリジン?4?イルメトキシ)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP414(A16))
【0239】
【化71】

【0240】
VN124?1(0.1g,0.257mmol),水素化ナトリウム(0.185g,7.7mmol)およびDMF(2mL)の溶液に、室温にて、アルゴン下、4?(ブロモメチル)ピリジンハイドロブロミド(0.2g,0.772mmol)を添加した。反応を65℃に加熱し、12時間継続し、冷却し、次いで氷冷水上に注ぎ、濾過し、そして乾燥した。FCC[石油エーテル/EtOAc(3:2)]による精製で、VNPP414(A16)(15mg,12%)を得た:融点166?67°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 1.02(s,3H,18?CH_(3)),1.08(s,3H,19?CH_(3)),3.30(m,1H,3α?H),4.59(s,2H,?CH_(2)),5.42(d,J=4.89Hz,1H,6?H),5.98(br.s.,1H,16?H),7.27?7.34(m,4H,aromatic?Hs),7.49(d,J=5.14Hz,1H,Ar7^(1)?H),7.81(d,J=4.40Hz,1H,Ar?6^(1)?H),7.95(s,1H,Ar?2^(1)?H),8.57(d,J=4.65Hz,2H,Ar?2^(2),6^(2)?Hs);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 149.8,148.2,141.6,141.0,134.5,124.0,123.3,122.4,121.7,121.2,120.2,111.1,79.1,68.3,55.9,50.5,47.2,39.1,37.1,37.0,34.8,31.1,30.3,30.3,28.3,20.6,19.3,16.0;HRMS calcd 502.2828(C_(32)H_(37)N_(3)O)Na^(+),found 502.2834。
【0241】
3β?(メトキシ)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)アンドロスタ?5,16?ジエン(VNPP412(A31))
【0242】
【化72】

【0243】
VN124?1(0.1g,0.257mmol),水素化ナトリウム(12.4mg,0.515mmol)およびDMF(2mL)の溶液に、室温にてアルゴン下、MeI(75mg,0.515mmol)を添加した。反応を1時間継続し、次いで氷冷水上に注ぎ、EtOAcで抽出し、そして有機溶媒をエバポレートした。粗生成物をFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(4:1:0.2)]により精製して、VNPP412(A31)(0.08g,77%)を得た:融点136?37°C;^(1)H NMR(400MHz,CDCl_(3))δ 1.02(s,3H,18?CH_(3)),1.05(s,3H,19?CH_(3)),2.43(d,J=13.69Hz,2H),3.08(m,1H,3α?H),3.37(s,3H,CH_(3)),5.41(br.s.,1H,6?H),5.98(br.s.,1H,16?H),7.30(m,2H,Ar?5^(1),6^(1)?Hs),7.49(d,J=3.34Hz,1H,Ar?7^(1)?H),7.81(m,1H,Ar?4^(1)?H),7.96(s.,1H,Ar?2^(1)?H);^(13)C NMR(101MHz,CDCl_(3))δ 147.2,141.3,124.0,123.3,122.4,120.9,120.2,111.1,80.1,55.9,55.6,50.5,47.2,38.7,37.1,37.0,34.9,31.1,30.3,30.3,27.9,20.6,19.3,16.0;HRMS calcd 425.2563(C_(27)H_(34)N_(2)O)Na^(+),found 425.2566。
【0244】
3?[{トリフルオロメチル?スルホニル}?オキシ]?エストラ?1,3,5?(10)?トリエン?17?オン(VNPP308)
【0245】
【化73】

【0246】
DCM(40mL)中のエストロン(2.5g,9.24mmol)に、0℃にてTEA(1.9g,18.5mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.86g,10.17mmol,)を添加した。反応混合物を、NaHCO_(3)飽和水溶液(40mL)の添加の前に0℃にて1時間撹拌した。相を分離し、そして水相をDCM(2×40mL)で抽出した。合わせた有機相をかん水(40mL)で洗浄し、そして乾燥(Na_(2)SO_(4))した。濾液を真空下で濃縮し、そして残渣をショートFCC[石油エーテル/EtOAc(8:2)]により精製して、VNPP308(1.67g,99%)を得た:融点99°C;IR(Neat)1736,1487,1420,1209,1138,916,829cm?1;^(1)H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.92(s,3H,18?CH_(3)),1.43?1.71(m,7H),1.95?2.22(m,4H),2.30(td,J=10.60,4.39Hz,1H,12β?H),2.37?2.45(m,1H,14?H),2.48?2.58(m,1H,8?H),2.95(dd,J=8.66,3.89Hz,2H,6?H),7.00(d,J=2.76Hz,1H,4?H),7.03(dd,J=8.64,2.68Hz,1H,2?H),7.34(d,J=8.28Hz,1H,1?H)
【0247】
エストラ?l,3,5?(10)?トリエン?17?オン?3?メチルカルボキシレート(VNPP309A)
【0248】
【化74】

【0249】
VNPP308(3g,7.46mmol),酢酸Pd(II)(0.12g,0.54mmol),1,3?bis?(ジフェニル?ホスフィノ)プロパン(dppp)(0.19g,0.46mmol),TEA(2.36g,23.27mmol),メタノール(12mL),およびDMF(20mL)の混合物を、一酸化炭素をゆっくりと一定にパージしながら、70°Cにて9時間加熱した。次いで、反応混合物を冷却し、かん水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAcで抽出し(3×100mL)、セライトを介して濾過し、そしてNa_(2)SO_(4)で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを次いでFCC[石油エーテル/EtOAc(9.5:0.5,9:1,8.5:1.5グラジエント)]により精製して、第1の純粋なVNPP309A(0.75g,32.2%)を得た 融点120?122°C;IR(Neat)2931,1731,1717,1441,1290,1260,1199,1174,750cm?l ^(1)H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.92(s,3H,18?CH_(3)),1.43?1.70(m,8H),1.99(d,J=12.05Hz,1H,),2.04?2.21(m,3H),2.47?2.57(m,1H,8?H),2.94?3.00(m,2H,6?H),3.90(s,3H,CH_(3)),7.36(d,J=8.03Hz,1H,1?H),7.78(d,J=1.6Hz,1H,4?H),7.80(m,1H,2?H)
【0250】
次いで、UV不活性化合物(エストロン)(1.2g):融点255?262°C:IR(Neat)3281,1706,1578,1496,1286,1246,1152,1054,815;^(1)HNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 0.91(s,3H.18?CH_(3)),1.41?1.65(m,8H),1.93?2.08(m,3H),2.10?2.18(m,1H),2.21?2.27(m,1H),2.35?2.41(m,1H,),2.50(dd,J=19.00,8.62Hz,1H),2.87(dd,J=6.56,3.05Hz,2H,6?H),4.62(s,1H,?OH),6.58(d,J=2.3Hz,1H,H?4),6.64(dd,J=8.32,2.37Hz,1H,H?2),7.15(d,J=8.24Hz,1H,H?1);^(1)H NMR(400MHz,DMSO?d6)δ 0.82(s,3H),1.31?1.40(m,3H),1.43?1.52(m,2H),1.56(br.s.,1H),1.75(d,J=8.56Hz,1H),1.94(d,J=8.07Hz,2H),2.31(d,J=5.14Hz,1H),2.75(d,J=5.14Hz,2H),6.45(s,1H),6.51(d,J=8.07Hz,1H),7.05(d,J=8.56Hz,1H),9.00(s,1H)
【0251】
エストラ?l,3,5?(10),16?テトラエン?17?ブロモ?16?ホルミル?3?メチルカルボキシレート(VNPP315B)
【0252】
【化75】

【0253】
氷冷DMF(2.5mL)に三臭化リン(1.44g,5.30mmol)を滴下して添加し、そして5分間撹拌した。乾燥CHCl_(3)(5mL)中のVNPP309A(0.75g,2.40mmol)の溶液を添加し、そして5時間灌流した。次いで、真空下で濃縮して、氷上に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機相を乾燥し、そしてエバポレートして固体を得た。次いで、残渣をTHFで湿潤し、20%HClで2時間撹拌し、EtOAcで抽出し、有機相をNa_(2)SO_(4)で乾燥し、そしてエバポレートした。FCC[石油エーテル/EtOAc(9:1)]による精製で、純粋なVNPP315B(0.5g,51.7%)を得た:融点149?150°C;IR(Neat)2936,1708,1668,1578,1435,1291,1260,1193,1108,757cm?l;^(1)H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.97(s,3H,18?CH_(3)),1.55(s,1H),1.64(d,J=1.25Hz,1H),1.65?1.68(m,1H),1.68?1.71(m,1H),1.71?1.81(m,1H),1.96?2.04(m,2H),2.09?2.18(m,1H),2.39(br.s.,1H),2.47?2.55(m,1H),2.65(dd,J=14.68,6.40Hz,1H),2.93?3.00(m,2H,6?H),3.90(s,3H,CH_(3)),7.34(dd,J=8.28,1.0Hz,1H,1?H),7.78(d,J=1.7Hz,1H,4?H),7.80(dd,J=8.16,1.88Hz,1H,2?H),9.91(s,1H,CHO)
【0254】
エストラ?l,3,5?(10),16?テトラエン?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)?16?ホルミル?3?メチルカルボキシレート(VNPP330)
【0255】
【化76】

【0256】
化合物VNPP315B(0.25g,0.62mmol),ベンズイミダゾール(0.22g,1.86mmol)、および乾燥DMF(2mL)中のK_(2)CO_(3)(0.26g,1.86mmol)の混合物を、アルゴン下で1時間、80℃にて加熱した。室温への冷却後、反応混合物を氷冷水(50mL)上に注ぎ、そして得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥した。ショートFCC[ヘキサン/EtOAc/TEA(10:5:0.1)]での精製で、純粋なVNPP330(0.26g,95%)を得た:融点121?122℃:IR(Neat)2945,1705,1664,1602,1489,1291,1086,748;^(1)H NMR(500MHz,CDCl3)δ 1.02(br.s.,3H,18?CH_(3)),1.18?1.32(m,1H),1.53?1.64(m,4H),1.67(d,J=9.61Hz,1H),1.76(d,J=10.99Hz,2H),2.00(br.s.,2H),2.04(br.s.,1H),2.06?2.14(m,1H),2.38?2.61(m,3H),2.88(s,3H),2.96(s,2H),2.98?3.08(m,2H),3.90(s,3H,CH_(3)),7.31?7.42(m,4H,Ar?H),7.80(br.s.,2H,Ar?H),7.88(dd,J=6.26,2.90Hz,1H,2?H),8.02(br.s.,1H,Ar?2^(1)H),9.62(s,1H,CHO)
【0257】
3?(メチルカルボキシレート)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)?エストラ?1,3,5?(10),16?テトラエン(VNPP334(E6))
【0258】
【化77】

【0259】
乾燥ベンゾニトリル(3mL)中のVNPP330(0.22g,0.5mmol)の溶液を、10%Pdの存在下、活性炭(0.11g、すなわち、基質の50%の重量)において9時間灌流した。次いで、0.05gを超える触媒を添加し、そして12時間灌流した。室温への冷却後、セライトパッドを介する濾過により触媒を除去した。濾液をエバポレートし、そして残渣をFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(8:2:0.5)]により精製しして、VNPP334(0.12g,57%)を得た:融点:165-167°C:IR(Neat)2927,1716,1486,1451,1288,1265,1108,753,737;^(1)HNMR(500MHz,CDCl3)δ 1.03(s,3H,18?CH_(3)),1.19?1.32(m,1H),1.53?1.61(m,1H),1.63?1.81(m,3H),1.87(td,J=12.36,3.20Hz,1H),1.93?2.12(m,3H),2.25?2.36(m,1H),2.42?2.59(m,3H),2.95?3.06(m,2H,6?Hs),3.90(s,3H,CH_(3)),6.02(br.s.,1H,16?H),7.28?7.39(m,3H,Ar?Hs),7.51(d,J=6.41Hz,1H,Ar?7^(1)H),7.77?7.86(m,3H,Ar?Hs),8.00(s,1H,Ar?2^(1)H);CDCl3:167.46,147.38,145.47,143.44,141.79,136.91,134.77,130.42,127.82,127.06,125.29 124.28,123.68,122.76,120.43,111.30,55.31,52.19,47.76,45.06,36.82,35.07,30.23,29.32,27.22,26.11,16.37
【0260】
3?(カルボン酸)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)?エストラ?1,3,5?(10),16?テトラエン(VNPP341(E5))
【0261】
【化78】

【0262】
VNPP334(0.1g,0.24mmol),10%メタノールKOH(1.5mL)およびメタノール(5mL)の懸濁物を、2時間灌流した。反応混合物を冷却し、固体を濾過し、そして冷却メタノールで洗浄した。ショートカラム[DCM中の10%メタノール]でのFCCによる精製で、純粋なVNPP341(0.09g,93%)を得た:融点270°C(decomp):IR(Neat)1693,1606,1494,1456,1299,1252,1226,1122,756,745,737;^(1)HNMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 0.96(s,3H,CH_(3)),1.19?1.29(m,1H),1.42?1.58(m,2H),1.60?1.72(m,1H),1.76?1.90(m,2H),1.90?2.02(m,2H),2.36?2.49(m,3H),2.93(d,J=5.34Hz,2H,6?H),6.08(br.s.,1H,16?H),7.23?7.34(m,2H,Ar?Hs),7.37(d,J=8.24Hz,1H,1?H),7.59(d,J=7.93Hz,1H,Ar?4^(1)H),7.65?7.77(m,3H),8.30(s,1H,Ar?2^(1)H);^(13)C NMR(500MHz,DMSO?d_(6))δ 168.2,147.2,145.5,143.5,142.9,137.1,134.9,130.4,127.2,125.7,124.4,123.9,122.8,120.2,112.0,55.1,47.5,44.8,36.7,34.5,30.2,29.2,27.1,26.1,19.5,16.4;^(1)HNMR(500MHz,CDCl3)δ 1.06(s,3H),1.57?1.66(m,2H),1.67?1.81(m,3H),1.85?1.96(m,2H),1.96?2.16(m,5H),2.29?2.39(m,2H),2.46?2.62(m,4H),3.04(d,J=4.88Hz,2H),6.06(br.s.,1H),7.32?7.37(m,2H),7.39(d,J=8.09Hz,1H),7.51?7.58(m,1H),7.84?7.94(m,3H),8.06(s,1H)
【0263】
3?(アセトキシ)?エストラ?1,3,5?(10)?トリエン?17?オン(VNPP310)
【0264】
【化79】

【0265】
ピリジン(15mL)中のエストロン(3g,11.1mmol)の氷冷溶液に、無水酢酸(7.36g,72.1mmol)を添加し、そして室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷水混合物(300mL)上に注ぎ、そして得られた固体を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥して純粋なVNPP310(3.4g,98%)を得た。:融点222?223℃;IR(Neat)1759,1732,1491,1365,1210,1183,1019,821;^(1)HNMR(300MHz,CDCl_(3))δ 0.89(s,3H,18?CH_(3)),2.29(s,3H,OAc),2.85?2.96(m,2H),6.81(m,1H,1?H),6.85(d,J=8.78Hz,1H,H?2),7.29(s,1H,H?4)
【0266】
3?(アセトキシ)?17?(ブロモ)?16?(ホルミル)?エストラ?1,3,5?(10)?,16?テトラエン(VNPP311)
【0267】
【化80】

【0268】
氷冷DMF(6.5mL)に、三臭化リン(2.88g,10.63mmol)を滴下して添加し、そして5分間撹拌した、これに、乾燥CHCl_(3)(20mL)中のVNPP310(1.5g,5.4mmol)の溶液を添加し、そして5時間灌流した。次いで、これを真空下で濃縮し、氷上に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層を乾燥し、そしてエバポレートして固体を得た。次いで、残渣をTHF(?2mL)で湿潤し、20%HCl(15mL)とともに2時間撹拌し、EtOAcで抽出し、有機相をNa_(2)SO_(4)で乾燥し、そしてエバポレートした。FCC[石油エーテル/EtOAc(8:2)]による精製で、純粋なVNPP311(0.5g,26%)を得た:融点123?25℃;1765,1670,1584,1493,1366,1189,1013,897;^(1)HNMR(500MHz,CDCl3)δ 0.96(s,3H,18?CH_(3)),1.40?1.52(m,1H),1.57?1.70(m,3H),1.92?2.02(m,2H),2.12(dd,J=14.72,11.67Hz,1H),2.29(s,3H,OAc),2.46(d,J=9.46Hz,1H),2.63(dd,J=14.72,6.33Hz,1H),2.85?2.96(m,2H,C?6Hs),6.80?6.83(m,1H,1?H),6.86(dd,J=8.47,2.37Hz,1H,2?H),7.27(s,1H,4?H),9.91(s,1H,CHO);C_(21)H_(23)BrO_(3),402.083
【0269】
エストラ?l,3,5?(10),16?テトラエン?17?ブロモ?16?ホルミル?3?オール(VNPP312)
【0270】
【化81】

【0271】
VNPP311(0.4g,1mmol),10%エタノールKOH(2mL)およびエタノール(5mL)の溶液を、室温にて一晩、撹拌した。反応混合物をエバポレートし、残渣を冷却水で処理して、濾過した。FCC[石油エーテル/EtOAc(1:1)]による精製で、(0.1g,28%)を得た:融点149-151°C;IR(Neat)1718,1609,1462,1497,1287,1250 1100,837,781;^(1)HNMR(500MHz,CDCl3)δ 0.96(s,3H,18?CH_(3)),1.38?1.49(m,1H),1.57?1.68(m,3H),1.75(td,J=11.53,6.59Hz,1H),1.90?2.02(m,2H),2.07?2.16(m,1H),2.29(d,J=5.49Hz,1H),2.39?2.49(m,1H),2.63(dd,J=15.37,6.59Hz,1H),2.81?2.95(m,2H,6?H),6.58(s,1H,4?H),6.64(d,J=8.78Hz,1H,H?2),7.13(d,J=8.78Hz,1H,H?1),9.91(s,1H,CHO)C_(19)H_(21)BrO_(2),360.072,
【0272】
エストラ?l,3,5?(10),16?テトラエン?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)?16?ホルミル?3?オール(VNPP314)
【0273】
【化82】

【0274】
化合物VNPP312(0.42g,1.16mmol)、ベンズイミダゾール(0.41g,3.48mmol)、および乾燥DMF(5mL)中のK_(2)CO_(3)(0.48g,3.48mmol)の混合物を、アルゴン下で5時間、80℃に加熱した。室温への冷却後、反応混合物を氷冷水(100mL)上に注ぎ、そして得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、そして精製を伴わずに、次の工程に進んだ。VNPP314(0.39g,84%):融点255-257°C
【0275】
3?(ヒドロキシ)?17?(1H?ベンズイミダゾール?1?イル)?エストラ?1,3,5?(10),16?テトラエン(VNPP338(E21))
【0276】
【化83】

【0277】
乾燥ベンゾニトリル(3mL)中のVNPP314(0.39g,0.97mmol)溶液を、10%Pdの存在下、活性化炭素(0.2g、すなわち、基質の50%の重量)において、12時間灌流した。次いで、0.1gよりも多い触媒を12時間の間隔にて2回添加した(合わせて0.4g)。室温への冷却後、セライトパッドを介する濾過により触媒を除去した。濾液をエバポレートし、そして残渣をFCC[石油エーテル/EtOAc/TEA(7.5:2:0.5)次いで(1:1:0.1)]により精製して、VNPP338(0.022g,6%)を得た:融点110?112°C;IR(Neat)1666,1608,1493,1455,1289,1225,743;^(1)H NMR(500MHz,CDCl_(3))δ 1.02(s,3H,18?CH_(3)),1.48?1.56(m,3H),1.58(br.s.,7H),1.70(d,J=11.14Hz,1H),1.80?1.89(m,1H),1.90?2.05(m,3H),2.24?2.33(m,1H),2.33?2.45(m,2H),2.48?2.56(m,1H),2.88?2.95(m,1H),6.02(br.s.,1H,16?H),6.58?6.63(dd,J=3.0Hz,1H,4?H),6.65(dd,J=8.39,3.0Hz,1H,2?H),7.13(d,J=8.54Hz,1H,1?H),7.28?7.35(m,2H,Ar?6^(1)および5^(1)Hs),7.49?7.57(m,1H,Ar?7^(1)H),7.79?7.87(m,1H,Ar?4^(1)H),8.00(s,1H,Ar?2^(1));^(13)CNMR(500MHz,CDCl_(3))δ 154.6,147.4,141.7,138.0,132.3,131.7,128.8,127.5,126.2,123.8,122.9,120.1,115.7,113.2,111.4,55.2,47.9,44.4,37.3,35.1,30.2,29.6,27.4,26.4,16.4
【0278】
さらなる試験:
ルシフェラーゼアッセイ:
DHT媒介性AR転写活性の減少を、10μM濃度の化合物の24時間の処置の後に行った。
【0279】
ウェスタンブロッティング:
ARタンパク質発現をダウンレギュレートする種々の化合物の能力を、ウェスタンブロッティングにより測定した。
【0280】
細胞増殖阻害(MTT比色分析アッセイ):
化合物を、MTTアッセイにより、1μMおよび10μMの濃度にて、LNCaP細胞(アンドロゲン感受性AR変異体)、C4?2B、およびCWR22Rv1(CRPC細胞株)の生存能を阻害するそれらの能力に対して評価した。
【0281】
構造活性相関(SAR)
ルシフェラーゼ活性においていくつかの非ステロイド剤およびステロイド剤は、DHT媒介性AR転写活性を減少した(図4)。LNCaP細胞株およびC4?2B細胞株において、エストロン-3-メチルエステル誘導体(VNPP334;スキーム3)は強力な抗増殖剤であり、化合物VN/124-1よりも強力である(図5および図6)。
【0282】
LNCaP細胞株に対して試験した非ステロイド剤のうち(図5)、1炭素間隔を有するメトキシ置換ビフェニル誘導体(VNPP347B;スキーム1)およびナフタレン誘導体(VNPP372?2;スキーム1)は、化合物VN/124?1に比較して、より強力な抗ガン活性を示した。一方、BzIM基に対して1炭素間隔を有するヒドロキシル(VNPP356)およびニトリル(VNPP358 ;スキーム1)置換ビフェニルは、VN/124?1と同程度に強力である。
【0283】
エストロゲン?3?メチルエステル誘導体(VNPP334;Sch3)は、化合物VN/124?1よりも強力である。
【0284】
上述のこの制限されたSARから、BzIM基間に2炭素間隔を有するビフェニル誘導体は、活性に有害である。
【0285】
ビフェニルにおける?COOHまたは1H?テトラゾールの置換はまた、活性に有害である。
【0286】
ARダウンレギュレート作用におそらく起因するVNPP334、VNPP367で観察された強力な抗ガン活性は、ウエスタンブロットにより支持される(図8)。さらに、化合物VN/124?1に等しく強力な抗ガン活性は、VNPP338、VNPP356によって示され、これはまた強力なARダウンレギュレート剤である。
【0287】
中程度の活性化合物の2つ(VNPP341、VNPP358)は、ARアップレギュレート剤である。それらの観察された抗ガン活性はまた、他のなお未知の活性に起因し得る。
【0288】
MDV3100およびCasodexは、ARダウンレギュレート剤ではない。
【0289】
ガン遺伝子に対する化合物の効果
図9において示す実験において、LNCaP細胞およびCWR22Rv1細胞を、種々の時点にてVN/124?1およびアナログで処理し、そして有意なガン細胞促進遺伝子に対する効果をタンパク質レベルで研究した。
【0290】
図9Aおよび9Cは、LNCaP細胞において、ガレテロン(Galeterone)およびアナログ(VNPT55およびVNPP414)は、PARP切断(アポトーシスの兆候)の有意な増加を誘導し、そしてCDC25c、Mnk2、Cyclin D1、Cox?2、およびN?Cadherinの発現を減少した。
【0291】
図9Bおよび図9Gは、CWR22Rv1細胞において、ガレテロンおよびアナログ(VNPT55およびVNPP414)は、N?Cadherin、AR3、Mnk1/2、MMP?2、Ezh2,Mcl?1(抗アポトーシスタンパク質)のタンパク質発現を減少し、およびまたeIF4Eのリン酸化をダウンレギュレートしたことを示す。
【0292】
図9D、9E、および9Fは、CWR22Rv1をガレテロンの他のアナログで処理したことを示し、そしてVNPP356、VNPP360、VNPP341、VNPP367、VNPP334、およびVNPP338は、全長ARおよびスプライス変異体ARに対して活性(ARダウンレギュレーション)を示した。
【0293】
図9Hは、全長ARに対するVNPP433?2d(VNPP433?3β(A1))の活性(ARダウンレギュレーション)を示す。
【0294】
図10は、5μMにて、ガレテロン、VNPT55、およびVNPP414で処理したPC3細胞が、12時間後、PC3細胞の移動を大きく阻害したことを示す。
【0295】
図9A、9B、9C、および9Dは、LNCaP、CWR22Rv1、PC3、およびDU145細胞をそれぞれ播種し、ガレテロン、VNPT55、アビラテロン(Abiraterone)、およびMDV3100で14?20日間続けて処理し、そして細胞のコロニー形成を染色によって決定した。アビラテロンおよびMDv3100に比較すると、ガレテロンおよびVNPT55は、ARポジティブおよびネガティブな前立腺ガン細胞の両方のコロニー形成を大きく阻害した。
【0296】
【化84】

【0297】
【表15】

【0298】
新規の骨格(ステロイドおよび非ステロイドの両方)は良好に忍容される。
【0299】
エストロンの3?メチルカルボキシレート、1炭素間隔を有するビフェニルのメトキシ、およびナフタレンの誘導体は、強力な生物学的活性を示した。
【0300】
新規な薬剤の抗アンドロゲン活性およびCYP17阻害活性の測定は、それらの観察された抗ガン活性およびARDA活性を説明し得る。
【0301】
出願人の発明は、アンドロゲン受容体(AR)の調節における新規な化合物およびそれらの使用を包含する。出願には、ARおよび他の前立腺ガンのガン遺伝子標的に対するそれらの効果を評価した。ARの調節(全長ARおよびスプライス変異体ARの両方の分解)に加えて、これらの新規な化合物はまた、MAPK相互作用キナーゼ(Mnk1/2)を分解し、そして真核生物翻訳開始因子4(eIF4E)を調節する。図9A?H、10、および表10において示されるように、主要な化合物はMnk1/2を分解し、eIF4Eリン酸化をブロックし、細胞増殖、コロニー形成、および移動を阻害し、ならびにアポトーシスを誘導した。これらの効果はまた、前立腺ガン薬物と承認されたいくつかのFDAよりも優れる。
【0302】
本発明において予防および/または処置され得るアンドロゲン受容体関連症状としては、前立腺ガン、去勢抵抗性前立腺ガン、膀胱ガン、膵臓ガン、肝細胞ガン、良性前立腺過形成(BPH)、ケネディー病、アンドロゲン性脱毛症、乳ガン、アンドロゲン不応症、および球脊髄性筋萎縮症が挙げられるが、これらに制限されない。
【0303】
GI_(50)値
細胞増殖阻害(MTT比色分析アッセイ):細胞を、96ウェルプレート(Corning Costar)において、ウェル当り5×10^(3)細胞の密度にて播種した。細胞を、プレートに24時間接着させ、次いで95% EtOH中に溶解した種々の濃度の化合物で処理した。細胞を7日間、試験化合物および培地を4日目に新しくして処理した。7日目に、培地を新しくし、そしてMTT(3?(4,5?ジメチルチアゾール?2?イル)?2,5?ジフェニル?2H?テトラゾリウムブロミド)(Sigma、St Louis、MO、USA)溶液(培地1ml当たり0.5mg MTT)をMTT:培地の比が1:10になるように、培地に添加した。細胞をMTTとともに2時間インキュベートした。次いで培地を吸引し、そしてDMSOを添加して紫色のMTT?ホルマザン生成物を可溶化した。562nmでの吸光度を分光光度計(Biotek Inc.)により測定した。結果を以下に示す。
【0304】
【表16】

【0305】
【表17】

【0306】
【表18】

【0307】
薬学的組成物/処方物
本明細書において使用される薬学的組成物は、本発明の化合物と、キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、濃化剤、および/または腑形剤のような他の化学化合物との混合物を言う。薬学的組成物は、有機体への化合物の投与を容易にする。本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、当該分野において公知の任意の従来の形態および経路(:静脈内、経口、直腸、吸入、非経口、眼、肺、経皮、膣内、耳、鼻、および局所投与を含むがこれらに制限されない)により、治療的に有効な量において、薬学組成物として投与され得る。
【0308】
化合物を全身様式よりも局所様式において、例えば、器官への化合物の直接的な注入を介して、しばしば、蓄積または持続性放出処方物において、投与し得る。さらに、標的化される薬物送達系中に、例えば、器官特異的抗体でコートされたリポソーム中に、本発明の化合物を含有する薬学的組成物を投与し得る。リポソームは、器官によって選択的に標的され、そして取り込まれる。さらに、本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、急速放出処方物の形態において、持続放出の処方物の形態において、または中間放出の形態において、提供され得る。
【0309】
経口投与について、本発明の化合物は、活性な化合物と、当該分野において周知の薬学的に受容されるキャリアまたは腑形剤とを組み合わせることによって、容易に処方され得る。このようなキャリアは、本明細書において記載される化合物が、処理される患者による経口摂取のために、錠剤、粉末、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ジェル、シロップ、エリキシル、スラリー、懸濁液などのように処方されることを可能にする。
【0310】
経口使用のための薬学的調製物は、1つ以上の固体腑形剤と、1つ以上の本明細書において記載される化合物とを混合することによって得ることができ、必要に応じて得られた混合物を粉にし、そして所望される場合、適切な助剤を添加した後、顆粒の混合物をプロセスして、錠剤または糖衣コアを得る。糖衣コアは、適切なコーティングを伴って提供される。この目的のために、濃縮された糖溶液が使用され得、これは必要に応じてアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタニウム、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合液を含み得る。染料または色素が、同一であることの認識のため、または活性な化合物用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣コーティングに添加され得る。
【0311】
経口的に使用され得る薬学的調製物は、ゼラチンから作製される押し込み型カプセル、ならびにゼラチン、およびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤から作製される、軟質の、密閉カプセルを含み得る。ある実施態様において、カプセルは、1つ以上の薬学的な、ウシ、および植物のゼラチンを含む、硬質ゼラチンカプセルを含む。ある例において、ゼラチンはアルカリプロセスされる。押し込み型カプセルは、ラクトースのような充填材、スターチのような結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ならびに必要に応じて安定剤と混合された活性成分を含み得る。軟質カプセルにおいて、活性な化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールのような適切な液体中に溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤が添加され得る。経口投与のための全ての処方物は、このような投与に適切な投薬量にあるべきである。
【0312】
口腔投与または舌下投与について、組成物は、従来の様式において処方される錠剤、トローチ剤、またはゲルの形態をとり得る。非経口注入は、ボーラス注入または持続性注入を含み得る。本発明の化合物の薬学的組成物は、滅菌懸濁液、溶液、または油性ベシクルもしくは水性ベシクル中の乳濁液のような非経口注入に適切な形態にあり得、そして懸濁剤、安定剤、および/または分散剤のような処方剤を含み得る。非経口投与のための薬学的組成物は、水溶性形態における活性な化合物の水溶液を含む。さらに、活性な化合物の懸濁液は、適切な油性注入懸濁液として調製され得る。適切な親油性の溶媒またはベシクルは、ゴマ油のような脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドのような脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。
【0313】
水性注入懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランのような、懸濁液の粘性を増加する物質を含み得る。必要に応じて、懸濁液はまた、非常に濃縮された溶液の調製を許容するために、適切な安定剤または化合物の溶解度を増す薬剤を含み得る。あるいは、活性成分は適切なベシクル、例えばピロゲン非含有滅菌水との構成のために、使用の前に粉末形態にあり得る。
【0314】
ある実施態様において、薬学的処方物は、非晶系固体分散物として調製され得る。例えば、薬学的処方物は、ポリマーマトリクス中の活性化合物の噴霧乾燥処方物である。薬学的処方物はまた、溶融押出法により調製され得る。
【0315】
本発明の化合物は、局所的に投与され得、そして多様な局所投与可能な組成物、例えば、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、香油、クリーム、または軟膏に処方され得る。このような薬学的化合物は、可溶化剤、安定剤、張性強化剤、緩衝液、および保存剤を含み得る。
【0316】
本発明の化合物の経皮投与に適切な処方物は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを用い得、親油性乳濁液または緩衝化された水溶液であり得るか、ポリマーまたは固着剤中に溶解および/または分散され得る。このようなパッチは、薬剤の連続的なパルス送達またはオンデマンド送達のために、構築され得る。なおさらに、本発明の化合物の経皮送達は、イオン導入パッチなどの手段により、達成され得る。さらに、経皮パッチは、本発明の化合物の制御送達を提供し得る。吸収の速度は、速度制御膜を使用することにより、またはポリマーマトリクスもしくはゲル内に化合物をトラップすることにより遅延され得る。逆に、吸収増強剤が、吸収を増加するために使用され得る。吸収増強剤またはキャリアは、皮膚を介する移動を補助するための吸収可能な薬学的に受容される溶媒を包含し得る。例えば、経皮デバイスは、化合物を必要に応じてキャリアとともに含む裏打ち材、容器、必要に応じて長期間にわたって、制御されたおよび予め決められた速度にて、宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御障壁、ならびに皮膚にデバイスを固定するための手段を備える包帯の形態にある。
【0317】
吸入による手段のために、本発明の化合物はエアロゾル、噴霧、または粉末としての形態にあり得る。本発明の薬学的組成物は、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレイ体裁の形態において、簡便に送達され、適切な高圧ガス、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスの使用を伴う。加圧エアロゾルの場合において、投薬単位は、定量を送達するための弁を提供することにより決定され得る。例示ためのみであるが、例えば、吸入器または散布器におけるゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物および適切な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはスターチ)の混合粉末を含んで処方され得る。
【0318】
本発明の化合物はまた、浣腸剤、直腸ゲル、直腸泡、直腸エアロゾル、座薬、ゼリー座薬、または担持浣腸剤のような直腸組成物において処方され得、ココア油脂または他のグリセリド、ならびに合成ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、PEGなど)ような従来の座薬基剤を含む。組成物の座薬の形態において、必要に応じてココア油脂と組み合わせた低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドの混合物であるが、これに制限されない)が、最初に溶解される。
【0319】
本明細書中に提供される処置または使用の方法を実施するにおいて、本明細書中に提供される治療有効量の本発明の化合物を、薬学的組成物において、処置されるべき疾患または症状を有する哺乳動物に投与する。ある実施態様において、哺乳動物はヒトである。治療有効量は、被験体の疾患の重篤度、年齢、および相対的な健康度、使用される化合物および他の要素の効力に依存して広範に変化し得る。化合物は、単一で、または1つ以上の治療剤と組み合わせて、混合物の成分として使用され得る。
【0320】
薬学的組成物は、腑形剤、および薬学的に使用され得る調製物への活性化合物のプロセシングを促進する助剤を含む1つ以上の生理学的に受容されるキャリアを使用して、従来の様式において処方され得る。適切な処方は、選択された投与の経路に依存する。周知の技術、キャリア、および腑形剤のいずれもが、適切であるとして、および当該分野において理解されるとして使用され得る。本発明の化合物を含む薬学的組成物は、従来の様式(例えば、例示のためのみであるが、従来の、混合、溶解、顆粒化、糖衣作製、水簸、乳化、カプセル化、封入、または圧縮)において製造され得る。
【0321】
薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に受容されるキャリア、希釈剤または腑形剤、および活性成分として本明細書において記載される本発明の化合物を、遊離塩基の形態において、または薬学的に受容される塩の形態において、含む。さらに、本明細書において記載される方法および薬学的組成物は、N?酸化物、結晶形態(多形としてまた知られる)、ならびに同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用を包含する。
【0322】
本明細書において記載される化合物を含む組成物の調製のための方法は、1つ以上の不活性な、薬学的に受容される腑形剤またはキャリアとともに化合物を処方して、固体、半固体、または液体を形成することを包含する。固体組成物としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェー、および座薬が挙げられるが、それらに制限されない。液体組成物としては、本明細書中に開示されるような化合物が溶解される溶液、本明細書中に開示されるような化合物を含む乳濁液、または本明細書中に開示されるような化合物を含むリポソーム、ミセル、またはナノ粒子を含有する溶液が挙げられる。半固体組成物としては、ゲル、懸濁液、およびクリームが挙げられるが、それらに制限されない。組成物は、液体溶液または懸濁液、使用の前の液体中の溶液もしくは懸濁液に適切な固体形態にあり得るか、または乳濁液としてであり得る。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH調整剤などのような、少量の非毒性の補助物質を含み得る。
【0323】
本明細書において記載される薬学的組成物のまとめは、例えば、レミントン(Remington):薬学の化学および実施(The Science and Practice of Pharmacy)、Nineteenth編(Easton,Pa.:Mack Publishing Company、1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.およびLachman,L.,編、薬学的投薬形態(Pharmaceutical Dosage Forms)、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980;ならびに薬学的投薬形態および薬物送達系(Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems)、第7版(Lippincott Williams & Wilkins 1999)において見出され得、これらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0324】
投与の方法および処置法
本発明の化合物は、ステロイドホルモン核受容体活性が疾患の病理学および/または症状に寄与する疾患または症状の処置のための薬剤の調製において使用され得る。さらに、本明細書において記載される任意の疾患または症状を、このような処置を必要とする被験体において、処置するための方法は、少なくとも1つの本発明の化合物を含有する薬学的組成物、またはそれらの薬学的に受容される塩、薬学的に受容されるN?酸化物、薬学的に活性な代謝物、薬学的に受容されるプロドラッグ、または薬学的に受容される溶媒和物を、治療有効量において、当該被験体に投与することを包含する。
【0325】
本明細書において記載される化合物(1つまたは複数)を含む組成物は、予防および/または治療的処置のために投与され得る。治療的適用において、組成物は、既に疾患もしくは症状を被る患者に、疾患もしくは症状の症状を回復するか、もしくはは少なくとも部分的に抑えるのに、または症状自体を回復、治癒、改善、または緩和するのに十分な量において、投与される。この使用に有効な量は、疾患または症状の重篤度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する応答、ならびに処置する医師の判断に依存する。これは、日常的な実験(用量増加臨床試験を含むが、これに制限されない)によりこのような治療有効量を決定する人にとって、当業者の十分な範囲内であると考えられる。
【0326】
患者の症状が改善されない場合、医師の裁量で、患者の疾患または症状の症状を、軽減、またはそうでなければ制御もしくは制限するために、化合物の投与は慢性的に、つまり、長期間(患者の生存の間中を含む)、投与され得る。患者の症状が改善される場合、医師の裁量で、化合物の投与は、継続的に与えられ得るか、または一時的に一定の期間停止され得る(すなわち、「休薬日」)。
【0327】
患者の症状の改善が一旦生じると、維持用量が必要であれば投与される。続いて、投薬量もしくは投与の頻度、またはその両方は、症状に応じて、改善された疾患または症状が保持されるレベルに減少され得る。しかし、患者は、任意の症状の再発の際、長期的に間欠的な処置を必要とし得る。
【0328】
ある例において、治療的有効量の、明細書中に記載される少なくとも1つの化合物(またそれらのは薬学的に受容される塩、薬学的に受容されるN酸化物、薬学的に活性な代謝物、薬学的に受容されるプロドラッグ、および薬学的に受容される溶媒和物)を、別の治療剤と組み合わせて投与することは適切であり得る。例示のためのみであるが、本明細書中の化合物の1つを受けた際に患者によって経験された副作用の1つが炎症であった場合、最初の治療剤と組み合わせて抗炎症剤を投与することが適切であり得る。または例示のためのみであるが、本明細書において記載される化合物の1つの治療的有効量は、アジュバントの投与により増強され得る(すなわち、アジュバント自体は、最小の治療利益を有するのみであり得るが、別の治療剤と組み合わせると、患者に対する全体の治療利益が増強される)。または、例示のためのみであるが、患者によって経験される利益は、本明細書において記載される化合物の1つを、別の治療剤(これはまた、治療レジメを含む)とともに投与することにより増加され得る。任意の場合において、処置される疾患または症状にかかわらず、患者によって経験される全体の利益は、単純に、2つの治療薬の相加であり得るか、または患者は相乗的な利益を経験し得る。
【0329】
本明細書に記載される化合物が、他の治療と組み合わせて投与される場合、同時投与される化合物の投薬量は、用いる同時投与薬物のタイプ、用いる特定の薬物、処置される疾患または症状などに依存してもちろん変化する。さらに、1つ以上の生物学的に活性な薬剤とともに当時投与される場合、本明細書中に提供される化合物は、生物学的に活性な薬剤と同時に、または連続してのいずれかで投与され得る。連続的に投与される場合、担当医師は、生物学的に活性な薬剤と組み合わせてタンパク質を投与する適切な順序を決定し得る。
【0330】
任意の場合において、複数の治療剤(その1つが本明細書に記載される化合物の1つである)が、任意の順番において、またはさらに同時に、投与され得る。同時である場合、複数の治療剤は、単一の、統合された形態において、または複数の形態において(例示のためのみであるが、単一のピルとしてまたは2つの別個のピルとしてのいずれかで)、提供され得る。治療的薬剤の1つが、複数用量において与えられ得るか、またはともに複数用量として与えられ得る。同時でない場合、複数の用量間のタイミングは、ゼロ週間よりも多く?4週間未満まで変化し得る。さらに、組み合わせの方法、組成物、および処方物は、2つの薬剤のみの使用に制限されない。複数の治療組み合わせが、想定される。
【0331】
さらに、本発明の化合物はまた、患者に対して相加または相乗の利益を提供し得る手順と組み合わせて使用され得る。例示のためのみであるが、患者は、本明細書において記載される方法において、治療的利益および/または予防的利益を見出すことが期待され、ここでは本発明の薬学的組成物および/または他の治療薬との組み合わせは、遺伝子検査と組み合わされて、個体が、ある疾患または症状と相関されることが知られる変異遺伝子の保因者であるか否かを決定する。
【0332】
本発明の化合物および組み合わせの治療は、疾患または症状の出現の前、間、または後に投与され得、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは変化し得る。従って、例えば、化合物が予防薬として使用され得、そして疾患または症状の出現を防ぐために、症状または疾患に対する傾向を伴う被験体に、継続的に投与され得る。化合物および組成物は、症状の間、または症状の発症後にできるだけ早く被験体に投与され得る。化合物の投与は、症状の発症の最初の48時間以内に、好ましくは最初の症状の発症の48時間以内に、より好ましくは症状の発症の最初の6時間以内に、および最も好ましくは症状の発症の3時間以内に開始され得る。最初の投与は、例えば、静脈内注入、ボーラス注入、5分間から約5時間にわたる注入、ピル、カプセル、経皮パッチ、口腔送達などのような実用的な任意の経路、またはそれらの組み合わせを介してであり得る。化合物は好ましくは、疾患または症状の発症が検出または推測される後、可能な限り早く、そして疾患の処置に必要な期間、例えば、約1カ月?約3カ月、投与される。処置の長さは、各被験体について変化し得、そして長さは、公知の基準を使用して決定され得る。例えば、化合物、または化合物を含有する処方物は、少なくとも2週間、好ましくは約1カ月?約3年間、およびある実施態様において約1カ月?約10年間、投与され得る。
【0333】
本明細書において記載される薬学的組成物は、正確な投薬量の単回投与に適切な単位投薬形態にあり得る。単位投薬形態において、処方物は1つ以上の化合物の適切な量を含有する単位用量に分割される。単位投薬は、処方物の別個の量を含有する小包の形態にあり得る。制限されない例は、小包化された錠剤またはカプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末である。水性懸濁液組成物は、単回用量の再密閉できない容器中に梱包され得る。あるいは、複数回用量の再密閉可能な容器が使用され得、その場合において、これは典型的に組成物中に保存剤を含む。例示のためのみであるが、非経口注入のための処方物は、添加された保存剤とともに、単位投薬形態(アンプルを含むがこれに制限されない)において、または複数回用量の容器をにおいて、示され得る。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-07-30 
結審通知日 2019-08-01 
審決日 2019-08-19 
出願番号 特願2016-506667(P2016-506667)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A61K)
P 1 41・ 853- Y (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 横山 敏志  
特許庁審判長 滝口 尚良
特許庁審判官 藤原 浩子
長部 喜幸
登録日 2018-10-12 
登録番号 特許第6417392号(P6417392)
発明の名称 強力なアンドロゲン受容体ダウンレギュレーションおよび抗前立腺ガン活性を伴う非ステロイド化合物およびステロイド化合物  
代理人 特許業務法人信栄特許事務所  
代理人 特許業務法人 信栄特許事務所  

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