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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05B |
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管理番号 | 1355332 |
審判番号 | 不服2018-8793 |
総通号数 | 239 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-06-27 |
確定日 | 2019-10-08 |
事件の表示 | 特願2016-186512「発光素子」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月 5日出願公開、特開2017- 5272、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成20年11月27日(優先権主張 平成19年11月30日)に出願した、特願2008-302138号の一部を、平成26年9月3日に新たな特許出願(特願2014-178699号)とし、その一部を、平成27年7月28日にさらに新たな特許出願(特願2015-148449号)とし、その一部を、平成28年9月26日にさらに新たな特許出願としたものであって、その後の手続の経緯は、以下のとおりである。 平成29年8月10日付け:拒絶理由通知書 平成29年10月17日:意見書、手続補正書の提出 平成30年3月19日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 平成30年6月27日:審判請求書、手続補正書の提出 平成30年12月12日:上申書の提出 令和元年6月6日付け:拒絶理由通知書(この拒絶理由通知書によって通知された拒絶の理由を、以下、「当審拒絶理由通知」という。) 令和元年8月1日:意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、その優先権主張の日(以下、「本件優先日」という。)前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 1.特開2005-255986号公報 2.Min Guan et al.,The host materials containing carbazole and oxadiazole fragment for red triplet emitter in organic light-emitting diodes,Organic Electronics,Elsevier,2006年5月19日,Vol.7,p.330-336 3.米国特許出願公開第2007/0216288号明細書 4.国際公開第2006/097064号 5.国際公開第2007/090390号 (当合議体注:主引用例は引用文献1である。引用文献2及び引用文献3(刊行物)、並びに、引用文献4及び引用文献5(電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明)は周知技術を示す文献である。) 第3 当審拒絶理由通知の概要 当審拒絶理由通知の概要は、平成30年6月27日に提出された手続補正書でした補正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3に規定する要件を満たしていない、というものである。 第4 本件発明 本願請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、令和元年8月1日に提出された手続補正書で補正された、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの、以下のものである。 「 【請求項1】 第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、 前記発光層は、ホール輸送性を有する第1の有機化合物と、電子輸送性を有する第2の有機化合物と、有機金属錯体と、を有し、 前記第1の有機化合物の量および/または前記第2の有機化合物の量は、前記有機金属錯体よりも多く、 前記第1の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きく、 前記第2の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きく、 前記有機金属錯体は、式(G1)で表される構造を有することを特徴とする発光素子。 【化1】 (式中、Arは炭素数6?25のアリール基を表す。また、R^(1)は水素、炭素数1?4のアルキル基、または炭素数1?4のアルコキシ基のいずれかを表す。R^(2)?R^(8)はそれぞれ、水素、炭素数1?4のアルキル基、炭素数1?4のアルコキシ基、炭素数1?4のアシロキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mはイリジウムである。)」 第5 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件優先日前の平成17年9月22日に頒布された刊行物である特開2005-255986号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は合議体が発明の認定等に用いた箇所に付与した。 (1)「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、発光層形成材料及び有機電界発光素子に関するもので、詳しくは、発光効率が高く、連続駆動時の輝度低下の少ない有機電界発光素子に関するものである。 ・・・(省略)・・・ 【0005】 素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光ではなく燐光を用いることも検討されている。燐光を用いる、即ち、三重項励起状態からの発光を利用すれば、従来の蛍光(一重項)を用いた素子と比べて、最大で4倍の効率向上が期待される。 ・・・(省略)・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本発明は、燐光ドーパント材料を使用した有機電界発光素子において、燐光特有の高い発光効率を維持しながら、連続駆動時に輝度低下の少ない長寿命な素子を提供することを課題とする。 ・・・(省略)・・・ 【発明の効果】 【0016】 本発明の発光層形成材料を用いた有機電界発光素子によれば、高効率でかつ連続駆動時の輝度低下の少ない長寿命な素子が実現できる。特に、今まで困難であった緑色燐光素子や青色燐光素子でも高効率かつ長寿命な素子が可能となる。」 (2)「【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。 本発明は、励起三重項準位(T1)が2.2eV以上の異なる2種類以上の電荷輸送性化合物からなるホスト材料と、周期律表第7?11族から選ばれる少なくとも1つの金属を含む有機金属錯体からなるドーパント材料を組み合わせてなる、発光層形成材料である。 ・・・(省略)・・・ 【0029】 ・・・(省略)・・・ (電荷輸送性化合物の具体例) (電子輸送性を有する化合物) 本発明で用いられる電荷輸送性化合物のうち電子輸送性を有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第 5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6-207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5-331459号公報)、含ホウ素化合物(WO 00/40586号公報)、含ピリジン環化合物などが挙げられる。 ・・・(省略)・・・ 【0103】 (正孔輸送性を有する化合物) また、本発明で用いられる電荷輸送性化合物のうち正孔輸送性を有する化合物としては、例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5-234681号公報)、4,4’,4''-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9’-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)、4,4'-N,N'-ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体(WO 00/70655号公報)、等が挙げられる。 【0104】 上記の化合物以外に、ポリビニルカルバゾール(特開2001-257076号公報)、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7-53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。 上記の化合物のうち、カルバゾール環を有する化合物(カルバゾール誘導体やポリビニルカルバゾールなど)は励起三重項準位(T1)が高く、より好ましい。 ・・・(省略)・・・ 【0153】 (異なる2種の電荷輸送性化合物の組合せ) 本発明において、発光層ホストに用いる異なる2種の電荷輸送性化合物として、ピリジン環を有する化合物とカルバゾール環を有する化合物を併せて用いることが特に好ましい。」 (3)「【0154】 ・・・(省略)・・・ (ドーパント材料) 本発明では発光層に使用するドーパント材料としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が用いられる。該金属錯体のT1(励起三重項準位)はホスト材料として使用する電荷輸送性化合物のT1より低いことが発光効率の観点から好ましい。さらにドーパント材料において発光が起こることから、酸化還元などの化学的安定性も要求される。 【0155】 周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における、該金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(II)または一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。 MLn-jL’j(II) (式中、Mは金属、nは該金属の価数を表す。LおよびL’は二座配位子を表す。jは0または1または2を表す。) ・・・(省略)・・・ 【0160】 ・・・(省略)・・・ 一般式(II)で表される化合物として、さらに好ましくは下記一般式(Va)、(Vb)(Vc)で表される化合物が挙げられる。 【0161】 【化88】 【0162】 (式中、M4は金属、nは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表わし、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。) 【0163】 【化89】 【0164】 (式中、M^(5)は金属、nは該金属の価数を表す。環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。) 【0165】 【化90】 【0166】 (式中、M^(6)は金属、nは該金属の価数を表し、jは0または1または2を表す。環A1および環A1’は各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表わし、環A2および環A2’は各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。) 一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物の環A1および環A1’として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、またはカルバゾリル基が挙げられる。 【0167】 環A2および環A2’として、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、またはフェナントリジル基が挙げられる。 一般式(Va)、(Vb)および(Vc)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1?6のアルキル基;ビニル基等の炭素数2?6のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2?6のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1?6のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられ、これらは互いに連結して環を形成しても良い。 【0168】 なお、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基が結合、または環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基が結合して、一つの縮合環を形成してもよく、このような縮合環としては7,8-ベンゾキノリン基等が挙げられる。 環A1、環A1’、環A2および環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、またはカルバゾリル基が挙げられる。 【0169】 式(Va)、(Vb)におけるM^(4)ないしM^(5)として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられる。式(VI)におけるM^(7)として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。 【0170】 前記一般式(II)、(Va)、(Vb)および(Vc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるわけではない。 【0171】 【化91】 【0172】 【化92】 【0173】 前記一般式(II)、(Va)、(Vb)および(Vc)で表される有機金属錯体の中でも、特に配位子Lおよび/またはL’として2-アリールピリジン系配位子(2-アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、またはこれに任意の基が縮合してなるもの)を有する化合物が好ましい。」 (4)「【実施例】 【0239】 次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。 (実施例1) 【0240】 図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。 ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜2を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。 【0241】 陽極バッファ層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB-1) 【0242】 【化104】 【0243】 を電子受容性化合物(A-1) 【0244】 【化105】 【0245】 と共に以下の条件でスピンコートした。 溶媒 安息香酸エチル 塗布液濃度 2[wt%] PB-1:A-1 10:1 スピナ回転数 1500[rpm] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 100℃1時間 上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。 次に陽極バッファー層を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が1.4x10^(-4)Pa以下になるまでクライオポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、下記に示すアリールアミン化合物(H-1) 【0246】 【化106】 【0247】 をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のるつぼの温度は、236?261℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度8.0x10^(-5)Pa、蒸着速度は0.20nm/秒で膜厚60nmの正孔輸送層4を得た。 引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP-1)およびカルバゾール誘導体(EMC-1)を、副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD-1)を別々のセラミックるつぼに設置し、3元同時蒸着法により成膜を行った。 【0248】 【化107】 【0249】 化合物(EMP-1)のるつぼ温度は 271? 274℃、化合物(EMC-1)のるつぼ温度は285℃、化合物(EMD-1)のるつぼ温度は 235℃にそれぞれ制御し、EMP-1:EMC-1:EMD-1=15:15:1.8の割合で発光層5を正孔輸送層4の上に積層した。蒸着時の真空度は7.3x10^(-5)Paであった。 尚、このとき用いたホスト材料の励起三重項準位は、薄膜の燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λ_(T1)[nm])からそれぞれ、 T1_(EMP-1)=2.7eV T1_(EMC-1)=2.6eV であった。 さらに、正孔阻止層6としてピリジン誘導体(EMP-1) 【0250】 【化108】 【0251】 をるつぼ温度を 286?294℃として、蒸着速度0.15nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は6.6x10^(-5)Paであった。 正孔阻止層6の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8-ヒドロキシキノリン錯体(ET-1) 【0252】 【化109】 【0253】 を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8-ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は276? 285℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は6.0x10^(-5)Pa、蒸着速度は0.22nm/秒で膜厚は35nmとした。 上記の正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。 【0254】 ここで、電子輸送層6までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.0x10^(-6)Torr(約2.7x10^(-4)Pa)以下になるまで排気した。陰極8として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度2.1x10^(-6)Torr(約2.8x10^(-4)Pa)で、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.40nm/秒、真空度3.4x10^(-6)?9.0x10^(-6)Torr(約4.5x10^(-4)?12.0x10^(-4)Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極8を完成させた。以上の2層型陰極8の蒸着時の基板温度は室温に保持した。 【0255】 以上の様にして、2mmx2mm のサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表-1に示す。表-1において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cm^(2)での値、発光効率・輝度/電流・電圧は輝度100cd/m^(2)での値を各々示す。素子の発光スペクトルの極大波長は 510nm、色度はCIE(x,y)=(0.29,0.61)であり、、化合物(EMD-1)からのものと同定された。 ・・・(省略)・・・ (実施例2) 【0256】 発光層5の副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD-1)の代わりに有機イリジウム錯体(EMD-2)を用いた他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表-1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.32)であり、有機イリジウム錯体(EMD-2)からのものと同定された。 【0257】 【化110】 【0258】 ・・・(省略)・・・ (実施例3) 【0259】 発光層5の主成分(ホスト材料)としてカルバゾール誘導体(EMC-1)の代わりにカルバゾール誘導体(EMC-2)を用いた他は実施例2と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表-1に示す。素子の発光スペクトルの極大波長は624nm、色度はCIE(x,y)=(0.67,0.32)であり、有機イリジウム錯体(EMD-2)からのものと同定された。 【0260】 【化111】 【0261】 尚、このとき用いたカルバゾール誘導体(EMC-2)の励起三重項準位は、薄膜の燐光スペクトルの最もエネルギーの高い(波長の短い)ピーク波長(λ_(T1)[nm])から、 T1_(EMC-2)=2.9eV であった。 ・・・(省略)・・・ 【0265】 【表1】 (駆動寿命試験) 実施例1?4、比較例1?4で作製した素子を、下記条件の下、駆動寿命試験を行った。 【0266】 温度 室温 駆動方式 直流駆動(DC駆動) 定電流で連続発光させ、輝度が2割減少(L/L0=0.8)または5割減少(L/L0=0.5)するまでの時間を比較した。それぞれ比較例素子の時間を1.00とした場合の実施例の相対時間を表-2に示す。実施例の方が比較例よりも寿命(輝度が5割減少するまでの時間)が長く、異なる2種以上の電荷輸送性化合物からなる混合ホストを用いることにより、長寿命の有機燐光素子が実現された。 【0267】 【表2】 」 2 引用発明 前記1の記載事項(4)に基づけば、引用文献1の実施例1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていたと認められる。 「 ガラス基板1の上に陽極を形成し、 陽極バッファ層3の材料を電子受容性化合物と共にスピンコートして陽極バッファー層を成膜した後、 正孔輸送層4を蒸着し、引続き、発光層5の主成分(ホスト材料)としてピリジン誘導体(EMP-1)およびカルバゾール誘導体(EMC-1)を、副成分(ドーパント)として有機イリジウム錯体(EMD-1)をEMP-1:EMC-1:EMD-1=15:15:1.8の割合で発光層5を正孔輸送層4の上に積層し、 ホスト材料の励起三重項準位は、 T1_(EMP-1)=2.7eV T1_(EMC-1)=2.6eV であって、 さらに、正孔阻止層を積層し、 正孔阻止層の上に、電子輸送層7を蒸着し、 電子輸送層の上に陰極8を成膜して得られる、 有機電界発光素子。 」 3 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件優先日前の2006年5月19日に頒布された刊行物である、「Min Guan et al.,The host materials containing carbazole and oxadiazole fragment for red triplet emitter in organic light-emitting diodes,Organic Electronics,Elsevier,2006年5月19日,Vol.7,p.330-336」(以下、「引用文献2」という。)の第334頁のFig. 3には、次の化合物が記載されている。 「 」 4 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件優先日前の2007年9月20日に頒布された刊行物である、米国特許出願公開第2007/0216288号明細書(以下、「引用文献3」という。)の段落[0017]には、次の化合物が記載されている。 「 」 5 引用文献4の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件優先日前の2006年9月21日に頒布された刊行物である、国際公開第2006/097064号(以下、「引用文献4」という。)の第21頁第10行には、次の化合物が記載されている。 「Iridium (III) bis(2-methyldibenzo [f,h]quinoxaline) (acetylacetonate)」 (合議体注:この化合物を構造式で表すと、次のとおりである。 ) 6 引用文献5の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件優先日前の2007年8月16日に頒布された刊行物である、国際公開第2007/090390号(以下、「引用文献5」という。)のBild 11(図11)には、次の化合物が記載されている。 「 」 7 引用文献Aの記載事項 本件優先日前の平成18年11月2日に頒布された刊行物である、特開2006-302864号公報(以下、「引用文献A」という。)には、以下の事項が記載されている。 「【0040】 バッファー層に含まれる有機化合物の最低励起三重項エネルギー準位(T1)は、2.7eV以上であることが好ましく、2.8eV以上がより好ましい。 ・・・(省略)・・・ 【0088】 各発光層において用いた発光材料のT1は以下の通りである。 ・・・(省略)・・・ Ir(ppy)_(3); 2.5eV ・・・(省略)・・・ 【0092】 【化19】 」 第6 対比・判断 1 本件発明1 (1) 引用発明1との対比 ア 第1の電極と第2の電極との間に発光層を有すること 引用発明1の「有機電界発光素子」は、「ガラス基板1の上に陽極を形成し」、「陽極バッファー層を成膜した後」、「正孔輸送層4を蒸着し」、「発光層5を正孔輸送層4の上に積層し」、「さらに、正孔阻止層を積層し」、「正孔阻止層の上に、電子輸送層7を蒸着し」、「電子輸送層の上に陰極8を成膜して得られる」。 ここで、引用発明1の「有機発光素子」は、その名のとおり、「発光素子」である。また、引用発明1の「陽極」及び「陰極」は、技術常識からみて、それぞれ「第1の電極」及び「第2の電極」ということができる。加えて、引用発明1の「発光層5」は、その名のとおり、「発光層」である。そして、引用発明1の「発光層5」は、引用発明1の「有機電界発光素子」の製造工程からみて、「陽極」と「陰極」の間にあることが明らかである。 そうしてみると、引用発明1の「陽極」、「陰極」、「発光層5」及び「有機電界発光素子」は、それぞれ、本件発明1の「第1の電極」、「第2の電極」、「発光層」及び「発光素子」に相当する。また、引用発明1の「有機発光素子」は、本件発明1の「発光素子」における、「第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し」という要件を満たす。 イ 発光層が第1の有機化合物と第2の有機化合物と有機金属錯体とを有すること 引用発明1の「発光層5」は、「ピリジン誘導体(EMP-1)」、「カルバゾール誘導体(EMC-1)」及び「有機イリジウム錯体(EMD-1)」を有する。 引用文献1の段落【0029】には、「電子輸送性を有する化合物」として、「含ピリジン環化合物」が挙げられている。そうしてみると、引用発明1の「ピリジン誘導体(EMP-1)」は、電子輸送性を有する有機化合物ということができるから、この化合物は、本件発明1の「電子輸送性を有する第2の有機化合物」に相当する。また、引用文献1の段落【0103】には、「正孔輸送性を有する化合物」として、「カルバゾール誘導体」が挙げられている。そうしてみると、引用発明1の「カルバゾール誘導体(EMC-1)」は、正孔輸送性を有する有機化合物ということができるから、この化合物は、本件発明1の「ホール輸送性を有する第1の有機化合物」に相当する。加えて、引用発明1の「有機イリジウム錯体(EMD-1)」は、技術常識からみて、「有機金属錯体」である。 そうしてみると、引用発明1の「発光層5」は、本件発明1の「発光素子」における、「ホール輸送性を有する第1の有機化合物と、電子輸送性を有する第2の有機化合物と、有機金属錯体と、を有し」という要件を満たす。 ウ 第1の有機化合物および/または第2の有機化合物の量が有機金属錯体よりも多いこと 引用発明1の「発光層5」は、「ピリジン誘導体(EMP-1)およびカルバゾール誘導体(EMC-1)を、有機イリジウム錯体(EMD-1)をEMP-1:EMC-1:EMD-1=15:15:1.8の割合」で有する。 上記の材料組成からみて、引用発明1の「発光層5」は、「ピリジン誘導体(EMP-1)」及び「カルバゾール誘導体(EMC-1)」を、「有機イリジウム錯体(EMD-1)」より多く含むことが明らかである。 そうしてみると、引用発明1の「発光層5」は、本件発明1の「発光素子」における、「前記第1の有機化合物の量および/または前記第2の有機化合物の量は、前記有機金属錯体よりも多く」という要件を満たす。 エ 第1の有機化合物の三重項励起エネルギーが、有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きいこと 引用発明1の「発光層5」は、「有機イリジウム錯体(EMD-1)」と、「三重項励起エネルギー」が2.6eVである「カルバゾール誘導体(EMC-1)」を含有する。 引用発明1の「有機イリジウム錯体(EMD-1)」は、その化学構造からみて、引用文献Aに記載の「Ir(ppy)_(3)」である。そして、引用文献Aには、「Ir(ppy)_(3)」の「最低三重項励起エネルギー」が「2.5eV」であることが記載されている。引用文献Aに記載の「最低三重項励起エネルギー」は、技術常識からみて、「三重項励起エネルギー」であるといえる。そうしてみると、引用発明1の「有機イリジウム錯体(EMD-1)」の「三重項励起エネルギー」が「2.5eV」であると認められる。したがって、引用発明1の「カルバゾール誘導体(EMC-1)」の「三重項励起エネルギー」は、「有機イリジウム錯体(EMD-1)」の「三重項励起エネルギー」よりも大きいことになる。 そうしてみると、前記イにおける検討も考慮すれば、引用発明1の「第1の有機化合物」及び「有機金属錯体」は、「三重項励起エネルギー」について、本件発明1の「発光素子」における、「前記第1の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きく」という要件を満たす。 オ 第2の有機化合物の三重項励起エネルギーが、有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きいこと 引用発明1の「発光層5」は、「有機イリジウム錯体(EMD-1)」と、「三重項励起エネルギー」が2.7eVである「ピリジン誘導体(EMP-1)」を含有する。 前記エにおける検討と同様に、引用発明1の「第2の有機化合物」及び「有機金属錯体」は、「三重項励起エネルギー」について、本件発明1の「発光素子」における、「前記第2の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きく」という要件を満たす。 (2) 一致点 以上より、本件発明1と引用発明1は、以下の点で一致する。 「 第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、 前記発光層は、ホール輸送性を有する第1の有機化合物と、電子輸送性を有する第2の有機化合物と、有機金属錯体と、を有し、 前記第1の有機化合物の量および/または前記第2の有機化合物の量は、前記有機金属錯体よりも多く、 前記第1の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きく、 前記第2の有機化合物の三重項励起エネルギーは、前記有機金属錯体の三重項励起エネルギーよりも大きい、 発光素子。」 (3)相違点 本件発明1と引用発明1は、以下の点で相違する。 (相違点) 「有機金属錯体」が、本件発明1は、「式(G1)で表される構造を有する」のに対し、引用発明1は、そのように特定されていない点。 (4)判断 ア 本件発明1の「式(G1)で表される構造を有する化合物」は、本件発明の明細書の段落【0018】に記載のとおり、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する配位子を用いた有機金属錯体」であって、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン」の2位の位置にアリール基を有する化合物である。 引用発明1の「有機電界発光素子」は、「発光層5」に含まれる「ドーパント」として、「有機イリジウム錯体(EMD-1)」を使用している。しかしながら、当該「有機イリジウム錯体(EMD-1)」は、その化学構造からみて、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格」を有するものではない。 また、引用文献1には、「発光層5」に含有させる「ドーパント」として、【化91】及び【化92】で表される化合物(段落【0171】?【0172】を参照。)が記載されている。しかしながら、これらの化合物も、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格」を有しておらず、「ドーパント」として、「式(G1)で表される構造を有する化合物」を使用することは、記載されていない。 さらに、引用文献1の段落【0161】?【0169】には、引用発明1の「有機イリジウム錯体(EMD-1)」に類似するドーパントの一般式として、一般式(Va)、(Vb)及び(Vc)が記載されている。また、引用文献1の段落【0168】には、一般式(Va)、(Vb)及び(Vc)において、「環A1が有する置換基と環A2が有する置換基が結合、または環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基が結合して、一つの縮合環を形成してもよく、このような縮合環としては7,8-ベンゾキノリン基等が挙げられる」ことが記載されている。しかしながら、一般式(Va)、(Vb)及び(Vc)で表される化学構造は、本件発明1の一般式(G1)で表される化学構造よりも上位概念のものである。そして、一般式(Va)、(Vb)及び(Vc)で表される化学構造の具体例として示されている【化91】及び【化92】で表される化合物を参照しても、それらの化合物が一般式(G1)で表される化学構造である「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格」を示唆するものとはいえない。 加えて、引用文献1の段落【0168】には、「環A1、環A1’、環A2および環A2’の置換基」として、「芳香族炭化水素基」が記載されている。しかしながら、引用文献1には、芳香族炭化水素基の位置が、本件発明1の一般式(G1)の位置(ジベンゾ[f,h]キノキサリンの2位)とすることについて、記載も示唆もない。そもそも、引用文献1には、本件発明1の一般式(G1)の環構造について、記載も示唆もない。 したがって、引用文献1の記載からは、引用発明1のドーパントを、本件発明1のものとすることについての動機づけを見いだすことはできない。 イ 引用文献2?5には、「有機発光ダイオード」に、前記「第3」で述べた化学構造を有する「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する配位子を用いた有機金属錯体」を含有する層を設けることが記載されている。 しかしながら、引用文献2?5に記載の上記有機金属錯体は、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン」の2位の位置にアリール基を有していない。 ウ 前記イで述べたとおり、引用文献2?5には、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する配位子を用いた有機金属錯体」において、ジベンゾ[f,h]キノキサリンの2位の位置にアリール基を有することについて、記載も示唆もない。 そして、引用文献2?5の記載はもとより、本件優先日前の、当該技術分野における技術常識を参酌しても、引用文献2?5に記載の「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する配位子を用いた有機金属錯体」において、ジベンゾ[f,h]キノキサリンの2位の位置をアリール基で置換した化合物が、引用文献2?5に記載されているに等しいとはいえない。 したがって、仮に、引用発明1のドーパントを、引用文献2?5に記載の「ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する配位子を用いた有機金属錯体」に置き換えたとしても、本件発明1の一般式(G1)の要件を満たす有機金属錯体には到らない。 エ また、上記ウで述べたとおりであるから、引用文献2?5の記載からも、引用発明1のドーパントを、本件発明1のものとすることについての動機づけを見いだすことができない。この点は、本件優先日前の当該技術分野における技術常識を参酌しても、同じである。 オ 本件発明は、「発光効率が高く、かつより長寿命な発光素子を提供する」、「消費電力が少なくより寿命が長い発光装置を提供する」及び「消費電力が少なくより寿命が長い電子機器を提供する」(段落【0013】)という課題を解決するために、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体を配位子とする有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子において、ホール輸送性の化合物と電子輸送性の化合物の両方を発光層に含有させる」(段落【0014】)という構成を採用したものである。そして、本件発明1は、特に、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体」として「一般式(G1)で表される構造を有する有機金属錯体」を使用することにより、「色純度が高く、高効率な赤色発光を示す」(段落【0088】)ものと理解される。なお、上記事項は、段落【0185】?段落【0208】の記載によっても裏付けられている。 一方、引用文献1?5には、「ジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体を配位子とする有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子において、ホール輸送性の化合物と電子輸送性の化合物の両方を発光層に含有させる」ことが記載されておらず、また、これによって上記のような本件発明1の効果が得られることについても記載がない。 したがって、本件発明1の効果は、引用文献1?5の記載事項からみて、顕著なものということができる。 (5)小括 以上のとおりであるから、引用発明1において、本件発明1及び引用文献2?5に記載された技術事項を参照して、上記相違点に係る構成とすることは、当業者であっても、容易に想到し得たということはできない。 したがって、本件発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものということはできない。 第7 当審拒絶理由通知(特許法第17条の2第3項)について 本件補正により、当審が通知した拒絶の理由は解消した。 第8 むすび 以上のとおり、本件発明1は、当業者が引用発明1及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたということはできない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-09-20 |
出願番号 | 特願2016-186512(P2016-186512) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H05B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 横川 美穂、濱野 隆 |
特許庁審判長 |
樋口 信宏 |
特許庁審判官 |
高松 大 宮澤 浩 |
発明の名称 | 発光素子 |