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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1355448
審判番号 不服2018-14891  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-07 
確定日 2019-09-17 
事件の表示 特願2017-55183号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年10月11日出願公開、特開2018-157846号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年3月21日の出願であって、平成30年4月25日に手続補正書が提出され、同年5月14日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月4日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月13日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年9月7日に意見書が提出されたところ、同年10月2日付けで拒絶査定(拒絶査定の謄本の送達日:同年10月5日)がなされ、それに対して、同年11月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、これに対し、当審において、平成31年4月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月24日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A?Qは、本願発明を分説するために当審で付した)。

「A 判定を行う判定手段と、
B 前記判定手段による判定にて所定の結果が得られたことに基づいて遊技者に特典を付与しうる特典付与手段と、
C 前記判定手段による判定に応じた図柄変動を行う図柄変動実行手段と、
D 前記図柄変動実行手段による図柄変動に応じた変動演出音を可聴出力する変動演出音出力手段と、
E 遊技機の状態を検出する状態検出手段と、
F 前記状態検出手段による検出情報に基づいて、複数種類の報知音のうち前記検出情報に対応する報知音を可聴出力させる処理を実行可能な報知音出力手段と、
を備え、
G 前記複数種類の報知音には、
当該報知音固有のメッセージ音としての特定メッセージ音と、メッセージ音とは異なる警告音としての特定警告音とがそれぞれ可聴出力される特定報知音、及び
H 前記特定報知音よりも可聴出力にかかる優先順位が低くされており、当該報知音固有のメッセージ音としての所定メッセージ音は可聴出力されるが、メッセージ音とは異なる警告音は可聴出力されない所定報知音
が含まれており、
I 前記変動演出音出力手段は、
前記変動演出音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記変動演出音が途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にするようになっており、
J さらに、
前記特定報知音の可聴出力開始後に前記変動演出音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には、前記変動演出音が最初から可聴出力し直しされず、その途中から可聴出力されるようになっており、
K さらに、
前記報知音出力手段は、
前記所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記所定報知音固有の所定メッセージ音がメッセージの途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にして、前記特定報知音を、その音データの最初から再生させるようになっており、
L 前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合、前記特定報知音が可聴出力状態として維持されている間は該所定報知音を新たに可聴出力させることはないようにされており、
M さらに、
前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合であって、且つ前記特定報知音の可聴出力開始後に前記所定報知音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には、前記所定報知音固有の所定メッセージ音が最初から可聴出力されるように、前記所定報知音を、その音データの最初から再生させるようになっており、可聴出力状態にある所定メッセージ音については、メッセージの途中の状況にあったとしても、当該所定報知音の終了条件が満たされた時点で該所定報知音にかかる可聴出力状態は終了されるようになっており、
N さらに、
前記所定報知音の出力条件が満たされると、当該所定報知音として前記所定メッセージ音が可聴出力される状態と、当該所定報知音としては何らの音も可聴出力しない状態とが交互に現れるようになっており、
O さらに、
音量の調整に関わる操作手段として、遊技者による操作の対象とされない管理者用操作手段が設けられており、
P 前記管理者用操作手段に対する操作に基づいて音量の調整が行われた場合、音量調整確認音が可聴出力されることはない
Q ことを特徴とする遊技機。」

第3 拒絶の理由
平成31年4月22日付けで当審において通知した拒絶の理由のうち、理由2の概略は、以下のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1
・引用文献等 1-3

引用文献等一覧
1.特開2015-120070号公報
2.特開2015-51137号公報
3.特開2008-43512号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明

ア 当審における拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2015-120070号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した)。

(ア)「【0033】
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面中央部に設けられる。演出キー38は、略十字に配列された4つの方向キーを有し、演出ボタン37に隣接して上側の皿39の手前に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。さらに、演出キー38は、遊技機1の客待ち状態において左右のキーによって遊技機1の音量を調整する際にも用いられる。もちろん、遊技機1の音量は、遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチによっても設定可能である。H/Wボリュームスイッチは、大、中、小と3段階で設定可能となっており、H/Wボリュームスイッチで設定される音量の上限から下限までを演出キー38で調整することが可能である。したがって、H/Wボリュームスイッチを切り替えると、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整されることになる。これにより、遊技機1ごとに音量を調整可能となっている。ここで調整される音量(以下適宜「ボリューム設定値」という)によって、演出の音声(効果音)はもちろん、エラー音声なども出力されることになる。」

(イ)「【0040】
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
【0041】
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
【0042】
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
【0043】
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞)を満たすまで、第1大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば7回)繰り返すように制御する。また、例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞の条件、又は0.1秒経過の条件)を満たすまで、第2大入賞口51が開状態となるラウンドを所定回数(例えば1回)行うように制御する。また、メイン制御部100は、第1大入賞口23及び第2大入賞口51が開閉する開閉時間間隔(インターバル時間)を制御する。」

(ウ)「【0055】
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン37および演出キー38が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン37および演出キー38からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。」

(エ)「【0105】
[大当たり判定処理]
S47において、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定等する大当たり判定処理を実行する。図13は、図12のS47の大当たり判定処理の詳細フローチャートの一例である。
以下に、図13を参照して、大当たり判定処理について具体的に説明する。」

(オ)「【0133】
以上で、図12のS48の変動パターン選択処理は終了する。
図12のS49において、CPU101は、S47の大当たり判定処理及びS48の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、変動演出開始コマンドは、演出制御部400に対して装飾図柄変動演出の開始を指示するコマンドである。その後、処理はS50に移る。なお、S49でセットされた変動演出開始コマンドは、図10のS10の出力処理によって演出制御部400へ送信される。」

(カ)「【0196】
[エラー処理]
図24は、図10のS9のエラー処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS901において、メイン制御部100のCPU101は、入賞エラー処理を実行する。この処理は、異常入賞を判定するものである。入賞エラー処理の詳細については、後述する。
【0197】
S902において、CPU101は、皿満タンエラー判定を行う。この判定は、図示しない皿満タンスイッチからの信号に基づくものである。皿満タンスイッチがONになると、CPU101は、皿満タンエラーと判定する。このときは、皿満タンエラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。一方、その後、皿満タンスイッチがOFFになると、CPU101は、皿満タンエラーが解消したものと判定する。このときは、皿満タンエラー終了指定コマンドをRAM103にセットする。ここでセットされた皿満タンエラー開始指定コマンド及び皿満タンエラー終了指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0198】
S903において、CPU101は、扉開放エラー判定を行う。この判定は、図示しない扉開放スイッチからの信号に基づくものである。扉開放スイッチがONになると、CPU101は、扉開放エラーと判定する。このときは、扉開放エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。一方、その後、扉開放スイッチがOFFになると、CPU101は、扉開放エラーが解消したものと判定する。このときは、扉開放エラー終了指定コマンドをRAM103にセットする。ここでセットされる扉開放エラー開始指定コマンド及び、扉開放エラー終了指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0199】
S904において、CPU101は、払出状態エラー判定を行う。この判定は、各種センサに基づくものであり、カウンターケースエラー、計数スイッチ断線エラー、球無しエラー、払い出し超過エラー、及び、払出コマンドエラーのいずれかが発生したとき、肯定される。いずれかのエラーが発生すると、CPU101は、払出状態エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。一方、すべてのエラーが解消されたとき、CPU101は、払出状態エラー終了指定コマンドをRAM103にセットする。ここでセットされる払出状態エラー開始指定コマンド及び払出状態エラー終了指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0200】
S905において、CPU101は、スイッチ未接続エラー判定を行う。この判定は、入力スイッチが断線したときに肯定される。具体的には、スイッチのレベルオンの状態が所定秒数(例えば3秒)以上連続した場合に、肯定判断される。スイッチ未接続エラーと判定されると、CPU101は、スイッチ未接続エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。また、スイッチ未接続エラーが解消された場合、CPU101は、スイッチ未接続エラー終了指定コマンドをRAM103にセットする。ここでセットされるスイッチ未接続エラー開始指定コマンド及びスイッチ未接続エラー終了指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0201】
S906において、CPU101は、磁石検知エラー判定を行う。この判定は、図示しない磁気センサからの磁気検知信号を所定秒数(例えば100ms)検知したときに肯定される。磁石検知エラーと判定されると、CPU101は、磁石検知エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。磁石検知エラーは、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたび磁気検知信号を所定秒数検知したときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされる磁石検知エラー開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0202】
S907において、CPU101は、排出エラー判定を行う。この判定は、第1大入賞口スイッチ114及び第2大入賞口スイッチ117で計数された遊技球数と、図示しない枠カウントスイッチで計数された遊技球数との差が、所定数(例えば「50」)を超えたときに肯定される。排出エラーと判定されると、CPU101は、排出エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。排出エラーは、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされる排出エラー開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0203】
S908において、CPU101は、大入賞口排出エラー判定を行う。この判定は、第2大入賞口51における遊技球の排出過多又は排出不足があったときに肯定される。大入賞口排出エラーと判定されると、CPU101は、排出球確認エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。大入賞口排出エラーは、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされる排出球確認エラー開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0204】
S909において、CPU101は、大入賞口異常エラー判定を行う。この判定は、第2大入賞口51の内部のVハネ52が想定の動作と相違することで肯定される。大入賞口異常エラーと判定されると、CPU101は、ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。大入賞口異常エラーは、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされるソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0205】
S910において、CPU101は、盤面異常エラー判定を行う。この判定は、スイッチ電源低下信号を所定回数(例えば9回)検知することで肯定される。盤面異常エラーと判定されると、CPU101は、盤面異常エラー開始指定コマンドをRAM103にセットする。盤面異常エラーは、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされる盤面異常エラー開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0206】
[入賞エラー処理]
図25は、図24のS901の入賞エラー処理の詳細を示すフローチャートである。
S901-1において、CPU101は、異常入賞エラー1判定を行う。この判定は、第1大入賞口23が閉鎖されている状態で、第1大入賞口スイッチ114がONになったときに肯定される。異常入賞エラー1と判定されると、CPU101は、異常入賞エラー1開始指定コマンドをRAM103にセットする。異常入賞エラー1は、発生から1秒の時間経過で解除する。なお、1秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに1秒の時間経過で解除する。ここでセットされる異常入賞エラー1開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。
【0207】
S901-2において、CPU101は、異常入賞エラー2判定を行う。この判定は、第2大入賞口51が閉鎖されている状態で、第2大入賞口スイッチ117又はV領域スイッチ119がONになったときに肯定される。また、第2大入賞口51のVハネ52がV領域53を閉鎖している状態で、V領域スイッチ119がONになったとき肯定される。異常入賞エラー2と判定されると、CPU101は、異常入賞エラー2開始指定コマンドをRAM103にセットする。異常入賞エラー2は、発生から30秒の時間経過で解除する。なお、30秒以内にふたたびエラーと判定されたときは、その時点からさらに30秒の時間経過で解除する。ここでセットされる異常入賞エラー2開始指定コマンドは、図10のS10にて演出制御部400へ送信される。」

(キ)「【0222】
S107において、CPU401は、S106で受信した変動演出開始コマンドを解析する。その後、処理はS108に移る。
S108において、CPU401は、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄変動演出のパターンを決定する。変動演出開始コマンドに含まれている設定情報は、図12のS47の大当たり判定処理(図13参照)によってセットされた特別図柄の停止図柄を示す情報(つまり、大当たりかハズレか、大当たりの場合いずれの大当たりかを示す情報)、図12のS48の変動パターン選択処理(図14参照)でセットされた特別図柄変動時間(変動パターン)を示す情報、リーチ演出を実行するか否かを示す情報を含む。S108において、CPU401は、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報が示す条件を満たす複数の演出パターンから、抽選によって1つの演出パターンを決定する。その後、処理はS109に移る。
【0223】
S109において、CPU401は、保留数減算処理を実行する。具体的には、CPU401は、変動演出開始コマンドの設定情報に含まれている第1特別図柄抽選結果の判定及び第2特別図柄抽選結果の判定の何れが実行されたかを示す情報が第1特別図柄抽選結果の判定が実行されたことを示す場合、RAM403に格納されている第1特別図柄抽選の保留数を1減算し、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に最も早く表示されている第1特別図柄抽選の保留数を示す保留画像を1つ消化(削除)させる。同様に、CPU401は、変動演出開始コマンドの設定情報に含まれている第1特別図柄抽選結果の判定及び第2特別図柄抽選結果の判定の何れが実行されたかを示す情報が第2特別図柄抽選結果の判定が実行されたことを示す場合、RAM403に格納されている第2特別図柄抽選の保留数を1減算し、画像音響制御部500に指示して画像表示部6に最も早く表示されている第2特別図柄抽選の保留数を示す保留画像を1つ消化(削除)させる。その後、処理はS110に移る。
【0224】
S110において、CPU401は、S103で決定した演出パターンの装飾図柄変動演出を開始する。具体的には、CPU401は、上記した演出パターンの演出の実行を指示するコマンドをRAM403にセットし、このコマンドは、図26のS14におけるコマンド送信処理によって、画像音響制御部500及びランプ制御部600へ送信される。そして、このことによって、画像表示部6による装飾図柄変動演出の表示が開始され、スピーカ35や盤ランプ8等による装飾図柄変動演出の音響出力や発光が開始される。その後、処理はS113に移る。」

(ク)「【0260】
S127において、CPU401は、エラー出力処理を実行する。エラー出力処理の詳細については次に述べる。S127の処理終了後、コマンド受信第2処理を終了する。
[エラー出力処理]
図33は、上記S127のエラー出力処理の詳細を示すフローチャートである。」

(ケ)「【0269】
図36(A)に示すように、音声による発射報知よりも前の段階で皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間となったときに、エラー音声の出力を停止する。そして、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、すなわち皿満タンエラー終了指定コマンドが受信されていなければ、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する。すなわち、発射報知演出における報知音声とエラー音声とが重畳しないようになっている。
【0270】
図36(B)に示すように、音声による発射報知期間に皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力せず、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、すなわち皿満タンエラー終了指定コマンドが受信されていなければ、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する。すなわち、この場合も、発射報知演出における報知音声とエラー音声とが重畳しないようになっている。
【0271】
図33に戻り、S1274では、通常の皿満タンエラー出力を行う。具体的には、上述した「皿満タンエラー、玉を抜いてください」という画像を表示し、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する。「皿満タンエラー、玉を抜いてください」という画像は、例えば大当たり遊技中を前提とした場合、ラウンド表示の周辺など遊技者に見やすい位置に表示する。
【0272】
S1273及びS1274では、皿満タンエラーに係るエラー出力について述べたが、いずれの場合であっても、「玉を抜いてください」というエラー音声出力は、音声と音声との間に5秒間の無音期間を設けて繰り返される。また、音量(ボリューム)が設定できることは上述したが、ボリューム設定値の80%の音量でエラー音声を出力するものとする。
【0273】
S1275において、CPU401は、その他のエラー出力を行う。ここで各種エラーに係るエラー出力について順に説明する。具体的には、各種エラーに応じたコマンドをRAM403にセットし、図26のS14にてコマンドが画像音響制御部500及びランプ制御部600に送信されることで、エラー出力が実現される。
【0274】
(異常入賞エラー1)
異常入賞エラー1と判定された場合、異常入賞エラー1開始指定コマンドが送信されてくる(図25のS901-1参照)。
【0275】
この場合、発生回数をカウントし、エラー回数が1回以上10回未満であれば、図示しない外部情報端子への出力が行われる。外部情報端子へは、200msの間ON信号が主力され、その後、200msの間OFF信号が出力される。エラー回数が複数になると、このような出力を繰り返す。新たに異常入賞エラー1と判定されないことを条件に0.4秒間でエラー出力を停止する。
【0276】
エラー回数が10回以上30回未満であれば、外部情報端子への出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。新たに異常入賞エラー1と判定されないことを条件に1秒間でエラー出力を停止する。
【0277】
エラー回数が30回以上になると、上記外部情報端子への出力及びランプ報知と併せて、「異常入賞エラーです」というエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力する。また、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量でエラー音声及びサイレン音を出力する。新たに異常入賞エラー1と判定されないことを条件に、30秒間でエラー出力を停止する。
【0278】
(異常入賞エラー2)
異常入賞エラー2と判定された場合、異常入賞エラー2開始指定コマンドが送信されてくる(図25のS901-2参照)。
【0279】
この場合、図示しない外部情報端子への出力が行われる。外部情報端子へは、200msの間ON信号が主力され、その後、200msの間OFF信号が出力される。エラー回数が複数になると、このような出力を繰り返す。
【0280】
また、外部情報端子への出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。
さらにまた、外部情報端子への出力及びランプ報知と併せて、「異常入賞エラーです」というエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力する。また、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量でエラー音声及びサイレン音を出力する。」

(コ)「【0293】
(磁石検知エラー)
磁石検知エラーと判定された場合、磁石検知エラー開始指定コマンドが送信されてくる(図24のS906参照)。
【0294】
この場合、画像表示部6に、「磁石検知」という画像を表示する。この画像は、画像表示部6の図柄などに重ならないように表示する。「磁石検知」の画像表示は、新たに磁石検知エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0295】
また、画像表示部6への画像表示と併せて、「磁石を検知しました」というエラー音声を繰り返し出力する。エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力する。また、このエラー音声及びサイレン音の出力は、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量で行う。エラー音声及びサイレン音の出力は、新たに磁石検知エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0296】
さらにまた、画像表示、エラー音声及びサイレン音の出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。このランプ報知は、新たに磁石検知エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0297】
また、外部情報端子への出力が行われる。外部情報端子へは、200msの間ON信号が出力され、その後、200msの間OFF信号が出力される。エラー回数が複数になると、このような出力を繰り返す。外部情報端子への出力は、0.4秒が経過した時点で停止される。
【0298】
(排出エラー)
排出エラーと判定された場合、排出エラー開始指定コマンドが送信されてくる(図24のS907参照)。
【0299】
この場合、画像表示部6に、「排出エラー」という画像を表示する。この画像は、画像表示部6の図柄などに重ならないように表示する。「排出エラー」の画像表示は、新たに排出エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0300】
また、画像表示部6への画像表示と併せて、「排出エラーです」というエラー音声を繰り返し出力する。エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力する。また、このエラー音声及びサイレン音の出力は、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量で行う。エラー
音声及びサイレン音の出力は、新たに排出エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0301】
さらにまた、画像表示、エラー音声及びサイレン音の出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。このランプ報知は、新たに排出エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0302】
また、外部情報端子への出力が行われる。外部情報端子へは、200msの間ON信号が出力され、その後、200msの間OFF信号が出力される。エラー回数が複数になると、このような出力を繰り返す。外部情報端子への出力は、次回のRAMクリアまで継続される。
【0303】
(大入賞口排出エラー)
大入賞口排出エラーと判定された場合、排出球確認エラー開始指定コマンドが送信されてくる(図24のS908参照)。
【0304】
この場合、画像表示部6に、「大入賞口排出エラー」という画像を表示する。この画像は、画像表示部6の図柄などに重ならないように表示する。「大入賞口排出エラー」の画像表示は、新たに大入賞口排出エラーと判定されないことを条件に30秒間で停止する。
【0305】
また、画像表示部6への画像表示と併せて、「排出エラーです」というエラー音声を繰り返し出力する。エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力する。また、このエラー音声及びサイレン音の出力は、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量で行う。エラー音声及びサイレン音の出力は、新たに大入賞口排出エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0306】
さらにまた、画像表示、エラー音声及びサイレン音の出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。このランプ報知は、新たに大入賞口排出エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0307】
(大入賞口異常エラー)
大入賞口異常エラーと判定された場合、ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンドが送信されてくる(図24のS909参照)。
【0308】
この場合、画像表示部6に、「大入賞口異常」という画像を表示する。この画像は、画像表示部6の図柄などに重ならないように表示する。「大入賞口異常」の画像表示は、新たに大入賞口異常エラーと判定されないことを条件に30秒間で停止する。
【0309】
また、画像表示部6への画像表示と併せて、「大入賞口エラーです」というエラー音声を繰り返し出力する。エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力する。また、このエラー音声及びサイレン音の出力は、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量で行う。エラー音声及びサイレン音の出力は、新たに大入賞口異常エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0310】
さらにまた、画像表示、エラー音声及びサイレン音の出力と併せて、枠ランプ36などによるランプ報知を行う。ランプ報知は、250msで点滅制御する。このランプ報知は、新たに大入賞口異常エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0311】
(盤面異常エラー)
盤面異常エラーと判定された場合、盤面異常エラー開始指定コマンドが送信されてくる
(図24のS910参照)。
【0312】
この場合、画像表示部6に、「盤面異常エラー」という画像を表示する。この画像は、画像表示部6の図柄などに重ならないように表示する。「盤面異常エラー」の画像表示は、新たに盤面異常エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。
【0313】
また、画像表示部6への画像表示と併せて、「盤面異常エラーです」というエラー音声を繰り返し出力する。エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力する。また、このエラー音声及びサイレン音の出力は、ボリューム設定値にかかわらず、最大音量で行う。エラー音声及びサイレン音の出力は、新たに盤面異常エラーと判定されないことを条件に、30秒間で停止する。」

(サ)「【0318】
[エラー音声出力の優先順位]
エラーが同時期に重複した場合、上述したエラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行う。具体的には、図37に示すように、「異常入賞エラー2開始指定コマンド」→「異常入賞エラー1開始指定コマンド」→「磁石検知エラー開始指定コマンド」→「盤面異常エラー開始指定コマンド」→「排出球確認エラー開始指定コマンド」→「排出エラー開始指定コマンド」→「扉開放エラー開始指定コマンド」及び「扉開放エラー終了指定コマンド」→「ソレノイドフォトセンサ異常エラー開始指定コマンド」→「スイッチ未接続エラー開始指定コマンド」及び「スイッチ未接続エラー終了指定コマンド」→「皿満タンエラー開始指定コマンド」及び「皿満タンエラー終了指定コマンド」の順で優先順位が設定されている。」

イ 以上の記載事項から、引用文献1には、「第1実施形態」を中心に、次の技術的事項が記載されているものと認められる(見出し(a)?(q)は、本願発明の分説A?Qに対応させて付与した)。

(a)記載事項(イ)(【0041】)から、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送るメイン制御部100が記載されている。

(b)記載事項(イ)(【0043】)から、特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御するメイン制御部100が記載されている。

(c)記載事項(エ)(【0105】)から、特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定等する大当たり判定処理が記載されている。また、記載事項(イ)(【0040】)から、メイン制御部100は、CPU101を備え、記載事項(オ)(【0133】)から、CPU101は、大当たり判定処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成し、演出制御部400へ送信し、記載事項(ウ)(【0055】)から、演出制御部400は、CPU401を備え、記載事項(キ)(【0222】)から、CPU401は、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄変動演出のパターンを決定し、記載事項(キ)(【0224】)から、CPU401は、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始することが記載されている。
これらのことからすると、引用文献1には、メイン制御部100で、特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定等する大当たり判定処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成し、演出制御部400で、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄変動演出のパターンを決定し、装飾図柄変動演出を開始することが記載されている。

(d)記載事項(ウ)(【0055】)から、演出制御部400は、CPU401を備え、記載事項(キ)(【0224】)から、CPU401は、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始すること、スピーカ35による装飾図柄変動演出の音響出力が開始されることが、記載されている。
そうすると、引用文献1には、演出制御部400で、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始し、スピーカ35による装飾図柄変動演出の音響出力が開始されることが記載されている。

(e)記載事項(カ)(【0207】)から、CPU101は、第2大入賞口51が閉鎖されている状態で、第2大入賞口スイッチ117又はV領域スイッチ119がONになったときに異常入賞エラー2であると判定し、記載事項(カ)(【0206】)から、CPU101は、第1大入賞口23が閉鎖されている状態で、第1大入賞口スイッチ114がONになったときに異常入賞エラー1であると判定し、記載事項(カ)(【0201】)から、CPU101は、磁気センサからの磁気検知信号を所定秒数検知したときに磁石検知エラーであると判定し、記載事項(カ)(【0205】)から、CPU101は、スイッチ電源低下信号を所定回数検知することで盤面異常エラーであると判定し、記載事項(カ)(【0203】)から、CPU101は、第2大入賞口51における遊技球の排出過多又は排出不足があったときに大入賞口排出エラーであると判定し、記載事項(カ)(【0202】)から、CPU101は、第1大入賞口スイッチ114及び第2大入賞口スイッチ117で計数された遊技球数と、枠カウントスイッチで計数された遊技球数との差が、所定数を超えたときに排出エラーであると判定し、記載事項(カ)(【0197】)から、CPU101は、皿満タンスイッチがONになると、皿満タンエラーであると判定し、記載事項(イ)(【0040】)から、メイン制御部100は、CPU101を備えることが記載されている。
これらのことからすると、引用文献1には、第2大入賞口51が閉鎖されている状態で、第2大入賞口スイッチ117又はV領域スイッチ119がONになったときに異常入賞エラー2であると判定し、第1大入賞口23が閉鎖されている状態で、第1大入賞口スイッチ114がONになったときに異常入賞エラー1であると判定し、磁気センサからの磁気検知信号を所定秒数検知したときに磁石検知エラーであると判定し、スイッチ電源低下信号を所定回数検知することで盤面異常エラーであると判定し、第2大入賞口51における遊技球の排出過多又は排出不足があったときに大入賞口排出エラーであると判定し、第1大入賞口スイッチ114及び第2大入賞口スイッチ117で計数された遊技球数と、枠カウントスイッチで計数された遊技球数との差が、所定数を超えたときに排出エラーであると判定し、皿満タンスイッチがONになると、皿満タンエラーであると判定するメイン制御部100が記載されている。

(f,g,h)記載事項(ケ)(【0278】、【0280】)から、異常入賞エラー2と判定された場合、「異常入賞エラーです」というエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(ケ)(【0274】、【0277】)から、異常入賞エラー1と判定された場合、「異常入賞エラーです」というエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(コ)(【0293】、【0295】)から、磁石検知エラーと判定された場合、「磁石を検知しました」というエラー音声を繰り返し出力し、エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(コ)(【0311】、【0313】)から、盤面異常エラーと判定された場合、「盤面異常エラーです」というエラー音声を繰り返し出力し、エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(コ)(【0303】、【0305】)から、大入賞口排出エラーと判定された場合、「排出エラーです」というエラー音声を繰り返し出力し、エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(コ)(【0298】、【0300】)から、排出エラーと判定された場合、「排出エラーです」というエラー音声を繰り返し出力し、エラー音声と併せてサイレン音を繰り返し出力し、記載事項(ケ)(【0269】?【0272】)から、皿満タンエラーと判定された場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、記載事項(ウ)(【0055】)から、演出制御部400は、CPU401を備え、記載事項(ク)(【0260】)から、CPU401は、エラー出力処理を実行することが記載されている。また、記載事項(サ)(【0318】)から、「異常入賞エラー2開始指定コマンド」→「異常入賞エラー1開始指定コマンド」→「磁石検知エラー開始指定コマンド」→「盤面異常エラー開始指定コマンド」→「排出球確認エラー開始指定コマンド」→「排出エラー開始指定コマンド」→「皿満タンエラー開始指定コマンド」の順で優先順位が設定されていることが記載されている。
これらのことからすると、引用文献1には、異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合、「異常入賞エラーです」、「磁石を検知しました」、「盤面異常エラーです」、「排出エラーです」とのエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力し、皿満タンエラーと判定された場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する演出制御部400を備え、「異常入賞エラー2開始指定コマンド」→「異常入賞エラー1開始指定コマンド」→「磁石検知エラー開始指定コマンド」→「盤面異常エラー開始指定コマンド」→「排出球確認エラー開始指定コマンド」→「排出エラー開始指定コマンド」→「皿満タンエラー開始指定コマンド」の順で優先順位が設定されていることが記載されている。

(i,j)記載事項(ウ)(【0055】)から、演出制御部400は、CPU401を備え、記載事項(キ)(【0224】)から、CPU401は、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始すること、スピーカ35や盤ランプ8等による装飾図柄変動演出の音響出力が開始されることが、記載されている。
そうすると、引用文献1には、演出制御部400は、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始し、スピーカ35による装飾図柄変動演出の音響出力が開始されることが記載されている。

(k,l,m)記載事項(サ)(【0318】)から、エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行うことが、記載事項(ケ)(【0269】)から、発射報知演出において、音声による発射報知よりも前の段階で皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間となったときに、エラー音声の出力を停止し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力することが、記載事項(ケ)(【0270】)から、発射報知演出において、音声による発射報知期間に皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力せず、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力することが、記載されている。また、記載事項(ウ)(【0055】)から、演出制御部400は、CPU401を備え、記載事項(ク)(【0260】)から、CPU401は、エラー出力処理を実行することが記載されている。
これらのことからすると、引用文献1には、演出制御部400は、エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行い、発射報知演出において、音声による発射報知よりも前の段階で皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間となったときに、エラー音声の出力を停止し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、音声による発射報知期間に皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力せず、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力することが記載されている。

(n)記載事項(ケ)(【0272】)から、皿満タンエラーに係るエラー出力である「玉を抜いてください」というエラー音声出力は、音声と音声との間に5秒間の無音期間を設けて繰り返されることが記載されている。

(o,p)記載事項(ア)(【0033】)から、遊技機1の客待ち状態において左右のキーによって遊技機1の音量を調整する際に用いられる演出キー38と、遊技機1の音量を設定可能である、遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチとが設けられており、H/Wボリュームスイッチを切り替えると、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整され、調整される音量によって、演出の音声(効果音)、エラー音声なども出力されることが記載されている。

(q)記載事項(ア)(【0033】)から、遊技機1が記載されている。

ウ 以上の記載事項(ア)?(サ)及び認定事項(a)?(q)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(分説a?qは、本願発明の分説A?Qに対応させて付与した)。
「a 第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送るメイン制御部100と、
b 特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御するメイン制御部100と、
c メイン制御部100で、特別図柄抽選の結果が大当たりであるかハズレであるかを判定等する大当たり判定処理によってセットされた設定情報を含む変動演出開始コマンドを生成し、演出制御部400で、変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄変動演出のパターンを決定し、装飾図柄変動演出を開始し、
d 演出制御部400で、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始し、スピーカ35による装飾図柄変動演出の音響出力が開始され、
e 第2大入賞口51が閉鎖されている状態で、第2大入賞口スイッチ117又はV領域スイッチ119がONになったときに異常入賞エラー2であると判定し、第1大入賞口23が閉鎖されている状態で、第1大入賞口スイッチ114がONになったときに異常入賞エラー1であると判定し、磁気センサからの磁気検知信号を所定秒数検知したときに磁石検知エラーであると判定し、スイッチ電源低下信号を所定回数検知することで盤面異常エラーであると判定し、第2大入賞口51における遊技球の排出過多又は排出不足があったときに大入賞口排出エラーであると判定し、第1大入賞口スイッチ114及び第2大入賞口スイッチ117で計数された遊技球数と、枠カウントスイッチで計数された遊技球数との差が、所定数を超えたときに排出エラーであると判定し、皿満タンスイッチがONになると、皿満タンエラーであると判定するメイン制御部100と、
f,g,h 異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合、「異常入賞エラーです」、「磁石を検知しました」、「盤面異常エラーです」、「排出エラーです」とのエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力し、皿満タンエラーと判定された場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する演出制御部400を備え、「異常入賞エラー2開始指定コマンド」→「異常入賞エラー1開始指定コマンド」→「磁石検知エラー開始指定コマンド」→「盤面異常エラー開始指定コマンド」→「排出球確認エラー開始指定コマンド」→「排出エラー開始指定コマンド」→「皿満タンエラー開始指定コマンド」の順で優先順位が設定されており、
i,j 演出制御部400は、演出パターンの装飾図柄変動演出を開始し、スピーカ35による装飾図柄変動演出の音響出力が開始され、
k,l,m 演出制御部400は、エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行い、発射報知演出において、音声による発射報知よりも前の段階で皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間となったときに、エラー音声の出力を停止し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、音声による発射報知期間に皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力せず、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、
n 皿満タンエラーに係るエラー出力である「玉を抜いてください」というエラー音声出力は、音声と音声との間に5秒間の無音期間を設けて繰り返され、
o,p 遊技機1の客待ち状態において左右のキーによって遊技機1の音量を調整する際に用いられる演出キー38と、遊技機1の音量を設定可能である、遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチとが設けられており、H/Wボリュームスイッチを切り替えると、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整され、調整される音量によって、演出の音声(効果音)、エラー音声なども出力される
q 遊技機1。」

エ 当審における拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2015-51137号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【0015】
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ遊技機1の前面側(前方側)、奥側(内方側)を背面側(後方側)として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。」

(イ)「【0275】
図28(B)には、検出された異常の異常種別が第2異常種別である場合の異常報知態様の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信すると、バックライト9dおよび表示用LED62a、62bを制御して導光板を用いて変動パターンに応じた発光演出を行なうとともに、変動パターンに応じた演出音をスピーカ27から出力させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から異常報知指定コマンドを受信すると、枠ランプを異常報知表示(全点灯)させるとともに、バックライト9d、および表示用LED62a、62bを点滅させることにより導光板を用いて異常報知表示を行なう。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スピーカ27から異常報知音を出力させるとともに、演出音の音量をゼロにするように制御する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出音の音量をゼロにしているが、演出音の出力は継続して行なわれている。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ81は、異常報知音を出力している間、演出音の出力が停止している訳でなく、異常報知が終了すると異常報知音を出力していた期間経過後の演出音から出力が再開される。これにより、異常報知が終了した後に、演出音が最初の音から出力が再開されるなどの不自然な出力がなくなり自然な演出音の出力が可能となる。特に、複数の遊技機がRTC200などで同じタイミングで同じ演出音を出力する場合に、当該演出音を出力している遊技機のうちの1台が異常報知を行なったとしても、当該演出音のタイミングが遊技機間でズレが生じることはない。なお、複数の遊技機間での演出音の出力タイミングを考慮する必要ない遊技機であれば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出音の音量をゼロにするのではなく、異常報知音を出力している間、演出音の出力を停止してもよい。すなわち、第1異常種別よりも重要度の高い第2異常種別では、遊技者に対してより高い注意喚起をするために、導光板でも異常を報知するとともに演出音をゼロにする。本実施形態では、重要度の低い第1異常種別に基づく異常報知音を出力する場合、当該異常報知音により演出音を途切れさせることを防止することができ、演出を楽しんでいる遊技者に不快感を与えることを軽減することができる。」

オ 以上の記載事項(ア)?(イ)から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

「演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンに応じた演出音をスピーカ27から出力させ、そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から異常報知指定コマンドを受信すると、スピーカ27から異常報知音を出力させるとともに、演出音の音量をゼロにするように制御し、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出音の音量をゼロにしているが、演出音の出力は継続して行なうため、異常報知音を出力している間、演出音の出力が停止している訳でなく、異常報知が終了すると異常報知音を出力していた期間経過後の演出音から出力が再開され、異常報知が終了した後に、演出音が最初の音から出力が再開されるなどの不自然な出力がなくなり自然な演出音の出力が可能となるパチンコ遊技機1。」

カ 当審における拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2008-43512号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【0024】
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。」

(イ)「【0253】
図31は、メイン処理におけるエラー報知処理(ステップS705)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、初期化フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1651)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知処理を実行する(ステップS1652)。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを報知するための所定の初期化報知画面を可変表示装置9に表示する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の効果音(例えば、ビープ音)を出力するとともに、各ランプ25,28a,28b,28cを消灯させる(すなわち、遊技中にはいずれかのランプが点灯または点滅されて何らかの演出が行われているのであるが、全て消灯することによって初期化処理が行われたことを遊技者に認識させる)。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の初期図柄を含む初期化報知画面を可変表示装置9に表示する。また、例えば、「初期化を行いました」などの文字列を含む初期化報知画面を可変表示装置9に表示するようにしてもよい。」

(ウ)「【0261】
主基板エラーフラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1663)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いて所定の効果音(ビープ音)を出力する制御を行うとともに、所定のランプ(例えば、ランプ25,28a,28b,28cのいずれか、またはこれらの組合せ)を点滅させる制御を行うことによって、大入賞口への異常入賞が検出されたことを報知する(ステップS1664)。」

(エ)「【0267】
また、以上の処理が実行されることによって、優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行う。また、優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合には優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行う。そして、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を残時間のみ行うことになる。
【0268】
なお、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにしてもよい。そして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい。例えば、初期化処理が行われるとともに異常入賞が検出された場合、異常入賞報知に優先して初期化報知が実行される(ステップS1652参照)ことになるのであるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1653において初期化報知期間計測タイマを1減算するとともに、異常入賞報知期間計測タイマも1減算する。そして、初期化報知期間タイマがタイムアウトしたときに異常入賞報知期間計測タイマがまだタイムアウトしていなければ、残った報知時間のみ異常入賞を報知を実行するようにしてもよい。また、優先度の低い方のエラーの報知処理を全く行わないようにしてもよい。」

キ 以上の記載事項(ア)?(エ)から、引用文献3には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

「初期化報知、異常入賞の際に所定の効果音(ビープ音)を出力し、優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行い、また、優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合には優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行い、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を残時間のみ行うことになり、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理を行うようにして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい、パチンコ遊技機1。」

第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する(見出し(a)?(q)は、本願発明の分説A?Qに対応させて付与した)。

(a)引用発明の「特別図柄抽選(大当たり抽選)」、「メイン制御部100」は、それぞれ、本願発明の「判定」、「判定手段」に相当するので、引用発明の特定事項aは、本願発明の特定事項Aに相当する。

(b)引用発明の「特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御する」こと、「メイン制御部100」は、それぞれ、本願発明の「判定手段による判定にて所定の結果が得られたことに基づいて遊技者に特典を付与」すること、「特典付与手段」に相当するので、引用発明の特定事項bは、本願発明の特定事項Bに相当する。

(c)引用発明の「メイン制御部100」、「装飾図柄変動演出」、「演出制御部400」は、それぞれ、本願発明の「判定手段」、「図柄変動」、「図柄変動実行手段」に相当するので、引用発明の特定事項cは、本願発明の特定事項Cに相当する。

(d)引用発明の「演出パターンの装飾図柄変動演出を開始」する「演出制御部400」、「装飾図柄変動演出」、「装飾図柄変動演出の音響出力」を行うこと、「装飾図柄変動演出の音響出力が開始」する「演出制御部400」は、それぞれ、本願発明の「図柄変動実行手段」、「図柄変動」、「変動演出音を可聴出力する」こと、「変動演出音出力手段」に相当するので、引用発明の特定事項dは、本願発明の特定事項Dに相当する。

(e)引用発明の「第2大入賞口51が閉鎖されている状態で、第2大入賞口スイッチ117又はV領域スイッチ119がONになった」状態、「第1大入賞口23が閉鎖されている状態で、第1大入賞口スイッチ114がONになった」状態、「磁気センサからの磁気検知信号を所定秒数検知した」状態、「スイッチ電源低下信号を所定回数検知する」状態、「第2大入賞口51における遊技球の排出過多又は排出不足があった」状態、「第1大入賞口スイッチ114及び第2大入賞口スイッチ117で計数された遊技球数と、枠カウントスイッチで計数された遊技球数との差が、所定数を超えた」状態、「皿満タンスイッチがONになる」状態は、本願発明の「遊技機の状態」に相当する。また、引用発明の「メイン制御部100」は、本願発明の「状態検出手段」に相当する。
してみると、引用発明の特定事項eは、本願発明の特定事項Eに相当する。

(f)引用発明の「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」及び「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」は、本願発明の「複数種類の報知音」に相当する。また、引用発明の「演出制御部400」は、本願発明の「報知音出力手段」に相当する。
してみると、引用発明の特定事項f,g,hの「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合、「異常入賞エラーです」、「磁石を検知しました」、「盤面異常エラーです」、「排出エラーです」とのエラー音声及びサイレン音を繰り返し出力し、皿満タンエラーと判定された場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力する演出制御部400」は、本願発明の特定事項Fに相当する。

(g)引用発明の「エラー音声」、「サイレン音」は、それぞれ、本願発明の「特定メッセージ音」、「特定警告音」に相当し、引用発明の「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」は、本願発明の「特定報知音」に相当する。
してみると、引用発明の特定事項f,g,hの「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「「異常入賞エラーです」、「磁石を検知しました」、「盤面異常エラーです」、「排出エラーです」とのエラー音声及びサイレン音」を含むことは、本願発明の特定事項Gに相当する。

(h)引用発明の「皿満タンエラー」に対応する「皿満タンエラー開始指定コマンド」は、「異常入賞エラー2」に対応する「異常入賞エラー2開始指定コマンド」、「異常入賞エラー1」に対応する「異常入賞エラー1開始指定コマンド」、「磁石検知エラー」に対応する「磁石検知エラー開始指定コマンド」、「盤面異常エラー」に対応する「盤面異常エラー開始指定コマンド」、「大入賞口排出エラー」に対応する「排出球確認エラー開始指定コマンド」、「排出エラー」に対応する「排出エラー開始指定コマンド」よりも優先順位が低く設定されていることから、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」は、「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」よりも優先順位が低く設定されており、引用発明の「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」は、本願発明の「所定メッセージ音」に相当する。
また、引用発明では、皿満タンエラーと判定された場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力しており、エラー音声とは異なる音は出力していないから、引用発明の「エラー音声」は、本願発明の「所定報知音」にも相当する。
してみると、引用発明の特定事項f,g,hの「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」よりも優先順位が低く設定されている「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」を含むことは、本願発明の特定事項Hに相当する。

(k)引用発明の「演出制御部400」は、本願発明の「報知音出力手段」に相当する。また、引用発明の「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行」うことは、本願発明の「前記所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記所定報知音固有の所定メッセージ音がメッセージの途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にして、前記特定報知音を、その音データの最初から再生させるようになって」いることと、所定報知音が可聴出力されているなかで特定報知音の出力条件が満たされた場合、特定報知音を再生させるようになっている点で共通する。
そうすると、引用発明の特定事項k,l,mの「演出制御部400は、エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行」うことと、本願発明の特定事項Kとは、「前記報知音出力手段は、前記所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、前記特定報知音を再生させるようになっている」点で共通する。

(l)引用発明は、「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行」うものであることから、「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」が出力されているなかで、より優先順位の低い「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」の出力条件が満たされたとしても、「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」が終了するまで、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」は出力されないものである。
してみると、引用発明の特定事項k,l,mの「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行」うことは、本願発明の特定事項Lに相当する。

(m)引用発明の特定事項k,l,mの「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行」うことは、上記(l)で示した点を踏まえ、本願発明の特定事項Mと「前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合であって、且つ前記特定報知音の可聴出力開始後に前記所定報知音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には、前記所定報知音固有の所定メッセージ音が」「可聴出力されるように、前記所定報知音を」「再生させるようになって」いる点で共通する。

(n)引用発明の「「玉を抜いてください」というエラー音声」、「音声」が出力される期間、「無音期間」、「繰り返され」ることは、それぞれ、本願発明の「所定報知音」、「所定メッセージ音が可聴出力される状態」、「何らの音も可聴出力しない状態」、「交互に現れる」ことに相当するので、引用発明の特定事項nは、本願発明の特定事項Nに相当する。

(o)引用発明の「遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチ」は、本願発明の「管理者用操作手段」に相当するので、引用発明の特定事項o,pの「遊技機1の音量を設定可能である、遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチ」は、本願発明の特定事項Oに相当する。

(p)引用発明の「H/W(ハードウェア)ボリュームスイッチ」は、音量を調整するものであるから、引用発明の特定事項o,pの「遊技機1の音量を設定可能である、遊技機1の背面側の所定のH/W(ハードウェア)ボリュームスイッチとが設けられており、H/Wボリュームスイッチを切り替えると、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整され、調整される音量によって、演出の音声(効果音)、エラー音声なども出力される」ことと本願発明の特定事項Pとは、「管理者用操作手段に対する操作に基づいて音量の調整が行われ」る点で共通する。

(q)引用発明と本願発明とは、遊技機に係る発明である点で共通する。

以上の(a)?(q)から、両者は、
[一致点]
「A 判定を行う判定手段と、
B 前記判定手段による判定にて所定の結果が得られたことに基づいて遊技者に特典を付与しうる特典付与手段と、
C 前記判定手段による判定に応じた図柄変動を行う図柄変動実行手段と、
D 前記図柄変動実行手段による図柄変動に応じた変動演出音を可聴出力する変動演出音出力手段と、
E 遊技機の状態を検出する状態検出手段と、
F 前記状態検出手段による検出情報に基づいて、複数種類の報知音のうち前記検出情報に対応する報知音を可聴出力させる処理を実行可能な報知音出力手段と、
を備え、
G 前記複数種類の報知音には、
当該報知音固有のメッセージ音としての特定メッセージ音と、メッセージ音とは異なる警告音としての特定警告音とがそれぞれ可聴出力される特定報知音、及び
H 前記特定報知音よりも可聴出力にかかる優先順位が低くされており、当該報知音固有のメッセージ音としての所定メッセージ音は可聴出力されるが、メッセージ音とは異なる警告音は可聴出力されない所定報知音
が含まれており、
K’ さらに、
前記報知音出力手段は、
前記所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、前記特定報知音を再生させるようになっており、
L 前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合、前記特定報知音が可聴出力状態として維持されている間は該所定報知音を新たに可聴出力させることはないようにされており、
M’さらに、
前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合であって、且つ前記特定報知音の可聴出力開始後に前記所定報知音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には、前記所定報知音固有の所定メッセージ音が可聴出力されるように、前記所定報知音を再生させるようになっており、
N さらに、
前記所定報知音の出力条件が満たされると、当該所定報知音として前記所定メッセージ音が可聴出力される状態と、当該所定報知音としては何らの音も可聴出力しない状態とが交互に現れるようになっており、
O さらに、
音量の調整に関わる操作手段として、遊技者による操作の対象とされない管理者用操作手段が設けられており、
P’前記管理者用操作手段に対する操作に基づいて音量の調整が行われる
Q 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](特定事項I,J)
本願発明では、変動演出音出力手段は、「前記変動演出音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記変動演出音が途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にするようになっており、さらに、前記特定報知音の可聴出力開始後に前記変動演出音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には、前記変動演出音が最初から可聴出力し直しされず、その途中から可聴出力されるようになって」いるのに対して、
引用発明では、演出制御部400が装飾図柄変動演出の音響出力を開始したときに、装飾図柄変動演出の音響出力が行われているなかで「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」を出力する場合、装飾図柄変動演出の音響出力がどのようになるか不明である点。

[相違点2](特定事項K)
前記報知音出力手段が、所定報知音が可聴出力されているなかで特定報知音の出力条件が満たされた場合の、特定報知音を再生させるようになっている処理について、
本願発明は、「前記所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記所定報知音固有の所定メッセージ音がメッセージの途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にして、前記特定報知音を、その音データの最初から再生させるようになって」いるのに対して、
引用発明は、「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行い、優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低いエラーについて行」うものの、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」が出力されているなかで「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」を出力する際の処理が不明であり、また、「エラー音声及びサイレン音」が「最初から」出力されるのか不明である点。

[相違点3](特定事項M)
「前記特定報知音が可聴出力されているなかで前記所定報知音の出力条件が満たされた場合であって、且つ前記特定報知音の可聴出力開始後に前記所定報知音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後」の、「前記所定報知音固有の所定メッセージ音」の「可聴出力」について、
本願発明は、「所定報知音固有の所定メッセージ音が最初から可聴出力されるように、前記所定報知音を、その音データの最初から再生させるようになっており、可聴出力状態にある所定メッセージ音については、メッセージの途中の状況にあったとしても、当該所定報知音の終了条件が満たされた時点で該所定報知音にかかる可聴出力状態は終了されるようになって」いるのに対して、
引用発明は、「優先順位の高いエラーのエラー音声出力が終了した時点で、優先順位の低い」「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」を出力する際に、どのような態様で再生するのか不明であり、また、「エラー音声」が「最初から」出力されるのか不明である点。

[相違点4](特定事項P)
「前記管理者用操作手段に対する操作に基づいて音量の調整が行われ」た場合について、
本願発明は、「音量調整確認音が可聴出力されることはない」のに対して、
引用発明は、音量調整確認音を出力するのか不明である点。

第6 判断
以下、各相違点について、検討する。

ア 相違点1について
引用文献2に記載された技術事項の「演出制御用マイクロコンピュータ81」、「変動パターンに応じた演出音」、「異常報知音」、「演出音の音量をゼロにするように制御」すること、「異常報知が終了する」こと、「異常報知音を出力していた期間経過後の演出音から出力が再開され」ることは、それぞれ、本願発明の特定事項I及びJの「変動演出音出力手段」、「変動演出音」、「特定報知音」、「可聴出力状態にある前記変動演出音が途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にする」こと、「前記特定報知音の可聴出力開始後に前記変動演出音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了され」ること、「変動演出音が最初から可聴出力し直しされず、その途中から可聴出力される」ことに相当するので、引用文献2に記載された技術事項は、本願発明の特定事項I及びJに相当する構成を備えている。
そして、引用発明も引用文献2に記載された技術事項も、複数の異なる種類の音声の出力時期が同時期に重複した場合に、優先順位に基づいて出力する音声を選択する遊技機である点で、技術分野及び機能が共通することから、引用発明において、引用文献2に記載された技術事項を適用し、装飾図柄変動演出の音響出力が行われているなかで「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」を出力する場合、装飾図柄変動演出の音響出力の音量をゼロにし、「エラー音声及びサイレン音」の出力を終了した後で、装飾図柄変動演出の音響出力を途中から出力する機能を演出制御部400に具備させることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について
引用文献3に記載された技術事項の「優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合」の「所定の効果音(ビープ音)」、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)」の「所定の効果音(ビープ音)」は、それぞれ、本願発明の特定事項Kの「所定報知音」、「特定報知音」に相当する。また、引用文献3に記載された技術事項の「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合」、「優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行」うことは、それぞれ、本願発明の特定事項Kの「所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合」、「可聴出力状態にある前記所定報知音」「の途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にして、前記特定報知音を」「再生させる」ことに相当する。よって、引用文献3に記載された技術事項と本願発明の特定事項Kとは、「所定報知音が可聴出力されているなかで前記特定報知音の出力条件が満たされた場合、可聴出力状態にある前記所定報知音」「の途中の状況にあったとしてもこれを可聴出力されない状態にして、前記特定報知音を」「再生させるようになって」いる点で一致する。
そして、引用発明も引用文献3に記載された技術事項も、複数の異なる種類のエラー報知音の出力時期が同時期に重複した場合に、優先順位に基づいて出力する報知音を選択する遊技機である点で、技術分野及び機能が共通することから、引用発明において、引用文献3に記載された技術事項を適用し、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」の出力中に、「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」を出力する場合、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」を途中の状況であっても中断し、「エラー音声及びサイレン音」を出力することは、当業者が容易になし得たことである。また、その際、引用発明は(特定事項k,l,m)、「エラーが同時期に重複した場合、エラー音声の出力は、優先順位の高いエラーについて優先的に行」うのであるから、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「エラー音声」(優先順位の低いエラー)を中断させて出力される、「エラー音声及びサイレン音」(優先順位の高いエラー)は、その最初から出力されるものとなる。

ウ 相違点3について
上記第4 キで示したとおり、引用文献3には、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行」うこと、「複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理を行うようにして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい」ことが記載されている。そして、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合」は、「複数のエラーが同時に発生した場合」であるから、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合」に、「優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理を行うようにして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことが、引用文献3に記載された技術事項であるといえる。
そして、当該引用文献3に記載された技術事項の、「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことは、本願発明の特定事項Mの「特定報知音の可聴出力開始後に前記所定報知音の終了条件が満たされることなく前記特定報知音の終了条件が満たされて前記特定報知音の可聴出力状態が終了された後には」「前記所定報知音を」「再生させるようになっており」「途中の状況にあったとしても、当該所定報知音の終了条件が満たされた時点で該所定報知音にかかる可聴出力状態は終了される」ことに相当する。
また、引用発明は(特定事項k,l,m)、「発射報知演出では、音声による発射報知よりも前の段階で皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間となったときに、エラー音声の出力を停止し、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し、音声による発射報知期間に皿満タンエラーが生じた場合、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力せず、「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力」する機能を有しており、優先順位の高い音声の出力が終了した後に、優先順位の低いエラー音声を出力している。この優先順位の低いエラー音声を出力することに関し、「「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、再度、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力し」及び「「右アタッカーを狙え」の音声出力期間が終了したときに、皿満タンエラーが継続していれば、「玉を抜いてください」というエラー音声を出力」するとあることからして、「「玉を抜いてください」というエラー音声」は、その途中から再生されるのではなく、最初から再生されるものであり、優先順位の低いエラー音声を最初から出力している。
そして、引用発明も引用文献3に記載された技術事項も、複数の異なる種類のエラー報知音の出力時期が同時期に重複した場合に、優先順位に基づいて出力する報知音を選択する遊技機である点で、技術分野及び機能が共通することから、引用発明において、引用文献3に記載された技術事項を適用し、「異常入賞エラー2、異常入賞エラー1、磁石検知エラー、盤面異常エラー、大入賞口排出エラー及び排出エラーと判定された場合」に出力される「エラー音声及びサイレン音」の出力が終了した後に、「皿満タンエラーと判定された場合」に出力される「玉を抜いてください」という「エラー音声」を出力させること、「エラー音声」を、残った報知時間のみ報知することで終了条件が満たされるまで継続することは、当業者が容易になし得たことである。そして、その際、引用発明は、上述の通り、「「玉を抜いてください」というエラー音声」は、その途中から再生されるのではなく、最初から再生され、優先順位の低いエラー音声を最初から出力しており、上記引用発明に引用文献3に記載された技術事項を適用した際に、「玉を抜いてください」という「エラー音声」を、その最初から出力することも、当業者であれば容易に為し得た範囲内のことである。

エ 相違点4について
引用文献1には、H/Wボリュームスイッチを切り替え、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整された場合に、確認音を出力することは特段記載されておらず、引用発明において、H/Wボリュームスイッチを切り替え、演出キー38で設定した音量もそれに合わせて調整された場合に、確認音を出力しないような構成とすることは、引用文献1に触れた当業者が容易になし得たことである。

オ 効果について
本願発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2、3に記載された技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

カ 小括
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2、3に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第7 請求人の主張について

ア 審判請求人は、平成31年4月24日付け意見書において、次のとおり主張している。

(ア)「(2-2)
ここで、審判官殿は、引用文献3には「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことが記載されている旨のご認定をなされましたが、同文献3に記載されている当該事項(残った報知時間だけ行われるエラーの報知処理)とは、より正確には、「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生し、その後、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0267)」ときか、若しくは「複数のエラーが同時に発生した場合であって、且つ優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0268)」ときに行われる処理であります。」

(イ)「(2-3-3)
また、本願発明では、優先順位の高い特定報知音が出力されている状態において優先順位の低い所定報知音の出力条件が満たされた場合は、より重要度の高い態様での報知(警告)を既に行っている状況にあることから、この時点で、新たな報知音を出力させることはありません。ただし、既に出力状態にある特定報知音では、当該報知音固有の特定メッセージ音のほか、メッセージ音とは異なる特定警告音も出力されるようになっていることから、特定メッセージ音によって要求される内容だけではない、様々な改善要求を遊技者に対して行っている格好となり、優先順位の低い所定報知音についてもその機能を実質的に兼ねることが期待されます。換言すれば、優先順位の高い特定報知音が出力されている状態において優先順位の低い所定報知音の出力条件が満たされた場合は、該出力条件が満たされたタイミングから所定報知音これ自体が可聴出力されることはないものの、特定報知音の終了条件が満たされるまではこれよりも上位となる特定警告音でこれ(所定報知音)を代替させることが期待されます。

(2-3-4)
すなわち、本願発明とは、これらの構成を大前提とした上で「優先順位の高い特定報知音(特定メッセージ音,特定警告音)が出力されている途中で優先順位の低い所定報知音の出力条件が成立した場合については、優先順位の低い所定報知音を、優先順位の高い特定報知音(特定メッセージ音,特定警告音)の出力が終了したときに、その残り時間分だけ音データの頭から可聴出力する」ようにしたものであります。
このような構成によれば、優先順位の高い特定報知音(特定メッセージ音,特定警告音)の可聴出力状態が終わった時点で、残り時間が少なくなっていたとしても、所定報知音が、その音データの最初から再生されるようになっていることから、それまでは「特定警告音」で代替されていた報知内容が「所定報知音固有の所定メッセージ音」であったことを短い時間でも理解させることができるようになります。また、残り時間がなくなったときには、可聴出力状態にある所定メッセージ音がメッセージの途中の状況にあったとしても該所定報知音にかかる可聴出力状態は終了されるようになっていることから、該中途で出力中断される状況が現れたことによって、特定報知音が可聴出力されている状況にあったときから所定報知音の出力条件が既に満たされており、かなり前に発生した報知であること(もしかすると、解決済みのものかもしれないこと)を認識させることができる、といった優れた作用効果が奏されるようになります。」

(ウ)「(2-4)
この点、引用文献3には、上述の通り、「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生し、その後、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0267)」ときか、若しくは「複数のエラーが同時に発生した場合であって、且つ優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0268)」ときに、「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことが記載されているだけであり、本願補正後の請求項1にかかる発明(本願発明)の「優先度の高い方のエラーの報知処理が実行されている途中で優先度の低い方のエラーの報知処理条件が成立した場合に、優先度の低い方のエラーの報知処理を、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに、その残り時間分だけ音データの頭から可聴出力する」といった構成については何ら記載も示唆もされていないことが明らかであります。

(2-5)
事実、同文献3の段落0267には、審判官殿もご指摘の通り、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行い」といった記載があり、同文献3の段落0263には「所定期間(例えば30秒)」との記載があります。
すなわち、同文献3に記載されている「所定期間」を、「変動時間(残り時間)」にしたことが、本願発明の上述した作用効果((2-3-4)を参照)を得るための最も重要なポイントであるわけなのであるから、同文献3の段落0263,0267に記載されている内容こそが、当業者といえども、引用文献3に記載されている技術を、引用発明(引用文献1)に適用したところで本願発明(相違点3)を容易には想到し得ない何よりの根拠と言えると確信いたします。」

イ 上記審判請求人の主張については、以下のとおりである。
(ア)審判請求人は、引用文献3に記載された事項は、「「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生し、その後、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0267)」ときか、若しくは「複数のエラーが同時に発生した場合であって、且つ優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0268)」ときに行われる処理であります。」としている。
しかし、引用文献3の記載は、上記第4 カ(エ)で摘記したとおりである。すなわち、段落【0267】には、「優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合には、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行う」(以下、「前者」として参照する。)及び「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合には優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行う。そして、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を残時間のみ行うことになる」(以下、「後者」として参照する。)の2つの場合があることが記載されており、その記載に続いて、段落【0268】には、「なお、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにしてもよい。そして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい」ことが記載されている。このことからすると、段落【0268】の、「なお、複数のエラーが同時に発生した場合」とは、段落【0267】の、「優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合」(前者)、または、「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合」(後者)であり、その場合に、「優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにしてもよい。そして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい」としている。そうすると、「優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合」(前者)では、「優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を所定期間行う」ことに代えて、「優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにして」、「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うように」することになり、また、「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生した場合」(後者)では、「優先度の低いエラーの報知を中断して優先度の高いエラーの報知を行う。そして、優先度の高いエラーの報知期間終了後に優先度の低いエラーの報知を残時間のみ行う」ことに代えて、「優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにし」、「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うように」することになることが、引用文献3には記載されている。
さらに引用文献3の段落【0268】に記載された、「複数のエラーが同時に発生した場合」について検討を加える。段落【0255】には、「初期化処理が実行された場合には、初期化報知期間計測タイマがタイムアウトするまで、所定期間(例えば30秒)にわたって初期化報知画面が表示され、初期化処理が実行されたことが報知される」(下線は当審で付した。以下同じ。)と記載され、段落【0263】には「大入賞口への遊技球の異常入賞が検出された場合には、異常入賞報知期間計測タイマがタイムアウトするまで、所定期間(例えば30秒)にわたって所定の効果音が出力されるともに所定のランプが点滅され、異常入賞が発生したことが報知される」と記載され、また、段落【0263】には「優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合には」と記載されているから、優先度の高いエラーの報知期間も、優先度の低いエラーの報知期間も、共に同じ長さの所定期間(例えば30秒)であるといえる。そして、段落【0268】には「なお、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理も行うようにしてもよい。そして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行うようにしてもよい」と記載されている。上記「複数のエラーが同時に発生した場合」が、優先度の高いエラーと優先度の低いエラーが、全く同じタイミング(同時)に発生した場合に対応するとすると、優先度の高いエラーと優先度の低いエラーの報知期間は、共に同じ長さの所定期間(例えば30秒)であるから、「優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているとき」が生じることはなく、「残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことは生じない。これらのことからしても、段落【0268】に記載された、「複数のエラーが同時に発生した場合」は、段落【0267】に記載された、「優先度の高いエラーの報知中(例えば、初期化報知中)に優先度の低いエラー(例えば、異常入賞)が発生した場合」のような、エラー報知中に別のエラーが発生した場合を意味することは明らかである。
そして、上記第6 ウで示した、「優先度の高いエラーの報知中(初期化報知中)に優先度の低いエラー(異常入賞)が発生した場合」に、「優先度の高い方のエラーの報知処理を実行中に優先度の低い方のエラーの報知計測タイマの減算処理を行うようにして、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っているときのみ、残った報知時間のみ優先度の低い方のエラーの報知処理を行う」ことは、上記した前者の場合であり、このことが引用文献3に記載された技術事項であるとしたことに誤りは無い。
さらに、審判請求人の主張するような、引用文献3に記載されている事項が「「優先度の低いエラーの報知中に優先度の高いエラーが発生し、その後、優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0267)」ときか、若しくは「複数のエラーが同時に発生した場合であって、且つ優先度の高い方のエラーの報知処理が終了したときに優先度の低い方のエラーの報知時間が残っている(同文献3の段落0268)」とき」と限定して解釈すべき理由はなく、審判請求人の主張を採用することはできない。

(イ)審判請求人は、本願発明の構成に基づいて作用効果についての主張をしているが、上記第6 ウで示したように、引用発明に引用文献3に記載された技術事項を適用することで、上記相違点3に係る本願発明の構成は想到しうるものであり、当該構成に基づく作用効果も、上記第6 オで示したように、格別顕著なものということはできない。

(ウ)これらの審判請求人の主張についても上述の通りであり、その主張を採用することはできない。

ウ したがって、平成31年4月24日付け意見書における審判請求人の主張は、いずれも理由がない。

第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-07-19 
結審通知日 2019-07-22 
審決日 2019-08-02 
出願番号 特願2017-55183(P2017-55183)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柴田 和雄  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 木村 隆一
田邉 英治
発明の名称 遊技機  
代理人 小原 崇広  

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