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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B60W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60W
管理番号 1355640
審判番号 不服2018-8311  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-18 
確定日 2019-10-01 
事件の表示 特願2016-80967「自動化されたヒッチアシストシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月8日出願公開、特開2016-203972〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)4月14日(パリ条約による優先権主張2015年(平成27年)4月14日(US)アメリカ合衆国、2016年(平成28年)4月11日(US)アメリカ合衆国)の出願であって、平成28年4月14日に国内書面が提出され、同年6月9日に明細書及び特許請求の範囲の翻訳文が提出され、平成29年3月27日付けで拒絶の理由が通知され、その指定期間内の同年9月1日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成30年2月9日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年2月19日)、これに対し、同年6月18日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に、特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出されたものである。

第2 平成30年6月18日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成30年6月18日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は、特許請求の範囲に関して、本件補正により補正される前の(すなわち、平成29年9月1日に提出された手続補正書による)下記の(1)の記載を下記の(2)の記載に補正するものである(下線は補正箇所を示す。)。

(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし10

「【請求項1】
車両をコントロールする方法であって、当該方法は、
入力装置によってトレーラーヒッチアシストシステムを起動すること、
前記車両に取り付けられている少なくとも1つのセンサによって、車両の近くにあるトレーラーを検出すること、
車両ヒッチボールの位置を特定すること、
ヒッチアシストシステム用のコントローラによってトレーラーヒッチの位置を特定すること、
最初の位置から、前記車両ヒッチボールが前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされる最終的な位置までの車両経路を前記コントローラによって計算すること、
前記車両を前記最終的な位置まで前記経路に沿って動かすために必要な、操舵および制動操作を前記コントローラによって計算すること、および、
前記計算された各操作を実行するために、命令を、前記コントローラから車両操舵システムおよび車両制動システムに送ること、
を含んでおり、
前記少なくとも1つのセンサはカメラであって、
前記カメラまたは前記車両用の他のセンサによって、前記車両経路の近くにある対象物を検出すること、および、
衝突回避行動を実行するために、前記コントローラから命令を送信することをさらに含んでおり、
少なくとも1つの前記衝突回避行動は、
自動ブレーキシステムによって前記車両にブレーキをかけること、または、
検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、
であり、
前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、
車両をコントロールするための方法。
【請求項2】
車両ヒッチボールの位置を特定することは、さらに、ポジションマーキング装置によって前記コントローラに入力をすること、または、画像に基づいて前記コントローラによって画像解析を実行すること、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記入力装置は、独立したワイヤレス装置である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラが、前記車両が前記車両経路の最初の位置から最終的な位置までの中間位置にいることを特定したときに、前記制動システムに、前記車両を止めるように命令すること、
操作者入力によって、前記ヒッチボールと前記トレーラーヒッチとの間の相対的な高さを検証すること、および、
前記最終的な位置までの、計算された前記操作の実行を継続するように、前記操舵システムおよび制動システムに命令を送ること、
をさらに含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
調整可能なサスペンションシステムによって、前記ヒッチボールの高さを調整することをさらに含んでいる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
車両用のヒッチアシストシステムであって、
車両の後退走行経路を見るために取り付けられたカメラと、
前記ヒッチアシストシステムのための、接続された入力装置と、
コントローラとを有しており、
当該コントローラは、
前記カメラによって、車両の近くにあるトレーラーを検出すること、
車両ヒッチボールの位置を特定すること、
トレーラーヒッチの位置を特定すること、
最初の位置から、前記車両ヒッチボールが前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされる最終的な位置までの車両経路を計算すること、
前記車両を前記経路に沿って、前記最終的な位置まで動かすのに必要な、操舵および制動操作を計算すること、および、
前記計算された各操作を実行するために、車両操舵システムおよび車両制動システムへ命令を送信することのための命令を含んでおり、
前記コントローラは、さらに、
前記カメラまたは前記車両用の他のセンサによって、前記車両経路の近くにある対象物を検出することのための命令、および、
衝突回避行動を実行するために、前記コントローラから命令を送信することのための命令をさらに含んでおり、
前記コントローラは、さらに、少なくとも1つの衝突回避行動を決定するための命令を含んでおり、当衝突回避行動は、
自動ブレーキシステムによって前記車両にブレーキをかけること、または、
検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、新たな前記操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、
であり、
前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、
ことを特徴とする、車両用のヒッチアシストシステム。
【請求項7】
前記車両ヒッチボールの位置を前記コントローラに入力するポジションマーキング装置をさらに含んでいる、請求項6記載のヒッチアシストシステム。
【請求項8】
前記入力装置は、独立したワイヤレス装置である、請求項6記載のヒッチアシストシステム。
【請求項9】
前記コントローラはさらに、
車両が前記車両経路の最初の位置から最終的な位置までの中間位置にいるときに、前記制動システムに、前記車両を止めるように命令すること、
操作者入力によって、前記ヒッチボールと前記トレーラーヒッチとの間の相対的な高さを検証すること、および、
前記最終的な位置までの、計算された前記操作の実行を継続するように、前記操舵システムおよび制動システムに命令を送ることのための命令をさらに含んでいる、請求項6記載のヒッチアシストシステム。
【請求項10】
さらに、前記ヒッチボールの高さを調整するエアサスペンションシステムを含んでいる、請求項9記載のヒッチアシストシステム。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8

「【請求項1】
車両をコントロールする方法であって、当該方法は、
入力装置によってトレーラーヒッチアシストシステムを起動すること、
前記車両に取り付けられている少なくとも1つのセンサによって、車両の近くにあるトレーラーを検出すること、
車両ヒッチボールの位置を特定すること、
ヒッチアシストシステム用のコントローラによってトレーラーヒッチの位置を特定すること、
最初の位置から最終的な位置までの車両経路を前記コントローラによって計算すること、
前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、但しこの際、当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ、
前記車両を前記最終的な位置まで前記経路に沿って動かすために必要な、操舵および制動操作を前記コントローラによって計算すること、および、
前記計算された各操作を実行するために、命令を、前記コントローラから車両操舵システムおよび車両制動システムに送ること、
を含んでおり、
前記少なくとも1つのセンサはカメラであって、
前記カメラまたは前記車両用の他のセンサによって、前記車両経路の近くにある対象物を検出すること、および、
衝突回避行動を実行するために、前記コントローラから命令を送信することをさらに含んでおり、
少なくとも1つの前記衝突回避行動は、
前記車両制動システムによって前記車両に制動をかけること、または、
検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、
であり、
前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、
車両をコントロールするための方法。
【請求項2】
車両ヒッチボールの位置を特定することは、さらに、ポジションマーキング装置によって前記コントローラに入力をすること、または、画像に基づいて前記コントローラによって画像解析を実行すること、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記入力装置は、独立したワイヤレス装置である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラが、前記車両が前記車両経路の最初の位置から最終的な位置までの中間位置にいることを特定したときに、前記車両制動システムに、前記車両を止めるように命令すること、
操作者入力によって、前記車両ヒッチボールと前記トレーラーヒッチとの間の相対的な高さを検証すること、および、
前記最終的な位置までの、計算された前記操作の実行を継続するように、前記操舵システムおよび車両制動システムに命令を送ること、
をさらに含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
車両用のヒッチアシストシステムであって、
車両の後退走行経路を見るために取り付けられたカメラと、
前記ヒッチアシストシステムのための、接続された入力装置と、
コントローラとを有しており、
当該コントローラは、
前記カメラによって、車両の近くにあるトレーラーを検出すること、
車両ヒッチボールの位置を特定すること、
トレーラーヒッチの位置を特定すること、
最初の位置から、前記車両ヒッチボールが前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされる最終的な位置までの車両経路を計算すること、
前記車両が前記最初の位置から前記最終的な位置までの中間位置にいるときに、車両制動システムに、前記車両を止めるように命令すること、
操作者入力によって、前記中間位置において、前記車両ヒッチボールと前記トレーラーヒッチとの間の相対的な高さを検証すること、
前記車両を前記経路に沿って、前記最終的な位置まで動かすのに必要な、操舵および制動操作を計算すること、および、
前記計算された各操作を実行するために、車両操舵システムおよび前記車両制動システムへ命令を送信することのための命令を含んでおり、
前記コントローラは、さらに、
前記カメラまたは前記車両用の他のセンサによって、前記車両経路の近くにある対象物を検出することのための命令、および、
衝突回避行動を実行するために、前記コントローラから命令を送信することのための命令をさらに含んでおり、
前記コントローラは、さらに、少なくとも1つの衝突回避行動を決定するための命令を含んでおり、当衝突回避行動は、
前記車両制動システムによって前記車両に制動をかけること、または、
検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、新たな前記操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、
であり、
前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算し、
前記ヒッチアシストシステムは、前記中間位置において、前記検証された相対的な高さに基づいて、前記車両ヒッチボールの高さを調整するエアサスペンションシステムを含んでいる、
ことを特徴とする、車両用のヒッチアシストシステム。
【請求項6】
前記車両ヒッチボールの位置を前記コントローラに入力するポジションマーキング装置をさらに含んでいる、請求項5記載のヒッチアシストシステム。
【請求項7】
前記入力装置は、独立したワイヤレス装置である、請求項5記載のヒッチアシストシステム。
【請求項8】
前記コントローラはさらに、
前記最終的な位置までの、計算された前記操作の実行を継続するように、前記操舵システムおよび前記車両制動システムに命令を送ることのための命令をさらに含んでいる、請求項5記載のヒッチアシストシステム。」

2 本件補正の適否
本件補正は、請求項1についてみると、本件補正前の請求項1に記載した発明における「車両をコントロールする方法」という発明特定事項について、「前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、但しこの際、当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ、」という事項を追加して限定することにより特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、特許請求の範囲の請求項1についての本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の発明特定事項を限定するものを含み、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

3 独立特許要件
(1)本願補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった英国特許出願公開第2513393号公報(以下「引用文献」という。)には、図面とともに次の記載がある(なお、記載事項について、当審で作成した仮訳を示す。)。

(ア)「The present invention relates to a system for aligning a tow hitch with a trailer coupling; a processor; a method; and a vehicle.」(第1ページ第4行ないし第5行)
(当審仮訳)「本発明は、牽引ヒッチをトレーラー連結器に位置合わせするためのシステムと、プロセッサと、方法および車両に関する。」

(イ)「Alternatively, the vehicle speed could be controlled automatically. For example the processor could be configured to output vehicle throttle control signals and/or brake control signals.」(第5ページ第11行ないし第13行)
(当審仮訳)「あるいは、車両速度を自動的に制御することができる。例えば、プロセッサは、車両スロットル制御信号、及び/又は、ブレーキ制御信号を出力するように構成することができる。」

(ウ)「The processor can be configured to calculate the required path to align the tow hitch with the trailer coupling. Based on known vehicle parameters (for example the vehicle length and width), the processor can then calculate the ‘route corridor’ required to manoeuvre the vehicle into position relative to the trailer. The imaging system can then identify obstacles proximal to the vehicle and/or the trailer, for example static obstacles (such as parked vehicles, buildings and walls). As the vehicle is manoeuvred relative to the trailer, the imaging system continues to monitor for obstacles proximal to the vehicle and/or the trailer, for example moving obstacles (such as pedestrians, vehicles, etc.).
The processor can be configured to generate a steering guidance signal for steering the vehicle at least substantially to align the tow hitch with the trailer coupling. The steering guidance signal can be adapted to avoid any obstructions identified by said processor. The processor can generate the steering guidance signal dynamically (for example based on a guidance algorithm); or could select a predefined steering guidance signal based on the available space to manoeuvre the vehicle, as determined by the processor. The steering guidance signal can be configured to implement a multi-movement strategy, for example comprising a series of reverse/forward movements.」(第7ページ第7ないし第24行)
(当審仮訳)「プロセッサは、牽引ヒッチとトレーラー連結器とを位置合わせするのに必要な経路を計算するように構成することができる。公知の車両パラメータ(例えば、車両の長さおよび幅)に基づいて、プロセッサは、次に、車両をトレーラーに対し所定位置に移動するために必要な’経路の回廊’を計算することができる。撮像システムは、次に、車両および/またはトレーラーに近接する障害物、例えば静的な障害物(駐車車両、建物や壁のような)を識別することができる。車両が、トレーラーに対して機動されるように、撮像システムは、車両および/またはトレーラーに近接する障害物、例えば移動している障害物(歩行者、車両等)を監視し続ける。
プロセッサは、少なくとも実質的に、牽引ヒッチとトレーラー連結器とを位置合わせするための車両の操舵案内信号を生成するように構成することができる。操舵案内信号は、前記プロセッサによって識別された障害物を回避するように適用することもできる。プロセッサは操舵案内信号を動的に(例えば、案内アルゴリズムに基づいて)生成可能であるか、又は車両を機動するために利用可能な空間に基づいて予め定められた操舵案内信号を選択することができる。操舵案内信号は、例えば、後進/前進の動きの連続からなる複数の移動戦略を実施するように構成することができる。」

(エ)「A hitch assistance system 1 in accordance with an aspect of the present invention will now be described with reference to FIGS. 1 to 4. The hitch assistance system 1 is implemented in a motor vehicle 3 to facilitate coupling a vehicle tow hitch 5 disposed at the rear of the vehicle 3 to a trailer coupling 7 mounted to a trailer 9. The vehicle 3 has four wheels W1-4 mounted on an adjustable height air suspension (not shown). The front wheels W1, W2 of the vehicle 3 are steerable in conventional manner.
A plan view of the vehicle 3 and the trailer 9 are shown in FIG. 1. The vehicle 3 is provided with an imaging system comprising a centrally mounted rear camera 11; and left and right side cameras 13, 15 mounted in respective wing mirrors 17, 19. The cameras 11, 13, 15 are optical cameras arranged to face to the rear of the vehicle 3 and their fields of view V1, V2, V3 are illustrated by dashed triangles in FIG. 1. In addition, the vehicle 3 comprises an obstruction detection system 21 for detecting the presence of obstructions in the rear three quarters position of the vehicle 3. In the present embodiment, the obstruction detection system 21 comprises left and right radar systems 23, 25.
The trailer coupling 7 is an upwardly projecting tow ball but the present invention can be applied to other coupling arrangements, such as vertical pins and the like. The trailer coupling 7 is mounted to a hitch frame 27 disposed at the front of the trailer 9. In the present embodiment, the hitch frame 27 is an A-frame having a front apex 29 to which the trailer coupling 7 is mounted. A target 31 is mounted to a front face 33 of the trailer 9 to define a first feature set (denoted generally by the reference 35) to facilitate identification of the trailer 9 and to determine its position relative to the vehicle 3. In the present embodiment, the target 31 is a visible image comprising three circles arranged in a triangular formation. It will be appreciated that the present invention can be implemented with other targets 31, for example different symbols/images or non-visible targets.
The hitch assistance system 1 comprises an electronic control unit (ECU) having an electronic processor 37. The processor 37 comprises image processing means in the form of an image processing module 37A for analysing the image data. The cameras 11, 13, 15 each output image data to the image processing module 37A for analysis.
In a first operating mode, the image processing module 37A identifies the first feature set 35 within the image data to determine the position and orientation of the target 31 in relation to the vehicle 3. The processor 37 can thereby determine the relative position of the trailer 9 to the vehicle 3. The image processing module 37A is configured to operate in said first operating mode when the distance between the vehicle 3 and the trailer 9 is greater than a predefined threshold. The predefined threshold is 5 metres, but this can be increased or decreased depending on system parameters.
In a second operating mode, the image processing module 37A analyses the image data to identify a second feature set 39 associated with the trailer 9. In the present embodiment, the second feature set 39 is defined by the configuration of the hitch frame 27 disposed at the front of the trailer 9. In particular, the image processing module 37A is configured to identify the position and orientation of the A-frame to which the trailer coupling 7 is mounted. The image processing module 37A is configured to operate in said second operating mode when the distance between the vehicle 3 and the trailer 9 is less than the predefined threshold of 5 metres. In an alternate arrangement, the image processing module 37A could be configured to identify both said first feature set 35 and said second feature 39 in said second operating mode.」(第9ページ第9行ないし第10ページ第21行)
(当審仮訳)「本発明の一態様に従って、ヒッチアシスタンスシステム1が、図1ないし図4を参照して説明される。
ヒッチアシスタンスシステム1は、自動車3において、車両3の後方に配置された車両牽引ヒッチ5を、トレーラー9に取り付けられたトレーラー連結器7に連結することを容易にする。車両3は、高さ調節可能なエアサスペンション(図示せず)が取り付けられた4つの車輪W1ないし4を有している。車両3の前輪W1、W2は、従来の方法で操舵することができる。
図1には、車両3及びトレーラー9の平面図が示されている。車両3には、中央に取り付けられたリアカメラ11と、それぞれのサイドミラー17、19に取り付けられた左右のサイドカメラ13、15からなる撮像システムが提供される。カメラ11、13、15は、車両3の後方に向けて配置された光学カメラであり、それらの視野V1、V2、V3は図1における破線の三角形によって描かれている。加えて、車両3は、車両3の斜め後ろの位置における障害物の存在を検出するための障害物検出装置21を含む。本実施形態では、障害物検出装置21は、左および右のレーダシステム23、25を含む。
トレーラー連結器7は、牽引ボールの上方に突出するが、本発明は他の連結配置にも適用され、垂直ピンのようなものを使用することができる。ヒッチフレーム27に装着されているトレーラー連結器7は、トレーラー9の前側に配置されている。本実施形態では、ヒッチフレーム27は、トレーラー連結器7に設けられた、前頂点29を有するA形状フレームである。ターゲット31は、トレーラー9の前面33に取り付けられて、トレーラー9の識別を容易にし、また、車両3に対する相対的な位置を決定するために、第1の特徴セット(全体が参照番号35で示される)を画成する。本実施例では、ターゲット31は、三角形状に配列された3個の円からなる可視画像である。本発明は、他のターゲット31、例えば、異なるシンボル/画像又は非可視ターゲットで実現され得ることが理解されるであろう。
ヒッチアシスタンスシステム1は、電子プロセッサ37を有する電子制御ユニット(ECU)からなる。プロセッサ37は、画像データを解析する画像処理部37Aの形態の画像処理手段からなる。カメラ11、13、15は、それぞれ解析のために画像データを画像処理部37Aに出力する。
第1の動作モードでは、画像処理部37Aは、車両3に対するターゲット31の位置および向きを決定するために、画像データ内の第1の特徴セット35を識別する。プロセッサ37は、それによって、車両3とトレーラー9との相対的位置を決定することができる。画像処理部37Aは、車両3とトレーラー9との間の距離が予め決められた閾値よりも大きいときに、前記第1の動作モードで動作するように構成されている。予め決められた閾値は、5メートルであるが、これは、システムパラメータに応じて増減することができる。
第2の動作モードでは、画像処理部37Aは、トレーラー9に関連付けられた第2の機能セット39を識別するために、画像データを解析する。本実施形態では、第2の機能セット39は、トレーラー9の前方に配置されたヒッチフレーム27の形態によって画定されている。特に、画像処理部37Aは、トレーラー連結器7が取り付けられているA形状フレームの位置と方向を識別するように構成される。画像処理部37Aは、車両3とトレーラー9との間の距離が5メートルの予め決められた閾値より小さいときに、前記第2の動作モードで動作するように構成されている。別の構成では、画像処理部37Aは、前記第2の動作モードにおいて前記第1の特徴セット35および前記第2の特徴39の両方を識別するように構成することができる。」

(オ)「In addition to identifying the first and second feature set 35, 39, the image processing module 37A can be configured to identify obstructions within the field of view of the rear camera 11 and/or the side cameras 13, 15. The obstructions can be fixed or stationary obstructions, such as a building or a parked vehicle; and/or the obstructions can be moving, for example a pedestrian or a moving vehicle. The image processing module 37A can output obstruction data identifying the location and size of any identified obstructions. The image processing module 37A can, for example, operate to detect obstructions in the image data from the side cameras 13, 15 at the same time as identifying the first feature set 35 and/or the second each set 39 in image data from the rear camera 11. The image processing module 37A could utilise data from other sensors on board the vehicle 3, such as the radar systems 23, 25 and/or a forward-facing camera (not shown), to identify obstructions proximal the vehicle 3. The image processing module 37A can optionally also be configured to identify obstructions proximal to the trailer 9.
The processor 37 further comprises vehicle guidance means in the form of a vehicle guidance module 37B for calculating a steering angle for the front wheels W1, W2 to position the vehicle 3 in relation to the trailer 9 to enable the tow hitch 5 to be connected to the trailer coupling 7. In particular, the vehicle guidance module 37B is configured to position the vehicle 3 such that a hitch angle α, defined as the angular offset between a first longitudinal axis X1 of the vehicle 3 and a second longitudinal axis X2 of the trailer 9, is within a predefined range or is substantially 0°. The image processing module 37A can determine the second longitudinal axis X2 with reference to said first feature set and/or said second feature set.
If the image processing module 37A identifies one or more obstructions proximal to the trailer 9, the vehicle guidance module 37B can be configured to align the vehicle 3 with the trailer 9 such that the resulting hitch angle α facilitates towing of the trailer 9 whilst avoiding said one or more obstructions. The vehicle guidance module 37B could be configured to reduce the hitch angle α and/or to select a positive or negative hitch angle α to control the initial towing path of the trailer 9. The hitch angle α could be selected to enable the trailer to be towed away in a single forward movement, for example to remove the need to reverse the trailer 9. In certain instances this control technique may increase the path followed by the vehicle 3 during alignment with the trailer 9, but would facilitate towing of the trailer 9. The hitch assistance system 1 could be configured to receive user inputs to identify said one or more obstructions. This could be used instead of or in addition to identification of said one or more obstructions by the image processing module 37A.
In the event that the desired relative positioning cannot be achieved in a single uninterrupted movement (for example a single reversing movement), the vehicle guidance module 37B can be configured to calculate a sequence of movements (for example comprising forward/reverse travel; and/or different steering angles) to position the vehicle 3 relative to the trailer 9. The vehicle guidance module 37B outputs vehicle guidance signals including a steering angle control signal and/or a forward/reverse travel signal.」(第11ページ第16行ないし第12ページ第22行)
(当審仮訳)「第1及び第2の特徴セット35、39を識別することに加えて、画像処理部37Aは、リアカメラ11及び/又はカメラ13、15の視野内の障害物を識別するように構成することができる。障害物は、建物または駐車した自動車などのような固定又は静止障害物であり、および/または、例えば歩行者又は移動車両のような可動の障害物であり得る。画像処理部37Aは、識別された任意の障害物の位置及び大きさを特定するための障害物データを出力することができる。画像処理部37Aは、例えば、リアカメラ11からの画像データにおける第1の特徴セット35及び/又は第2の各セット39を識別すると同時に、側方カメラ13、15からの画像データにおける障害物を検出するように動作することができる。画像処理部37Aは、車両3に近接する障害物を特定するためにレーダシステム23、25および/または前方に向いたカメラ(図示せず)のような他のセンサからのデータを使用することができる。画像処理部37Aは、任意に、トレーラー9に近接する障害物を識別するように構成することができる。
プロセッサ37は、さらに、トレーラー連結器7に牽引ヒッチ5を接続することを可能にする車両3とトレーラー9との相対位置への前輪W1、W2の舵角を算出する車両案内部37Bの形態の車両案内手段を備えている。特に、車両案内部37Bは、車両3の第1の縦軸線X1とトレーラー9の第2の長手方向軸X2との間の角度として定義されるヒッチ角αが、予め決めた範囲または実質的に0度になるように車両3を位置するよう構成される。画像処理部37Aは、前記第1の特徴セットおよび/または前記第2の特徴セットを参照して、第2の長手方向軸X2を決定することができる。
画像処理部37Aが、トレーラー9に近接する1つまたは複数の障害物を識別する場合には、車両案内部37Bは、1つまたは複数の障害物を回避しながら、トレーラー9の牽引を容易にするように、トレーラー9に対する車両3のヒッチ角αを算出するように構成されてもよい。車両案内部37Bは、トレーラー9の初期牽引経路を制御するために、ヒッチ角度αを減少させる、および/または、正または負のヒッチ角αを選択するように構成することができる。ヒッチ角αは、例えば、トレーラー9を後進させる必要性を除去することができるように単一の前進運動でトレーラーを牽引できるように選択される。場合によっては、この制御技術は、トレーラー9に位置合わせする間の車両3により追跡される経路が増加するかもしれないが、トレーラー9の牽引を容易にする。ヒッチアシスタンスシステム1は、1つまたは複数の障害物を識別するために、ユーザ入力を受信するように構成することができる。これは、前記画像処理部37Aの代わりに、または前記の1つ以上の障害の識別に加えて使用することができる。
所望の相対的な位置決めが、単一の途切れのない動き(例えば単一の後進移動)において達成することができない場合、車両案内部37Bは、トレーラー9に対して車両3を位置決めするために、一連の運動(前進/後退および/または異なる舵角を含む)を計算するように構成することができる。
車両案内部37Bは、舵角制御信号及び/又は前後進信号を含む車両案内信号を出力する。」

(カ)「The steering angle control signal is output to an electronic power assisted steering (EPAS) module 41 to control the angle of a steering wheel 43 to provide a required steering angle β for the front wheels W1, W2. The EPAS module 41 automatically adjusts the angular position of the steering wheel 43 to provide the appropriate steering angle β at the front wheels W1, W2 to guide the vehicle 3 into position relative to the trailer 9.
The steering angle control signal is also output to a human machine interface (HMI) module 45. The HMI module 45 is coupled to a display screen 47 which displays a video image 49 from the rear camera 11 (or a composite image derived from the image data for each of the cameras 11, 13, 15). The HMI module 45 is configured to overlay predicted vehicle movement information onto the video image 49 to show the route to be followed by the vehicle 3 based on the current steering angle. As shown in FIG. 3A, the HMI module 45 displays a first pair of parallel lines A representing the path to be followed by the wheels W1-4 based on the current steering angle; and a second pair of parallel lines B representing the path to be followed by the wheels of the trailer 9. The HMI module 45 could be configured to display vehicle trajectory lines from the vehicle 3 to the trailer 9 to facilitate visualisation of the actual trajectory that the vehicle 3 will follow. The HMI module 45 can be switched to an alternate view in which the position of the tow hitch 5 is represented by a circular indicia C in the appropriate location on the display screen 47. As shown in FIG. 3B, a third line D is overlaid on the video image to represent the path that the tow hitch 5 will follow based on the current steering angle.
The electronic control unit (ECU) further comprises an obstruction avoidance module 37C configured to determine whether any obstructions identified by the image processing module 37A are in the path of the vehicle 3. The obstruction avoidance module 37C is in communication with the image processing module 37A to receive obstruction data, for example indicating the size and position of the detected obstructions. The obstruction avoidance module 37C utilises this obstruction data together with vehicle operating parameters, such as steering angle and direction of travel, to determine whether the identified obstructions are in the path of the vehicle 3. The obstruction avoidance module 37C can also be adapted to determine whether there is sufficient space available to manoeuvre the vehicle 3 to provide the required alignment with the trailer 9.」(第12ページ第26行ないし第13ページ第20行)
(当審仮訳)「前輪W1、W2の必要な舵角βを提供する舵角制御信号が、車輪43の角度を制御するために、電子パワーアシストステアリング(EPAS)モジュール41に出力される。EPASモジュール41は、車両3をトレーラー9に関連する位置に案内するように、ステアリングホイール43の角度位置が、前輪W1、W2において、適切な舵角βを提供するように自動的に調整する。
操舵角制御信号はまた、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)モジュール45に出力される。HMIモジュール45は、リアカメラ11からのビデオ画像49(またはカメラ11、13、15の各々の画像データから派生される複合画像)を表示する表示画面47と結合される。HMIモジュール45は、現在の操舵角に基づいて車両3が辿る経路を示すために、ビデオ画像49上に予測された車両移動情報を重ねる。図3Aに示すように、HMIモジュール45は、現在の舵角に基づき車輪W1ないし4が辿る経路として表される第1の平行な一対のラインAを表示する。そして、トレーラー9の車輪が辿る経路として表される第2の平行な一対のラインBを表示する。HMIモジュール45は、車両3が辿るであろう実際の軌跡を視覚化することを容易にするために、車両3からトレーラー9への車両軌跡線を表示する。HMIモジュール45は、表示画面47上の適当な位置で、丸印Cで表される牽引ヒッチ5の位置からの別のビューに切り替えることができる。図3Bに示すように、現在の舵角に基づいて牽引ヒッチ5が辿るであろう経路を表すために、第3の線Dがビデオ画像上に重ねられる。
電子制御装置(ECU)は、画像処理部37Aによって識別された任意の障害物が、車両3の経路内にあるかどうかを決定するように構成される。障害物回避部37Cは、検出された障害物の例えば大きさおよび位置を示す障害物データを受け取るために、画像処理部37Aと通信する。障害物回避部37Cは、走行方向や舵角のような車両動作パラメータを利用して、識別された障害物が、自車両3の進路にあるかどうかを判定するように構成される。障害物回避部37Cは、トレーラー9との必要な位置合わせを提供するために、車両3を機動する利用可能な十分なスペースがあるかどうかを決定するように適用することもできる。」

(キ)「The processor 37 also comprises a height detection module 37D which analyses the image data from the rear camera 11 to determine the height of the trailer coupling 7.」(第13ページ第29行ないし第31行)
(当審仮訳)「プロセッサ37は、カメラ11からの画像データを解析して、トレーラー連結器7の高さを決定する高さ検出部37Dからなる。」

(ク)「The operation of the hitch assistance system 1 will now be described with reference to the flow chart 100 shown in FIG. 5. The hitch assistance system 1 is activated when the vehicle 3 is positioned in front of the trailer 9, for example by a user selecting an on-screen option via the HMI module 45. Once activated, the hitch assistance system 1 performs a check to determine if the trailer target 31 is visible (STEP 105). If the trailer target 31 is not visible (i.e. the image processing module 37A cannot identify the target 31 in the image data from the cameras 11, 13, 15), a user notification is output to advise that the hitching manoeuvre cannot be completed safely as the hitch angle α is greater than a jack-knife angle (STEP 110). (The jack-knife angle is the angle at which the trailer 9 will jack-knife and can be calculated using known algorithms.) If the trailer target 31 is visible (i.e. the image processing module 37A identifies the target 31 in the image data from the cameras 11, 13, 15), a setup screen is displayed by the HMI module 45 on the display screen 47 (STEP 115).
The hitch assistance system 1 then operates to detect said first and second feature sets 35, 39 (STEP 120). The distance between the vehicle 3 and the trailer 9 is determined by measuring the distance between the centres of the circles in the target 31. When the distance between the vehicle 3 and the trailer 9 is greater than 5 metres, the image processing module 37A analyses the image data from the cameras 11, 13, 15 to identify the first feature set 35. The image processing module 37A can thereby determine the position and orientation of the trailer 9 in relation to the vehicle 3. The image processing module 37A also analyses the image data from the side cameras 13, 15 to detect surrounding obstructions, for example on either side of the vehicle 3 or the trailer 9.」(第13ページ第33行ないし第14ページ第17行)
(当審仮訳)「ヒッチアシスタンスシステム1の動作が、図5に示されるフローチャート100を参照して説明される。ヒッチアシスタンスシステム1は、車両3がトレーラー9の前に位置しているときに、例えば、ユーザがHMIモジュール45を介して画面上のオプションを選択することによって起動される。起動されると、ヒッチアシスタンスシステム1は、トレーラーターゲット31が見えるかどうかを判定する(STEP 105)ためにチェックを実行する。もしトレーラーターゲット31が見えない(すなわち、画像処理部37Aが、カメラ11、13、15からの画像データにターゲット31を認識することができない)ならば、ヒッチ角度αがジャックナイフ角よりも大きいため、ヒッチングの機動を安全に完了することができないことを知らせるために、ユーザ通知が出力される(STEP 110)。(ジャックナイフ角度は、知られているアルゴリズムを用いて計算することができる)。もしターゲット31が見える(すなわち画像処理部37Aが、カメラ11、13、15からの画像データにおいてターゲット31を特定した場合)ならば、セットアップ画面がHMIモジュール45によって表示画面47に表示される(STEP 115)。
ヒッチアシスタンスシステム1は、次に、前記第1及び第2の特徴セット35、39を検出するように動作する(STEP 120)。車両3とトレーラー9との間の距離は、ターゲット31において、円の中心間の距離を測定することによって決定される。車両3とトレーラー9との間の距離は5mより大きい場合、画像処理部37Aは、第1の特徴セット35を識別するために、カメラ11、13、15からの画像データを解析する。したがって、画像処理部37Aは、車両3に対するトレーラー9の位置および向きを決定することができる。画像処理部37Aは、車両3またはトレーラー9のいずれかの側の周囲の障害物を検出するためのサイドカメラ13、15からの画像データを解析する。」

(ケ)「If there is sufficient space available to position the vehicle 3 such that the hitch angle α is less than the jack-knife angle; or if the hitch angle α is already less than the predefined jack-knife angle, the vehicle guidance module 37B outputs a steering angle control signal to the EPAS module 41 to guide the vehicle 3 towards the trailer 9 within the available space while considering the surrounding conditions (STEP 135). The driver is responsible for controlling the vehicle speed by operating the vehicle throttle (via a conventional accelerator pedal) as the vehicle is positioned relative to the trailer 9.
The obstruction avoidance module 37C performs an on-going check to determine whether any obstructions detected by the image processing module 37A are in the path of the vehicle 3 (STEP 140). If an obstruction is detected in the path of the vehicle 3, the image processing module 37A analyses the image data from the side cameras 13, 15 to determine if there is sufficient space available around the vehicle 3 to safely complete the hitching manoeuvre (STEP 130). If no obstructions are detected in the path of the vehicle 3, the user notification is not issued and the distance between the vehicle 3 and the trailer 9 is measured (STEP 145). If the measured distance is greater than 5 metres, the processor 37 continues to track the relative position of the trailer 9 on the basis of the first feature set 35 (the target 31 in the present embodiment) and vehicle guidance module 37B outputs the steering angle control signal to the EPAS module 41 to steer the vehicle 3 towards the trailer 9 (STEP 135). If the measured distance is less than 5 metres, the rear camera 11 zooms in to the front of the trailer 9 to focus on the second feature set 39 (the hitch frame 27 and the trailer coupling 7 in the present embodiment) (STEP 150).」(第14ページ第25行ないし第15ページ第9行)
(当審仮訳)「ヒッチ角αがジャックナイフ角より小さい、または、ヒッチ角αがすでに既定のジャックナイフ角よりも小さいような、車両3を配置するために利用可能な十分なスペースがある場合、車両案内部37Bは、周囲の条件を考慮して、EPASモジュール41に舵角制御信号を出力して、利用可能なスペース内で車両3をトレーラー9に向けて案内する(STEP 135)。
車両が、トレーラー9に対して位置決めされるように、運転者はスロットル(アクセルペダルを介して)を作動させることにより車速の制御を担当する。
障害物回避部37Cは、画像処理部37Aにより検出された障害物が車両3の経路内にあるか否かを判定するように継続的チェックを実行する(STEP 140)。車両3の進路内に障害物が検出される場合、画像処理部37Aは、ヒッチング機動を行うために当該車両3の周囲に十分なスペースがあるかどうかを決定するために、サイドカメラ13、15からの画像データを解析する(STEP 130)。もし障害物が車両3の経路内に検出されない場合には、ユーザ通知が発行されず、車両3とトレーラー9との間の距離が測定される(STEP 145)。測定された距離が、5mより大きい場合、プロセッサ37は、第1の特徴セット35(本実施形態ではターゲット31)に基づいて、トレーラー9との相対位置を追跡し続け、車両案内モジュール37Bは、舵角制御信号をEPASモジュール41に出力し、車両3をトレーラー9のほうへ舵取りする(STEP 135)。測定距離は5メートル未満である場合、リアカメラ11は、トレーラー9のフロントにズームインし、第2の機能セット39(本実施形態では、ヒッチフレーム27と、トレーラー連結器7)に焦点を合わせる(STEP 150)。」

(コ)「The vehicle guidance module 37B will then continue to steer the vehicle 3 towards the trailer 9 to displace the tow hitch 5 closer to the trailer coupling 7 (STEP 165). The distance between the tow hitch 5 and the trailer coupling 7 is displayed on the display screen 47 (STEP 170). A check is performed to determine when the measured distance between the tow hitch 5 and the trailer coupling 7 is less than 1 metre (STEP 175). When the distance is less than 1 metre, the height detection module operates to detect the height of the trailer coupling 7 (STEP 180).
The electronic control unit (ECU) is configured to lower the height of the vehicle suspension to lower the tow hitch 5 below the detected height of the trailer coupling 7 (STEP 185). The electronic control unit (ECU) also operates to limit the maximum vehicle speed to 6 km/h. The user continues to control the vehicle throttle to reverse the vehicle 3 to drive the tow hitch 5 towards the trailer coupling 7 (STEP 190). A check is performed to determine if the tow hitch 5 is below the trailer coupling 7 (STEP 195). When the electronic control unit (ECU) determines that the tow hitch 5 is below the trailer coupling 7, a confirmation screen is output to the display screen 47 (STEP 200).」(第15ページ第22行ないし第15ページ第37行)
(当審仮訳)「車両案内部37Bは、次に、牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7に接近するように変位させるために、車両3をトレーラー9に向けて舵取りをすることを継続する(STEP 165)。この牽引ヒッチ5と連結器7との間の距離は、表示画面47に表示される(STEP 170)。牽引ヒッチ5とトレーラー7との間の距離がいつ1メートル未満になったかを決定するためにチェックが実行される(STEP 175)。この距離が、1m未満である場合には、高さ検出部は、トレーラー連結器7の高さを検出するように動作する(STEP 180)。
電子制御ユニット(ECU)は、車両のサスペンションの高さを低くして、牽引ヒッチ5をトレーラー連結器7の検出された高さより下に制御するように構成される(STEP 185)。電子制御ユニット(ECU)は、車両の最高速度を6km/hに制限するように動作する。ユーザは、車両のスロットルを制御し、牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7に向かって後進するように車両3を駆動し続ける(STEP 190)。牽引ヒッチ5が、トレーラー連結器7の下にあるかどうかを決定するためのチェックが実行される(STEP 195)。電子制御装置(ECU)は、牽引ヒッチ5が、トレーラー連結器7の下にあると判断した場合、表示画面47に確認画面を出力する(STEP 200)。」

イ 引用発明
上記ア及びFIG.1ないしFIG.5の記載から、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「車両3の牽引ヒッチ5をトレーラー連結器7に位置合わせするために、車両3をトレーラー9に向けて案内する方法であって、当該方法は、
HMIモジュール45によってヒッチアシスタンスシステム1を起動すること、
車両3に取り付けられている少なくとも1つのリアカメラ11によって、車両3の後方近くにあるトレーラー9の前方に設けられたターゲット31を識別すること、
HMIモジュール45は、表示画面47上に、丸印Cで表される牽引ヒッチ5の位置からのビューに切り換えるとともに、牽引ヒッチ5が辿る経路を線Dとして画像上に重ねること、
ヒッチアシスタンスシステム1の画像処理部37Aによってトレーラー9の前方に設けられたターゲット31の位置及びトレーラー連結器7の位置を識別すること、
車両3がトレーラー9の前方にある位置から車両3の牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7の下にある位置までの車両軌跡線を車両案内部37Bによって計算すること、
車両3の牽引ヒッチ5とトレーラー連結器7との距離が1m未満になったら、車両3のサスペンションの高さを低くして、車両3の牽引ヒッチ5の高さを下にすること、その後、車両3の牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7の下にある位置となること、
トレーラー連結器7に牽引ヒッチ5を接続することを可能にする位置まで車両軌跡線に沿って動かすように、舵角を車両案内部37Bによって算出すること、および、
算出された舵角を実行するために、舵角制御信号を、車両案内部37Bから電動パワーアシストステアリングモジュール41に出力すること、を含んでおり、
リアカメラ11または車両用のカメラ13、15によって、車両後方でカメラ視野内の障害物を識別すること、および、
障害物を回避するために、車両案内部37Bから舵角制御信号及び/又は前後進信号を出力することを含んでおり、
少なくとも1つの障害物を回避するための行動は、
識別された障害物を回避するために、車両案内部37Bによって新たなヒッチ角αを再計算し、当該新たなヒッチ角αに基づいて車両3を動かすために必要な、新たな操舵操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、車両案内部37Bから車両案内信号を出力すること、
である、
車両3の牽引ヒッチ5をトレーラー連結器7に位置合わせするために、車両3をトレーラー9に向けて案内する方法。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「車両3の牽引ヒッチ5をトレーラー連結器7に位置合わせするために、車両3をトレーラー9に向けて案内する方法」は前者の「車両をコントロールする方法」に相当し、以下同様に、「HMIモジュール45」は「入力装置」に、「ヒッチアシスタンスシステム1」は「トレーラーヒッチアシストシステム」に、「リアカメラ11」は「少なくとも1つのセンサ」に、「トレーラー9」は「トレーラー」に、「牽引ヒッチ5」は「車両ヒッチボール」に、「画像処理部37A」及び「車両案内部37B」は「ヒッチアシストシステム用のコントローラ」に、「トレーラー連結器7」は「トレーラーヒッチ」に、「ヒッチアシスタンスシステム1を起動」するときであって、「車両3がトレーラー9の前方にある位置」は、「最初の位置」に、「車両牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7の下にある位置」は「最終的な位置」に、「車両軌跡線」は「車両経路」に、「調整可能なサスペンション」は「サスペンション」に、「舵角を実行する」ことは「操舵操作」に、「舵角制御信号」は「命令」に、「電動パワーアシストステアリングモジュール41」は「車両操舵システム」に、「カメラ13、15」は「他のセンサ」に、「障害物」は「対象物」に、「障害物を回避する」ことは「衝突回避行動」に、それぞれ相当する。

後者の「HMIモジュール45は、表示画面47上に、丸印Cで表される牽引ヒッチ5の位置からのビューに切り換えるとともに、牽引ヒッチ5が辿る経路を線Dとして画像上に重ねること」は、表示画面上において、牽引ヒッチ5を起点として牽引ヒッチ5の経路を表示させるものであるから、前者の「車両ヒッチボールの位置を特定すること」に相当する。
後者の「牽引ヒッチ5とトレーラー連結器7との間の距離が1メートル未満である」位置で、かつ、「牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7の下」にない位置は、前者の「最終的な位置の前」に相当する。
後者の「牽引ヒッチ5がトレーラー連結器7の下にある」状態は、牽引ヒッチ5と、トレーラー連結器7とが水平方向でみて同じ位置に揃った状態であるから、前者の「当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ」ることに相当する。
後者の「識別された障害物を回避するために、車両案内部37Bによって新たなヒッチ角αを再計算し、当該新たなヒッチ角αに基づいて車両3を動かすために必要な、新たな操舵操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、車両案内部37Bから車両案内信号を出力すること」は、前者の「検出された対象物を回避するために、コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って車両を動かすために必要な、新たな操舵操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、コントローラから命令を送信すること」に相当する。

したがって、両者は、
「車両をコントロールする方法であって、当該方法は、
入力装置によってトレーラーヒッチアシストシステムを起動すること、
前記車両に取り付けられている少なくとも1つのセンサによって、車両の近くにあるトレーラーを検出すること、
車両ヒッチボールの位置を特定すること、
ヒッチアシストシステム用のコントローラによってトレーラーヒッチの位置を特定すること、
最初の位置から最終的な位置までの車両経路を前記コントローラによって計算すること、
前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ、
前記車両を前記最終的な位置まで前記経路に沿って動かすために必要な、操舵操作を前記コントローラによって計算すること、および、
前記計算された各操作を実行するために、命令を、前記コントローラから車両操舵システムに送ること、
を含んでおり、
前記少なくとも1つのセンサはカメラであって、
前記カメラまたは前記車両用の他のセンサによって、前記車両経路の近くにある対象物を検出すること、および、
衝突回避行動を実行するために、前記コントローラから命令を送信することをさらに含んでおり、
少なくとも1つの前記衝突回避行動は、
検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、
である、
車両をコントロールするための方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

〔相違点1〕
本願補正発明は、前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、「但しこの際、」当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされるのに対して、引用発明は、車両3の牽引ヒッチ5とトレーラー連結器7との距離が1m未満になったら、車両3のサスペンションの高さを低くして、車両3の牽引ヒッチ5の高さを下にすること、その後、車両3の牽引ヒッチ5がトレーラ連結器7の下にある位置となる点。

〔相違点2〕
本願補正発明は、前記車両を前記最終的な位置まで前記経路に沿って動かすために必要な、操舵「および制動」操作を前記コントローラによって計算すること、および、前記計算された各操作を実行するために、命令を、前記コントローラから車両操舵システム「および車両制動システム」に送ることを含むのに対して、引用発明は、トレーラー連結器7に牽引ヒッチ5を接続することを可能にする位置まで車両軌跡線に沿って動かすように、舵角を車両案内部37Bによって算出すること、および、算出された舵角を実行するために、舵角制御信号を、車両案内部37Bから電動パワーアシストステアリングモジュール41に出力すること、を含むが、制動操作をコントローラによって計算すること、および、制動操作を実行するために、命令を、コントローラから車両制動システムに送ることは明らかでない点。

〔相違点3〕
本願補正発明は、少なくとも1つの衝突回避行動が、「前記車両制動システムによって前記車両に制動をかけること、または、」検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵「および制動」操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、であり、「前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する」のに対して、引用発明は、かかる事項を備えるかが明らかでない点。

(4) 当審の判断
相違点1について検討する。
本願補正発明の「但しこの際」との記載により、「前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること」と、「当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ」ることが、どのように関連するかについて、本願明細書の段落[0029]ないし段落[0030]を参酌すると、最終的な位置より前で調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整し、「その後」、最終的な位置において、車両ヒッチボールがトレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされることが理解される。すなわち、相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は、「前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、その後、当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ」ることを意味するものと解釈できる。
以上の解釈の下、相違点1にかかる発明特定事項について、本願補正発明と引用発明とを対比すると、後者は、最終的な位置の前に、車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整し、その後、車両ヒッチボールが最終的な位置でトレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされるのであるから、前者との間に差異はない。
したがって、相違点1は実質的な相違点ではなく、引用発明も「前記最終的な位置の前に、前記車両の調整可能なサスペンションシステムによって、車両ヒッチボールの高さを調整すること、但しこの際、当該車両ヒッチボールが前記最終的な位置で前記トレーラーヒッチに対し水平方向にアライメントされ」ることを備えている。

相違点2について検討する。
引用発明は、上記(2)(イ)に示すように、車両速度を自動的に制御することができ、プロセッサはブレーキ制御信号を出力するように構成されるとともに、上記(2)(オ)に示すように、車両のトレーラーに対する位置決めのために、前進/後退および/または異なる舵角を含む一連の運動を計算するものである。また、引用発明は、車両を対象としたものであるから、制動システムを備えていることは自明である。
そして、車両を、車両速度を自動的に制御しつつ、経路に沿って動かすために、制動操作をコントローラで計算し、当該計算された操作を実行するための命令を、コントローラから車両制動システムに送ることは技術常識である。
そうすると、引用発明において、上記技術常識を踏まえて、車両を最終的な位置まで経路に沿って動かすために必要な、操舵および制動操作をコントローラによって計算すること、および、当該計算された各操作を実行するために、命令を、コントローラから車両操舵システムおよび車両制動システムに送るようにして、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項とするのは、当業者が容易に想到し得たことである。

相違点3について検討する。
相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項は、少なくとも1つの衝突回避行動が、前記車両制動システムによって前記車両に制動をかけること、または、検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、であり、前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、ことのいずれか一方を備えるものである。
そこで、引用発明において、前記車両制動システムによって前記車両に制動をかけること、または、検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、であり、前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、ことのいずれか一方が容易に想到し得たかを検討する。
車両をコントロールする方法において、衝突回避行動として、車両制動システムによって車両に制動をかけることは、当業者にとって技術常識である。
してみると、制動システムを備えている引用発明において、上記技術常識を踏まえて、衝突回避行動として、車両制動システムによって車両に制動をかけるのは、当業者が容易に想到し得たことである。そうすると、検出された前記対象物を回避するために、前記コントローラによって新たな車両経路を再計算し、当該新たな車両経路に沿って前記車両を動かすために必要な、前記新たな操舵および制動操作を計算し、新たに計算された当該操作を実行するために、前記コントローラから命令を送信すること、であり、前記再計算では、前記車両経路と、予測される複数の前記対象物の位置または経路について、生じ得る全ての衝突を予測し、予測された各衝突の確実性を定め、当該各衝突のうちどれが最初に介入を必要とするのかを特定し、最も関連性の高い衝突に対する対応を計算する、ことについて検討するまでもなく、引用発明及び技術常識に基いて、相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項とするのは、当業者が容易に想到し得たことである。

また、本願補正発明が奏する効果は、引用発明から、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別なものでない。

したがって、本願補正発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

以上のとおり、本願補正発明は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年6月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲は、平成29年9月1日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲、平成28年6月9日に提出された翻訳文における明細書、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1ないし10に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明並びに引用文献4ないし引用文献6に記載された事項(周知技術)に基いて、その優先権主張の日前にその発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:英国特許出願公開第2513393号明細書
引用文献4:特開2005-10893号公報
引用文献5:特開2004-230947号公報
引用文献6:特開2002-36908号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された引用文献に記載された事項及び引用発明は、前記第2の[理由]3(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願補正発明は、前記第2の[理由]2で検討したとおり、本願発明に発明特定事項を追加して限定したものであるから、本願発明は、本願補正発明の発明特定事項の一部を削除したものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2の[理由]3(3)(4)に記載したとおり、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 結語
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-04-19 
結審通知日 2019-05-08 
審決日 2019-05-21 
出願番号 特願2016-80967(P2016-80967)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B60W)
P 1 8・ 121- Z (B60W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神山 貴行  
特許庁審判長 水野 治彦
特許庁審判官 齊藤 公志郎
金澤 俊郎
発明の名称 自動化されたヒッチアシストシステム  
代理人 上島 類  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 前川 純一  
代理人 二宮 浩康  
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