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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B29C
審判 全部申し立て 発明同一  B29C
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B29C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B29C
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B29C
管理番号 1355957
異議申立番号 異議2018-700602  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-07-23 
確定日 2019-09-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6265314号発明「熱溶解積層型3次元プリンタ用材料及びそれを用いた熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6265314号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?11〕について訂正することを認める。 特許第6265314号の請求項1、3、5、7?11に係る特許を維持する。 特許第6265314号の請求項2、4及び6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6265314号(以下、「本件特許」という。)に係る出願(特願2017-548249号)は、平成28年7月1日に出願された特願2016-131332号を優先基礎出願とする優先権主張を伴ってなされた、平成29年5月30日を国際出願日とする特許出願であり、平成30年1月5日に特許権の設定登録(請求項の数11)がされ、同年同月24日に特許掲載公報が発行された。
その後、特許異議申立人エボニック デグサ ゲーエムベーハー(以下、「申立人」という。)により、平成30年7月23日に、請求項1?11に係る本件特許について、特許異議の申立てがされた。
そして、平成30年10月15日付けで取消理由が通知され、同年12月6日に特許権者から意見書及び訂正請求書が提出され、同年12月20日付けの申立人に対する訂正の請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)に対し、平成31年2月13日に申立人から意見書が提出された。さらに、平成31年4月11日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、令和1年6月12日に特許権者から意見書が提出されるとともに訂正の請求がされた。
(なお、令和1年6月12日に提出された訂正請求書による訂正は、平成30年12月6日に提出された訂正請求書による特許請求の範囲についての訂正において、請求項1にポリアミド共重合体の選択肢として5種類が記載されていたうちの2種類を削除して、選択肢を3種類に限定するとともに、請求項2を削除するものであり、この訂正については、すでに、申立人に意見書の提出の機会が与えられているといえることから、再度の意見書の提出の機会を与える必要がないものと合議体は判断した。また、平成30年12月6日に提出された訂正請求書による訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定より、取り下げられたものとみなされる。)


第2 訂正の適否についての判断
1.請求の趣旨
令和1年6月12日に特許権者が行った訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、「特許第6265314号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?11について訂正することを求める」ことを請求の趣旨とするものである。
2.訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、訂正箇所を分かりやすく対比するために、当審において下線を付与した。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含む」と記載されているのを、
「融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含み、
前記ポリアミド共重合体が、ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマーであり、
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上である」に訂正する。
(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項3、5及び7?11も同様に訂正する。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記ポリアミド共重合体がポリアミドエラストマーである」と記載されているのを、
「前記ポリアミド共重合体がポリエーテルポリアミドエラストマーである」に訂正する。
(請求項3の記載を直接又は間接的に引用する請求項5及び7?11も同様に訂正する。)

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に
「請求項4に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」と記載されているのを、
「請求項3に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に
「請求項6に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」と記載されているのを、
「請求項1、3及び5のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」に訂正する。
(請求項7の記載を直接又は間接的に引用する請求項8?11も同様に訂正する。)

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に
「請求項1?7のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」と記載されているのを、
「請求項1、3、5及び7のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」に訂正する。
(請求項8の記載を直接又は間接的に引用する請求項9?11も同様に訂正する。)

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に
「請求項1?8のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料を含む」と記載されているのを、
「請求項1、3、5及び7?8のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料を含む」に訂正する。
(請求項9の記載を直接又は間接的に引用する請求項10?11も同様に訂正する。)

(10)一群の請求項について
本件訂正は、訂正前の請求項1?11を訂正するものであるところ、本件訂正前の請求項2?11は、訂正前の請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正前の請求項1?11は一群の請求項であって、本件訂正は、一群の請求項〔1?11〕について請求されたものである。

3.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1による訂正について
訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1に「ポリアミド共重合体」と記載されていたのを、(i)本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の【0007】の記載に基づいて、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマー」に限定するとともに、(ii)本件特許明細書の【0023】及び訂正前の請求項6の記載に基づいて、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定したポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上」のものに限定するものである。
よって、訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるし、この訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項1を直接又は間接的に引用する請求項3、5及び7?11についての訂正も同様である。)

(2)訂正事項2、4及び6による訂正について
訂正事項2、4及び6による訂正は、訂正前の請求項2、4及び6を削除するものであるから、これらの訂正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるし、また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3による訂正について
訂正事項3による訂正は、訂正前の請求項3に「ポリアミドエラストマー」と記載されていたのを、本件特許明細書の【0012】の[III]及び訂正前の請求項4の記載に基づいて、「ポリエーテルポリアミドエラストマー」に限定するものである。
よって、訂正事項3による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるし、この訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項1を直接又は間接的に引用する請求項5及び7?11についての訂正も同様である。)

(4)訂正事項5による訂正について
訂正事項5による訂正は、訂正前の請求項5が引用する請求項4に記載の事項が、訂正事項3により請求項3に取り込まれ、訂正前の請求項4については、訂正事項4による訂正によって削除されたことに伴い、訂正前の請求項5が引用していた「請求項4」を「請求項3」に変更するものであるから、これは、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるし、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(5)訂正事項7による訂正について
訂正事項7による訂正は、訂正前の請求項7が「請求項6」を引用し、訂正前の請求項6は「請求項1?5のいずれか1項」を引用していたところ、訂正事項6による訂正により訂正前の請求項6が削除され、該請求項6で特定されていた事項は訂正事項1により請求項1に取り込まれ、さらに、訂正事項2及び4により訂正前の請求項2及び4が削除されたことから、訂正前の請求項7が引用していた請求項を「請求項1、3及び5のいずれか1項」に変更するものであるから、これは、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるし、また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項7を直接又は間接的に引用する請求項8?11についての訂正も同様である。)

(6)訂正事項8による訂正について
訂正事項8による訂正は、訂正前の請求項8では、引用請求項が「請求項1?7のいずれか1項」とされていたのを、訂正事項2、4及び6による訂正で訂正前の請求項2、4及び6がそれぞれ削除されたことに伴い、「請求項1?3、5及び7のいずれか1項」と訂正するものであるから、これは、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、訂正事項8による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項8を直接又は間接的に引用する請求項9?11についての訂正も同様である。)

(7)訂正事項9による訂正について
訂正事項9による訂正は、訂正前の請求項9では、引用請求項が「請求項1?8のいずれか1項」とされていたのを、訂正事項2、4及び6による訂正で訂正前の請求項2、4及び6がそれぞれ削除されたことに伴い、「請求項1?3、5及び7?8のいずれか1項」と訂正するものであるから、これは、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、訂正事項9による訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(訂正後の請求項9を直接又は間接的に引用する請求項10?11についての訂正も同様である。)

(8)小括
したがって、本件訂正請求による訂正事項1?9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、結論のとおり、訂正後の請求項〔1?11〕について訂正することを認める。


第3 本件発明
前記第2で述べたとおり、本件訂正請求による訂正は認められるので、本件特許の請求項1?11に係る発明は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、請求項番号に対応して、それぞれ「本件発明1」等といい、本件発明1、3、5、7?11をまとめて「本件発明」ともいう。)

「【請求項1】
融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含み、
前記ポリアミド共重合体が、ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマーであり、
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上である
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記ポリアミド共重合体がポリエーテルポリアミドエラストマーである請求項1に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
前記ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(A1)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は下記式(A2)で表されるラクタム化合物、下記式(B)で表されるトリブロックポリエーテルジアミン化合物、並びに下記式(C)で表されるジカルボン酸化合物を重合して得られるものである
請求項3に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【化1】

[但し、R^(1)は、炭化水素鎖を含む連結基を表す。]
【化2】

[但し、R^(2)は、炭化水素鎖を含む連結基を表す。]
【化3】

[但し、xは1?20の数値、yは4?50の数値、zは1?20の数値を表す。]
【化4】

[但し、R^(3)は、炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0または1である。]
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが20g/10分以上である
請求項1、3及び5のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項8】
ISO178に従い、23℃、50%RHで測定した前記ポリアミド共重合体の曲げ弾性率が1000MPa以下である
請求項1、3、5及び7のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項9】
請求項1、3、5及び7?8のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料を含む
熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント。
【請求項10】
請求項9に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメントの巻回体。
【請求項11】
請求項10に記載の巻回体が収納された熱溶解積層型3次元プリンタ装着用カートリッジ。」


第4 特許異議申立書に記載した申立て理由の概要及び取消理由(決定の予告)の概要

1 特許異議申立書に記載した申立て理由の概要

訂正前(特許の設定登録時)の特許請求の範囲の請求項1?11に係る特許に対して申立人が申立てていた特許異議の申立ての理由は、概略、本件特許の請求項1?11に係る発明についての特許は、以下の(1)?(5)のとおりの理由により、取り消されるべきものであるというものであって、申立人は、特許異議申立書(以下、単に「申立書」ともいう。)に添付して、証拠方法として下記(6)の甲第1号証?甲第13号証を提出した。

(1)申立理由1(甲第1号証に基づく新規性)
本件特許の請求項1、2、6、7、9及び10に係る発明は、本件特許の優先日前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明(甲第1号証に記載された発明)であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)申立理由2(甲第3号証を主引用文献とする進歩性)
本件特許の請求項1?11に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明及び本件特許の優先日前の周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1?11に係る本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(主たる引用文献は下記の甲第3号証であり、周知あるいは公知技術を示す副引例は、下記の甲第1、2、4?11、13号証。)
(3)申立理由3(先願明細書に記載された発明)
本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の優先日前に出願された特許出願であって、本件特許の優先日後に出願公開された下記の甲第12号証に係る出願の願書に最初に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載された発明と同一であり、その出願の出願人又は発明者が、本件特許に係る出願の出願人又は発明者と同一ではないから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであって、上記の発明についての特許は、同法第29条の2の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(4)申立理由4(サポート要件)
請求項1、2、6?11に係る本件特許は、特許請求の範囲の記載に不備があるために特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
(5)申立理由5(実施可能要件)
請求項1、2、6?11に係る本件特許は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
(6)証拠方法
甲第1号証:国際公開2015/081009号
(甲第1号証は英語文献であるので、翻訳文として対応ファミリー文献である特表2017-502852号公報を参照。)
甲第2号証:特開2016-94679号公報
甲第3号証:特開2015-150781号公報
甲第4号証:特開2015-176944号公報
甲第5号証:特開2006-225664号公報
甲第6号証:特開2009-226952号公報
甲第7号証:特表2013-527269号公報
甲第8号証:特開2004-114685号公報
甲第9号証:特開2004-276618号公報
甲第10号証:特表2007-529340号公報
甲第11号証:特表2007-534524号公報
甲第12号証:特開2016-165884号公報
(特願2016-6174号の出願の願書に最初に添付した明細書又は特許請求の範囲に替わるものとして提出されたものと認める。)(出願日は、平成28年1月15日)
(以下、甲第12号証に係る出願の願書に最初に添付した明細書又は特許請求の範囲を、「先願明細書」という。)
甲第13号証:Huntsman Corporation、Technical Bulletin、2006年、「JEFFAMINE(登録商標)D-2000 amine」
(URL:http://www.huntsman.com/portal/page/portal/performance_products/Media%20Library/global/files/jeffamine_d_2000_us.pdf)
印刷日:平成30年7月23日
(甲第13号証は外国語で作成された文献であるので、申立人により抄訳文が提出されている。)

2 取消理由(決定の予告)の概要

当審が、平成30年12月6日提出の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?11に係る特許を対象として平成31年4月11日付けで通知した取消理由(決定の予告)の概要は、以下のとおりであるる。

(1)取消理由1(サポート要件)
請求項1、2、7?11に係る本件特許は、特許請求の範囲の記載に不備があるために特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)取消理由2(甲第3号証を主引例とする進歩性)
本件特許の請求項1、2、7?11に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明及び本件特許の優先日前の周知あるいは公知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1、2、7?11に係る本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(主たる引用文献は、上記1(6)に記載の甲第3号証であり、周知あるいは公知技術を示す副引例は、上記1(6)に記載の甲第1、2、4?11、13号証及び下記の甲第14?16号証である。なお、甲第14?16号証は、平成31年2月13日に申立人が意見書に添付して提出したものである。)

<引用文献>
甲第1?11、13号証は、上記1(6)に記載のとおりである。
甲第14号証:JOURNAL OF IMAGING SCIENCE AND TECHNOLOGY、Volume 40、Number2、March/April 1996、147?155頁
(甲第14号証は外国語で作成された文献であるので、申立人により抄訳文が提出されている。)
甲第15号証:中国特許出願公開第105711094号明細書
(甲第15号証は外国語で作成された文献であるので、申立人により抄訳文が提出されている。)
甲第16号証:特表2016-505409号公報

(以下、甲第1号証?甲第11号証及び甲第13号証?甲第16号証を、それぞれ、単に「甲1」?「甲11」及び「甲13」?「甲16」ともいう。

第5 当審の判断
以下に述べるように、訂正後の請求項1、3、5、及び7?11に係る特許は、申立書に記載された特許異議の申立ての理由及び取消理由(決定の予告)によっては取り消すことはできない。

1 申立理由1(甲第1号証に基づく新規性)について

(1)甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものである甲1は、外国語文献であるので、この決定中における甲1の記載の指摘は、甲1の対応ファミリー文献である特表2017-502852号公報の記載を訳文として採用して行った。なお、これ以降、この決定中では、甲1の記載箇所に続いて、括弧書きで対応ファミリー文献の段落番号を記載する。

甲1には、実施例6に関して以下の記載がある(甲1の[0119]?[0122](対応ファミリー文献の【0114】?【0117】))。なお、下線は、当審が付した。

「実施例6のパーツ材は、半晶質ポリアミドが、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID L16として市販されているグラフト型のPA12ポリアミドであり、かつ非晶質ポリアミドが、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID TR90として市販されているPA12ポリアミドであるポリアミドブレンドとして調製された。
実施例6のそれぞれのパーツ材について、該パーツ材における半晶質ポリアミド濃度は、27.2重量%から28.2重量%までの範囲であり、かつ該パーツ材における非晶質ポリアミド濃度は、65.2重量%から66.2重量%までの範囲であり、その際、該非晶質ポリアミドの半晶質ポリアミドに対するブレンド比は約70:30であった。また、該パーツ材は、4.5重量%から5.5重量%までの範囲のパーツ材における濃度を有する耐衝撃性改良剤と、0.03重量%から0.13重量%までの範囲のパーツ材における濃度を有する酸化防止剤とを含んでいた。
実施例6のそれぞれのパーツ材を、DSCを使用して分析することで、55℃の平均ガラス転移温度Tg、130℃の平均冷結晶化温度Tc,cold、178℃の平均溶融温度Tm、及び148℃の平均熱結晶化温度Tc,hotが得られた。それぞれのパーツ材をまた、約0.07インチの平均直径を有する円柱形フィラメントへとコンパウンディングし、消耗品集成体のスプール上に巻き付けた。
各試験につき、該消耗品集成体を、Stratasys, Inc.(エデンプレイリー、ミネソタ州)から商品名「FDM」及び「FORTUS 400mc」として市販される押出方式の積層造形システムへと装填した。液化装置温度は355℃に定め、加熱されたチャンバ温度は、プリントされる3Dパーツ形状に応じて、80℃、100℃、又は120℃に定めた。それぞれの3Dパーツは、良好な寸法安定性及び低いレベルの結晶化度を示した。」
(なお、上記において「3D」は、「3次元」を意味する。)

上記記載によれば、甲1には、
「半晶質ポリアミドである、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID L16として市販されているグラフト型のPA12ポリアミドを27.2重量%から28.2重量%、
非晶質ポリアミドである、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID TR90として市販されているPA12ポリアミドを65.2重量%から66.2重量%、
耐衝撃性改良剤を4.5重量%から5.5重量%、
酸化防止剤を0.03重量%から0.13重量%、
を含むポリアミドブレンドとして調製された、
押出方式の積層造形システムにより3次元プリントするためのパーツ材」
の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)本件発明1について
本件発明1と甲1発明を対比する。

ア 甲1発明の「押出方式の積層造形システムにより3次元プリントするためのパーツ材」は、甲1の[0031](【0024】)の「押出方式の積層造形システムは、典型的には、3Dパーツを非晶質ポリマー材料、例えばアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂及びポリカーボネート樹脂からプリントするか、又は他には造形する。プリント作業の間に、上記非晶質ポリマー材料は溶融され、一連のロード(roads)として押出され、それが冷えることで、3Dパーツの層が形成される。」なる記載から明らかなとおり、本件発明1の「熱溶解積層型3次元プリンタ用材料」に相当する。
イ 甲1発明の「半晶質ポリアミドである、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID L16として市販されているグラフト型のPA12ポリアミドを27.2重量%から28.2重量%」及び「非晶質ポリアミドである、EMS-Chemie,Inc.(サムター、サウスカロライナ州)(EMS-Grivoryの事業部門)から商品名GRILAMID TR90として市販されているPA12ポリアミドを65.2重量%から66.2重量%」と、本件発明1の「融点が200℃以下であるポリアミド共重合体」とは、「ポリアミド重合体」である限りにおいて一致している。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、以下の相違点1で相違する。

<一致点>
「ポリアミド重合体を含む熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」

<相違点1>
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料に含まれるポリアミド重合体について、本件発明1では、「融点が200℃以下」と特定されているのに対して、甲1発明では、かかる特定はない点。
<相違点2>
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料に含まれるポリアミド重合体について、本件発明1では、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマー」である「ポリアミド共重合体」であり、材料中に「80重量%以上」含まれると特定されているのに対し、甲1発明では、「半晶質ポリアミドであるグラフト型のPA12ポリアミド27.2重量%から28.2重量%」と「非晶質ポリアミドであるPA12ポリアミド65.2重量%」とからなる「ポリアミドブレンド」であると特定されている点。
<相違点3>
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料に含まれるポリアミド重合体について、本件発明1では、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定したメルトフローレートが10g/10分以上」と特定されているのに対して、甲1発明ではかかる特定はされていない点。

そして、ポリアミド重合体の種類の違いは実質的な違いであり、相違点1及び2は実質的な相違点であるから、少なくとも相違点1及び2で異なる本件発明1は、甲1に記載された発明であるとはいえない。

(2)本件発明7、9及び10について
本件発明7、9及び10は、いずれも、請求項1を直接または間接的に引用する請求項に係るものであって、本件発明7、9及び10は、甲1発明と、少なくとも上記相違点1及び2で相違している。
そして、相違点1及び2についての判断は、上記で記載したとおりであるから、本件発明7、9及び10についても、(1)で本件発明1について検討したと同様の理由によって、甲1発明であるとはいえない。

(3)小活
したがって、申立理由1には、理由がない。
(なお、本件訂正により、申立理由1にかかる訂正前の請求項2及び6は削除されている。)

2 申立理由2及び取消理由2(甲第3号証を主引用文献とする進歩性)について

(1)甲3の記載事項及び甲3発明
甲3の請求項1には、以下の記載がある。
「【請求項1】
3次元造形物の製造方法であって、ポリアミドあるいは脂肪族ポリエステルのいずれかから選択される固体状の高分子材料(A成分)を吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドにおいて、前記高分子材料を溶融させ、吐出ヘッドから溶融した高分子材料(A成分)を指定の位置に吐出し、層状に堆積させると同時に高分子材料(A成分)を固化させることを繰り返す方法であり、80℃95%RHの湿熱雰囲気で12時間処理後の分子量変化率がマイナス10%以上である高分子材料(A成分)を用いる、3次元造形物の製造方法。」
そして、請求項1に記載の「高分子材料(A成分)」に関し、甲3の【0018】には、
「本発明における3次元造形物の製造方法において用いられる高分子材料(A成分)(以下、単に(A成分)と略記することがある。)とは、後述するポリアミドあるいは脂肪族ポリエステルのいずれかを主たる成分とし、3次元造形に適した形態で供給される高分子材料である。主たる成分とは、構成成分の80重量%以上のことである。」と記載され、
【0021】には、
「本発明においてポリアミドとは、主鎖が主にアミド結合から構成されるポリマーであり、アミド結合を有するホモポリアミドやコポリアミド、およびこれらの混合物である。」と記載されている。

以上によれば、甲3には、以下の発明が記載されているといえる。

「3次元造形物の製造方法に用いられる、80℃95%RHの湿熱雰囲気で12時間処理後の分子量変化率がマイナス10%以上である高分子材料であって、
高分子材料は、コポリアミドを80重量%以上含み、
3次元造形物の製造方法は、固体状の高分子材料を吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドにおいて、前記高分子材料を溶融させ、吐出ヘッドから溶融した高分子材料を指定の位置に吐出し、層状に堆積させると同時に高分子材料を固化させることを繰り返す方法である、
3次元造形用の高分子材料。」(以下、「甲3発明」という。)

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲3発明とを対比する。
(ア)甲3発明の「コポリアミド」と本件発明1の「ポリアミド共重合体」は同義である。
(イ)甲3発明の高分子材料(であるコポリアミド)が、「固体状の高分子材料を吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドにおいて、前記高分子材料を溶融させ、吐出ヘッドから溶融した高分子材料を指定の位置に吐出し、層状に堆積させると同時に高分子材料を固化させることを繰り返す方法」で製造される「3次元造形物」の製造に用いられることは、本件発明1のポリアミド共重合体が、「熱溶解積層型」の「3次元」造形物の製造に用いられることに相当するところ、甲3発明において、「熱溶解積層型」の「3次元」造形物の製造は、「熱溶解積層型3次元プリンタ」により行われると認められるから、甲3発明の「80℃95%RHの湿熱雰囲気で12時間処理後の分子量変化率がマイナス10%以上である」、「3次元造形用の高分子材料」は、本件発明1の「熱溶解積層型3次元プリンタ用材料」に相当する。

よって、本件発明1と甲3発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。
<一致点>
ポリアミド共重合体を80重量%以上含む熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。

<相違点4>
ポリアミド共重合体について、本件発明1では、「融点が200℃以下」である「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマー」であり、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上」と特定されているのに対して、甲3発明では、かかる特定はない点。

イ 判断
(ア)まず、本件発明1のポリアミド共重合体が、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体」である場合の本件発明1について検討する。

甲3の【0015】?【0017】に、「3次元造形物の製造方法」に関し、「(イ)」として、一般に「溶融積層法、溶融堆積法」と呼称される方法が、「(ロ)」として、一般に「粉末積層法、粉末焼結法、選択的レーザー焼結法」と呼称される方法が記載され、「(イ)、(ロ)いずれの方法においても、高分子材料として後述する熱可塑性樹脂を操作し、加熱・冷却によりその物性が変化する特徴を活用し、好ましい形態の3次元造形物を製造する。」と記載されるとおり、3次元造形物の製造は、熱可塑性樹脂の加熱・冷却によりその物性を変化させることで造形を行うものであるところ、熱可塑性樹脂を加熱溶融させて造形を行う3次元プリンタに使用されるポリアミド系重合体として、融点が200℃以下のものは本件特許の優先日前周知であった(例えば、甲1の実施例6(特に、[0121](【0116】))、甲5の請求項21等、甲6の請求項19、実施例11?14、甲7の実施例12?21、甲8の【0034】、甲9の【0032】、甲10の【0033】、甲11の【0038】、甲14の148頁のTABLE I.)。
また、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体」については、甲3の【0022】に、甲3発明に用いられるコポリアミドとして多数のポリアミドが列挙される中の一つとして、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体」に相当する「ポリカプラミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)」が記載されていた。
さらに、本件発明1に特定される程度のメルトフローレート範囲であってもよい(コ)ポリアミドを3次元造形の材料として使用することは、本件特許の優先日前公知であった(甲1の[0089](【0082】)、甲15の請求項6、甲16の【0068】)。
しかしながら、甲3発明は、従来既知の溶融堆積法による3次元造形では、造形中に溶融された熱可塑性樹脂(特にポリアミドおよび脂肪族ポリエステル)が、大気中あるいは樹脂中に含有する水分と、外部からの熱との作用により加水分解され、その物性が低下する問題や、加水分解が造形前や造形中に進行して、熱可塑性樹脂ストランドの折れにより吐出ヘッドへの供給不良が起こる等の問題があったのを解決するものであり、そのために、「80℃95%RHの湿熱雰囲気で12時間処理後の分子量変化率がマイナス10%以上である高分子材料(A成分)を用いる」(甲3の請求項1)ことにより、より具体的には、高分子材料に対し末端封止剤としてカルボジイミド化合物を添加することで、ポリアミドおよび脂肪族ポリエステルのいずれかからなる高分子ストランドの(保管中および造形中の)加水分解が抑制された3次元造形用の材料等を提供するものであって(甲3の【0002】?【0007】及び【0011】?【0012】)、甲3の記載及び上記周知あるいは公知技術を参酌しても、本件発明1のように、熱溶解積層型3次元プリンタ用材料を、耐熱構造などの高度な安全対策を施す必要がない200℃以下の低い温度で造形しようとした場合に、積層時に層間の接着が悪くなり、造形品の強度が不十分となるという問題等を解決する目的(本件特許明細書の【0002】?【0006】)で、甲3発明の3次元プリンタ用材料を構成するポリアミド共重合体を、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体」とすることを当業者が動機付けられるとはいえない。
そして、本件特許明細書の実施例5(【0101】?【0103】の表1?表3)によれば、ポリアミド共重合体が「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体」である本件発明1の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料は、(甲3に記載されるような末端封鎖をする必要がなく、)造形性及び長期造形安定性の点で優れており、当該材料を使用することで、シャルピー衝撃試験及び曲げ試験において、層間剥離や亀裂、塑性変形がない優れた熱溶解積層型3次元プリンタ形成造形品が得られるという、優れた効果が奏されるものである。そして、この効果は、甲3、甲1、15、16を含め、申立人が提出した甲1?11、13?16のいずれの証拠からも示唆されない。

(イ)次に、本件発明1のポリアミド共重合体が「ポリエーテルエステルアミドエラストマー」及び「ポリエーテルポリアミドエラストマー」である場合の本件発明1について検討する。
「ポリエーテルエステルアミドエラストマー」及び「ポリエーテルポリアミドエラストマー」は、3次元造形物の製造用のコポリアミドとして、本件特許の優先日前に公知であった(甲4の実施例1、甲5の請求項21、例1(例1に記載のPEA(ポリエーテルアミン)材料であるJeffamine D2000の化学構造については、甲13を参照。))。
しかしながら、甲3には、上記の従来既知の溶融堆積法による3次元造形における問題を解決する対象材料として、これらの材料は記載されておらず、甲3に開示される通常の熱可塑性樹脂であるポリアミド、脂肪族ポリエステル3次元造形材料とは、エラストマーである点で性質も異なる、甲4あるいは甲5に記載のコポリアミドを甲3発明のコポリアミドとして採用する動機付けがあるとはいえない。
そして、かかるコポリアミドを採用し、ポリアミド共重合体が「ポリエーテルエステルアミドエラストマー」及び「ポリエーテルポリアミドエラストマー」である本件発明1の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料では、(ア)で記載したとおり、造形性及び長期造形安定性に優れ、また、層間剥離や塑性変形等のない優れた熱溶解積層型3次元プリンタ形成造形品が得られるという、申立人が提出した甲1?11、13?16のいずれの証拠からも示唆されない効果が奏されるものである。

(ウ)以上のとおりであるから、本件発明1は、甲3発明、並びに、甲1、5?11、14?16に記載の事項(周知あるいは公知技術)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(3)本件発明3、5、7及び8について
本件発明3、5、7及び8は、いずれも、本件発明1のポリアミド共重合体をさらに限定した発明であり、本件発明3、5、7及び8についても、上記(2)で記載したと同様の理由によって、甲3発明、並びに、甲1、5?11、14?16に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(4)本件発明9?11について
本件発明9?11は、いずれも、請求項1を直接または間接的に引用する請求項に係るものであって、本件発明9?11は、甲3発明と、少なくとも上記(2)で記載した相違点4で相違している。そして、これらの相違点についての判断は、上記(2)で記載したとおりであり、本件発明9?11についても、上記(2)において本件発明1について説示したと同様の理由によって、甲3発明、並びに、甲1、5?11、14?16に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(5)小活
以上のとおり、申立理由2及び取消理由2には理由がない。

3 申立理由3(先願明細書に記載された発明)

(1)先願明細書の記載及び先願明細書に記載の発明
先願明細書の【0012】には、
「本発明の造形材料は、熱可塑性合成繊維によって構成される。合成繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、熱溶解積層法3Dプリンターにおける造形ヘッドの溶融温度で溶融しうるものであれば用いることができ、融点が180℃以下のものがよく、例えば、・・・ポリアミド系樹脂・・・が挙げられる。」と記載されている。
したがって、先願明細書には、
「融点が180℃以下のポリアミド系樹脂からなる熱溶解積層法3Dプリンター用造形材料。」の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)本件発明1について
本件発明1と、先願発明を対比する。
先願発明の「ポリアミド系樹脂」は、本件発明1の「ポリアミド共重合体」と、「ポリアミド重合体」である限りにおいて一致している。
先願発明の「熱溶解積層法3Dプリンタ用造形材料」は、本件発明1の「熱溶解積層型3次元プリンタ用材料」に相当する。
先願発明の「融点が180℃以下」は、本件発明1の「融点が200℃以下」を満足するし、先願発明のポリアミド系樹脂の含有割合は、「80重量%以上」であると認められる。

そうすると、本件発明1と先願発明は、
「融点が200℃以下のポリアミド重合体を80重量%以上含む熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」で一致し、以下の点で相違する。

<相違点5>
ポリアミド重合体について、本件発明1では、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマー」であり、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上」と特定されているのに対して、先願発明では、かかる特定はない点。

相違点5について検討する。
先願明細書には、上記【0012】以外に、「ポリアミド系樹脂」に関する具体的な記載はない。そして、ポリアミド系樹脂に「ポリアミド共重合体」が含まれることは本件特許の優先日当時の技術常識であるといえるが、熱溶解積層型3次元プリンタ用材料に使用される融点が200℃以下のポリアミド系樹脂が、「ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマー」であって、かつ、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上」との条件を満たすものであることが本件特許の優先日当時の技術常識であったとはいえないから、上記相違点5は実質的な相違点である。
(なお、上記の点は、本件特許の優先日前公知であったともいえないし、これらの構成をあわせもつ本件発明1の効果(上記2(2)イ参照。)は、先願明細書の記載はもちろん、申立人の示した他のいずれの証拠からも示唆されない。)

そうすると、相違点5で先願発明と異なる本件発明1について、先願明細書に記載された発明と同一であるということはできない。

(3)小活
以上のとおり、申立理由3には理由がない。

4 申立理由4及び取消理由4(サポート要件)について

本件特許の設定登録時の請求項1、2、7?11に対して申立人が主張していた申立理由(申立理由4)は、具体的には、請求項1に係る発明は、造形性に優れた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料(及び熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント)を提供することを課題とするところ、本件特許明細書には、請求項1に係る発明の構成を満たす実施例6(融点196℃のPA6/PA12共重合体)及び実施例7(融点188℃のPA6/PA66/PA12共重合体)の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料は、亀裂・割れ、塑性変形がみられ、長期造形安定性の評価が劣悪であることが示されているし(【0101】?【0103】の表1?表3等)、出願時の技術常識に照らしても、請求項1に係る発明の構成を充足する材料であれば発明の課題を解決できると当業者が認識できる程度に説明が記載されているとはいえないから、請求項1に係る発明はサポート要件を満足しない、また、請求項1に係る発明の構成を含む、請求項2、6?11に係る発明についても同様である、というものである(申立書25頁の項目(4-4-1))。

また、平成31年4月11日付けの取消理由(決定の予告)において、平成30年12月6日付けの訂正請求書に記載の請求項1、2、7?11に係る発明に対して合議体が通知した取消理由(取消理由4)は、具体的には、概略、ポリアミド共重合体がポリアミド6/ポリアミド66共重合体あるいはポリアミド6/ポリアミド66/ポリアミド12共重合体である場合については、本件特許明細書には、請求項1で特定される要件の全てを満たす熱溶解積層型3次元プリンタ用材料についての結果は記載されておらず、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載からは、これらのポリアミド共重合体の場合に、発明の課題が解決できることを、当業者は理解できないし、そのことが、本件特許に係る出願の出願時の技術常識であったとも解されないから、請求項1、2、7?11に係る発明はサポート要件を満足しない、というものである。

そこで検討すると、申立理由4及び取消理由4において、発明の課題が解決できないと指摘されていたポリアミド共重合体であるPA6/PA12共重合体(ポリアミド6/ポリアミド12共重合体)、PA6/PA66/PA12共重合体(ポリアミド6/ポリアミド66/ポリアミド12共重合体)及びポリアミド6/ポリアミド66共重合体は、本件訂正により、請求項1(及び請求項1を直接あるいは間接的に引用する請求項7?11)から削除されている。
よって、申立理由4及び取消理由4は理由がない。
(なお、請求項2は、本件訂正により削除されている。)

申立理由4及び取消理由4は理由がないが、以下、念のため、本件訂正後の請求項1、7?11に係る発明(すなわち、本件発明1、7?11)がサポート要件を満足するかについて検討する。

特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、本願明細書の発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明が解決しようとする課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載がなくとも、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明が解決しようとする課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。
そこで、検討すると、本件特許明細書の【0006】の記載によれば、本件発明1、7?11が解決しようとする課題は、「造形性に優れた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料(本件発明1、7、8)、それを用いた熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント(本件発明9)、該フィラメントの巻回体(本件発明10)、及び、該巻回体が収納された熱溶解積層型3次元プリンタ装着用カートリッジ(本件発明11)を提供すること」であると認められる。(以下、本件発明1、7?11が解決しようとする課題をまとめて、「本件発明の課題」という。)

そして、上記本件発明の課題の解決手段に関し、本件発明1、及び、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項に係る本件発明7?11では、それらの発明に用いられる「熱溶解積層型3次元プリンタ用材料」について、(i)「融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含み」、(ii)「前記ポリアミド共重合体が、ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマーであり」、(iii)「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上である」(請求項1)と特定されている。

一方、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、本件発明に関し、【0013】に、「本発明によれば、造形性に優れた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料及びそれを用いた熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメントを提供することができる。」と記載され、上記(i)に関し、【0021】に、「本発明の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料において、ポリアミド共重合体は、本発明の効果を十分に発現する観点から、改質剤としてではなく、主成分として含まれることが好ましい。主成分とは、熱溶解積層型3次元プリンタ用材料全量に対して、ポリアミド共重合体が・・・80重量%以上であることが特に好まし・・・い。」と、【0022】に、「ポリアミド共重合体の融点は、200℃以下であることが好ましい。融点が200℃以下であれば、熱溶解積層型3次元プリンタで造形する温度を低く設定することができ、高度な安全対策を施す必要がなくなる上、消費電力も抑えることができ、ランニングコストを低くすることができる。」と記載され、また、(iii)に関し、【0023】に、「ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートは、10g/10分以上であることが好ましい。ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上であれば、ポリアミド共重合体の溶解が安定化するため押出ヘッド先端からの吐出量が安定化するだけでなく、層間接着性が良好となり、熱溶解積層型3次元プリンタでの造形性が優れたものとなる。」と記載されている。
(ii)に関しては、【0026】に、「ポリアミド共重合体とは、2種類以上の繰り返し単位を有し、その少なくとも一部にアミド結合を有するものを意味する。・・・本発明の効果発現の観点から、・・・ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリアミドエラストマーがより好ましく、ポリアミドエラストマーがさらに好ましい。」と、【0027】に、「ポリアミドエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを有し、ハードセグメントがポリアミドの構成単位を有する。ポリアミドエラストマーのソフトセグメントはポリエーテルの構成単位を有することが好ましい。ソフトセグメントとしてポリエーテルの構成単位を有するポリアミドエラストマーとしては、ハードセグメントとソフトセグメントをエステル結合で結合したポリエーテルエステルアミドエラストマー、ハードセグメントとソフトセグメントをアミド結合で結合したポリエーテルポリアミドエラストマーが挙げられる。本発明の効果発現の観点、耐加水分解性に優れ、造形性を長期に渡って安定化させる観点から、ハードセグメントとソフトセグメントをアミド結合で結合したポリエーテルポリアミドエラストマーが好ましい。」と記載されている。
さらに、本件特許明細書には、具体的な実施例として、【0083】?【0104】、特に、【0101】?【0103】の表1?3の実施例1?5、8に、上記(i)?(iii)を満足する熱溶解積層型3次元プリンタ用材料が造形性に優れること(表2の造形性の欄の結果が◎(優良)あるいは○(良好))、(i)?(iii)を満足する熱溶解積層型3次元プリンタ用材料からのモノフィラメントを用いて3Dプリンターにより造形した造形サンプルは、シャルピー衝撃試験と前記曲げ試験において、層間剥離や亀裂・割れの発生がなく、ほとんど塑性変形が生じないことが示されている(表3の各試験項目の結果が○)。
そして、これら本件特許明細書の記載によれば、当業者は、本件発明1、7?11により、本件発明の課題が解決できることを理解できる。

よって、本件発明1、7?11は、サポート要件を満足する。

5 申立理由5(実施可能要件)について

本件特許の設定登録時の請求項1、2、6?11に対して申立人が主張していた申立理由5は、具体的には、融点200℃以下のポリアミド共重合体には、多種多様の構造を有するものが含まれるところ、本件特許明細書において、造形性に優れた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料又はフィラメントを構成することが具体例に説明されているのは、特定の構造を有するポリエーテルポリアミドエラストマー、PA6/PA12共重合体およびポリエーテルエステルアミドエラストマーに過ぎず、請求項1に係る発明の構成を充足する材料であっても、実施例6、7の材料は亀裂割れあるいは塑性変形がみられ、かつ、長期造形安定性の評価も劣悪なものであって(本件特許明細書の【0101】?【0104】及び表1?表4)、造形性に優れた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料となりえないから、発明の詳細な説明には、請求項1に係る発明を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に説明されているとはいえないし、請求項1に係る発明の構成を含む、請求項2、6?11に係る発明についても同様である、というものである。

そこで検討すると、本件訂正により、訂正前の請求項1(及び請求項1を直接あるいは間接的に引用する請求項7?11)に記載されていた熱溶解積層型3次元プリンタ用材料は、申立人が造形性に優れることが具体例に説明されているとしていた、ポリエーテルポリアミドエラストマー、PA6/PA12共重合体又はポリエーテルエステルアミドエラストマーに限定された。
よって、申立理由5には理由がない。
(なお、訂正前の請求項2は、本件訂正により削除されている。)

申立理由5は理由がないが、以下、念のため、本件訂正後の請求項1、7?11に係る発明(すなわち、本件発明1、7?11)が実施可能要件を満足するかについて検討する。

本件発明1は、
「融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含み、
前記ポリアミド共重合体が、ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマーであり、
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上である
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。」という物の発明である。

そして、物の発明について実施可能要件を充足するためには、明細書の記載及び出願時の技術常識に照らし、当業者が、過度の試行錯誤を要することなく、その物を製造し、使用することができる程度の記載があれば足りる。
そこで、本件特許明細書の記載を検討すると、本件発明1に特定されるポリアミド共重合体がポリエーテルエステルアミドエラストマー又はポリエーテルポリアミドエラストマーである場合については、本件特許明細書の【0028】?【0045】の原料モノマー、エラストマーを構成するポリアミド構成単位、及びポリエーテルセグメントについての記載、【0047】の市販品名の記載、【0062】?【0072】のポリエーテルエステルアミドエラストマーの製造方法の記載、【0092】?【0099】のポリエーテルエステルアミドエラストマーの製造実施例の記載及び【0101】の表1実施例8における商品名の記載、並びに、【0090】の各材料からの3Dプリンター造形用のモノフィラメントと該フィラメントを用いた3D造形サンプルの製造についての記載、及び、【0102】?【0103】の表2?3における実施例1?4、8の造形物の性質についての記載から、当業者が本件発明1にかかる物を製造(入手)し、熱溶解積層型3次元プリンタ用材料として使用することができる。
また、ポリアミド共重合体がポリアミド6/ポリアミド12共重合体である場合についても、【0100】の具体的な製造実施例の記載、【0101】の表1の実施例5の商品名の記載、【0090】の3Dプリンター造形用のモノフィラメントの製造及びこれを用いた3D造形サンプルの製造の記載、【0102】?【0103】の表2?3における実施例5の造形物の性質についての記載から、当業者は本件発明1にかかる物を製造(入手)し、熱溶解積層型3次元プリンタ用材料として使用することができる。
よって、本件発明1は、実施可能要件を満足する。

さらに、本件発明7、8は、本件発明1の材料の物性をさらに特定したものであるが、当該物性を満たすものは、本件特許明細書の【0101】?【0103】の表1?3における実施例1?3及び5等に記載されているし、本件特許明細書の上記実施例では、本件発明9で特定されるフィラメントから造形物を得ている。また、本件発明10?11については、【0075】にフィラメントの巻回体及び巻回体が収納された熱溶解積層型3次元プリンタ装着用カートリッジについて記載されており、当該記載及び本件発明1に関して指摘した上記本件特許明細書の記載によれば、当業者は、本件発明7?11にかかる物を製造(入手)し、使用することができる。
よって、本件発明7?11も、実施可能要件を満足する。

したがって、申立理由5には、理由がない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び平成31年4月11日付けで通知した取消理由(決定の予告)に記載した取消理由によっては、本件請求項1、3、5、7?11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、3、5、7?11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件訂正により本件特許の請求項2、4及び6が削除された結果、これらの請求項に係る特許についての本件特許異議の申立ては対象を欠くこととなったため、特許法120条の8第1項において準用する同法135条の規定により、請求項2、4及び6に係る特許についての本件特許異議の申立ては却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が200℃以下であるポリアミド共重合体を80重量%以上含み、
前記ポリアミド共重合体が、ポリアミド6/ポリアミド12共重合体、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、又はポリエーテルポリアミドエラストマーであり、
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが10g/10分以上である
熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記ポリアミド共重合体がポリエーテルポリアミドエラストマーである
請求項1に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
前記ポリエーテルポリアミドエラストマーが、下記式(A1)で表されるアミノカルボン酸化合物及び/又は下記式(A2)で表されるラクタム化合物、下記式(B)で表されるトリブロックポリエーテルジアミン化合物、並びに下記式(C)で表されるジカルボン酸化合物を重合して得られるものである
請求項3に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【化1】

[但し、R^(1)は、炭化水素鎖を含む連結基を表す。]
【化2】

[但し、R^(2)は、炭化水素鎖を含む連結基を表す。]
【化3】

[但し、xは1?20の数値、yは4?50の数値、zは1?20の数値を表す。]
【化4】

[但し、R^(3)は、炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0または1である。]
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
ISO1133に従い、200℃、5000gの荷重で測定した前記ポリアミド共重合体のメルトフローレートが20g/10分以上である
請求項1、3及び5のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項8】
ISO178に従い、23℃、50%RHで測定した前記ポリアミド共重合体の曲げ弾性率が1000MPa以下である
請求項1、3、5及び7のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料。
【請求項9】
請求項1、3、5及び7?8のいずれか1項に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用材料を含む
熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント。
【請求項10】
請求項9に記載の熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメントの巻回体。
【請求項11】
請求項10に記載の巻回体が収納された熱溶解積層型3次元プリンタ装着用カートリッジ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-08-26 
出願番号 特願2017-548249(P2017-548249)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (B29C)
P 1 651・ 161- YAA (B29C)
P 1 651・ 536- YAA (B29C)
P 1 651・ 113- YAA (B29C)
P 1 651・ 537- YAA (B29C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今井 拓也▲高▼村 憲司  
特許庁審判長 大島 祥吾
特許庁審判官 加藤 友也
渕野 留香
登録日 2018-01-05 
登録番号 特許第6265314号(P6265314)
権利者 宇部興産株式会社
発明の名称 熱溶解積層型3次元プリンタ用材料及びそれを用いた熱溶解積層型3次元プリンタ用フィラメント  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 神谷 雪恵  
代理人 赤塚 正樹  
代理人 赤塚 正樹  
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