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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G05D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G05D
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G05D
管理番号 1356713
審判番号 不服2018-12145  
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-10 
確定日 2019-11-06 
事件の表示 特願2016-526756「掃除領域の優先順位付け」拒絶査定不服審判事件〔平成27年6月25日国際公開、WO2015/090404、平成29年1月19日国内公表、特表2017-502371〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)12月19日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年6月6日 :翻訳文提出
平成29年8月10日付け :拒絶理由通知書
平成29年11月21日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年4月24日付け :拒絶査定
平成30年9月10日 :審判請求書と同時に手続補正書の提出

第2 平成30年9月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年9月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「ロボット掃除機の動作を制御する方法において、
3Dセンサシステムを含む障害物検出装置によって障害物を検出するステップと、
前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップと、
前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように、コントローラにより制御するステップと、
を含み、
前記コントローラは、
前記ロボット掃除機を、前記障害物検出装置から導き出された位置データから、前記検出された障害物に対して位置決めするように構成され、前記ロボット掃除機の前記移動の制御は、前記位置決めに基づいて実行され、
前記3Dセンサシステムは、
前記ロボット掃除機の付近の画像を記録するように構成されたカメラ装置と、
前記ロボット掃除機の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、
を含み、
前記コントローラはさらに前記記録された画像から前記位置データを導き出すように構成される、方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成29年11月21日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「ロボット掃除機の動作を制御する方法において、
障害物を検出するステップと、
前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップと、
前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように制御するステップと、
を含む方法。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「障害物を検出するステップ」について、上記のとおり「3Dセンサシステムを含む障害物検出装置によって障害物を検出するステップ」及び「前記3Dセンサシステムは、前記ロボット掃除機の付近の画像を記録するように構成されたカメラ装置と、前記ロボット掃除機の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、を含み」という限定を付加するものである。また、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「ロボット掃除機の移動を・・・制御するステップ」について、上記のとおり「コントローラにより制御する」ものであり、「前記コントローラは、前記ロボット掃除機を、前記障害物検出装置から導き出された位置データから、前記検出された障害物に対して位置決めするように構成され、前記ロボット掃除機の前記移動の制御は、前記位置決めに基づいて実行され」、「前記コントローラはさらに前記記録された画像から前記位置データを導き出すように構成される」という限定を付加するものである。そして、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の国際出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2013/0206177号明細書(2013年(平成25年)8月15日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は理解の便のため当審にて付与。以下同。)。

「[0022] ・・・In the present disclosure, the robotic cleaner starts cleaning from an area easy to be cleaned to an area difficult to be cleaned.・・・」
(当審訳:[0022] ・・・本開示では、ロボット掃除機は、清掃するのが容易なエリアから清掃するのが難しいエリアへと清掃を始める。・・・)

「[0031] Referring to FIG. 4 , a set of the maps is generated from a 3D map 411 , statistical data 412 , and sensor data 413 of the house. The set of the maps includes a 3D map 421 , activity map 422 , reachability map 423 , cleanness map 424 , fault map 425 , and the like, of a cleaned house. A cleaning 431 and a surveillance/user interaction 432 are performed by using the set of the maps, and thus an update 441 can be performed again on the set of the maps.
[0032] The 3D map 421 of the cleaned house is a map which is first built by the robotic cleaner. The 3D map 421 of the cleaned house shows a state of completing the cleaning. The 3D map 421 is built by using information measured by a sensor included in the robotic cleaner, that is, by using the sensor data 413 . The sensor may include at least one of a camera, a laser ranger, a sonar, a bump sensor, and other sensors. The 3D map 421 stores information regarding all objects in a cleaning area. The 3D map 421 is used to analyze where to clean, how to operate in rooms, and how to track a difference of a home environment. The 3D map 421 can be shown to a user by using an apparatus including a display element such as a TV, a smart phone, and the like. The 3D map 421 is projected to a plane, and thus can be shown in a 2D image including house objects. For example, an embodiment of the 3D map 421 is illustrated in FIG. 5A and FIG. 6A . According to another embodiment of the present disclosure, a map showing the cleaned house can be built in a 2D manner.」
(当審訳:[0031] 図4を参照すると、1組のマップは、家の3Dマップ411、統計データ412、センサデータ413から作成される。前記1組のマップは、清掃される住宅の3Dマップ421、活動マップ422、到達可能性マップ423、清浄度マップ424、弱点マップ425等を含む。清掃431および監視/ユーザ対話432は、前記1組のマップを用いて行われ、更新441は、前記1組のマップに再び行われ得る。
[0032] 清掃される住宅の3Dマップ421は、ロボット掃除機によって最初に構築されるマップである。清掃される住宅の3Dマップ421は、清掃が完了した状態を示している。3Dマップ421は、ロボット掃除機に備えられたセンサによって測定された情報、つまり、センサデータ413を使用して構築される。センサは、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むことができる。3Dマップ421は、清掃エリア内のすべての物体に関する情報を記憶する。3Dマップ421は、どこを清掃するか、どのように部屋内で動作するか、そしてどのように家庭環境の差を追跡するかを分析するために使用される。3Dマップ421は、テレビ、スマートフォン、などのような表示素子を有する装置を用いてユーザに示すことができる。3Dマップ421は、平面に投影され、住宅の物体を含む2D画像で示されることができる。例えば、3Dマップ421の一実施形態が図5A及び図6Aに示されている。本開示の別の実施形態によれば、清掃される住宅を示すマップは、2次元で構築され得る。)

「[0034] ・・・Therefore, the reachability map 423 updates the area D 534 temporarily unreachable, and the robotic cleaner cleans the area A 531 except for the area D 534 . After cleaning, the robotic cleaner sets the area D 534 as an additional cleaning task.・・・」
(当審訳:[0034] ・・・したがって、到達可能性マップ423は、エリアD534を一時的に到達不能に更新し、ロボット掃除機は、エリアD534以外のエリアA531を清掃する。清掃後、ロボット掃除機は、エリアD534を追加的な清掃作業として設定する。)

「[0042] 1) The robotic cleaner reads a 3D map and its location on the map. 2) The robotic cleaner arranges the robotic cleaner itself in its subspace. Herein, the subspace implies a room in which the robotic cleaner is located at present. 3) The robotic cleaner assigns a subspace to be cleaned. 4) The robotic cleaner downloads a reachability map, and plans a path to the subspace assigned for cleaning.
[0043] 5) After reaching the subspace, the robotic cleaner downloads a fault map, an activity map, and a reachability map. By using the maps, the robotic cleaner generates a cleaning path. For this, the robotic cleaner cleans an area not including the fault area. For example, in FIG. 7A , the robotic cleaner assigns an obstacle area 729 of FIG. 7B . Further, as illustrated in FIG. 7C , the robotic cleaner assigns a plurality of rectangular areas 731 to 735 in a range other than the obstacle area 729 . Furthermore, for example, as illustrated in FIG. 7D , the robotic cleaner can set a path such that the fifth area 735 is cleaned at a last moment after cleaning the remaining areas 731 to 734 . The rectangular areas 731 to 735 are areas which can be cleaned faster and more effectively. The robotic cleaner may not clean the obstacle area 729 in a current cleaning operation and may store information indicating that cleaning is not made due to an obstacle. In FIG. 7C , a fault area 739 is indicated by a slash. The fault area 739 implies an area in which the robotic cleaner has previously experienced a certain difficulty in cleaning. In an active area of the downloaded activity map, the robotic cleaner may clean the area at a slow speed less than or equal to a threshold speed, but may use a vacuum cleaner switched to high power. One important aspect about performance of the vacuum cleaner is power of a suction motor. The suction motor attains electrical power from a power source, and converts the power into mechanical power in which an air flow is used for suction. Therefore, switching to high power implies that the robotic cleaner consumes relatively more electric energy for better cleaning.
[0044] 6) After cleaning all areas, the robotic cleaner can clean the fault area 739 or can move to another subspace, that is, another room. When another new obstacle exists, the robotic cleaner updates the cleanness map, and generates a message for reporting to the user a reason of failure in cleaning in some areas. In other words, when the new obstacle is detected during the cleaning operation, the robotic cleaner updates the cleanness map, and generates a message for reporting to the user a reason of failure in cleaning in an area corresponding to the obstacle. For example, the reason may be an open door of a closet that can be recognized by the robotic cleaner. In this embodiment, the robotic cleaner can update information regarding the open door in a 3D map, and can transmit a notification to the user.
[0045] 7) The robotic cleaner repeats the operations of 3) to 6) above until the whole house is cleaned. 8) After completion, the robotic cleaner can clean the fault area 739 of the fault map, and can attempt to clean an area associated with a difficulty in reaching in the reachability map. In other words, the robotic cleaner can attempt to clean an area having a difficulty in cleaning and indicated by the fault map, an area reachable but not suitable for a cleaning operation and indicated by the reachability map, and an area temporarily unreachable. 9) After completing the cleaning operation, the robotic cleaner transitions to a hibernation mode or a surveillance/observation mode.」
(当審訳:[0042] 1)ロボット掃除機は、3Dマップ及び当該マップ上のその位置を読み出す。2)ロボット掃除機は、その部分空間にロボット掃除機それ自身を配置する。ここで、部分空間は、ロボット掃除機が現在位置している空間を意味する。3)ロボット掃除機は部分空間を清掃されるよう割り当てる。4)ロボット掃除機は、到達可能性マップをダウンロードし、清掃のために割り当てられた部分空間への経路を計画する。
[0043] 5)部分空間に到達した後、ロボット掃除機は弱点マップ、活動マップ、及び到達可能性マップをダウンロードする。マップを使用することにより、ロボット掃除機は掃除経路を生成する。このため、ロボット掃除機は弱点エリアを含まないエリアを清掃する。例えば、図7Aにおいて、ロボット掃除機は、図7Bの障害物エリア729を割り当てる。また、図7Cに示すように、ロボット掃除機は、障害物エリア729以外の範囲内の複数の矩形領域731?735を割り当てる。また、例えば、図7Dに示すように、ロボット掃除機は、残りの領域731?734を清掃した後最後に、第5の領域735が清掃されるように経路を設定することができる。矩形領域731?735は、より迅速にかつより効果的に清掃することができる領域である。ロボット掃除機は、現在の清掃動作では、障害物エリア729を清掃しなくてもよいし、障害物のため清掃されなかったことを示す情報を格納してもよい。図7Cでは、弱点エリア739は、斜線で示されている。弱点エリア739は、ロボット掃除機が以前にある種の困難性を経験した領域を意味する。ダウンロードした活動マップの活動エリアでは、ロボット掃除機は、閾値以下の低速で領域を清掃してもよいが、高電力に切り換えて掃除機を使用してもよい。掃除機の性能の1つの重要な点は、吸引モータの電力である。吸込モータは、電源から電力を得て、当該電力を、その中で空気流が吸引のために使用される機械的な動力に変換する。したがって、高電力への切り換えは、ロボット掃除機が、良好な掃除のために相対的に多くの電気エネルギーを消費することを意味する。
[0044] 6)全てのエリアを清掃した後、ロボット掃除機は、弱点エリア739を清掃することができる、または別の部分空間、すなわち、別の部屋に移動できる。別の新たな障害物が存在する場合、ロボット掃除機は、清浄度マップを更新し、いくつかの領域において清掃不良の理由をユーザに報告するメッセージを生成する。換言すれば、新たな障害物が、清掃動作中に検出されると、ロボット掃除機は、清浄度マップを更新し、障害物に対応する領域の清掃に失敗した理由をユーザに通知するためのメッセージを生成する。例えば、この理由は、ロボット掃除機が認識することができるクローゼットの開放扉であってもよい。この実施形態では、ロボット掃除機は、3Dマップで開放扉に関する情報を更新することができ、ユーザに通知を送信することができる。
[0045] 7)ロボット掃除機は、家全体が清掃されるまで、上記3)?6)の動作を繰り返す。8)終了後、ロボット掃除機は弱点マップの弱点エリア739を清掃することができるとともに、到達可能性マップでは到達困難であるとされた領域を清掃することを試みることができる。換言すれば、ロボット掃除機は、弱点マップにより示された清掃困難である領域や、到達可能性マップにより示された到達可能だが清掃動作には適さない領域や、一時的に到達不能な領域を清掃しようと試みることができる。9)清掃動作が完了した後、ロボット掃除機は、スリープモード又は監視/観察モードに移行する。)

「[0050] ・・・ A difference between the two embodiments is that the robotic cleaner moves to the uncleaned area and then cleans the area. A reason of not being cleaned may be a previous cleaning fault. In this embodiment, the robotic cleaner determines whether the previous cleaning fault reason is removed. For example, the robotic cleaner determines whether objects such as clothes, balls, books, and the like, are removed or whether a door of a closet is closed at present. If the cause is removed, the robotic cleaner cleans a corresponding area and updates the maps. Otherwise, if the cause is not removed, the robotic cleaner moves to another uncleaned area.・・・」
(当審訳:[0050] ・・・2つの実施形態の間の相違点は、ロボット掃除機が未清掃領域に移動し、当該領域を清掃することである。清掃されていない原因は、前回の清掃不良かもしれない。この実施形態では、ロボット掃除機は、前回の清掃不良原因が除去されているかどうかを判定する。例えば、ロボット掃除機は、現時点で、衣類、ボール、書籍などの物体が除去されているか、またはクローゼットの扉が閉じているか否かを判定する。原因が除去されていれば、ロボット掃除機は、対応する領域を清掃し、マップを更新する。一方、原因が除去されていない場合、ロボット掃除機は、別の未清掃領域に移動する。・・・)

「[0058] The controller 860 controls an overall operation of the robotic cleaner. For example, the controller 860 provides control such that cleaning is performed by using the aforementioned cleaning operation according to the embodiments. More specifically, the controller 860 provides control to generate at least one map including information regarding a space to be cleaned by using information measured by at least one sensor included in the sensing unit 810 , to set a cleaning path by using the at least one map, and to perform cleaning according to the cleaning path. For example, the controller 860 sets an obstacle area on the space, and sets at least one rectangular area in an area other than the obstacle area. In addition, the controller 860 provides control to perform cleaning at a speed less than or equal to a threshold speed in an active area indicated by the activity map. Further, when a new obstacle is detected during the cleaning operation, the controller 860 updates the cleanness map, and generates a message for reporting to the user a reason of failure in cleaning in an area corresponding to the obstacle. Furthermore, after completion of the cleaning, the controller 860 attempts to clean an area having a difficulty in cleaning and indicated by the fault map, an area reachable but not suitable for a cleaning operation and indicated by the reachability map, and an area temporarily unreachable.」
(当審訳:[0058] コントローラ860は、ロボット掃除機の全体的な動作を制御する。例えば、コントローラ860は、実施の形態において上述した清掃作業を用いて清掃が行われるような制御を提供する。具体的には、コントローラ860は、感知部810に含まれる少なくとも1つのセンサによって測定された情報を使用することによって、清掃される空間に関する情報を含む少なくとも1つのマップを生成し、少なくとも1つのマップを用いて掃除経路を設定し、当該掃除経路に応じた清掃を行うような制御を提供する。例えば、コントローラ860は、空間上の障害物領域を設定し、障害物領域以外の領域に、少なくとも1つの矩形領域を設定する。また、コントローラ860は、活動マップにより示された活動エリアで閾値速度以下の速度で清掃を行うように制御する。また、清掃動作中に新たな障害物が検出された場合、コントローラ860は、清浄度マップを更新し、障害物に対応する領域の清掃に失敗した理由をユーザに通知するためのメッセージを生成する。また、清掃が終了した後、コントローラ860は、弱点マップにより示された清掃困難である領域や、到達可能性マップにより示された到達可能だが清掃動作には適さない領域や、一時的に到達不能な領域を清掃しようと試みる。)

(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 「コントローラ860は、ロボット掃除機の全体的な動作を制御する。」([0058])から、引用文献1に記載された発明は、ロボット掃除機の動作を制御する方法に関する発明である。
b 「1組のマップは、・・・センサデータ413から作成される。前記1組のマップは、清掃される住宅の3Dマップ421、・・・到達可能性マップ423、・・・を含む。」([0031])、「3Dマップ421は、ロボット掃除機に備えられたセンサによって測定された情報、つまり、センサデータ413を使用して構築される。センサは、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むことができる。」([0032])から、引用文献1には、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサによって測定された情報を使用することによって、3Dマップ421、到達可能性マップ423を生成することが記載されていると認められる。
c 「図7Cに示すように、ロボット掃除機は、障害物エリア729以外の範囲内の複数の矩形領域731?735を割り当てる。・・・矩形エリア731?735は、より迅速にかつより効果的に清掃することができる領域である。」([0043])から、引用文献1には、ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735を特定することが記載されていると認められる。
d 「本開示では、ロボット掃除機は、清掃するのが容易なエリアから清掃するのが難しいエリアへと清掃を始める。」([0022])、「到達可能性マップ423は、エリアD534を一時的に到達不能に更新し、ロボット掃除機は、エリアD534以外のエリアA531を清掃する。清掃後、ロボット掃除機は、エリアD534を追加的な清掃作業として設定する」([0034])、「終了後、・・・ロボット掃除機は、・・・一時的に到達不能な領域を清掃しようと試みることができる。」([0045])、「・・・ロボット掃除機は、現時点で、衣類、ボール、書籍などの物体が除去されているか、またはクローゼットの扉が閉じているか否かを判定する。原因が除去されていれば、ロボット掃除機は、対応する領域を清掃し、マップを更新する。」([0050])から、引用文献1には、ロボット掃除機の移動を、ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735の掃除が、障害物エリア729のような一時的に到達不能な領域の掃除の前に優先して行われ、一時的に到達不能な領域の障害物が除去されれば当該領域を清掃するように制御することが記載されていると認められる。
e 「1)ロボット掃除機は、3Dマップ及び当該マップ上のその位置を読み出す。2)ロボット掃除機は、その部分空間にロボット掃除機それ自身を配置する。」([0042])、「コントローラ860は、ロボット掃除機の全体的な動作を制御する。・・・コントローラ860は、感知部810に含まれる少なくとも1つのセンサによって測定された情報を使用することによって、清掃される空間に関する情報を含む少なくとも1つのマップを生成し、少なくとも1つのマップを用いて掃除経路を設定し、当該掃除経路に応じた清掃を行うような制御を提供する。」([0058])から、引用文献1には、コントローラ860は、ロボット掃除機を、3Dマップ上で位置決めするように構成され、前記ロボット掃除機の移動の制御は、マップを用いて行われることが記載されていると認められる。
f 引用文献1には、「センサは、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含」([0032])むことが記載されている。
g 引用文献1には、「コントローラ860は、感知部810に含まれる少なくとも1つのセンサによって測定された情報を使用することによって、清掃される空間に関する情報を含む少なくとも1つのマップを生成」([0058])することが記載されている。

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ロボット掃除機の動作を制御する方法において、
カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサによって測定された情報を使用することによって、3Dマップ421、到達可能性マップ423を生成するステップと、
ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735を特定するステップと、
ロボット掃除機の移動を、ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735の掃除が、障害物エリア729のような一時的に到達不能な領域の掃除の前に優先して行われ、一時的に到達不能な領域の障害物が除去されれば当該領域を清掃するように制御するステップと、
を含み、
コントローラ860は、ロボット掃除機を、3Dマップ上で位置決めするように構成され、前記ロボット掃除機の移動の制御は、マップを用いて行われ、
前記センサは、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含み、
前記コントローラ860は、感知部810に含まれる少なくとも1つのセンサによって測定された情報を使用することによって、清掃される空間に関する情報を含む少なくとも1つのマップを生成する、方法。」

イ 引用文献2
(ア)この審決で新たに引用する本願の国際出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-253361号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【0024】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1?図10は、本発明に係る障害物回避支援装置、障害物回避支援方法及び移動体の第1の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る障害物回避支援装置を、移動体である、脚部による歩行移動及び車輪による走行が可能な脚車輪型ロボットに適用したものである。」
「【0028】
一方、基体10の正面の下部中央には、水平面レーザー光を照射する水平レーザ26が設けられている。また、基体10の正面の中央左右には、垂直面レーザー光を照射する垂直レーザー28、30がそれぞれ設けられている。
基体10の正面の上部中央には、水平面レーザー光および垂直面レーザー光の反射光を含む画像を撮影するカメラ32が設けられている。
【0029】
また、カメラ32の下側には、レーザーレンジセンサ200が配設されている。
水平レーザー26は、カメラ32で水平面レーザー光の反射光を含む画像が撮影できるように下方に所定角度傾けて設けられている。同様に、垂直レーザー28は、カメラ32で垂直面レーザー光の反射光を含む画像が撮影できるように右方に所定角度傾けて設けられ、垂直レーザー30は、左方に所定角度傾けて設けられている。」
「【0116】
・・・
また、上記第1の実施の形態においては、レーザーレンジセンサ200によって障害物までの距離情報を測定する構成としたが、この構成に限らず、距離画像センサ等の他の測距センサを用いる構成としてもよい。」

(イ)上記記載から、引用文献2には、次の周知技術が記載されていると認められる。
「移動体の障害物回避支援方法において、3Dセンサシステムは、移動体の付近の画像を記録するように構成されたカメラと、前記移動体の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、を含む技術。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明は、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサによって測定された情報を使用することによって、障害物エリア729等の障害物を特定する3Dマップ421、到達可能性マップ423等のマップを生成していることから、引用発明の「カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサ」は本件補正発明の「3Dセンサシステムを含む障害物検出装置」に相当し、引用発明の「カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサによって測定された情報を使用することによって、3Dマップ421、到達可能性マップ423を生成するステップ」は、本件補正発明の「3Dセンサシステムを含む障害物検出装置によって障害物を検出するステップ」に相当する。
(イ)引用発明の「ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735を特定するステップ」は、障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735が、障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い領域であることは明らかであるから、本件補正発明の「前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップ」に相当する。
(ウ)引用発明の「ロボット掃除機の移動を、ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735の掃除が、障害物エリア729のような一時的に到達不能な領域の掃除の前に優先して行われ、一時的に到達不能な領域の障害物が除去されれば当該領域を清掃するように制御するステップ」は、障害物エリア729のような一時的に到達不能な領域が、ロボット掃除機が検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションであることは明らかであるから、本件補正発明の「前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように、コントローラにより制御するステップ」に相当する。
(エ)引用発明の「コントローラ860は、ロボット掃除機を、3Dマップ上で位置決めするように構成され、前記ロボット掃除機の移動の制御は、マップを用いて行われ」は、上記(ア)のとおり、障害物検出装置であるセンサによって測定された情報(位置データ)を使用して生成された3Dマップ上で、ロボット掃除機を位置決めしていることから、本件補正発明の「前記コントローラは、前記ロボット掃除機を、前記障害物検出装置から導き出された位置データから」「位置決めするように構成され」に相当する。
(オ)引用発明の「前記センサは、カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含み」は、3Dマップ421を生成する際、カメラが撮影した画像等の記録されたデータを使用していると考えられることから、本件補正発明の「前記3Dセンサシステムは、前記ロボット掃除機の付近の画像を記録するように構成されたカメラ装置」「を含み」に相当する。
(カ)引用発明の「コントローラ860は、感知部810に含まれる少なくとも1つのセンサによって測定された情報を使用することによって、清掃される空間に関する情報を含む少なくとも1つのマップを生成する」は、「清掃される空間に関する情報」に物体の「位置情報」が含まれることは明らかであるから、本件補正発明の「コントローラは」「前記記録された画像から前記位置データを導き出すように構成される」に相当する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「ロボット掃除機の動作を制御する方法において、
3Dセンサシステムを含む障害物検出装置によって障害物を検出するステップと、
前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップと、
前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように、コントローラにより制御するステップと、
を含み、
前記コントローラは、
前記ロボット掃除機を、前記障害物検出装置から導き出された位置データから位置決めするように構成され、
前記3Dセンサシステムは、
前記ロボット掃除機の付近の画像を記録するように構成されたカメラ装置を含み、
前記コントローラは前記記録された画像から前記位置データを導き出すように構成される、方法。」

【相違点1】
本件補正発明は、「前記コントローラは、前記ロボット掃除機を」、「前記検出された障害物に対して位置決めするように構成され」、「前記ロボット掃除機の前記移動の制御は、前記位置決め」つまり、検出された障害物に対する位置決め「に基づいて実行され」るのに対し、引用発明は、「ロボット掃除機を、3Dマップ上で位置決めする」ことは記載されているものの、「検出された障害物に対して位置決めする」ことまでは記載されておらず、ロボット掃除機の移動の制御を、当該「検出された障害物に対」する「位置決め」に基づいて実行することは記載されていない点。
【相違点2】
「3Dセンサシステム」について、本件補正発明は、「前記ロボット掃除機の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、を含」むのに対し、引用発明は、「ロボット掃除機の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザ」の構成については記載されていない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
ロボット掃除機を何に対して位置決めするかは、当業者が適宜選択し得る設計事項であり、引用発明において、3Dマップ上で、ロボット掃除機の位置のみならず、障害物の位置も位置決めされることは明らかであるから、3Dマップ上で、ロボット掃除機を障害物に対して位置決めすること、及び、ロボット掃除機の移動の制御を、当該障害物に対する位置決めに基づいて実行することは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2について
引用文献2には、上記(2)イのとおり、移動体の障害物回避支援方法において、3Dセンサシステムは、移動体の付近の画像を記録するように構成されたカメラと、前記移動体の前記付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザと、を含む技術が記載されている。
引用発明と、引用文献2に記載された技術とは、いずれも、移動体の動作を制御して障害物を回避する点で技術分野が関連するとともに、引用発明の「センサ」と引用文献2に記載された「3Dセンサシステム」とは、カメラ装置を含む点で機能が共通するものである。そして、引用発明においても、カメラの撮像範囲を照明する装置があれば、より正確にマップを生成できることから、引用発明におけるセンサ(感知部810)に、引用文献2に記載された、移動体の付近を照明するように構成された第一および第二の垂直ラインレーザを付加することは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

なお、請求人は、平成31年1月18日付け上申書において、「前記第一および第二の垂直ラインレーザは、ロボット掃除機の高さおよび幅より大きい高さおよび幅を照明するように構成され、前記カメラ装置の角度が、前記第一および第二のラインレーザにより照明される空間より小さい」という限定構成を付加する補正案を提示しているが、引用文献2に記載された「垂直レーザー28、30」は、移動体が移動方向の障害物を回避するべく十分に大きな照明範囲を設定していると認められ、当該照明範囲を、さほど大きくないロボット掃除機の高さおよび幅よりも大きい高さおよび幅程度とすることに困難性は認められない。また、カメラ装置の角度(撮像範囲)をどの程度にするかは、当業者が適宜選択し得る設計事項であり、第一および第二のラインレーザにより照明される空間より小さくすることにも困難性は認められない。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年9月10日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年11月21日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の国際出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許出願公開第2013/0206177号明細書

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
ア 本願発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「カメラ、レーザ距離計、ソナー、衝突センサ、および他のセンサのうちの少なくとも1つを含むセンサによって測定された情報を使用することによって、3Dマップ421、到達可能性マップ423を生成するステップ」は本件補正発明と同様に、本願発明の「障害物を検出するステップ」に相当する。
(イ)引用発明の「ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735を特定するステップ」は本件補正発明と同様に、本願発明の「前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップ」に相当する。
(ウ)引用発明の「ロボット掃除機の移動を、ロボット掃除機が障害物エリア729以外のより迅速にかつより効果的に清掃することができる矩形領域731?735の掃除が、障害物エリア729のような一時的に到達不能な領域の掃除の前に優先して行われ、一時的に到達不能な領域の障害物が除去されれば当該領域を清掃するように制御するステップ」は本件補正発明と同様に、本願発明の「前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように制御するステップ」に相当する。

イ 以上のことから、本願発明と引用発明とは以下の点で一致し、相違点はない。
【一致点】
「ロボット掃除機の動作を制御する方法において、
障害物を検出するステップと、
前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高い1つまたは複数の掃除対象セクションを特定するステップと、
前記ロボット掃除機の移動を、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害されずに移動する可能性の高いものとして前記特定された1つまたは複数のセクションの掃除が、前記ロボット掃除機が前記検出された障害物によって妨害される可能性がより高い表面のセクションの掃除の前に優先して行われるように制御するステップと、
を含む方法。」

ウ よって、本願発明は引用発明となり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-06-06 
結審通知日 2019-06-11 
審決日 2019-06-24 
出願番号 特願2016-526756(P2016-526756)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G05D)
P 1 8・ 113- Z (G05D)
P 1 8・ 575- Z (G05D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大野 明良藤島 孝太郎  
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 栗田 雅弘
青木 良憲
発明の名称 掃除領域の優先順位付け  
代理人 龍華国際特許業務法人  

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