• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1357130
審判番号 不服2018-5856  
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-27 
確定日 2019-11-14 
事件の表示 特願2016-550906「システム情報取得方法、装置及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月14日国際公開、WO2015/066882、平成28年12月28日国内公表、特表2016-541217〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2013年(平成25年)11月8日を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年 9月 5日 手続補正書の提出
平成29年 8月21日付け 拒絶理由通知書
平成29年10月25日 意見書,及び手続補正書の提出
平成29年11月28日付け 拒絶理由通知書
平成30年 2月 2日 意見書,及び手続補正書の提出
平成30年 3月13日付け 拒絶査定
平成30年 4月27日 拒絶査定不服審判の請求
平成31年 4月26日付け 拒絶理由通知書 (当審)
令和 元年 7月16日 意見書,及び手続補正書の提出


第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は,令和元年7月16日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。

「 基地局に構成(configure)されユーザ装置にシステム情報を取得させる装置であって,
システム情報の更新を指示するための指示子を設定する指示子設定ユニットであって,システム情報の第一の変更周期より小さいページング周期が構成されている第一のユーザ装置であることを示す第一の指示子と,システム情報の前記第一の変更周期より大きいページング周期が構成されている第二のユーザ装置であることを示す第二の指示子と,を設定する指示子設定ユニット;及び
前記第一のユーザ装置及び/又は前記第二のユーザ装置に前記指示子を送信する指示子送信ユニットであって,前記第一のユーザ装置に,前記第一の指示子と前記第一の変更周期に基づいて更新のためのシステム情報を取得させ,前記第二のユーザ装置に,前記第二の指示子と前記第一の変更周期より大きい第二の変更周期に基づいて更新のためのシステム情報を取得させる,指示子送信ユニットを含む,装置。」


第3 拒絶の理由
平成31年4月26日付けで当審が通知した拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)の概要は,
「この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」
というものであり,補正前の請求項1に対して以下の引用例2,4-7が引用されている。

2 特表2013-516887号公報
4 米国特許出願公開第2010/0067496号明細書(周知技術を示す文献)
5 Samsung,Enhancements for extended DRX in IDLE,[online],3GPP TSG RAN WG2 #83,R2-132613,2013年8月10日掲載,インターネットURL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132613.zip(周知技術を示す文献)
6 Intel Corporation,Power Consumption Issues of System Information Update for Extended DRX Cycle,[online],3GPP TSG RAN WG2 Meeting #83,R2-132866,2013年8月10日掲載,インターネットURL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132866.zip(周知技術を示す文献)
7 3GPP TS 36.331 V8.20.0(2013-06),[online],3GPP,2013年7月3日掲載,p.21-22,105,128-129,インターネットURL: https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-8k0.zip (周知技術を示す文献)


第4 引用発明,及び技術常識

1 引用発明
当審拒絶理由で引用された特表2013-516887号公報(以下,「引用例2」という。)には以下の記載がある。(下線は当審が付与。以下同様。)


【0023】
一般的に,マシンタイプ通信端末機はネットワークで唯一なものと区分できなければならない。特に,マシンタイプ通信端末機は装置の類型によって無線網内で区分できなければならない。また,各マシンタイプ通信端末機が提供可能な機能(function),特徴(feature)などを無線網で区分及び識別し,それによってグループ単位でも区別できなければならない。
これのために,無線LANまたはセルラ移動通信網では,該当無線網で運用中のマシンタイプ通信端末機の識別子を共有するか,マシンタイプ通信端末機を用いたサービスを支援するために別個の識別子を導入してもよい。
無線LANまたはセルラ移動通信網のようにマシンタイプ通信端末機に対してサービスを提供する無線網は,マシンタイプ通信端末機の識別子を用いて,
1)特定のマシンタイプ通信端末機を識別するか,特定のマシンタイプ通信端末機の類型を識別することができ,
2)マシンタイプ通信端末機が提供することができるサービスまたは機能を識別することができ,
3)特定のサービスを提供することができるマシンタイプ通信端末機から構成されたサービスグループを識別することができる。
【0024】
一様態によれば,複数のマシンタイプ通信端末機が無線網からグループとして識別可能である。
【0025】
ページングの場合,マシンタイプ通信端末機を含むグループに対してページングを行うことができる。例えば,マシンタイプ通信端末機を含むグループに対してグループ識別子を割り当てることができる。ページングメッセージを活用する場合,ページンググループを示す識別子を活用するか,IMSI,S-TMSIに特定の値を割り当ててもよい。例えば,IMSIがいずれも0で構成された場合に,既存の端末機は該当ページングを無視して,マシンタイプ通信端末機のみページングを受信することができる。
【0026】
他の様態によれば,マシンタイプ通信端末機が認識できる新しい識別子(例えば,MTC-RNTI)を定義し,これを用いてページングメッセージを受信することができる。
【0027】
マシンタイプ通信端末機に対するDRXまたはページングは,既存の端末機よりもさらに大きい周期で設定されてもよい。一様態によれば,マシンタイプ通信端末機は,既存の端末機と同一に設定されたページング周期を受信し,受信されたページング周期とあらかじめ設定された制御情報とを結合して,マシンタイプ通信端末機に適用される特有のページング周期を設定することができる。
【0028】
マシン受信端末機は,所定のページング周期の間,変更されたシステム情報または制御情報を受信し,変更されたシステム情報に応じて反応する。例えば,無線網は,システムのフレーム番号(System Frame number)を増やし,これをシステム情報を用いてマシンタイプ通信端末機へ伝送することができる。この場合,システム情報に追加的な制御情報を伝達するか,マシンタイプ通信端末機のためのSIBを新しく定義して制御情報を伝送することができる。
【0029】
例えば,マシンタイプ通信端末機のためにMTC SIBまたはSIB14,SIB15以後のSIBを定義してもよい。該当SIBは,既存のSIBのようにSIB1を用いてスケジュリングされてもよい。または,マシンタイプ通信端末機のシステム情報受信のためにRNTIを新しく定義してもよい。」

上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると,引用例2には,次の技術事項が記載されている。

(1)上記段落0025によると,基地局が,特定の端末機に対してページングメッセージを受信させるために,当該端末機のIMSIを含むページングメッセージを送信すること,及び,マシンタイプ通信端末機に対してページングメッセージを受信させるために,特定の値のIMSIを含むページングメッセージを送信することが記載されているといえる。
また,基地局において,送信するページングメッセージに対して各IMSIの設定を行っていることは明らかであるから,基地局が,既存の端末機へのページングメッセージに対してIMSIを設定し,マシンタイプ通信端末機へのページングメッセージに対して特定の値のIMSIを設定することが記載されているといえる。
したがって,引用例2には,基地局において,既存の端末機へのページングメッセージに対して当該端末機のIMSIを設定し,マシンタイプ通信端末機へのページングメッセージに対して特定の値のIMSIを設定する手段と,ページングメッセージを送信する手段とを備えることが記載されているといえる。

(2)上記段落0027の記載によると,マシンタイプ通信端末機のページング周期は,既存の端末機のページング周期よりも大きな期間であることが記載されているといえる。

(3)上記段落0028の記載によると,マシンタイプ通信端末機は,変更されたシステム情報を受信することが記載されているといえるところ,基地局が,変更されたシステム情報を送信することにより,既存の端末機を含む端末機にシステム情報を取得させるものであることは,当業者には明らかであるから,引用例2には,基地局が,既存の端末機及びマシンタイプ通信端末機にシステム情報を取得させることが記載されているといえる。

したがって,引用例2には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「基地局において,
既存の端末機へのページングメッセージに対して当該端末機のIMSIを設定し,マシンタイプ通信端末機へのページングメッセージに対して特定の値のIMSIを設定する手段と,
ページングメッセージを送信する手段とを備え,
マシンタイプ通信端末機のページング周期は,既存の端末機のページング周期よりも大きな期間で構成され,
既存の端末機及びマシンタイプ通信端末機にシステム情報を取得させる,基地局。」


2 技術常識
当審拒絶理由で引用された3GPP TS 36.331 V8.20.0(2013-06),[online],3GPP,2013年7月3日掲載,p.21-22,105,128-129,インターネットURL: https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-8k0.zip(以下,「引用例7」という。)には,以下の事項が記載されている。


RadioResourceConfigCommon information element
(中略)
BCCH-Config ::=SEQUENCE {
modificationPeriodCoeff ENUMERATED {n2, n4, n8, n16}
}
(中略)
RadioResourceConfigCommon field descriptions
(中略)
modificationPeriodCoeff
Actual modification period, expressed in number of radio frames= modificationPeriodCoeff * defaultPagingCycle. n2 corresponds to value 2, n4 corresponds to value 4, n8 corresponds to value 8 and n16 corresponds to value 16.
」(128ページ5行-129ページ6行)
(当審訳:
無線リソース設定共通情報要素
(中略)
BCCH-Config ::= SEQUENCE {
変更期間係数 {n2, n4, n8, n16}が挙げられる
}
(中略)
無線リソース設定共通領域記述
(中略)
変更期間係数
無線フレーム数で表される実際の変更期間=変更期間係数*デフォルトページング周期。n2は2に対応し,n4は4に対応し,n8は8に対応し,n16は16に対応する。
)

上記引用例7の記載によると,各端末共通に用いられる無線リソース設定共通情報要素である変更期間係数の値は,2,4,8,16の何れかの値であるから,ページング周期は,変更期間より小さい期間であることは明らかである。
したがって,次の事項は,3GPP標準規格で規定された技術常識であると認められる。

(1)「変更期間は,変更期間係数とページング周期とを乗算した期間である。」
(2)「ページング周期は,変更期間より小さい期間である。」


第5 引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「既存の端末機」及び「マシンタイプ通信端末機」は,「ユーザ装置」に含まれることは明らかであり,「第一のユーザ装置」及び「第二のユーザ装置」と称することは任意である。そうすると,引用発明の「既存の端末機」及び「マシンタイプ通信端末機」は,本願発明の「第一のユーザ装置」及び「第二のユーザ装置」に含まれるものである。

(2)引用発明の基地局は,既存の端末機及びマシンタイプ通信端末機にシステム情報を取得させる装置を構成していることは明らかであるから,引用発明の基地局内のシステム情報を取得させる装置は,本願発明の「基地局に構成され,ユーザ装置にシステム情報を取得させる装置」に相当する。

(3)引用発明において,ページングメッセージに設定される「既存の端末機のIMSI」,「特定の値のIMSI」は,既存の端末機,あるいはマシンタイプ通信端末機を識別するためのものであるから,本願発明の「指示子」に含まれるといえる。そして「既存の端末機のIMSI」と「特定の値のIMSI」とは,本願発明の「第一のユーザ装置であることを示す第一の指示子」と「第二のユーザ装置であることを示す第二の指示子」に相当する。
そして,引用発明の「手段」は,本願発明の「ユニット」に相当することは明らかであるから,引用発明の「既存の端末機へのページングメッセージに対して当該端末機のIMSIを設定し,マシンタイプ通信端末機へのページングメッセージに対して特定の値のIMSIを設定する手段」は,本願発明の「システム情報の更新を指示するための指示子を設定する指示子設定ユニットであって,システム情報の第一の変更周期より小さいページング周期が構成されている第一のユーザ装置であることを示す第一の指示子と,システム情報の前記第一の変更周期より大きいページング周期が構成されている第二のユーザ装置であることを示す第二の指示子と,を設定する指示子設定ユニット」と,「指示子を設定する指示子設定ユニットであって,第一のユーザ装置であることを示す第一の指示子と,第二のユーザ装置であることを示す第二の指示子と,を設定する指示子設定ユニット」である点で共通する。

(4)引用発明の「ページングメッセージを送信する手段」は,既存の端末機及び/又はマシンタイプ通信端末機に「既存の端末機のIMSI」及び/又は「特定の値のIMSI」を含むページングメッセージを送信するものであるから,既存の端末機及び/又はマシンタイプ通信端末機に指示子を送信するものであるといえる。
そうすると,引用発明の「ページングメッセージを送信する手段」は,本願発明の「前記第一のユーザ装置及び/又は前記第二のユーザ装置に前記指示子を送信する指示子送信ユニットであって,前記第一のユーザ装置に,前記第一の指示子と前記第一の変更周期に基づいて更新のためのシステム情報を取得させ,前記第二のユーザ装置に,前記第二の指示子と前記第一の変更周期より大きい第二の変更周期に基づいて更新のためのシステム情報を取得させる,指示子送信ユニット」と,「前記第一のユーザ装置及び/又は前記第二のユーザ装置に前記指示子を送信する指示子送信ユニット」である点で共通する。

したがって,本願発明と引用発明とは,両者は,以下の点で一致し,また,相違している。

[一致点]
「 基地局に構成(configure)されユーザ装置にシステム情報を取得させる装置であって,
指示子を設定する指示子設定ユニットであって,第一のユーザ装置であることを示す第一の指示子と,第二のユーザ装置であることを示す第二の指示子と,を設定する指示子設定ユニット;及び
前記第一のユーザ装置及び/又は前記第二のユーザ装置に前記指示子を送信する指示子送信ユニットを含む,装置。」

[相違点1]
一致点の「指示子」について,本願発明では「システム情報の更新を指示するための指示子」であるのに対して,引用発明では「IMSI」に対して,当該事項が特定されていない点。

[相違点2]
一致点の「第一のユーザ装置」と「第二のユーザ装置」とについて,本願発明では「システム情報の第一の変更周期より小さいページング周期が構成されている第一のユーザ装置」と「システム情報の前記第一の変更周期より大きいページング周期が構成されている第二のユーザ装置」であるのに対して,引用発明では,「既存の端末機」と「マシンタイプ通信端末機」に対して当該事項が特定されていない点。

[相違点3]
本願発明では,ユーザ装置に,指示子と変更周期に基づいて,更新のためのシステム情報を取得させるためものであるのに対して,引用発明では,端末機に,システム情報を取得させるが,当該事項が特定されていない点。

[相違点4]
本願発明では,第二のユーザ装置のシステム情報の変更周期は,第一のユーザ装置の「第一の変更周期より大きい第二の変更周期」であるのに対して,引用発明では,マシンタイプ通信端末機の変更周期に対して,当該事項が特定されていない点。


第6 判断
以下,相違点について検討する。

1 相違点1,3について
基地局は,特定の端末機にページングメッセージを送信することで,システム情報の更新を指示し,変更期間に基づいて当該システム情報を取得させることが,当業者の常套手段であるから,引用発明の「既存の端末機へのページングメッセージに対して当該端末機のIMSIを設定し,マシンタイプ通信端末機へのページングメッセージに対して特定の値のIMSIを設定する手段」における「IMSI」は,「システム情報の更新を指示するための指示子」として用いられることに格別の困難性はなく,当業者が適宜なし得ることである。
また,基地局は,特定の端末機のIMSIを含むページングメッセージを用いて,前記特定の端末機に対してシステム情報の更新を指示することが,当業者の常套手段であるから,引用発明において,既存の端末機に「既存の端末機のIMSI」を含むページングメッセージを送信することは,「既存の端末機のIMSI」と既存の端末機のシステム情報の変更期間とに基づいて,既存の端末機に更新したシステム情報を取得させるためのものであること,及び,マシンタイプ通信端末機に「特定の値のIMSI」を含むページングメッセージを送信することは,「特定の値のIMSI」とマシンタイプ通信端末機のシステム情報の変更期間とに基づいて,マシンタイプ通信端末機に更新したシステム情報を取得させるためのものであるといえる。
そうすると,引用発明において,ユーザ装置に,指示子と変更周期に基づいて,更新のためのシステム情報を取得させるためのものとすることに,格別の困難は認められない。

2 相違点2について
上記「第4 2(2)」のとおり,ページング周期は,変更期間より小さい期間であることが技術常識であるから,引用発明の既存の端末機のページング周期を,既存の端末機の変更周期よりも小さい期間とすることは,当業者が適宜なし得ることである。
そして,引用発明のマシンタイプ通信端末機のページング周期は,既存の端末機のページング周期よりも大きな期間であるところ,どの程度大きくするかは,当業者が実施の際に適宜決定すべき事項であるから,引用発明の「マシンタイプ通信端末機」を,「システム情報の前記第一の変更周期より大きいページング周期が構成されている第二のユーザ装置」とすることは,当業者が実施の際に適宜決定すべき事項である。
そうすると,引用発明の「既存の端末機」と「マシンタイプ通信端末機」とを,「システム情報の第一の変更周期より小さいページング周期が構成されている第一のユーザ装置」と「システム情報の前記第一の変更周期より大きいページング周期が構成されている第二のユーザ装置」とすることに,格別の困難は認められない。

3 相違点4について
上記「第4 2(1)」のとおり,システム情報の変更期間は,変更期間係数とページング周期とを乗算した期間であることが技術常識であるため,システム情報の変更期間は,ページング周期の大きさに比例するものであるといえるところ,引用発明のマシンタイプ通信端末機のページング周期は,既存の端末機のページング周期よりも大きな期間で構成されるから,マシンタイプ通信端末機のシステム情報の変更期間は,既存の端末機のシステム情報の変更期間よりも大きな期間で構成されることは明らかであるから,実質的な相違点ではなく,また,当業者にとって適宜なし得ることである。

そして,本願発明の作用効果も,引用発明に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別なものではない。
したがって,本願発明は,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。


第7 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用例2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に想到できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
したがって,本願は,他の請求項について検討するまでもなく,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-09-13 
結審通知日 2019-09-17 
審決日 2019-09-30 
出願番号 特願2016-550906(P2016-550906)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 相澤 祐介  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 本郷 彰
脇岡 剛
発明の名称 システム情報取得方法、装置及びシステム  
代理人 大竹 裕明  
代理人 平川 明  
代理人 高田 大輔  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ