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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  A61B
審判 査定不服 5項独立特許用件 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  A61B
管理番号 1357368
審判番号 不服2018-12945  
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-28 
確定日 2019-12-23 
事件の表示 特願2015-526713「医学的手技を実施するためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月13日国際公開、WO2014/026028、平成27年 8月27日国内公表、特表2015-524710、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)8月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年(平成24年)8月10日、2013年(平成25年)2月26日、2013年(平成25年)3月15日、米国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
平成27年 3月24日 :翻訳文の提出
平成27年 4月10日 :手続補正書の提出
平成28年 8月 5日 :手続補正書の提出
平成29年 5月11日付け:拒絶理由通知書の通知(以下「最初の拒絶理由通知」という。)
平成29年10月11日 :意見書及び手続補正書の提出
平成29年11月 7日付け:拒絶理由通知書(最後)の通知(以下「最後の拒絶理由通知」という。)
平成30年 5月11日 :意見書及び手続補正書の提出
平成30年 5月23日付け:補正の却下の決定
平成30年 5月23日付け:拒絶査定
平成30年 9月28日 :審判請求書の提出


第2 平成30年5月23日付けの補正の却下の決定について
請求人は、審判請求書の請求書の趣旨において「原査定を取り消す。本願は特許すべきものであるとの審決を求める。」とし、その請求の理由の「(4)むすび」において「原査定を取り消す、平成30年05月11日付けの補正書にて行われた補正は適法であり、当該補正書により補正された請求項に係る発明は、特許性についての審査が行われるべきものとする、との審決を求める。」と主張している。そこで、平成30年5月23日付けの補正の却下の決定の当否について検討する。

[補正の却下の決定の結論]
平成30年5月23日付け補正の却下の決定を取り消す。

[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
最後の拒絶理由通知の後の平成30年5月11日の手続補正により補正(以下「本件補正」という。)された特許請求の範囲は、次のとおりである(下線は、補正箇所を明確にするため、当審が付与したものである)。
「 【請求項1】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、膨張された場合に、球状部と尾部とを備え、前記尾部の内径に対する前記球状部の外表面の最大直径の比が、6:1と20:1との間であり、
前記尾部は前記球状部へと延びた反転管状尾部であり、前記尾部は開口で途切れており、弁が前記尾部の内径に取り付けられており、前記弁は、前記膨張可能なセル内へとまたはセル外へと流れる流体の流れを調節するように構成されており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有し、該壁厚さの増加は、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させるように構成されており、
前記医療装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーをさらに備えている医療装置。
【請求項2】
前記バルーン厚さの周方向の増加は、前記尾部の直径の1倍を超え、前記尾部近傍の前記球状部の壁厚さは、1.91ミリメートル(0.075インチ)未満である、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記バルーン厚さの周方向の増加は、前記尾部の直径の2倍を超える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記尾部の壁厚さは、前記球状部の壁厚さの少なくとも1.5倍である、請求項1?3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記球状部は、前記尾部の反対側の前記球状部に配置された保持特徴部を具備している、請求項1?4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記球状部は、その外表面に継ぎ目が無い、請求項1?5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記尾部に対する前記球状部の直径の比が8:1より大きい、請求項1?6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記膨張可能なセルは、約0.0001インチと約0.25インチとの間、または、約0.0003インチと約0.005インチとの間の壁厚を備える、請求項1?7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記膨張可能なセルは、約0.1ccと約500ccとの間、もしくは、約1ccと約180ccとの間、または、約10ccと約60ccとの間、または約18ml、または約30mlの初期容積を備える、請求項1?8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
気体を含む膨張媒体をさらに備える、請求項1?9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記膨張媒体は液体をさらに備える、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
請求項1?11のいずれか一項に記載の医療装置を製造するための方法であって、該方法は、
一対の開口端を備えたエラストマー材料の押出管を含んだ管状部材を提供するステップと、
端を閉止して、閉じた端を備えた管を形成するステップと、
前記管を膨張させて、前記球状部および前記尾部を形成するステップと、
弁を前記尾部に挿入するステップと、
前記弁を前記尾部の近位セクションに結合するステップと、
前記弁と前記尾部との組合せを、前記球状部へと反転させるステップと、
を含み、
前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加である、前記尾部の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させている方法。
【請求項13】
埋め込み可能で膨張可能なセルを具備した、請求項1?11のいずれか一項に記載の医療装置を製造するための方法であって、前記膨張可能なセルは、膨張された場合に、球状部と尾部とを具備しており、前記尾部は前記球状部へと延びた反転管状尾部であり、前記尾部は開口で途切れており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させており、前記方法は、 一対の開口端を備えたエラストマー材料の押出管を含んだ管状部材を提供するステップと、
端を閉止して、閉じた端を備えた管を形成するステップと、
前記管を膨張させて、前記球状部および前記尾部を形成するステップと、
弁を前記尾部に挿入するステップと、
前記弁を前記尾部の近位セクションに結合するステップと、
前記弁と前記尾部との組合せを、前記球状部へと反転させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項14】
圧力減衰装置であって、
膨張可能なセルであって、該膨張可能なセルは開口を備え、前記膨張可能なセルには継ぎ目が無く、前記膨張可能なセルは球状部と反転管状尾部とを備え、前記反転管状尾部は前記球状部へと延びて、前記開口で途切れており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させた、膨張可能なセルと、
該膨張可能なセルの前記開口に装着された流体弁と、
を具備し、
前記圧力減衰装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記圧力減衰装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記圧力減衰装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーをさらに備えている圧力減衰装置。
【請求項15】
前記膨張可能なセルは、膨張された場合に概して球形となる、請求項14に記載の圧力減衰装置。
【請求項16】
前記膨張可能なセルは、前記バルーンの球状部に形成された一体保持部材をさらに具備している、請求項14または15に記載の圧力減衰装置。
【請求項17】
前記球状部と前記反転管状尾部との境界面は、直径を有する入口ポートを形成し、前記膨張可能なセルが完全に拡張された場合、前記球状部は前記入口ポートの前記直径の約6?10倍である直径を有する、請求項14?16のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項18】
前記流体弁は、近位部、中間部、および遠位部を具備し、前記中間部は形状が概して円筒形であり、前記遠位部は概して平らである、請求項14?17のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項19】
前記中間部は、前記近位部に対して内径および外径が縮小されている、請求項14?18のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項20】
前記遠位部はダックビル弁を具備している、請求項14?19のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項21】
前記流体弁は、一対の両側に沿って熱融着された2つの整合する平らな材料シートによって形成されている、請求項14?20のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
最初の拒絶理由通知の後の本件補正前の平成29年10月11日の手続補正により補正された特許請求の範囲は、次のとおりである。
「 【請求項1】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、膨張された場合に、球状部と尾部とを備え、前記尾部の内径に対する前記球状部の外表面の最大直径の比が、6:1と20:1との間であり、
前記尾部は前記球状部へと延びた反転管状尾部であり、前記尾部は開口で途切れており、弁が前記尾部の内径に取り付けられており、前記弁は、前記膨張可能なセル内へとまたはセル外へと流れる流体の流れを調節するように構成されており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有し、該壁厚さの増加は、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させるように構成されている医療装置。
【請求項2】
前記バルーン厚さの周方向の増加は、前記尾部の直径の1倍を超え、前記尾部近傍の前記球状部の壁厚さは、1.91ミリメートル(0.075インチ)未満である、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記バルーン厚さの周方向の増加は、前記尾部の直径の2倍を超える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記尾部の壁厚さは、前記球状部の壁厚さの少なくとも1.5倍である、請求項1?3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記球状部は、前記尾部の反対側の前記球状部に配置された保持特徴部を具備している、請求項1?4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記球状部は、その外表面に継ぎ目が無い、請求項1?5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記尾部に対する前記球状部の直径の比が8:1より大きい、請求項1?6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記膨張可能なセルは、約0.0001インチと約0.25インチとの間、または、約0.0003インチと約0.005インチとの間の壁厚を備える、請求項1?7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記膨張可能なセルは、約0.1ccと約500ccとの間、もしくは、約1ccと約180ccとの間、または、約10ccと約60ccとの間、または約18ml、または約30mlの初期容積を備える、請求項1?8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
気体を含む膨張媒体をさらに備える、請求項1?9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記膨張媒体は液体をさらに備える、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
請求項1?11のいずれか一項に記載の医療装置を製造するための方法であって、該方法は、
一対の開口端を備えたエラストマー材料の押出管を含んだ管状部材を提供するステップと、
端を閉止して、閉じた端を備えた管を形成するステップと、
前記管を膨張させて、前記球状部および前記尾部を形成するステップと、
弁を前記尾部に挿入するステップと、
前記弁を前記尾部の近位セクションに結合するステップと、
前記弁と前記尾部との組合せを、前記球状部へと反転させるステップと、
を含み、
前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加である、前記尾部の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させている方法。
【請求項13】
埋め込み可能で膨張可能なセルを具備した医療装置を製造するための方法であって、前記膨張可能なセルは、膨張された場合に、球状部と尾部とを具備しており、前記尾部は前記球状部へと延びた反転管状尾部であり、前記尾部は開口で途切れており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させており、前記方法は、
一対の開口端を備えたエラストマー材料の押出管を含んだ管状部材を提供するステップと、
端を閉止して、閉じた端を備えた管を形成するステップと、
前記管を膨張させて、前記球状部および前記尾部を形成するステップと、
弁を前記尾部に挿入するステップと、
前記弁を前記尾部の近位セクションに結合するステップと、
前記弁と前記尾部との組合せを、前記球状部へと反転させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項14】
圧力減衰装置であって、
膨張可能なセルであって、該膨張可能なセルは開口を備え、前記膨張可能なセルには継ぎ目が無く、前記膨張可能なセルは球状部と反転管状尾部とを備え、前記反転管状尾部は前記球状部へと延びて、前記開口で途切れており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させた、膨張可能なセルと、
該膨張可能なセルの前記開口に装着された流体弁と、
を具備している圧力減衰装置。
【請求項15】
前記膨張可能なセルは、膨張された場合に概して球形となる、請求項14に記載の圧力減衰装置。
【請求項16】
前記膨張可能なセルは、前記バルーンの球状部に形成された一体保持部材をさらに具備している、請求項14または15に記載の圧力減衰装置。
【請求項17】
前記球状部と前記反転管状尾部との境界面は、直径を有する入口ポートを形成し、前記膨張可能なセルが完全に拡張された場合、前記球状部は前記入口ポートの前記直径の約6?10倍である直径を有する、請求項14?16のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項18】
前記流体弁は、近位部、中間部、および遠位部を具備し、前記中間部は形状が概して円筒形であり、前記遠位部は概して平らである、請求項14?17のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項19】
前記中間部は、前記近位部に対して内径および外径が縮小されている、請求項14?18のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項20】
前記遠位部はダックビル弁を具備している、請求項14?19のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。
【請求項21】
前記流体弁は、一対の両側に沿って熱融着された2つの整合する平らな材料シートによって形成されている、請求項14?20のいずれか一項に記載の圧力減衰装置。」

(3)最初の拒絶理由通知の前の特許請求の範囲の記載
最初の拒絶理由通知の前の平成28年8月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
医療装置を患者の内部の解剖学的構造物へと送達するのに使用するための送達装置であって、
(a)通路および窓を備えるカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は、前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルと、
(b)前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーと、
を備える送達装置。
【請求項2】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルの外表面の95%超が連続的な弓状になっており、前記膨張可能なセルの表面積の5%未満が連続的な弓状になっていない医療装置。
【請求項3】
前記膨張可能なセルの表面積の3%未満が連続的な弓状になっていない、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記膨張可能なセルの表面積の1%未満が連続的な弓状になっていない、請求項2に記載の医療装置。
【請求項5】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルの外表面に関して、非弓状の表面積に対する連続的な弓状の表面積の比が、100:1と1500:1との間である医療装置。
【請求項6】
前記膨張可能なセルの外表面に関して、非弓状の表面積に対する連続的な弓状の表面積の比が、400:1と600:1との間である、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは球状部と尾部とを備え、前記尾部の内径に対する前記球状部の外表面の最大直径の比が、6:1と20:1との間である医療装置。
【請求項8】
前記尾部に対する前記球状部の直径の比が8:1より大きい、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
弁が前記尾部の内径に取り付けられる、請求項7または8に記載の医療装置。
【請求項10】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルの破裂力が、力が0.575インチの直径の孔を備える固定具内で前記膨張可能なセルに加えられたとき、3ポンドより大きく、前記膨張可能なセルは、前記力が加えられたとき、前記孔を通じて前記固定具の外へと拡張できるように柔軟である医療装置。
【請求項11】
前記膨張可能なセルは4.9ポンドより大きい破裂力を備える、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記膨張可能なセルは7ポンドより大きい破裂力を備える、請求項10に記載の医療装置。
【請求項13】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、孔を備える固定具内で前記膨張可能なセルに力が加えられたとき4.25ポンドの圧力で0.575インチの直径の前記孔を通じて10ミリメートル未満で変形し、前記膨張可能なセルは、前記力が加えられたとき、前記孔を通じて前記固定具の外へと拡張できるように柔軟である医療装置。
【請求項14】
前記膨張可能なセルは8ミリメートル未満で変形する、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記膨張可能なセルは6ミリメートル未満で変形する、請求項13に記載の医療装置。
【請求項16】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、ゼロの圧力におけるセルの容積から内圧が30cmH2Oだけ増加したとき、容積が少なくとも10%、しかし80%未満で増加する医療装置。
【請求項17】
埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、ゼロの圧力におけるセルの容積から内圧が15cmH2Oだけ増加したとき、容積が少なくとも5%、しかし80%未満で増加する医療装置。
【請求項18】
前記膨張可能なセルは、ゼロの圧力におけるセルの容積から容積が少なくとも15%だけ増加する、請求項16または17に記載の医療装置。
【請求項19】
前記容積の増加は、ゼロの圧力におけるセルの容積から50%未満である、請求項16から18のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項20】
前記膨張可能なセルは、約0.0001インチと約0.25インチとの間、または、約0.0003インチと約0.005インチとの間の壁厚を備える、請求項2から19のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項21】
前記膨張可能なセルは、シリコーン、ポリウレタン、estaneポリウレタン、およびpellethaneポリウレタンのうちの1つまたは複数から作られる、請求項2から20のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項22】
前記膨張可能なセルは、約0.1ccと約500ccとの間、もしくは、約1ccと約180ccとの間、または、約10ccと約60ccとの間、または約18ml、または約30mlの初期容積を備える、請求項2から21のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項23】
気体を含む膨張媒体をさらに備える、請求項2から22のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項24】
前記膨張媒体は液体をさらに備える、請求項23に記載の医療装置。」

(4)補正事項
上記(1)及び(2)から、本件補正は、以下の補正事項からなるものである。
ア 補正事項1
本件補正前の請求項1に記載された「医療装置」について、「前記医療装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーをさらに備えている」と限定する。

イ 補正事項2
本件補正前の請求項13に記載された「医療装置」について、「請求項1?11のいずれか一項に記載の医療装置」と限定する。

ウ 補正事項3
本件補正前の請求項14に記載された「圧力減衰装置」について、「前記圧力減衰装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記圧力減衰装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記圧力減衰装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーをさらに備えている」と限定する。

2 最初の拒絶理由通知に記載した理由の概要
最初の拒絶理由通知に記載した理由の概要は、次のとおりである。(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)
「1.(単一性)この出願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(特許法第37条)について
1.特別な技術的特徴に基づく審査対象の決定
請求項1に係る発明に特別な技術的特徴が発見された。
一方、請求項2-9,10-12,13-24に係る発明は、請求項1に係る発明と、共通の技術的特徴を有しておらず、請求項1に係る発明と、請求項2-9,10-12,13-24に係る発明との間に、同一の又は対応する特別な技術的特徴は存在しない。

2.審査の効率性に基づく審査対象の決定
請求項2-9,10-12,13-24に係る発明は、請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明ではない。そして、請求項2-9,10-12,13-24に係る発明は、審査対象とされた発明を審査した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審査を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審査を行うことが効率的であるといえる他の事情も無い。

したがって、請求項2-24に係る発明は、特許法第37条以外の要件についての審査対象としない。

●理由2(特許法第29条第2項)について
・請求項 1
・引用文献等 1、2
・備考
引用文献1(段落0173,第10図等参照)医療装置を患者の内部の解剖学的構造物へと送達するのに使用するための送達装置であって、通路および窓を備えるカテーテルであって、通路は医療装置を受け入れる寸法とされ、窓は、通路と連通し、自身を通じて医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルと、窓を選択的に覆うおよび曝露するために、カテーテルに装着されるカバーと、を備える送達装置の発明において、引用文献2(段落0071-0074,第5,6図等参照)に記載されたように、カテーテルに装着されるカバーをスライド可能に装着することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

<引用文献等一覧>
1.米国特許出願公開第2010/0222802号明細書
2.特開平8-252321号公報」

3 最後の拒絶理由通知に記載した理由の概要
最後の拒絶理由通知に記載した理由の概要は、次のとおりである。
「(発明の特別な技術的特徴を変更する補正)平成29年10月11日付け手続補正書でした補正は、その補正後の下記の請求項に係る発明が下記の点で、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではないから、同法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。



●理由(特許法第17条の2第4項)について
1.特別な技術的特徴に基づく審査対象の決定
平成29年5月11日付け拒絶理由通知書においては、補正前の請求項1に係る発明に特別な技術的特徴が発見されたのに対し、補正前の請求項2-9,10-12,13-24に係る発明は、請求項1に係る発明と、共通の技術的特徴を有しておらず、請求項1に係る発明と、請求項2-9,10-12,13-24に係る発明との間に、同一の又は対応する特別な技術的特徴は存在しないことが記載されている。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項7に基づくものであるから、補正後の請求項1及びその従属項たる請求項2-11に係る発明は、補正前の請求項1の特別な技術的特徴と同一の又は対応する特別な技術的特徴を有する発明ではない。
なお、出願人は平成29年10月11日付け提出の意見書において、補正前の請求項1に係る発明の送達装置は、補正後の請求項1-11に係る発明の医療装置を送達するものであり、この点において、補正後の請求項1に係る発明は補正前の請求項1に係る発明と対応する技術的特徴を有する旨主張しているが、補正前の請求項1に係る発明における送達装置の構成と、補正後の請求項1に係る発明における医療装置とにおいて、相補的に関連し特別な技術的特徴を有する具体的な構成は見出せないから、補正後の請求項1及びその従属項たる請求項2-11に係る発明は、補正前の請求項1の特別な技術的特徴と同一の又は対応する特別な技術的特徴を有する発明ではない。

2.審査の効率性に基づく審査対象の決定
請求項1-11に係る発明、請求項12-21に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明ではない。そして、請求項1-11に係る発明、請求項12-21に係る発明は、審査対象とされた発明を審査した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審査を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審査を行うことが効率的であるといえる他の事情も無い。

したがって、請求項1-21に係る発明は、特許法第17条の2第4項以外の要件についての審査対象としない。」

4 平成30年5月23日付け補正の却下の決定の概要
平成30年5月23日付け補正の却下の決定の概要は、次のとおりである。
(1)本件補正後の請求項1?21に係る発明において、医療装置または圧力減衰装置を送達する送達装置について、最初の拒絶理由通知に対する本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項により特定する点は、医療装置または圧力減衰装置自体の構成を特定するための意味を何ら有しないものであるから、本件補正後の請求項1?21に係る発明は、最初の拒絶理由通知の前の請求項1に係る発明の特別な技術的特徴と実質的に同一の又は対応する特別な技術的特徴を有する発明とはいえない。
したがって、本件補正は、最初の拒絶理由通知の前の請求項1に係る発明に対して、発明の特別な技術的特徴を変更する補正であるから、特許法第17条の2第4項以外の要件の審査対象とならない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(2)本件補正は、本件補正前の請求項1?21に係る発明に対して、「医療装置」または「圧力減衰装置」に関し、「患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されて」いるという点を付加することにより特許請求の範囲を減縮するとともに、「送達装置」の具体的な構成について特定しようとするものである。
しかしながら、「医療装置」または「圧力減衰装置」が「患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されて」いる点を付加することは、本件補正前の請求項1?21に係る発明における「医療装置」または「圧力減衰装置」に関する発明特定事項(例えば、「球状部」、「尾部」等)のいずれかを、概念的により下位の発明特定事項とするものであるとはいえない。
そして、「送達装置」の具体的な構成について特定することも、「医療装置」または「圧力減衰装置」に関する発明特定事項のいずれかを、概念的により下位の発明特定事項とするものであるとはいえない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。

5 本件補正の却下の決定の当否についての検討
(1)発明の特別な技術的特徴を変更する補正であるか否かの検討
ア 特許法第17条の2第4項は、次の(ア)及び(イ)の発明の間で、同法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならないと規定する。
(ア)補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明
(イ)その後の補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明
そして、「特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明」とは、新規性進歩性等の特許要件についての判断が示された発明をいう。(特許法逐条解説第20版を参照。)
まず、本件補正前に受けた最後の拒絶理由通知の前の平成29年10月11日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の各請求項に記載された発明は、上記1(2)のとおりのものであり、上記3のとおり、最後の拒絶理由通知において「請求項1-21に係る発明は、特許法第17条の2第4項以外の要件についての審査対象としない。」と記載されているように、新規性進歩性等の特許要件についての判断が示されていないことから、上記(ア)の発明には該当しない。
次に、本件補正前に受けた最初の拒絶理由通知の前の平成28年8月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の各請求項に記載された発明は、上記1(3)のとおりのものであるが、上記2のとおり、最初の拒絶理由通知において同請求項1に係る発明についてのみ進歩性の特許要件についての判断が示されていることから、同請求項1に係る発明のみが上記(ア)の発明に該当する。
そして、本件補正後の請求項1?21に係る発明は、上記1(1)のとおりのものであり、上記(イ)の発明に該当する。

イ そこで、最初の拒絶理由通知の前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1?21に係る発明について、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たすか否かについて検討する。
(ア)発明の特別な技術的特徴について
最初の拒絶理由通知で認定されたとおり、最初の拒絶理由通知の前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の特別な技術的特徴(以下「本件技術的特徴」という。)は、次のとおりのものである。
「医療装置を患者の内部の解剖学的構造物へと送達するのに使用するための送達装置であって、
(a)通路および窓を備えるカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は、前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルと、
(b)前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーと、
を備える送達装置。」

(イ)本件補正後の請求項1?21に係る発明
本件補正後の請求項1?21に係る発明は、上記1(1)のとおりのものである。

(ウ)判断
本件補正後の請求項1?21に係る発明は、本件技術的特徴のすべてを有する構成となっていることから、本件技術的特徴と同一の特別な技術的特徴を有するものであるといえる。
よって、最初の拒絶理由通知の前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1?21に係る発明について、特許法37条の発明の単一性の要件を満たすといえる。

ウ 小括
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定する要件を満たしている。

(2)補正の目的
補正事項1及び補正事項3は、本件補正前の請求項1に記載された「医療装置」及び請求項14に記載された「圧力減衰装置」について、それぞれ「患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成され」ると特定するとともに、さらに「送達装置」について「通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、前記カテーテルにわたってスライド可能に装着されるカバーをさらに備えている」と特定するものである。また、補正事項2は、本件補正前の請求項13に記載された「医療装置」について、「請求項1?11のいずれか一項に記載の医療装置」と特定するものである。
してみると、本件補正は、本件補正前の請求項1、請求項14及びこれらの請求項を引用するすべての請求項、つまり、請求項1?21に記載された発明特定事項を特定するものであるといえ、そして、本件補正前の請求項1?21に記載された発明と本件補正後の請求項1?21に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(3)独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1?21に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか否か)について検討する。
ア 本件補正発明
本件補正後の請求項1?21に係る発明(以下「本件補正発明1?21」といい、本件補正後の請求項1に係る発明を個別に「本件補正発明1」などという。)は、上記「1(1)」に記載したとおりのものである。

イ 引用文献の記載事項と引用発明
(ア)最初の拒絶理由通知で引用された本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、米国特許出願公開第2010/0222802号明細書(2010年(平成22年)9月2日出願公開、以下「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(日本語訳は、当審が付与したものである。)
あ 「[0127]Referring to FIGS. 5 and 5A , one embodiment of attenuation device 66 is illustrated which comprises a movable wall such as on an inflatable container 68 . The inflatable container 68 is illustrated as having a generally circular profile, although other profiles may be utilized. 」(図5及び5Aを参照すると、減衰装置66の一つの具体例が示されており、減衰装置66は膨張可能な容器68が有するような可動の壁部で構成されている。当該膨張可能な容器68は、他のどのような形が利用されてもよいが、概ね円形を有するとして示されている。)
い 「[0128]・・・(中略)・・・Seam 78 may be accomplished in any of a variety of manners known in the medical device bonding arts, such as heat bonding, adhesive bonding, solvent bonding, RF or laser welding, or others known in the art.」(・・・(中略)・・・シーム78は、医療機器の接着技術として知られている、熱接着、接着剤による接着、溶剤接着、電磁波又はレーザー溶着、その他の当該技術分野で知られているものなど、あらゆる手段を採用することができる。)
う 「[0131]To facilitate filling the interior cavity 72 following placement of the attenuation device 66 within the bladder, the inflatable container 68 is preferably provided with a valve 80 . In the illustrated embodiment, valve 80 is positioned across the seam 78 , and may be held in place by the same bonding techniques utilized to form the seam 78 . 」(減衰装置66の膀胱内への設置に続いて、その内部空間部72を充填するため、膨張可能な容器68は好ましくはバルブ80を備えている。示された具体例では、バルブ80はシーム78を横切るように位置づけられており、シーム78を形成するために使用されたのと同じ接着技術によってその場所に保持されている。)
え 「[0133]Thus, the closure member 84 is preferably movable between a first orientation in which it obstructs effluent flow through the flow path 83 and a second position in which it permits influent flow through the flow path 83 . Preferably, the closure member 84 is biased in the first direction. 」(このように、閉鎖部材84は好ましくは流路83での流体排出を遮る第1の指向と、流路83での流体流入を許容する第2の指向との間で可動となっている。好ましくは、閉鎖部材84は第1の方向に偏っている。)
お 「[0164]With reference to the embodiment illustrated in FIGS. 7A and 7B , a delivery system 40 for delivering an implant 66 into the bladder is shown. The implant 66 can be an attenuation device to attenuate pressure waves in the bladder. The delivery system 40 shown comprises an attenuation device containment tube 386 , an inflation tube 382 and an atraumatic tip 378 . The attenuation device containment tube 386 is a simple open-ended cylinder. The attenuation device 66 is folded as described previously and inserted into the containment tube 386 . An open end of the containment tube 386 would present a potentially traumatic edge to the urethra. In order to prevent such trauma, the open end of the containment tube 386 in this instance has a rounded atraumatic tip 378 . This tip 378 contains slits 388 which, on sliding the inflation tube 382 and attenuation device 380 forward allows the tip 378 to open and deploys the attenuation device 66 from the containment tube 386 into the bladder.」(図7A及び7Bに示された具体例から参照されるように、インプラント66を膀胱内に送達する送達システム40が示されている。インプラント66は、膀胱内の圧力波を減衰する減衰装置であり得る。示された送達システム40は減衰装置の収容チューブ386、膨張チューブ382及び外傷性先端部378から構成される。減衰装置の収容チューブ386は単純な開口先端部を有する円筒体である。減衰装置66は前述されたように折り畳まれており、収容チューブ386内に挿入されている。収容チューブ386の開口端部は膀胱に潜在的に外傷性を有する刃物として作用するおそれがある。このような外傷を避けるため、例えば、収容チューブ386の開口端部は丸まった非外傷性の先端部378を有する。この先端部378はスリット388を有し、このスリット388によって、膨張チューブ382及び減衰装置380を前方へと送り出すことで先端部378は開口し、減衰装置66を収容チューブ386から膀胱内へと展開させる。)
か 「[0173]In FIGS. 10A-G and 11 A-C, other examples of portions of transurethral bodies 8 of various delivery instruments 40 are provided. In FIG. 10A , a transurethral body 8 comprises a tubular, cylindrical, hollow or cannulated member with a lateral opening, window or port 20 and a curved, rounded, or blunt distal tip 16 . The opening 20 ・・・(中略)・・・can further comprise a flap, door or retractable cover 22 ( FIG. 10D ).」(図10A-G及び11A-Gには、さまざまな送達器具40における経尿道本体部8のその他の事例が提供されている。図10Aでは、経尿道本体8が側面に開口部、窓又はポート20と、曲がった、丸まった又は鈍化した先端部16とを設けた管体、円筒体、中空体又はカニューレ様の部材で形成されている。開口部20には、・・・(中略)・・・さらにフラップ、扉又は展開可能なカバー22を形成することができる。(図10D))
き 図5には、バルブ80は膨張可能な容器68に取り付けられた点が示されている。
く 図7A及び7Bには、収容チューブ386から減衰装置66が送達され態様が示されている。
け 図10Aには、経尿道本体8から減衰装置66が送達され態様が示されている。

(イ)上記(ア)あ?けの記載から、引用文献には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
あ [0131]の「膨張可能な容器68は好ましくはバルブ80を備えている」及び[0133]の「閉鎖部材84は好ましくは流路83での流体排出を遮る第1の指向と、流路83での流体流入を許容する第2の指向との間で可動となっている」ことから、バルブ80は容器68内へ又は前記容器外へと流れる流体の流れを調節するように構成されているといえる。
い 図7A、7B、10Aの収容チューブ386及び経尿道本体8から減衰装置66が送達される態様からみて、収容チューブ386は経尿道本体8に対応するものであることは明らかであることを踏まえると、[0164]の「送達システム40は減衰装置の収容チューブ386、膨張チューブ382及び外傷性先端部378から構成される。」、[0173]の「経尿道本体8が側面に開口部、窓又はポート20と、曲がった、丸まった又は鈍化した先端部16とを設けた管体、円筒体、中空体又はカニューレ様の部材で形成されている。」ことから、収容チューブ386(経尿道本体8)は開口部20を備えるとともに、その内部には通路を備えているといえる。
う [0164]の「減衰装置66は前述されたように折り畳まれており、収容チューブ386内に挿入されている。」から、収容チューブ386内の通路は、減衰装置66を受け入れる寸法を有し、収容チューブは、自身を通じて減衰装置66を送り出すための寸法を有するといえる。
え 図5に示されたバルブ80が膨張可能な容器68に取り付けられた点について検討するに、バルブ80が容器68内外の流体の連通を行うものであることを踏まえると、膨張可能な容器68に開口を設け、この開口にバルブ80を取り付けたものといえる。
お [0176]の「開口部20には、・・・(中略)・・・さらにフラップ、扉又は展開可能なカバー22を形成することができる」ことからみて、収容チューブ22、つまり送達システム40は、開口部22を開閉するために、カバー22を備えているといえる。

(ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献には、次の発明が記載されているといえる。
あ 「膀胱に埋め込み可能で膨張可能な容器68で構成されている減衰装置66であって、前記膨張可能な容器68は、膨張された場合に、概ね円形を有し、
バルブ80が前記膨張可能な容器68に取り付けられており、前記バルブ80は、前容器68内へ又は前記容器外へと流れる流体の流れを調節するように構成されており、
前記減衰装置66は、膀胱へと送達システム40により送達されるよう構成されており、前記送達システム40は、通路及び開口部20を備えた収容チューブ386であって、前記通路は前記減衰装置66を受け入れる寸法であり、前記開口部20は前記通路と連通し、自身を通じて前記減衰装置66を送り出すための寸法を有する収容チューブ386を備え、前記開口部22を開閉するために、カバー22を備えているさらに備えている減衰装置。」(以下「引用発明1」という。)
い 「減衰装置66であって、
膨張可能な容器68であって、前記膨張可能な容器は穴部を備え、前記膨張可能な容器68はシーム78が形成され、前記膨張可能な容器68は円形である、膨張可能な容器68と、
前記膨張可能な容器68の前記穴部に取り付けられたバルブ80と、
を具備し、
前記減衰装置66は、膀胱へと送達システム40により送達されるよう構成されており、前記送達システム40は、通路及び開口部20を備えた収容チューブ386であって、前記通路は前記減衰装置66を受け入れる寸法であり、前記開口部20は前記通路と連通し、自身を通じて前記減衰装置66を送り出すための寸法を有する収容チューブ386を備え、前記開口部22を開閉するために、カバー22を備えているさらに備えている減衰装置。」(以下「引用発明2」という。)

ウ 対比・判断
(ア)本件補正発明1?13について
本件補正発明1と引用発明1を対比するに、引用発明1の「膀胱に埋め込み可能」は、その作用及び機能からみて、本件補正発明1の「埋め込み可能」に相当し、以下同様に、「容器68」は「セル」に、「構成されて」は「備え」に、「減衰装置66」は「医療装置」に、「概ね円形を有し」は「球状部を備え」に、「バルブ80」は「弁」に、「膀胱」は「患者の内部の解剖学的構造物」に、「送達システム40」は「送達装置」に、「送達システム40により」は「送達装置を使用して」に、「開口部20」は「窓」に、「収容チューブ386」は「カテーテル」に、「寸法を有する」は「寸法とされる」に、「開閉する」は「選択的に覆うおよび暴露する」に、「カバー22」は「カバー」に、それぞれ相当する。
本件補正発明1の「バルブ80が前記膨張可能な容器68に取り付けられており」と引用発明1の「弁が前記尾部の内径に取り付けられており」とは、尾部が膨張可能なセルの一部を構成するものであることを踏まえると、弁が前記膨張可能なセルに取り付けられている限りにおいて共通する。

してみると、本件補正発明1と引用発明1の一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「埋め込み可能で膨張可能なセルを備える医療装置であって、前記膨張可能なセルは、膨張された場合に、球状部を備え、
弁が前記膨張可能なセルに取り付けられており、前記弁は、前記膨張可能なセル内へとまたはセル外へと流れる流体の流れを調節するように構成されており、
前記医療装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記医療装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記医療装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、カバーをさらに備えている医療装置。」

(相違点1)
膨張可能なセルについて、本件補正発明1では、尾部を備え、前記尾部の内径に対する前記球状部の外表面の最大直径の比が、6:1と20:1との間であり、前記尾部は前記球状部へと延びた反転管状尾部であり、前記尾部は開口で途切れており、弁が前記尾部の内径に取り付けられており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有し、該壁厚さの増加は、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させるように構成されているのに対して、引用発明1では、そのような構成を有していない点。

(相違点2)
カバーについて、本件補正発明1においては、カテーテルにわたってスライド可能に装着されるのに対して、引用発明1においては、そのような構成を有していない点。

上記相違点1について検討するに、上記相違点1に係る本件補正発明1の構成は、引用文献には記載されておらず、さらに、当該構成が自明であるということもできないし、また、当該構成について膀胱内に送達する圧力減衰装置の技術の分野において公知の技術又は周知の技術であるとする証拠もない。
してみると、上記相違点2について検討するまでもなく、本件補正発明1は引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
本件補正発明2?13は、請求項1を引用する請求項2?13に係る発明であることから、同様の理由により、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(イ)本件補正発明14?21について
本件補正発明14と引用発明2を対比するに、引用発明2の「減衰装置66」は、その作用及び機能からみて、本件補正発明14の「圧力減衰装置」に相当し、以下同様に、「容器68」は「セル」に、「円形」は「球状部」に、「取り付けられ」は「装着され」に、「バルブ80」は「流体弁」に、「膀胱」は「患者の内部の解剖学的構造物」に、「送達システム40」は「送達装置」に、「送達システム40により」は「送達装置を使用して」に、「開口部20」は「窓」に、「収容チューブ386」は「カテーテル」に、「送り出す」は「通過させる」に、「寸法を有する」は「寸法とされる」に、「開閉する」は「選択的に覆うおよび曝露する」に、「カバー22」は「カバー」に、それぞれ相当する。
してみると、本件補正発明14と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「圧力減衰装置であって、
膨張可能なセルであって、該膨張可能なセルは開口を備え、前記膨張可能なセルは球状部を備えた、膨張可能なセルと、
該膨張可能なセルの前記開口に装着された流体弁と、
を具備し、
前記圧力減衰装置は、患者の内部の解剖学的構造物へと送達装置を使用して送達されるように構成されており、前記送達装置は、通路および窓を備えたカテーテルであって、前記通路は前記圧力減衰装置を受け入れる寸法とされ、前記窓は前記通路と連通し、自身を通じて前記圧力減衰装置を通過させるための寸法とされるカテーテルを備え、前記送達装置は、前記窓を選択的に覆うおよび曝露するために、カバーをさらに備えている圧力減衰装置。」

(相違点3)
膨張可能なセルについて、本件補正発明14では、継ぎ目が無く、反転管状尾部とを備え、前記反転管状尾部は前記球状部へと延びて、前記開口で途切れており、前記膨張可能なセルの球状部は、バルーン厚さの周方向の増加を含んだ、前記尾部近傍の壁厚さの増加を有して、前記管状尾部の反転の逆転に対する抵抗を増加させたものであるのに対して、引用発明2では、シーム78が形成されており、その余の構成については有していない点。

(相違点4)
カバーについて、本件補正発明14においては、カテーテルにわたってスライド可能に装着されるのに対して、引用発明2においては、そのような構成を有していない点。

上記相違点3について検討するに、上記相違点3に係る本件補正発明14の構成は、引用文献には記載されておらず、さらに、当該構成が自明であるということもできないし、また、当該構成について膀胱内に送達する圧力減衰装置の技術の分野において公知の技術又は周知の技術であるとする証拠もない。
してみると、上記相違点4について検討するまでもなく、本件補正発明14は引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
本件補正発明15?21は、請求項14を引用する請求項15?21に係る発明であることから、同様の理由により、引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(ウ)独立特許要件についての判断
したがって、本件補正発明1?21は、引用発明1又は2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないので、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるということはできず、また、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もない。

6 むすび
以上のとおりであるので、本件補正は特許法第17条の2第3項ないし第6項に規定された要件を満たすものであることから、平成30年5月23日付け補正の却下の決定は取り消すべきものである。


第3 本願発明について
1 本願の請求項1?21に係る発明
以上のとおり、平成30年5月23日付け補正の却下の決定は取り消されたので、本願の請求項1?21に係る発明は、本件補正発明1?21である。

2 原査定の概要
この出願については、最後の拒絶理由通知に記載した理由によって、拒絶すべきものである。

3 最後の拒絶理由通知に記載した理由の概要
最後の拒絶理由通知に記載した理由の概要は、上記第2の[理由]の3のとおりである。

4 判断
上記第2の[理由]の5(1)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていることから、原査定の拒絶の理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。


第4 むすび
原査定の理由によっては、本願を拒絶することができない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-12-09 
出願番号 特願2015-526713(P2015-526713)
審決分類 P 1 8・ 575- WYA (A61B)
P 1 8・ 121- WYA (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中村 一雄  
特許庁審判長 内藤 真徳
特許庁審判官 井上 哲男
芦原 康裕
発明の名称 医学的手技を実施するためのシステム  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
代理人 村山 靖彦  
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