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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61H 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61H 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 A61H 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A61H |
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管理番号 | 1358155 |
審判番号 | 不服2018-15772 |
総通号数 | 242 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-02-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-11-28 |
確定日 | 2019-12-13 |
事件の表示 | 特願2017-18279号「炭酸ガスマイクロバブル発生器」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月18日出願公開、特開2017-80526号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年2月14日(以下「原出願日」という。)に出願された実願2014-715号に係る実用新案登録第3190347号(平成26年4月9日登録)に基づいて、平成29年2月3日に特許出願されたものであって、平成30年1月4日付けで拒絶理由通知がされ、同年3月1日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年3月14日付けで最後の拒絶理由通知がされ、同年5月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月24日付けで同年5月28日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 平成30年11月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成30年11月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(下線は、補正箇所を示す。)。 「【請求項1】 湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出する炭酸ガスマイクロバブル発生器であって、 シャワー機器とホースとの間に配設され、 開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための錠剤収容部が設けられた構成であり、 前記開閉機構が、シャワー機器からなる固定基準体を基準として、360度以内の回動によって開閉可能な構成であり、 少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である炭酸ガスマイクロバブル発生器において、 前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ、 更に、前記錠剤収容部に収容可能なホルダを別途設け、該ホルダに複数の錠剤を収容し、該ホルダを錠剤収容部に収容する構成であり、かつ 収容される炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られた錠剤硬度が15kgf以上又は15HV以上であり、かつ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が15mm以上であって、 前記錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生器内の通水方向と同方向となる構成であって、吐出量を維持しつつ湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤の溶解時間を延ばす構成であると共に、 湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成である、 ことを特徴とする炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、平成30年3月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?2の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出する炭酸ガスマイクロバブル発生器であって、 シャワー機器とホースとの間に配設され、 開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための炭酸入浴錠剤収容部が設けられた構成であり、 前記開閉機構が、シャワー機器からなる固定基準体を基準として、360度以内の回動によって開閉可能な構成であり、 少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である炭酸ガスマイクロバブル発生器において、 前記炭酸入浴剤収容部に収容可能なホルダを有し、該ホルダに複数の錠剤を収容して錠剤収容部に収容する構成であり、かつ 炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉であって、 炭酸入浴錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生器内の通水方向と同方向となる構成であって、吐出量を維持しつつ湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤の溶解時間を延ばす構成であることを特徴とする炭酸ガスマイクロバブル発生器。 【請求項2】 収容される炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られた錠剤硬度が15kgf以上又は15HV以上であり、かつ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が15mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 2 補正の適否 2-1 補正の目的の適否について (1)本件補正は、本件補正前の請求項1の「炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉であって」という記載を削除する補正を含むものである。 (2)該補正で「炭酸入浴錠剤」についての該記載が削除されたために、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、本件補正前の請求項1に係る発明に比べ、「炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉」でない場合すなわち該厚みが該直径と同じまたは該直径より厚い場合を含み得るようになった点で拡張されている。 よって、該補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものでない。また明らかに同第1号の請求項の削除、同第3号の誤記の訂正及び同第4号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもない。 (3)したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定に違反するものでもあるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 2-2 新規事項の追加の有無について 本件補正が同法第17条の2第3項の規定に適合するかについて以下検討する。 (1)本件補正により追加された本願補正発明の「前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ」という構成(以下「構成X」という。)は、請求人が審判請求書で述べているように、願書に最初に添付した明細書(以下「当初明細書」といい、特許請求の範囲及び図面をあわせて「当初明細書等」という。)の段落【0066】の「錠剤収容部11には、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤支持部12が設けられる。」という記載や図1?3,6等に基づくものと理解される。 また本件補正により変更された本願補正発明の「更に、前記錠剤収容部に収容可能なホルダを別途設け、該ホルダに複数の錠剤を収容し、該ホルダを錠剤収容部に収容する構成であり」という構成(以下「構成Y」という。)は、請求人が審判請求書で述べているように、当初明細書の段落【0065】の「尚また、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成とする場合には、錠剤収容部11に複数の錠剤Tを直接収容してもよいし、錠剤収容部11に収容可能なホルダを別途設け、このホルダに複数の錠剤Tを収容し、ホルダを錠剤収容部11に収容する構成としてもよい。」という記載に基づくものと理解される。 しかしながら、本件補正により本願補正発明は、構成Xと構成Yを両立させるものとなり、「錠剤支持部」と「ホルダ」を別の構成として設けた場合を含むことになるが、当初明細書等をみても、そのような場合について記載も示唆もされておらず、技術常識を踏まえてみても当初明細書等から自明な事項とも認められないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新た技術的事項を導入しないものと認めることができない。 よって、本件補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内のものでない。 (2)以下補足する。 ア 構成Yについて、当初明細書等には上記の段落【0065】の記載があるのみであり、該記載及びホルダーの字義が「支えるもの。挟むもの。」(広辞苑第六版)であることから、ホルダは、錠剤収容部11に別途設けられるものであり、また複数の錠剤Tを収容して支えるもの又は挟んで収容するものであり、さらに収容部11に収容されるものと理解される。 イ 一方、構成Xについて、当初明細書等に以下の記載がある。 「【請求項8】 炭酸入浴錠剤収容部が、一対の壁状体又は棒状体からなる錠剤支持部を有する構成であることを特徴とする請求項1?7のいずれかに記載の炭酸ガスマイクロバブル発生器。 【請求項9】 湯水の導入口側及び吐出口側の両方に、通水制限板が設けられ、 吐出口側に設けられた通水制限板に、通水方向に沿って相対向して形成された一対の壁状体からなる錠剤支持部が設けられ、この一対の壁状体内に炭酸入浴錠剤が配置される構成であり、 導入口側に設けられた通水制限板は、前記一対の壁状体の内側を通過する湯水を通す通水孔が設けられると共に、前記一対の壁状体の外側を通過する湯水を通す外側通水孔が設けられた開孔板によって形成された構成であることを特徴とする請求項3?8のいずれかに記載の炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 「【0018】 8.炭酸入浴錠剤収容部が、一対の壁状体又は棒状体からなる錠剤支持部を有する構成であることを特徴とする1?7のいずれかに記載の炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 「【0035】 前記8に示す発明によれば、炭酸入浴錠剤収容部が、一対の壁状体又は棒状体によって形成された錠剤支持部を備えることによって、炭酸入浴錠剤を所定の方向に確実に固定することができ、水流を乱すこともなく、簡単な構造で前記5における効果を確実に得ることができる。 【0036】 前記9に示す発明によれば、炭酸ガスマイクロバブル発生器の導入口側及び吐出口側の両方に、通水制限板が設けられたことにより、この両通水制限板に炭酸入浴錠剤が挟まれて収容される態様となり、該錠剤を炭酸入浴錠剤収容部に止まらせることができる。 また、吐出口側に設けられた通水制限板に、通水方向に沿って相対向して形成された一対の壁状体からなる錠剤支持部が設けられたことにより、炭酸入浴錠剤を所定の方向に支持しつつ、吐出口側に流出することを防ぐこともできる。更に、炭酸入浴錠剤が、この一対の壁状体に挟持される構成により、該錠剤の側面が壁状体に接することで湯水による水流に曝されず、該錠剤の湯水との接触面積を狭くすることができ、錠剤の溶解をより緩慢にすることができる。」 「【0056】 【図1】本発明に係る炭酸ガスマイクロバブル発生器の一実施例を示す分解斜視図 【図2】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第1構成例を示す概略構成図 【図3】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第2構成例を示す概略構成図 【図4】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第3構成例を示す概略構成図 【図5】実施例における導入口側通水制限板を示す概略平面図 【図6】実施例における吐出口側通水制限板及び錠剤支持部を示す概略平面図及び概略側面図 【図7】実施例における錠剤収容部と接続部との係合手段を説明する図」 「【0066】 錠剤収容部11には、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤支持部12が設けられる。図2?図4は、錠剤支持部12の構成例を示す概略構成図であり、図中左列には側面から観察した場合における概略構成図を、右列には左図についての概略断面図をそれぞれ表す。 【0067】 錠剤支持部12は、例えば、図2に示されるように、通水方向Wに沿って形成された一対の棒状体によって設けることができる。この一対の棒状体によって、炭酸入浴錠剤Tを挟持することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。 【0068】 また、例えば、図3に示されるように、通水方向Wに沿って形成された一対の壁状体によって設けることができる。同じく、この一対の壁状体の間に、炭酸入浴錠剤Tを配置することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。 【0069】 更にまた、錠剤支持部12は、例えば、図4に示されるように、後述する通水制限板13の一部に、炭酸入浴錠剤の一部が嵌入される凹部13Cを形成することで設けることもできる。この場合、通水制限板13は炭酸入浴錠剤Tを挟む状態で導入口17側及び吐出口18側の両方に設けられ、両方の又は一方の通水制限板13に設けられた凹部13Cに炭酸入浴錠剤Tを嵌入させ、かつ通水制限板13で炭酸入浴錠剤Tを挟持することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。凹部13Cは、導入口側通水制限板13A又は吐出口側通水制限板13Bのいずれか一方に設けてもよいし、両方に設けてもよい。 【0070】 通水制限板13に設けられた凹部13Cは、図2又は図3に示される棒状体又は壁状体と共に錠剤支持部12を構成してもよいし、単独で錠剤支持部12を構成してもよい。」 「【0073】 通水制限板13は、炭酸入浴錠剤Tの移動を制限する役割も果たし、湯水の導入口17側及び吐出口18側の両方に通水制限板13が設けられた構成によれば、これらの導入口側通水制限板13A及び吐出口側通水制限板13Bに炭酸入浴錠剤Tが挟まれて収容される態様となり、該錠剤Tが水流によって流出することを防ぎ、炭酸入浴錠剤収容部11に止まらせることができる。 【0074】 図1に示されるように、通水制限板13が、湯水の導入口17側及び吐出口18側の両側に設けられる場合には、炭酸入浴錠剤Tを囲い込む構成を採用することができる。また、前記したように、通水制限板13に凹部13Cを設けることで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持・固定することができる。」 「【0079】 マイクロバブル発生器1、特に錠剤収容部11を透明合成樹脂材等の透明性を有する材料で形成することにより、該錠剤支持部11に収容される炭酸入浴錠剤Tが、マイクロバブル発生器1の外部から目視可能な構成とすることもできる。かかる構成によれば、マイクロバブル発生器1に収容された炭酸入浴錠剤Tの有無や溶解の程度を、外部から容易に把握することができる。」 「【0107】 ここで、導入口側通水制限板13Aに設けられた通水孔13D及び外側通水孔13Eについての説明に戻る。 通水孔13Dは、前記した錠剤支持部12を形成する一対の壁状体の内側を通過する湯水を通すための開孔である。詳述すれば、吐出口18側から通水方向Wと平行する方向に向かって観察した場合において、通水孔13Dは、錠剤支持部12を形成する一対の壁状体の内側の位置に設けられる。」 また図1?4,6には以下の図が示されている。 当初明細書等の該記載及び図1?4,6から、錠剤支持部12は、錠剤収容部11に別途設けられるものであり、また通水制限板13とともに炭酸入浴錠剤Tを挟む態様で収容した上で支持及び固定するもの(図1?3,6)又は通水制限板13の構成の一部に凹部13Cを形成することで設けられて炭酸入浴錠剤Tを狭持して収容した上で支持及び固定するもの(図4)であり、さらに「錠剤収容部11」に収容されるものと理解される。 ウ してみると、構成Yの「ホルダ」と構成Xの「錠剤支持部」とは、複数の錠剤を収容するものと特定されているか否かで異なるものの、錠剤収容部に別途設けられたものであり、また炭酸入浴錠剤を収容して支えるもの又は挟んで収容するものであり、さらに錠剤収容部に収容されるものである点で共通するものと理解される。 エ しかしながら、そのように理解される錠剤支持部とホルダとを別の構成として設ける場合については、当初明細書等に記載も示唆もなく、技術的に両者がどのような関係で設けられるのかは特定し得ない。 オ ここで、平成30年5月28日に提出された意見書には、ホルダを錠剤支持部12とは別に設けた以下の参考図が示されている。しかしながら、この参考図におけるホルダは、1つの錠剤Tを収容するものであって、構成Y(「更に、前記錠剤収容部に収容可能なホルダを別途設け、該ホルダに複数の錠剤を収容し、該ホルダを錠剤収容部に収容する構成であり」)や当初明細書の段落【0065】の「錠剤収容部11に収容可能なホルダを別途設け、このホルダに複数の錠剤Tを収容し、ホルダを錠剤収容部11に収容する構成としてもよい。」という記載のように、複数の錠剤を収容するものでないので、この参考図は、「錠剤支持部」と「ホルダ」を別の構成として設けた場合の参考になり得ない。 「参考図」 カ また、請求人は、審判請求書の「4-2」の項で、「本発明は、引用文献1には言及がない、複数の錠剤を収容する『ホルダ』という独自の発明特定事項を有し、この『ホルダ」による作用効果によって、『湯水吐出量維持と錠剤の接触水量との調整で、錠剤の溶解速度緩慢による錠剤溶解時間の延長に関する構成』を有し、更に、『湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成』をも有する構成なのです。」と述べている。しかしながら、ホルダが、「湯水吐出量維持と錠剤の接触水量との調整で、錠剤の溶解速度緩慢による錠剤溶解時間の延長」や「湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる」作用効果を有すること示すような記載や示唆は当初明細書等になく、技術常識を踏まえてみてもホルダにそのような作用効果があるとは認められない。 キ 以上のことから、構成Xの「錠剤支持部」と構成Yの「ホルダ」を別の構成として設けた場合は、当初明細書等から自明な事項とは認められない。 (3)請求人は、審判請求書において以下の主張をしている。 「4-1.補正の適法性について(補正却下の決定に対する不服申し立て) 本願は、拒絶査定の際に補正却下の決定を受けておりますので、本審判請求と同時に行った補正について、改めて適法性を主張致します。 平成30年9月4日付け発送に係る補正却下の決定では、「錠剤収容部に収容可能な『ホルダ』」と、「炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため錠剤収容部に設けられた『錠剤支持部』」とが、同じ部材を指し示すものと認定され、『ホルダ』と『錠剤支持部』とが、『別途』設けられる構成は、新規事項追加であるとの認定がされています。 しかし、この認定には承服できません。 まず、『ホルダ』の構成について、本願の当初明細書段落[0065]の第2段落には、「尚また、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成とする場合には、錠剤収容部11に複数の錠剤Tを直接収容してもよいし、錠剤収容部11に収容可能なホルダを別途設け、このホルダに複数の錠剤Tを収容し、ホルダを錠剤収容部11に収容する構成としてもよい。」と記載されています。この記載は、錠剤収容部11に、複数の錠剤を収容する構成について説明されたものであり、「錠剤収容部11に収容可能なホルダを別途設け」と明記されています。 一方で、『錠剤支持部12』の構成について、本願の当初明細書段落[0066]?[0070]に記載され、例えば、「錠剤収容部11には、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤支持部12が設けられる。図2?図4は、錠剤支持部12の構成例を示す概略構成図であり、図中左列には側面から観察した場合における概略構成図を、右列には左図についての概略断面図をそれぞれ表す。(段落[0066])」と記載されています。これらの説明や、図2?4をみても、収容される錠剤は1つであります。 これらの記載の相違から、複数の錠剤Tを収容するために設けられる『ホルダ」と、1つの錠剤を収容することを前提とした『錠剤支持部12』が、異なる部材を指し示すということが明白であります。仮に、複数の錠剤Tを収容する構成を、錠剤支持部12の一部として説明するのであれば、錠剤支持部12を説明した段落[0066]?[0070]以降に記載するのが自然であり、錠剤支持部12を説明する前に、『ホルダ』という異なる用語を用いて、錠剤支持部12と同じ意で説明するのは、極めて不自然であります。 また、御庁が規定する、特許請求の範囲の記載に関する「様式第29の2(第24条の4関係)」には、「9 用語は、その有する普通の意味で使用し、かつ、明細書及び特許請求の範囲全体を通じて統一して使用する。」旨が規定されています。 当然ながら、本願も、この規定に基づいて記載されており、『ホルダ」と『錠剤支持部』という異なる用語を用いているのであれば、異なる部材を指し示すものと理解するのが自然でありますし、換言すれば、これらを同一の部材を指し示すものと判断するための根拠が見出せません。」 しかしながら、当初明細書等に、構成Xと構成Yのそれぞれについての記載はあるものの、構成Xの「錠剤支持部」と構成Yの「ホルダ」を別の構成として設けた場合についての記載や構成Xの「錠剤支持部」と構成Yの「ホルダ」の関係について示す記載はない。 また当初明細書において「錠剤支持部」と「ホルダ」が異なる表記であることのみをもって直ちに必ず両者が別物であるとみなすことはできない。これは、当初明細書の「【0069】 更にまた、錠剤支持部12は、例えば、図4に示されるように、後述する通水制限板13の一部に、炭酸入浴錠剤の一部が嵌入される凹部13Cを形成することで設けることもできる。」という記載や図4には、通水制限板13の一部の凹部13Cによって錠剤支持部を構成する態様が示されていること、すなわち「通水制限板」で「錠剤支持部」を兼ねる態様が示されていることからも明らかである。 そして、上記「(1)ウ」で述べたように構成Yの「ホルダ」と構成Xの「錠剤支持部」とは、錠剤収容部に別途設けられたものであり、また炭酸入浴錠剤を収容して支えるもの又は挟んで収容するものであり、さらに錠剤収容部に収容されるものである点で共通することをも踏まえると、両者が別の構成であるのか否か、さらに別の構成である場合にどのように両立し得るのかが当初明細書等から明らかでない。 よって、請求人の主張には理由がない。 (4)以上より、本件補正は特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 2-3 独立特許要件 本件補正は、補正前の請求項1に「前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ」という記載を追加して「錠剤収容部」の構成を限定する補正、及び「収容される炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られた錠剤硬度が15kgf以上又は15HV以上であり、かつ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が15mm以上であって」という記載を追加して「炭酸入浴錠剤」を限定する補正を含むものであるので、仮に、本件補正が、上記「2-1」について特許法第17条の2第5項の規定に適合し、さらに上記「2-2」について同法第17条の2第3項の規定に適合するとして、本件補正が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定(独立特許要件)に適合するか否かについて検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記「1(1)」に記載したとおりのものである。 (2)特許法第36条第6項第1号について 本願補正発明は、「少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である炭酸ガスマイクロバブル発生器において、前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ、更に、前記錠剤収容部に収容可能なホルダを別途設け、該ホルダに複数の錠剤を収容し、該ホルダを錠剤収容部に収容する構成であり」という構成を有するので、「錠剤支持部」と「ホルダ」を別の構成として設けた場合を含むことになる。しかしながら、上記「2-2」で述べたことから明らかなように、そのような場合について発明の詳細な説明に記載したものと認められない。 よって、本願補正発明の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものでないから、本願補正発明は、同法第36条第6項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (3)特許法第36条第6項第2号について 上記「2-2(2)ウ」で述べたように、本願補正発明の「ホルダ」と「錠剤支持部」は、錠剤収容部に別途設けられたものであり、また炭酸入浴錠剤を収容して支えるもの又は挟んで収容するものであり、さらに錠剤収容部に収容されるものである点で共通することをも踏まえると、本願補正発明の「ホルダ」が、「錠剤支持部」や「錠剤支持部」とともに錠剤を収容する「通水制限板」によって構成されるものを含むのか、「錠剤支持部」や「通水制限板」とは別物であるのか不明確である。 よって、本願補正発明の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に適合するものでないから、本願補正発明は、同法第36条第6項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (4)特許法第29条第2項について (4-1)引用文献1の記載事項等 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用文献1として示された、本願の原出願日前に頒布された登録実用新案第3187368号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。 (1a)「【0012】 以上のことから、本考案の課題は、炭酸入浴錠剤を収容したマイクロバブル混合水を製造するためのシャワー機器を使用して、炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出する場合において、血行促進等の健康増進効果を高め、適度な濃度の重炭酸シャワーを長時間享受できる効果を維持しつつ、炭酸入浴錠剤の溶解速度を最適化し、該錠剤を長持ちさせ、該錠剤の交換頻度を減少させることで、ランニングコストも抑えることができると共に、該錠剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる構成の炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出するシャワー機器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0013】 上記課題を解決する本考案は、下記構成を有する。 【0014】 1.シャワー胴部、シャワーヘッド部又は両者の間の少なくとも1個所に、炭酸ガスマイクロバブル発生部が設けられている炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出するシャワー機器において、 前記炭酸ガスマイクロバブル発生部は、開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための炭酸入浴錠剤収容部が設けられ、 前記炭酸ガスマイクロバブル発生部には、少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、前記炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成であることを特徴とする炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出するシャワー機器。 【0015】 2.炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回動によって開閉可能な構成であり、これにより、炭酸入浴錠剤の交換が可能な構成であることを特徴とする前記1に記載のシャワー機器。 【0016】 3.炭酸マイクロバブル発生部を構成する炭酸入浴錠剤収容部の少なくとも一部が、透明性を有する材料で形成され、収容された炭酸入浴錠剤を外部から目視可能な構成であることを特徴とする前記1又は2に記載のシャワー機器。 【0017】 4.通水制限板の少なくとも一部が、炭酸ガスマイクロバブル発生部から取り外し可能な構成であることを特徴とする前記1?3のいずれかに記載のシャワー機器。 【0018】 5.炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉であって、 炭酸入浴錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生部内の通水方向と同方向となる構成であることを特徴とする前記1?4のいずれかに記載のシャワー機器。 【0019】 6.通水制限板が、開孔板又は網状体によって形成された構成であることを特徴とする前記1?5のいずれかに記載のシャワー機器。 【0020】 7.炭酸入浴錠剤収容部が、一対の壁状体又は棒状体からなる錠剤支持部を有する構成であることを特徴とする前記1?6のいずれかに記載のシャワー機器。 【0021】 8.炭酸入浴錠剤収容部が、通水制限板の一部に設けられ炭酸入浴錠剤の一部が嵌入される凹部からなる錠剤支持部を有する構成であることを特徴とする前記1?6のいずれかに記載のシャワー機器。 ・・・ 【0024】 11.炭酸ガスマイクロバブル発生部には、湯水の導入口側及び吐出口側の両方に、通水制限板が設けられ、 吐出口側に設けられた通水制限板に、通水方向に沿って相対向して形成された一対の壁状体からなる錠剤支持部が設けられ、この一対の壁状体内に炭酸入浴錠剤が配置される構成であり、 導入口側に設けられた通水制限板は、前記一対の壁状体の内側を通過する湯水を通す通水孔が設けられると共に、前記一対の壁状体の外側を通過する湯水を通す外側通水孔が設けられた開孔板によって形成された構成であることを特徴とする前記1?9のいずれかに記載のシャワー機器。 【0025】 12.炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が20mm以上であることを特徴とする前記1?11のいずれかに記載のシャワー機器。 ・・・ 【考案の効果】 【0030】 前記1に示す考案によれば、炭酸ガスマイクロバブル発生部の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、通水制限板が設けられたことで、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整することができるため、最適な錠剤濃度の混合水をシャワー吐出することができる。これにより、マイクロバブル効果により発生した炭酸ガスが、シャワーヘッド内で中和され、より最適なスピードで重炭酸イオンに変化しながら使用者の身体全体に接触し、皮膚から血管に吸収される効率を高めることができる。もし、錠剤に直接当たる水量が多過ぎる場合には、発生した炭酸ガスが中和され、重炭酸イオンに変化することができず、炭酸ガスのままシャワー吐出され濃度が上がってしまい、十分な温浴効果が得られないばかりか、錠剤の無駄になってしまうので、この点を解消することができる。即ち、本考案では、シャワー吐出量を維持しつつ、湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせることで、該錠剤の溶解時間を延ばし、交換頻度を減少させることができ、ランニングコストも抑えることができるという顕著な効果を発揮することができる。 【0031】 また、炭酸ガスマイクロバブル発生部に開閉機構を備える構成であるため、収容される炭酸入浴錠剤を、簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。 【0032】 前記2に示す考案によれば、炭酸入浴錠剤収容部への錠剤の交換について、炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構の開閉操作が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回転というワンタッチ操作で可能であり、該錠剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。これにより、シャワーの開始時は、湯の温度が低温であるため、適温に温まるまでの間は真水(錠剤を取り外した状態でのシャワー吐出)を吐出し、錠剤の無駄使いを防ぐことができる。また、例えば、最初のシャワーで一次汚れの洗浄を真水(錠剤を取り外した状態でのシャワー吐出)で行い、一次汚れが取れ、全身エステのようなシャワーを楽しみたいと意図した時点で、炭酸ガスマイクロバブル混合水によるシャワーを浴びるため、ワンタッチ操作で錠剤を収容・装填することができる。 【0033】 前記3に示す考案によれば、炭酸入浴錠剤収容部が、透明性を有する材料で形成されることにより、収容された炭酸入浴錠剤を外部から目視することが可能であるため、該錠剤の溶解状況や、該収容部を通過する水量を視認することができる。 【0034】 前記4に示す考案によれば、錠剤の溶解を制限していた通水制限板を取り外して使用することができ、短時間で錠剤が溶解し終えるように使用することもできる。 このように使用することで、炭酸濃度を十分に高め、高濃度のシャワーを浴びることができ、炭酸による肌のツルツル、スベスベ感を十分に味わうことができる。錠剤は短時間で溶解してしまうが、新たな錠剤を装填することで長時間のシャワー使用が可能であり、贅沢な使用が可能となる。 ・・・ 【0036】 前記5に示す考案によれば、厚みが直径より薄肉の炭酸入浴錠剤が、炭酸入浴錠剤の直径方向が通水方向と同方向に、該錠剤が炭酸入浴錠剤収容部に収容されることで、湯水が該錠剤に当たる面積を減少し、シャワー吐出される水量を減少させずに該錠剤の溶解時間を緩慢にさせることができる。即ち、該錠剤に湯水が直接当たる面積が最小化できるので、通水量を維持したまま、該錠剤の湯水への接触を大幅に減少させて、溶解時間を大きく制限することができ、シャワー吐出される水量を落とさずに、該錠剤を長持ちさせることができる。従来から知られているシャワーヘッド内に錠剤が収容される構成では、湯水が、錠剤の平面に直接当たるように収容されているので、シャワー吐出される水量を増やすと、錠剤の溶解時間も速まってしまい、快適なシャワー吐出の水量と、錠剤の溶解時間を長くすることを両立させることができなかった。 【0037】 尚、炭酸ガスマイクロバブル混合水のシャワーによる健康効果を得るために必要な時間は、6分から8分であり、平均的なシャワー時間もこの時間内である。1回の錠剤装填で5分から8分の範囲で錠剤が溶解するように設計しても、心地よい水量を得るためには、錠剤の周面に水流が当たり、接触面積を小さく止めることができる本考案を使用したシャワー機器が好ましいことがわかる。 この場合、炭酸マイクロバブル混合水をシャワー吐出した場合であっても、血行促進等の健康増進効果を得ることができ、該錠剤を長持ちさせ、該錠剤の交換頻度を減少させることで、健康効果を高めながらランニングコストを抑えることもできる。 【0038】 前記6に示す考案によれば、通水制限板を開孔板又は網状体によって形成することで、錠剤に直接当たる水量を簡単な構造で制限し、最適な溶解時間を調整することができる。また、必要に応じて、通過可能な水量が異なる通水制限板に変更すれば、錠剤の溶解速度を調整することができる。開孔板又は網状体は、簡単な構造であるため、通過可能な水量の調整が容易にできる他、メンテナンス性がよく、製造コストを抑えることもできる。 【0039】 前記7に示す考案によれば、炭酸入浴錠剤収容部が、一対の壁状体又は棒状体によって形成された錠剤支持部を備えることによって、炭酸入浴錠剤を所定の方向に確実に固定することができ、水流を乱すこともなく、簡単な構造で前記5における効果を確実に得ることができる。 【0040】 前記8に示す考案によれば、通水制限板の一部に形成された凹部に、炭酸入浴錠剤を嵌入させることで、該錠剤を所定の方向に確実に固定することができ、簡単な構造で前記5における効果を確実に得ることができる。 ・・・ 【0045】 前記11に示す考案によれば、炭酸ガスマイクロバブル発生部の導入口側及び吐出口側の両方に、通水制限板が設けられたことにより、この両通水制限板に炭酸入浴錠剤が挟まれて収容される態様となり、該錠剤を炭酸入浴錠剤収容部に止まらせることができる。 また、吐出口側に設けられた通水制限板に、通水方向に沿って相対向して形成された一対の壁状体からなる錠剤支持部が設けられたことにより、炭酸入浴錠剤を所定の方向に支持しつつ、吐出口側に流出することを防ぐこともできる。更に、炭酸入浴錠剤が、この一対の壁状体に挟持される構成により、該錠剤の側面が壁状体に接することで湯水による水流に曝されず、該錠剤の湯水との接触面積を狭くすることができ、錠剤の溶解をより緩慢にすることができる。 【0046】 また、導入口側に設けられた通水制限板に、一対の壁状体の内側を通過する湯水を通す通水孔が設けられ、前記一対の壁状体の外側を通過する湯水を通す外側通水孔(開孔が大きいか又は多数個の通水孔が好ましい。)が設けられたことにより、前記通水孔を通過した湯水が、一対の壁状体の内側に収容される錠剤に接し、他方、前記外側通水孔を通過した湯水は、一対の壁状体の外側を通過して錠剤には触れないので、錠剤に接する水量を制限しつつ、シャワー機器全体を通過可能な水量を維持することができる。 【0047】 前記12に示す考案によれば、炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出した場合も、持続時間を長くでき、効率よく炭酸成分を経皮させ、血行促進等の健康増進効果を期待することができるという効果を発揮する。 【0048】 特に、従来知られている炭酸水素ナトリウムと有機酸からなる入浴剤であっても、本考案の如く、直径が20mm以上で、湯水に溶解した場合のPHが5.5から8.5である炭酸入浴錠剤とし、これを用いたことにより、炭酸ガスマイクロバブル混合水と身体との接触によって、重炭酸イオンが効率よく血管に吸収され、血行促進等の健康増進効果の向上を手軽に図ることができる。 なお、本考案の炭酸入浴錠剤を用いた場合の炭酸ガスマイクロバブル混合水によれば、水道水のカルキ臭を著しく抑制乃至は消滅させることが可能である。 ・・・ 【0058】 本考案の好ましい実施態様によれば、一定硬度以上の錠剤中で反応させ、十分細かいミクロサイズの炭酸ガスの発泡を得て、再び溶解後のPHが中性の錠剤外の液の体液と同じ中性の状態で重炭酸イオンに戻されることで、この炭酸ガスを経由した重炭酸イオンのみがごく短いシャワーという皮膚接触時間に経皮吸収される。即ち、一定サイズで一定値以上の高硬度の錠剤の内部での発泡反応がマイクロバブルの炭酸ガスを発生させる意味で重要であり、溶解後のシャワー水のPHが発生した炭酸ガスを重炭酸イオンに変え、容易に経皮吸収によって血管中に溶解し、血行を高め、体を温めるなどの自然炭酸泉に近い効果を発揮するものと推定している。 【0059】 PHの規定は、錠剤の溶解が0.05%から0.5%程度の濃度でのPHとして測定するのがシャワー水の実態に合わせ妥当である。 このPH測定は溶解直後のPHであることが好ましく、PHが中性であっても湯水中の重炭酸イオンは炭酸ガスを揮散させ、徐々に上昇し、たとえば溶解直後の水のPHが7.0であっても24時間後には7.5程度となり、エアを入れて発泡させれば、炭酸ガスが揮発し、PHは8.5を超えてしまうこともある。それゆえに本考案におけるPHの規定は、炭酸入浴錠剤の湯水中への溶解直後とする。 【0060】 本考案の好ましい実施態様の効果について、更に詳述する。 前記(1)及び(2)に示す好ましい本考案によれば、効率よく長時間一定径以下のミクロサイズの炭酸ガス泡をゆっくり発生させ続けられるようになり、湯水に溶解する炭酸ガスを重炭酸イオンとして高濃度に溶解させることができる。 【0061】 特に、従来から知られている炭酸水素ナトリウムと有機酸からなる市販の炭酸入浴錠剤であっても、本考案の如く、直径が20mm以上で、湯水に溶解した場合のPHが5.5から8.5とすれば、炭酸ガスマイクロバブル混合水で発生した炭酸ガスの気泡を極めて細かいマイクロサイズとすることができ、炭酸マイクロガスが身体と接触するまでに十分中和されて重炭酸イオンに変化し、PHが7.45である中性の血管にそのまま効率よく吸収され、血行促進等の健康増進効果を手軽に得ることができる。 【0062】 尚、より好ましいマイクロサイズの炭酸ガスを発生されるためには、錠剤の硬度を15kgf以上とすることが好ましく、これにより、血行促進効果がより高まり、体温上昇効果も得られることがわかった。尚また、本考案により得られた炭酸ガスマイクロバブル混合水によれば、水道水のカルキ臭を著しく抑制乃至は消滅させることが可能である。 ・・・ 【図面の簡単な説明】 【0065】 【図1】本考案に係るシャワー機器の一実施例を示す分解斜視図 【図2】本考案に係るシャワー機器の一実施例を示す概略構成図 【図3】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第1構成例を示す概略構成図 【図4】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第2構成例を示す概略構成図 【図5】炭酸入浴錠剤収容部における錠剤支持部の第3構成例を示す概略構成図 【図6】本考案に係るシャワー機器の他の実施例を示す概略構成図 【図7】炭酸ガスマイクロバブル発生部の配設位置(1)を例示する概略構成図 【図8】炭酸ガスマイクロバブル発生部の配設位置(2)を例示する概略構成図 【図9】炭酸ガスマイクロバブル発生部の配設位置(3)を例示する概略構成図 【図10】実施例1に係るシャワー機器を示す分解斜視図 【図11】実施例1における導入口側通水制限板を示す概略平面図 【図12】実施例1における吐出口側通水制限板及び錠剤支持部を示す概略平面図及び概略側面図 【図13】実施例1における錠剤収容部と接続部との係合手段を説明する図 【図14】実施例2に係るシャワー機器を示す分解斜視図 【図15】実施例2における導入口側通水制限板及び錠剤支持部を示す概略平面図及び概略側面図 【図16】実施例3に係るシャワー機器を示す概略構成図 【考案を実施するための形態】 【0066】 以下、本考案に係るシャワー機器について、図面に基づき説明する。 【0067】 本考案は、炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸ガスマイクロバブル混合水を簡易に得られるシャワー機器についての技術であり、炭酸ガス成分とマイクロバブルとを混合した湯水をシャワー吐出させることによって、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。 【0068】 本考案において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。なお、本考案において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。 【0069】 本考案に係るシャワー機器1の一実施例を示す分解斜視図を、図1に示す。また、本考案に係るシャワー機器1の一実施例を示す概略構成図を、図2に示す。 シャワー機器1は、湯水の吐出口13を有するシャワーヘッド部11と、使用時に持ち手の柄となり湯水の導入口14を有するシャワー胴部12と、を有する構成であり、これに、炭酸入浴錠剤Tを収容する炭酸ガスマイクロバブル発生部2が設けられた構成である。シャワー機器1への湯水の供給は、シャワー胴部12に接続されるホース3による。 【0070】 尚、図1において、シャワーヘッド部11とシャワー胴部12とは、一体的に形成された一体型構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続或いは結合したものでもよいし、シャワーヘッド部11がシャワー胴部12に対して向きや角度を変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよい。 また、シャワー機器1は、シャワー胴部12を有さない構成であってもよく、かかる構成は後述する実施例3において説明する。 【0071】 炭酸ガスマイクロバブル発生部(以下、単に「マイクロバブル発生部」ともいう。)2は、シャワー胴部12に設けられ、このシャワー胴部12の湯水の導入口14からシャワーヘッド部11に及ぶ通水路、即ち、湯水の送水経路に設けられる。これにより、該通水路内を通る湯水によって、マイクロバブル発生部2に収容される炭酸入浴錠剤Tを溶解し、この溶解によって発生した炭酸ガスが、湯水中においてマイクロバブル(微細気泡)となって、該湯水と混合して炭酸ガスマイクロバブル混合水となる。 【0072】 マイクロバブル発生部2に収容される炭酸入浴錠剤Tは、直径20mm以上であって、厚みが直径より薄肉の錠剤であることが好ましい。この炭酸入浴錠剤Tについては、後に詳述する。 【0073】 次に、マイクロバブル発生部2への炭酸入浴錠剤Tの収容構成について説明する。 マイクロバブル発生部2には、炭酸入浴錠剤収容部(以下、単に「錠剤収容部」ともいう。)21が設けられる。この錠剤収容部21には、炭酸入浴錠剤Tが収容され、炭酸入浴錠剤Tの直径方向が、通水方向Wと同方向ないし略平行になるように収容される。この炭酸入浴錠剤Tが収容される方向を、「縦収容方向」という。前述のとおり、炭酸入浴錠剤Tは厚みが直径より薄肉の形状であることが好ましく、この炭酸入浴錠剤Tが、前記縦収容方向に収容されることで、強い水流に直接曝される表面積を小さく止めることができ、これにより溶解速度が減じられる。このように、溶解速度が減じられ最適化されることによって、炭酸入浴錠剤Tは長時間に亘ってマイクロバブルの発生を継続する。 【0074】 なお、錠剤収容部21は、実施例の記載や図面では1つの炭酸入浴錠剤Tを収容する構成であるが、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成を採用してもよい。この場合、2以上の炭酸入浴錠剤Tは、直列に収容されてもよいし、並列に収容されてもよい。 【0075】 錠剤収容部21には、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤支持部22が設けられる。図3?図5は、錠剤支持部22の構成例を示す概略構成図であり、図中左列には側面から観察した場合における概略構成図を、右列には左図についての概略断面図をそれぞれ表す。 【0076】 錠剤支持部22は、例えば、図3に示されるように、通水方向Wに沿って形成された一対の棒状体によって設けることができる。この一対の棒状体によって、炭酸入浴錠剤Tを挟持することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。 【0077】 また、例えば、図4に示されるように、通水方向Wに沿って形成された一対の壁状体によって設けることができる。同じく、この一対の壁状体の間に、炭酸入浴錠剤Tを配置することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。 【0078】 更にまた、錠剤支持部22は、例えば、図5に示されるように、後述する通水制限板23の一部に、炭酸入浴錠剤の一部が嵌入される凹部23Cを形成することで設けることもできる。この場合、通水制限板23は炭酸入浴錠剤Tを挟む状態で導入口14側及び吐出口13側の両方に設けられ、両方の又は一方の通水制限板23に設けられた凹部23Cに炭酸入浴錠剤Tを嵌入させ、かつ通水制限板23で炭酸入浴錠剤Tを挟持することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができる。凹部23Cは、導入口側通水制限板23A又は吐出口側通水制限板23Bのいずれか一方に設けてもよいし、両方に設けてもよい。 【0079】 通水制限板23に設けられた凹部23Cは、図3又は図4に示される棒状体又は壁状体と共に錠剤支持部22を構成してもよいし、単独で錠剤支持部22を構成してもよい。 【0080】 マイクロバブル発生部2には、炭酸入浴錠剤Tの収容位置の上流側又は下流側、即ち湯水の導入口14側又は吐出口13側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤Tに接触する水量を減じるための通水制限板23が設けられる。ここで、湯水の導入口側14に設けられた通水制限板を導入口側通水制限板23Aといい、湯水の吐出口13側に設けられた通水制限板を吐出口側通水制限板23Bという。また、本考案において、単に通水制限板23と記載した場合は、特に断りが無い限り、導入口側通水制限板23A又は吐出口側通水制限板23Bの両方又はいずれか一方を指し示すこととする。 通水制限板23は、湯水が通過可能な隔壁構成であり、例えば、複数の通水孔が設けられた開孔板やメッシュ体の如き網状体によって形成することができる。 【0081】 通水制限板23が、湯水の導入口14側又は吐出口13側のいずれか一方に設けられる場合は、導入口14側のみに導入口側通水制限板23Aが設けられることが好ましい。この場合、通水路を流れる湯水は、導入口14側から流れるので、導入口14側からの水圧が強く、この水圧を導入口側通水制限板23Aによって制限することで、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤Tを長持ちさせる効果を得ることができる。 【0082】 また、通水制限板23は、少なくとも湯水の導入口14側又は吐出口13側のいずれか一方又は両方に設けられる構成であればよく、これらに加えて、炭酸入浴錠剤Tを全周に亘って包囲するように通水制限板23を設けることができ、更に、通水制限板23を、炭酸入浴錠剤Tを包囲して収容可能な構成に形成し、錠剤収容部21を兼ねる構成とすることもできる。かかる構成については、後述する実施例3において説明する。 【0083】 通水制限板23は、炭酸入浴錠剤Tの移動を制限する役割も果たし、湯水の導入口14側及び吐出口13側の両方に通水制限板23が設けられた構成によれば、これらの導入口側通水制限板23A及び吐出口側通水制限板23Bに炭酸入浴錠剤Tが挟まれて収容される態様となり、該錠剤Tが水流によって流出することを防ぎ、炭酸入浴錠剤収容部21に止まらせることができる。 【0084】 図1又は図2に示されるように、通水制限板23が、湯水の導入口14側及び吐出口13側の両側に設けられる場合には、炭酸入浴錠剤Tを囲い込む構成を採用することができる。また、前記したように、通水制限板23に凹部23Cを設けることで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持・固定することができる。 【0085】 通水制限板23は、通過可能な水量が異なるものを複数用意し、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を調整するため、これらを選択して取り替えることができる。即ち、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を早くしたい場合には、通過可能な水量が多い通水制限板23を使用し、反対に、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を遅くしたい場合には、通過可能な水量が少ない通水孔を有する通水制限板23を使用することができる。 【0086】 通水制限板23を、複数の通水孔23Dが設けられた開孔板によって形成する場合には、通水孔23Dの大きさと数量を変えることによって、通過可能な水量を変更することができる。また、通水制限板23を、メッシュ体の如き網状体によって形成する場合には、網の粗密を変えることによって、通過可能な水量を変更することができる。 【0087】 また、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を変える手段として、上記のように、通過可能な水量が異なる通水制限板23に交換する手段の他、通過可能な水量を変化させることができる通水制限板23を使用する手段を採用することもできる。例えば、通水孔23Dの大きさと数量が異なる2枚の開孔板を重ね合わせて一の通水制限板23を形成し、この2枚の開孔板の一方又は両方を回転させて、湯水が通過可能な通水孔23Dの大きさや数量を調整することで開孔率を変更し、通水制限板23を通過可能な水量を変化させる手段を挙げることができる。 【0088】 通水制限板23は、炭酸ガスマイクロバブル発生部2から取り外して使用することが可能である。例えば、シャワーを短時間で浴びなければならない場合、通水制限板23を取り外してシャワー吐出することで、炭酸入浴錠剤Tの溶解速度を速め、短時間で溶解するようにしてもよい。この場合、シャワー吐出される炭酸ガスマイクロバブル混合水の炭酸濃度が高く、短時間で十分な血行促進等の効果を得ることができる。 ・・・ 【0096】 マイクロバブル発生部2の配設位置として、下記(1)?(3)の構成を挙げることができる。 (1)シャワー銅部12に配設される構成(例えば、図7に示される位置) (2)シャワーヘッド部11とシャワー胴部12との間、又はシャワーヘッド部11とシャワー胴部12との結合部乃至は該結合部を跨いで配設される構成(例えば、図8に示される位置) (3)シャワー胴部12とホース3との間、又はシャワー胴部12とホース3との結合部(ホース接続部)乃至は該結合部(ホース接続部)を跨いで配設される構成(例えば、図9に示される位置) (4)シャワーヘッド部11に配設される構成(例えば、後述する実施例3の構成であって、図16に示される位置) 【0097】 上記(1)に示される構成の場合、図7に図示されるシャワー胴部12の中央付近に配設される他、シャワーヘッド部11側又はホース3側の端部付近に配設される構成としてもよい。また、図1に示されるように、シャワー胴部12の導入口14側の端部に設けられ、シャワー胴部12とホース接続部15に挟まれる態様に配設されてもよいし、シャワー胴部12を任意の位置で長手方向に分割し、この分割された位置にマイクロバブル発生部2が挟まれる態様に配設されてもよいし、更に、シャワー胴部12の内部に内蔵される構成であってもよい。 【0098】 上記(2)に示される構成の場合、図8に図示されるシャワーヘッド部11とシャワー胴部12の結合部乃至は該結合部を跨いで配設される構成の他、シャワーヘッド部11とシャワー胴部12との間にマイクロバブル発生部2が挟まれる態様で配設される構成としてもよい。 【0099】 上記(3)に示される構成の場合、シャワー胴部12とホース3との間にマイクロバブル発生部2が挟まれる態様で配設され、ホース3の始端部がマイクロバブル発生部2に接続される構成の他、図9に示されるように、シャワー胴部12とホース3との結合部(ホース接続部15)乃至は該結合部(ホース接続部15)を跨いで配設される構成としてもよい。 上記(4)に示される構成の場合については、後述する実施例3において詳述する。 【0100】 マイクロバブル発生部2、特に錠剤収容部21を透明合成樹脂材等の透明性を有する材料で形成することにより、該錠剤支持部2に収容される炭酸入浴錠剤Tが、シャワー機器1の外部から目視可能な構成とすることもできる。かかる構成によれば、マイクロバブル発生部2に収容された炭酸入浴錠剤Tの有無や溶解の程度を、シャワー機器1の外部から容易に把握することができる。 【0101】 また、マイクロバブル発生部2が、シャワー胴部に内蔵される構成である場合には、シャワー胴部12の少なくとも一部と、その内部の通水路を構成する部材の少なくとも一部を透明性を有する材料で形成することにより、シャワー機器1の外部から通水路内を流れる湯水を目視可能な構成とすることもできる。更にまた、マイクロバブル発生部2が、シャワーヘッド部11に内蔵される構成である場合には、シャワーヘッド部11の少なくとも一部と、その内部の通水路を構成する部材の少なくとも一部を透明性を有する材料で形成することにより、シャワー機器1の外部から通水路内を流れる湯水を目視可能な構成とすることもできる。かかる構成によれば、炭酸入浴錠剤Tが湯水に溶解しているか否かや有無、即ち、マイクロバブルが発生しているか否かをシャワー機器1の外部から容易に視認することができる。 【0102】 図1又は図2に示される実施例では、錠剤収容部21の導入口14側端部に、接続部24が設けられた構成である。この接続部24を取り外すことで、導入口側通水制限板23Aを取り外し、炭酸入浴錠剤Tを出し入れすることができる構成である。図1又は図2に示される実施例では、この接続部24が設けられることによって、マイクロバブル発生部2が開閉機構を有することになる。 【0103】 接続部24の他端には、ホース接続部15が設けられ、ホース3と接続することができる。尚、ホース接続部15を設けず、シャワー胴部12とホース3とを直接接続する構成を採用してもよい。 接続部24の形態に限定はないが、錠剤収容部2とホース接続部15のと接続は、強い水圧が加えられたとしても離脱することがないように、螺合又は嵌合によるものが好ましく、他にロック機構等を設けることもできる。 【0104】 シャワー機器1を構成する各部材の結合箇所には、必要に応じてパッキング等の止水部材が設けられ、通水路から外部に湯水が漏れ出すことを防止することができる。特に、シャワー胴部12と錠剤収容部21との結合箇所、錠剤収容部21と接続部24との結合箇所、又は接続部24とシャワー胴部12又はホース接続部15との結合箇所など、脱着が可能な結合箇所については、止水部材が設けられることが好ましい。 【0105】 本考案に係るシャワー機器1は、シャワー胴部12にマイクロバブル発生部2が設けられ、このマイクロバブル発生部2の錠剤収容部21に、炭酸入浴錠剤Tが収容される構成であるが、この構成に変えて、例えば、シャワーヘッド部11にマイクロバブル発生部2を設け、炭酸入浴錠剤Tを収容することもできる。シャワーヘッド部11に炭酸入浴錠剤Tを収容したシャワー機器1については、後述する実施例3において詳述する。 【0106】 本考案に用いる炭酸入浴錠剤は、重炭酸塩と有機酸からなりポリエチレングリコールの存在下に圧縮成形され、直径が20mm以上で、厚みが直径より薄肉であり、硬度が15kgf以上、水に溶解した場合のPHが5.5から8.5であることが好ましい。この条件の炭酸入浴錠剤を用いることにより、炭酸ガス成分の発生がミクロサイズでかつシャワーの使用時間程度の長時間溶解が持続し、かつ発生した炭酸成分は体への接触で十分に経皮吸収されやすいイオン状態にすることができ、入浴ではないシャワーであっても十分血行促進等の健康増進効果の向上が得ることができる。 【0107】 本考案のこの効果は、重炭酸塩に対する、ポリエチレングリコール(PEG)の量及び有機酸の量を規定し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、圧縮成型をして錠剤を作る際、錠剤の直径を20mm以上とし、厚みが直径より薄肉であり、硬度を15kgf以上の高い硬度に作成し、溶解後のPHを5.5から8.5にすることで、効果が最大に発揮される。 ・・・ 【0111】 上記のように、錠剤は必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、一辺の長さが20mm以上の固形物で、好ましくは硬度が15kgf以上であれば、楕円形でもタブレットでも球体でも、錠剤の範疇であれば形は何ら制限されない。 【0112】 堅い固体中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こし、液中への炭酸ガスの溶解がより効率的に行われれば、どのような形状でもよく、特に好ましい硬度は25kgf以上であり、硬度は高いほど錠剤中での炭酸ガスの発生により浴中への炭酸ガスが溶解しやすくなり、泡の径などが細かくなっていることが推定され、好ましい結果を生じる。 【0113】 本考案における硬度は、岡田精工社製デジタル錠剤硬度計ニュー・スピード・チェッカーTS75Nを用いて測定した値を基準とする。原則として、これを4回測定し、その平均値を採用する。 ・・・ 【0116】 特に、炭酸入浴錠剤に着色成分を含有する構成とした態様では、前述したタブレット収容部を透明性を有する材料で形成した構成や、シャワーヘッド部及び/又はシャワー胴部の少なくとも一部とその内部の通水路を構成する部材の少なくとも一部を透明性を有する材料で形成した構成と併用することにより、炭酸入浴錠剤の有無や溶解の程度を更に容易に把握することができる。 【0117】 <実施例> ・実施例1 図10に、本考案に係るシャワー機器1の具体的な実施例1の分解斜視図を示す。 実施例1に係るシャワー機器1は、炭酸入浴錠剤収容部21、錠剤支持部22、通水制限板23A・23B、接続部24から構成される炭酸ガスマイクロバブル発生部2が、シャワー胴部12に配設された例である。 【0118】 錠剤収容部21は、吐出口13側の端部が、シャワーヘッド部11と連結されたシャワー胴部12の端部と結合される。 錠剤収容部21は、透明性を有する材料によって形成されており、収容される炭酸入浴錠剤T等が外部から目視可能な構成である。 錠剤収容部21の側周面の一部には、第1係合部21Aが設けられ、後述する接続部24に設けられた第1被係合部と嵌合し、これを360度以内の回転を加えて捻ることで係合される。 【0119】 通水制限板23は、錠剤収容部21の導入口14側には導入口側通水制限板23Aが配置され、吐出口13側には吐出口側通水制限板23Bが配置される。 【0120】 図10に示されるように、導入口側通水制限板23Aは、接続部24に設けられ、マイクロバブル発生部2を構成する各部が組み立てられた状態において、錠剤収容部21の導入口14側の端部に配設される。 【0121】 図11に、導入口側通水制限板23Aをシャワーヘッド部11側から観察した概略平面図を示す。導入口側通水制限板23Aは、平面視円形であって、その中央部に複数個からなる通水孔23Dが設けられ、外形の周縁には、切り欠きによって外側通水孔23Eが設けられる。通水孔23D及び外側通水孔23Eについては、後に詳述する。 【0122】 吐出口側通水制限板23Bは、錠剤収容部21の吐出口13側の端部に配設される。 図12の左側に、吐出口側通水制限板23Bをホース接続部15側から観察した概略平面図を示す。また、図12の右側に、吐出口側通水制限板23Bをシャワー胴部12の側面方向から観察した概略側面図を示す。 吐出口側通水制限板23Bは、上下辺が曲線の平面視矩形であって、複数個からなる通水孔23Dが設けられる。また、図12に示されるように、吐出口側通水制限板23Bには、錠剤支持部22と、係合部23Fが設けられる。 【0123】 錠剤支持部22は、対をなす2枚の壁状体であって、この一対の壁状体が通水方向Wに沿って相対向して形成される。炭酸入浴錠剤Tが、錠剤収容部21に収容される場合には、この一対の壁状体に炭酸入浴錠剤Tが挟持される態様となる。 【0124】 第2係合部23Fは、錠剤収容部21又はシャワー胴部12に設けられた第2被係合部(図示しない)に係合され、吐出口側通水制限板23Bが、錠剤収容部21の吐出口13側の端部に位置するよう固定するための部位である。 第2係合部23Fは、円筒状の小突起であり、この小突起に対応する径に形成された凹状又は開孔状の第2被係合部(図示しない)と係合される。尚、本考案において、第2係合部23Fと第2被係合部の形態は上記構成に限定されず、係合手段として公知公用の技術を特別の制限なく採用することができる。 【0125】 ここで、導入口側通水制限板23Aに設けられた通水孔23D及び外側通水孔23Eについての説明に戻る。 通水孔23Dは、前記した錠剤支持部22を形成する一対の壁状体の内側を通過する湯水を通すための開孔である。詳述すれば、シャワーヘッド部11側から通水方向Wと平行する方向に向かって観察した場合において、通水孔23Dは、錠剤支持部22を形成する一対の壁状体の内側の位置に設けられる。 【0126】 外側通水孔23Eは、前記した錠剤支持部22を形成する一対の壁状体の外側を通過する湯水を通すための開孔である。これを詳述すれば、シャワーヘッド部11側から通水方向と平行する方向に向かって観察した場合において、外側通水孔23Eは、錠剤支持部22を形成する一対の壁状体の外側の位置に設けられる。 【0127】 上記のような構成を採ることによって、通水孔23Dを通過した比較的少量の湯水が、一対の壁状体の内側に収容される錠剤Tに接し、他方、外側通水孔23Eを通過した比較的多量の湯水は、一対の壁状体の外側を通過して錠剤Tには触れないので、錠剤Tに接する水量を制限しつつ、シャワー機器1全体を通過可能な水量を維持することができる。 【0128】 接続部24は、フランジ状の形状に形成され、錠剤収容部21と導入口14側のシャワー胴部12とを接続するために設けられ、シャワー胴部12とは、螺合によって接続される。 接続部24の内周には、L字状の溝によって第1被係合部24Aが形成され、錠剤収容部21に設けられた第1係合部21Aとの間で係合され、接続部24と錠剤収容部21とが接続される。 【0129】 第1係合部21Aと第1被係合部24Aとの接続手段について、図13に基づいて説明する。第1係合部21Aと第1被係合部24Aは、第1係合部21Aが、第1被係合部24Aにシャワー胴部12の長手方向から進入し、突き当たった後、周回方向に僅か(360度以内)に捻られることによって接続される。このように、僅かな捻り動作を加えることで、容易に接続することができ、また反対の動作をすれば、容易に接続を解除することができる。 尚、接続部24の外周には、滑り止めとして複数の突条片が設けられる。」 (1b)引用文献1には以下の図1?5,10?13が示されている。 イ 引用文献1に記載された発明及び技術的事項 摘示(1a)の記載事項及び摘示(1b)の図示内容から、シャワー機器に関して以下の事項が認定できる。 a 炭酸入浴錠剤収容部21、錠剤支持部22、通水制限板23A・23B、接続部24から構成される炭酸ガスマイクロバブル発生部2であること(段落【0117】、図10)。 b 錠剤収容部21は、吐出口13側の端部が、シャワーヘッド部11と連結されたシャワー胴部12の端部と結合されること(段落【0118】、図10)。 c 錠剤収容部21の側周面の一部に、第1係合部21Aが設けられ、接続部24に設けられた第1被係合部24Aと嵌合し、これを360度以内の回転を加えて捻ることで接続され、反対の動作をすれば接続が解除されること(段落【0118】,【0128】?【0129】、図13)。 d 上記「c」が、炭酸ガスマイクロバブル発生部が備える開閉機構(段落【0031】)の構成であることは明らかである。 そして、その開閉機構により炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構の開閉操作が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回転というワンタッチ操作で可能である(段落【0032】)ことも明らかである。 e 上記「c」,「d」をまとめると、 炭酸ガスマイクロバブル発生部が備える開閉機構は、錠剤収容部21の側周面の一部に、第1係合部21Aが設けられ、接続部24の内周に形成されたL字状の溝による第1被係合部24Aと嵌合し、これを360度以内の回転を加えて捻ることで接続され、反対の動作をすれば接続が解除される構成であり、開閉機構により炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構の開閉操作が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回転というワンタッチ操作で可能であること。 f 通水制限板23は、錠剤収容部21の導入口14側には導入口側通水制限板23Aが配置され、吐出口13側には吐出口側通水制限板23Bが配置されることで(段落【0030】,【0119】、図4,10)、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整することができるため、最適な錠剤濃度の炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出することができ、これによりシャワー吐出量を維持しつつ、湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせることで、該錠剤の溶解時間を延ばすこと(段落【0014】,【0030】)。 g 錠剤支持部22は、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤収容部21に設けられる(段落【0075】)、対をなす2枚の壁状体であって、この一対の壁状体が通水方向Wに沿って相対向して形成され(段落【0123】、図4,10)、この一対の壁状体の間に、炭酸入浴錠剤Tを配置することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができること(段落【0077】、図4,10)。 h 炭酸入浴錠剤は、重炭酸塩と有機酸からなりポリエチレングリコールの存在下に圧縮成形され、直径が20mm以上で、厚みが直径より薄肉であり、硬度が15kgf以上、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5であること(段落【0025】,【0059】,【0106】)。 i 厚みが直径より薄肉の炭酸入浴錠剤が、炭酸入浴錠剤の直径方向が通水方向と同方向に、該錠剤が炭酸入浴錠剤収容部に収容されることで、湯水が該錠剤に当たる面積を減少し、シャワー吐出される水量を減少させずに該錠剤の溶解時間を緩慢にさせることができること(段落【0036】、図4,10)。 j 炭酸ガスマイクロバブル混合水で発生した炭酸ガスの気泡を極めて細かいマイクロサイズとすることができ、炭酸マイクロガスが身体と接触するまでに十分中和されて重炭酸イオンに変化し、PHが7.45である中性の血管にそのまま効率よく吸収され、血行促進等の健康増進効果を手軽に得ることができること(段落【0061】)。 k 炭酸ガスマイクロバブル混合水によれば、水道水のカルキ臭を著しく抑制乃至は消滅させることが可能であること(段落【0062】)。 したがって、これらを整理すると、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。 <引用発明> 「炭酸入浴錠剤収容部21、錠剤支持部22、通水制限板23A・23B、接続部24から構成される炭酸ガスマイクロバブル発生部2であって、 錠剤収容部21は、吐出口13側の端部が、シャワーヘッド部11と連結されたシャワー胴部12の端部と結合され、 炭酸ガスマイクロバブル発生部が備える開閉機構は、錠剤収容部21の側周面の一部に、第1係合部21Aが設けられ、接続部24の内周に形成されたL字状の溝による第1被係合部24Aと嵌合し、これを360度以内の回転を加えて捻ることで接続され、反対の動作をすれば接続が解除される構成であり、開閉機構により炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構の開閉操作が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回転というワンタッチ操作で可能であり、 通水制限板23は、錠剤収容部21の導入口14側には導入口側通水制限板23Aが配置され、吐出口13側には吐出口側通水制限板23Bが配置されることで、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整することができるため、最適な錠剤濃度の炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出することができ、これによりシャワー吐出量を維持しつつ、湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせることで、該錠剤の溶解時間を延ばし、 錠剤支持部22は、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤収容部21に設けられる、対をなす2枚の壁状体であって、この一対の壁状体が通水方向Wに沿って相対向して形成され、この一対の壁状体の間に、炭酸入浴錠剤Tを配置することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができ、 炭酸入浴錠剤は、重炭酸塩と有機酸からなりポリエチレングリコールの存在下に圧縮成形され、直径が20mm以上で、厚みが直径より薄肉であり、硬度が15kgf以上、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5であり、 厚みが直径より薄肉の炭酸入浴錠剤が、炭酸入浴錠剤の直径方向が通水方向と同方向に、該錠剤が炭酸入浴錠剤収容部に収容されることで、湯水が該錠剤に当たる面積を減少し、シャワー吐出される水量を減少させずに該錠剤の溶解時間を緩慢にさせることができ、 炭酸ガスマイクロバブル混合水で発生した炭酸ガスの気泡を極めて細かいマイクロサイズとすることができ、炭酸マイクロガスが身体と接触するまでに十分中和されて重炭酸イオンに変化し、PHが7.45である中性の血管にそのまま効率よく吸収され、血行促進等の健康増進効果を手軽に得ることができ、 炭酸ガスマイクロバブル混合水によれば、水道水のカルキ臭を著しく抑制乃至は消滅させることが可能である、 炭酸ガスマイクロバブル発生部2。」 また摘記事項(1a)から以下の技術的事項が認定できる。 <技術的事項A> 「錠剤収容部21は、1つの炭酸入浴錠剤Tを収容する構成であるが、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成を採用してもよく、この場合、2以上の炭酸入浴錠剤Tは、直列に収容されてもよいし、並列に収容されてもよい。」(段落【0074】) (4-2)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「湯水」、「炭酸ガスマイクロバブル混合水」、「開閉機構」、「通水制限板23」、「錠剤支持部22」は、その意味、機能または構造からみて、本願補正発明の「湯水」、「炭酸ガスマイクロバブル混合水」、「開閉機構」、「通水制限板」、「錠剤支持部」にそれぞれ相当する。 また引用発明の「炭酸入浴錠剤」及び「炭酸入浴錠剤T」は、本願補正発明の「炭酸入浴錠剤」に相当し、引用発明の「錠剤」は、本願補正発明の「錠剤」に相当する。 さらに引用発明の「炭酸入浴錠剤収容部21」及び「錠剤収容部21」のそれぞれは、「炭酸入浴錠剤」を収容するためのものなので、本願補正発明の「炭酸入浴錠剤を収容するための錠剤収容部」に相当する。 イ 引用発明の「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」は「開閉機構」を「備える」ものである。 また引用発明の「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」は「炭酸入浴錠剤収容部21、錠剤支持部22、通水制限板23A・23B、接続部24から構成され」、特に「錠剤収容部21は、吐出口13側の端部が、シャワーヘッド部11と連結されたシャワー胴部12の端部と結合され」、「通水制限板23は、錠剤収容部21の導入口14側には導入口側通水制限板23Aが配置され、吐出口13側には吐出口側通水制限板23Bが配置されることで、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整することができるため、最適な錠剤濃度の炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出することができ」ることを踏まえると、「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」は「炭酸入浴錠剤収容部21」を備え、湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水のシャワー吐出を可能とするものであることは明らかである。 してみると、かかる「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」は、上記「ア」をも踏まえると、本願補正発明の「開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための炭酸入浴錠剤収容部が設けられた構成であり」、「湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出する炭酸ガスマイクロバブル発生器」に相当するものといえる。 ウ 引用発明における「シャワーヘッド部11」及び「シャワー胴部12」からなるものは、本願補正発明の「シャワー機器」に相当する。 そして、引用発明において「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」を構成する「錠剤収容部21」は、「吐出口13側の端部が、シャワーヘッド部11と連結されたシャワー胴部12の端部と結合され」ることから、シャワーヘッド部11と、シャワー胴部12と、錠剤収容部21を構成に含む炭酸ガスマイクロバブル発生部2とは、この順で接続され、この後にホースが接続されるのは技術的に明らかであることを踏まえると、かかる「炭酸ガスマイクロバブル発生部2」は、本願補正発明の「シャワー機器とホースとの間に配設され」る「炭酸ガスマイクロバブル発生器」に相当するものといえる。 エ 引用発明の「炭酸ガスマイクロバブル発生部が備える開閉機構は、錠剤収容部21の側周面の一部に、第1係合部21Aが設けられ、接続部24の内周に形成されたL字状の溝による第1被係合部24Aと嵌合し、これを360度以内の回転を加えて捻ることで接続され、反対の動作をすれば接続が解除される構成であり、開閉機構により炭酸マイクロバブル発生部の開閉機構の開閉操作が、シャワー胴部又はシャワーヘッド部からなる固定基準体を基準として360度以内の回転というワンタッチ操作で可能であり」という構成は、上記「ア」?「ウ」をも踏まえると、本願補正発明の「開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための錠剤収容部が設けられた構成であり、前記開閉機構が、シャワー機器からなる固定基準体を基準として、360度以内の回動によって開閉可能な構成であり」という構成に相当する。 オ 引用発明における「通水制限板23は、錠剤収容部21の導入口14側には導入口側通水制限板23Aが配置され、吐出口13側には吐出口側通水制限板23Bが配置され」という構成は、上記「ア」をも踏まえると、本願補正発明における「少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である」という構成に相当する。 カ 引用発明の「錠剤支持部22は、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に固定するため、錠剤収容部21に設けられる、対をなす2枚の壁状体であって、この一対の壁状体が通水方向Wに沿って相対向して形成され、この一対の壁状体の間に、炭酸入浴錠剤Tを配置することで、炭酸入浴錠剤Tを縦収容方向に支持及び固定することができ」という構成は、上記「ア」をも踏まえると、本願補正発明における「前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ」という構成に相当する。 キ 引用発明の「炭酸入浴錠剤は、重炭酸塩と有機酸からなりポリエチレングリコールの存在下に圧縮成形され、直径が20mm以上で、厚みが直径より薄肉であり、硬度が15kgf以上、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5であり」という構成は、上記「ア」をも踏まえると、本願補正発明における「収容される炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られた錠剤硬度が15kgf以上又は15HV以上であり、かつ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が15mm以上であって」という構成に相当する。 ク 引用発明における「厚みが直径より薄肉の炭酸入浴錠剤が、炭酸入浴錠剤の直径方向が通水方向と同方向に、該錠剤が炭酸入浴錠剤収容部に収容されることで、湯水が該錠剤に当たる面積を減少し、シャワー吐出される水量を減少させずに該錠剤の溶解時間を緩慢にさせることができ」、「通水制限板23は・・・これによりシャワー吐出量を維持しつつ、湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせることで、該錠剤の溶解時間を延ばし」という構成は、上記「ア」?「ウ」,「オ」?「カ」をも踏まえると、本願補正発明の「前記錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生器内の通水方向と同方向となる構成であって、吐出量を維持しつつ湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤の溶解時間を延ばす構成である」という構成に相当する。 ケ 本願補正発明の「湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成である」という構成について、本願明細書の段落【0025】の「炭酸ガスマイクロバブル発生器を、シャワー機器とホースとの間に配設することによって、炭酸ガスマイクロバブル発生器に収容された炭酸入浴錠剤が湯水によって溶解され、これにより発生した炭酸ガスは、接続されたシャワー機器内で湯水に曝される時間が得られるので、適度な中和時間を得ることができ、重炭酸イオンへ変化するための時間も得ることができ、重炭酸イオンによる血行促進等の健康増進効果を得ることができる。また、シャワー機器を通過する時間を要することによって、重炭酸イオンによって湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させることにより、健康増進効果をより一層得ることができる。」という記載、及び審判請求書における「3-2.補正の適法性について」の項において「「湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成」についても、本発明の構成によって得られる作用効果を説明した内容であります。」と述べられていることから、本願補正発明の該構成は、本願補正発明の作用効果であって特に炭酸ガスマイクロバブル発生器を、シャワー機器とホースとの間に配設することによってシャワー機器を通過する時間を要することで得られる重炭酸イオンに基づく作用効果と理解される。 してみると、引用発明における、作用効果に関する「炭酸ガスマイクロバブル混合水で発生した炭酸ガスの気泡を極めて細かいマイクロサイズとすることができ、炭酸マイクロガスが身体と接触するまでに十分中和されて重炭酸イオンに変化し」、「炭酸ガスマイクロバブル混合水によれば、水道水のカルキ臭を著しく抑制乃至は消滅させることが可能である」という構成は、上記「ウ」をも踏まえると、実質的に本願補正発明の「湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成である」という構成に相当するものといえる。 以上のことから、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点1> 「湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出する炭酸ガスマイクロバブル発生器であって、 シャワー機器とホースとの間に配設され、 開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための錠剤収容部が設けられた構成であり、 前記開閉機構が、シャワー機器からなる固定基準体を基準として、360度以内の回動によって開閉可能な構成であり、 少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である炭酸ガスマイクロバブル発生器において、 前記錠剤収容部には、炭酸入浴錠剤を縦収容方向に固定するため、錠剤支持部が設けられ、 収容される炭酸入浴錠剤が、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で圧縮成形されて得られた錠剤硬度が15kgf以上又は15HV以上であり、かつ、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となり、錠剤の直径が15mm以上であって、 前記錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生器内の通水方向と同方向となる構成であって、吐出量を維持しつつ湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤の溶解時間を延ばす構成であると共に、 湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成である、 炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 <相違点1> 本願補正発明は「更に、前記錠剤収容部に収容可能なホルダを別途設け、該ホルダに複数の錠剤を収容し、該ホルダを錠剤収容部に収容する構成であり」という構成を有するのに対し、引用発明はそのような構成を有さない点。 (4-3)判断 上記「(3)」で述べたように、本願補正発明における「ホルダ」が「錠剤支持部」や「通水制限板」によって構成されるのか否か不明確であることから、以下では「ホルダ」が「錠剤支持部」や「通水制限板」によって構成される場合(以下「場合X」という。)と、「ホルダ」が「錠剤支持部」や「通水制限板」と別物である場合(以下「場合Y」という。)について検討する。 ア 場合Xについて 引用文献1には、「錠剤収容部21は、1つの炭酸入浴錠剤Tを収容する構成であるが、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成を採用してもよく、この場合、2以上の炭酸入浴錠剤Tは、直列に収容されてもよいし、並列に収容されてもよい。」という技術的事項Aも記載されている(上記「(4-1)イ」)。 してみると、引用発明において技術的事項Aを適用し、錠剤収容部21に2以上の炭酸入浴錠剤を収容可能にすることは、当業者が適宜なし得たことである。その際、錠剤支持部22における一対の壁状体の間かつ導入口側通水制限板23Aと吐出口側通水制限板23Bの間に複数の炭酸入浴錠剤を収容して支持及び固定するように設計変更することで、相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することに格別な困難性は認められない。 そして本願補正発明の効果について検討しても、引用発明及び技術的事項Aの効果の総和から予想し得ない格別なものとは認められない。 イ 場合Yについて 引用文献1において技術的事項Aを勘案し、錠剤収容部21に2以上の炭酸入浴錠剤を収容可能にすることは、当業者が容易になし得たことである。その際、水に溶解する錠剤を用いる技術分野において、複数の錠剤を収容するホルダを用いることは例えば本願の原出願日前に頒布された特開2003-33415号公報(特に図2?3における錠剤収容部に相当するカバー3内に設けられた、複数の錠剤状の減菌剤4を収容するホルダとしての薬剤収納器2参照)に開示されているように周知技術といえることから、周知技術を勘案して別途ホルダを設けて相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することに格別な困難性は認められない。 そして本願補正発明の効果について検討しても、引用発明、技術的事項A及び周知技術の効果の総和から予想し得ない格別なものとは認められない。 ウ 請求人の主張について 請求人は審判請求書の「4-2」の項で、「以上をまとめますと、本発明は、引用文献1には言及がない、複数の錠剤を収容する『ホルダ』という独自の発明特定事項を有し、この『ホルダ」による作用効果によって、『湯水吐出量維持と錠剤の接触水量との調整で、錠剤の溶解速度緩慢による錠剤溶解時間の延長に関する構成』を有し、更に、『湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる構成』をも有する構成なのです。この点に関し、引用文献1には言及がないばかりか示唆さえもなく、この構成を有する本発明を、容易に想到可能とする根拠は見当たらないものと確認します。」と主張している。 しかしながら、該「湯水吐出量維持と錠剤の接触水量との調整で、錠剤の溶解速度緩慢による錠剤溶解時間の延長」や該「湯水のカルキが除去された後、シャワー吐出されるまでの時間を得ることができるため、経皮毒を減少させる」という作用効果について、上記一致点1から明らかなように、引用発明は該作用効果を有するのであって、上記「2-2(2)ア,カ」で述べたことから明らかなように該作用効果がホルダによるものとは認められない。そして「ホルダ」の構成については上記「ア」,「イ」で述べたとおり、引用発明及び技術的事項A又は引用発明、技術的事項A及び周知技術に基いて想到することに格別な困難性は認められない。 以上より、請求人の主張には理由がない。 (4-4)小括 したがって、本願補正発明は、引用文献1に記載された引用発明及び技術的事項A又は引用文献1に記載された引用発明及び技術的事項A並びに周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 2-4 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、上記「2-1」で述べたように、特許法第17条の2第5項の規定を満たさないことから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 仮に、本件補正が同法第17条の2第5項の規定の規定を満たすものとしてみても、本件補正は、上記「2-2」で述べたように、特許法第17条の2第3項の規定を満たさないことから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 さらに仮に、本件補正が同法第17条の2第3項及び同条第5項の規定の規定を満たすものとしてみても、上記「2-3」で述べたように、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定(独立特許要件)を満たさないものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成30年11月28日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本件の請求項に係る発明は、平成30年3月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記「第2[理由]1(2)」に記載のとおりのものである。 なお、平成30年5月28日にされた手続補正については、同年8月24日付けで却下されている。 2 原査定の拒絶の理由 理由1(新規性):本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2(進歩性):本願の請求項1?2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:登録実用新案第3187368号公報 3 引用文献1の記載事項等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項並びに引用発明及び技術的事項Aは、上記「第2[理由]2 2-2(4)(4-1)」に記載したとおりである。 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 上記「第2 2-3(4)(4-2)」の「ア」?「オ」,「ク」に加えて、引用発明の「炭酸入浴錠剤は、・・・厚みが直径より薄肉であり」という構成は、上記「第2[理由]2 2-2(4)(4-2)」の「ア」を踏まえると、本願発明の「炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉であって」という構成に相当するので、両者の間の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点2> 「湯水の送水経路に設けられ、炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出する炭酸ガスマイクロバブル発生器であって、 シャワー機器とホースとの間に配設され、 開閉機構を有し、炭酸入浴錠剤を収容するための炭酸入浴錠剤収容部が設けられた構成であり、 前記開閉機構が、シャワー機器からなる固定基準体を基準として、360度以内の回動によって開閉可能な構成であり、 少なくとも湯水の導入口側又は吐出口側のいずれか一方又は両方に、炭酸入浴錠剤に直接当たる水量を調整するための通水制限板が設けられた構成である炭酸ガスマイクロバブル発生器において、 炭酸入浴錠剤の厚みが、その直径よりも薄肉であって、 炭酸入浴錠剤収容部への炭酸入浴錠剤の収容方向が、炭酸入浴錠剤の直径方向が炭酸ガスマイクロバブル発生器内の通水方向と同方向となる構成であって、吐出量を維持しつつ湯水と錠剤の接触水量のみを調整し、該錠剤の溶解速度を緩慢にさせ、該錠剤の溶解時間を延ばす構成であることを特徴とする炭酸ガスマイクロバブル発生器。」 <相違点2> 本願補正発明は「前記炭酸入浴剤収容部に収容可能なホルダを有し、該ホルダに複数の錠剤を収容して錠剤収容部に収容する構成であり」という構成を有するのに対し、引用発明はそのような構成を有さない点。 5 判断 引用文献1には、「錠剤収容部21は、1つの炭酸入浴錠剤Tを収容する構成であるが、2以上の炭酸入浴錠剤Tを収容可能な構成を採用してもよく、この場合、2以上の炭酸入浴錠剤Tは、直列に収容されてもよいし、並列に収容されてもよい。」という技術的事項Aも記載されている(上記「第2[理由]2 2-2(4)(4-1)イ」)。 してみると、引用発明において技術的事項Aを適用し、錠剤収容部21に2以上の炭酸入浴錠剤を収容可能にすることは、当業者が適宜なし得たことである。その際、錠剤支持部22における一対の壁状体の間かつ導入口側通水制限板23Aと吐出口側通水制限板23Bの間に複数の炭酸入浴錠剤を収容して支持及び固定するように設計変更し、錠剤支持部22並びに導入口側通水制限板23A及び吐出口側通水制限板23Bの全体をホルダとして機能させることで、相違点2に係る本願発明の構成に想到することに格別な困難性は認められない。 そして本願発明の効果を検討しても、引用発明及び技術的事項Aの効果の総和から予想し得ない格別なものとは認められない。 したがって、本願発明は、引用文献1に記載された引用発明及び技術的事項Aに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2019-09-30 |
結審通知日 | 2019-10-08 |
審決日 | 2019-10-21 |
出願番号 | 特願2017-18279(P2017-18279) |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(A61H)
P 1 8・ 121- Z (A61H) P 1 8・ 575- Z (A61H) P 1 8・ 561- Z (A61H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小原 正信、大谷 謙仁 |
特許庁審判長 |
中川 真一 |
特許庁審判官 |
中村 泰二郎 藤井 昇 |
発明の名称 | 炭酸ガスマイクロバブル発生器 |
代理人 | 坂口 信昭 |