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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61K
管理番号 1358181
審判番号 不服2019-1762  
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-07 
確定日 2020-01-14 
事件の表示 特願2015-556574「DLL3結合試薬を含む治療薬及び診断薬の癌標的」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月21日国際公開、WO2014/125273、平成28年 5月12日国内公表、特表2016-513094、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年2月12日(パリ条約による優先権主張 2013年2月12日 英国)を国際出願日とする特許出願であって、平成30年1月11日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月14日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年10月1日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成31年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年10月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1?4に係る発明は、以下の引用文献1?3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2011/093097号
2.CANCER IMMUNOLOGY, IMMUNOTHERAPY,1997年,Vol.45 No.3-4,p.203-206
3.CANCER IMMUNOLOGY, IMMUNOTHERAPY,2007年,Vol.56 No.10,p.1637-1644

第3 本願発明
本願請求項1?4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明4」という。)は、平成31年2月7日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
DLL3が発現される癌の治療又は予防用の医薬組成物であって、DLL3及びCD3と結合する二重特異性抗体の治療的に有効な量を含み、前記癌が肺癌である、前記医薬組成物。
【請求項2】
小細胞肺癌を治療又は予防するための、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
二重特異性抗体がDLL3と特異的に結合する、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
二重特異性抗体が、癌細胞のアポトーシスを誘発するか、癌幹細胞を殺滅するか又はその数を減少させるか、及び/又は循環癌細胞を殺滅するか又はその数を減少させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の医薬組成物。」

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(国際公開第2011/093097号)には、次の事項が記載されている。
(1-1)
「【請求項1】
DLL3タンパク質に結合する抗体。
【請求項2】
細胞傷害活性を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
細胞傷害活性が、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)である請求項2に記載の抗体。
・・・
【請求項8】
請求項1?7のいずれかに記載の抗体を有効成分として含む医薬組成物
【請求項9】
抗癌剤である請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
肺癌を対象とする抗癌剤である請求項9に記載の医薬組成物。」

(1-2)
「【0092】
(3)二重特異性抗体
さらに、本発明の抗体は二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体とは、異なるエピトープを認識する可変領域を同一の抗体分子内に有する抗体を言う。本発明において、二重特異性抗体はDLL3分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有することができる。このような二重特異性抗体は、1分子のDLL3に対して2分子の抗体分子が結合できる。その結果、より強力な細胞傷害作用を期待できる。
【0093】
あるいは、一方の抗原結合部位がDLL3を認識し、他方の抗原結合部位が細胞傷害性物質を認識する二重特異性抗体とすることもできる。細胞傷害性物質には、具体的には、化学療法剤、毒性ペプチド或いは放射性化学物質等が含まれる。このような二重特異性抗体は、DLL3を発現している細胞に結合する一方で、細胞傷害性物質を捕捉する。その結果、細胞傷害性物質をDLL3発現細胞に直接作用させることができる。すなわち細胞傷害性物質を認識する二重特異性抗体によって、腫瘍細胞を特異的に傷害し、腫瘍細胞の増殖を抑制することができる。
【0094】
また本発明においては、DLL3以外の抗原を認識する抗原結合部位と組み合わせた二重特異性抗体を用いることもできる。たとえば、DLL3と同様に標的とする癌細胞の細胞表面に特異的に発現する抗原であって、DLL3とは異なる抗原を認識するような抗原結合部位と組み合わせて二重特異性抗体とすることができる。
【0095】
二重特異性抗体を製造するための方法は公知である。たとえば、認識抗原が異なる2種類の抗体を結合させて、二重特異性抗体を作製することができる。結合させる抗体は、それぞれが重鎖と軽鎖を有する1/2分子であっても良いし、重鎖のみからなる1/4分子であっても良い。あるいは、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて、二重特異性抗体産生融合細胞を作製することもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体が作製できる。
【0096】
抗体の抗原結合活性(Antibodies A Laboratory Manual. Ed Harlow, David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988)の測定には公知の手段を使用することができる。例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光免疫法などを用いることができる。」

(1-3)
「【0217】
〔実施例4〕抗DLL3抗体によるADCC活性の誘導、抗体トキシン複合体を介した増殖抑制
抗DLL3抗体の、カルセインラベルしたDLL3発現細胞に対する抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)誘導活性を調べた。DLL3を発現する、ヒトDLL3/BaF3および小細胞肺癌細胞株NCI-H1184(ATCC)を、20μg/ml Calcein-AM(Dojindo, 349-07201)存在下で90分間培養し、遠心、洗浄することで、カルセインラベルしたターゲット細胞を準備した。96ウェルプレート(Coster 3799)に1x104のターゲット細胞を播き込んだ。つづいて適切な終濃度になるように調製された抗体を添加して室温にて15分間インキュベートした。各ウェルに5x104のエフェクター細胞を添加し、反応プレートを37℃、CO2インキュベーター中にてインキュベートした。エフェクター細胞にはマウスFcγR3-ヒトFcγR3キメラ分子を発現するNK92細胞(WO 2008/093688)が用いられた。4時間インキュベートした後、遠心したプレートの各ウェルより100μlの培養上清を回収し、蛍光強度をARVO SX(Wallac)を用いて測定した。
【0218】
下式によりADCC誘導活性を算出した。
ADCC[%]=(A-C)/(B-C) × 100
ここでAは各ウェルにおける蛍光強度、Bは終濃度1% Nonidet P-40で細胞溶解した上清中の蛍光強度平均値、Cは培地のみ添加した場合の蛍光強度平均値である。各々の実験条件において3点測定し、平均値と標準偏差を算出した。図4は終濃度2.5μg/mlで抗体を添加した場合のDLL3/BaF3細胞に対するADCC誘導活性を示す。コントロール抗体であるIgG1, IgG2bにADCC活性が認められなかった一方で、DL301, DL306, DL312にADCC誘導活性が認められた。市販モノクローナル抗体MAB4315には明瞭なADCC誘導活性は認められなかった。図5は、DLL3/BaF3とNCI-H1184に対しDL301, DL306, D312抗体が用量依存的にADCCを誘導することを示す。
【0219】
抗DLL3モノクローナル抗体の細胞内への取り込みを、トキシン標識した抗マウス2次抗体Mab-ZAP(Advanced Targeting Systems)を用いて評価した。96ウェルプレートに1ウェルあたり5x10^(3)のDLL3/BaF3細胞を播き込んだ。続いて終濃度1μg/mlになるように抗DLL3マウスモノクローナル抗体およびMabZAPを添加し、37℃、CO2インキュベーター中でインキュベートした。4日後、生細胞数測定試薬SF(ナカライテスク)を添加し、マイクロプレートリーダーを用いて450nm、対照波長620nmの吸光度を測定することで細胞増殖を測定した(図6)。抗DLL3モノクローナル抗体およびMabZAPを細胞に添加すると、細胞の増殖は抑制された。ADCC誘導活性が認められたDL301, DL306, DL312は、抗体とDLL3発現細胞を混合して37℃培養した後に細胞上に残存する抗体量が多く、かつ、MabZAP複合体の細胞内取り込みによる増殖抑制効果は低かった。」

(2)引用文献1に記載された発明
上記記載事項(1-3)には、ターゲット細胞である、DLL3を発現する小細胞肺癌細胞株に、抗DLL3抗体及びエフェクター細胞を添加したところ、ADCC誘導活性が認められたことが記載されている。
そうすると、上記記載事項(1-1)の請求項1、8?10及び上記記載事項(1-3)の実施例4の記載からみて、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
「DLL3が発現される癌の治療用の医薬組成物であって、DLL3と結合する抗体を含み、前記癌が肺癌である、前記医薬組成物。」(以下、「引用発明1」という。)

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(CANCER IMMUNOLOGY, IMMUNOTHERAPY,1997年,Vol.45 No.3-4,p.203-206)には、次の事項が記載されている。なお、引用文献2は英語文献であるので、翻訳文により記載する。
(2-1)(標題)
「CD3E×GP-2指向性二重特異性モノクローナル抗体BIS-1を使用した肺癌治療へのアプローチ」

(2-2)(203頁左欄1行?右欄10行)
「要約:二重特異性モノクローナル抗体BIS-1は、すべてのTリンパ球に存在するCD3複合体に対する定義されたモノクローナル抗体の特異性と、膵臓/上皮関連糖タンパク質EGP-2に対する定義されたモノクローナル抗体の特異性を兼ね備えている。インビトロ研究は、BIS-1がTリンパ球にEGP-2陽性腫瘍標的細胞を殺すように指示できることを示している。T細胞の事前の活性化は、この活性に必要であり、単離された末梢血単核細胞をCD3モノクローナル抗体とインキュベートした後、組換えインターロイキン-2含有培地で短時間培養するか、CD5及びCD28に基づく二重特異性モノクローナル抗体の共刺激により得ることができる。BIS-1の臨床応用は、悪性腹水又は胸膜内滲出液を患っている癌患者を治療するパイロット研究で開始された。この研究では、エクスビボで活性化された自己リンパ球が、BIS-1の存在下で局所的に、すなわち、腹腔内又は胸膜内に適用された。局所炎症及び抗腫瘍活性が観察されたが、これらの患者では全身毒性は見られたなかったか、ごくわずかしか見られなかった。・・・インビトロアッセイでは、これらの患者の血液サンプルに二重特異性モノクローナル抗体指向性抗腫瘍活性が存在することが示されたが、明確な臨床反応は観察されなかった。ラットモデルでは、EGP-2陽性腫瘍の二重特異性モノクローナル抗体/組換えインターロイキン-2の静脈注射治療は、全身の腫瘍負荷が低い場合に有効であり、全身の二重特異性モノクローナル抗体/組換えインターロイキン-2の治療は、残存病変が最小の状況で有効である可能性が示唆された。」

(2-3)(203頁右欄18行?204頁左欄2行)
「エフェクター細胞上の活性化分子と標的細胞上の腫瘍関連抗原(TAA)の二重特異性により、二重特異性モノクローナル抗体は、選択されたTAA陽性腫瘍細胞に対する様々な細胞傷害性エフェクター細胞の溶解能力を再標的化することができる。癌の免疫療法に対するこの概念の考えられる影響は容易に認識されており、その結果、過去数年間にこの主題に関して様々なインビトロ動物、臨床研究が行われてきた。
二重特異性モノクローナル抗体指向性抗腫瘍活性は、殺傷能力を有する全ての免疫エフェクター細胞により実行される。これには、二重特異性モノクローナル抗体がCD3のような活性化分子をTAAに橋渡しできる細胞傷害性Tリンパ球集団が含まれる。このようにして、正常なT細胞受容体/MHC相互作用はバイパスされ、細胞毒性は、二重特異性モノクローナル抗体の特異性によって決定される(二重特異性モノクローナル抗体媒介Tリンパ球の再標的化)。そのため、細胞傷害性は、T細胞受容体の特異性に関係なく、また腫瘍細胞によるMHC発現/ペプチド提示の程度に関係なく発生する。」

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3(CANCER IMMUNOLOGY, IMMUNOTHERAPY,2007年,Vol.56 No.10,p.1637-1644)には、次の事項が記載されている。なお、引用文献3は英語文献であるので、翻訳文により記載する。
(3-1)(標題)
「三機能性モノクローナル抗体カツマキソマブ(抗EpCAM×抗CD3)による非小細胞肺癌患者の治療:第I相試験」

(3-2)(1637頁左欄2行?末行)
「目的:カツマキソマブは、ヒトEpCAM及びヒトT細胞抗原CD3(抗EpCAM×抗CD3)に結合部位をもつ三機能性モノクローナル抗体である。カツマキソマブは、卵巣癌のEpCAM陽性腹水患者に腹腔内投与すると、腫瘍細胞の死滅と腹水生成の減少という点で有効性を示した。EpCAMはNSCLCでも過剰発現しているため、本研究は、カツマキソマブによる静脈内治療の安全性と認容性を評価するために実施された。」

(3-3)(1638頁左欄11?21行)
「カツマキソマブは、EpCAMとT細胞マーカーCD3に依存する2つの異なる結合特異性を持つ新しい融合ハイブリドーマ由来の三機能性モノクローナル抗体である(抗EpCAM×抗CD3)。EpCAM陽性腫瘍細胞及びT細胞に結合している間、カツマキソマブはそのFc領域とFCγ受容体タイプI及びIIIへの結合を介してアクセサリー細胞を同時にリクルートし、抗体依存性細胞障害性(ADCC)だけでなく、アポトーシスの誘導、サイトカインの放出、パーフォリン媒介溶解による腫瘍細胞の効率的な死滅をもたらすと考えられている。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、本願発明1と引用発明1は次の点で一致し、次の点で相違するといえる。
(一致点)
「DLL3が発現される癌の治療用の医薬組成物であって、DLL3と結合する抗体を含み、前記癌が肺癌である、前記医薬組成物。」

(相違点1)
抗体が、本願発明1では、「DLL3及びCD3と結合する二重特異性抗体」であるのに対し、引用発明1では、DLL3と結合する抗体である点
(相違点2)
抗体の量が、本願発明1では、「治療的に有効な量」であるのに対し、引用発明1では、そのような特定はない点

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
本願発明1の「DLL3及びCD3と結合する二重特異性抗体」は、第1の部分はエフェクター細胞で発現しているCD3に特異的に結合するものであり、第2の部分は標的細胞に発現しているDLL3に特異的に結合するものであって、これにより、DLL3を発現する標的細胞を、CD3発現エフェクター細胞(例えば、CD3発現細胞傷害性T細胞)に向かわせ、CD3媒介エフェクター細胞活性(例えば、T細胞クローン増殖及びT細胞細胞傷害性)を誘発することにより、標的細胞を特異的溶解させ、細胞死させる作用を有するものである(本願明細書段落【0090】、【0091】、実施例4)。
引用文献1の上記記載事項(1-2)には、DLL3と結合する抗体は、一方の抗原結合部位がDLL3を認識し、他方の抗原結合部位が細胞傷害性物質を認識する二重特性抗体とすることもできる旨示唆されているものの、他方の抗原結合部位が認識する細胞傷害性物質として例示されているのは、化学療法剤、毒性ペプチド又は放射性化学物質といった細胞傷害性の化学物質であって、細胞傷害性T細胞といったエフェクター細胞を誘導するために、エフェクター細胞で発現しているCD3を対象とすることは記載も示唆もされていない。
引用文献2、3に示されるように、DLL3とは異なる癌抗原(引用文献2ではEGP-2、引用文献3ではEpCAM)及びCD3と結合する二重特異性抗体により、CD3を発現するT細胞を癌細胞の近くに誘導する技術は本願優先日前に既に知られていたものの、この技術を引用発明1のDLL3と結合する抗体に適用する動機付けとなる記載は引用文献1には見当たらない。

そして、本願明細書の実施例4には、ヒト肺癌細胞であるDMS79細胞に、DLL3と結合する抗体及びCD3と結合する抗体を併用して添加すると、CD3による活性化を介したT細胞の細胞傷害活性により、肺癌細胞が特異的に溶解されて細胞死することが示されており(段落【0146】)、図2には、CD3と結合する抗体及びDLL3と結合する抗体を併用した場合は、CD3と結合する抗体のみを添加した場合と比較して、細胞傷害活性が顕著であることが示されている。このような本願明細書の実施例4及び図2に示される効果は、本願発明1の「DLL3及びCD3と結合する二重特異性抗体」が肺癌の治療又は予防用の医薬組成物として有用であるという効果を裏付けるものであって、当該効果は、上記引用文献1?3の記載から当業者が予測し得るものではない。

(3)小括
以上のとおりであるから、本願発明1は、上記相違点2について判断するまでもなく、引用発明1及び引用文献2、3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2?4について
本願発明2?4は、本願発明1をさらに限定したものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1及び引用文献2、3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、補正前の請求項1における「前記癌が肺癌、膵臓癌及び皮膚癌からなる群から選択される」という記載が「前記癌が肺癌である」と補正された。
そして、上記第5のとおり、本願発明1?4は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1?3に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-12-20 
出願番号 特願2015-556574(P2015-556574)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石井 裕美子  
特許庁審判長 岡崎 美穂
特許庁審判官 冨永 みどり
關 政立
発明の名称 DLL3結合試薬を含む治療薬及び診断薬の癌標的  
代理人 須田 洋之  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 市川 さつき  
代理人 服部 博信  
代理人 山崎 一夫  
代理人 滝澤 敏雄  

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