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審決分類 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  G07G
審判 全部申し立て 2項進歩性  G07G
審判 全部申し立て 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張  G07G
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G07G
審判 全部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更  G07G
審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  G07G
管理番号 1358616
異議申立番号 異議2019-700197  
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-11 
確定日 2019-12-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6389343号発明「注文情報提示方法、注文システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6389343号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3、4、5について訂正することを認める。 特許第6389343号の請求項1?5に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第6389343号の請求項1?5に係る特許についての出願は,平成30年1月11日の特許出願であって,同年8月24日にその特許権の設定登録がされ,同年9月12日に特許掲載公報が発行された。これらの請求項1?5に係る特許について,特許異議申立人 鬼頭厘早により平成31年3月11日に特許異議の申立てがあり,令和1年5月22日付けで取消理由が通知され,その指定期間内である同年7月29日付けで特許権者により意見書の提出及び訂正の請求があったものである。その後,同年9月19日付けで特許異議申立人により意見書が提出されたところである。

第2.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
令和1年7月29日付けの訂正請求(以下,「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下の訂正事項1?4のとおりである(下線は,訂正箇所を示し,当審で付与した。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備える、注文システム」と記載されているのを、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段とを備え、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文システム」に訂正する(請求項1を引用する請求項2も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備える、管理サーバ」と記載されているのを、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、管理サーバ。」
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4に、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、を含む、注文方法」と記載されているのを、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、を含み、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文方法」に訂正する。
(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、として機能させるプログラム」と記載されているのを、「前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、として機能させ、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、プログラム」に訂正する。

2.訂正要件についての判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1?2について、請求項2は請求項1を引用しているものであって、上記訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1及び2に対応する訂正後の請求項1及び2は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正事項1
ア.訂正の目的について
上記訂正事項1は、訂正前の「携帯型端末を用いて行われた注文」を、「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み」に限定し、訂正前の「携帯型端末に表示させる手段」を「前記携帯型端末に表示させる手段は 前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する」に限定するものであるから、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、「携帯型端末を用いて行われる注文」に係る訂正が、願書に添付した明細書の段落番号【0013】、【0017】、及び【0020】等の記載に基づくものであり、「携帯型端末に表示させる手段」に係る訂正が願書に添付した明細書の段落番号【0024】、【0038】、図6、及び図8乃至10等の記載に基づくものであって、上記訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項1は、「携帯型端末を用いて行われた注文」及び「携帯型端末に表示させる手段」をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項2、4
ア.訂正の目的について
上記訂正事項2及び上記訂正事項4は、上記訂正事項1と同様の訂正であるから、訂正事項2及び訂正事項4による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2及び上記訂正事項4は、上記訂正事項1と同様の訂正であるから、訂正事項2及び訂正事項4による訂正は、訂正事項1による訂正と同様に、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項2及び上記訂正事項4は、上記訂正事項1と同様の訂正であるから、訂正事項2及び訂正事項4による訂正は、訂正事項1による訂正と同様に、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、訂正事項2及び訂正事項4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)訂正事項3
ア.訂正の目的について
上記訂正事項3は、訂正前の「携帯型端末を用いて行われた注文」を、「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み」に限定し、訂正前の「携帯型端末に表示させるステップ」を「前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する」に限定するものであるから、訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、「携帯型端末を用いて行われる注文」に係る訂正が、願書に添付した明細書の段落番号【0013】、【0017】及び【0020】等の記載に基づくものであり、「携帯型端末に表示させるステップ」に係る訂正が願書に添付した明細書の段落番号【0024】、【0038】、図6、及び図8乃至10等の記載に基づくものであって、上記訂正事項3のよる訂正は、願書に添付した明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項3は、「携帯型端末を用いて行われた注文」及び「携帯型端末に表示させるステップ」をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。
3.むすび
以上のとおりであるから,本件訂正請求による訂正は,特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので,訂正後の請求項〔1,2〕,3,4,5について訂正を認める。

第3.訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし5に係る発明(以下,「本件発明1」ないし「本件発明5」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、
前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、
前記店舗内システムと前記携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を含み、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文システム。
【請求項2】
前記携帯型端末は、当該携帯型端末を所持する来店客の卓に表示された二次元バーコードを読み取ることによって、前記卓識別情報を取得する、
請求項1記載の注文システム。
【請求項3】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続される管理サーバであって、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、
を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、管理サーバ。
【請求項4】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、前記店舗内システムと前記携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を備える注文システムにおける注文の表示方法であって、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得するステップと、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得するステップと、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付けるステップと、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、
を含み、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文方法。
【請求項5】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続されるコンピュータを、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段、及び
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、
として機能させ、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、プログラム。」

第4.取消理由通知に記載した取消理由について
1.取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし5に係る特許に対して令和1年5月22日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は,次のとおりである。
1)本件特許の請求項1,3?5に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
2)本件特許の請求項1?5に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

引用文献
引用例1:特開2006-302218号公報(特許異議申立人が提出した甲第2号証)
引用例2:特開2017-162028号公報(特許異議申立人が提出した甲第3号証)
引用例3:特開2015-32122号公報(特許異議申立人が提出した甲第4号証)

2.甲号証の記載
(1)引用例1の記載事項及び引用発明
ア.引用例1の記載事項
引用例1には、以下の記載がある(下線は,当審で付与した。以下同様)。
・「【請求項1】
利用者の所持する携帯端末とネットワークを介して接続可能に構成された情報処理システムであって、
利用者がチェックインした場合に、当該利用者から注文を受け付ける期間(以下、「セッション」という)を識別するためのセッション情報を生成するセッション情報生成手段と、
前記セッション情報生成手段によって生成されたセッション情報を、注文対象の届け先を示す位置情報と関連付けて店舗管理情報記憶手段に登録するチェックイン情報登録手段と、
携帯端末からログイン情報を受信するログイン情報受信手段と、
前記ログイン情報受信手段によって受信されたログイン情報から位置情報とセッション情報とを抽出し、当該位置情報とセッション情報との組み合わせが、前記店舗管理情報記憶手段に登録されているか否かを照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果、登録されている場合に、前記携帯端末を所持する利用者のセッションが有効であると判断して、前記携帯端末から前記利用者の注文を受け付け、当該受け付けた注文と前記照合に用いた位置情報とを対応付けて管理する注文受付手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。」
・「本発明は、レストラン等の飲食店における店舗運営を支援するための情報処理システムに関し、特に、利用者の有する携帯端末からメニュー等の注文(オーダー)を行うための情報処理技術に関する。」(段落【0001】)
・「オーダーリングシステムの概略構成を示すブロックダイアグラムである。図1に示すように、オーダーリングシステム100は、飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1、店舗運営を支援するためのWebサーバー2、飲食店等の店舗に設置される店舗システム3を備え、これらが所定のネットワークN(LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含む)を介して相互に接続されることにより構成される。」(段落【0018】)
・「携帯端末1は、飲食店等を利用する利用者が所持するネットワーク接続機能を備えた汎用の携帯型情報端末装置である。」(段落【0019】)
・「店舗システム3は、飲食店の店舗側に設置されるシステムである。店舗システム3は単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。店舗システム3は店舗に既設のシステムを利用することができるものであり、一例として、POS(Point of Sales)システム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成される。店舗システム3のCPUが、ROM、RAM、外部記憶装置などに記憶された所定のプログラム(本発明にかかるオーダーリングの処理内容を規定したプログラム)を実行ることにより、各種機能実現手段(図5を参照)として店舗システム3を機能させる。」(段落【0021】)
・「図4に示すように、Webサーバー2は、本発明における主な構成として、携帯端末1を用いて注文処理を行うためのWebサーバー2の動作全体を制御する制御部20と、携帯端末1を用いた注文処理に必要な情報を記憶するための記憶部22と、携帯端末1又は店舗システム3のPOSシステム4との間でデータ通信を行うための通信部21とを備える。」(段落【0025】)
・「制御部20は、チェックイン情報受信手段201、チェックイン情報登録手段202、ログイン情報受信手段203、照合手段204、注文受付手段205、削除手段209を備える。さらに、注文受付手段205は、アドレス登録手段206、URL情報送信手段207、URLチェック手段208を備える。記憶部22は、店舗管理情報記憶手段221、アドレス登録情報記憶手段222、仮注文情報記憶手段223、確定注文情報記憶手段224、メニュー情報記憶手段225を備える。」(段落【0026】)
・「チェックイン情報受信手段201は、利用者がチェックインした場合に、セッション情報と位置情報とを、店舗システム3から受信するための処理を行う。セッション情報とは、利用者から注文を受け付ける期間(セッション)を識別するための情報であり、各店舗のテーブル毎にチェックインからチェックアウトまで有効となるように管理される。ここで、チェックインとは注文の受付けを開始する時点のことであり、チェックアウトとは注文の受付けを終了する時点のことである。本実施例では、利用者が最初のオーダーを頼むときをチェックインとして、精算したときをチェックアウトとしているが、例えば、利用者が入店したときをチェックインとしてもよい。本実施例では、セッション情報として、各テーブルのセッションを一意に特定するためにテーブル毎にシーケンシャルに付与される番号(以下「SEQ番号」という)を利用している。また、位置情報とは、注文対象の届け先を示すための情報であり、例えば、利用者がどのテーブルに着いているかを識別して、店員が注文対象を届けるために使用するための情報である。本実施例では、利用者の入店している店舗を識別するための店舗コードと、店舗内のテーブルを識別するためのテーブル番号とを合わせたものを、位置情報として利用している。」(段落【0027】)
・「チェックイン情報登録手段202は、チェックイン情報受信手段201が店舗システム3から受信したセッション情報と位置情報とを関連付けて店舗管理情報記憶手段221に登録するための処理を行う。本実施例では、SEQ番号を店舗コード及びテーブル番号と関連付けて店舗管理テーブルに登録する。」(段落【0028】)
・「ログイン情報受信手段203は、携帯端末1からログイン情報を受信するための処理を行う。ここで、ログイン情報とは、利用者が携帯端末1を使用して注文するときに、当該利用者が真の利用者かどうか、すなわち、利用者が店舗内のテーブル(卓)を現在使用している者かどうかを確認するために使用される情報であり、真の利用者であると判断された場合には、携帯端末1からの注文が受け付け可能となる。ログイン情報は少なくとも、位置情報及びセッション情報を含むものである。本実施例では、店舗コード、テーブル番号、SEQ番号、及び、利用者の所持する携帯端末1に割り当てられているメールアドレスをログイン情報として使用している。」(段落【0029】)
・「照合手段204は、ログイン情報受信手段203によって携帯端末1から受信されたログイン情報から位置情報とセッション情報とを抽出し、当該位置情報とセッション情報との組み合わせが、店舗管理情報記憶手段221に登録されているか否かを照合するための処理を行う。」(段落【0030】)
・「注文受付手段205は、照合手段204による照合の結果、登録されている場合に、携帯端末1を所持する利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1から前記利用者の注文を受け付け、当該受け付けた注文と前記照合に用いた位置情報とを対応付けて管理するための処理を行う。本実施例では、注文受付手段205は、アドレス登録手段206、URL情報送信手段207及びURLチェック手段208により構成される。」(段落【0031】)
・「 図9に示すように、確定注文情報記憶手段224は、確定注文テーブルを備える。確定注文テーブルは、利用者からの仮注文を受けた後、当該仮注文を確定した場合に、確定した注文の情報を格納するためのものである。本実施例では一例として、店舗コードと、テーブル番号と、注文をした携帯端末1のメールアドレスと、注文番号と、注文数量と、注文対象がテーブルに届けられたかどうかをチェックするための進捗フラグと、注文がハンディ端末6からのものか携帯端末1からのものかを管理するための端末フラグとが対応付けられて確定注文テーブルに格納される。」(段落【0046】)
・「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から最初の注文を伺い、チェックイン処理を行う。具体的には、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信する(STEP100)。」(段落【0050】)
・「一方、POSシステム4はOES5の注文情報及びテーブル番号を取得する。」(段落【0051】)
・「POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得すると、自らの店舗を特定する店舗コードと取得したテーブル番号とに対応付けてセッションを管理するためのSEQ番号を生成する(STEP101)。SEQ番号はチェックイン時から精算時まで有効なセッション情報として利用できるものであればよい。SEQ番号を生成した後、POSシステム4は、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて、注文情報とともにWebサーバー2へ送信する(STEP102)。」(段落【0052】)
・「Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録する(STEP103)。」(段落【0053】)
・「POSシステム4では、さらに、店舗コードと、テーブル番号と、生成したSEQ番号と、ログイン情報の送信先となる送信先メールアドレスとを含む情報を、二次元コード形式にコード化して二次元コードとしてPOSプリンターより印刷する(STEP104)。印刷した二次元コードは、店員により利用者のテーブルへ届けられる(STEP105)。ここで、二次元コードはQRコード(登録商標)等、公知の技術を利用できる。また、本実施例では二次元コードを印刷するものとしたが、携帯端末1を所持する利用者が店舗コード等の情報を入手できる方式であれば、任意の方式を採用できる。」(段落【0054】)
・「店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込む。二次元コードの読み込みは、携帯端末1に組み込まれている二次元コード読み取り機能を利用することができる。携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出する。その後、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信する(STEP106)。」(段落【0055】)
・「Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると(STEP107)、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索する。検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合する(STEP108)。一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可する。そして、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録する。この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定する。その後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送する(STEP110)。このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含む。携帯端末1のメールアドレスがアドレス登録テーブルに既に登録済みであった場合は、以前に取得したURLからの接続を促すメッセージを携帯端末1に送信する。STEP108の照合結果が不一致の場合、すなわちログイン情報から抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号の組み合わせが店舗管理テーブルに登録されていない場合は、エラーメッセージを携帯端末1に返送する(STEP109)。」(段落【0056】)
・「携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後(STEP111)、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスする(STEP112)。Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信する。」(段落【0057】)
・「携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促す。利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力する。ニックネーム登録画面には、既に登録されているグループメンバーのニックネーム一覧が表示される。ニックネームは、分かりやすさとアドレスのダイレクト表示を防ぐために登録する。Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録する(STEP113)。ニックネームが未登録の場合は携帯端末1にエラーメッセージを返送し、ニックネームの登録を促す。登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信する(STEP114)。携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示する(STEP115)。
(注文処理)
次に、携帯端末1からメニューを注文する処理について説明する。」(段落【0058】)
・「その後、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信する(STEP122)。Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積する(STEP124)。携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積される。」(段落【0061】)
・「トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信する。」(段落【0072】)
・「携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する。自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示できる。進捗フラグを参照して、まだテーブルに届いていないオーダーを識別可能に表示することもできる。」(段落【0074】)
・「本実施例では、利用者のニックネームを登録するものとしたが、必要に応じてニックネームを使用しない構成とすることもできる。」(段落【0080】)
・「Webサーバー2には、図2に示すようなCPU、ROM、RAM、外部記憶装置、ユーザインタフェース、ディスプレイ、及び通信インタフェースを備える汎用のコンピュータを適用することができる。なお、Webサーバー2は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。Webサーバー2は、CPUが、ROM、RAM、外部記憶装置などに記憶された所定のプログラム(本発明にかかるオーダーリングの処理内容を規定したプログラム)を実行することにより、各種機能実現手段(図4を参照)としてWebサーバー2を機能させる。」(段落【0020】)
イ.引用発明1-1
そうすると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1-1」という。)が記載されているといえる。
「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、
オーダーリングシステム100は、所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1、Webサーバー2、店舗システム3を備え、
店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得すると、自らの店舗を特定する店舗コードと取得したテーブル番号とに対応付けてセッションを管理するためのSEQ番号を生成し、SEQ番号を生成した後、POSシステム4は、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて、注文情報とともにWebサーバー2へ送信し、
Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録し、
店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積し、
トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、
自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する、オーダーリングシステム100。」
ウ.引用発明1-2
引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1-2」という。)が記載されていると認められる。
「携帯端末1は、当該携帯端末1を所持する利用客に店員により届けられた印刷物から二次元コードを読み取ることによって、店舗コード及びテーブル番号等を抽出する、引用発明1-1のオーダリングシステム100。」
エ.引用発明1-3
引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1-3」という。)が記載されていると認められる。
「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、
店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得すると、自らの店舗を特定する店舗コードと取得したテーブル番号とに対応付けてセッションを管理するためのSEQ番号を生成し、SEQ番号を生成した後、POSシステム4は、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて、注文情報とともにWebサーバー2へ送信し、
所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、店舗システム3と,飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1と、Webサーバー2であって、
Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録し、
店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積し、
トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、
自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する、
Webサーバ2。」
オ.引用発明1-4
引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1-4」という。)が記載されていると認められる。
「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、
オーダーリングシステム100は、所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1、Webサーバー2、店舗システム3を備え、
オーダーリングシステム100における注文の表示方法であって
店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得すると、自らの店舗を特定する店舗コードと取得したテーブル番号とに対応付けてセッションを管理するためのSEQ番号を生成し、SEQ番号を生成した後、POSシステム4は、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて、注文情報とともにWebサーバー2へ送信し、
Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録し、
店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積し、
トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、
自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する、
注文の表示方法。」
カ.引用発明1-5
引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1-5」という。)が記載されていると認められる。
「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、
店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得すると、自らの店舗を特定する店舗コードと取得したテーブル番号とに対応付けてセッションを管理するためのSEQ番号を生成し、SEQ番号を生成した後、POSシステム4は、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて、注文情報とともにWebサーバー2へ送信し、
所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、店舗システム3と,飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1と、汎用のコンピュータであるWebサーバー2を、
Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録し、
店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積し、
トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、
自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示するように、
機能させるプログラム。」

(2)引用例2の記載事項
・「【技術分野】
【0001】
本発明は、注文管理システムおよび注文管理方法に関する。」
・「【0070】
<第2の処理例>
第2の処理例では、客が携帯端末3から注文を入力する例を説明する。
図7は、本実施形態に係るオーダー管理システム1が行う第2の処理例のシーケンス図である。なお、以下の処理も、客がテーブルに着席した後に行う。
【0071】
(ステップS101)従業員は、注文入力装置46のキー入力部462を操作して、空伝票を発行する機能を選択する。なお、従業員は、キー入力部462を操作して、テーブルNo、客の人数、客層データ等を入力する。続けて、注文入力装置46のCPU464は、従業員がキー入力部462を操作した結果に応じて空伝票を発行する空伝票発行指示を生成する。なお、空伝票発行指示には、テーブルNo、そのテーブルに着席している客の人数、客層データ等が含まれている。すなわち、空伝票発行指示には、注文データが含まれていないことを示す情報が含まれている。または、空伝票発行指示には、注文データが含まれていなくてもよい。
(ステップS102)CPU464は、生成した空伝票発行指示を、通信部461と無線ネットワーク49を介して注文管理装置43へ送信する。
【0072】
(ステップS103)注文管理装置43は、注文入力装置46が送信した空伝票発行指示を取得することで、注文を受け付ける。注文管理装置43は、取得した空伝票発行指示を用いて、伝票Noを付番し、チェックコードを生成し、伝票データを生成する。
【0073】
(ステップS104)注文管理装置43は、新規注文情報を、有線ネットワーク48とインターネット2を介してサーバ装置5へ送信する。なお、新規注文情報には、店舗No、テーブルNo、伝票No、客層データ、注文情報、チェックコードが含まれている。ここで、注文情報は、注文データがないことを示す情報が含まれる。なお、注文管理装置43は、空伝票発行指示に注文データが含まれていないことを示す情報が含まれている場合、または注文データが含まれていない場合、注文データがないことを示す情報(客の注文が未確定であることを示す情報)を生成する。
【0074】
(ステップS105)注文管理装置43は、取得した送信データを用いて伝票印字データを生成し、生成した伝票印字データを、無線ネットワーク49を介して印字装置45へ送信する。
【0075】
(ステップS106)印字装置45は、注文管理装置43が送信した伝票印字データを取得し、取得した伝票印字データを印字した伝票g61を発行する。続けて、従業員は、発行された伝票g61を客に渡す。
【0076】
(ステップS107)サーバ装置5は、注文管理装置43が送信した新規注文情報を取得し、取得した新規注文情報をテーブル形式にし、サーバ装置5が備える、またはサーバ装置5に接続されている記憶装置に記憶させる。
【0077】
(ステップS108)携帯端末3のCPU305は、ステップS8(図5)と同様の処理を行う。
(ステップS109)CPU305は、ステップS9(図5)と同様の処理を行う。
(ステップS110)CPU305は、ステップS10(図5)と同様の処理を行う。
【0078】
(ステップS111)サーバ装置5は、携帯端末3が送信した情報を取得する。続けて、サーバ装置5は、取得した情報を、記憶させたテーブル形式の情報と比較することで、一致する情報が存在する場合に認証がOKであると判別し、一致する情報が存在しない場合に認証がNGであると判別する。続けて、サーバ装置5は、認証がOKであると判別した場合(ステップS111;OK)、ステップS114の処理に進め、認証がNGであると判別した場合(ステップS111;NG)、ステップS112の処理に進める。
【0079】
(ステップS112)サーバ装置5は、ステップS12(図5)と同様の処理を行う。
(ステップS113)CPU305は、サーバ装置5が送信した認証がNGであることを示す情報を、通信部301を介して取得する。CPU305は、取得した認証がNGであることを示す情報に応じて、注文プログラムによって表示部304上に認証がNGであることを示す画像g62「認証に失敗しました」を表示させ、処理を終了する。
【0080】
(ステップS114)サーバ装置5は、ステップS14(図5)と同様の処理を行う。
(ステップS115)CPU305は、ステップS15(図5)と同様の処理を行う。
(ステップS116)CPU305は、ステップS16(図5)と同様の処理を行う。
【0081】
(ステップS117)ステップS116終了後、サーバ装置5との接続が確立された客は携帯端末3の表示部304上に表示された機能メニューを操作することで、注文データ(料理名称、個数)等を入力する。CPU305は、客の機能メニューの選択に応じて処理を継続する。
【0082】
以上の処理によって、客が注文の意思がある状態のとき、客が所有している携帯端末3を、店舗のサーバ装置5への接続を確立することができる。なお、第2の処理例において、客が注文の意思がある状態とは、客がテーブルに着席している状態である。このように、サーバ装置5は、客が注文の意思がある状態のときに、客の携帯端末3をサーバ装置5に接続させるようにしたので、第2の処理例においても、いたずら等による不正な接続による不正な注文等を防ぐことができる。」
・「【0093】・・・客は、注文アプリケーションに応じて、携帯端末3のキー入力部302を操作しカメラ303によって、例えばテーブルに貼ってあるQRコード(登録商標)を読み込ますようにしてもよい。
(ステップS218)CPU305は、取得したテーブルNoを、インターネット2を介してサーバ装置5へ送信する。」

(3)引用例3の記載事項
・「【技術分野】
【0001】
この発明は注文システム、サーバ装置及びプログラムに関し、具体的には複数の店舗における顧客の動向を横断的に収集できるシステム、サーバ装置及びプログラムに関する。」
・「【0042】
図2は、本実施形態において発注システム1が提供する機能を示したユースケース図である。図2で示すように、顧客Cは注文システム1により、利用する店舗を選択する(U101)、商品を注文する(U102)、注文した商品の決済をする(U103)の各機能を利用することができる。
【0043】
顧客Cは顧客携帯端末7を介して、注文システム1によって利用できる店舗を選択する(U101)。本実施形態における店舗情報は、店舗が属するフードコートによってカテゴライズされており、そのため顧客Cが店舗を選択する際にはまず利用したいカテゴリであるフードコートを選択し、次いで当該選択したフードコートに属する店舗を選択する。顧客携帯端末7がGPS機能を備えている場合に、これを使用して顧客Cの現在位置を取得し、当該現在位置に近い順にフードコートを表示する。上記カテゴリ選択時やカテゴリ内の店舗選択時において、任意のキーワードによって店舗の検索をすることも可能である。
【0044】
また、顧客携帯端末7が前述の無線アクセスポイント63と接続した際に、無線アクセスポイント63を特定する情報から、当該無線アクセスポイント63を設置している店舗を特定し、顧客Cの操作によらずに自動的に上記店舗の選択を行うことができる(U104)。
【0045】
上記店舗の選択が終了すると、顧客Cは当該選択した店舗の商品情報を閲覧し、所望の商品を注文することができる(U102)。
本実施形態では、入店した顧客Cと、上記店舗を選定した顧客情報を紐付けるために、配膳等するテーブル、すなわち商品を提供する単位となるものに所定の光学コードを配しており、顧客Cが当該光学コードを顧客携帯端末7の撮影装置により読み込むと、顧客携帯端末7は当該読み込んだ光学コードを所定の形式で遠隔サーバ2に送信し、遠隔サーバ2はこれを受信して、当該顧客Cとテーブルを紐付ける(U105)。当該紐付けた情報は、後述するテーブル状況を表示する際に、テーブルから当該テーブルに居る顧客Cを特定するために使用される。なお、光学コードとしては例えばバーコードやQRコード(登録商標)を使用してよい。」
・「【0056】
以上が、本実施形態の注文システム1が提供する主要な機能である。
本実施形態において、顧客Cは自身が所持する顧客携帯端末7を用いて商品を注文や決済をすることができる構成となっている。従来のOESでは、顧客が注文をするには店舗の従業員を呼び、当該従業員に注文を受注してもらう必要があった。しかし、例えば店舗が混雑している状況では従業員を呼び止めること自体が困難となる場合もあり、スムーズな注文を妨げる原因となっていた。本実施形態では上記の構成により、顧客Cは顧客携帯端末7を操作して商品を注文することができるので、店舗が混雑等している状況でもスムーズに商品を注文することができる。店舗にとっても顧客Cが顧客携帯端末7で注文することにより混雑時の対応のために多くの従業員Eを常駐させる必要が無くなるので、人件費を削減することができる。」

3.当審の判断
(1)特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項について
ア.本件発明1について
本件発明1と引用発明1-1とを対比すると、後者の「ハンディ端末6」は前者の「注文用端末」に相当し、以下同様に、「店舗システム3」は「店舗内システム」に、「利用者」は「来店客」に、「携帯端末1」は「携帯型端末」に、「ネットワークN」は「ネットワーク」に、「Webサーバー2」は「管理サーバ」に、「店舗コードとテーブル番号」は「卓識別情報」に、「オーダー照会」は「表示要求」に、「オーダーリングシステム」は「注文システム」に、それぞれ相当する。
後者の「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、」「店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得する」、「店舗システム3」は、前者の「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システム」に相当する。
後者の「飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1」は前者の「店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末」に相当し、後者の「オーダーリングシステム100は、所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1、Webサーバー2、店舗システム3を備え」ることは、前者の「注文システム」は、「店舗内システムと携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を含」むことに相当する。
後者の「POSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録」する「Webサーバー2」は、前者の「注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得する手段」に相当する。
本願の願書に添付した明細書の段落【0031】には、「また、上記した実施形態では、各ユーザ端末11から管理サーバ10へ送信される注文情報は、店舗識別情報と、テーブル識別情報と、注文端末識別情報と、注文品情報とを含むものとしたが、これらの情報は、まとめて管理サーバ10に送られる必要はない。また、注文情報としては、これらすべての情報を含むものに限られない。例えば、ユーザ端末11から、各店舗のテーブルに紐付けられたURLにアクセスして注文する場合、URLでアクセスしたときに店舗識別情報とテーブル識別情報が送信されるため、個別の注文の際には、例えば、注文端末識別情報と注文品情報が送信されるものとしてもよい。」と記載されているから、後者の「店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、
Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積」することは、前者の「管理サーバ」の「携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段」に相当するといえる。
本願の願書に添付した明細書の段落【0021】には、「来店客によってボタン50が押下されると、ユーザ端末11aから注文状況の表示要求が管理サーバ10に送信される。このとき、表示要求とともに店舗識別情報およびテーブル識別情報もユーザ端末11aから管理サーバ10に送信され、管理サーバ10によって受信される。店舗識別情報およびテーブル識別情報は、表示要求に前後して別個に送信されてもよい。」と記載されており、店舗識別信号およびテーブル識別信号は表示要求と同時に送信することを必須とするものではないから、後者において、携帯端末1においてトップメニュ-が表示されるためには、「店舗コードとテーブル番号」からなる「卓識別信号」が携帯端末1からWebサーバー2に既に送信されていなければならないから、後者の「トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する」ことと、前者の「管理サーバ」が「携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、」「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する」こととは、「管理サーバ」が「携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、」「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことにおいて共通する。
そうすると、両者は、
「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、
前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、
店舗内システムと携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を含み、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する、注文システム。」
の点で一致し、以下の各点において相違する。
<相違点1>
「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含」むことに関して、注文が、本件発明1では、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における「最初の」注文を含むものであるのに対して、引用発明1-1では,「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信」する点(前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文は、「注文用端末」を用いて行われる点)。
<相違点2>
「前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことに関して、本件発明1では、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区分して」表示するのに対して、引用発明1-1では、「自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示する」ものであり、「区分して」表示するものではない点。
そして、上記相違点1,2により、本件発明1は、引用発明1-1と実質的に相違しており、本件発明1は、引用例1に記載された発明(引用発明1-1)ではない。
したがって、本件発明1は,特許法29条第1項第3号の発明に該当しない。

上記相違点について検討する。
事案に鑑みて、相違点2について先に検討することにする。
引用例1の段落【0046】には、「図9に示すように、確定注文情報記憶手段224は、確定注文テーブルを備える。確定注文テーブルは、利用者からの仮注文を受けた後、当該仮注文を確定した場合に、確定した注文の情報を格納するためのものである。本実施例では一例として、店舗コードと、テーブル番号と、注文をした携帯端末1のメールアドレスと、注文番号と、注文数量と、注文対象がテーブルに届けられたかどうかをチェックするための進捗フラグと、注文がハンディ端末6からのものか携帯端末1からのものかを管理するための端末フラグとが対応付けられて確定注文テーブルに格納される。」と記載されており、図4を参照すると、確定注文テーブルを備える確定注文情報記憶手段224は、webサーバー2が備えており、図9を合わせて参照すると、確定注文テーブルには、店舗コードと、テーブル番号と、注文をした携帯端末1のメールアドレスと、注文番号と、注文数量と、進捗フラグと、端末フラグが対応付けられて格納されてはいる。
しかしながら、引用発明1-1は、自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するものであり、注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「まとめてオーダー順に」表示するものとはいえるが、注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区分して」表示するものではない。
ここで、「区分」とは、「区別して分けること」(広辞苑第6版)であり、言い換えると、引用発明1-1は、注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区別して分けて」表示するものではない。
また、注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区別して分けて」表示することは、引用例2,3のいずれにも記載されていないから、引用発明1-1に引用例2,3に記載された事項を適用できたとしても、上記相違点2にかかる本件発明1の発明特定事項にはならない。
そして、本件発明1は、上記相違点2にかかる本件発明1の発明特定事項により、「どの注文がどのユーザ端末等によって行われたかを一見して識別できる」という格別の効果を奏するものである。(願書に添付した明細書の段落【0024】参照。)
したがって、上記相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1-1、引用例2,3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

イ.本件発明2について
本件発明2は,本件発明1の発明特定事項を全て含み,さらに限定して発明を特定するものであるから,本件発明1と同じ理由により,引用発明1-2,引用例2、3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

ウ.本件発明3について
本件発明3と引用発明1-3とを対比すると、後者の「所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、店舗システム3と,飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1と、Webサーバー2」は、前者の「店舗内システムと前記店舗へ来店客の所持する一又は複数の携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバ」に相当し、残余の点は、本件発明1と引用発明1-1との対比と同様である。
そうすると、両者は、
「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末とのネットワークを介して接続される管理サーバとであって、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する、管理サーバ。」
の点で一致し、以下の各点において相違する。
<相違点1’>
「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含」むことに関して、注文が、本件発明3では、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における「最初の」注文を含むものであるのに対して、引用発明1-3では,「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信」する点(前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文は、「注文用端末」を用いて行われる点)。
<相違点2’>
「前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことに関して、本件発明3では、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区分して」表示するのに対して、引用発明1-3では、「自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示する」ものであり、「区分して」表示するものではない点。
そして、上記相違点1’,2’により、本件発明3は、引用発明1-3と実質的に相違しており、本件発明3は、引用例1に記載された発明(引用発明1-3)ではない。
したがって、本件発明3は,特許法29条第1項第3号の発明に該当しない。

上記相違点について検討する。
上記相違点2’については、本件発明1と引用発明1-1との相違点2と同様であるので、本件発明1で検討したのと同様の理由により、本件発明3は,引用発明1-3,引用例2,3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

エ.本件発明4について
本件発明4と引用発明1-4とを対比すると、後者の「ハンディ端末6」は前者の「注文用端末」に相当し、以下同様に、「店舗システム3」は「店舗内システム」に、「利用者」は「来店客」に、「携帯端末1」は「携帯型端末」に、「ネットワークN」は「ネットワーク」に、「Webサーバー2」は「管理サーバ」に、「店舗コードとテーブル番号」は「卓識別情報」に、「オーダー照会」は「表示要求」に、「オーダーリングシステム」は「注文システム」に、それぞれ相当する。
後者の「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信し、」「店舗システム3は、POSシステム4、オーダーエントリーシステム(以下「OES」という)5、ハンディ端末6により構成され、POSシステム4はOES5から注文情報及びテーブル番号を取得する」、「店舗システム3」は、前者の「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システム」に相当する。
後者の「飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1」は前者の「店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末」に相当し、後者の「オーダーリングシステム100は、所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1、Webサーバー2、店舗システム3を備え」ることは、前者の「注文システム」は、「店舗内システムと携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を備え」ることに相当する。
後者の「オーダーリングシステム100における注文の表示方法」は前者の「注文システムにおける注文の表示方法」に、後者の「注文の表示方法」は前者の「注文方法」に、それぞれ相当する。
後者の「Webサーバー2はPOSシステム4からこれらのチェックインに係る情報を受信すると、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号とを対応付けて店舗管理テーブルに書き込んで登録するとともに、注文情報を確定注文テーブルに書き込んで登録」するステップは、前者の「注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得するステッcプ」に相当する。
本願の願書に添付した明細書の段落【0031】には、「また、上記した実施形態では、各ユーザ端末11から管理サーバ10へ送信される注文情報は、店舗識別情報と、テーブル識別情報と、注文端末識別情報と、注文品情報とを含むものとしたが、これらの情報は、まとめて管理サーバ10に送られる必要はない。また、注文情報としては、これらすべての情報を含むものに限られない。例えば、ユーザ端末11から、各店舗のテーブルに紐付けられたURLにアクセスして注文する場合、URLでアクセスしたときに店舗識別情報とテーブル識別情報が送信されるため、個別の注文の際には、例えば、注文端末識別情報と注文品情報が送信されるものとしてもよい。」と記載されているから、後者の「店員により届けられた印刷物から、利用者は二次元コードを携帯端末1に読み込み、携帯端末1は読み取った二次元コードから、店舗コードとテーブル番号とSEQ番号と送信先メールアドレスとを抽出し、抽出した店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を含むログイン情報を生成して、前記抽出した送信先メールアドレスを送信先として、当該ログイン情報を利用者の所持する携帯端末1を特定するためのメールアドレスとともにWebサーバー2へインターネット等の通信回線を介して送信し、
Webサーバー2は、携帯端末1からログイン情報を受信すると、当該ログイン情報から店舗コード、テーブル番号及びSEQ番号を抽出して、抽出した店舗コード及びテーブル番号をキーとして店舗管理テーブルを検索し、検索の結果、店舗コード及びテーブル番号が登録されている場合には、当該店舗コード及びテーブル番号と対応付けて店舗管理テーブルに記憶されているSEQ番号と、ログイン情報中のチェックイン情報に含まれるSEQ番号とを比較して、一致しているか否かを照合し、一致している場合には、利用者のセッションが有効であると判断して、携帯端末1からのアクセスを許可し、前記ログイン情報から抽出した店舗コード及びテーブル番号を、携帯端末1を特定するメールアドレスと対応付けてアドレス登録テーブルに登録し、この際、使用フラグを1に設定して使用可能の状態に設定した後、携帯端末1から注文用ホームページに接続するためのURLを生成して、当該URLを前記ログイン情報を送信した携帯端末1に返送し、このとき、生成するURLには、少なくとも前記SEQ番号及び携帯端末1のメールアドレスの情報を含むものであり、
携帯端末1はWebサーバー2からURLを受信した後、当該URLを使用して、Webサーバー2にアクセスし、Webサーバー2は、URLに含まれるSEQ番号が店舗管理テーブルに登録されているか、及び、URLに含まれるメールアドレスがアドレス登録テーブルに登録されているかを確認した後、SEQ番号とメールアドレスの両者が登録されている場合には、対応する店舗コード及びテーブル番号を付加したニックネーム登録画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はニックネーム登録画面を表示して、ニックネームの入力を利用者に促し、利用者はニックネーム登録画面にて表示用ニックネームを入力し、
Webサーバー2は、携帯端末1からニックネームを受信すると、当該ニックネームを携帯端末1のメールアドレスと対応付けて、アドレス登録テーブルに登録し、登録後、トップメニュー画面情報を携帯端末1に送信し、
携帯端末1はトップメニュー画面情報を受信して、トップメニューを表示し、注文画面上に表示されている追加ボタンが選択されると、携帯端末1は当該注文番号及び数量(以下「注文情報」ということもある)をWebサーバー2に送信し、
Webサーバー2は受信した注文番号及び数量を仮注文テーブルに蓄積し、携帯端末1において、連続して注文が入力されると、追加ボタン選択の度に注文情報が仮注文テーブルに追加して蓄積」するステップは、前者の「携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得するステップ」に相当するといえる。
本願の願書に添付した明細書の段落【0021】には、「来店客によってボタン50が押下されると、ユーザ端末11aから注文状況の表示要求が管理サーバ10に送信される。このとき、表示要求とともに店舗識別情報およびテーブル識別情報もユーザ端末11aから管理サーバ10に送信され、管理サーバ10によって受信される。店舗識別情報およびテーブル識別情報は、表示要求に前後して別個に送信されてもよい。」と記載されており、店舗識別信号およびテーブル識別信号は表示要求と同時に送信することを必須とするものではないから、後者において、携帯端末1においてトップメニュ-が表示されるためには、「店舗コードとテーブル番号」からなる「卓識別信号」が携帯端末1からWebサーバー2に既に送信されていなければならないから、後者の「トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示する」ステップと、前者の「携帯型端末から卓識別情報を含む表示要求を受け付けるステップと、前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、を含み、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する」こととは、「携帯型端末から卓識別情報を含む表示要求を受け付けるステップと、前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、を含み、前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことにおいて共通する。
そうすると、両者は、
「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、店舗内システムと携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を備える注文システムにおける注文の表示方法であって、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得するステップと、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付けるステップと、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、
を含み、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、
前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する、注文方法。」
の点で一致し、以下の各点で相違する。
<相違点1’’>
「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含」むことに関して、注文が、本件発明4では、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における「最初の」注文を含むものであるのに対して、引用発明1-4では,「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信」する点(前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文は、「注文用端末」を用いて行われる点)。
<相違点2’’>
「前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことに関して、本件発明4では、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区分して」表示するのに対して、引用発明1-4では、「自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示する」ものであり、「区分して」表示するものではない点。
そして、上記相違点1’’,2’’により、本件発明4は、引用発明1-4と実質的に相違しており、本件発明4は、引用例1に記載された発明(引用発明1-4)ではない。
したがって、本件発明4は,特許法29条第1項第3号の発明に該当しない。

上記相違点について検討する。
上記相違点2’’については、本件発明1と引用発明1-1との相違点2と同様であるので、本件発明1で検討したのと同様の理由により、本件発明4は,引用発明1-4,引用例2,3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

オ.本件発明5について
本件発明5と引用発明1-5とを対比すると、後者の「所定のネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される、店舗システム3と,飲食店等を利用する利用者が所持する携帯端末1と、汎用のコンピュータであるWebサーバー2を」は前者の「店舗内システムと、前記店舗へ来店客が所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続されるコンピュータを」に相当しする。
本願の願書に添付した明細書の段落【0021】には、「来店客によってボタン50が押下されると、ユーザ端末11aから注文状況の表示要求が管理サーバ10に送信される。このとき、表示要求とともに店舗識別情報およびテーブル識別情報もユーザ端末11aから管理サーバ10に送信され、管理サーバ10によって受信される。店舗識別情報およびテーブル識別情報は、表示要求に前後して別個に送信されてもよい。」と記載されており、店舗識別信号およびテーブル識別信号は表示要求と同時に送信することを必須とするものではないから、後者において、携帯端末1においてトップメニュ-が表示されるためには、「店舗コードとテーブル番号」からなる「卓識別信号」が携帯端末1からWebサーバー2に既に送信されていなければならないから、後者の「トップメニューからオーダー照会を選択すると、Webサーバー2は、オーダー照会をした携帯端末1に関連付けられた店舗コード及びテーブル番号をキーにして、確定注文テーブルから注文情報を抽出して、携帯端末1に注文一覧を送信し、自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示するように、携帯端末1はWebサーバー2から受信した注文一覧を表示すように、機能させる」ことと、前者の「コンピュータを」「携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段、及び前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、として機能させ」「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する」こととは、「コンピュータを」「携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段、及び、前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて,前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、として機能させ、」「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことにおいて共通し、残余の点は、本件発明1と引用発明1-1との対比と同様である。
そうすると、両者は、
「店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続されるコンピュータを、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段、及び
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、
として機能させ、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する、プログラム。」
の点で一致し、以下の各点において相違する。
<相違点1’’’>
「前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における注文を含」むことに関して、注文が、本件発明5では、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における「最初の」注文を含むものであるのに対して、引用発明1-5では,「利用者が飲食店等の店舗に入店した後、店員は利用者から注文を伺い、注文番号及び数量を示す注文情報と注文を受けたテーブルを特定するテーブル番号とをハンディ端末6に入力して、ハンディ端末6から店舗内の無線LANを介して注文情報及びテーブル番号をOES5に送信」する点(前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文は、「注文用端末」を用いて行われる点)。
<相違点2’’’>
「前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を表示する」ことに関して、本件発明5では、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を「区分して」表示するのに対して、引用発明1-5では、「自身の携帯端末で注文したオーダー以外の通常の注文や他の携帯端末からの注文もまとめてオーダー順に表示する」ものであり、「区分して」表示するものではない点。

そして、上記相違点1’’’,2’’’により、本件発明5は、引用発明1-5と実質的に相違しており、本件発明5は、引用例1に記載された発明(引用発明1-5)ではない。
したがって、本件発明5は,特許法29条第1項第3号の発明に該当しない。

上記相違点について検討する。
上記相違点2’’’については、本件発明1と引用発明1-1との相違点2と同様であるので、本件発明1で検討したのと同様の理由により、本件発明5は,引用発明1-5,引用例2,3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

カ.特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は,令和1年9月19日付け意見書にて、「なお、前記確定注文テーブルのようなテーブル情報を表示する際に、当該テーブル情報に含まれる各種の情報を当該テーブル情報に登録されているいずれかの項目の順で並び替えて表示されることは当業者における常套手段である。そのため、注文一覧を表示する際に、オーダー順に代えて、前記端末フラグの順で注文一覧が表示されることも当業者が容易に想到し得たことであり、この場合には、注文一覧においてハンディ端末6からの注文と携帯端末1各々からの注文とが実質的に区分して表示されることになる。」旨主張しているが,引用例1には、あくまで、ハンディ端末6からの注文と携帯端末1各々からの注文とをまとめてオーダー順に表示すること及びまだテーブルに届いていないオーダーを識別可能に表示することしか開示されておらず、上記主張を裏付ける証拠も何ら提出されていない。そして、本件発明は、ハンディ端末6からの注文と携帯端末1各々からの注文とを「区分して」表示することにより、どの注文がどのユーザ端末等によって行われたかを一見して識別できるという格別の効果を奏するものであるから、当業者が容易になし得たとまではいえない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は,特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲に対して甲第1号証(特開2011-53850号公報)を主引用例とし,甲第3号証(第4.の引用例2)、及び甲第4号証(第4.の引用例3)を副引用例とした特許法第29条第2項による取消理由も主張している。
ここで、甲第1号証の記載事項を摘記する。
・「【0017】
図1は、本実施例の全体のシステム構成を示した説明図であり、飲食店の客が所持する携帯電話3、飲食店側に設置された店舗制御装置5が、インターネット2を介して注文サーバ1と接続されている。
そして、飲食店の内部においては、注文情報に基づいて注文処理や会計処理などを行うことができる店舗制御装置5、インターネット2を介して店舗制御装置5と注文サーバ1
との通信を可能にするルータ4、接客担当スタッフが注文情報を入力するハンディターミナル6、飲食店の天井などに設置されて店舗制御装置5とハンディターミナル6との無線通信を可能とするアクセスポイント7、レジでレシートなどを印刷するレジプリンタ8、注文情報を伝票や表示によって厨房に伝えるためのキッチンプリンタ9及びキッチンモニター10が、有線又は無線によりLAN(ローカルエリアネットワーク)接続されている。」
・「【0023】
次に、ログインコードに関する本実施例に係る注文処理システムの動作について説明する。飲食店に客が来店すると、接客担当スタッフが席へ案内する。接客担当スタッフは、メニューブックを客に手渡した後、一旦、客のテーブルから離れ、客の最初の注文が決まった頃を見計らって、再び客のテーブルへハンディターミナル6を携帯して行き、客から注文を聞き取って新規注文情報の入力を行う。この最初の新規注文については、接客担当スタッフが自ら操作してハンディターミナル6で入力する。ここでは、客が着席したテーブル番号、人数、最初の注文内容についての入力を行い、その入力情報はアクセスポイント7を経由して店舗制御装置5へ送信される。
新規注文情報を受信した店舗制御装置5は、当該注文に関するユニークな伝票番号を発行し、当該伝票番号と共に注文情報を注文情報ファイルに記憶する。次に、中央処理部によって乱数を発生させる。そして、発生させた乱数と伝票番号を対応付けて、データ記憶部のコード対応ファイルに記憶する。本実施例においては、この発生させた乱数をログインコードとして使用する。続いて、当該ログインコードを含むURL情報を生成する。このURL情報は、注文サーバ1によってインターネット上に公開されているシステムへのアクセスを可能とするものである。さらに、2次元バーコード生成プログラムによって、当該URL情報を内容とする2次元バーコードを生成する。そして、この2次元バーコードが付いた伝票をキッチンプリンタ9から印刷する。図2は、2次元バーコードが付いた伝票の具体例である。
例えば、2次元バーコードに含まれるURL情報の具体例の一つは、「http://www.○○○.com/login.aspx?cid=9061&sid=0008&mid=5755-5328-7530-2532」である。ここで、「cid=9061」は会社コード、「sid=0008」は店舗コード、「mid=5755-5328-7530-2532」はログインコードを示している。このように、このURL情報の中には、伝票番号と対応付けられているログインコードが含まれている。
また、この2次元バーコードに含まれるログインコードの情報は、ログインコードの作成時に、対応付けられている伝票番号と一緒に店舗制御装置5のデータ記憶部のコード対応ファイルに記憶される。そして、ログインコードの情報は、注文サーバ1へも送信されて、注文サーバ1のデータ記憶部のログインコードファイルに記憶される。」
・「【0024】
そして、客が追加注文をしたい場合は、自分の携帯電話3を操作して、前記注文伝票に印刷された2次元バーコードを読み取る。そして、読み取った後のログインコードを含むURL情報を利用して、インターネット2を介して注文サーバ1にアクセスする。アクセスされた注文サーバ1は、携帯電話3から送信されたURL情報に含まれるログインコードが注文サーバ1のログインコードファイルに記憶されているかどうかによって、その正当性のチェックを行い、当該ログインコードがログインコードファイルに記憶されていて、正当であることが確認された場合のみ、前記携帯電話3からのシステムへのログインを許可する。」
・「【0026】
・・・そこで、客は注文したい商品を選択する。そして、商品「ジャムトースト」を選択した後に「次へ」を入力すると、数量選択画面へと遷移する。ここで客は、注文したい数量をテンキーを使用して入力する。そして、1つの商品の注文が終了したら、「注文送信」を入力して、注文情報を注文サーバ1へ送信する。」
・「【0029】
・・・そして、注文情報を受信した注文サーバ1は、ログインコードと共に当該注文情報を店舗制御装置5へ送信する。店舗制御装置5は、ログインコード及び注文情報を受信すると、コード対応ファイルを検索して、当該ログインコードに対応付けられている伝票番号を取得して、当該伝票番号及び注文情報を注文情報ファイルに記憶する。・・・」
・「【0030】
また、携帯電話3では、注文情報の入力の他に、自分の注文したメニューと金額をすべて参照要求することが可能となっている。この場合、客は携帯電話3で、追加注文する場合と同様に、伝票に印刷された2次元バーコードを読み取って、2次元バーコードに含まれているURL情報を基に注文サーバ1にシステムにログインした後、処理メニューから注文情報の参照要求を選択して、注文情報の参照要求を注文サーバ1へ送信する。
注文サーバ1は、この参照要求を受信するとログインコードの情報と共に店舗制御装置5へ参照要求を送信する。店舗制御装置5は、コード対応ファイルを検索して、受信したログインコードに対応付けられている伝票番号を取得し、当該伝票番号に係る注文内容及び金額の情報、即ち参照情報を注文情報ファイルから抽出して、注文サーバ1へ送信する。注文サーバ1は、当該参照情報を参照要求した客の携帯電話3へ送信する。そして、客は、受信した携帯電話3で、自分が注文した内容及び金額の情報を参照する。」

しかしながら、本件発明1?5のそれぞれ相違点2,2’,2’’,2’’’の発明特定事項については、甲第1号証?甲第4号証のいずれの文献にも記載されていないから、甲第1号証を主引用例としても、本件発明1?5は当業者が容易に発明できたとはいえない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1?5に係る特許を取消すことはできない。
また、他に本件発明1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、
前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、
前記店舗内システムと前記携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を含み、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文システム。
【請求項2】
前記携帯型端末は、当該携帯型端末を所持する来店客の卓に表示された二次元バーコードを読み取ることによって、前記卓識別情報を取得する、
請求項1記載の注文システム。
【請求項3】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続される管理サーバであって、
前記管理サーバは、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段と、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段と、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段と、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段と、
を備え、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、管理サーバ。
【請求項4】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末と、前記店舗内システムと前記携帯型端末の各々とネットワークを介して接続される管理サーバと、を備える注文システムにおける注文の表示方法であって、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得するステップと、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得するステップと、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付けるステップと、
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させるステップと、
を含み、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させるステップは、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、注文方法。
【請求項5】
店舗内において、店員が所持する注文用端末を用いて注文を受け付ける店舗内システムと、前記店舗への来店客の所持する一又は複数の携帯型端末との各々とネットワークを介して接続されるコンピュータを、
前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、当該注文が行われた卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記店舗内システムから取得する手段、
前記携帯型端末を用いて行われた注文の内容と、当該携帯型端末を所持する来店客の卓を特定するための卓識別情報と、を含む注文情報を、前記携帯型端末から取得する手段、
携帯型端末から、卓識別情報を含む表示要求を受け付ける手段、及び
前記受け付けた表示要求に含まれる卓識別情報に対応付けられている注文情報を用いて、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を前記携帯型端末に表示させる手段、
として機能させ、
前記携帯型端末を用いて行われる注文は、前記携帯型端末を所持する来店客の卓における最初の注文を含み、
前記携帯型端末に表示させる手段は、前記卓識別情報によって特定される卓で注文された内容を、前記注文用端末を用いて行われた注文の内容と、各々の携帯型端末を用いて行われた注文の内容を区分して表示する、プログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-11-19 
出願番号 特願2018-2973(P2018-2973)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (G07G)
P 1 651・ 113- YAA (G07G)
P 1 651・ 841- YAA (G07G)
P 1 651・ 851- YAA (G07G)
P 1 651・ 854- YAA (G07G)
P 1 651・ 855- YAA (G07G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 森林 宏和  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 島田 信一
藤井 昇
登録日 2018-08-24 
登録番号 特許第6389343号(P6389343)
権利者 株式会社リクルート
発明の名称 注文情報提示方法、注文システム  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 伊藤 健太郎  
代理人 伊藤 健太郎  
代理人 稲葉 良幸  

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