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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1359200
審判番号 不服2019-2582  
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-26 
確定日 2020-01-23 
事件の表示 特願2016- 11966号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月 5日出願公開、特開2017- 710号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成27年6月5日に出願した特願2015-115304号の一部を平成28年1月25日に新たな特許出願(特願2016-11966号)としたものであって、平成30年5月29日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、同年7月23日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月24日付けで最後の拒絶の理由が通知され、これに対して、同年10月15日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年1月29日付け(送達日:同年2月5日)で、平成30年10月15日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成31年2月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、その後、当審において、令和1年7月12日付けで拒絶の理由(以下、通知された拒絶の理由を「当審拒絶理由」という。)が通知され、これに対して、同年8月26日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ順に、「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、1A、2A等の記号は、分説するため合議体が付した。

(本願発明1)
「【請求項1】
1A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
1B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
1C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
1D 複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、
1E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
1F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
1G 前記複数の表示列における前記変動表示の停止により、前記複数の表示列に亘って延びる入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
1H 主制御部により制御されて、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別可能な情報である指示情報を表示する指示情報表示手段と、
1I 副制御部により制御されて演出を実行する演出手段と、を備え、
1C-1 前記内部当籤役決定手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の態様に応じて、変動表示を停止させた場合の図柄の組合せが異なるようにした複数の特定役を予め定められた確率で内部当籤役として決定し、
1I-1 前記演出手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報を受信した場合に、遊技者が押し順を選択する押し順選択演出を行い、
1H-1 前記指示情報表示手段は、前記主制御部が前記特殊指示情報を送信した遊技において、停止操作が終了した後に指示情報を表示せず、
1C-2 前記内部当籤役は、所定の停止操作を行った場合に、少なくとも一の表示列において所定図柄を表示可能であるが、前記複数の表示列において前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せを表示不可能である所定役を含み、
1H-2 前記指示情報は、前記所定の停止操作の態様を特定可能な所定の指示情報を含み、
1I-2 前記演出手段は、前記所定の指示情報に対応する所定の報知パターンを有し、
1I-3 前記所定の報知パターンは、前記所定の図柄組合せを狙う旨を示すものである
1J ことを特徴とする遊技機。」

(本願発明2)
「【請求項2】
2A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
2B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
2C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
2D 複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、
2E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
2F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
2G 前記複数の表示列における前記変動表示の停止により、前記複数の表示列に亘って延びる入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
2H 主制御部により制御されて、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別可能な情報である指示情報を表示する指示情報表示手段と、
2I 副制御部により制御されて演出を実行する演出手段と、を備え、
2C-1 前記内部当籤役決定手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の態様に応じて、変動表示を停止させた場合の図柄の組合せが異なるようにした複数の特定役を予め定められた確率で内部当籤役として決定し、
2I-1 前記演出手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報を受信した場合に、遊技者が押し順を選択する押し順選択演出を行い、
2H-1 前記指示情報表示手段は、前記主制御部が前記特殊指示情報を送信した遊技において、停止操作が終了した後に指示情報を表示せず、
2K 前記指示情報を前記指示情報表示手段に所定期間が経過するまで表示するアシスト遊技を行う権利であるアシスト遊技権利を付与することを決定可能なアシスト遊技権利付与手段を備え、
2K-1 前記アシスト遊技権利は、実行されるまで保留され、既に保留されているアシスト遊技権利よりも優先的に実行される先放出アシスト遊技権利を含む
2J ことを特徴とする遊技機。」

3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、概略、次のとおりのものである

(拡大先願)この出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

特許出願.特願2015-52724号(特開2016-171864号)

4 先願発明について
当審拒絶理由で引用された、本願の特許出願の日前の出願であって、本願の出願後に出願公開がされた特許出願である特願2015-52724号(以下、「先願」という。特開2016-171864号公報参照。)(出願人:サミー株式会社、発明者:岡本浩一、新村研二、谷口侑磯、古川英昭)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)には、スロットマシンに関し、次の事項が記載されている(下線は合議体が付した)。

(1)「【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する発明(以下「本発明」と称する)は、複数種類の図柄を変動表示する複数のリールを備え、リール停止時に表示された図柄の組合せにより入賞の有無が決定される遊技を行うスロットマシンに関する。」

(2)「【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、上記図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは、予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が選出された遊技において成立することが許容される1または複数の遊技役(以下「成立許容役」、「当選役」等と称する)を規定するものである。」

(3)「【0031】
《第1実施形態》
以下、第1実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、図1?11を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
【0032】
上記上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
【0033】
上記中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1-BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX-BETスイッチ23、クレジットされた遊技メダルを払い出すための貯留メダル清算スイッチ24(単に「清算スイッチ24」とも称する)、全リール3a,3b,3cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。
・・・略・・・
【0035】
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、上記ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、上記ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
・・・略・・・
【0042】
また、このWINランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、ホッパー50の中の遊技メダルが空になるホッパーエンプティエラー、本来の払出タイミングではないタイミングで遊技メダルが払い出される遊技メダル払出エラー、メダル投入口21の内部に遊技メダルが詰まる遊技メダル滞留エラー、メダル投入口21とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進む遊技メダル逆流エラー、ホッパー50の中の遊技メダルが満杯となる補助収納庫満杯エラー、予め定められた位置に主リール3a,3b,3cが停止しない回胴停止エラー、予め定められた数値範囲外の設定値となる設定値エラー等がある。
【0043】
さらに、このWINランプ46jは、ストップスイッチ26a?26cの操作順(押し順)を示す、後述の押し順番号を表示する機能も有している。以下、押し順番号を表示する際のWINランプ46jのことを、適宜「メイン側押し順表示器」と称する。」

(4)「【0048】
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入するか、1-BETスイッチ22またはMAX-BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1?RT6の各遊技状態の何れにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT遊技状態に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設けておき、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
【0049】
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、各リール3a?3cが回転を開始し、リール3a?3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a?3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a?26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
【0050】
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
・・・略・・・
【0054】
ここで、モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。また、ホッパー駆動回路52は、小役等の賞態様が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。さらに、収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯
状態であるか否かを示す収納状態信号を、上記満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。」

(5)「【0085】
役決定処理において、1つの役決定結果番号が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。また、選出された役決定結果番号の情報が、RAM63の所定の記憶領域に保存されるようになっている。なお、特別役の役決定結果番号が保存される領域は、非特別役の役決定結果番号が保存される領域とは別に設定される。以下、役決定結果番号を保存することを、適宜「当選フラグをONにする」等と称し、保存した役決定結果番号をクリアすることを、適宜「当選フラグをOFFにする」等と称する。」

(6)「【0130】
上記役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果番号の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うように構成されている。この役決定処理は、図2に示す乱数発生器66及びサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチ及び読込み)した後、その取得乱数が、上述の役抽選テーブルに設定された複数の役決定結果番号の中のどの役決定結果に対応するのかを判定し、その役決定結果番号を選出するように構成されている。
・・・略・・・
【0144】
上記リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機としてリール3a?3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a?26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a?3cを順次回転停止させるように構成されている。
【0145】
各リール3a?3cの回転停止制御は、上記役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a?26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a?3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a?3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
・・・略・・・
【0152】
上記表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX-BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、WINランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、メイン側押し順管理手段139によりWINランプ46jの制御が行われる。
【0153】
上記メイン側押し順管理手段139は、非AT中またはAT中において、押し順を報知するか否かを識別するための押し順フラグのON・OFFの制御を行うとともに、役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて、報知する押し順を決定し、その決定した押し順に対応する押し順番号(「1?13」の何れか。押し順を報知しない場合は「0」)を選出するようになっている。本実施形態では、図16の対応テーブルに示すように、押し順番号が設定されている。なお、本実施形態では、特別役(BB役)に当選した場合には、押し順フラグを一律にOFFする(ただし、別途内部中カウンタを設け、特別役に当選したが成立しなかった場合に、内部中カウンタをセットし、内部中カウンタが0となるまでの数ゲームは押し順フラグがOFFであっても押し順を報知してボーナス内部中に移行したことを意識させ難くしてもよい。または、特別役が成立した場合には、押し順フラグを一律にOFFにするが、特別役に当選したが成立しなかった場合には、すぐに押し順フラグをOFFにするのではなく、数ゲーム後に押し順フラグをOFFにするようにしてもよい)。押し順フラグをOFFにするのは、ボーナス内部中の出玉率を下げるためである。一方、ボーナス内部中の出玉率を下げる必要がなければ、特別役に当選した場合でも押し順フラグをONのまま維持してもよい。また、その場合は、特別役が成立したときに押し順フラグをOFFにしてもよいし、ONのまま維持してもよい。また、本実施形態では、上述したように、ボーナス内部中とボーナス中は、ATフラグがONのまま維持さ
れるが、押し順フラグOFFとともにATフラグもOFFとするようにしてもよい。
・・・略・・・
【0169】
上記押し順当てゲーム制御手段141は、押し順当てゲームを制御するように構成されている。押し順当てゲームとは、正解押し順となる押し順の一部または全部を隠して報知を行い、遊技者が正解押し順を実行し得た場合に、遊技者に所定の利益(遊技媒体の他、ATの設定やATゲーム数の上乗せ等)を付与するものである。本実施形態では、後述するAT中処理において、役決定結果番号22?27(押し順ベル6択)が選出された際に実行される押し順当てゲーム抽選において当選した場合に、押し順当てゲームを設定するようになっている。押し順当てゲームが設定されると、正解押し順となる押し順が決定されるとともに、その決定した押し順に対応する押し当て順ゲーム用の押し順番号(10?13のうちの何れか)が決定され、その押し順番号に応じた押し順の報知(押し順の少なくとも一部を伏せた状態での報知)が行われる。なお、押し順ゲームが設定されたときは、押し順フラグがONになっているが、上述のマスク処理が行われる(不正アクセスし、情報を抽出しようとしても、正解押し順が特定できないようにしている)。サブでは、押し順当てゲーム用の押し順番号を受信したことで、押し順当てゲームが設定されたことを認識する。
・・・略・・・
【0176】
一方、上記副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(第1副制御手段)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(第2副制御手段)200Bを備えてなる。」

(7)「【0183】
上記ゲーム演出管理手段212は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「ゲーム演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
・・・略・・・
【0186】
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からの押し順番号コマンドにより伝達される押し順番号の情報に応じて、押し順ナビ演出が行われる。この押し順ナビ演出は、遊技者に対し、押し順番号に応じた押し順を報知する単発の演出である。なお、副制御手段側で押し順が決定される場合は、副制御手段で決定した押し順に応じて、押し順ナビ演出が行われ、主制御手段からの押し順コマン
ドにより伝達される押し順番号の情報に対応する第一押し順に加え、副制御手段で第二押し順および第三押し順を決定が決定される場合は、主制御手段および副制御手段で決定した押し順に応じて、押し順ナビ演出が行われる。
【0187】
押し順ナビ演出の具体的態様としては、例えば、押し順番号に対応する押し順が「中左右」の場合には、表示画面11a上に、その押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて表示したり、「中、左、右」の文字情報を表示したりする態様が一例として挙げられる。また、押し順を示す数字を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、各ストップスイッチの操作タイミングに合わせるように、この順序で、スピーカ15a,15b等から出力することも一例として挙げられる。また、報知する押し順が「中第一」の場合には、ストップスイッチ26bを最初に操作することを示す画像情報を、表示画面11a上に表示することも一例として挙げられる。
【0188】
また、アシスト演出として、当選役の情報や目押しすべき図柄を報知する演出、リールがどのような回転位置にあるときに操作すべきかを示す押し位置を報知する演出(以下「押し位置ナビ演出」と称する)を行うようにしてもよい。例えば、スイカ小役が成立許容役となった場合に、表示画面11a上に「スイカ当選!」や「スイカを狙え!」というような文字情報を表示する態様が挙げられる(スピーカ15a,15b等から音声情報を出力するようにしてもよい)。」

(8)「【0194】
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
【0195】
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
上記ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。」

(9)「【0202】
<押し順の報知タイミング>
次に、本実施形態における押し順報知のタイミングについて、図21?23を参照して説明する。先述したように、スロットマシン1では、報知する押し順を主に主制御手段100において決定し(一部副制御手段200でも決定する)、押し順の報知は、主制御手段と副制御手段の両方で行うようになっている。図21(A)は、フリーズを設定しない場合における押し順報知のタイミングを示している。なお、図中及び以下の説明における「メイン」及び「サブ」は、それぞれ、主制御手段及び副制御手段を意味する。
【0203】
図21(A)に示すように、フリーズを設定しない場合には、スタートレバーが操作されたことを契機として、メインからサブに、フリーズ番号コマンド(この場合はフリーズ番号0のコマンド)、押し順フラグコマンド(押し順を報知する場合には押し順フラグONのコマンド、報知しない場合はOFFのコマンド)、ATフラグコマンド(ATフラグONまたはOFFのコマンド)、メインモードコマンド(メインモード1?4の何れかのコマンド)、RTコマンド(非RT、RT1?6の何れかのコマンド)、押し順番号コマンド(押し順を報知する場合には押し順番号1?13の何れかのコマンド、報知しない場合は押し順番号0のコマンド)、役決定結果番号コマンド(非特別役の役決定結果番号コマンド(押し順を報知する場合には役決定処理により選出された役決定結果番号、押し順を報知しない場合にはマスク処理された役決定結果番号)及び特別役の役決定結果番号コマンド)等が送信される。」

(10)「【図4】



(11)「【図8】



(12)「【図10】



(13)「【図12】



(14)「【図16】



(15)上記(10)(【図4】)の図示内容から、遊技役に応じて左リール、中リール及び右リールで表示される対応図柄の組合せが定まることが看取できる。
また、上記(14)(【図16】)の図示内容から、押し順に対応する役決定結果番号が複数設けられていることや、役決定結果番号が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した押し順番号が定まることが看取できる。

(16)上記(13)(【図12】)の図示内容から、メイン側押し順管理手段139は、主制御手段100に制御されるものであることが看取できる。

(17)上記(10)(【図4】)の図示内容から、「再遊技役5」の遊技役は、右リールにおいて「セブン」の図柄を表示可能であるが、左リール、中リール及び右リールにおいて「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せを表示不可能であることが看取できる。
さらに、上記(11)(【図8】)及び上記(14)(【図16】)の図示内容から、「再遊技役5」の遊技役は、3?8の役決定結果番号に対応する押し順番号1?6の対応押し順(例えば、役決定結果番号が3である場合は押し順番号1の「左中右」の対応押し順。)で操作されたときに成立する当選役であることが看取できる。

(18)上記(10)(【図4】)の図示内容から、「小役3」の遊技役は、左リールにおいて「セブン」の図柄を表示可能であるが、左リール、中リール及び右リールにおいて「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せを表示不可能であることが看取できる。
さらに、上記(12)(【図10】)の図示内容及び上記(14)(【図16】)の図示内容から、「小役3」の遊技役は、26?27の役決定結果番号に対応する押し順番号5?6の対応押し順(例えば、役決定結果番号が26である場合は押し順番号5の「右左中」の対応押し順。)で操作されたときに成立する当選役であることが看取できる。

(19)上記(7)の【0188】に、「アシスト演出として、当選役の情報や目押しすべき図柄を報知する演出」「を行うようにしてもよい。例えば、スイカ小役が成立許容役となった場合に、表示画面11a上に「スイカ当選!」や「スイカを狙え!」というような文字情報を表示する態様が挙げられる(スピーカ15a,15b等から音声情報を出力するようにしてもよい)。」と記載されていることから、表示画面11a上やスピーカ15a,15b等から、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能であることは、当業者にとって自明である。

(20)上記(1)ないし(19)の記載内容からみて、
先願明細書等には、以下の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている。なお、aないしjについては本願発明のAないしJに対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

(先願発明)
「a 遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出する投入メダルセンサ28aと(【0035】)、
b スタートレバー(スタートスイッチ)25と(【0033】)を備え、ここで、スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入(【0048】)し、次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)(【0049】)こととなり、
c、c-1 スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果番号の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うように構成される役決定手段132(【0130】)を備え、ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が選出された遊技において成立することが許容される1または複数の遊技役を規定するものであり(【0024】)、さらに、遊技役に応じて左リール、中リール及び右リールで表示される対応図柄の組合せが定まり(上記(15)、【図4】)、また、役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて、報知する押し順を決定し(【0153】)、ここで、押し順に対応する役決定結果番号が複数設けられており(上記(15)、【図16】)、
d スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機としてリール3a?3cを回転開始させるリール制御手段134(【0144】)を備え、それにより、リール3a?3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示され(【0049】)、
e 遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成され(【0049】)、
f リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であるモータ駆動回路36a(【0054】)を備え、各リール3a?3cの回転停止制御は、上記役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて設定(セット)される各停止テーブルに基づき、ストップスイッチ26a?26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われ(【0145】)、
g 有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算され(【0050】)、
h ストップスイッチ26a?26cの操作順(押し順)を示す、押し順番号を表示する機能を有するWINランプ46j(【0043】)を備え、ここで、メイン側押し順管理手段139によりWINランプ46jの制御が行われ(【0152】)、さらに、メイン側押し順管理手段139は、主制御手段100に制御されるものであり(上記(16)、【図12】)、
i 主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(第2副制御手段)200Bを備えてなる副制御手段200(【0176】)を備え、ここで、サブサブ制御手段200Bは、ゲーム演出実行制御手段251を備え(【0194】)、さらに、ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、ゲーム演出を実行するように構成されており(【0195】)、
i-1 押し順当てゲームとは、正解押し順となる押し順の一部または全部を隠して報知を行い、遊技者が正解押し順を実行し得た場合に、遊技者に所定の利益(遊技媒体の他、ATの設定やATゲーム数の上乗せ等)を付与するものであり、押し順ゲームが設定されたときは、押し順フラグがONになっているが、マスク処理が行われ(不正アクセスし、情報を抽出しようとしても、正解押し順が特定できないようにしている)(【0169】)、さらに、メインからサブに、押し順を報知しない場合にはマスク処理された役決定結果番号コマンドが送信され(【0203】)、
c-2、h-2 「再遊技役5」の遊技役は、右リールにおいて「セブン」の図柄を表示可能であるが、左リール、中リール及び右リールにおいて「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せを表示不可能であって、3?8の役決定結果番号に対応する押し順番号1?6の対応押し順(例えば、役決定結果番号が3である場合は押し順番号1の「左中右」の対応押し順。)で操作されたときに成立する当選役であり(上記(17)、【図4】、【図8】、【図16】)、
また、「小役3」の遊技役は、左リールにおいて「セブン」の図柄を表示可能であるが、左リール、中リール及び右リールにおいて「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せを表示不可能であって、26?27の役決定結果番号に対応する押し順番号5?6の対応押し順(例えば、役決定結果番号が26である場合は押し順番号5の「右左中」の対応押し順。)で操作されたときに成立する当選役であり(上記(18)、【図4】、【図10】、【図16】)、
i-2 役決定結果番号が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した押し順番号が定まる(上記(15)、【図16】)一方で、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となり(【0085】)、遊技役に応じて左リール、中リール及び右リールで表示される対応図柄の組合せが定まり(上記(15)、【図4】)、表示画面11a上やスピーカ15a,15b等から、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能である(上記(19)、【0188】)、
j スロットマシン1(【0031】)。」

5 本願発明1と先願発明とについての対比及び判断
(1)本願発明1と先願発明を対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(j)は、本願発明1の1Aないし1Jに対応させている。

(a)先願発明の「遊技メダル」は、本願発明1の「遊技媒体」に相当する。
そして、先願発明の「投入メダルセンサ28a」は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであるところ、遊技メダル(「遊技媒体」)の投入操作を検出するものといえるから、本願発明1の「投入操作検出手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成aは、本願発明1の構成1Aに相当する。

(b)先願発明の「スタートレバー(スタートスイッチ)25」は、遊技メダル(「遊技媒体」)を投入後、遊技者に操作されることでベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)ものであるところ、投入メダルセンサ28a(「投入操作検出手段」)による遊技メダル(「遊技媒体」)の投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出するものともいえるから、本願発明1の「開始操作検出手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成bは、本願発明1の構成1Bに相当する。

(c)先願発明の「遊技役」は、本願発明1の「内部当籤役」に相当する。
そして、先願発明の「役決定手段132」は、スタートレバー25(「開始操作検出手段」)が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率に基づき、役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うものであるところ、その「役決定結果番号」が遊技役(「内部当籤役」)を規定するものであることを考慮すれば、スタートレバー25(「開始操作検出手段」)による開始操作の検出に基づいて予め定められた役決定確率で遊技役(「内部当籤役」)を決定するものといえるから、本願発明1の「内部当籤役決定手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成c、c-1は、本願発明1の構成1Cを具備する。

(d)先願発明の「リール3a?3c」は、その外周表面に複数種類の図柄を表示するものであって、複数の表示列によって構成されるものといえるから、本願発明1における「複数の表示列によって構成され」たものに相当する。
また、先願発明の「リール制御手段134」は、スタートレバー25(「開始操作検出手段」)が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、リール3a?3cの外周表面に表示された複数種類の図柄を移動表示(「変動表示」)するものであるところ、その「複数種類の図柄」、「移動表示」は、それぞれ順に、本願発明1の「遊技に必要な図柄」、「変動表示」に相当するといえる。そうすると、先願発明の「リール制御手段134」は、本願発明1における「開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する」ものを備える。
してみると、先願発明の「リール3a?3c」及び「リール制御手段134」は、本願発明1の「変動表示手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成dは、本願発明1の構成1Dに相当する。

(e)先願発明の「ストップスイッチ26a」、「ストップスイッチ26b」及び「ストップスイッチ26c」は、遊技者が操作すると、リール3a、リール3b及びリール3cの回転を停止させるものであるところ、遊技者による停止操作の検出を行うものといえるから、本願発明1の「停止操作検出手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成eは、本願発明1の構成1Eに相当する。

(f)先願発明において、「モータ駆動回路36a」は、各リール3a?3cの回転停止制御を行うものであるところ、その回転停止は、役決定手段132(「内部当籤役決定手段」)の役決定処理により選出された役決定結果番号とストップスイッチ26a?26c(「停止操作検出手段」)の操作態様(押し順や操作タイミング等)とに基づいて行われるものである。
そうすると、先願発明の「モータ駆動回路36a」は、役決定手段132(「内部当籤役決定手段」)の決定結果とストップスイッチ26a?26c(「停止操作検出手段」)による停止操作の検出とに基づいて、図柄(「図柄」)の移動表示(「変動表示」)を停止させるものといえるから、本願発明1の「停止制御手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成fは、本願発明1の構成1Fに相当する。

(g)先願発明の「有効ライン29」は、複数のリール3a?3cに表示された図柄に亘って延びるものであることが明らかであるところ、複数の表示列に亘って延びるものともいえるから、本願発明1の「入賞判定ライン」に相当する。
そして、先願発明において、有効ライン29(「入賞判定ライン」)上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダル(「遊技媒体」)がホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算されるところ、その「有効ライン29上に停止表示された図柄組合せ」は、本願発明1の「入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せ」に相当するといえる。
そうすると、先願発明は、複数の表示列における移動表示(「変動表示」)の停止により、前記複数列の表示に亘って延びる有効ライン29上に停止表示された図柄組合せ(「入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せ」)に応じて遊技メダル(「遊技媒体」)を付与する構成を備えるものといえるから、本願発明1の「遊技媒体付与手段」を具備する。
したがって、先願発明の構成gは、本願発明1の構成1Gを具備する。

(h)先願発明の「主制御手段100」、「ストップスイッチ26a?26cの操作順(押し順)」、「押し順番号」は、それぞれ順に、本願発明1の「主制御部」、「停止操作の順番」、「指示情報」に相当する。
ここで、先願発明の「WINランプ46j」は、主制御手段100(「主制御部」)により制御されて、複数の表示列に対するストップスイッチ26a?26cの操作順(押し順)(「停止操作の順番」)が識別可能な情報である押し順番号(「指示情報」)を表示するものといえるから、本願発明1の「指示情報表示手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成hは、本願発明1の構成1Hに相当する。

(i)先願発明の「副制御手段200」は、本願発明1の「副制御部」に相当する。
ここで、先願発明の「ゲーム演出実行制御手段251」は、演出コマンドに基づいてゲーム演出を実行するものであって、さらに、副制御手段200(「副制御部」)により制御されるものであるから、本願発明1の「演出手段」に相当する。
また、先願発明の「画像表示装置11」や「スピーカ15a,15b」も同様に、副制御手段200(「副制御部」)により制御されてゲーム演出を実行するものといえるから、本願発明1の「演出手段」に相当する。
したがって、先願発明の構成iは、本願発明1の構成1Iに相当する。

(c-1)先願発明において、役決定手段132(「内部当籤役決定手段」)は、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果番号の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うように構成されるものであるところ、役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて、報知する押し順を決定するにあたり、押し順に対応する役決定結果番号が複数設けられているものである。
ここで、役決定結果番号とは遊技役(「内部当籤役」)を規定するものであって、その遊技役(「内部当籤役」)に応じて左リール、中リール及び右リールで表示される対応図柄の組合せが定まるものであることからすれば、先願発明は、本願発明1の「前記内部当籤役決定手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の態様に応じて、変動表示を停止させた場合の図柄の組合せが異なるようにした複数の特定役を予め定められた確率で内部当籤役として決定」することを具備するといえる。
したがって、先願発明の構成c、c-1は、本願発明1の構成1C-1を具備する。

(i-1)先願発明の「押し順当てゲーム」は、ゲーム演出実行制御手段251や画像表示装置11(「演出手段」)により実行されるものであることは明らかであって、さらに、正解押し順となる押し順の一部または全部を隠して報知を行い、遊技者が正解押し順を実行し得た場合に、遊技者に所定の利益を付与するものであるから、本願発明1の「押し順選択演出」に相当するといえる。
そして、先願発明の「マスク処理された役決定結果番号コマンド」は、押し順を報知しない場合にメインからサブに送信されてサブ側で受信されるものであって、そのマスク処理が行われると、不正アクセスし、情報を抽出しようとしても、正解押し順が特定できないようになるものであるから、本願発明1の「複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報」に相当するといえる。
そうすると、先願発明のゲーム演出実行制御手段251や画像表示装置11(「演出手段」)は、マスク処理された役決定結果番号コマンド(「複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報」)を受信した場合に、遊技者が押し順を選択する押し順当てゲーム(「押し順選択演出」)を行うものであるから、本願発明1の構成1I-1に相当する構成を備えるといえる。
したがって、先願発明の構成i-1は、本願発明1の構成1I-1に相当する。

(c-2)先願発明において、遊技役(「内部当籤役」)が「再遊技役5」である場合に、「3?8の役決定結果番号に対応する押し順番号1?6の対応押し順」、「右リールにおいて表示される「セブン」の図柄」、「「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せ」は、それぞれ順に、本願発明1の「所定の停止操作」、「一の表示列において」「表示可能な」「所定図柄」、「前記複数の表示列において前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せ」に相当するといえる。
また、先願発明において、遊技役(「内部当籤役」)が「小役3」である場合に、「26?27の役決定結果番号に対応する押し順番号5?6の対応押し順」、「左リールにおいて表示される「セブン」の図柄」、「「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せ」は、それぞれ順に、本願発明1の「所定の停止操作」、「一の表示列において」「表示可能な」「所定図柄」、「前記複数の表示列において前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せ」に相当するといえる。
そうすると、先願発明の「再遊技役5」や「小役3」は、対応押し順(「所定の停止操作」)を行った場合に、右リールまたは左リールにおいて「セブン」(「所定図柄」)を表示可能であるが、左リール、中リール及び右リールにおいて「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せ(「前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せ」)を表示不可能である遊技役(「内部当籤役」)といえるから、本願発明1の「所定役」に相当する。 したがって、先願発明の遊技役(「内部当籤役」)は、本願発明1の構成1C-2の構成を備えるものといえるから、先願発明の構成c-2、h-2は、本願発明1の構成1C-2を具備する。

(h-2)先願発明において、遊技役(「内部当籤役」)が「再遊技役5」である場合の「押し順番号1?6」が、本願発明1の「所定の指示情報」に相当するといえる。
また、先願発明において、遊技役(「内部当籤役」)が「小役3」である場合の「押し順番号5?6」が、本願発明1の「所定の指示情報」に相当するといえる。
そうすると、先願発明の押し順番号(「指示情報」)は、対応押し順(「所定の停止操作」)の態様を特定可能な押し順番号1?6や押し順番号5?6(「所定の指示情報」)を含むものであるから、本願発明1の構成1H-2に相当する構成を備えるものである。
したがって、先願発明の構成c-2、h-2は、本願発明1の構成1H-2を具備する。

(i-2)先願発明において、役決定結果番号が選出されると、その役決定結果番号に対応した押し順番号(「指示情報」)が定まる一方で、その役決定結果番号に対応した遊技役(「内部当籤役」)が当該遊技における成立許容役となり、遊技役(「内部当籤役」)に応じて対応図柄が定まり、さらに、表示画面11a上やスピーカ15a,15b等から、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能であることからすれば、押し順番号に対応する、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能である、といえることは明らかである。さらに、押し順番号に対応する、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能であることは、押し順番号1?6や押し順番号5?6(「所定の指示情報」)の場合も同様であることは、当業者にとって自明である。
ここで、先願発明において、 表示画面11aやスピーカ15a,15bが、ゲーム演出実行制御手段251により制御されるものであることも明らかである。
そうすると、先願発明のゲーム演出実行制御手段251、画像表示装置11及びスピーカ15a,15b(「演出手段」)は、いずれも、押し順番号1?6や押し順番号5?6(「所定の指示情報」)に対応する、目押しすべき図柄に応じた報知を実行可能なものであるところ、その「目押しすべき図柄に応じた報知」が、本願発明1の「所定の報知パターン」に相当するといえるから、本願発明1の構成1I-2に相当する構成を備えるものである。
したがって、先願発明の構成i-2は、本願発明1の構成1I-2を具備する。

(j)先願発明の「スロットマシン1」は、本願発明1の「遊技機」に相当する。
したがって、先願発明の構成jは、本願発明1の構成1Jに相当する。

(2)上記(1)によれば、本願発明1と先願発明とは、
「1A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
1B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
1C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
1D 複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、
1E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
1F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
1G 前記複数の表示列における前記変動表示の停止により、前記複数の表示列に亘って延びる入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
1H 主制御部により制御されて、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別可能な情報である指示情報を表示する指示情報表示手段と、
1I 副制御部により制御されて演出を実行する演出手段と、を備え、
1C-1 前記内部当籤役決定手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の態様に応じて、変動表示を停止させた場合の図柄の組合せが異なるようにした複数の特定役を予め定められた確率で内部当籤役として決定し、
1I-1 前記演出手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報を受信した場合に、遊技者が押し順を選択する押し順選択演出を行い、
1C-2 前記内部当籤役は、所定の停止操作を行った場合に、少なくとも一の表示列において所定図柄を表示可能であるが、前記複数の表示列において前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せを表示不可能である所定役を含み、
1H-2 前記指示情報は、前記所定の停止操作の態様を特定可能な所定の指示情報を含み、
1I-2 前記演出手段は、前記所定の指示情報に対応する所定の報知パターンを有する、
1J 遊技機。」である点で一致し、次の点で一応相違する。

[相違点1](構成1H-1)
「指示情報表示手段」に関し、
本願発明1では、「前記指示情報表示手段は、前記主制御部が前記特殊指示情報を送信した遊技において、停止操作が終了した後に指示情報を表示しない」のに対し、
先願発明では、そのような特定がない点。

[相違点2](構成1I-3)
「報知パターン」に関し、
本願発明1では、「前記所定の報知パターンは、前記所定の図柄組合せを狙う旨を示すものである」のに対し、
先願発明では、そのような特定がない点。

(3)相違点の検討
ア 上記相違点1について
(ア)上記相違点1について検討する。
先願発明において、マスク処理された役決定結果番号コマンド(「特殊指示情報」)がメインからサブに送信される押し順当てゲーム(「押し順選択演出」)にて、ストップスイッチ26a?26cの停止操作が終了した後では、当該押し順当てゲームでの正解押し順はもはや不要な情報であると認められる。そうすると、先願発明において、停止操作後に、正解押し順をWINランプ46j(「指示情報表示手段」)にあえて表示することなく、そのまま非表示とすることが、自然な動作であることからすれば、そのような動作は、先願明細書等に取り立てて記載されていないとしても、記載されているに等しい事項であると認められる。
また、仮に記載されているに等しい事項であると認められないとしても、不要な情報をあえて表示しないことが周知技術であることに鑑みれば、上記相違点1は、周知技術の付加に過ぎず、さらに、新たな効果を奏するものであるとも認められないから、課題解決のための具体化手段における微差である。

(イ)そうすると、上記相違点1は実質的な相違点ではない。

イ 上記相違点2について
(ア)上記相違点2について検討する。
遊技機の技術分野において、「セブン」、「セブン」、「セブン」の図柄組合せに対応しない当選役であるにも関わらず、表示装置に、「7を狙え」等、7の図柄を揃える旨のガセ報知を行うことは、例えば、特開2015-73869号公報の【0001】、【0573】、【0602】等や、特開2014-18230号公報の【0001】、【0066】等に記載のように、本願の遡及日(平成27年6月5日)前に周知(以下、「周知技術1」という。)であって、それにより得られる効果も格別顕著なものであるとはいえない。

(イ)そうすると、上記相違点2は、上記周知技術1の付加に過ぎず、さらに、新たな効果を奏するものであるとも認められないから、課題解決のための具体化手段における微差である。

ウ したがって、上記ア及びイより、本願発明1と先願発明とは、実質的に同一である。

6 本願発明2と先願発明とについての対比及び判断
(1)先願発明が本願発明2と実質的に同一といえるか否かについても、さらに検討する。
本願発明2と先願発明とを対比すると、本願発明2の構成2Aないし2J、2C-1、2H-1及び2I-1は、それぞれ順に、本願発明1の構成1Aないし1J、1C-1、1H-1及び1I-1と同じであるから、上記「5(1)」で説示したとおり、先願発明は、本願発明2の構成2Aないし2J、2C-1及び2I-1を具備するといえる。
また、上記「5(h)」で説示したように、先願発明の「押し順番号」、「WINランプ46j」は、それぞれ順に、本願発明2の「指示情報」、「指示情報表示手段」に相当する。そして、先願発明における、WINランプ46j(「指示情報表示手段」)により押し順番号(「指示情報」)を報知する際の遊技は、当該報知が所定期間行われることは明らかであるから、本願発明2の「アシスト遊技」に相当するといえる。そうすると、本願発明2と先願発明とは、「2K’前記指示情報を前記指示情報表示手段に所定期間が経過するまで表示するアシスト遊技を行う」点で共通する。

(2)上記(1)によれば、本願発明2と先願発明とは、
「2A 遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段と、
2B 前記投入操作検出手段による投入操作の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
2C 前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
2D 複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、
2E 遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、
2F 前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、
2G 前記複数の表示列における前記変動表示の停止により、前記複数の表示列に亘って延びる入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
2H 主制御部により制御されて、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別可能な情報である指示情報を表示する指示情報表示手段と、
2I 副制御部により制御されて演出を実行する演出手段と、を備え、
2C-1 前記内部当籤役決定手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の態様に応じて、変動表示を停止させた場合の図柄の組合せが異なるようにした複数の特定役を予め定められた確率で内部当籤役として決定し、
2I-1 前記演出手段は、前記複数の表示列に対する停止操作の順番が識別不可能である特殊指示情報を受信した場合に、遊技者が押し順を選択する押し順選択演出を行い、
2K’前記指示情報を前記指示情報表示手段に所定期間が経過するまで表示するアシスト遊技を行う
2J 遊技機。」である点で一致し、次の点で一応相違する。

[相違点3](構成2H-1)
「指示情報表示手段」に関し、
本願発明2では、「前記指示情報表示手段は、前記主制御部が前記特殊指示情報を送信した遊技において、停止操作が終了した後に指示情報を表示しない」のに対し、
先願発明では、そのような特定がない点。

[相違点4](構成2K、2K-1)
「アシスト遊技」に関し
本願発明2では、「前記指示情報を前記指示情報表示手段に所定期間が経過するまで表示するアシスト遊技を行う権利であるアシスト遊技権利を付与することを決定可能なアシスト遊技権利付与手段を備え、前記アシスト遊技権利は、実行されるまで保留され、既に保留されているアシスト遊技権利よりも優先的に実行される先放出アシスト遊技権利を含む」のに対し、
先願発明では、WINランプ46j(「指示情報表示手段」)により押し順番号(「指示情報」)を報知する遊技(「アシスト遊技」)について、本願発明2のような特定がない点。

(3)相違点の検討
ア 上記相違点3について
(ア)上記相違点3について検討する。
上記相違点3は、上記相違点1と同じであるから、上記「5(3)ア(ア)」で説示したとおり、上記相違点3は実質的な相違点ではない。

イ 上記相違点4について
(ア)上記相違点4について検討する。
遊技機の技術分野において、アシスト遊技を行う権利であるアシスト遊技権利を付与することを決定可能なアシスト遊技権利付与手段を備え、前記アシスト遊技権利は、実行されるまで保留され、既に保留されているアシスト遊技権利よりも優先的に実行される先放出アシスト遊技権利を含むことは、例えば、特開2013-158575号公報の【0001】、【0121】ないし【0122】、【図23】等(ここで、「ART開始時参照モード5」や「ART開始時参照モード6」等をストックすることに関する構成が、本願発明2の「アシスト遊技権利付与手段」に相当し、ストック放出順の優先順位が最も高い「ART開始時参照モード6」のストックが、本願発明2の「先放出アシスト遊技権利」に相当する。)や、特開2013-43054号公報の【0001】、【0075】、【0080】、【0088】等(ここで、「第1ART遊技を実行する実行権利である第1実行権利」、「第2ART遊技を実行する実行権利である第2実行権利」及び「第3ART遊技を実行する実行権利である第3実行権利」をストックすることに関する構成が、本願発明2の「アシスト遊技権利付与手段」に相当し、実行権利の放出順序を、「第3実行権利>第2実行権利>第1実行権利」の順で優先的に放出する順序としているところ、「第3実行権利」または「第2実行権利」が、本願発明2の「先放出アシスト遊技権利」に相当する。)に記載のように、本願の遡及日(平成27年6月5日)前に周知(以下、「周知技術2」という。)であって、それにより得られる効果も格別顕著なものであるとはいえない。

(イ)そうすると、上記相違点4は、上記周知技術2の付加であって、新たな効果を奏するものではないもの、すなわち、課題解決のための具体化手段における微差である。

ウ したがって、上記ア及びイより、本願発明2と先願発明とは、実質的に同一である。

7 請求人の主張について
(1)審判請求人は、令和1年8月26日付け意見書において、概略以下のとおり主張している。

「3.本願発明と引用文献に記載の発明との対比、及び本願発明の特許性について
・・・略・・・
(b)しかしながら、先願1には、本願の請求項1に係る発明が備える下記構成は記載されておらず、また、かかる構成を示唆するような記載もありません。
「前記内部当籤役は、所定の停止操作を行った場合に、少なくとも一の表示列において所定図柄を表示可能であるが、前記複数の表示列において前記所定図柄が揃って表示される所定の図柄組合せを表示不可能である所定役を含み、
前記指示情報は、前記所定の停止操作の態様を特定可能な所定の指示情報を含み、
前記演出手段は、前記所定の指示情報に対応する所定の報知パターンを有し、
前記所定の報知パターンは、前記所定の図柄組合せを狙う旨を示すものである」
この構成の有無は、次のような意義を有しています。本願発明では、上記構成を有するため、所定役が当籤した場合に所定の指示情報を決定することで、所定の図柄組合せを狙わせる演出を主制御部で管理することができます。
これに対し、先願1に記載された遊技機では、所定役が当籤した場合に、所定の図柄組合せを狙わせる演出を主制御部で管理することができまません。
(c)また、先願1には、本願の請求項2に係る発明が備える下記構成は記載されておらず、また、かかる構成を示唆するような記載もありません。
「前記指示情報を前記指示情報表示手段に所定期間が経過するまで表示するアシスト遊技を行う権利であるアシスト遊技権利を付与することを決定可能なアシスト遊技権利付与手段を備え、
前記アシスト遊技権利は、実行されるまで保留され、既に保留されているアシスト遊技権利よりも優先的に実行される先放出アシスト遊技権利を含む」
この構成の有無は、次のような意義を有しています。本願発明では、上記構成を有するため、付与されたアシスト遊技権利の実行順序をフレキシブルに設定することができ、遊技者を飽きさせない変化に富んだ遊技を提供することができます。
これに対し、先願1に記載された遊技機では、付与されたアシスト遊技権利の実行順序をフレキシブルに設定することができません。
(d)したがって、本出願の請求項1及び2に記載の発明は、引用文献1(先願1)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一ではなく、特許法第29条の2の規定には該当しないものと思料いたします。」

(2)しかしながら、上記「6(3)イ」や上記「5(3)イ」で説示したように、本願発明1の構成1I-3に係る上記相違点2と、本願発明2の構成2K、2K-1に係る上記相違点4は、いずれも、周知技術の付加であって、新たな効果を奏するものではないもの、すなわち、課題解決のための具体化手段における微差に過ぎず、さらに、上記意見書で主張する効果も、先願発明や周知技術から当業者が想定し得る程度のものであって、格別顕著なものとはいえない。

(3)したがって、上記(2)で説示したように、令和1年8月26日付け意見書における審判請求人の主張は、いずれも理由がない。

7 むすび
以上のとおり、本願発明1及び2はいずれも、先願明細書等に記載された発明と同一であり、しかも、本件出願の発明者が先願の発明者と同一ではなく、また、本件の出願の時において、本件出願の出願人が先願の出願人と同一でもないから、本願発明1及び2のいずれも、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができず、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-11-25 
結審通知日 2019-11-26 
審決日 2019-12-09 
出願番号 特願2016-11966(P2016-11966)
審決分類 P 1 8・ 161- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 和孝  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 島田 英昭
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人信友国際特許事務所  
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