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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04M |
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管理番号 | 1359432 |
審判番号 | 不服2018-12488 |
総通号数 | 243 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-18 |
確定日 | 2020-02-06 |
事件の表示 | 特願2014- 91731「携帯電子機器、制御方法、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月24日出願公開、特開2015-211336〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年4月25日の出願であって、平成30年6月11日付けで拒絶査定がなされたところ、同年9月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において令和1年9月11日付けで拒絶理由が通知され、同年10月31日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1-5に係る発明は、令和1年10月31日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 携帯電子機器であって、 イベントに関する第1報知を音による方式で行う報知部と、 前記第1報知に対応する応答操作が検出されていないと判定した場合、前記応答操作の検出判定に続いて、当該携帯電子機器をユーザの手で持ち上げる持ち上げ動作が検出されるまで当該持ち上げ動作の検出判定を繰り返し実行し、当該持ち上げ動作を検出した場合に、前記第1報知されたが当該第1報知に対応する応答操作が検出されていないイベントに関する第2報知を振動による方式で前記報知部に行わせる制御部と を備える携帯電子機器。」 第3 当審拒絶理由の概要 当審が令和1年9月11日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりである。 (進歩性)本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された常套技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2009-225208号公報 引用文献2:特開2009-206868号公報 第4 引用文献の記載事項、引用発明及び常套技術 1 当審拒絶理由で引用した引用文献1(特開2009-225208号公報。平成21年10月1日出願公開。)には、図面とともに、次の記載がある([当審注]:下線は当審において付与。)。 (1)「【0007】 上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴を報知する通信端末装置において、ヒステリシスを持たせた閾値に基づいて前記通信端末装置がユーザにより把持されたか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により、前記通信端末装置がユーザにより把持されたと判定した場合に、前記着信履歴を振動により報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。 【0008】 上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信端末装置において、前記報知手段は、前記電話着信のみか、前記メール着信のみか、前記電話着信及び前記メール着信の両者なのかを、数種類の振動パターンにて前記ユーザに報知することを特徴とする。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、ユーザが移動する場合には必ず携帯電話装置を手に持ってからかばん等に入れる動作をするため、電話着信又はメール着信の事実があった場合において携帯電話装置を手に持った瞬時に加速度センサにて携帯電話装置が静状態から動状態に移行したことを検知することができ、バイブによる振動にてユーザに報知することにより、着実にユーザに知らせることができる。」 (2)「【0014】 また、携帯電話装置MPは、文字や画像等の情報を表示する表示部15(例えば、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))等)と、ユーザからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部18に出力するキー操作部16(例えば、ダイヤルボタン、カーソルボタン等)と、各種プログラム(例えば、オペレーティングシステム、Webブラウザプログラム等)及びデータ等を記憶するメモリ部12(例えば、フラッシュメモリ等)と、電池部17と、携帯電話装置MPが静止状態にあるのか、動状態にあるのかを検知する加速度センサ19を有するセンサ部11(検出手段の一例)と、携帯電話装置MPに内蔵されたバイブレータ(報知手段の一例、以下、バイブ13と称する。)と、を備えている。 【0015】 更にまた、携帯電話装置MPは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)等を備える制御部18を備え、制御部18と各部とは、システムバスを介して相互に接続されている。」 (3)「【0017】 次に、第1実施形態に係る携帯電話装置MPのユーザが手に持った瞬時に、電話着信又はメール着信の事実をユーザに報知することができる携帯電話装置MPの動作について、図3を参照して説明する。 【0018】 携帯電話装置MP内のセンサ部11に設けた加速度センサ19が動作を開始して(ステップS001)、携帯電話装置MPが静状態にあるか又は動状態にあるかを判定する(ステップS002)。 【0019】 センサ部11は、携帯電話装置MPがある一定時間以上動かないで止まっている、即ち静状態であると判定した場合(ステップS102;YES)に、次に電話着信又はメール着信の事実があるか否かを判定する(ステップS003)。一方、携帯電話装置MPがある一定時間静状態にないと判定した場合(ステップS102;YES)に、ステップS001に戻る。 【0020】 電話着信又はメール着信の事実がある(ステップS003:YES)が、ユーザは気づかない場合、各着信履歴がメモリ部12に格納される。一方、電話着信又はメール着信の事実がない場合(ステップS003:NO)は、ステップS001に戻る。 【0021】 各着信履歴がメモリ部12に格納される状態において、動状態となる(ステップS004)。すなわち、ユーザが手もち動状態となる。 【0022】 次にセンサ部の加速度センサ19は携帯電話装置が動状態にあるか否かを検知する(ステップS005)。加速度センサ19が動状態を感知した場合(ステップS005:YES)には、ステップ006に移行する。一方、加速度センサ19が動状態を感知しない場合(ステップS005:NO)には、ステップS004に戻る。 【0023】 次に、加速度センサ19が動状態を感知した瞬間、バイブ13が一定期間動き出す(ステップS006)。 【0024】 バイブ13の振動により電話着信又はメール着信の事実を報知する(ステップS007)。 【0025】 ユーザは把持しているので、バイブ13による振動に気づき、電話着信又はメール着信の事実を認識することができる。」 (4)「【0027】 図4に示すように、まず携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定に関しては、バイブ13等の微振動を動状態であると誤検知しないような閾値となっており、大きな動きがあった場合に動状態と判定する。一方、携帯電話装置MPの動状態から静状態への判定に関しては、上記と同じ閾値を使用しないで、ヒステリシスを持たし、かつ一定時間その閾値以下を保つことにより、静状態であると判定する。以上により、静状態と動状態との切り替え狭間で静状態と動状態の判定ばたつきを抑えることができる。 【0028】 以上説明したように、第1実施形態によれば、ユーザが移動する場合、必ず携帯電話装置MPを手に持ってからポケットや鞄等に入れる動作をするため、電話着信又はメール着信の事実があった場合には、加速度センサ19にて携帯電話装置MPが静状態から動状態に移行したことを検知することができるため、携帯電話装置MPを把持した瞬時にバイブ13による振動にて報知することで着実にユーザに知らせることができる。」 (5)図1及び図3は次のとおりである。 図1 図3 上記(1)?(4)の記載、図1及び図3を考慮すると、下記ア?ウの事項も引用文献1に開示されている。 ア 上記(2)及び図1によれば、「携帯電話装置MP」は、「各種プログラム(例えば、オペレーティングシステム、Webブラウザプログラム等)及びデータ等を記憶するメモリ部12」と、「携帯電話装置MPが静止状態にあるのか、動状態にあるのかを検知する加速度センサ19を有するセンサ部11(検出手段の一例)と、携帯電話装置MPに内蔵されたバイブレータ(報知手段の一例、以下、バイブ13と称する。)」と、「各部とシステムバスを介して相互に接続されている」「制御部18」と、を備える。 イ 上記(3)の「携帯電話装置MPのユーザが手に持った瞬時に、電話着信又はメール着信の事実をユーザに報知することができる携帯電話装置MPの動作」(【0017】)について、図3も参照すれば、「電話着信又はメール着信の事実がある(ステップS003:YES)が、ユーザは気づかない場合、各着信履歴がメモリ部12に格納され」る(【0020】)。そして、「各着信履歴がメモリ部12に格納される状態において」、「センサ部の加速度センサ19」が「動状態」、「すなわち、ユーザが手もち動状態」を「感知した場合」(ステップS005:YES)、「ステップ006に移行」し(ステップS005)」、「加速度センサ19が動状態を感知した瞬間、バイブ13が一定期間動き出し」(ステップS006)、「バイブ13の振動により電話着信又はメール着信の事実を報知」(ステップS007)する(【0021】?【0023】)。 ここで、上記(4)によれば、「携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定に関しては、バイブ13等の微振動を動状態であると誤検知しないような閾値となっており、大きな動きがあった場合に動状態と判定する」(【0027】)。 また、「一方、加速度センサ19が動状態を感知しない場合(ステップS005:NO)には、ステップS004に戻る」(【0022】)とあるところ、図3も参照すれば、ステップS004に戻り、「センサ部の加速度センサ19」が「動状態」、「すなわち、ユーザが手もち動状態」を「感知」するまで上記「携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定」が繰り返し行われることが把握できる。 ウ 上記(1)及び(4)によれば、「ユーザが移動する場合、必ず携帯電話装置MPを手に持ってからポケットや鞄等に入れる動作をするため、電話着信又はメール着信の事実があった場合には、加速度センサ19にて携帯電話装置MPが静状態から動状態に移行したことを検知することができ」、「無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴」を「携帯電話装置MPを把持した瞬時にバイブ13による振動にて報知する」(【0007】、【0009】、【0028】)。 以上を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「各種プログラム(例えば、オペレーティングシステム、Webブラウザプログラム等)及びデータ等を記憶するメモリ部12と、 携帯電話装置MPが静止状態にあるのか、動状態にあるのかを検知する加速度センサ19を有するセンサ部11(検出手段の一例)と、 携帯電話装置MPに内蔵されたバイブレータ(報知手段の一例、以下、バイブ13と称する。)と、 各部とシステムバスを介して相互に接続されている制御部18と、を備え、 携帯電話装置MPのユーザが手に持った瞬時に、電話着信又はメール着信の事実をユーザに報知することができる携帯電話装置MPの動作は、 電話着信又はメール着信の事実がある(ステップS003:YES)が、ユーザは気づかない場合、各着信履歴をメモリ部12に格納し、 各着信履歴がメモリ部12に格納される状態において、センサ部の加速度センサ19が動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態を感知した場合(ステップS005:YES)、ステップ006に移行し(ステップS005)、加速度センサ19が動状態を感知した瞬間、バイブ13が一定期間動き出し(ステップS006)、バイブ13の振動により電話着信又はメール着信の事実を報知し(ステップS007)、一方、加速度センサ19が動状態を感知しない場合(ステップS005:NO)には、ステップS004に戻り、センサ部の加速度センサ19が動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態を感知するまで携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定が繰り返し行われ ここで、携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定に関しては、バイブ13等の微振動を動状態であると誤検知しないような閾値となっており、大きな動きがあった場合に動状態と判定するものであり、 ユーザが移動する場合、必ず携帯電話装置MPを手に持ってからポケットや鞄等に入れる動作をするため、電話着信又はメール着信の事実があった場合には、加速度センサ19にて携帯電話装置MPが静状態から動状態に移行したことを検知することができ、無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴を携帯電話装置MPを把持した瞬時にバイブ13による振動にて報知する、 携帯電話装置MP。」 2 当審拒絶理由で引用した引用文献2(特開2009-206868号公報。平成21年9月10日出願公開。)には、次の記載がある。 (1)「【技術分野】 【0001】 本発明は、携帯通信端末において着信を報知する技術に関する。 【背景技術】 【0002】 携帯電話機などの携帯通信端末では、着信時には、音やバイブレータにより着信の報知を行うことが知られている。」 (2)「【0035】 すなわち着信報知制御部16は、無線通信部24が通話やメールを着信したときに、スピーカ28やバイブレータ30を報知パターンに関する変数を用いて制御し、それぞれ音声報知、振動報知を行わせる。」 上記(1)?(2)に記載されるように、通話やメールの着信時に、音による方式や振動による方式で報知を行うことは、携帯通信端末の技術分野における常套技術である。 第5 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明は「携帯電話装置」であるから、「携帯電子機器」に相当する。 (2)引用発明の「電話着信又はメール着信」は、本願発明の「イベント」に相当する。また、引用発明の「メモリ部」には、「電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴」が格納されるところ、電話又はメールの着信時に何等かの報知を行うことは、通常行われることであるから、引用発明の「報知手段」が、電話又はメールの着信時に何等かの方式で報知を行うことは当業者に自明といえる。 そして、引用発明は、「報知手段」の一例として「バイブ13」を備え、「電話着信又はメール着信の事実がある(ステップS003:YES)が、ユーザは気づかない場合」、「無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴を携帯電話装置MPを把持した瞬時にバイブ13による振動にて報知」するものであるところ、電話又はメールの着信時の報知と、携帯電話装置を把持した時の報知とを区別して、それぞれ「第1報知」及び「第2報知」と称することは任意である。 そうすると、引用発明の「報知手段」は、本願発明の「報知部」に対応し、本願発明と引用発明とは、「イベントに関する第1報知を行う報知部」を有する点で共通するといえる。 (3)引用発明の「携帯電話装置MPのユーザが手に持った瞬時に、電話着信又はメール着信の事実をユーザに報知することができる携帯電話装置MPの動作」は、「メモリ部12」、「センサ部11」及び「バイブ13」の各々と「システムバスを介して相互に接続されている制御部18」よって制御されると解することができる。 そして、引用発明の「電話着信又はメール着信の事実がある(ステップS003:YES)が、ユーザは気づかない場合」に「メモリ部12に格納」される「無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴」は、本願発明の「第1報知されたが当該第1報知に対応する応答操作が検出されていないイベント」に対応し、引用発明において、当該「無線通信で受けた電話着信又はメール着信に対して応答操作がされなかった各着信履歴」を「バイブ13による振動にて報知する」ことは、本願発明の「前記第1報知されたが当該第1報知に対応する応答操作が検出されていないイベントに関する第2報知を振動による方式で前記報知部に行わせる」ことに対応する。 (4)引用発明は、「ユーザが移動する場合、必ず携帯電話装置MPを手に持ってからポケットや鞄等に入れる動作をする」ことを前提に、「各着信履歴がメモリ部12に格納される状態において、センサ部の加速度センサ19が動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態を感知した場合」に、「バイブ13の振動により電話着信又はメール着信の事実を報知」するものであるから、本願発明と同様、「当該携帯電子機器をユーザの手で持ち上げる持ち上げ動作」を検出するものといえる。 そして、引用発明の「動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態」の「判定」は、「各着信履歴がメモリ部12に格納される状態において」行われるから、本願発明と同様、「前記第1報知に対応する応答操作が検出されていないと判定した場合、前記応答操作の検出判定に続いて」行われるといえる。 また、引用発明では、「加速度センサ19が動状態を感知しない場合」には、「センサ部の加速度センサ19が動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態を感知するまで携帯電話装置MPの静状態から動状態への判定が繰り返し行われ」、「動状態、すなわち、ユーザが手もち動状態を感知した場合」に、「バイブ13の振動により電話着信又はメール着信の事実を報知」するから、本願発明と同様、「第2報知」は、「当該携帯電子機器をユーザの手で持ち上げる持ち上げ動作が検出されるまで当該持ち上げ動作の検出判定を繰り返し実行し、当該持ち上げ動作を検出した場合に」行われるといえる。 (5)上記(3)及び(4)を総合すると、本願発明と引用発明とは、「前記第1報知に対応する応答操作が検出されていないと判定した場合、前記応答操作の検出判定に続いて、当該携帯電子機器をユーザの手で持ち上げる持ち上げ動作が検出されるまで当該持ち上げ動作の検出判定を繰り返し実行し、当該持ち上げ動作を検出した場合に、前記第1報知されたが当該第1報知に対応する応答操作が検出されていないイベントに関する第2報知を振動による方式で前記報知部に行わせる制御部」を備える点で一致するといえる。 したがって、本願発明と引用発明との一致点・相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「 携帯電子機器であって、 イベントに関する第1報知を行う報知部と、 前記第1報知に対応する応答操作が検出されていないと判定した場合、前記応答操作の検出判定に続いて、当該携帯電子機器をユーザの手で持ち上げる持ち上げ動作が検出されるまで当該持ち上げ動作の検出判定を繰り返し実行し、当該持ち上げ動作を検出した場合に、前記第1報知されたが当該第1報知に対応する応答操作が検出されていないイベントに関する第2報知を振動による方式で前記報知部に行わせる制御部と を備える携帯電子機器。」 [相違点] 報知部が、本願発明では、イベントに関する第1報知を「音による方式」で行うのに対して、引用発明では、どのような方式で行うか特定がない点。 2 判断 上記「第4」の2のとおり、携帯通信端末の技術分野において、通話やメールの着信時に、音による方式や振動による方式で報知を行うことは常套技術であり、引用発明において、「電話着信又はメール着信」に対する最初の報知を音による方式で行うこと(請求項1の「イベントに関する第1報知を音による方式で行う」ことに相当。)は、当業者が容易になし得る。 また、その効果も当業者が予測し得る範囲のものである。 3 小括 本願発明は、上記引用文献1に記載された発明及び常套技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第6 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2019-12-02 |
結審通知日 | 2019-12-03 |
審決日 | 2019-12-16 |
出願番号 | 特願2014-91731(P2014-91731) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H04M)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 吉村 伊佐雄 |
特許庁審判長 |
佐藤 智康 |
特許庁審判官 |
山中 実 北岡 浩 |
発明の名称 | 携帯電子機器、制御方法、及びプログラム |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |