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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A23D
管理番号 1360242
審判番号 不服2019-1185  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-29 
確定日 2020-03-17 
事件の表示 特願2014-131241「植物油脂組成物およびこれを用いた調味料組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月18日出願公開、特開2016- 7187、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
この出願は、平成26年6月26日の出願であって、平成30年3月15日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月17日に意見書及び手続補正書が提出された後、同年10月24日付けで拒絶査定がされたものであって、その後、平成31年1月29日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年10月24日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。

この出願の請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内または外国において、頒布された引用文献6(特開2002-47500号公報)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、
特許請求の範囲を
「 【請求項1】
植物油脂組成物及び粉末調味料を含有する調味料組成物であって、
前記の植物油脂組成物は、5℃で液状である植物油脂(A)94.2?95.2質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)4.8?5.8質量%からなり、乳化剤を含まないことを特徴とする、調味料組成物。
【請求項2】
植物油脂組成物を70?95質量%、粉末調味料を5?30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の調味料組成物。」から
「 【請求項1】
植物油脂組成物及び粉末調味料を含有する調味料組成物であって、
前記の植物油脂組成物は、5℃で液状である植物油脂(A)94.2?95.2質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)4.8?5.8質量%からなり、乳化剤を含まないことを特徴とする、調味料組成物(但し、前記植物油脂組成物として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物を除く。)。
【請求項2】
植物油脂組成物を70?95質量%、粉末調味料を5?30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の調味料組成物。」にするものである。
この補正は、補正前の請求項1?2に係る発明から「前記植物油脂組成物として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物」を除いて補正後の請求項1?2に係る発明にしたものといえる。
してみると、この補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、以下の「第4 本願発明」?「第5 当審の判断」において示すように、補正後の請求項1?2に係る発明は、独立して特許を受けることができるものであるから、この補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

第4 本願発明
この出願の請求項1?2に係る発明は、平成31年1月29に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認める。(以下、請求項順にそれぞれ「本願発明1」、「本願発明2」といい、まとめて「本願発明」ともいう。)

「 【請求項1】
植物油脂組成物及び粉末調味料を含有する調味料組成物であって、
前記の植物油脂組成物は、5℃で液状である植物油脂(A)94.2?95.2質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)4.8?5.8質量%からなり、乳化剤を含まないことを特徴とする、調味料組成物(但し、前記植物油脂組成物として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物を除く。)。
【請求項2】
植物油脂組成物を70?95質量%、粉末調味料を5?30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の調味料組成物。」

第5 当審の判断
1 引用文献6(特開2002-47500号公報)に記載された事項及び引用発明
(1)引用文献6(特開2002-47500号公報)に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6には、次の事項が記載されている。

記載事項1-ア
「【特許請求の範囲】
【請求項1】10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物。
【請求項2】極度硬化油が高エルシン酸菜種油の極度硬化油である請求項1に記載のコーティング用油脂組成物。
【請求項3】10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、乳化剤0.01?10重量部を配合してなる請求項1または2に記載のコーティング用油脂組成物。」(1欄1?11行)

記載事項1-イ
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米菓等の表面に塗布することにより、食品の外観・風味・食感を飛躍的に向上し得る、速乾性のコーティング用油脂組成物に関する。」(1欄19?23行)

記載事項1-ウ
「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、米菓、スナック菓子類などの製造に際し、コーティングした後に、長時間放置することなく迅速に乾燥し、製品に良好な外観及び優れた風味・食感を持続して付与し得るコーティング用油脂組成物を提供することを目的とするものである。」(2欄22?28行)

記載事項1-エ
「【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、米菓・スナック菓子類などの製造に際し、コーティング用油脂として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を所定量配合した油脂組成物を用いることにより、白くボケたり、色調が沈んだりすることなく良好な外観を呈し、優れた風味・食感を有する製品を効率良く製造し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物及びそれを用いた食品である。また、本発明は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合し、レシチンやレシチン以外の乳化剤0.01?10重量部、酸化防止剤0.01?10重量部を配合してなるコーティング用油脂組成物及びそれを用いた食品である。
【0007】本発明の油脂組成物が優れた性能を示すのは、以下の理由であると推定される。すなわち、極度硬化油は通常の水素添加油(硬化油)とは異なり、融点が極端に高いため、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂中において、乾燥促進作用を有し、その結果、米菓等の食品にコーティングされた液状油が迅速に乾燥されるものと思われる。また、乳化剤を使用することにより、液状油の表面張力が低下し浸透性が増すと共に、乳化剤の持つ官能基の極性とその構造が油脂の結晶性に影響を与え、両者相俟って、当該油脂組成物のべた付きを防止し乾燥を促進するものと推測される。
【0008】また、本発明における酸化防止剤は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなる油脂の酸化安定性を向上させると共に、当該油脂と乳化剤の効果を相互に高める機能を有するものである。このように、本発明においては、液状油、レシチンを含めた乳化剤及び酸化防止剤の構成物質が各々独自の機能を発揮すると共に、各構成物質が共存、渾然一体となって相乗的に効果を発揮するものである。」(2欄29行?3欄17行)

記載事項1-オ
「【0009】本発明で使用する食用油脂としては、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂であれば特に限定されることはなく、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、コーン油、紅花油、米油、落花生油、くるみ油、ごま油、オリーブ油などの液状油脂が使用できる。これらは、エステル交換等の変性をすることなく液状の油脂である。これらのうち、ナタネ油、大豆油、コーン油、綿実油、紅花油、米油、ゴマ油などが特に好ましい。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。また、これらの食用油脂は、香味成分を含んだものでもよい。本発明においては、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部、好ましくは0.3?5.0重量部配合するのであるが、極度硬化油とは、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油等を原料とし、沃素価が10以下、融点が50℃以上になるまで水素添加したものをいう。その中でも高エルシン酸菜種油の極度硬化油が特に好ましく、高エルシン酸菜種油とは、構成脂肪酸中にエルシン酸を20?60%含む菜種油をいう。そして、該極度硬化油の配合量が0.1重量部より少ないと、コーティング用油脂組成物の乾燥速度が遅く、生産効率の改善が望めず、20重量部より多いと、油脂組成物自体の作業性が悪くなる上に、米菓などの当該油脂組成物をコーティングした食品の外観、風味が低下し好ましくない。」(3欄18?42行)

記載事項1-カ
「【0010】本発明における乳化剤としては、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコール脂肪酸エステル等があり、これらは1種単独または2種以上併用してもよい。乳化剤の配合量は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して0.01?10重量部、好ましくは0.1?5重量部である。0.01重量部より少ないと、液状油の表面張力低下が充分ではなく、逆に10重量部より多いと、コーテイングした食品の風味が低下する。」(3欄43行?4欄3行)

記載事項1-キ
「【0012】本発明のコーティング用油脂組成物を上記の食品の製造工程に適用するには、ベイクアップあるいは油ちょうした生地に、本発明の油脂組成物を、スプレー法や浸漬法やドラ掛け法などにより生地に塗布する方法がある。その際には、1)素焼き生地に油脂組成物のみ塗布する方法、2)油脂組成物を塗布した後、調味料を塗布する方法、3)油脂組成物と調味料を予め混合したものを塗布する方法、4)調味料を塗布した後、油脂組成物を塗布する方法があり、いずれを用いてもよい。調味料として醤油、砂糖、食塩、アミノ酸類、みりん等があり、これらは必要に応じて、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。塗布量は、生地に対し油分として1?35%の範囲である。液体の調味料を使用する際には、塗布後、乾燥装置に入れ、温度風で約70?80℃で水分含量として0.5?5%に乾燥させて製品とする。」(4欄32?47行)

記載事項1-ク
「【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】表1及び表2に示す配合で油脂組成物を70℃で均一に混合し、オンレーターにて急冷混練して、本発明のコーティング用油脂組成物を調製した(実施例1?12)。これらについて、常温(20℃)で2日放置時の性状を確認した。
【比較例】表1及び表2に示す配合で油脂組成物を70℃で均一に混合し、オンレーターにて急冷混練して、比較例の油脂組成物を調製した(比較例1?5)。なお、比較例3は菜種油単独である。これらについて、常温(20℃)で2日放置時の性状を確認した。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

」(4欄48行?4頁39行)

(2)引用発明
記載事項1-アには
「【請求項1】10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物。
【請求項2】極度硬化油が高エルシン酸菜種油の極度硬化油である請求項1に記載のコーティング用油脂組成物。
【請求項3】10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、乳化剤0.01?10重量部を配合してなる請求項1または2に記載のコーティング用油脂組成物。」とあり、
記載事項1-エには
「すなわち、本発明は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物及びそれを用いた食品である。」とあり、
記載事項1-オには
「本発明においては、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部、好ましくは0.3?5.0重量部配合するのであるが、極度硬化油とは、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油等を原料とし、沃素価が10以下、融点が50℃以上になるまで水素添加したものをいう。その中でも高エルシン酸菜種油の極度硬化油が特に好ましく、高エルシン酸菜種油とは、構成脂肪酸中にエルシン酸を20?60%含む菜種油をいう。」とある。
また、乳化剤について、記載事項1-エには
「また、乳化剤を使用することにより、液状油の表面張力が低下し浸透性が増すと共に、乳化剤の持つ官能基の極性とその構造が油脂の結晶性に影響を与え、両者相俟って、当該油脂組成物のべた付きを防止し乾燥を促進するものと推測される。」として、乳化剤の作用が記載され、
記載事項1-カには
「乳化剤の配合量は、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して0.01?10重量部、好ましくは0.1?5重量部である。0.01重量部より少ないと、液状油の表面張力低下が充分ではなく、逆に10重量部より多いと、コーテイングした食品の風味が低下する。」として、乳化剤の配合量は少なすぎても多すぎても好ましくないことが記載されている。
そして、上記記載事項1-クには
「【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

」との記載があるところ、この表1及び表2に示された配合成分のうち「レシチン」、「ポリグリセリン脂肪酸エステル」は、記載事項1-カの記載から、乳化剤であると認められることから、表1または表2に示されたコーティング用油脂組成物のうち、乳化剤を含まないものは、実施例7及び実施例8のコーティング用油脂組成物であると認められる。
以上より、引用文献6に記載された発明であって乳化剤を含まない発明として、
「菜種油100.0重量部に対して、高エルシン酸菜種油の極度硬化油を2.0重量部または4.0重量部配合してなり、乳化剤を含まないコーティング用油脂組成物。」の発明(以下、「引用発明」ともいう。)
が認定できるといえる。

2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「菜種油」及び「高エルシン酸菜種油の極度硬化油」は、上記記載事項1-オ及び技術常識から、それぞれ本願発明1における「5℃で液状である植物油脂(A)」及び「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」に相当すると認められる。
また、引用発明における「菜種油100.0重量部に対して、高エルシン酸菜種油の極度硬化油を2.0重量部または4.0重量部配合してなり、」との配合割合を、「菜種油」及び「高エルシン酸菜種油の極度硬化油」の合計質量を100質量%として換算すると、「菜種油98.0質量%または96.2質量%、高エルシン酸菜種油の極度硬化油2.0質量%または3.8質量%」と算出される。
すると、本願発明1と引用発明とは、
油脂組成物が、「5℃で液状である植物油脂(A)」及び「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」を配合したものであり、乳化剤を含まない組成物である点で一致し、
(相違点1)
本願発明1は、植物油脂組成物及び粉末調味料を含有する調味料組成物であるのに対し、
引用発明は、コーティング用油脂組成物である点、
(相違点2)
油脂組成物における「5℃で液状である植物油脂(A)」及び「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」の配合割合が、
本願発明1では、「5℃で液状である植物油脂(A)」94.2?95.2質量%、「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」4.8?5.8質量%であるのに対し、
引用発明では、「5℃で液状である植物油脂(A)」98.0質量%または96.2質量%、「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」2.0質量%または3.8質量%&である点、及び
(相違点3)
本願発明1では、「植物油脂組成物として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1?20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物を除く。」との限定がされているのに対し、
引用発明では、その限定がされていない点
で相違する。

イ 判断
(上記相違点1及び相違点2について)
記載事項1-キには、コーティング用油脂組成物を生地に塗布する方法の例として列挙される多数のものの一つに、「油脂組成物と調味料を予め混合したものを塗布する方法」が記載されている。そして、調味料の例として「砂糖、食塩」などが挙げられており、この「砂糖、食塩」は技術常識に照らして粉末調味料であると認められる。
しかしながら、記載事項1-キには、油脂組成物と調味料を別々に塗布する例や油脂組成物のみ塗布する例などの中に、たまたま油脂組成物と調味料を予め混合して塗布する例が記載されているだけで、均一な調味料組成物を作成することを前提とした記載ではないことを考慮すると、引用発明において、記載事項1-キの記載により「砂糖、食塩」などの粉末調味料を混合して調味料組成物にする際に、さらに「5℃で液状である植物油脂(A)」の配合割合を減らし「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」の配合割合を増やして、本願発明1の配合割合にすることを、当業者に動機付ける記載や示唆が引用文献6にあるとはいえない。
しかも、記載事項1-イ及び記載事項1-ウより、引用発明の解決しようとする課題は、米菓、スナック菓子類などの製造に際し、表面に塗布した後に、迅速に乾燥し、製品に良好な外観及び優れた風味・食感を持続して付与し得るコーティング用油脂組成物を提供することと認められるところ、この課題を解決するために、すでに乳化剤を含まない組成としては、一つの適正な組成として決定された引用発明のコーティング用油脂組成物に対して、「砂糖、食塩」などの粉末調味料を混合して調味料組成物にするとともに、さらに「5℃で液状である植物油脂(A)」の配合割合を減らし「ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)」の配合割合を増やして、本願発明1の配合割合にすることを、当業者が容易に想到し得たともいえない。
さらに、本願発明1は、本願明細書の発明の詳細な説明に記載されるとおり、幅広い温度幅で均一状態を保ち、冷凍しても解凍時には冷凍前の状態に戻る調味料分散用の植物油脂組成物を用いた、調理に好適に使用できる調味料組成物という、当業者に予想し得ない効果を奏する調味料組成物であると認められる。
よって、相違点3について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の全ての発明特定事項を含むものであるから、前記(1)で説示したとおり、本願発明1が、引用文献6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本願発明2も、引用文献6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)小括
前記(1)及び(2)に説示したとおり、本願発明1?2は、引用文献6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、この出願を拒絶することはできない。
また、他にこの出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-03-02 
出願番号 特願2014-131241(P2014-131241)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A23D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松原 寛子  
特許庁審判長 瀬良 聡機
特許庁審判官 冨永 みどり
村上 騎見高
発明の名称 植物油脂組成物およびこれを用いた調味料組成物  
代理人 特許業務法人雄渾  
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