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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1360310
審判番号 不服2019-936  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-24 
確定日 2020-03-05 
事件の表示 特願2013-188661号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月23日出願公開、特開2015- 54047号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成25年9月11日の出願であって、平成29年4月12日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、同年6月16日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月14日付けで最後の拒絶の理由が通知され、これに対して、平成30年1月12日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出され、同年6月1日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、同年8月6日に意見書が提出されたところ、同年10月23日付け(送達日:同年10月30日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して、平成31年1月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、当審において、令和1年7月12日付けで拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年9月10日に意見書が提出されたものである。

2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、A等の記号は、分説するため合議体が付した。

「A 所定の画像を表示可能な画像表示装置と、
B 赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子を含む複数の多色発光手段と、
C 前記多色発光手段の発光色を予め定められた順序で変化するように切り替える発光色変化演出を実行する発光色変化演出実行手段と、を備え、
C-1 前記発光色変化演出実行手段は、前記発光色変化演出において前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、前記画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間、前記多色発光手段に含まれる全ての発光素子を消灯させた後、前記一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させ、
B-1 複数の前記多色発光手段は、連なって配置されるとともに、第1の多色発光手段と、該第1の多色発光手段に隣接する第2の多色発光手段と、を含み、
C-2 前記第1の多色発光手段を第1の発光色で発光させている際に前記第2の多色発光手段を前記第1の発光色の次に定められた発光色である第2の発光色で発光させ、前記第1の多色発光手段を前記第2の発光色に切り替えた際には、前記第2の多色発光手段を、前記第2の発光色の次に定められた発光色となるように切り替える、
D ことを特徴とする遊技機。」

3 拒絶の理由
当審拒絶理由は、本件補正後の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、引用文献1に記載された発明と周知技術とに基づいて、または、引用文献2に記載された発明と周知技術とに基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引 用 文 献 等 一 覧
引用文献1.特開2005-261571号公報
引用文献2.特開2006-43205号公報
引用文献3.特開2010-170119号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2011-170219号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5.特開2011-237517号公報(周知技術を示す文献)
引用文献6.特開2007-127912号公報(周知技術を示す文献)

4 引用文献の記載及び引用発明
(1)当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-261571号公報(以下、同じく「引用文献1」という。)には、「封入球式遊技機」の発明に関し、図面と共に次の事項が記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様)。

ア 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技を終えた遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する封入球式遊技機に関する。」

イ 「【0040】
図1?図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれるとともに、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対してドア状に開閉可能とされている。また、後述する遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部121(図3に図示)が設けられ、該開口部121に前面側が遊技領域1aとされた遊技盤1が嵌め込込まれている。また、前面枠本体130の開口部121に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部121から露出された状態となっている。」

ウ 「【0105】
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図12に図示)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。」

エ 「【0163】
そして、枠制御装置83は、持球数に基づいて外部アピール装飾ランプ11の制御を行う。
外部アピール装飾ランプ11,…(以下、ランプと略す)は、赤、青、緑の三色LEDが複数個入った半球状の透光部材(レンズ(ランプ球))を有するものであり、この例において、ランプ11,…が5つ設けられており、三色LEDの各色の発光の強弱により、各ランプ11,…は、多数色の発光が可能となっている。
そして、ランプ11,…においては、持球数が1000個未満の場合に全消灯した状態とされ、持球数が1000?1999個の場合に、左端の1番目のランプ11が緑色に点灯し、持球数が2000?3999個の場合に、左端から1番目と2番目の2つのランプ11,11が黄色に点灯し、持球数が4000個?5999個の場合に、1番目?3番目までの3つのランプ11,…が青色に点灯し、持球数が6000?7999個の場合に、1番目?4番目までの4つのランプ11,…が紫色に点灯し、持球数が8000?9999個の場合に、1番目?5番目までの5つ(全て)のランプ11,…が水色に点灯するようになっている。すなわち、持球数が1000個から2000個程度増加する毎に点灯するランプ11,…が増加するとともに、ランプ11,…の発光色が変更されるようになっている。上述の各色に点灯していないランプ11,…は、消灯状態とされている。
【0164】
また、持球数が10000個以上となった際には、持球数が10000?11999個の場合に、左端の1番目のランプ11がレインボー色に点灯し、残りの4つのランプ11が白色に点灯する。なお、ここでレインボー色とは、虹のようにグラデーションを有すような表示で、複数の三色LEDで発光色を例えば時間的に変化させることで行われるものである。例えば、レインボー色は、三色LEDの各色のLED素子の輝度を個別に調整することで、7色の発光を可能とするとともに、7色の発光色を所定の短時間毎に順次変更して一色ずつ発光させていくこと7色に変化する発光を行うようにしたものでも良い。
【0165】
そして、持球数が12000?13999個の場合に、左端から1番目と2番目との2つのランプ11,11がレインボー色に点灯し、残りの3つのランプ11が白色に点灯し、持球数が14000?15999個の場合に、1番目?3番目までの3つのランプ11,…がレインボー色に点灯し、残りの2つのランプ11が白色に点灯し、持球数が16000?17999個の場合に、1番目?4番目までの4つのランプ11,…がレインボー色に点灯し、残りの1つのランプ11が白色に点灯し、持球数が14000?15999個の場合に、全てのランプ11,…がレインボー色に点灯する。そして、持球数が20000個以上の場合には、全てのランプ11,…がレインボー色に点灯するとともに、発光色の変動のタイミングをランプ11,…の並び順にずらすことにより、発光色がランプ11,…間に渡って移動するように表示する。
【0166】
なお、ランプ11,11は、持球数が多くなった場合の表示だけに用いるのではなく、変動表示ゲームの演出に用いるものとしても良く、例えば、変動表示ゲームで通常大当り及び確変大当りとなった場合に、上述の持球数が20000個以上となった場合と同様にレインボー色に点灯するとともに色が移動する表示を行っても良い。また、通常大当りの場合は、7色ではなく3色の発光色を移動するように表示させることで、通常大当りと確変大当りとで異なる演出としても良い。」

オ 「【図2】



カ 上記オ(【図2】)の図示内容から、5つの外部アピール装飾ランプ11は、略円弧状となるように隣り合って配置されることが看取できる。

キ 上記アないしカの記載内容及び図示内容からみて、引用例には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。なお、a等の記号については本願発明のA等の記号に対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

[引用発明1]
「a 液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している特図の変動表示装置4と(【0105】)、
b 多数色の発光が可能な(【0163】)、赤、青、緑の三色LEDが複数個入った半球状の透光部材を有する外部アピール装飾ランプ11とを備え(【0163】)、
ここで、外部アピール装飾ランプ11は5つ設けられており(【0163】)、
c、c-1、c-2 外部アピール装飾ランプ11の制御を行う枠制御装置83を備え(【0163】)、
外部アピール装飾ランプ11は、多数色の発光が可能となっており(【0163】)、変動表示ゲームの演出に用いるものとしても良く(【0166】)、さらに、変動表示ゲームで通常大当り及び確変大当りとなった場合に、全てのランプ11,…がレインボー色に点灯するとともに、発光色の変動のタイミングをランプ11,…の並び順にずらすことにより、発光色がランプ11,…間に渡って移動するように表示するようにして変動表示ゲームの演出に用いても良く(【0165】及び【0166】)、
ここでレインボー色とは、虹のようにグラデーションを有すような表示で、複数の三色LEDで発光色を例えば時間的に変化させることで行われるものであり、例えば、レインボー色は、三色LEDの各色のLED素子の輝度を個別に調整することで、7色の発光を可能とするとともに、7色の発光色を所定の短時間毎に順次変更して一色ずつ発光させていくこと7色に変化する発光を行うようにしたものでも良く(【0164】)、
b-1 5つの外部アピール装飾ランプ11は、略円弧状となるように隣り合って配置される(上記カ、【図2】)、
d 封入球式遊技機100(【0040】)。」

(2)当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-43205号公報(以下、同じく「引用文献2」という。)には、「遊技機」の発明に関し、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機において、遊技者の目を引く視覚的演出効果を実現可能な構成に関する。」

イ 「【0015】
図1には遊技機1の外観が斜視図として示され、この図1において、遊技機1の全体を形成している筐体たるキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L・4C・4Rが設けられる。表示窓4L・4C・4Rは、後述するリール3L・3C・3Rの複数の図柄をそれぞれ縦方向に3つずつ、合計9つの図柄を表示できるようになっている。また、表示窓4L・4C・4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。」

ウ 「【0023】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は7セグメントLEDを備えており、後で説明するBB一般遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。表示窓4L・4C・4Rの下方には水平面の台座部10が備えられ、この台座部10と表示窓4L・4C・4Rとの間には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、遊技に関連する情報、例えばST時におけるアシスト内容等を表示画面5aに表示する。
・・・略・・・
【0027】
ランプ室25の内部の上端位置において棒状のLED支持部材27が水平に設置され、この下面に、電飾機器ないし光源としての10個のフルカラーLED28が、水平方向に等間隔で一列に並べて設置されている。このフルカラーLED28は導光板26の上端近傍に配置されるとともに、その発光部を導光板26の上端面に対向させるようにして設けられており、フルカラーLED28の光を導光板26の上端面から入射させ得るようになっている。
・・・略・・・
【0029】
本実施形態ではフルカラーLED28は、赤、緑、青の単色のLEDを1つの樹脂チップに封入した所謂スリーインワンタイプのものであり、各色の発光強度を多階調に制御することで様々な色に発光させることができるようになっている。RGBを例えばそれぞれ256階調で変化させることで、約1677万色の発色を得ることができる。単純な例で言えば、赤色のLEDの光量を100%、緑色のLEDの光量を100%、青色のLEDの光量を0%とすることで、黄色の照光が得られる。また、赤、緑、青すべてのLEDの光量を100%とすることで、白色の照光が得られる。複数のフルカラーLED28はそれぞれ独立してその発光色を制御されるものであり、詳しくは後述する。」

エ 「【0084】
次に、図16及び図17を用いてフルカラーLED演出制御用テーブルについて説明する。主制御回路71のCPU31は、図16に示す通常規模演出用の調光制御テーブルと、図17に示す大規模演出用の調光制御テーブルの、何れか一方を選択して、その選択されたテーブルに基づいて10個のフルカラーLED28を調光制御するようにしている。具体的には、ボーナスに内部当選していない状態、つまり、「一般遊技状態」の場合には、図16の「通常規模演出」用の調光制御テーブルによってフルカラーLED28を調光制御し、演出を行う。ボーナスに内部当選している状態(BB、RBがストックされている状態を含む)の場合は、図17の「大規模演出」用の調光制御テーブルによってフルカラーLED28を調光制御し、演出を行う。
【0085】
図16及び図17のテーブルでは、10個のフルカラーLED28のそれぞれを特定するために、筐体に向かって左端から順に#1?#10の番号を割り当てている。#1は左端のフルカラーLED28、#10は右端のフルカラーLED28を示す。また、各テーブルにおいてマスに色名が記入されているときは、その時刻でその番号のフルカラーLED28を当該色で点灯することを意味する。空白のマスは、フルカラーLEDを消灯することを意味する。
・・・略・・・
【0087】
一方、「大規模演出」時には、図17に示すように、制御開始直後には左端のフルカラーLED28(#1)のみを赤色で点灯させ、その他はすべて消灯させる。その0.5秒後には当該左端のフルカラーLED28(#1)の発色を橙色に変化させると同時に、その右隣のフルカラーLED28(#2)を赤色で点灯する。更に0.5秒後には、#1のフルカラーLED28は点灯色を黄色とし、#2のフルカラーLED28は点灯色を橙色とし、#3のフルカラーLED28は赤色で点灯させる。即ち、#1?#10の計10個のフルカラーLED28が、左端から0.5秒ずつ遅れながら順次赤色で点灯するとともに、点灯後はその発色を、赤→橙→黄→緑→青→藍→紫→赤→橙→・・・というように、所定の順序で7色に変化させる制御を行う。制御開始から4.5秒後には、10個のフルカラーLED28が全て点灯することになるが、それ以降も、上記のような発色の変更制御を行う。制御開始から8秒後以降は、4.5秒後の時点での制御まで戻り、上記の制御を反復する。
・・・略・・・
【0127】
また、本実施形態の遊技機1においては、前述の「大規模演出」時において(図17参照)、フルカラーLED28の発色は、時間の経過に伴って、赤→橙→黄→・・・と七色に変化するように、電飾制御手段(CPU31及び腰部パネル用LED駆動回路44)によって制御される。これにより、変化のある一層効果的な演出を行うことができる。
【0128】
また、本実施形態の遊技機1においては、フルカラーLED28は複数個(10個)を並べて配置されるとともに、それぞれのフルカラーLEDは、前述の「大規模演出」時において(図17参照)、それに左側で隣接するフルカラーLED28の発色の変化に所定の時間差(0.5秒)をおいて追従するように、CPU31及び腰部パネル用LED駆動回路44によってその発色の変化が制御される。これにより、導光板26上で色があたかも移動しているかの如くの演出(図18参照)を実現でき、変化に富んだ効果的な演出を行うことができる。
【0129】
更に、本実施形態の遊技機1においては図21に示すように、そのゲームの抽選の結果、ボーナス(BB、RB)に内部当選していない場合(一般遊技状態)では「通常規模演出」、ボーナスに内部当選している場合(一般遊技状態以外)を「大規模演出」とし、上記の何れの場合かによって異なる調光制御テーブルが選択され、フルカラーLED28が異なる発色及び点灯・消灯態様となるように、電飾制御手段(CPU31及び腰部パネル用LED駆動回路44)によって制御される。具体的には、一般遊技状態では白色で点灯・消灯を繰り返すとともに(図16)、それ以外の遊技状態では赤、橙などの7色で点灯する(図17)。このように抽選結果に応じてフルカラーLED28の発色が変化されることで、それが遊技者の刺激となって演出をより効果的なものにすることができる。」

オ 「【図1】



カ 「【図17】



キ 「【図18】



ク 上記オの図示内容から、10個のフルカラーLED28は、隣り合って一列に配置されることが看取できる。

ケ 上記アないしクの記載内容及び図示内容からみて、引用例には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。

[引用発明2]
「a 遊技に関連する情報を表示画面5aに表示する液晶表示装置5(【0023】)を備え、
b 赤、緑、青の単色のLEDを1つの樹脂チップに封入したフルカラーLED28(【0029】)が、10個設置され(【0027】)、赤、橙などの7色で点灯する(【0129】)ことができ、
c、c-1、c-2 「大規模演出」用の調光制御テーブルによってフルカラーLED28を調光制御し、演出を行い(【0084】)、「大規模演出」時には、計10個のフルカラーLED28が、左端から0.5秒ずつ遅れながら順次赤色で点灯するとともに、点灯後はその発色を、赤→橙→黄→緑→青→藍→紫→赤→橙→・・・というように、0.5秒ごとに所定の順序で7色に変化させる制御を行い(【0087】)、「大規模演出」時において、フルカラーLED28の発色は、時間の経過に伴って、赤→橙→黄→・・・と七色に変化するように、電飾制御手段(CPU31及び腰部パネル用LED駆動回路44)によって制御され(【0127】)、
これにより、導光板26上で色があたかも移動しているかの如くの演出を実現でき(【0128】)、
b-1 10個のフルカラーLED28は、隣り合って一列に配置される(上記ク、【図1】)、
d 遊技機1(【0015】)。」

(3)当審拒絶理由に周知例として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-170119号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0027】
また、カラーフィルタを用いないフィールドシーケンシャル方式を用いる場合、赤色のLEDや、緑色のLEDや、青色のLEDなどをバックライトに用い、少なくとも3倍速以上での高速駆動が要求される。
・・・略・・・
【0031】
また、サブフレーム周波数を高くして動画表示を行う際、ある1フレーム、或いは、あるサブフレーム期間のLEDを全て消灯することによって全面黒表示とする、所謂、黒挿入表示によって、動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を改善することもできる。」

イ ここで、特開2012-27458号公報の【0002】に、「フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置では、異なる色を呈する複数の光源(例えば、R(赤)、G(緑)、B(青))が設けられる。そして、当該異なる色を呈する複数の光源が順次発光し、且つ画素毎にそれぞれの色を呈する光の透過を制御することで所望の色を形成している。」と記載され、特開2010-191278号公報の【0004】に、「フィールドシーケンシャル方式は、バックライトを例えばR・G・B・R・G・B…と時間的に切り替え、それに同期させて強誘電性液晶の白黒シャッターを開閉し、網膜の残像効果により色を時間的に混合させ、これによりカラー表示を実現させるものである。」と記載され、特開2008-66366号公報の【0003】及び【0004】に、「フィールドシーケンシャル方式は、「時分割」による混色を利用したカラー表示方式である。即ち、2色以上の光を継続的に切り替えて発光させ、かつ、その切り替えの速さを人間の眼の時間的分解能を越えた速さとして、人間が2色以上の色を混食して認識することを応用した方式である。フィールドシーケンシャル方式のフルカラーLCDにおいては、動画表示にそれぞれ、バックライトをRGBの三つの発光色のうちの一つの発光色で発光可能にするとともに、各フィールド毎の継続的にRGBの発光色を切り替えて(時分割して)発光させ、その切り替えの速さを充分に速くすることにより任意の色光を得るようになっている。」と記載されているように、「フィールドシーケンシャル方式」とは、RGBの三原色のLEDを順次切り替えて発光ないし点灯することでカラー表示を行うものである。

ウ そうすると、上記アの記載事項から、「フィールドシーケンシャル方式」により赤色、緑色、及び青色の三原色の「LED」を動作制御して「動画表示」を行うことが読み取れるところ、上記イの記載事項を考慮すれば、カラー表示を行っていることは明らかであって、そのカラーによる「動画表示」を行うにあたり、「LED」において発光色の切り替えを行っていることは、当業者にとって自明である。

エ また、「サブフレーム期間」は、画像更新周期よりも短い期間といえるところ、その「サブフレーム期間」における「LEDを全て消灯する黒挿入表示」は、「動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を改善する」ものであるから、ぼけ、すなわち残像現象の緩和による表示内容の視認性向上に寄与するものであるし、そのような視認性向上を目的として行うものといえることも当業者にとって自明である。

オ そうすると、上記アないしエの記載内容からみて、引用文献3には、以下の技術事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されていると認められる。

[引用文献3記載事項]
「LEDの発光色の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御すること。」

(4)当審拒絶理由に周知例として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-170219号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0029】
バックライト200は、液晶表示パネル300を背面側から照明する照明装置であり、互いに異なる発光色を有する複数の光源(本実施形態では、赤色光源200R、緑色光源200G、及び、青色光源200Bの3つ)を有する。これら3つの光源200R、200G、及び、200Bは、発光駆動回路100からの指示に応じて、順次時分割で発光駆動され、各発光色の混色によって白色光が生成される。なお、本実施形態では、上記3つの光源200R、200G、200Bとしていずれも発光ダイオードが用いられている。また、各光源の発光量(発光強度)を定める発光量制御パラメータとしては、各光源毎に流れる駆動電流の電流値、及び、PWM[Pulse Width Modulation]制御値(所定のPWM周期中に占めるオン期間の割合を定めるオンデューティ値)の少なくとも一方を用いることができる。ただし、以下では、説明を簡単とするために、各光源毎に流れる駆動電流の電流値を一定とし、PWM制御値のみを可変制御する構成を例に挙げて説明を行う。
・・・略・・・
【0050】
図3に示した第1動作例では、液晶表示パネル300がフィールドシーケンシャル駆動されており、一のフレーム期間は、赤色画像を出力するR期間、緑色画像を出力するG期間、及び、青色画像を出力するB期間の3つに等分割されている。以下では、赤色光源200Rの発光量制御を代表例に挙げて説明を行うが、緑色光源200G、及び、青色光源200Bについても、同様の発光量制御が行われることは言うまでもない。
・・・略・・・
【0058】
図4に示した第2動作例では、第1動作例とは異なり、液晶表示パネル300はフィールドシーケンシャル駆動されておらず、赤色光源200R、緑色光源200G、及び、青色光源200Bは、バックライトオン信号ONがハイレベルに立ち上げられると、一のフレーム期間内で設定された所定の発光期間に集中して、順次時分割で発光駆動される。言い換えれば、バックライト200は、一のフレーム期間内に少なくとも一回の消灯期間を有するように疑似インパルス駆動される構成であると言える。このような構成とすることにより、人間の網膜残像効果を解消して、動画の表示性能を向上することが可能となる。
・・・略・・・
【0070】
また、光源の発光が常時発光ではないため、液晶表示パネル300をフィールドシーケンシャル駆動する際にも好適に用いることができるほか、液晶ディスプレイの動画特性向上させるために、バックライト200を疑似インパルス駆動させる際にも好適に用いることができる。」

イ 「【図3】



ウ 上記アの記載事項から、「フィールドシーケンシャル駆動」により赤色、緑色、及び青色の三原色の「発光ダイオード」を動作制御して「動画表示」を行うことが読み取れるところ、上記「(3)イ」の記載事項を考慮すれば、カラー表示を行っていることは明らかであって、そのカラーによる「動画表示」を行うにあたり、「発光ダイオード」において発光色の切り替えを行っていることは、当業者にとって自明である。

エ また、上記イの図示内容からは、R期間、G期間、及びB期間のそれぞれに消灯期間を設けることが看取できるところ、それら期間が、一のフレーム期間中に、赤色光源200R、緑色光源200G、及び青色光源200Bを全て消灯させる消灯期間であることは明らかである。
そして、この消灯期間は、上記アの【0058】に記載された「疑似インパルス駆動」での「消灯期間」と同様に、「人間の網膜残像効果を解消して、動画の表示性能を向上することが可能となる」ものであることは明らかであるから、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上を目的としたものといえることは当業者にとって自明である。

オ そうすると、上記アないしエの記載事項及び図示内容からみて、引用文献4には、以下の技術事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されていると認められる。

[引用文献4記載事項]
「LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御すること。」

(5)当審拒絶理由に周知例として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2007-127912号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0003】
液晶表示装置の動画視認性を向上するためには、液晶表示装置特有のホールド型表示に起因して画像がぼやける現象(いわゆる残像現象)をいかに緩和するかが重要である。
・・・略・・・
【0030】
LED光源4は、液晶パネル3を背面から照射するバックライト手段である。なお、本実施形態のLED光源4は、赤色光を照射するLED4Rと、緑色光を照射するLED4Gと、青色光を照射するLED4Bと、を有して成り、全てのLED4R、4G、4Bを同時に、若しくは、FS[Field Sequential]方式のバックライトとして順次所定の間隔で点灯することにより、白色光を生成する構成とされている。また、本図には明示されていないが、液晶パネル3とLED光源4との間には、LED光源4で生成された白色光を液晶パネル3の全面に均一照射するための導光手段が設けられている。
・・・略・・・
【0033】
可変電流源52R、52G、52Bは、後述する基準電圧(電流量設定電圧)Vaと黒挿入信号BKに基づいて、LED4R、4G、4Bの各駆動電流を生成する手段であり、特に、黒挿入信号BKに基づいて、所定の黒挿入期間dだけ、LED4R、4G、4Bに対する駆動電流の供給を停止する構成(すなわち、LED光源4の全消灯によって全画面黒表示を行う構成)とされている。なお、可変電流源52R、52G、52Bの構成及び動作については、後ほど詳細な説明を行う。
・・・略・・・
【0046】
一方、遅延回路541では、上記の垂直同期信号VSに対して、黒挿入期間d(例えば5[ms])に相当する遅延が与えられ、遅延信号S1の生成が行われる。従って、SRフリップフロップ542の出力信号S2は、遅延信号S1の立上がりエッジをリセットトリガとして、「L(ローレベル)」に復帰される。
・・・略・・・
【0084】
本発明は、テレビジョン受像機や携帯ゲーム機器など、主に動画像の表示手段として用いられる液晶表示装置の動画視認性を高める上で有用な技術である。」

イ 「【図2】(b)



ウ 上記アの記載事項から、「FS[Field Sequential]方式」により赤色、緑色及び青色の三原色の「LED」を動作制御して「動画像の表示」を行うことが読み取れるところ、上記「(3)イ」の記載事項を考慮すれば、カラー表示を行っていることは明らかであって、そのカラーによる「動画像の表示」を行うにあたり、「LED」において発光色の切り替えを行っていることは、当業者にとって自明である。

エ また、上記アの【0046】には、「黒挿入期間d(例えば5[ms])」と記載されているところ、上記イの図示内容から、当該「黒挿入期間d」が1フレームよりも短い期間であることが看取できる。ここで、上記アの【0033】における「黒挿入期間dだけ、LED4R、4G、4Bに対する駆動電流の供給を停止する構成(すなわち、LED光源4の全消灯によって全画面黒表示を行う構成)」という記載から、「黒挿入期間d」とは、「LED光源4の全消灯によって全画面黒表示を行う」期間であることは明らかである。
そして、上記アの【0003】には、「動画視認性を向上するために」「画像がぼやける現象(いわゆる残像現象)をいかに緩和するかが重要である」ことが記載されているところ、【0033】に記載のような、「黒挿入期間dだけ」「LED光源4の全消灯によって全画面黒表示を行う」ことは、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上を目的としたものといえることは明らかである。

オ そうすると、上記アないしエの記載事項及び図示内容からみて、引用文献5には、以下の技術事項(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されていると認められる。

[引用文献5記載事項]
「LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御すること。」

(6)上記(3)ないし(5)で説示した引用文献3ないし5記載事項から、LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御することは、本願の出願前に周知(以下、「周知技術」という。)であるといえる。

5 対比・判断
(1)本願発明と引用発明1との対比・判断
ア 本願発明と引用発明1を対比する。なお、以下の(a)等の見出しは、本願発明のA等の記号に対応させている。

(a)引用発明1の「特図の変動表示装置4」は、所定の画像を表示可能なものであるから、本願発明の「画像表示装置」に相当する。
したがって、引用発明1の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。

(b)引用発明1の「5つ」の「外部アピール装飾ランプ11」は、それぞれ、赤、青、緑の三色LEDを含むものであり、多数色の発光が可能なものであるから、本願発明の「複数の多色発光手段」に相当する。
したがって、引用発明1の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。

(c)(c-1)(c-2)引用発明1において、外部アピール装飾ランプ11は、変動表示ゲームにおいて、レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示を行うものであるところ、当該「レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示」が、本願発明における「前記多色発光手段の発光色を予め定められた順序で変化するように切り替える発光色変化演出」に相当する。
そして、引用発明1において、「枠制御装置83」は、外部アピール装飾ランプ11の制御を行うものであるから、外部アピール装飾ランプ11による、レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示(「発光色変化演出」)を実行するものであることは明らかである。そうすると、引用発明1の「枠制御装置83」は、本願発明の構成C(「発行色変化演出実行手段」)に相当する構成を備えるといえる。
さらに、引用発明1における、レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示(「発光色変化演出」)は、全てのランプ11,…がレインボー色に点灯するとともに、発光色の変動のタイミングをランプ11,…の並び順にずらすことにより、発光色がランプ11,…間に渡って移動するように表示するものであって、ここで、レインボー色とは、三色LEDの各色のLED素子の輝度を個別に調整することで、7色の発光を可能とするとともに、7色の発光色を所定の短時間毎に順次変更して一色ずつ発光させていくこと7色に変化する発光を行うようにしたものであるから、本願発明の構成C-2(「前記第1の多色発光手段を第1の発光色で発光させている際に前記第2の多色発光手段を前記第1の発光色の次に定められた発光色である第2の発光色で発光させ、前記第1の多色発光手段を前記第2の発光色に切り替えた際には、前記第2の多色発光手段を、前記第2の発光色の次に定められた発光色となるように切り替える」)に相当する構成を含むものである。
したがって、引用発明1の構成c、c-1、c-2は、本願発明の構成C及びC-2を具備する。
また、引用発明1の構成c、c-1、c-2と本願発明のC-1とは、「C-1’前記発光色変化演出実行手段は、前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、前記一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させ」る点で共通する。

(b-2)引用発明1は、5つの外部アピール装飾ランプ11が、略円弧状となるように隣り合って配置されるものであるから、本願発明における「複数の前記多色発光手段は、連なって配置されるとともに、第1の多色発光手段と、該第1の多色発光手段に隣接する第2の多色発光手段と、を含み」に相当する構成を備えるものといえる。
したがって、引用発明1の構成b-1は、本願発明の構成B-1に相当する。

イ 上記アからみて、本願発明と引用発明1とは、
「A 所定の画像を表示可能な画像表示装置と、
B 赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子を含む複数の多色発光手段と、
C 前記多色発光手段の発光色を予め定められた順序で変化するように切り替える発光色変化演出を実行する発光色変化演出実行手段と、を備え、
C-1’前記発光色変化演出実行手段は、前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、前記一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させ、
B-1 複数の前記多色発光手段は、連なって配置されるとともに、第1の多色発光手段と、該第1の多色発光手段に隣接する第2の多色発光手段と、を含み、
C-2 前記第1の多色発光手段を第1の発光色で発光させている際に前記第2の多色発光手段を前記第1の発光色の次に定められた発光色である第2の発光色で発光させ、前記第1の多色発光手段を前記第2の発光色に切り替えた際には、前記第2の多色発光手段を、前記第2の発光色の次に定められた発光色となるように切り替える、
A 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点](構成C-1)
「発光色変化演出実行手段」による「前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるとき」、
本願発明は、「前記画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間、前記多色発光手段に含まれる全ての発光素子を消灯させ」るのに対し、
引用発明1は、レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示(「発光色変化演出」)において、全ての外部アピール装飾ランプ11(「多色発光手段」)の発光色を切り替えるものの、その切替え時に、液晶ディスプレイ41(「画像表示装置」)の画像更新周期よりも短い期間、外部アピール装飾ランプ11(「多色発光手段」)に含まれる全ての発光素子を消灯させることについて特定がない点。

ウ 相違点の検討
(ア)上記相違点について検討する。
遊技機の分野に限らず、表示装置の技術分野において、表示内容の視認性を向上させることは自明の課題であるところ、引用発明1においても、特図の変動表示装置4や外部アピール装飾ランプ11の表示内容の視認性を向上させたいという課題が内在することは明らかである。
そして、上記「4(6)」で説示したように、LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御することが周知技術であるところ、当該周知技術により前記自明の課題を解決できることは明らかである。
そうすると、引用発明1において、当該自明の課題を解決するために、上記周知技術(上記「4(6)」)を採用して、レインボー色に点灯するとともに発光色が移動する表示(「発光色変化演出」)にて、複数の外部アピール装飾ランプ11(「多色発光手段」)の発光色を切り替えるときに、液晶ディスプレイ41(「画像表示装置」)の画像更新周期よりも短い期間、全ての外部アピール装飾ランプ11(「多色発光手段」)に含まれる各々の発光素子を消灯させるよう制御することは、当業者が適宜なし得たことである。そして、その結果、本願発明の構成C-1に相当する構成を備えることになることは明らかである。

(イ)したがって、引用発明1において、上記周知技術を適用して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。

(ウ)効果について
本願発明の奏する作用効果は、引用発明1及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(エ)上記(ア)ないし(ウ)より、本願発明は、引用発明1と周知技術とに基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

(2)本願発明と引用発明2との対比・判断
ア 本願発明と引用発明2を対比する。なお、以下の(a)等の見出しは、本願発明のA等の記号に対応させている。

(a)引用発明2の「液晶表示装置5」は、所定の画像を表示可能なものであるから、本願発明の「画像表示装置」に相当する。
したがって、引用発明2の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。

(b)引用発明2の「10個のフルカラーLED28」は、それぞれ、赤、青、緑の三色LEDを含み、赤、橙などの7色で点灯するものであるから、本願発明の「複数の多色発光手段」に相当する。
したがって、引用発明2の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。

(c)(c-1)(c-2)引用発明2において、10個のフルカラーLED28は、大規模演出において、所定の順序で7色に変化されるものであるところ、当該「大規模演出」が、本願発明における「前記多色発光手段の発光色を予め定められた順序で変化するように切り替える発光色変化演出」に相当する。
そして、引用発明2において、「電飾制御手段」は、大規模演出時に、フルカラーLED28の発色が七色に変化するように制御するものであるから、大規模演出を実行するものであることは明らかである。そうすると、引用発明2の「電飾制御手段」は、本願発明の構成C(「発行色変化演出実行手段」)に相当する構成を備えるものである。
さらに、引用発明2の大規模演出(「発光色変化演出」)は、計10個のフルカラーLED28が、左端から0.5秒ずつ遅れながら順次赤色で点灯するとともに、点灯後はその発色を、赤→橙→黄→緑→青→藍→紫→赤→橙→・・・というように、0.5秒ごとに所定の順序で7色に変化させる制御を行うものであるから、本願発明の構成C-2(「前記第1の多色発光手段を第1の発光色で発光させている際に前記第2の多色発光手段を前記第1の発光色の次に定められた発光色である第2の発光色で発光させ、前記第1の多色発光手段を前記第2の発光色に切り替えた際には、前記第2の多色発光手段を、前記第2の発光色の次に定められた発光色となるように切り替える」)に相当する構成を含むものである。
したがって、引用発明2の構成c、c-1、c-2は、本願発明の構成C及びC-2を具備する。
また、引用発明2の構成c、c-1、c-2と本願発明のC-1とは、「C-1’前記発光色変化演出実行手段は、前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、前記一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させ」る点で共通する。

(b-2)引用発明2は、10個のフルカラーLED28が、隣り合って一列に配置されるものであるから、本願発明における「複数の前記多色発光手段は、連なって配置されるとともに、第1の多色発光手段と、該第1の多色発光手段に隣接する第2の多色発光手段と、を含み」に相当する構成を備えるものといえる。
したがって、引用発明2の構成b-1は、本願発明の構成B-1に相当する。

イ 上記アからみて、本願発明と引用発明2とは、
「A 所定の画像を表示可能な画像表示装置と、
B 赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子を含む複数の多色発光手段と、
C 前記多色発光手段の発光色を予め定められた順序で変化するように切り替える発光色変化演出を実行する発光色変化演出実行手段と、を備え、
C-1’前記発光色変化演出実行手段は、前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、前記一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させ、
B-1 複数の前記多色発光手段は、連なって配置されるとともに、第1の多色発光手段と、該第1の多色発光手段に隣接する第2の多色発光手段と、を含み、
C-2 前記第1の多色発光手段を第1の発光色で発光させている際に前記第2の多色発光手段を前記第1の発光色の次に定められた発光色である第2の発光色で発光させ、前記第1の多色発光手段を前記第2の発光色に切り替えた際には、前記第2の多色発光手段を、前記第2の発光色の次に定められた発光色となるように切り替える、
A 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点](構成C-1)
「発光色変化演出実行手段」による「前記発光色変化演出において全ての前記多色発光手段の発光色を一の発光色から前記一の発光色とは異なる発光色に切り替えるとき」、
本願発明は、「前記画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間、前記多色発光手段に含まれる全ての発光素子を消灯させ」るのに対し、
引用発明2は、大規模演出(「発光色変化演出」)において、全てのフルカラーLED28(「多色発光手段」)の発光色を切り替えるものの、その切替え時に、液晶表示装置5(「画像表示装置」)の画像更新周期よりも短い期間、フルカラーLED28(「多色発光手段」)に含まれる全ての発光素子を消灯させることについて特定がない点。

ウ 相違点の検討
(ア)上記相違点について検討する。
遊技機の分野に限らず、表示装置の技術分野において、表示内容の視認性を向上させることは自明の課題であるところ、引用発明2においても、液晶表示装置5やフルカラーLED28の表示内容の視認性を向上させたいという課題が内在することは明らかである。
そして、上記「4(6)」で説示したように、LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御することは、周知技術であるところ、当該周知技術により前記自明の課題を解決できることは明らかである。
そうすると、引用発明2において、当該自明の課題を解決するために、上記周知技術を採用して、大規模演出(「発光色変化演出」)にて、複数のフルカラーLED28(「多色発光手段」)の発光色を切り替えるときに、液晶表示装置5(「画像表示装置」)の画像更新周期よりも短い期間、全てのフルカラーLED28(「多色発光手段」)を消灯させるよう制御することは、当業者が適宜なし得たことである。そして、その結果、本願発明の構成C-1に相当する構成を備えることになることは明らかである。

(イ)したがって、引用発明2において、上記周知技術を適用して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。

(ウ)効果について
本願発明の奏する作用効果は、引用発明2及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(エ)上記(ア)ないし(ウ)より、本願発明は、引用発明2と周知技術とに基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

6 請求人の主張について
(1)審判請求人は、令和1年9月10日付け意見書において、概略以下のとおり主張している。

「2.拒絶理由について
・・・略・・・
(2)本願発明と引用発明との対比
本願発明は、発光色変化演出実行手段が、発光色変化演出において多色発光手段の発光色を一の発光色から一の発光色とは異なる発光色に切り替えるときに、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間、多色発光手段に含まれる全ての発光素子を消灯させた後、一の発光色とは異なる発光色に対応した発光素子を発光させます。
審判長殿は、令和1年7月12日起案の拒絶理由通知書において、本願発明の当該構成を引用文献1および2に記載の発明との相違点とした上で(令和1年7月12日起案の拒絶理由通知書における構成C-1)、当該相違点(構成C-1)は引用文献3-6に記載のように、本願出願前に周知であるとし、「本願発明は、引用文献1と上記周知技術とに基づいて、または、引用文献2と上記周知技術とに基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。」と認定されています。
しかしながら、いずれの引用文献にも、LEDの発光による残像現象を緩和することが開示されていないものと思料致します。
具体的に、引用文献3には、動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を改善することが開示されているに過ぎず、LEDの発光色の切り替えを綺麗に見せることの開示はありません。また、引用文献4についても、人間の網膜残像効果を解消して、動画の表示性能を向上することが開示されているに過ぎず、LEDの発光色の切り替えを綺麗に見せることの開示はありません。引用文献6についても同様に、液晶表示装置特有のホールド型表示に起因して画像がぼやける現象(いわゆる残像現象)を緩和して液晶表示装置の動画視認性を向上させることが開示されているに過ぎず、LEDの発光色の切り替えを綺麗に見せることの開示はありません。すなわち、引用文献3、4および6に記載の技術は、画面上における動画表示の表示性能の向上を目的としており、LEDの発光色を順次切り替える際における切り替えの明確性を向上させるということを目的とするものではありません。
また、引用文献5には、残留電圧を除去可能な期間として1.2msの全消灯の期間を設け、次の桁を表示させることが開示されているに過ぎず、引用文献5に記載の技術は、残留電圧による残像を防止することを目的とするもので、LEDの発光色を順次切り替える際における切り替えの明確性を向上させるということを目的とするものではありません。
このように、引用文献3-6のいずれにも、LEDの発光色を順次切り替える際における切り替えの明確性を向上させるという思想についての開示がなく、令和1年7月12日起案の拒絶理由通知書における「残像現象を緩和して発光演出時の表示内容の視認性を向上させるという課題を有することは自明である」との認定には誤りがあるものと思料致します。すなわち、審判長殿が周知技術として認定された引用文献3-6に記載の技術は、いずれもLEDの発光色を順次切り替える際における切り替えの明確性を向上させることを目的とする技術ではないことから、引用文献1、2に記載の発明においてLEDの発光色を順次切り替える際に、切り替えの明確性を向上させるために引用文献3-6に記載の技術を用いることは、設計変更の範囲内ではなく、引用文献1、2に記載の発明に引用文献3-6に記載の技術を適用して本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものではないものと思料致します。」

(2)しかしながら、上記「4(3)イ」、「4(4)ウ」及び「4(5)ウ」で説示したように、周知例として示した文献には、LEDからなる各画素において発光色の切り替えを行うことが記載されており、上記「4(6)」で説示したように、これらの文献により示されることは、LEDの発光色等の表示を切り替える際に、残像現象の緩和による表示内容の視認性向上等を目的として、画像表示装置の画像更新周期よりも短い期間だけ、全てのLEDを消灯するよう制御することが、周知技術であるということである。そして、上記「5(1)ウ」及び「5(2)ウ」で説示したように、引用発明1、2においても、表示内容の視認性向上は自明の課題であるから、当該課題を解決するために、上記周知技術を採用することは、当業者が適宜なし得たことである。

(3)したがって、上記(2)で説示したように、令和1年9月10日付け意見書における審判請求人の主張は、いずれも理由がない。

7 むすび
本願発明は、引用発明1と周知技術とに基づいて、または、引用発明2と周知技術とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-12-23 
結審通知日 2020-01-07 
審決日 2020-01-22 
出願番号 特願2013-188661(P2013-188661)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤脇 沙絵大隈 俊哉  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 川崎 優
島田 英昭
発明の名称 遊技機  
代理人 木村 満  
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