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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C07D 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C07D 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C07D 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C07D |
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管理番号 | 1361793 |
審判番号 | 訂正2020-390002 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-01-15 |
確定日 | 2020-03-27 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3640888号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3640888号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第3640888号は、1999年12月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年12月7日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1?4に係る発明について平成17年1月28日に特許権の設定登録がされたものである。 そして、令和2年1月15日に本件訂正審判の請求がされたものである(以下、本件訂正審判に係る訂正を「本件訂正」ともいう)。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件審判の請求の趣旨は、「特許第3640888号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項1のとおりである。 [訂正事項1] 特許請求の範囲の請求項1の記載を、 「次式により表わされる化合物を調製する方法であって: 【化1】 該方法は、以下: (a)式IIのp-フルオロベンゾイル酪酸を塩化ピバロイルと反応させ、そして該生成物を式IIIのキラル補助剤でアシル化して、式IVのケトンを得る工程であって: 【化2】 ここで、Xは、-O-、-S-または-N(C_(1)?C_(6)アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR^(1)は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C_(1)?C_(6)アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個?3個の置換基である、工程; (b)キラル触媒の存在下にて、該式IVのケトンを式Vのアルコールに還元する工程; 【化3】 (c)該式Vのキラルアルコール、式VIのイミンおよびヒドロキシ保護剤を反応させ、次いで、該ヒドロキシ保護化合物を縮合して、式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを得る工程であって、ここで、Protは、ヒドロキシ保護基である、工程: 【化4】 (d)該式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを、(i)シリル化剤およびフッ化物イオン触媒環化剤;(ii)シリル化剤および式IIIのキラル補助剤の四級アンモニウム塩;または(iii)非求核性強塩基、で環化して、式VIIIの化合物を得る工程:ならびに 【化5】 (e)該ヒドロキシ保護基を除去する工程、を包含する、方法。」と訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正の目的について 本件訂正前の請求項1に記載された 「(c)該式Vのキラルアルコール、式VIのイミンおよびヒドロキシ保護剤を反応させ、次いで、該ヒドロキシ保護化合物を縮合して、式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを得る工程であって、ここで、Protは、ヒドロキシ保護基である、工程: 【化4】 」においては、本来、式Vの化合物と式VIの化合物との縮合反応において得られる式VIIの化合物におけるR^(1)の立体配置は、式Vの化合物におけるR^(1)の立体配置が維持されたものになることが、技術常識から明らかである。 そして、キラル炭素を有する化合物の立体配置を紙面上に表現する際には、キラル炭素における置換基の結合について、紙面の手前側に位置する基の結合をくさび形の太い実線で表し、紙面の向こう側に位置する基の結合をくさび形の点線で表すことが一般的であるので、式Vの化合物がオキサゾリジノン骨格のN原子を左側に描写され、R^(1)の結合がくさび形の点線で表されている場合に、R^(1)の立体配置が維持された式VIIの化合物がオキサゾリジノン骨格のN原子を右側に描写されていれば、R^(1)の結合はくさび形の太い実線で表されるべきである。 このことは、式VIIの化合物に対応する、本件明細書の段落0014に記載された工程(c)の式VIIの化合物におけるC_(6)H_(5)基の結合、及び同段落0040に記載された式VIIの化合物におけるPh基の結合がいずれも、太い実線で表されていることによっても、示されている。 しかるところ、本件訂正前の請求項1に記載された式VIIの化合物を示す 「 」との記載は、これと整合しない表記であって、 「 」との記載の誤記であることは、技術常識から明らかである。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。 2 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 前記1のとおり、本件訂正は誤記の訂正を目的とするものであって、本件訂正の前後において特許請求の範囲に拡張又は変更はないことから、本件訂正は特許法第126条第6項に適合する。 3 願書に最初に添付した外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 本件特許の国際出願日における国際出願の明細書第14頁第1行に記載された 「 」との記載が、 「 」との記載の誤記であることは、技術常識から明らかである。 したがって、本件訂正は、願書に最初に添付した外国語書面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであることから、本件訂正は特許法第126条第5項に適合する。 4 特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであることについて 訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないので、本件訂正は特許法第126条第7項に適合する。 第4 むすび 本件審判請求における請求項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおりに審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 次式により表わされる化合物を調製する方法であって: 【化1】 該方法は、以下: (a)式IIのp-フルオロベンゾイル酪酸を塩化ピバロイルと反応させ、そして該生成物を式IIIのキラル補助剤でアシル化して、式IVのケトンを得る工程であって: 【化2】 ここで、Xは、-O-、-S-または-N(C_(1)?C_(6)アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR^(1)は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C_(1)?C_(6)アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個?3個の置換基である、工程; (b)キラル触媒の存在下にて、該式IVのケトンを式Vのアルコールに還元する工程; 【化3】 (c)該式Vのキラルアルコール、式VIのイミンおよびヒドロキシ保護剤を反応させ、次いで、該ヒドロキシ保護化合物を縮合して、式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを得る工程であって、ここで、Protは、ヒドロキシ保護基である、工程: 【化4】 (d)該式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを、(i)シリル化剤およびフッ化物イオン触媒環化剤;(ii)シリル化剤および式IIIのキラル補助剤の四級アンモニウム塩;または(iii)非求核性強塩基、で環化して、式VIIIの化合物を得る工程:ならびに 【化5】 (e)該ヒドロキシ保護基を除去する工程、を包含する、方法。 【請求項2】 次式のβ-(置換アミノ)アミドを調製する方法であって: 【化6】 ここで、Xは、-O-、-S-または-N(C_(1)?C_(6)アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR^(1)は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C_(1)?C_(6)アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個?3個の置換基であり;そして、ここで、Protは、ヒドロキシ保護基であり;該方法は、式Vのキラルアルコール: 【化7】 式VIのイミン: 【化8】 およびヒドロキシ保護剤を反応させ、次いで、該ヒドロキシ保護化合物を縮合して、該β-(置換アミノ)アミドを得る工程を包含する、方法。 【請求項3】 次式の化合物を調製する方法であって: 【化9】 ここで、Protは、ヒドロキシ保護基であり、該方法は、次式のβ-(置換アミノ)アミドを、シリル化剤およびフッ化物イオン触媒環化剤で環化する工程を包含し: 【化10】 ここで、Xは、-O-、-S-または-N(C_(1)?C_(6)アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR^(1)は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C_(1)?C_(6)アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C_(1)?C_(6)アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個?3個の置換基であり;そして、ここで、Protは、上で定義した通りである、方法。 【請求項4】 次式の化合物であって: 【化11】 ここで、Protは、ヒドロキシ保護基である、化合物。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-02-27 |
結審通知日 | 2020-03-03 |
審決日 | 2020-03-17 |
出願番号 | 特願2000-586688(P2000-586688) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(C07D)
P 1 41・ 856- Y (C07D) P 1 41・ 854- Y (C07D) P 1 41・ 841- Y (C07D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 冨永 保 |
特許庁審判長 |
佐々木 秀次 |
特許庁審判官 |
関 美祝 村上 騎見高 |
登録日 | 2005-01-28 |
登録番号 | 特許第3640888号(P3640888) |
発明の名称 | アゼチジノンの合成プロセス |
代理人 | 小野 誠 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 安藤 健司 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 安藤 健司 |
代理人 | 小野 誠 |