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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1361956
審判番号 不服2019-254  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-10 
確定日 2020-04-22 
事件の表示 特願2016-504653「多層ミラーアセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月 2日国際公開、WO2014/154733、平成28年 7月21日国内公表、特表2016-521374〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)3月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年(平成25年)3月29日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成29年11月10日付けで拒絶理由が通知され、平成30年3月2日に意見書の提出とともに手続補正がなされ、同年8月28日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し平成31年1月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。


2 本件発明
本願の請求項1?24に係る発明は、平成30年3月2日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?24に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項15に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、以下のとおりの発明である。
「 (i)テトラフルオロエチレン(TFE)及びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位、ならびにエチレン、プロピレン及びイソブチレンから選択される少なくとも1種の水素化モノマーに由来する繰り返し単位を含む、少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F-1)]を含む組成物[組成物(C1)]から作られる、層[層(L1)]であって、前記層(L1)が処理された内表面と外表面とを有する、層[層(L1)]と、
(ii)層(L1)の、処理された内表面に直接接触している、少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(C2)]から作られる金属層[層(L2)]と、
を備える、多層ミラーアセンブリ。」


3 引用文献の記載事項及び引用発明
(1)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の1988年(昭和63年)9月29日に頒布された刊行物である独国特許出願公開第3709208号明細書(以下、「引用文献1」という。)には、以下の記載事項がある。なお、合議体が発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。以下の文献についても同様である。

ア 「

」(第2頁第1?20行 なお、行番号は明細書の欄外に付された番号に基づく。以下同様である。)
翻訳文
「特許請求の範囲
1.フィルム結合が、フッ素ポリマーからなる少なくとも1つのカバー層と、機械的に耐久性がある樹脂からなる支持層と、を含むことを特徴とする金属箔でコーティングされた樹脂フィルムを含むミラーアセンブリ。
2.支持層が同様にフッ素ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のミラーアセンブリ。
3.フッ素ポリマーが熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のミラーアセンブリ。
4.熱可塑性フッ素樹脂がPVF、PVDF、FEP、TFA、PFA、ICTFE、ITFEまたはTFBであることを特徴とする請求項3に記載のミラーアセンブリ。
5.カバー層が支持層同様のフッ素ポリマーからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のミラーアセンブリ。
6.支持層がポリオレフィン、ポリエーテル、ポリプロピレン、ポリエステル、塩素化ポリオレフィン、ポリテレフタレートまたはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1に記載のミラーアセンブリ。
7.金属箔が銀箔であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラーアセンブリ。
8.金属箔がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のミラーアセンブリ。」

イ 「


(中略)


」(第2頁第35?44行、第59?61行)
翻訳文
「 明細書

本発明は、金属箔でコーティングされた樹脂フィルムを含むミラーアセンブリと、その利用と、その製造方法と、に向けられている。
金属箔でコーティングされている、例えば集光ミラーを製造するために支持フレームにより張られて低圧の作用により変形されている樹脂フィルムを含むミラーアセンブリが知られている。この場合に例えば銀めっきされたポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムを利用することが知られている。しかしながら、これらの既知のアセンブリは向けられた要求を必要に応じて部分的に満たすだけであり、多くの関係において従来の金属ミラーまたはガラスミラーを完全に代替することはできない。

(中略)

これにより、本発明の目的は前記技術のミラーアセンブリを、できる限り最適な方法において光学特性および機械特性を統合するように形成し、製造方法および好ましい利用を提供することである。」

ウ 「


(中略)



(中略)



(中略)


」(第2頁第62行?第3頁第2行、第12?20行、23?24行、37?46行)
翻訳文
「 本課題は本発明に従って、フッ素ポリマーからなるカバー層および機械的に耐久性がある樹脂フィルムからなる樹脂フィルムを含む結合により解決される。これら2つのフィルムの間には反射性金属箔が適用されている。
そのような結合は、光線入射側に対してフッ素ポリマーにより優れた光学特性、つまり特に非常に優れた透過性を達成し、支持フィルムにより要求される機械的硬さを達成することを保証する。従来のミラーアセンブリに対してこのようなフィルム結合の利点は、例えば天文学用ミラーまたは太陽電池の集光のように、低強度の光線を集めるための大面積集光ミラーにおいて用いられる。

(中略)

そのようなフィルム結合を備えるミラーアセンブリは、フッ素ポリマーを利用することで保証される異なる波長の光を含めた電磁光線に対する非常に高い耐久性と、約-5℃?150℃の温度範囲における耐熱性と、化学薬品および溶媒に対する耐久性と、支持材料に基づいて発生する高い機械的安定性、特に高い引き裂き抵抗と、抗接着性と、広い延性領域における弾性変形性で示される。
本発明のさらなる形成において、支持層は同様にフッ素ポリマーである。その場合に有利には、フッ素ポリマーとして熱可塑性フッ素樹脂が利用され、特にPVF、PVDF、FEP、TFA、PFA、ECTFE、ETFEまたはTFBである。

(中略)

原理的にカバー層に対して、熱可塑性の加工できないPTFEのような全ての前記フッ素ポリマーを利用することができ、前記の必要な特性に加えて、反射する金属箔への十分な接着を達成することを考慮する必要がある。

(中略)

本発明のさらなる形成において、結合の均一な機械的振る舞いを維持するためにカバー層が支持層と同じフッ素ポリマーからなる。支持層は必要に応じて機械特性を改善するために硬化してよい。
支持層は金属箔を適用する前に接着を改善するために例えば、エッチング、火焔処理、電気的グロー放電などにより活性化してよい。
あるいは、フッ素ポリマーからなる支持フィルムに対して本発明の枠組みにおいてさらに、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩素化ポリオレフィン、ポリテレフタレートまたはそれらの組み合わせからなるフィルムを提供してよい。
金属箔は金フィルムまたはクロムフィルムであってよく、特に銀フィルムまたはアルミニウムフィルムを利用する。」

エ 「

」(第4頁第9?66行)
翻訳文
「 本発明に従うミラーアセンブリのフィルム結合の原則的な構成は次の表1に示されている:

構成

カバー層 C
金属層 B
支持層 A

支持層A:
フッ素ポリマーまたはフッ素化ポリマー

カバー層C:
フッ素ポリマー

支持層(A)および原理的にカバー層(C)として次の表2に従うフィルム製品が考慮される:


(合議体注:上記記載において、「Formel」は「化学式」を、「Handelsname」は「製品名」を、それぞれ意味する。)

(2)引用文献1に記載された発明
上記引用文献1の記載事項ウに基づけば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「フッ素ポリマーからなるカバー層および機械的に耐久性がある樹脂フィルムからなる樹脂フィルムを含み、これら2つのフィルムの間には反射性金属箔が適用されているミラーアセンブリであって、支持層はフッ素ポリマーであり、結合の均一な機械的振る舞いを維持するためにカバー層が支持層と同じフッ素ポリマーからなり、支持層は金属箔を適用する前に接着を改善するために電気的グロー放電により活性化された、ミラーアセンブリ。」

(3)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の2002年(平成14年)11月に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された G.H.Yang et al., "Electroless deposition of nickel on fluoropolymers modified by surface graft copolymerization", European Polymer Journal, Volume 38, Issue 11, 2002/11, pp. 2153-2160(以下、「引用文献2」という。)には、以下の記載事項がある。

ア 「1. Introduction
In recent years, there has been a remarkable increase in the use of synthetic organic polymers in electronics [1]. The synthetic polymers have the desirable physicochemical and dielectric properties. They also exhibit good processability. However, the application of polymers in electronics and microelectronics still faces a number of technique challenges [2]. An important example is the characteristic low surface energy of most polymers and their resulting poor adhesion to metals and semiconductors [3-5]. Surface modification of fluoropolymers has been of particular interest, as these materials belong to one of the most important families of engineering polymers [6].

(中略)

On the other hand, the electroless deposition of metal onto polymer surfaces is a simple and convenient method to metallize the polymer surfaces.

(中略)

In the present work, surface modification of the Ar plasma-pretreated poly(tetrafluoroethylene)(PTFE) and poly(vinylidene fluoride)(PVDF)films are carried out via UV-induced surface graft copolymerization with the N-containing monomers, such as 4-vinyl pyridine (4VP), 2-vinyl pyridine (2VP) and 1-vinyl imidazole (VIDz). Metallization is carried out via the electroless nickel plating on the graft-copolymerized fluoropolymer surfaces.」(第2153頁左下欄第1行、同欄第11行?同頁右下欄第2行、同欄第17行?第2154頁左欄第1行、同欄第13?21行)
翻訳文
「1.はじめに
近年、エレクトロニクスにおける合成有機ポリマーの使用が著しく増加している。合成ポリマーは望ましい物理化学的特性と誘電特性を備える[1]。また、合成ポリマーは加工性も良好である。しかしながら、ポリマーのエレクトロニクスやマイクロエレクトロニクスへの応用は、依然として多くの技術的課題がある[2]。重要な例が、多くのポリマーの低い表面エネルギーによる、金属及び半導体への不十分な接着性である[3-5]。フルオロポリマーの表面改質は、これらの材料が大変重要な工学ポリマーの最も重要な一群に属することから、特に重要である[6]。

(中略)

他方、金属のポリマー表面への無電解堆積は、ポリマー表面を金属化する簡単で便利な手法である。

(中略)

本研究では、Arプラズマによる前処理されたポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)及びポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)フィルムの表面改質は、4-ビニルピリジン(4VP)や2-ビニルピリジン(2VP)及び1-ビニルイミダゾール(VIDz)等のN含有モノマーとのUV誘起表面グラフト共重合によって実行される。金属化は、グラフト共重合されたフルオロポリマー表面へのニッケル無電解めっきにより実行される。」

イ 「2.2 Argon plasma pretreatment of the fluoropolymer films

(中略)

The film was placed between the two parallel electrodes and subjected to the glow discharge for a predetermined period of time at an Ar flow rate of 50 standard cubic centimeter per min (sccm) and a pressure of about 0.5 Torr. The Ar plasma-pretreated films were then exposed to the atmosphere at room temperature (25℃) and 60% relative humidity for at least 10 min to facilitate the formation of surface peroxides and hydroperoxides for the subsequent UV-induced graft copolymerization experiments [18].」(第2154頁左欄第37行、第45行?同頁右欄第5行)
翻訳文
「2.2 フルオロポリマーフィルムのアルゴンプラズマ前処理

(中略)

フィルムを2つの平行電極の間に配置し、標準とする毎分50立方センチメーター(sccm)のAr流量及び0.5Torrで所定時間グロー放電にさらした。その後、Arプラズマで前処理したフィルムを室温(25℃)及び相対湿度60%で少なくとも10分間大気にさらし、その後、UVグラフト共重合により表面過酸化物及びヒドロペルオキシドの形成を促進した[18]。」

ウ 「2.4 Electroless deposition of nickel on the surface-modified fluoropolymer films
The surface-modified fluoropolymer films were activated through the direct immobilization of the palladium catalyst for the subsequent electroless nickel plating. The film was immersed directly in an aqueous solution containing 0.1 wt.% PdCl_(2) and 1.0 wt.% HCl (10M) for 5 min and then rinsed with copious amounts of doubly distilled water. The surface-activated film was then immersed in an electroless plating bath at a temperature of 88℃ for 1-3 min.」(第2154頁右欄第)
翻訳文
「2.4 表面改質フルオロポリマーフィルム上へのニッケルの無電解堆積
表面修飾フルオロポリマーフィルムは、続いて行われるニッケル無電解めっきのために、パラジウム触媒を直接固定化することによって活性化された。フィルムを直接、0.1重量%のPdCl_(2)及び1.0重量%のHCl(10M)を含む水溶液に5分間浸漬し、多量の二重蒸留水で洗浄した。そして、表面活性化フィルムを温度88℃の無電解めっき浴に1?3分浸漬した。」

(4)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の昭和60年10月11日に頒布された刊行物である特開昭60-200967号公報(以下、「引用文献3」という。)には、以下の記載事項がある。

ア 「2 〔特許請求の範囲〕

有機高分子シートの少なくとも片面にプラズマ照射処理し、しかる後に無電解法にて金属メッキすることを特徴とする有機高分子シートの金属メッキ法。」(第1頁左下欄第4?7行)

イ 「 すなわち、有機高分子からなるシート素材の少なくとも片面にプラズマ照射処理を施こした後、通常の無電解メッキ処理を行うことにより、モノフィラメント繊維、モノフィラメント繊維布帛、或いはプラスチックフィルム等、メッキの付着しにくい素材においても均一で良好なメッキ処理と、優れた導電性を付与する方法に関するものである。」(第2頁左上欄第2?8行)

ウ 「 本発明における有機高分子シートとは、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン系の合成繊維布帛と、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフロロエチレン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリイミド等のプラスチックからなるフィルムであり、特に繊維布帛の場合には太デニールのモノフィラメントが対象となる。」(第2頁左下欄第5?12行)

エ 「実施例 1
使用した有機高分子シートは、厚さ140ミクロンのポリエステルフィルムである。
ポリエステルフィルムは、真空状態を形成しながら酸素ガス0.6Torrの圧力に保持したベルジャー型容器内にて13.56MHZ、50Wの高周波グロー放電により表面、及び裏面を各10秒間照射処理した。
得られたフィルムは、非イオン活性剤1cc/lを含む水溶液中にて40℃で5分間脱脂処理後水洗し、更に苛性ソーダ水溶液10g/lを用い80℃で10分間エッチング処理を行った。
次に塩化第一錫10g/lを含む塩化水素を用い、PH3に調整した水溶液中に室温下で2分間感受性付与処理を行い水洗し、更に塩化パラジウム0.3g/lを含む塩化水素を用い、PH2に調整した水溶液中に室温下で2分間の活性化処理を行った後水洗した。
処理されたフィルムは、PH5に調整された次の水溶液にて40℃で10分間の金属メッキ処理を付与し、十分に水洗した。
水溶液 硫酸ニッケル 30g/l
酢酸ナトリウム 10g/l
次亜リン酸ソーダ 10g/l」(第2頁左下欄第15行?同頁右下欄第16行)

(5)引用文献4の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の平成11年11月16日に頒布された刊行物である特開平11-314310号公報(以下、「引用文献4」という。)には、以下の記載事項がある。

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】 フッ素樹脂シートの表面をリモート水素プラズマ処理して親水化する工程、親水化したフッ素樹脂シートの表面にパラジウム金属を付着させる工程、および表面にパラジウム金属が付着したフッ素樹脂シートを無電解めっき処理を行って金属薄膜を形成する工程を有することを特徴とするフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法。」

イ 「【0010】
【発明の実施の形態】まず第1の工程であるフッ素樹脂シートの表面をリモート水素プラズマ処理して親水化する工程について説明する。この工程は、無電解メッキによって金属薄膜を形成させる場合の触媒となるパラジウム金属を付着させるために必要な工程であって、リモート水素プラズマ処理を施すことによって、脱フッ素および酸化が生じてフッ素樹脂シートの表面が改質され、親水化される。本発明における表面改質のために用いるリモート水素プラズマ処理は、プラズマゾーンから離れた位置にサンプルをおいてプラズマ処理を行うものであって、プラズマゾーンにサンプルをおいて処理するダイレクト水素プラズマ処理とは本質的に異なるものである。」

ウ 「【0013】本発明において使用するフッ素樹脂シート(フィルム)としては、PTFE、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体等のシートがあげられる。」

(6)引用文献5の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の2011年(平成23年)11月3日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された国際公開第2011/134941号(以下、「引用文献5」という。)には、以下の記載事項がある。

ア 「 Technical Field
[0002] The invention pertains to novel VDF polymers compositions having improved mechanical properties/optical behaviour compromise, which are useful for the manufacture of transparent films.

(中略)

Disclosure of Invention
[0016] It is thus an object of the present invention a thermoplastic VDF polymer composition which is advantageously endowed with an improved compromise of transparency/translucency properties and barrier properties, chemical resistance, mechanical properties, weatherability and thermal rating and which possesses outstanding mechanical and thermal properties of semi-crystalline VDF polymers, while having enhanced transparency/translucency.
[0017] More precisely, the invention pertains to a thermoplastic VDF polymer composition comprising:
- at least one thermoplastic vinylidene fluoride (VDF) polymer, comprising at least 85 % by moles of recurring units derived from VDF; and
- at least one ethylene/chlorotrifluoroethylene (ECTFE) polymer, wherein said ECTFE polymer possesses a melting point of less than 210℃ and it is comprised in an amount of from 0.1 to 20% wt with respect to the total weight of VDF polymer and ECTFE polymer.
[0018] The Applicant has surprisingly found that the addition of said particular ECTFE polymer having low melting point and in said above detailed amounts enables significantly improving transparency/translucency of the VDF polymers without negatively affecting barrier properties, chemical resistance, mechanical properties, weatherability and thermal rating.」
翻訳文
「技術分野
[0002]本発明は、透明フィルムの製造に有用な、向上した機械的性質/光学的挙動の中間点を有する新規VDFポリマーに関する。

(中略)

発明の開示
[0016]そのため、本発明の目的は、透明性/半透明性とバリア性、耐薬品性、機械的性質、耐候性、及び熱定格との間の向上した中間点を有利にも与えられ、増大した透明性/半透明性を持ちながら、半結晶性VDFポリマーの優れた機械的性質及び熱的性質を有する熱可塑性VDFポリマー組成物である。
[0017]より正確には、本発明は、
-フッ化ビニリデン(VDF)から誘導される反復単位を少なくとも85モル%含む、少なくとも1種の熱可塑性フッ化ビニリデン(VDF)ポリマー;及び
-少なくとも1種のエチレン/クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)ポリマー
を含む熱可塑性VDFポリマー組成物であって、
前記ECTFEポリマーが、210℃未満の融点を有し、VDFポリマーとECTFEポリマーの総重量に対して0.1?20重量%の量で含まれる熱可塑性VDFポリマー組成物に関する。
[0018]出願者は、低い融点を有する前記の特定のECTFEポリマーを前記の詳述された量で加えると、バリア性、耐薬品性、機械的性質、耐候性、及び熱定格に悪影響を与えずに、VDFポリマーの透明性/半透明性を著しく向上できることを、驚くべきことに見いだした。」

イ 「[0055] Still another objet of the invention is the use of the thermoplastic VDF polymer composition of the invention for manufacturing films.

(中略)

[0060] Films so obtained are another object of the present invention.
[0061] Still within the frame of the present invention is the use of the film obtained from the composition as above detailed as protective films for photovoltaic modules, as films for transportation, industrial and food packaging, for pharmaceutical storage and packaging, cap-stocks, cap-layers.」
翻訳文
「[0055]本発明のさらに別の目的は、フィルムを製造するための、本発明の熱可塑性VDFポリマー組成物の使用である。

(中略)

[0060]そのように得られたフィルムは、本発明の別の目的である。
[0062]太陽電池モジュール用の保護フィルム、輸送、工業包装及び食品包装、医薬品の貯蔵及び包装、キャップストック、キャップレイヤー用のフィルムとしての、先に詳述された組成物から得られたフィルムの使用も本発明の枠組み内にある。」

(7)引用文献6の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張の日前の2012年(平成14年)4月19日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された国際公開第2012/049193号(以下、「引用文献6」という。)には、以下の記載事項がある。

ア 「Technical Field
[0002] The invention pertains to multilayer assemblies comprising an ethylene/chlorotrifluoroethylene layer, more particularly to multilayer assemblies having UV blocking properties, suitable for being exposed to UV radiations.
Background Art
[0003]Ethylene/chlorotrifluoroethylene polymers have been widely used for manufacturing protective and packaging films and coatings, due to their outstanding trasparency, weatherability and mechanical properties.

(中略)

Summary of invention
[0012]The invention thus pertains to a multilayer assembly comprising:
(L1) a first inner layer [layer (L1)] made from a first composition
[composition (C1)], said composition (C1) comprising:
- at least one polymer comprising recurring units derived from ethylene (E) and from chlorotrifluoroethylene (CTFE), and
- at least one Ti compound; and
(L2) a second outer layer [layer (L2)] made from a second composition
[composition (C2)], said composition (C2) being substantially free from TiO_(2)-containing additives, said second composition comprising at least one semi-crystalline polymer comprising recurring units derived from ethylene and from at least one fluoromonomer selected from chlorotrifluoroethylene (CTFE), tetrafluoroethylene (TFE) and mixtures thereof, said
semi-crystalline polymer having a heat of fusion of at least 35 J/g [polymer (A)].」
翻訳文
「技術分野
[0002]本発明は、エチレン/クロロトリフルオロエチレン層を含む多層アセンブリに、より具体的には、UV放射線に暴露されるのに好適な、UVブロッキング特性を有する多層アセンブリに関する。
背景技術
[0003]エチレン/クロロトリフルオロエチレンポリマーは、それらの傑出した透明性、耐候性および機械的特性のために、保護および包装フィルムならびにコーティングを製造するために広く使用されている。

(中略)

発明の概要
[0012] 本発明はしたがって、
(L1)第1組成物から製造された第1内層[層(L1)]であって、
[組成物(C1)]前記組成物(C1)が、
- エチレン(E)におよびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する繰り返し単位を含む少なくとも1つのポリマー、および
- 少なくとも1つのTi化合物
を含み、
(L2)第2組成物から製造された第2外層[層(L2)]であって、
[組成物(C2)]前記組成物(C2)がTiO_(2)含有添加剤を実質的に含まず、前記第2組成物が、エチレンにおよびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのフルオロモノマーに由来する繰り返し単位を含む少なくとも1つの半結晶性ポリマーを含み、
前記半結晶性ポリマー[ポリマー(A)]が少なくとも35J/gの融解熱を有する、
を含む多層アセンブリに関する。」

イ 「[0029] According to certain embodiments, composition (C2) will comprise polymer (A), as above described, in admixture with at least one other semi-crystalline polymer comprising recurring units derived from ethylene and from at least one fluoromonomer selected from chlorotrifluoroethylene (CTFE), tetrafluoroethylene (TFE) and mixtures thereof, said semi-crystalline polymer having a heat of fusion of less than 35 J/g [polymer (B)].

(中略)

[0041] Layer (L1) of the multilayer assembly of the invention is made from composition (C1) comprising:
- at least one polymer comprising recurring units derived from ethylene (E) and from chlorotrifluoroethylene (CTFE), and
- at least one Ti compound.

(中略)

[0082] Further, in addition, according to a further embodiment of the present invention, a field of use which has been found particularly interesting for the multilayer assemblies of the present invention is the domain of protection of PV modules.
[0083] Thus, a method for protecting a PV module including covering said module with at least one multilayer assembly as above defined is still another aspect of the present invention.
[0084] According to this method, the multilayer assembly can be used for front or back protection of the PV cell module, front side being the side exposed to incident light. Multilayer assemblies comprising transparent layers, as above detailed, are particularly useful as front sheets in PV modules.」
翻訳文
「[0029]特定の実施形態によれば、組成物(C2)は、エチレンにならびに、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのフルオロモノマーに由来する繰り返し単位を含む少なくとも1つの他の半結晶性ポリマーであって、35J/g未満の融解熱を有する前記半結晶性ポリマー[ポリマー(B)]と混合して、上記の通り、ポリマー(A)を含むであろう。

(中略)

[0041] 本発明の多層アセンブリの層(L1)は、
- エチレン(E)におよびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する繰り返し単位を含む少なくとも1つのポリマーと、
- 少なくとも1つのTi化合物と
を含む組成物(C1)から製造される。

(中略)

[0082]さらに、その上、本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の多層アセンブリにとって特に興味があることが分かった使用の分野は、PVモジュールの保護の領域である。
[0083]したがって、前記モジュールを、上に定義された通りの少なくとも1つの多層アセンブリでカバーする工程を含むPVモジュールの保護方法は、依然として本発明の別の態様である。
[0084]この方法によれば、多層アセンブリは、前側が入射光に曝される側である、PVセルモジュールの前面または後面保護のために使用することができる。上に詳述された通りの、透明な層を含む多層アセンブリは、PVモジュールにおける前面シートとして特に有用である。」


4 対比
本件発明と引用発明とを対比する。

(1)多層ミラーアセンブリ
引用発明の「ミラーアセンブリ」は、「フッ素ポリマーからなるカバー層および機械的に耐久性がある樹脂フィルムからなる樹脂フィルム」を含み、これら2つのフィルムの間に「反射性金属箔」が適用されて」なるものである。そうすると、引用発明の「ミラーアセンブリ」は、多層構造を有するミラーアセンブリであるといえる。
したがって、引用発明の「ミラーアセンブリ」は、本件発明の「多層ミラーアセンブリ」に相当する。

(2)層(L1)
引用発明の「支持層」は、層形状をなすものであるから、その形状からみて、内表面及び外表面を有するといえる。また、引用発明は、「支持層はフッ素ポリマー」とされていることから、引用発明の「支持層」は、少なくとも1種のフルオロポリマーを含む組成物から作られた層であるといえる。さらに、引用発明の「支持層」は、「金属箔を適用する前に接着を改善するために電気的グロー放電により活性化された」ものであるから、金属箔が適用されることとなる内表面が電気的グロー放電による活性化処理がされているといえる。
したがって、引用発明の「支持層」と本件発明の「テトラフルオロエチレン(TFE)及びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位、ならびにエチレン、プロピレン及びイソブチレンから選択される少なくとも1種の水素化モノマーに由来する繰り返し単位を含む、少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F-1)]を含む組成物[組成物(C1)]から作られる、層[層(L1)]であって、前記層(L1)が処理された内表面と外表面とを有する、層[層(L1)]」とは、「少なくとも1種のフルオロポリマーを含む組成物から作られる、層[層(L1)]であって、前記層(L1)が処理された内表面と外表面とを有する、層[層(L1)]」である点で共通する。

(3)層(L2)
引用発明の「反射性金属箔」は、本件発明の「金属層[層(L2)]」に相当する。また、引用発明の「支持層」は金属箔を適用する前に接着を改善するために電気的グロー放電により活性化処理を行っている。そうすると、引用発明の「反射性金属箔」は、技術的にみて、本件発明の「金属層[層(L2)]」における、「処理された内表面に直接接触している」という要件を満たすものである。

(4)以上より、本件発明と引用発明とは、
「(i)少なくとも1種のフルオロポリマーを含む組成物から作られる、層[層(L1)]であって、前記層(L1)が処理された内表面と外表面とを有する、層[層(L1)]と、
(ii)層(L1)の、処理された内表面に直接接触している金属層[層(L2)]と、
を備える、多層ミラーアセンブリ。」である点で一致し、以下の点で相違又は一応相違する。
[相違点1]層[層(L1)]が、本件発明は「テトラフルオロエチレン(TFE)及びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位、ならびにエチレン、プロピレン及びイソブチレンから選択される少なくとも1種の水素化モノマーに由来する繰り返し単位を含む、少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F-1)]を含む組成物[組成物(C1)]から作られる」のに対し、引用発明はそのように特定されていない点。
[相違点2]金属層[層(L2)]が、本件発明は「少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(C2)]から作られる」のに対し、引用発明はそのように特定されていない点。


5 判断
(1)[相違点1]について
ア 引用文献1の記載事項ウには、支持層に用いる「フッ素ポリマー」について、「フッ素ポリマーとして熱可塑性フッ素樹脂が利用され、特にPVF、PVDF、FEP、TFA、PFA、ECTFE、ETFEまたはTFBである。」と記載されている。そして、記載事項エの記載によれば、「ECTFE」はテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する繰り返し単位及びエチレンに由来する繰り返し単位を含むフルオロポリマーであり、「ETFE」はクロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する繰り返し単位及びエチレンに由来する繰り返し単位を含むフルオロポリマーである。また、引用文献5には、透明フィルムの製造に有用なポリマーとして、記載事項アに「at least one ethylene/chlorotrifluoroethylene (ECTFE) polymer」(翻訳文:少なくとも1種のエチレン/クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)ポリマー)を含むポリマー組成物が記載されており、記載事項イにこれらのフィルムを「protective films for photovoltaic modules」(翻訳文:太陽電池モジュール用の保護フィルム)に用いることが記載されている。さらに、引用文献6にも、記載事項アに「at least one polymer comprising recurring units derived from ethylene (E) and from chlorotrifluoroethylene (CTFE)」(翻訳文:エチレン(E)におよびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する繰り返し単位を含む少なくとも1つのポリマー)を含む組成物から作られた層を有する多層アセンブリが記載されており、記載事項イに「protecting a PV module」(翻訳文:PVモジュールの保護)に用いることも記載されている。これらの記載に基づけば、太陽電池等に用いられる透明フィルムとしてクロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する繰り返し単位及びエチレンに由来する繰り返し単位を含むフルオロポリマーから作られたフィルムは周知技術であるといえる。
したがって、引用発明の層[層(L1)]について、引用文献1に記載された示唆に従い、あるいは、上記周知技術を適用し、本件発明の上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

イ 審判請求人は、審判請求書において、「引用文献1-4には、本願発明の特徴である狭く具体的に特定されている、『テトラフルオロエチレン(TFE)及びクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位、ならびにエチレン、プロピレン及びイソブチレンから選択される少なくとも1種の水素化モノマーに由来する繰り返し単位を含む、少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F-1)]』について、記載も示唆も存在しない」と主張している。しかしながら、前記アに記載したとおり、引用文献1には、本件発明における「ポリマー(F-1)」から作られたフィルムを支持層とすることが示唆されている。
したがって、審判請求人の上記主張は採用することができない。

(2)[相違点2]について
ア 本件発明の「金属層[層(L2)]」は、「少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(C2)]から作られる」と特定されるものの、作られた「金属層[層(L2)]」は、単体状態の金属からなる層(本願明細書の段落【0131】)である。そうすると、本件発明の「金属層[層(L2)]」と引用発明の「金属箔」とが、物として相違するということはできない。したがって、上記[相違点2]は実質的な相違点ではない。

イ また、仮に相違するとしても、金属層を、金属化合物を含む組成物から作ることは周知技術であるといえる。例えば、引用文献2の記載事項アには「Metallization is carried out via the electroless nickel plating on the graft-copolymerized fluoropolymer surfaces.」(翻訳文:金属化は、グラフト共重合されたフルオロポリマー表面へのニッケル無電解めっきにより実行される。)と記載されており、引用文献3の記載事項アにも「有機高分子シートの少なくとも片面にプラズマ照射処理し、しかる後に無電解法にて金属メッキすることを特徴とする有機高分子シートの金属メッキ法。」と記載されており、さらに、引用文献4の記載事項アにも「フッ素樹脂シートの表面をリモート水素プラズマ処理して親水化する工程、親水化したフッ素樹脂シートの表面にパラジウム金属を付着させる工程、および表面にパラジウム金属が付着したフッ素樹脂シートを無電解めっき処理を行って金属薄膜を形成する工程を有することを特徴とするフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法。」と記載されている。これらのめっき法により作られる金属層は、金属化合物を含む組成物から作られるものであることは、技術常識であるといえる。また、例えば、引用文献1の請求項7において金属箔が銀箔であることが示唆されているように、ミラーアセンブリの金属箔が、めっき法により製造することに適したものであることは、技術常識である。
そうすると、引用発明の「金属箔」を、上記周知技術を用いて適用し、「少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(C2)]から作られる」ものとすることは、当業者が適宜なし得たことである。

ウ 審判請求人は、審判請求書において、「引用文献1には、・・・しかしながら、これらの中から、特にグロー放電処理を選択すべきその他の記載や示唆は存在せず、これらの処理を用いた実施例も記載されておらず、更には、金属層を設ける手法としての「無電解めっき」には、記載も示唆も存在しない。」、「引用文献2-4には、PTFE等のシートに無電解めっきを行うことが記載されてはいるものの、これらは、ポリマーと金属メッキの密着性のみを課題とするのみであり、光透過性層と金属層とを有し、反射特性が求められる多層ミラーアッセンブリの製造において、無電解めっきが有効であるのかについて、教示も示唆もしていない。」と主張している。しかしながら、本件発明は、「グロー放電処理」や「無電解めっき」を要件としておらず、当該主張は、特許請求の範囲の記載に基づくものではない。
したがって、審判請求人の上記主張は採用することができない。

(3)効果について
本件発明の効果は、引用文献1の記載に基づいて、当業者が予測し得た範囲のものである。


6 むすび
以上のとおり、本件発明は、引用発明及び引用文献1の記載事項、並びに、上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その他の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-11-20 
結審通知日 2019-11-26 
審決日 2019-12-09 
出願番号 特願2016-504653(P2016-504653)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 博一廣田 健介  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 宮澤 浩
高松 大
発明の名称 多層ミラーアセンブリ  
代理人 園田・小林特許業務法人  

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